(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したアンテナとチューナの組を二組備えたラジオ放送受信装置によれば、受信可能な他の放送の探索は、一組のアンテナとチューナを用いて行われる。一方、二組のアンテナとチューナを用いるフェーズダイバーシティ受信によれば、一組のアンテナとチューナのみを用いた場合に比べ、良好な受信品質で放送を受信することができる。
【0005】
したがって、このような一組のアンテナとチューナを用いてバックグランドで受信可能な他の放送の探索を行うラジオ放送受信装置によれば、二組のアンテナとチューナを用いるフェーズダイバーシティ受信を行った場合に受信可能な放送の探索漏れが発生する。
【0006】
ここで、このような探索漏れは、受信可能な他の放送の探索も二組のアンテナとチューナを用いたフェーズダイバーシティ受信によってバックグランドで行うようにすれば排除することができる。
【0007】
一方で、フェーズダイバーシティ受信を行う場合には、二組のアンテナとチューナでそれぞれ受信した受信信号の位相合わせなどの前処理を行って初めて定常的な放送の受信が可能となるため、放送の受信品質を検出するまでに、一組のアンテナとチューナを用いて放送の受信品質を検出する場合よりも長い時間が必要となる。
【0008】
そして、このために、受信可能な他の放送の探索をフェーズダイバーシティ受信によってバックグランドで行う場合には、受信可能な他の放送の探索に要する時間が長期間化してしまうという問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、ダイバーシティ受信を行う放送受信装置において、ダイバーシティ受信によって受信可能な放送の探索を、短時間で探索漏れなく行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題達成のために、本発明は、放送チャネルを用いて伝送される放送を受信する放送受信装置に、第1のアンテナと、第2のアンテナと、前記第1のアンテナと第2のアンテナとを用いた前記放送のダイバーシティ受信を行い、受信した放送のコンテンツをユーザに対して出力するダイバーシティ受信部と、検査対象の放送チャネルである検査チャネルが、前記ダイバーシティ受信部で正常にダイバーシティ受信できる受信可能放送チャネルであるかどうかを判定する判定処理を行う受信可能放送チャネル判定手段と、バックグランド受信部とを備えたものである。ここで、当該バックグランド受信部は、前記検査チャネルの前記第1のアンテナによる受信品質を第1受信品質として検出する第1受信品質検出部と、前記検査チャネルの前記第2のアンテナによる受信品質を第2受信品質として検出する第2受信品質検出部と、前記検査チャネルの前記第1のアンテナと第2のアンテナとを用いたダイバーシティ受信の受信品質をダイバーシティ受信品質として検出するダイバーシティ受信品質検出部とを備えている。また、前記受信可能放送チャネル判定手段は、前記判定処理において、前記検査チャネルの第1受信品質と第2受信品質のうちの少なくとも一方が所定の受信品質を表す第1のレベルより良好である場合に、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルであると判定し、前記検査チャネルの第1受信品質と第2受信品質の双方が、前記第1のレベルより所定程度低い所定の受信品質を表す第2のレベルより良好でない場合に、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルでないと判定し、他の場合に、前記検査チャネルのダイバーシティ受信品質を取得し、取得したダイバーシティ受信品質が良好であるときに、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルであると判定し、取得したダイバーシティ受信品質が良好でないときに、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルでないと判定する。
【0011】
また、前記課題達成のために、本発明は、放送チャネルを用いて伝送される放送を受信する放送受信装置に、第1のアンテナと、第2のアンテナと、前記第1のアンテナと第2のアンテナとを用いた前記放送のダイバーシティ受信を行い、受信した放送のコンテンツをユーザに対して出力するダイバーシティ受信部と、検査対象の放送チャネルである検査チャネルが、前記ダイバーシティ受信部で正常にダイバーシティ受信できる受信可能放送チャネルであるかどうかを判定する判定処理を行う受信可能放送チャネル判定手段と、バックグランド受信部とを備えたものである。ここで、当該バックグランド受信部は、前記検査チャネルの前記第1のアンテナによる受信品質を第1受信品質として検出する第1受信品質検出部と、前記検査チャネルの前記第2のアンテナによる受信品質を第2受信品質として検出する第2受信品質検出部と、前記検査チャネルの前記第1のアンテナと第2のアンテナとを用いたダイバーシティ受信の受信品質をダイバーシティ受信品質として検出するダイバーシティ受信品質検出部とを備えている。また、前記受信可能放送チャネル判定手段は、前記判定処理において、前記検査チャネルの第1受信品質と第2受信品質のうちの少なくとも一方が所定の受信品質を表す第1のレベルより良好である場合に、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルであると判定し、前記検査チャネルの第1受信品質と第2受信品質の双方が、前記第1のレベルより良好でなく、かつ、前記第1受信品質と前記第2受信品質の少なくとも一方が、前記第1のレベルより所定程度低い所定の受信品質を表す第2のレベルより良好でない場合に、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルでないと判定し、他の場合に、前記検査チャネルのダイバーシティ受信品質を取得し、取得したダイバーシティ受信品質が良好であるときに前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルであると判定し、取得したダイバーシティ受信品質が良好でないときに、前記検査チャネルは前記受信可能放送チャネルでないと判定する。
【0012】
ここで、以上のような放送受信装置は、当該放送受信装置に、前記ダイバーシティ受信部が受信可能な放送チャネルが登録されたステーションリストと、ユーザ操作に応じて、前記ステーションリストに登録されている放送チャネルの放送の受信を、前記ダイバーシティ受信部に行わせる受信チャネル制御手段と、前記ステーションリストを作成するステーションリスト作成手段とを設けると共に、前記ステーションリスト作成手段において、前記検査チャネルとする放送チャネルを切り替えながら、各検査チャネルについての前記判定処理を受信可能放送チャネル判定手段に行わせて、各放送チャネルが前記受信可能放送チャネルであるか否かを検出し、前記受信可能放送チャネルであることが検出された放送チャネルを前記ステーションリストに登録するように構成してもよい。
【0013】
また、以上の放送受信装置は、前記第1受信品質検出部に、前記第1のアンテナを用いて前記検査チャネルの放送信号を受信する第1のチューナを備え、前記第2受信品質検出部に、前記第2のアンテナを用いて前記検査チャネルの放送信号を受信する第2のチューナを備えると共に、前記ダイバーシティ受信品質検出部に、前記第1チューナが受信した放送信号と前記第2チューナが受信した放送信号をダイバーシティ合成するダイバーシティ合成部と、当該ダイバーシティ合成部が合成した放送信号に基づいて前記ダイバーシティ受信品質を検出する検出部とを備えて構成してもよい。
【0014】
ここで、以上の放送受信装置において、前記第1のレベルは、前記第1チューナもしくは第2チューナで前記検査チャネルを正常に受信できなくなる受信品質のレベルとしてもよい。
また、この場合、前記第2のレベルは、前記第1のアンテナによる受信品質と前記第2のアンテナによる受信品質の双方が当該第2のレベルよりも良好でない場合に、前記ダイバーシティ受信部で正常にダイバーシティ受信できなくなることが保証されるレベルに設定することが好ましい。
【0015】
ここで、以上の放送受信装置において、前記放送はラジオ放送であってよい。
また、以上の各放送受信装置は、自動車に搭載される放送受信装置であってよい。
このような放送受信装置によれば、検査チャネルが、第1受信品質検出部、第2受信品質検出部それぞれにおいて検出した第1受信品質、第2受信品質の少なくとも一方が第1レベルより良好である場合や、第1受信品質、第2受信品質の双方が第1レベルより良好でなく、第1受信品質、第2受信品質の双方または一方が第2レベルより良好でない場合には、比較的時間を要するダイバーシティ受信品質検出部におけるダイバーシティ受信品質の検出をまたずに、ダイバーシティ受信部で正常にダイバーシティ受信できる受信可能放送チャネルであるかどうかを判定することができる。
【0016】
ここで、単一のアンテナを用いて放送を正常に受信できる場合には、二つのアンテナを用いるダイバーシティ受信によっても正常に放送を受信できる。また、二つのアンテナのそれぞれの受信環境の双方が所定レベル以上劣悪である場合には、ダイバーシティ受信によっても正常に放送を受信することはできない。
【0017】
したがって、以上のような放送受信装置によれば、適切な第1レベル、第2レベルを用いることにより、第1受信品質検出部、第2受信品質検出部でそれぞれ単一のアンテナを用いて検出した第1受信品質、第2受信品質に基づいてダイバーシティ受信部におけるダイバーシティ受信の判定を行っても、ダイバーシティ受信によって受信可能な放送の探索漏れが発生しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、ダイバーシティ受信を行う放送受信装置において、ダイバーシティ受信によって受信可能な放送の探索を、短時間で探索漏れなく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るラジオ放送受信装置の構成を示す。
図示するように、ラジオ放送受信装置1は、第1アンテナ101と第2アンテナ102との二つのアンテナ、受信部103、アンプ104、スピーカ105、制御部106、入力装置107、表示装置108、BG受信部109、メモリ110を備えている。
【0021】
次に、受信部103は、第1チューナ1031と、第2チューナ1032と、信号処理部1033とを備えている。そして、第1チューナ1031は第1アンテナ101に接続しており、第2チューナ1032は第2アンテナ102に接続している。
【0022】
また、BG受信部109は、第1BGチューナ1091と、第2BGチューナ1092と、受信品質検出部1093とを備えている。そして、第1BGチューナ1091は第1アンテナ101に接続しており、第2BGチューナ1092は第2アンテナ102に接続している。
【0023】
ここで、受信部103の第1チューナ1031と第2チューナ1032には、制御部106によって、選択的に一つの周波数チャネルが、受信部103の受信チャネルとして設定される。そして、第1チューナ1031は、第1アンテナ101が受信したRF信号より受信チャネルのIF信号を生成し信号処理部1033に出力し、第2チューナ1032は、第2アンテナ102が受信したRF信号より受信チャネルのIF信号を生成し信号処理部1033に出力する。信号処理部1033は、第1チューナ1031から入力するIF信号と第2チューナ1032から入力するIF信号を位相調整した上で合成するフェーズダイバーシティ合成を行い、合成したIF信号より音声を復元し、復元した音声をアンプ104に出力する。
【0024】
次に、アンプ104は受信部103から出力された音声を、制御部106から設定されたゲインで増幅しスピーカ105から出力する。
次に、BG受信部109の第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092には、制御部106によって、選択的に一つの周波数チャネルが、検査チャネルとして設定される。そして、第1BGチューナ1091は、第1アンテナ101が受信したRF信号より検査チャネルのIF信号を生成し受信品質検出部1093に出力し、第2BGチューナ1092は、第2アンテナ102が受信したRF信号より検査チャネルのIF信号を生成し受信品質検出部1093に出力する。また、第1BGチューナ1091は、生成したIF信号の信号強度(Sメータ)より、検査チャネルの受信品質を受信品質Qr1としてを算定し、第2BGチューナ1092は、生成したIF信号の信号強度より検査チャネルの受信品質を、受信品質Qr2として算定する。但し、受信品質Qr1、Qr2は、SN比、マルチパス歪みなどを考慮して算定するようにしてもよい。
【0025】
一方、受信品質検出部1093は、第1BGチューナ1091から入力するIF信号と第2BGチューナ1092から入力するIF信号を位相調整した上で合成するフェーズダイバーシティ合成を行い、合成したIF信号の信号強度より、検査チャネルの受信品質を、ダイバーシティ受信品質QrDとして算定する。なお、受信品質検出部1093は、上述した位相調整のための位相差検出などの前処理を完了し、フェーズダイバーシティ合成によって検査チャネルを定常受信できるようになってからダイバーシティ受信品質QrDを算定するため、ダイバーシティ受信品質QrDの算出までには多少の時間を要する。
【0026】
次に、ラジオ放送受信装置1のメモリ110には、ステーションリストが制御部106によって格納される。
そして、ステーションリストは、現在、受信部103で受信可能な周波数チャネルのリストである。
さて、このような構成において制御部106は、入力装置107でユーザから受け付けた選局操作で指定された周波数チャネルを受信チャネルとして受信部103に設定する処理や、メモリ110のステーションリストに登録されている周波数チャネルの一覧を表示装置108に表示し、一覧中からの周波数チャネルの選択を入力装置107を介して受け付け、受け付けた周波数チャネルを受信チャネルとして受信部103の第1チューナ1031と第2チューナ1032に設定する処理や、入力装置107を介して受け付けたチャネル切替操作に応じて、メモリ110のステーションリストに登録されている周波数チャネルを順次、受信チャネルとして受信部103の第1チューナ1031と第2チューナ1032に設定する処理などを行うことにより、ユーザ所望の周波数チャネルの受信部103の受信と、当該周波数チャネルで受信した音声のスピーカ105への出力を行う。
【0027】
以下、制御部106がステーションリストの作成、更新のために行うステーションリスト更新処理について説明する。
図2に、このステーションリスト更新処理の手順を示す。
図示するように、ステーションリスト更新処理において、制御部106は、放送が行われ得る周波数チャネルのうちの周波数が最小の周波数チャネルを、BG受信部109の第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に検査チャネルとして設定する(ステップ202)。
【0028】
そして、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092のそれぞれが検出した検査チャネルの受信品質Qr1、Qr2を取得する(ステップ204)。
そして、受信品質Qr1、Qr2の双方が、しきい値ThNGより低い受信品質であるかどうかを調べ(ステップ206)、受信品質Qr1、Qr2の双方が、しきい値ThNGより低い受信品質であれば、ステーションリストに現在検査チャネルとなっている周波数チャネルが登録されている場合には当該周波数チャネルの登録をステーションリストから削除した上で(ステップ216)、ステップ218に進む。
【0029】
ここで、受信品質NGを、受信品質Qr1、Qr2の双方が受信品質NGより低い場合には、フェーズダイバーシティ受信によっても正常に放送が受信できなくなることが確実となる、受信品質の最高値として、しきい値ThNGには受信品質NGを表す値を予め設定する。
【0030】
一方、受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方が、しきい値ThNGより低くなければ(ステップ206)、さらに、受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方が、しきい値ThGより高いかどうかを調べる(ステップ208)。
【0031】
ここで、受信品質Gを、フェーズダイバーシティ受信を行うことなく、一組のアンテナとチューナを用いた受信によって正常に放送が受信できることが確実となる受信品質の最低値として、しきい値ThGには予め受信品質Gを表す値を予め設定する。
【0032】
そして、受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方が、しきい値ThGより高い場合には(ステップ208)、検査チャネルとして第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定している周波数チャネルをメモリ110のステーションリストに登録し(ステップ214)、ステップ218に進む。
【0033】
一方、受信品質Qr1、Qr2の双方がしきい値ThG以下である場合、すなわち、受信品質Qr1、Qr2の双方がしきい値ThG以下かつ受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方がしきい値ThNG以上である場合には(ステップ208)、BG受信部109の受信品質検出部1093から検査チャネルのダイバーシティ受信品質QrDを取得する(ステップ210)。なお、制御部106は、ステップ210の開始時に、受信品質検出部1093で検査チャネルのダイバーシティ受信品質QrDの検出が完了していない場合には、受信品質検出部1093で検査チャネルのダイバーシティ受信品質QrDが検出されるのを待って、当該ダイバーシティ受信品質QrDを取得する。
【0034】
そして、ダイバーシティ受信品質QrDが、しきい値ThDGより高いかどうかを調べ(ステップ212)、しきい値ThDGより高くなければ、ステーションリストに現在検査チャネルとなっている周波数チャネルが登録されている場合には当該周波数チャネルの登録をステーションリストから削除した上で(ステップ216)、ステップ218に進む。
【0035】
ここで、受信品質DGをフェーズダイバーシティ受信によって正常に放送が受信できることが確実となる受信品質の最低値として、しきい値ThDGには受信品質DGを表す値を予め設定する。
【0036】
一方、ダイバーシティ受信品質QrDが、しきい値ThDGより高い場合には(ステップ212)、検査チャネルとして第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定している周波数チャネルをメモリ110のステーションリストに登録し(ステップ214)、ステップ218に進む。
【0037】
そして、ステップ214、216のいずれかからステップ218に進んだならば、検査チャネルとして第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定している周波数チャネルが、放送が行われ得る周波数チャネルのうちの周波数が最大の周波数チャネルであるかどうかを調べ、周波数が最大の周波数チャネルであれば、ステップ202からの処理に戻り、周波数が最大の周波数チャネルでなければ、放送が行われ得る周波数チャネルのうちの、検査チャネルとして第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定している周波数チャネルの次に周波数が大きい周波数チャネルを検査チャネルとして、BG受信部109の第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定した上で(ステップ220)、ステップ204からの処理に戻る。
【0038】
以上、制御部106が行うステーションリスト更新処理について説明した。
次に、以上のようなステーションリスト更新処理の処理例を示す。
図3は、受信品質Qr1/Qr2の良否を、受信品質Qr1/Qr2がしきい値ThGより高い場合に良、受信品質Qr1/Qr2がしきい値ThG以下かつしきい値ThNG以上の場合に不良、受信品質Qr1/Qr2がしきい値ThNGより低い場合に悪とし、ダイバーシティ受信品質QrDの良否を、ダイバーシティ受信品質QrDがしきい値ThDGより高い場合に良、ダイバーシティ受信品質QrDがしきい値ThDG以下の場合に悪として、ステーションリスト更新処理の処理例を示したものである。
【0039】
図示するように、この例では、ステーションリスト更新処理が開始されると、Ch01が検査チャネルとして第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定され、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおいてCh01の受信品質Qr1、Qr2が検出される。
【0040】
ここで、受信部103はフェーズダイバーシティ受信によって、第1BGチューナ1091や第2BGチューナ1092において単独に放送の受信を行う場合よりも、より受信環境が悪い状態でも正常に放送を受信できるので、受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方が良である周波数チャネルは、受信部103で正常にフェーズダイバーシティ受信できる。
【0041】
そこで、ここでは、Ch01の受信品質Qr1、Qr2が共に良であるので、制御部106は、Ch01をステーションリストに登録すると共に、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh02に切り替える。
【0042】
すると、次に、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおけるCh02の受信品質Qr1、Qr2が検出される。そして、ここでは、Ch02の受信品質Qr1は不良であるが、Ch02の受信品質Qr2は良であるので、制御部106は、Ch02をステーションリストに登録すると共に、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh03に切り替える。
【0043】
すると、次に、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおけるCh03の受信品質Qr1、Qr2が検出される。そして、ここでは、Ch03の受信品質Qr1、Qr2は双方とも悪であり、受信品質Qr1、Qr2が双方とも悪である周波数チャネルは受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行っても正常に受信できないことが確実であるように悪の判定基準(ThNG)を定めているので、制御部106は、Ch03をステーションリストへの登録は行わずに、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh04に切り替える。
【0044】
すると、次に、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおけるCh04の受信品質Qr1、Qr2が検出される。そして、ここでは、Ch04の受信品質Qr1、Qr2は双方とも不良であるので、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合に、Ch04を正常に受信できるかどうかは確定することができない。そこで、制御部106は、受信品質検出部1093でCh04のダイバーシティ受信品質QrDが検出されるのを待つ。そして、ここでは、Ch04のダイバーシティ受信品質QrDが良であるので、制御部106は、Ch04をステーションリストに登録すると共に、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh05に切り替える。
【0045】
すると、次に、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおけるCh05の受信品質Qr1、Qr2が検出される。そして、ここでは、Ch05の受信品質Qr1は良であり、Ch02の受信品質Qr2は不良であるので、制御部106は、Ch05をステーションリストに登録すると共に、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh06に切り替える。
【0046】
すると、次に、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおけるCh06の受信品質Qr1、Qr2が検出される。そして、ここでは、Ch06の受信品質Qr1は不良であり、Ch06の受信品質Qr2は悪であるので、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合に、Ch06を正常に受信できるかどうかは確定することができない。そこで、制御部106は、受信品質検出部1093でCh06のダイバーシティ受信品質QrDが検出されるのを待つ。そして、ここでは、Ch04のダイバーシティ受信品質QrDが悪であるので、制御部106は、Ch06をステーションリストに登録するとことなく、第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092に設定する検査チャネルをCh07に切り替える。
【0047】
そして、以下、検査チャネルとする周波数チャネルを切替ながら全ての周周波数チャネルに対して同様の処理を行っていく。
さて、
図3に示したように、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおける受信品質Qr1、Qr2の双方が不良または一方が不良で他方が悪である周波数チャネルについては、受信品質検出部1093におけるダイバーシティ受信品質QrDの検出をまって受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合の正常受信の可否を検出する必要があるため、当該検出には時間TDを要する。
【0048】
一方、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおける受信品質Qr1、Qr2の少なくとも一方が良である周波数チャネルや、受信品質Qr1、Qr2の双方が悪である周波数チャネルについては、時間TDよりも短い時間TS内に、受信品質検出部1093におけるダイバーシティ受信品質QrDの検出を待たずに、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合の正常受信の可否を検出することができる。
【0049】
よって、本実施形態に係るステーションリスト登録処理によれば、フェーズダイバーシティ受信によって受信可能な放送の探索を、短時間で探索漏れなく行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態は、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおける受信品質Qr1、Qr2の双方が不良または一方が不良で他方が悪である周波数チャネルについては、受信品質検出部1093におけるダイバーシティ受信品質QrDの良否に応じて、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合の正常受信の可否を検出するようにしたが、これは、次のように変更して実施するようにしてもよい。
【0050】
すなわち、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおける受信品質Qr1、Qr2の双方が不良である周波数チャネルについてのみ、受信品質部におけるダイバーシティ受信品質QrDの良否に応じて、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合の正常受信の可否を検出し、第1BGチューナ1091、第2BGチューナ1092それぞれにおける受信品質Qr1、Qr2の一方が不良で他方が悪である周波数チャネルについては、無条件に、受信部103でフェーズダイバーシティ受信を行った場合の正常受信ができないものと判定するようにしてもよい。なお、この場合には、
図2のステーションリスト登録処理のステップ206は、受信品質Qr1<ThNG、かつ、受信品質Qr2<ThNGの場合と、受信品質Qr1とQr2の双方がThG以下、かつ、受信品質Qr1とQr2の一方がThNG未満である場合にステップ216に進み、他の場合にステップ208に進む処理とする。
【0051】
また、以上の実施形態では受信可能な周波数チャネルをバックグランドで探索してステーションリストに登録する動作について示したが、本実施形態で示した第1BGチューナ1091と第2BGチューナ1092で検出した受信品質Qr1/Qr2とダイバーシティ受信品質QrDに応じて、周波数チャネルの放送の受信の可否を判定する技術は、各種サーチ、各種スキャンなど任意の用途における周波数チャネルの放送の受信の可否の検出に同様に適用することができる。
【0052】
また、以上の実施形態では、ラジオ放送を受信する放送受信装置への適用を例にとり説明したが、本実施形態は、TV放送を受信する放送受信装置などの、任意の放送を受信する放送受信装置に同様に適用することができる。