特許第6646579号(P6646579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6646579高アンモニア血症の検出のためのデバイス及びデバイスを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646579
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】高アンモニア血症の検出のためのデバイス及びデバイスを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 31/00 20060101AFI20200203BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20200203BHJP
   G01N 27/327 20060101ALI20200203BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   G01N31/00 G
   G01N27/416 336G
   G01N27/327 353R
   G01N27/327 353D
   G01N27/416 341G
   G01N27/416 371
   G01N27/416 311G
   G01N33/50 B
【請求項の数】17
【全頁数】112
(21)【出願番号】特願2016-537941(P2016-537941)
(86)(22)【出願日】2014年9月2日
(65)【公表番号】特表2016-529515(P2016-529515A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】US2014053756
(87)【国際公開番号】WO2015031911
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年9月4日
(31)【優先権主張番号】61/872,149
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509267465
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ メリーランド,カレッジ パーク
(73)【特許権者】
【識別番号】514262417
【氏名又は名称】チルドレンズ ナショナル メディカル センター
【氏名又は名称原語表記】CHILDREN’S NATIONAL MEDICAL CENTER
(73)【特許権者】
【識別番号】515107421
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンティッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシズ, オフィス オブ テクノロジー トランスファー, ナショナル インスティテューツ オブ ヘルス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アユブ, オマール ビラル
(72)【発明者】
【氏名】ベーレンス, アダム マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コフィナス, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】サマー, マーシャル リン
(72)【発明者】
【氏名】カブレラ−ルケ, フアン マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム, ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】シメオノフ, アントン
(72)【発明者】
【氏名】マルガン, フアン
【審査官】 大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05624537(US,A)
【文献】 特開昭57−086053(JP,A)
【文献】 特開2006−126092(JP,A)
【文献】 特開平09−271398(JP,A)
【文献】 特開2010−160134(JP,A)
【文献】 特開平02−104272(JP,A)
【文献】 特開平02−091574(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0161113(US,A1)
【文献】 Acta Veterinarica Hungarica,2002年,Vol.50 No.3,Page.263-271
【文献】 Molecular Genetics and Metabolism,2015年,Vol.115 No.2-3,Page.95-100
【文献】 J Bacteriol,2007年,Vol.189 No.23,Page.8746-8749
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00
G01N 33/50
G01N 27/327
G01N 27/416
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の容器;
前記第1及び前記第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記第1の容器と流体連通しているコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた、過フッ素化イオノマーを含む膜
を含むバイオセンサーであって、
前記膜がアンモニアを選択的に輸送し、
前記第2の容器が、ベルテロー反応を行うための、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び1つまたは複数の、フェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を含む、前記バイオセンサー。
【請求項2】
前記第2の容器が、触媒をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項3】
ダイオードに作動可能に接続された導電面をさらに含み、前記導電面は前記第2の容器と流体連通しており前記導電面は、ワイヤーによって、電流計、電圧計、分光光度計またはそれらの組み合わせに作動可能に接続され、ここで、前記導電面は、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、ヒスチジンアンモニアリアーゼ、チロシンアンモニアリアーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸アンモニアリアーゼ、スレオニンデヒドロゲナーゼ、スレオニンアンモニアリアーゼ、セリンデヒドロゲナーゼ、セリンアンモニアリアーゼ、ロイシンデヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸デヒドロゲナーゼ、アスパラギン酸アンモニアリアーゼ、バリンデヒドロゲナーゼ、グリシンデヒドロゲナーゼ、アラニンデヒドロゲナーゼ、プロリンデヒドロゲナーゼ、リシンデヒドロゲナーゼ、またはその機能的断片から選択される1つまたは複数の代謝酵素を含む、請求項1または請求項2に記載のバイオセンサー。
【請求項4】
前記バイオセンサーが、以下の1つまたは複数を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサー:(i)ウリカーゼまたはその機能的断片;(ii)デキストランまたはその誘導体を含むヒドロゲル;(iii)細菌細胞;(iv)電気泳動用に配置された電子双極子;(v)液体アンモニアを気体状態に変換するために配置される気化器、ガスクロマトグラフまたは発熱体;及び(vi)3,4−DHB。
【請求項5】
100μLを超えない試料容量を保持するように前記コンジットが配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項6】
デジタルディスプレイ、前記分光光度計並びに前記分光光度計からのデジタル情報を受け取るように、及びデジタル情報を前記デジタルディスプレイに送るように配置された1つまたは複数のワイヤーに作動可能に接続されたプロセッサーを含む電子回路をさらに含む、請求項3に記載のバイオセンサー。
【請求項7】
前記アルカリ緩衝剤0.1M5Mの酢酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、または塩化ナトリウムを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記フェノール試薬またはインドフェノール関連化合物がフェノール、2−フェニルフェノールまたはナフトールから選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項9】
前記アルカリ緩衝剤が0.51.5Mの、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムまたは酢酸亜鉛である、請求項1〜のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項10】
前記膜0.001mm〜0.069mmの厚さを有するNafion(登録商標)を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項11】
(i)プロセッサーと、ダイオード、分光光度計、電圧計または電流計の1つまたは組み合わせとに作動可能に接続されているコンピューター記憶メモリー、および
(ii)前記ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計からデジタルディスプレイに波長、電流及び/または電圧差の測定値に対応する電気信号を運ぶことができるワイヤーによって、前記バイオセンサーの読み出し部に作動可能に接続されている前記デジタルディスプレイ
をさらに含み、前記触媒がインドフェノール反応を触媒するのに十分な期間にわたって、前記バイオセンサーの前記読み出し部が試料と接触している場合に、前記デジタルディスプレイが、前記試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の濃度値を示すように配置される、請求項2〜1のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
【請求項12】
請求項1〜1のいずれか1項に記載のバイオセンサーおよび1つまたは複数の容器を含むキットであって、
前記バイオセンサーが、
第1及び第2の容器;
前記第1及び前記第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記第1の容器と流体連通しているコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた、過フッ素化イオノマーを含む膜
を含み、
前記膜がアンモニアを選択的に輸送し、
前記1つまたは複数の容器が、ベルテロー反応を行うための、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及びフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記キット。
【請求項13】
請求項1〜1のいずれか1項に記載のバイオセンサーに体液試料を接触させることを含む、試料におけるアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の定量方法。
【請求項14】
対象の代謝疾患の診断方法における使用のための請求項1〜1のいずれか1項に記載のバイオセンサーであって、前記方法が、
(a)請求項1〜1のいずれか1項に記載のバイオセンサーに体液試料を接触させること;
(b)前記試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を定量すること;
(c)前記試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあると特定されたアンモニア濃度の閾値と比較すること;及び
(d)前記試料中のアンモニアの前記1つまたは複数の濃度値が前記閾値を超えるか下回る場合に、代謝疾患を有するとして前記対象を特定すること
を含む、前記バイオセンサー。
【請求項15】
前記代謝疾患が高アンモニア血症である、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項16】
第1及び第2の電極
前記第1及び第2の電極の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記第1の電極と流体連通しているコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた、過フッ素化イオノマーを含む膜
を含む固体支持体を含む検査ストリップであって、
前記膜がアンモニアを選択的に輸送し、
前記第1の電極または第2の電極が、ベルテロー反応を行うための、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び1つまたは複数の、フェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記検査ストリップ。
【請求項17】
前記検査ストリップが、
ダイオード、
分光光度計、
電圧計及び/または電流計並びに
デジタルディスプレイ
を含む携帯用デバイス用に適合させられ、その結果、前記検査ストリップが前記デバイス内に位置する場合、前記第1及び第2の電極が、前記分光光度計、電圧計及び/または電流計並びに前記デジタルディスプレイを含む閉じた電気回路に作動可能に接続されるようになり、試料に接触する際に、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及びフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物がインドフェノール反応を触媒し、その結果、前記試料中のアンモニアの濃度値に対応する電流が第1の電極で生じ、そうした濃度値がデジタルディスプレイで読み取り可能である、請求項1に記載の検査ストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府による支援
本開示は、NIHと共同で、NIHにより与えられたHHSN268201200360Pのもとに政府による支援で行われた。合衆国政府は、本開示に一定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、アメリカ合衆国を指定し、35U.S.C.§120のもとに出願された国際出願であり、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2013年8月30日に出願されたU.S.仮出願第第61/872,149号に対する優先権を主張する。
【0003】
本開示は一般に、体液、水または他の環境試料の試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの定量及びその有無を特定するデバイスに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの存在、非存在または量を検出することによる、高アンモニア血症を有する対象の診断に関する。いくつかの実施形態では、デバイスは、アンモニアまたはアンモニウムイオンの検出及び/または定量のために、全体液試料のみを必要とするバイオセンサーである。
【背景技術】
【0004】
しばしば高アンモニア血と呼ばれるアンモニアレベルの上昇は、肝臓の硬変及び新生児に見つかる尿素回路障害などの様々な疾患に伴う、死に至る可能性のある症状である。治療しないままだと、高アンモニア血症は、認知発達問題、発作、他の神経性の問題及び死亡につながり得る。現在の検査方法は、中央検査室によって行われる蛍光光度法及びタンデム質量分析法を含み、これらは、信頼できる診断をするのに何日もかかり得る。これらの方法は、大型で、扱いにくく、高価な機械を必要とし、これにより、この障害が一旦特定されると、ベッドサイドまたは自宅でのアンモニアレベルの検査が妨げられる。したがって、ポイントオブケア検査デバイスのためのシステムが所望され得る。なぜならば、これによって、治療適用がより迅速になり得、ひいては、幼児の神経発達が改善され、硬変がより管理しやすくなるからである。高アンモニア血症を検査することができるデバイスは、アミノ酸代謝異常症及び他の疾患の診断及び治療で適用するために、アミノ酸レベルを検出するように、安価に改変することもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、高アンモニア血症は、ヒト及び非ヒトの全血試料を含めた体液を含めた任意の試料において、アンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルまたは量を特定することによって特定され得る及び/または特徴づけされ得るという認識を包含する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるデバイスに体液を接触させることによって、体液中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量、存在または非存在を特定することに関する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンが体液に存在するかどうか、またはどの程度存在するかを特定または定量する前に、体液を任意の試薬または外部刺激と接触させることを含まない。
【0006】
少なくとも1つの例示的実施形態によれば、ポイントオブケア高アンモニア血センサーのためのシステム、方法及び装置が開示され得る。このシステムは、フェノール、2−フェニルフェノール、ニンヒドリン、テトラヨージド水銀(II)酸カリウム、ニトロプルシド、水酸化ナトリウム、同様の試薬、触媒及び緩衝剤またはそれらの組み合わせを利用することができる。このシステムは、ヒオハライト(hyohalite)、クロラミンT、ブリーチまたは同様の化学物質を利用することもできる。しばしばベルテロー反応またはインドフェノール反応と呼ばれるこの反応は、アンモニア濃度の検出時の色の変化によって、様々な媒体中のアンモニアレベルを決定することができる。これは、高アンモニア血症及び様々なアミノ酸代謝異常症の診断などにおける医用システム、廃水処理プラントのアンモニアレベルの決定などにおける土木工学システム、または水槽もしくはパイプ中のアンモニア検出などの家庭用システムに有用であり得る。
【0007】
少なくとも1つの例示的実施形態によれば、ポイントオブケア高アンモニア血センサーのための装置が開示され得る。使用される装置は、試薬及び検査される試料の設置に要求される通りの凹面、溝または任意の他のタイプのウェルを有し得る。試料と試薬の分離は、ウェルの2つの区分間のアンモニアの通過を可能にする陽イオン交換膜フィルター、例えばNafionまたは同様の過フッ素化イオノマーでもよい。陰イオン交換膜ならびに様々な高分子ヒドロゲル、例えばアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(2−ヒドロキシルエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)も使用することもできる。さらに、他の例示的実施形態は、より少量の試薬及び試料しか必要としないフォトダイオード及びセンサーまたはマイクロ流体デバイスによって色の変化を定量分析するためのメカニズムを含むことができる。
【0008】
本開示は、インドフェノールまたはベルテロー反応用の試薬、例えば次亜塩素酸塩、フェニルフェノール、NaOHなどの塩基性水溶液及び酢酸ナトリウムなどのアルカリを含むシステムを使用して試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの総濃度を測定することができるバイオセンサーに関する。いくつかの実施形態では、センサーまたはシステムは、水相または乾燥相の塩基性緩衝剤を含む少なくとも第1の容器を含む。いくつかの実施形態では、乾燥相もしくは水相のインドフェノール反応物(reactant)もしくは反応物(reactants)、または乾燥相もしくは水相の塩基性緩衝剤、水相もしくは乾燥相のアルカリ溶液、及びまたは少なくとも1つのアミノ酸基質を酸化する酵素の少なくとも1つもしくはそれらの組み合わせを含むゲルもしくはヒドロゲルを含有する、少なくとも第1の容器を含む。本開示は、アンモニアまたはアンモニウムイオンの総濃度を測定するためのアンモニアまたはアンモニウムイオンのバイオセンサーを提供する。いくつかの実施形態では、アンモニアまたはアンモニウムイオンの検出または定量は、アンモニアまたはアンモニウムイオンの反応生成物が可視光スペクトルの波長を放射し得る比色分析を介して達成される。いくつかの実施形態では、システム及び/またはバイオセンサーは、少なくとも1つの容器において光を放射するように配置されたダイオード及びインドフェノールまたはベルテロー反応の反応生成物を含む容器中で放射される光を受け取るように配置された分光光度計を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、システム及び/またはバイオセンサーはまた、溶液中のアミノ酸の非存在、存在または量を検出する。いくつかの実施形態では、システム及び/またはバイオセンサーは、少なくとも第1の導電面(測定用)及び少なくとも第2の導電面(対電極)を含み、ここでは、第1の導電面は、本明細書に記載の1種もしくは複数のインドフェノール反応試薬または本明細書に記載の1種もしくは複数のインドフェノール反応試薬の組み合わせ及び構成因子、メディエーター、1種または複数の酵素のいずれか1つまたは組み合わせを有し、デバイスが1種または複数の酵素を含む場合は、1種または複数の酵素は、基質として1種または複数のアミノ酸を選択的に利用する。少なくとも第1または第2の電極を用いるそうした実施形態では、1種または複数の酵素は、基質としての特定のアミノ酸と反応することによって反応生成物を生成し、ここでは、メディエーターは反応生成物間で電子を輸送し、電極はアミノ酸濃度を測定し、ここでは、第1と第2の導電面の間の測定における印加電圧は、1種または複数の特定のアミノ酸のそれぞれについて電流値と印加電圧の間の関係を表す検量曲線において、未変化での電流値の分布がそれぞれのアミノ酸に関して電圧を印加したような印加電圧を含む。デバイス、システム及び/またはバイオセンサーが少なくとも第1及び/または第2の電極を含む他の実施形態では、第1及び/または第2の電極は、本明細書に記載のインドフェノール試薬が試薬の1種または複数の成分と反応することができる少なくとも1つの容器内に、実質的に隣接して、または隣接して位置する。いくつかの実施形態では、アンモニウムイオンのアンモニアは、フェノールまたはフェノール関連化合物を使用してインドフェノール反応が起こり得る酵素反応のうちの1つの反応生成物であり得る。
【0010】
少なくとも1つの例示的実施形態によれば、ポイントオブケア高アンモニア血センサーのための装置、デバイス及び/またはシステムが開示される。この装置は、試薬及び検査される試料の設置に望まれる通りの少なくとも第1の容器、または凹面、溝もしくは任意の他のタイプのウェルを含む。第1の容器は本明細書に開示される膜で2分割されていてもよく、または第1の容器は、流体交換開口部を介して第2の容器と流体連通して、第2の容器に直接隣接していてもよい。いくつかの実施形態では、膜は流体交換開口部に位置する。いくつかの実施形態では、膜は、第1の容器から第2の容器へ、またはその逆でイオンを輸送することができる。いくつかの実施形態では、膜は、陽イオン交換膜フィルター、例えば過フッ素化イオノマーを含むNafion(登録商標)または同様の膜などである。膜は、2つの容器の間または少なくとも第1の容器の2つの2分割された区分の間のアンモニアの通過を可能にする。陰イオン交換膜及び様々な高分子ヒドロゲル、例えばアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(2−ヒドロキシルエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)を使用することもできる。
【0011】
他の例示的実施形態は、固相または液相の少なくとも1つのインドフェノール試薬及び/または塩基性緩衝剤、本明細書に開示される膜の少なくとも一部に曝露された容器の区分を含む容器に試料を接触させることによって、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を定量分析するための、方法及びメカニズムを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、容器または容器に試料を加える前後に、少なくとも第1または第2の容器内の色の変化の強度を検出または定量することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも第1の容器、すなわち、本明細書に開示される少なくとも1つの膜によって曝露されたまたは覆われた区分または部分に試料を接触させることを含み、そのような第1の容器はまた、任意に、固相または液相のいずれかの、本明細書に開示される少なくとも1つのインドフェノール試薬及び/または塩基性緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも第1の容器が緩衝剤を含む場合は、緩衝剤は酢酸ナトリウムまたは酢酸カルシウムなどのアルカリ溶液でもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも第1及び第2の容器を含む本明細書に開示されるデバイス、バイオセンサーまたはシステムに試料を接触させる方法であって、少なくとも第1の容器中の塩基性緩衝剤に試料を接触させるか曝露し、試料由来のアンモニアを本明細書に開示されるインドフェノール試薬を含む第2の容器に移行させることを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも第1及び第2の容器を含む本明細書に開示されるデバイス、バイオセンサーまたはシステムに試料を接触させる方法であって、少なくとも第1の容器中のアルカリ溶液に試料を接触させるか曝露し、試料由来のアンモニアを本明細書に開示されるインドフェノール試薬を含む第2の容器に移行させ、第2の容器が1種または複数のインドフェノール反応物を含み、このインドフェノール反応物が、アンモニアとの接触後に、インドフェノールまたはインドフェノール関連化合物を生成することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、第2の容器の内容物は光に曝露され、特定の可視光波長でのインドフェノール化合物またはインドフェノール関連化合物による光の吸光度を測定し、吸光度は試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を示すか、そうした量に比例し、その吸光度は、それぞれに行う検査によって、または本明細書に開示されるデバイス、バイオセンサーもしくはシステムに組み込まれた、波長を測定するデバイスによって検出される。いくつかの実施形態では、方法は、色または波長の吸光度を高アンモニア血症の程度または重症度を示す基準と比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、デバイス内でインドフェノールまたはインドフェノール反応の生成物として生成され且つ光に曝露されたインドフェノール関連化合物による波長の吸光度を測定することができるダイオード、フォトダイオード及び/もしくは分光光度計または他のデバイスを含む、開示されるデバイス、バイオセンサーまたはシステムに試料を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、デバイス、バイオセンサー及び/またはシステムは、デバイス、バイオセンサー及び/またはシステムの外部の箇所から試料を受け取るように配置された少なくとも1つのコンジットを含むマイクロ流体回路を含み、そうしたマイクロ流体回路は、少なくとも第1及び/または第2の容器並びに光へ暴露された際にインドフェノールまたはインドフェノール関連化合物による特定の波長の吸光度を測定することができる分光光度計、ダイオードまたは他のデバイスの1つまたは組み合わせと流体連通している、コンジットまたは一連のコンジットを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、インドフェノールもしくはインドフェノール関連化合物または分析される代謝物の酸化還元変換によって生成される電子流を測定することができる電極に付着した容器内の本明細書に開示されるアルカリ緩衝剤及び/または膜に、試料を接触させるまたは曝露することに関する。血中のアンモニア及びもしくはアンモニウムイオン並びに/または代謝物の濃度は、少なくとも1つの導電面を含む回路上の電子流または電流測定値と相関する。本開示は、代謝物を選択する方法、固定化酵素を選ぶ方法、固定化する方法(どのポリマー、どの添加剤など)、電極へ成分を付着させる方法、測定を行う方法、及びプロトタイプを開発する方法を示すこの概念の実施化に関する。本開示は、患者の血中のアンモニアまたはアンモニウムイオン及び/または代謝物をリアルタイムで測定するのに使用される。本明細書に開示されるセンサーは別として、提唱される代謝物をリアルタイムで測定することができる既知のセンサーは存在しない。
【0013】
本開示は、ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計に作動可能に接続された少なくとも1つの導電面(例えば電極)を含むデバイスまたはシステムにも関し、電極は、組み合わされ、アンモニアの存在下にある場合に、インドフェノール反応を起こす成分を含む。インドフェノール反応生成物は、光への暴露後に可視または既知の波長を放射する分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス及びシステムは、ダイオード、例えばフォトダイオードを含み、これは、インドフェノール反応生成物を含む容器中に光を放射し、それによって、反応生成物を励起させ、反応生成物に可視または既知の波長を放射させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス及びシステムは、インドフェノール反応生成物によって放射される光の可視または既知の波長の強度を検出及び/または定量する分光光度計を含む。
【0014】
本開示は、アミノ酸を検出及び定量するデバイス及び/またはシステムにも関する。いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはシステムは、本明細書に開示される代謝酵素またはそれらの機能的断片を含有する容器またはウェルを含む。いくつかの実施形態では、酵素またはその断片は、試料が、最初にデバイス、バイオセンサー、システム、検査ストリップまたはカートリッジに入れられる容器に固定化される。試料と接触した後、酵素またはその機能的断片は、少なくとも1つのまたは一連の電子及びアンモニアを放出し、その結果、アンモニアは溶液中に遊離し、第1の容器から第2の容器の間を、本明細書に開示される膜を通じて移動することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは少なくとも第1及び第2の導電面を含み、ここでは、第1の導電面は本明細書に開示される酵素を含有するヒドロゲルを含み、第2の導電面はヒドロゲルまたは酵素を含まない。ここでは、電圧計及び/または電流計が回路中に配置され、その結果、アミノ酸の存在下で、第1及び第2の電極の間の電圧差を電圧計が検出することができ、並びに/またはここでは、アミノ酸の存在下で第2の電極と比較して、第1の電極における電流の増大を電流計が検出することができる。少なくとも1つのまたは一連の電子は、1種または複数のアミノ酸の存在下でヒドロゲル内の1種または複数の酵素が体の試料中のアミノ酸の酸化を触媒した後に放出される。
【0015】
ヒドロゲル配合物は、(反応に特異的な基質として代謝物/分析物を利用する)1種または複数の酵素を、いくつかの実施形態では少なくとも第1の電極面に近接する必須のコファクターとともに捕捉するのに使用され、ヒドロゲルは、(患者の血液試料内に含まれる)妨害するイオン及び高分子を電極センサーから同時に排除する。コーティングされた電極は、酵素反応によって生成される酸化還元等価物を電子流(これは、次いで電流または電圧差として測定される)に変換することができる電気化学検出デバイス内に含まれる。分析物の濃度は、アンペア数または電圧差を体液試料中のアミノ酸濃度と相関させる較正曲線を使用して得られる。一実施形態では、電極に曝露された容器に少量の全血が加えられるか、全血由来のアンモニアを拡散させ、その結果は、電極へそれを加えたまたは接触させた数分以内に報告される。分析物特異的な反応及び応答を達成するために、まさにその分析物に応じて、特異的な酵素(複数可)及びコファクター(複数可)が電極に組み込まれる。例えば、フェニルアラニンの上昇を検出するために、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ酵素が、任意にヒドロゲル内に含まれる少なくとも1つの導電面に固定化される。
【0016】
本開示は、体液試料の混合物を選別する方法であって、本明細書に開示されるデバイスまたはシステムに複数の体液試料を接触させることを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、体液試料の混合物を選別またはカタログ化する方法は、アンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度に関する場合は、デバイスによって測定された、1つもしくは複数の容器中のインドフェノール反応生成物の存在もしくは量または電流値もしくは電圧差値に基づいて、アミノ酸溶液の1つまたは複数の濃度の決定に関する場合は、デバイスによって測定された電流値または電圧差値に基づいて、体液試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度を決定するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、体液試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度を、1種または複数のアミノ酸代謝異常症または高アンモニア血症を有さないか、有する疑いがない対象から得た体液試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度と比較するステップ、並びにアミノ酸代謝異常症及び/または高アンモニア血症を患っていない対象由来の体液試料に対するそれらの濃度値の類似度または差異に基づいて、対象由来の体液試料がアミノ酸代謝異常症及び/または高アンモニア血症を有するかどうかをカタログ化する、まとめる、または特定するステップをさらに含む。本開示は、高アンモニア血症を有する対象の診断方法であって、対象由来の少なくとも1つの体液試料を本明細書に開示されるデバイスまたはシステムに接触させることを含む診断方法を提供する。いくつかの実施形態では、診断方法は、電流値、電圧差値、またはインドフェノール反応生成物、インドフェノールもしくはインドフェノール関連化合物によって放射される光の波長の有無に基づいて、体液試料中のアンモニア及び/またはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度を決定するステップをさらに含む。いずれの場合でも、本明細書に開示されるデバイス及びまたはシステムは、そうした値を検出及び/または測定する。いくつかの実施形態では、方法は、対象由来の1つまたは複数の試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度を、1種または複数のアミノ酸代謝異常症及び/または高アンモニア血症を有さないか、有する疑いがない対象から得た体液試料中のアミノ酸の1つまたは複数の濃度と比較するステップ、アミノ酸代謝異常症及び/または高アンモニア血症を患っていない対象由来の体液試料に対するそれらの濃度値の類似度または差異に基づいて、対象由来の体液試料がアミノ酸代謝異常症及びまたは高アンモニア血症を有するかどうかを特定するステップをさらに含む。
【0017】
本開示は、対象において、高アンモニア血症を有すると診断されるまたは疑われる対象由来の体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を経時的にモニタリングする方法であって、対象由来の1つまたは複数の体液試料を本明細書に開示されるデバイスまたはシステムに接触させること、及び対象由来の体液のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を1時点で測定すること、及び異なる時点で少なくとも1回測定を反復することを含む方法も提供する。いくつかの実施形態では、対象において、高アンモニア血症を有すると診断されるまたは疑われる対象由来の体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を経時的にモニタリングする方法は、アンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を経時的にカタログ化するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象由来の複数の体液試料のアミノ酸の1つまたは複数の濃度を経時的に比較するステップ、及び1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度が、医学的治療または食事の変更を必要とする閾値に達する、またはその閾値を超える、またはその閾値未満に下がる場合、任意に対象に通知するステップをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、体液試料を、高アンモニア血症を有するとして診断されたまたは疑われた対象から分離する。例えば、いくつかの実施形態では、尿試料または血液試料などの体液試料を対象から分離する。少なくとも1つの本明細書に開示される酵素を含む少なくとも1つの電極に体液試料を接触させ、少なくとも1つの電極を含むデバイスで検出される電圧差または電流の大きさに基づいて、体液試料中のアミノ酸濃度を測定する。さらなる実施形態では、本開示の方法は、本明細書に開示される固定化酵素を含む少なくとも1つの電極に体液試料を接触させること、少なくとも1つの電極と本明細書に開示される固定化酵素を含まない導電面の間の電流または電圧差を測定すること、体液試料中の1種または複数のアミノ酸の濃度を決定すること、及び任意に、1つまたは複数の濃度値の読み出し情報を体液試料が得られた対象に提供することを含む。さらなる実施形態では、アンモニアまたはアンモニウムイオンを検出する方法は、ヒオハライト、塩基性水溶液及び本明細書に開示されるフェニル基を含有する少なくとも1つの化合物を含む少なくとも1つの容器に体液試料を接触させること、少なくとも1つの電極と本明細書に開示される固定化酵素を含まない導電面の間の電流または電圧差を測定すること、体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を決定すること、並びに任意に、1つまたは複数の濃度値の読み出し情報を体液試料が得られた対象に提供することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示は、乾燥または乾燥相の塩基性水溶液または塩基性緩衝剤に対象由来の体液試料を接触させること、イオノマーを含む膜の存在(または非存在(対照値を設定するため))下でヒオハライト及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物に試料を曝露すること、並びに任意にゲルを接触させることを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ゲルはアルギン酸を含むヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、本開示は、試料中の細胞間の体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの存在またはレベルを検出することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、提供される方法は、検出される相互作用の特定のセットが、対象由来の別の体液試料におけるアミノ酸レベルの上昇もしくは非上昇から、または参照もしくは対照試料である体液試料から区別するという点において高アンモニア血症の重症度の増大に特徴的である、閾値(または対照値)を規定することを決定することを含み、その結果、閾値に達する場合、本明細書に開示されるデバイスまたはシステムが、治療または食事の変更が試みられるべきであるという信号または通知を対象に提供する。いくつかの実施形態では、検出ステップは、参照または対照試料である体液試料から区別するという点において試料中の疾患の特定の重症度に特徴的である、体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の存在またはレベルを検出することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、検出ステップは、参照または対照試料である体液試料から区別するという点において試料中の疾患の特定の重症度に特徴的である、体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の存在またはレベルを検出することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれも、試料を検査ストリップ、コンジット、バイオセンサー及び/または少なくとも1つの導電面と接触させるより前に体液試料を前処理することを含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれも、試料を検査ストリップ、コンジット、バイオセンサー及び/または少なくとも1つの導電面との接触の前に、その接触と同時にまたはその接触の後に、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー及び/または電気泳動で試料を処理するステップの使用を含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、細菌または植物以外の生物から得られる酵素を含まない少なくとも1つの電極に試料を接触させることを含む。
【0022】
本開示は、本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたはデバイスのうちの1つに全血試料を曝露することによって、全血中のアンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルを検出する方法に関する。本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、酸性溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することにも関する。本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、約0.1M〜約1MのHSOの酸性溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することに関する。本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、約0.1M〜約1MのHの過酸化水素溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することにも関する本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、酸性溶液及び/または過酸化水素溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することに関する。本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、約0.1M〜約1MのH酸性溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することにも関する。本開示は、流体交換開口部または容器に膜を設置するより前に、約0.1M〜約1MのHSOを含む酸性溶液の1回、2回、3回またはそれ以上及び約0.1M〜約1MのHを含む過酸化水素溶液の1回、2回、3回またはそれ以上の洗浄で膜を処理することによって、本明細書に開示されるバイオセンサーを製造することにも関する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象のアンモニアまたはアンモニウムイオン及び/またはアミノ酸濃度の値を含む電子記憶媒体に任意に作動可能に接続された、本明細書に開示される1つまたは複数のデバイスをまとめるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、電子記憶媒体は、経時的にまとめられた対象のアミノ酸濃度値を含む。いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に開示される酵素、メディエーター及び任意にゲルまたはヒドロゲルを含有する少なくとも1つの導電面を含む。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つの電極並びにダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計に作動可能に接続された電子回路を含む。ダイオード及び/または分光光度計の場合には、ダイオードまたは分光光度計は、少なくとも1つの容器から放射される光の波長を検出する。電圧計及び/または電流計の場合には、電圧計及び/または電流計は、少なくとも1つの電極が1種もしくは複数のアミノ酸及び/またはアンモニア濃度の存在下にある場合、少なくとも1つの電極にわたって回路のそれぞれの電圧及び/またはアンペア数を測定する。いくつかの実施形態では、対象のアミノ酸の濃度値をまとめる電子記憶媒体に任意に作動可能に接続された、本明細書に開示される1つまたは複数のデバイスを含むシステムは、体液試料が少なくとも1つの電極と接触し、インドフェノール反応が起こるのに、または本明細書に開示される1種もしくは複数の酵素がそのアミノ酸基質を酸化し、回路において電圧差もしくは電流変化を作出するのに十分な条件下にあり且つその十分な時間にわたる場合に、体液試料中のアンモニア濃度値及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度値を決定し、デバイスが1つまたは複数のディスプレイ上で濃度値を示す。いくつかの実施形態では、デバイス、システム及び/またはバイオセンサーは、1つまたは複数の電極を含まない。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞を含む試料を電極と接触させるステップを含む方法を提供する。本開示は、試料中のアンモニアと本明細書に記載の膜の間に一連の相互作用が起こるのに十分な条件下且つ時間にわたって、試料を接触させるステップを含む方法をさらに提供する。本開示は、一連の相互作用が試料中のアンモニアと本明細書に記載の膜の間に起こるのに十分な条件下且つ時間にわたって、全血試料を接触させるステップを含む方法をさらに提供する。本開示は、一連の相互作用が試料中のアンモニアと本明細書に記載の1種または複数のインドフェノール反応試薬の間に起こるのに十分な条件下且つ時間にわたって、体液を含む試料を接触させるステップを含む方法をさらに提供する。
【0025】
本開示は、少なくとも1つの導電性支持体(導電性支持体はヒドロゲルに付着し、ヒドロゲルは少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、ここではヒドロゲルはアルギン酸を含む);並びに少なくとも1つの導電性支持体または導電面に作動可能に接続された電流計及び/または電圧計を含むバイオセンサーに関する。
【0026】
いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、少なくとも3つの導電性支持体を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導電性支持体は銀及び塩化銀のワイヤーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導電性支持体は、以下から選択される代謝酵素の少なくとも1つまたはそれらの組み合わせを含む:ロイシンデヒドロゲナーゼ、チロシンデヒドロゲナーゼ、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ、ロイシンオキシドレダクターゼ、チロシンモノオキシゲナーゼ、アラニンデヒドロゲナーゼもしくはグルタミン酸デヒドロゲナーゼまたはそれらの機能的断片。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは少なくとも第1及び第2の導電性支持体を含み、ここでは、第1の導電性支持体はヒドロゲルに付着しており、ヒドロゲルは少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、ここでは、前記第1及び第2の導電性支持体は、その間に電圧を印加するように前記電圧計及び/または電流計に作動可能に接続されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導電性支持体は、電気陰性または陰イオン性の化学成分を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのヒドロゲルはトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、以下の1つまたは複数を含まない:(i)ウリカーゼまたはその機能的断片;(ii)デキストランまたはその誘導体を含むヒドロゲル;(iii)細菌細胞;(iv)電気泳動用に配置された電子双極子;及び(v)3,4−DHB。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、摂氏4度での貯蔵で約16日後に、少なくとも70%生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、摂氏4度での貯蔵で約30日後に、少なくとも70%生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは摂氏4度での貯蔵で約30日後に、少なくとも80%生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、摂氏4度での貯蔵で約30日後に、少なくとも90%生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、摂氏4度での貯蔵で約30日後に、少なくとも95%生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、UV光への暴露またはバイオセンサーの外部の任意の刺激付加に機能的に依存しない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酵素またはそれらの機能的断片は、細菌種に由来し、ヒドロゲル中に固定化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酵素またはそれらの機能的断片は、好熱性細菌種に由来し、ヒドロゲル中に固定化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酵素またはそれらの機能的断片は、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも約70%の配列同一性を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示は、光に曝露されたある量のインドフェノールまたはインドフェノール関連化合物によって放射される光の存在、非存在または強度を測定することができる、ダイオード、フォトダイオード、分光光度計または他のデバイスの少なくとも1つまたは組み合わせに電気通信した少なくとも第1及び第2の電極を含有する回路を含む、本明細書に開示されるバイオセンサー、デバイスまたはシステムに関する。いくつかの実施形態では、回路はワイヤーを含む。いくつかの実施形態では、ワイヤーは、電圧計及び/または電流計に作動可能に接続された銀及び塩化銀を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバイオセンサー、デバイス及び/またはシステムは任意にアルギン酸を含む膜を含み、以下の式を有するブロックポリマーを含む(式中、m及びnは任意の正の整数である)。
【化1】
【0030】
いくつかの実施形態では、バイオセンサー、少なくとも1つの導電性支持体は、セルロースまたはその誘導体を含む膜で覆われていない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電子メディエーターは、チオニン、o−フェニレンジアミン、メチレンブルー及びトルイジンブルーから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの還元物質はNAD+またはFAD+から選択される。
【0031】
本開示は、少なくとも1つの導電性支持体(導電性支持体は少なくとも1つのヒドロゲルに付着しており、ヒドロゲルは少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、ここでは、少なくとも1つの酵素またはそれらの機能的断片は、ゲオバチルス・サーモグルコシダシウス(Geobacillus thermoglucosidiasus)のフェニルアラニンデヒドロゲナーゼと少なくとも70%相同である);並びに少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/または電圧計を含むバイオセンサーにも関する。いくつかの実施形態では、酵素またはその機能的断片は、配列番号1と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%相同であり、または配列番号1の機能的断片と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%相同である。いくつかの実施形態では、酵素またはその機能的断片は、細菌細胞以外の種に由来しない。いくつかの実施形態では、酵素またはその機能的断片は、配列番号2と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%相同であり、または配列番号2の機能的断片と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%相同である。
【0032】
本開示は、少なくとも第1及び第2の容器を含むバイオセンサー;少なくとも第1及び第2の容器の間に位置する流体交換開口部;バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット;並びに流体交換開口部に位置する膜を含むシステムに関し、ここでは、膜はイオノマーを含み、第1の容器または第2の容器は、以下をそれぞれまたは組み合わせて含む:ヒオハライト、塩基性水溶液、及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物。
【0033】
本開示は、ダイオード(例えばフォトダイオード)、分光光度計、少なくとも1つの導電性支持体または導電面に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計のいずれか1つまたは組み合わせを含む電気回路を任意に含む本明細書に開示されるバイオセンサーを含むシステムにも関し、ここでは、バイオセンサーは少なくとも1つのコンピューター記憶メモリーに作動可能に接続されている。いくつかの実施形態では、システムは全血などの体液試料をさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計からの電流及び/または電圧差の測定値に対応する電気信号をデジタルディスプレイに運ぶことができる電気回路によって少なくとも1つの導電性支持体(または面)に作動可能に接続されたデジタルディスプレイをさらに含み、ここでは、デジタルディスプレイは、少なくとも1つの導電性支持体(または面)が、インドフェノール反応が起こるのに十分な期間にわたって試料と接触している場合に、試料中のアンモニアもしくはアンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の1つまたは複数の濃度値を経時的に示すように配置される。
【0034】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つのコンピューター記憶メモリーと作動可能に接続されたコンピュータープロセッサーをさらに含む。いくつかの実施形態では、代謝酵素はヒドロゲル内に固定化されるフェニルアラニンデヒドロゲナーゼであり、ここでは、ヒドロゲルのアルギン酸濃度は、少なくとも1つの導電性支持体に付着及び/または接触した全量の量に対して約1%〜約3%の重量である。
【0035】
本開示は、少なくとも1つの取り外し可能な導電性支持体に接触した際に回路が閉じられ、その結果、ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計が少なくとも1つの導電性支持体と作動可能に連通するように電気回路中に配置されたダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計並びにディスプレイを含むバイオセンサーを含むキットにも関する。
【0036】
いくつかの実施形態では、キットは、以下の少なくとも1つを含む:全血などの試料を受け取るように配置された1つまたは複数の容器を含む複数の検査ストリップ(ここでは、1つまたは複数の検査ストリップは、少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジットをさらに含む)。いくつかの実施形態では、キットは、以下の少なくとも1つを含む:全血などの試料を受け取るように配置された1つまたは複数の容器を含む複数の検査ストリップ(ここでは、1つまたは複数の検査ストリップは、少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジットをさらに含む)、並びにヒオハライト、塩基性水溶液、及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物のそれぞれまたは組み合わせ。いくつかの実施形態では、キットは、以下の少なくとも1つを含む:全血などの試料を受け取るように配置された1つまたは複数の容器を含む複数の検査ストリップ(ここでは、1つまたは複数の検査ストリップは、少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジットをさらに含む)、及び本明細書に開示される膜を含むバイオセンサー。いくつかの実施形態では、キットは、以下の少なくとも1つを含む:以下を含む複数の検査ストリップ:全血などの試料を受け取るように配置された1つまたは複数の容器(ここでは、1つまたは複数の検査ストリップは、少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジットをさらに含む);及び本明細書に開示される膜を含むバイオセンサー。
【0037】
いくつかの実施形態では、膜はヒドロゲル層を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲル層はアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、体液の対照または参照試料;閾値を含むデータのセット;及び指示のセット(ここでは、指示のセットまたはデータのセットは、任意に、電子媒体を介して遠隔的にアクセス可能である)。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも第1及び第2の電極を含有する固体支持体を含み、ここでは、第1の電極はヒドロゲルを含み、ヒドロゲルは、少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、第2の電極は対照または参照電極である。いくつかの実施形態では、キットは本明細書に記載の第1及び第2の電極に付着した固体支持体を含有する検査ストリップを含む。
【0038】
本開示は、体液試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の決定または特定方法であって、(a)(i)少なくとも1つの導電性支持体を含むバイオセンサー(導電性支持体は、本明細書に開示される膜と流体連通して容器に付着している)並びに任意に、少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計;もしくは(ii)本明細書に開示される膜と流体連通して容器に付着している少なくとも1つの導電性支持体、並びに任意に、少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサーを含むシステム;もしくは(iii)本明細書に開示される検査ストリップに、体液試料を接触させること;並びに/または(b)試料中のアンモニアもしくはアンモニウムイオンの量を決定することを含む方法にも関する。いくつかの実施形態では、体液試料は、対象由来の血液または血清を含む。いくつかの実施形態では、試料は全血から成り、または本質的に全血から成る。
【0039】
本開示は、体液試料中のアンモニア及び/またはアミノ酸の濃度の定量方法であって、(a)(i)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面はヒドロゲルに付着し、ヒドロゲルは、少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素もしくはそれらの機能的断片を含み、ここではヒドロゲルはアルギン酸を含む);並びに少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサー;もしくは(ii)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面は少なくとも1つのヒドロゲルに付着し、ヒドロゲルは、少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素もしくはそれらの機能的断片を含み;ここでは、少なくとも1つの酵素もしくはそれらの機能的断片は、ゲオバチルス・サーモグルコシダシウスのフェニルアラニンデヒドロゲナーゼと少なくとも70%相同である);並びに少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサーを含むシステム;もしくは(iii)本明細書に開示される検査ストリップに、体液試料を接触させること;または(b)試料中のアミノ酸の量を決定することを含む方法にも関する。いくつかの実施形態では、方法は、定量または特定ステップによって得られた濃度値を、1種または複数の代謝疾患に関連する閾値と比較することをさらに含む。
【0040】
本開示はさらに、本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップを接触させるステップを含む方法に関し、ここでは、開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップのうちのいずれかに対象の体液試料を接触させるステップは、膜を介してアンモニア輸送を可能にするのに、及び試料由来のアンモニアをインドフェノール反応に関連する試薬に曝露するのに十分な期間にわたって、試料を接触させることを含む。バイオセンサー、システムまたは検査ストリップによってアミノ酸も検査されているならば、そうした方法は、代謝酵素またはその機能的断片によって体液試料中の少なくとも1つのアミノ酸の酸化を可能にするのに十分な期間にわたって、試料を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの導電性支持体に試料を接触させるより前に、任意の外部刺激または試薬に体液試料を曝露することを含まない。いくつかの実施形態では、方法は、ヒドロゲルを含む少なくとも1つの電極に試料を曝露するより前に、その曝露と同時に、またはその曝露の後に、鉄イオン及び/またはヒドロジド(hydrozide)イオンに体液試料を曝露することを含まない。いくつかの実施形態では、方法は、デバイス、検査ストリップまたはバイオセンサー内に含まれるガラスビーズなどの非多孔質担体に試料を曝露することを含まない。いくつかの実施形態では、体液試料は、対象由来の全血または血清を含む。いくつかの実施形態では、体液試料は尿を含まない。いくつかの実施形態では、体液試料は全血または血清以外の体液を含まない。
【0041】
本開示はさらに、対象の代謝疾患の診断方法であって、(a)(i)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面は、ある量のインドフェノールもしくはインドフェノール関連化合物を含む容器に付着している);並びに任意に、少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサー;または(ii)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面は、インドフェノール及び/もしくはインドフェノール関連化合物を含む少なくとも第1の容器もしくは第2の容器に曝露されている);並びに少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/または電圧計を含むバイオセンサーを含むシステム;または(iii)本明細書に開示される検査ストリップの1つもしくは組み合わせに体液試料を接触させること;(b)試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度値を定量すること;(c)試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあるか、高アンモニア血症を示す範囲または濃度内にないとして特定されたアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の閾値と比較すること;並びに(d)試料中のアミノ酸の1つまたは複数の濃度値が閾値を超えるか、閾値を下回る場合、高アンモニア血症または高アンモニア血症と関連している代謝疾患を有するとして対象を特定することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、代謝疾患は高アンモニア血関連障害である。
【0042】
本開示は、療法に対する患者の応答性の決定方法であって、(a)(i)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面は、ある量のインドフェノールもしくはインドフェノール関連化合物を含む容器に付着している);並びに任意に、少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサー;または(ii)少なくとも1つの導電性支持体もしくは導電面(導電性支持体もしくは導電面は、インドフェノール及び/もしくはインドフェノール関連化合物を含む少なくとも第1の容器もしくは第2の容器に曝露されている);並びに少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続された電流計及び/もしくは電圧計を含むバイオセンサーを含むシステム;または(iii)本明細書に開示される検査ストリップの1つもしくは組み合わせに体液試料を接触させること;(b)試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度値を定量すること;(c)試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあるか、高アンモニア血症を示す範囲または濃度内にないとして特定されたアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の閾値と比較すること;並びに(d)試料中のアミノ酸の1つまたは複数の濃度値が閾値を超えるか、閾値を下回る場合、高アンモニア血症または高アンモニア血症と関連している代謝疾患を有するとして対象を特定することを含む方法にも関する。
【0043】
本開示は、固体支持体並びに固体支持体に付着した少なくとも第1及び第2の電極(ここでは、第1の電極は膜を含み、膜は過フッ素化イオノマーを含む)を含む検査ストリップにも関する。いくつかの実施形態では、検査ストリップはダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計並びにデジタルディスプレイを含む携帯用デバイス用に適合させられ、その結果、検査ストリップがデバイスに接触する場合、第1及び第2の電極が、ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計並びにデジタルディスプレイを含む閉じた電気回路に作動可能に接続されるようになり、インドフェノールまたはインドフェノール関連化合物から放射される光に接触する際に、体液試料中のアミノ酸の濃度値に対応する電流が第1の電極で生じ、そうした濃度値は、携帯用デバイスのディスプレイ読み取り可能である。いくつかの実施形態では、検査ストリップは、少なくとも第1の容器におけるコンジット、容量またはスペースから任意に分離されているが、これらと流体連通している固相または液相のインドフェノール試薬の少なくとも1つのまたは組み合わせを含む。
【0044】
本開示は、少なくとも1つの電極を含む、本明細書に開示される、開示されるバイオセンサー、検査ストリップ、システムのうちのいずれかの製造方法であって、少なくとも1つの電極を、少なくとも1つの容器、少なくとも1つの容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット及び少なくとも1つのインドフェノール試薬を含む溶液と接触させ;続いて、少なくとも1つの電極を、Na+、Ca+、Cl−を有する塩基性緩衝剤及び/または約1M以下のアセテート濃度と接触させることを含む方法にも関する。
【0045】
本発明の実施形態の利点は、例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて考慮すべきである。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
少なくとも第1及び第2の容器;
前記第1及び前記第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた膜
を含むバイオセンサーであって、
前記膜がイオノマーを含み、
前記第1の容器または前記第2の容器が、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び少なくとも1つの、フェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記バイオセンサー。
(項目2)
前記第1または前記第2の容器のいずれかが、ヒオハライト、アルカリ緩衝剤、触媒及び少なくとも1つのフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々に含む、項目1に記載のバイオセンサー。
(項目3)
少なくとも第1の導電性支持体、前記少なくとも第2の容器と流体連通している前記導電性支持体、少なくとも1つのワイヤーによって、電流計、電圧計、分光光度計またはそれらの組み合わせに作動可能に接続された前記導電性支持体をさらに含む、項目1に記載のバイオセンサー。
(項目4)
前記少なくとも1つの導電性支持体が、少なくとも1つのワイヤーによって分光光度計に作動可能に接続された、項目3に記載のバイオセンサー。
(項目5)
前記導電性支持体がヒドロゲル及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片をさらに含む、項目3に記載のバイオセンサー。
(項目6)
前記少なくとも1つの導電性支持体が、表2から選択される代謝酵素またはそれらの機能的断片の少なくとも1つまたはそれらの組み合わせを含む、項目3に記載のバイオセンサー。
(項目7)
前記バイオセンサーが少なくとも第1及び第2の導電性支持体を含み、前記第1の導電性支持体がヒドロゲルに付着しており、ヒドロゲルが少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、前記第1及び第2の導電性支持体が、その間に電圧を印加するように前記電圧計及び/または電流計に作動可能に接続されている、項目3に記載のバイオセンサー。
(項目8)
前記バイオセンサーが、以下の1つまたは複数を含まない、項目1〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサー:(i)ウリカーゼまたはその機能的断片;(ii)デキストランまたはその誘導体を含むヒドロゲル;(iii)細菌細胞;(iv)電気泳動用に配置された電子双極子;及び(v)3,4−DHB。
(項目9)
液体アンモニアを気体状態に変換するために配置される気化器、ガスクロマトグラフまたは発熱体を含まない、項目1〜8のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目10)
約5μL〜約100μLの試料容量を保持するように前記少なくとも第1のコンジットが配置される、項目1〜9のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目11)
バイオセンサーの外部のいかなる任意の刺激への暴露にも機能的に依存しない、項目1〜10のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目12)
前記少なくとも1つのワイヤーを含む回路、並びに前記分光光度計からのデジタル情報を受け取るように、及びデジタル情報を前記デジタルディスプレイに送るように配置されたプロセッサーに作動可能に接続されたデジタルディスプレイをさらに含む、項目4に記載のバイオセンサー。
(項目13)
ある量の体液を受け取るように配置された前記第1コンジットを含む検査ストリップをさらに含む、項目1〜12のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目14)
前記アルカリ緩衝剤が約0.1M〜約5Mの酢酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムを含む、項目1〜13のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目15)
前記少なくとも1つの酵素が、表2の酵素または、表2に開示されている配列に対して70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有するそれらの機能的断片であり;前記ヒドロゲルがトレハロースを含み、前記ヒドロゲルのアルギン酸濃度が、前記少なくとも1つの導電性支持体に付着した全量の量に対して約1%〜約3%の重量であり;前記導電性支持体が、電圧計及び/または電流計に作動可能に接続された銀及び塩化銀を含むワイヤーを含む、項目15に記載のバイオセンサー。
(項目16)
前記膜が図5の式(式中、x、y及びzは任意の正の整数である)を有するブロックポリマーを含む、項目1〜15のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目17)
前記少なくとも1つの導電性支持体が、セルロースまたはその誘導体を含む膜で覆われていない、項目1〜16のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目18)
前記次亜ハロゲン酸塩が次亜塩素酸塩またはブリーチから選択される、項目1〜17のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目19)
前記少なくとも1つのインドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物がフェノール、2−フェニルフェノールまたはナフトールから選択される、項目1〜18のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目20)
前記アルカリ緩衝剤が、約1.0M塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムまたは酢酸亜鉛である、項目1〜19のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目21)
前記膜がNafionを含む、項目1〜20のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目22)
前記膜が酸性溶液及び/または過酸化水素溶液で前処理されたNafionを含む、項目1〜21のいずれか1項に記載のバイオセンサー。
(項目23)
少なくとも1つのコンピューター記憶メモリーに作動可能に接続されている項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーを含む、システム。
(項目24)
全血を含む試料をさらに含む、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流から前記デジタルディスプレイに波長、電流及び/または電圧差の測定値に対応する電気信号を運ぶことができる電気回路によって、前記少なくとも1つの導電性支持体に作動可能に接続されているデジタルディスプレイをさらに含み、前記少なくとも1つの触媒が前記インドフェノール反応を触媒するのに十分な期間にわたって、前記少なくとも1つの導電性支持体が前記試料と接触している場合に、前記デジタルディスプレイが、試料中のアンモニア、アンモニウムイオン及び/またはアミノ酸の濃度値を示すように配置される、項目23または24に記載のシステム。
(項目26)
前記少なくとも1つのコンピューター記憶メモリーと作動可能に接続されたコンピュータープロセッサーをさらに含む、項目23〜25のいずれか1項に記載のシステム。
(項目27)
少なくとも第1及び第2の容器;
前記第1及び前記第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた膜
を含むバイオセンサーまたは検査ストリップを含むキットであって、
前記膜がイオノマーを含み、
前記第1の容器または前記第2の容器が、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び少なくとも1つのフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記キット。
(項目28)
前記アルカリ緩衝剤が約1Mの塩化ナトリウムまたは酢酸ナトリウムである、項目27に記載のキット。
(項目29)
以下の少なくとも1つをさらに含む、項目27に記載のキット:1種または複数の導電性支持体を含む複数の検査ストリップ(ここでは、前記1種または複数の導電性支持体は、アルギン酸、体液の対照または参照試料を含むヒドロゲルを含む)、閾値を含むデータのセット及び命令のセット(前記命令のセットまたは前記データのセットは、任意に、電子媒体を介して遠隔的にアクセス可能である))。
(項目30)
少なくとも第1及び第2の容器を含む固体支持体;
前記少なくとも第1及び第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
前記固体支持体の外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた膜
を含むキットであって、
前記膜がイオノマーを含み、
前記第1の容器または前記第2の容器が、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び少なくとも1つのインドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記キット。
(項目31)
第1及び第2の電極をさらに含み、前記第1の電極がヒドロゲルを含み、前記ヒドロゲルが、少なくとも1つの電子メディエーター、少なくとも1つの還元物質及び少なくとも1つの代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み、前記第2の電極が対照または参照電極である、項目30に記載のキット。
(項目32)
前記固体支持体が、前記第1及び第2の電極に付着した検査ストリップである、項目30に記載のキット。
(項目33)
試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の決定または特定方法であって、項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップに試料を接触させること;及び試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を決定することを含む、前記方法。
(項目34)
前記試料が全血である、項目33に記載の方法。
(項目35)
項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップに体液試料を接触させることを含む、アンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の定量方法。
(項目36)
前記定量または特定ステップによって得られた濃度値を、1種または複数の代謝疾患に関連する閾値と比較することをさらに含む、項目32〜34のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記接触ステップが、インドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物の改変が、インドフェノールまたはインドフェノール反応生成物への改変になることを可能にするのに十分な期間にわたって、項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップに、前記試料を曝露することを含む、項目32〜35のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
少なくとも1つの導電性支持体に前記試料を接触させるより前に、任意の外部刺激または試薬に前記体液試料を曝露することを含まない、項目32〜36のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記体液試料が対象からの全血である、項目34〜37のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記体液試料が尿を含まない、項目32〜37のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
対象の代謝疾患の診断方法であって、
(a)項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップに体液試料を接触させること;
(b)前記試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を定量すること;
(c)前記試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあると特定されたアンモニア濃度の閾値と比較すること;及び
(d)前記試料中のアンモニアの前記1つまたは複数の濃度値が前記閾値を超えるか下回る場合に、代謝疾患を有するとして前記対象を特定すること
を含む、前記方法。
(項目42)
前記代謝疾患が高アンモニア血症である、項目40に記載の方法。
(項目43)
療法に対する患者の応答性の決定方法であって、
(a)項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップに体液試料を接触させること;
(b)1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を定量すること;
(c)前記1つまたは複数の濃度値を代謝疾患と関連する1つまたは複数の閾値と比較すること
を含む、前記方法。
(項目44)
少なくとも第1及び第2の容器;
前記少なくとも第1及び第2の容器の間に位置する流体交換開口部;
バイオセンサーの外部の箇所から流体を受け取るように配置された、前記少なくとも第1の容器と流体連通している少なくとも1つのコンジット;並びに
前記流体交換開口部に置かれた膜
を含む固体支持体を含む検査ストリップであって、
前記膜がイオノマーを含み、
前記第1の容器または第2の容器が、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び少なくとも1つの、フェノール試薬、インドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物を個々にまたは組み合わせて含む、前記検査ストリップ。
(項目45)
前記検査ストリップが、ダイオード、分光光度計、電圧計及び/または電流計並びにデジタルディスプレイを含む携帯用デバイス用に適合させられ、その結果、前記検査ストリップがデバイスに接触する場合、前記第1及び第2の電極が、前記電圧計及び/または電流計並びに前記デジタルディスプレイを含む閉じた電気回路に作動可能に接続されるようになり、試料に接触する際に、次亜ハロゲン酸塩、アルカリ緩衝剤及び少なくとも1つのインドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物がインドフェノール反応を触媒し、その結果、前記試料中のアンモニアの濃度値に対応する電流が第1の電極で生じ、そうした濃度値が携帯用デバイスのディスプレイで読み取り可能である、項目44に記載の検査ストリップ。
(項目46)
前記第1及び/もしくは第2の容器の間に前記膜を固定することを含む、項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;または本明細書に開示される任意の検査ストリップの製造方法。
(項目47)
試料中のアミノ酸の存在、非存在または量の検出方法であって、
(a)項目1〜22のいずれか1項に記載のバイオセンサーもしくは項目23〜27いずれか1項に記載のシステム;本明細書に開示される検査ストリップ;または本明細書に開示される任意のカートリッジに体液試料を接触させること;
(b)1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を定量すること;
(c)前記1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値をアミノ酸の1つまたは複数の量と相関させること
を含む、前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】流体交換開口部に位置する膜で分離された第1及び第2の容器に加えられた所与の試料のアンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルを検出する能力を有するシステムの例示的図である。
図2】1つを超えるインドフェノール反応を並行して行うことができる複数の容器を含むシステムの例示的図である。
図3】ベルテロー反応またはインドフェノール反応としても知られる、例示的反応を示す図である。
図4】マイクロ流体検査デバイスの例示的実施形態を示す図である。
図5】本開示の実施形態を使用する定量的ポイントオブケア高アンモニア血センシングの方法の例示的フローチャートを示す図である。
図6】電子的検査デバイスとともに使用するための血液検査ストリップの例示的実施形態を示す図である。
図7】インドフェノール反応を行うために配置された容器に曝露された電極を含む電子回路、アナログ−デジタル変換器、ディスプレイと電子通信しているマイクロチップを含むデバイスの例示的実施形態を示す図である。
図8】Nafionの化学組成を示す図である。
図9】どのようにナトリウム塩の濃度が試料からのアンモニアの高回収率及び移行をもたらすかを示す実験データの図である。
図10】塩基性緩衝剤として酢酸ナトリウム使用する場合対塩化ナトリウムを使用する場合の、デバイスの性能の差異を示す実験データを示す図である。
図11】センシング実験に利用される2分割されたウェルを形成するためにNafionの周りに一緒にスナップ留めした、3D印刷したモジュール部品を示す写真である。
図12】インドフェノール反応が0.9939のCODで、0〜750μMに及ぶ塩化アンモニウム濃度での線形曲線をもたらすことを示す図である。
図13】インドフェノール反応用の試薬が室温で保管され、100日にわたって一定間隔でアンモニア検量線を作成するのに使用されたことを示す図である。500μMのアンモニアへの応答は、75日目で低下し始めた。インドフェノール反応の試薬は、様々な濃度のアンモニアへのその反応が悪化し始める前に、最高50日間、室温で安定である。
図14】1mM濃度の21種のアミノ酸のそれぞれを、インドフェノール反応を使用して検査したことを示す図である。インドフェノール反応の後に各アミノ酸について635nmで測定した吸光度を、1mM塩化アンモニウムを用いるインドフェノール反応からの応答のパーセンテージとして計算した。レーダーグラフは、塩化アンモニウムと比較した応答パーセントを示す。最高の応答は、アンモニアの応答のほんの7%に過ぎない吸光度値を生じたスレオニンであった。
図15】1倍PBS中の様々なアンモニア濃度に対する構築したセンサーの応答を示す図である。n=5試料で、CODは0.9758である。
図16】血中アンモニア濃度決定する最初の実験が限定的な応答を実証したことを示す図である。応答は妨げられ、0.35という吸光度を超えなず、ある程度の干渉を示す。
図17】1倍PBS中の500mMアンモニア及びヒツジの全血の分析において、2〜10×次亜塩素酸塩の濃度を利用したことを示す図である。インドフェノール反応で利用した次亜塩素酸塩の濃度を増大させると、小血中分子がインドフェノール反応に対して有する負の干渉を低減させた。3倍より高い濃度では、反応自体が低下し始めた。次亜塩素酸塩濃度の3倍の増大が至適であった。
図18】2分割ウェルセンサーを再び使用して、ヒト全血のアンモニアを抽出したことを示す図である。3倍次亜塩素酸塩改変インドフェノール反応を用いて、抽出したアンモニア溶液を検査し、635nmで吸光度を測定した。0〜500μMの範囲において、n=5試料で、CODは0.9573であった。
図19】0〜150μMに及ぶ血中アンモニア濃度へのセンサーの応答を示す図である。相対標準偏差は約10%であり、n=5試料で0.9777のCODである。
図20】一実施形態のウェルプレートの前面のCADスケッチである。
図21】デバイスの製造を完了する前に粘着性シリコーンを付着する必要がある、一実施形態のウェルプレートの領域(黒色の領域)を示す、CADスケッチである。
図22】ウェルを2つの区分に分割するためにNafion(登録商標)の周りに一緒にスナップ留めした、3D印刷したモジュール式の左側及び右側の部品を示す写真である。
図23】3D印刷したウェルの製品図面を示す図である。
図24】mmでの寸法による、使い捨てカートリッジの上部部品のCADスケッチである。チャネル1から5までがラベル付けされている。
図25】チャネル6がラベル付けされた、チップの下部部品のCADスケッチである。
図26】40マイクロリットルの全血試料をウェル番号6にロードしてからi)t=0秒(s);ii)t=13s及びiii)t=24s後の濃度プロファイルの図示である。
図27】全血中のアンモニアレベルを定量するのに使用されるマイクロ流体デバイスを含む一実施形態の上半分を示す図である。
図28】全血中のアンモニアレベルを定量するのに使用されるマイクロ流体デバイスを含む一実施形態の下半分を示す図である。
図29】流体交換開口部に位置する膜で分離された第1及び第2の容器に加えられた所与の試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオン及びアミノ酸のレベルを検出する能力を有するシステムの例示的図である。ここでは、反応は酵素によって触媒される。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本開示の方法及び他の態様に関する様々な用語が、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して使用される。そうした用語は、別段指示がない限り、当技術分野でのそれらの通常の意味を示すものとする。他の具体的に定義された用語は、本明細書で提供される定義と一致するように解釈されるものとする。
【0048】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈において特に明記しない限り、複数の指示物を含む。
【0049】
本明細書で使用する「約」は、量、持続時間などの測定可能な値に言及する場合、特定の値から±20%、±10%、±5%、±1%または±0.1%の変動を包含することを意図し、これは、そのような変動は開示される方法を実施するのに適切であるからである。
【0050】
本明細書で使用する場合、「付着する」、「付着」、「接着する」、「接着した」、「接着性の」という用語または同様の用語は、一般に、物理的吸収、化学結合及び同様のプロセスまたはそれらの組み合わせになどによって、例えば、基、化合物または酵素を表面に固定化するまたは固着することを指す。
【0051】
本明細書で使用する場合、「生検」という用語は、分析のために、対象または患者から取り出された細胞試料、細胞の採取物または体液を意味する。いくつかの実施形態では、生検は、骨髄生検、パンチ生検、内視鏡生検、針生検、薄片生検、切開生検、切除生検、または外科的切除である。
【0052】
本明細書で使用する場合、「体液」という用語は、必ずしも限定されないが、血液試料、血清試料、全血試料、尿試料、粘液試料、唾液試料及び汗試料を含めた、対象から分離した任意の流体を意味する。試料は、静脈内穿刺、生検、スワブ、毛細管吸引、ランセット、針穿刺吸引、排出流体の単純な捕獲による採取などの任意の手段によって、対象から得ることができる。
【0053】
本明細書で使用する場合、「電子媒体」という用語は、ハードディスク、ROM、EEPROM、RAM、フラッシュメモリー、不揮発性メモリー、または実質的に及び機能的に等価の任意の媒体を含めた、電子的アクセス技術を用いる任意の物理的記憶装置を意味する。いくつかの実施形態では、ソフトウェア記録装置は、本開示の一実施形態を実施するプロセッサーと同じ場所に位置してもよく、またはソフトウェア記録装置の少なくとも一部は遠隔地に位置してもよいが、必要な場合にアクセス可能である。
【0054】
本明細書で使用する場合、「例示的(exemplary)」という語は、「実施例(example)、例(instance)または例証(illustration)としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書に記載の実施形態は、制限するものではなく、むしろ例示的なものに過ぎない。記載される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるとは限らないことを理解されたい。さらに、「本発明の実施形態」、「実施形態」または「発明」という用語は、本発明のすべての実施形態が、論じられる特長、利点または動作モードを含むことを必要とするわけではない。さらに、当業者は、開示されるものよりも何桁も大きいまたは小さい試料とともに使用するために開示される設計または関連した設計に組み込まれ得るスケールのサイズ設定の幅広い変動を認識するであろう。
【0055】
本明細書で使用する場合、「アミノ酸代謝異常症」という用語は、対象の体においてアミノ酸の生成過剰または生成不足をもたらす、アミノ酸の代謝的触媒作用の機能障害を特徴とする疾患及び障害を指すことが意図される。アミノ酸代謝異常症の例は、本出願において互換的に使用される用語である代謝疾患の定義に列挙される。
【0056】
本明細書で使用する場合、「配列同一性」は国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のftpサイトから検索することができる、2つの配列をブラストするための独立実行可能なBLASTエンジンプログラム(bl2seq)を使用して、デフォルトパラメーター(Tatusova and Madden,FEMS Microbiol Lett.,1999,174,247−250;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を使用して、決定される。「と相同である」という用語を使用することは、測定される「配列同一性」と同義である。いくつかの実施形態では、一実施形態が、ある配列同一性パーセントを有する、ある核酸配列またはアミノ酸配列を含む場合は、この用語は、その全長にわたって、開示されるある配列とある相同性を有する、開示されるある核酸配列またはアミノ酸配列を指す。
【0057】
「対象」という用語は、体液試料が採られる動物を説明するために本明細書全体を通して使用される。ある実施形態では、動物はヒトである。ヒトなどの特定の対象に対して特異的な状態の診断については、「患者」という用語が互換的に使用され得る。本開示の説明のいくつかの場合では、「患者」という用語は、特定の疾患または障害を罹患するヒト患者を指す。いくつかの実施形態では、対象は、アミノ酸代謝異常症を有する疑いがある、またはアミノ酸代謝異常症を発症する危険性があると特定されるヒトであり得る。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも1つのアミノ酸代謝異常症を有すると診断され得る。いくつかの実施形態では、対象は、高アンモニア血症を有する疑いがあるか、高アンモニア血症と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、高アンモニア血症を有する疑いがある、または高アンモニア血症を発症する危険性があると特定されるヒトであり得る。いくつかの実施形態では、対象は、分離される体液試料の供給源として機能する哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、対象は、体液試料が分離される、または提供される非ヒト動物であり得る。「哺乳動物」という用語は、ヒト及び非ヒトの両方を包含し、これらとしては、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ及びブタが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書で使用する場合、「保存的」アミノ酸置換は、以下の表A、BまたはCに示されるように定義することができる。代謝酵素は、本明細書に開示されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの改変によって、保存的置換が導入されたアミノ酸配列を含む。アミノ酸は、物理的性質並びに二次及び三次タンパク質構造への寄与によって分類することができる。保存的置換は、あるアミノ酸の、同様の性質を有する別のアミノ酸による置換として当技術分野で認識される。例示的保存的置換を表Aに示す。
【表A】
【0059】
あるいは、保存的アミノ酸は、表Bに示されるように、Lehninger,(Biochemistry,Second Edition;Worth Publishers,Inc.NY,N.Y.(1975),pp.71−77)に記載されているようにグループ分けすることができる。
【表B】
【0060】
あるいは、例示的保存的置換は表Cに示される。
【表C】
【0061】
本明細書に記載の細胞外基質と関連するポリペプチド配列を含むポリペプチドは、アミノ酸残基の1つまたは複数の挿入、欠失もしくは置換またはそれらの任意の組み合わせ、及びアミノ酸残基の挿入、欠失または置換以外の改変を有するポリペプチドを含むことが意図されることを理解されたい。
【0062】
本明細書で使用する場合、「予後予測する」という用語は、疾患のあり得る経過及び/または転帰を決定することを意味する。
【0063】
本明細書で使用する場合、用語、インドフェノール関連化合物という用語は、インドフェノール反応の反応生成物である低分子化学化合物である。ある実施形態では、4、5、6員環中に少なくとも1つの炭素原子を含み、光源が放射する光によってこの低分子化学化合物が励起される際に、可視光波長を放射する。いくつかの実施形態では、低分子化学化合物は、インドフェノール反応の生成物であり、光源が放射する光によってこの化学化合物が励起される際に、ヒトの眼に見える光の波長を放射する。いくつかの実施形態では、光源からの光によって放射される際に、低分子化学化合物は約400nm〜約600nmの波長を放射する。いくつかの実施形態では、バイオセンサー、デバイス及び/またはシステムは、光源並びにインドフェノールまたはインドフェノール関連化合物によって放射される光を測定することができる、少なくとも1つのダイオード及び/もしくは分光光度計または他のデバイスを含む。
【0064】
本明細書で使用する場合、「容器」という用語は、任意のチャンバー、へこみ、容器、入れ物またはスペースである。いくつかの実施形態では、容器は、約1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1μL以下の体液試料を保持することができるウェルである。
【0065】
「膜」という用語は、固相の任意のモノマーまたはポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、膜は、イオノマーを含む。いくつかの実施形態では、膜は、ガスクロマトグラフィーの能力がない。
【0066】
本明細書に開示される「ポイントオブケア」という用語は、アンモニアなどの反応生成物及び/またはアミノ酸などの試料成分の存在、非存在または量を、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25または30分以下の期間内に分析することができる、デバイス、バイオセンサー、システム、検査ストリップまたはカートリッジを、個々に、または1つまたは複数の成分とともに機能するように配置された状態で指す。いくつかの実施形態では、この用語は、アンモニア及び/もしくはアミノ酸の存在、非存在または量を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25または30分以下の期間内に分析することができる、またはアンモニア及び/もしくはアミノ酸の存在、非存在もしくは量を、試料を得た箇所の近くもしくは実質的に近くで分析することができる、デバイス、バイオセンサー、システム、検査ストリップまたはカートリッジを個々に、または1つまたは複数の成分とともに機能するように配置された状態で指す。例えば、いくつかの実施形態では、試料は、高アンモニア血症もしくは高アンモニア血症関連障害の疑いがある対象または高アンモニア血症もしくは高アンモニア血症関連障害と以前に診断された対象から得ることができる。いくつかの実施形態では、ポイントオブケアデバイスまたはバイオセンサーまたはシステムは、試料を試料の供給源から別の場所に送り、試料のアンモニア含量を分析することになしに、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの存在、非存在または量を検出することができるポイントオブケアデバイスである。
【0067】
「流体交換開口部」という用語は、流体が1つの容器からその1つの容器と流体連通した隣接する容器または別の容器に流れることができる、任意のスペースまたは空隙を意味する。
【0068】
特許請求される要素に関する「個々に含む」という用語は、1つの特許請求される要素のみが列挙される要素のそれぞれを含み、指定された他の要素と組み合わせて含まないことを意味する。
【0069】
「フェノール置換基を含む化合物」という用語は、少なくとも1つの炭素原子を含む4、5、6員またはそれ以上の原子環に付着したフェニル基を含む、任意の分子を意味する。
【0070】
本明細書で使用する場合、「イオノマー」はイオンを含む任意のポリマーを指す。いくつかの実施形態では、イオノマーは過フッ素化イオノマーである。いくつかの実施形態では、イオノマーは式Iまたはその塩を含む。
【化2】
式中、X=F−0−CF−Y、F−SOまたはF−CF−COCH
=CF3、またはXがFである場合Xは存在せず、
Y=CF−SOF、CF−CF−SOFまたはCF−COCHである。
【0071】
いくつかの実施形態では、イオノマーは以下の1つまたは組み合わせを含む:
【化3】
またはそれらの塩(式中、n及びmは任意の正の整数である)。いくつかの実施形態では、n及び/またはmは、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、n及び/またはmは、独立に可変であり、約1〜約1000の任意の正の整数である。いくつかの実施形態では、n及び/またはmは、独立に可変であり、約1〜約500の任意の正の整数である。
【0072】
「体液」という用語は、ヒトまたは非ヒト動物を含めた動物から得られた任意の試料を意味する。
【0073】
本明細書で使用する場合、「機能的断片」という用語は、断片の基になる野生型ポリペプチドの機能と類似しているまたは実質的に類似している少なくとも部分的な生物学的機能を有するのに十分な長さである、開示されるポリペプチドの任意の部分を意味する。いくつかの実施形態では、代謝酵素の機能と関連するポリペプチドの機能的断片は、本明細書に開示される任意のポリペプチドの少なくとも70%、75%、80、85、90、95、96、97、98または99%の配列同一性を含み、ポリペプチドに結合する1種または複数の基質に少なくとも部分的な結合親和性を有するのに十分な長さを有するポリペプチドである。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100個の連続的なアミノ酸の長さを有する。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約50アミノ酸の長さを有する。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約100アミノ酸の長さを有する。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約150アミノ酸の長さを有する。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約200アミノ酸の長さを有する。いくつかの実施形態では、断片は本明細書に開示される任意のポリペプチドの断片であり、少なくとも約250アミノ酸の長さを有する。
【0074】
本明細書で使用する場合、「代謝酵素と関連するポリペプチド配列」という用語は、本明細書に開示される代謝酵素またはそれらの機能的断片である、任意の高分子(例えば糖分子または高分子)によって修飾または修飾されていない任意のポリペプチドまたはその断片を意味する。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列は、合成的に生成されるか、任意の多細胞生物または単細胞生物において組換え的に生成される。いくつかの実施形態では、細胞外基質と関係があるポリペプチド配列は、配列が表2に開示されているポリペプチドのうちのいずれかを含む任意のポリペプチドである。いくつかの実施形態では、代謝酵素と関連するポリペプチド配列は、表2に開示されているポリペプチドのいずれかを含む任意のポリペプチド配列、または表2に開示されているポリペプチドと85、90、95、96、97、98または99%の配列同一性を有する配列、またはそれらの機能的断片である。いくつかの実施形態では、代謝酵素と関係があるポリペプチド配列は、表2に開示されているポリペプチドのうちのいずれか、または表2に開示されているポリペプチドと85、90、95、96、97、98または99%の配列同一性を有する配列から成る。
【0075】
「塩」という用語は、無機酸及び/または有機酸を用いて形成される酸性塩並びに無機塩基及び/または有機塩基を用いて形成される塩基性塩を指す。こうした酸及び塩基の例は、当業者に周知である。そうした酸付加塩は、通常医薬的に許容可能であるが、医薬的に許容可能でない酸の塩は、問題の化合物の調製及び精製において有用であり得る。塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸から形成されるものが挙げられる。
【0076】
いくつかの実施形態では、デバイス、システム、膜または容器は、開示される試薬または本明細書に開示される配合物または任意の塩のうちのいずれかを含むことができる。塩は、その遊離塩基または塩、それらの鏡像異性体またはラセミ体を、1当量またはそれ以上の適切な酸と反応させることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、本発明の塩は、少なくとも1つの塩基性基または少なくとも1つの塩基性ラジカルを有する、開示される試薬または本明細書に開示される配合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、本発明の塩は、酸付加塩を形成する、遊離アミノ基、遊離グアニジノ基、ピラジニルラジカル、またはピリジルラジカルを有する、開示される試薬または本明細書に開示される配合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、本発明の塩は、(例えば)、無機酸(例えば塩酸、硫酸またはリン酸)との、または適切な有機カルボン酸もしくはスルホン酸(例えば脂肪族モノ−もしくはジ−カルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはシュウ酸)、もしくはアミノ酸(例えばアルギニンもしくはリジン)、芳香族カルボン酸(例えば安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸)、芳香族−脂肪族カルボン酸(例えばマンデル酸もしくは桂皮酸)、複素芳香族カルボン酸(例えばニコチン酸もしくはイソニコチン酸)、脂肪族スルホン酸(例えばメタン−、エタン−もしくは2−ヒドロキシエタン−スルホン酸)、もしくは芳香族スルホン酸(例えばベンゼン−、p−トルエン−もしくはナフタレン−2−スルホン酸)との対象化合物の酸付加塩である、開示される試薬または本明細書に開示される配合物の塩を指す。いくつかの塩基性基が存在する場合、モノ−またはポリ−酸付加塩が形成され得る。反応は、塩が溶解できない溶媒もしくは媒体中で、または塩が溶解できる溶媒、例えば、水、ジオキサン、エタノール、テトラヒドロフランもしくはジエチルエーテルもしくは溶媒の混合物中で行うことができ、これらを、真空中でまたは凍結乾燥によって取り除くことができる。反応は複分解法でもよく、またはイオン交換樹脂上で行うことができる。本発明による塩は、無水形態で、または水和結晶形態(1つまたは複数の水分子とともに錯体化または結晶化している)として見出され得る。
【0077】
本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、天然であろうと、完全にまたは部分的に合成的に生成されていようと、任意の免疫グロブリンを指す。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれが可変領域及び定常領域を含む4つの全長ポリペプチド鎖から成る複合体であり、例えば、実質的にB細胞によって天然に生成される抗体の構造から成る。いくつかの実施形態では、抗体は単鎖である。いくつかの実施形態では、抗体はラクダ型(cameloid)である。いくつかの実施形態では、抗体は抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体はキメラである。いくつかの実施形態では、抗体は2重特異性である。いくつかの実施形態では、抗体は多重特異性である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナルである。いくつかの実施形態では、抗体はポリクローナルである。いくつかの実施形態では、抗体はコンジュゲートされている(すなわち、他のタンパク質、放射標識、細胞毒とコンジュゲートまたは融合した抗体)。いくつかの実施形態では、抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はマウス抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はウサギ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はラット抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はロバ抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のバイオセンサーまたはシステムは、1つの抗体または複数の抗体を含む。
【0078】
特性:本明細書で使用する場合、「特性」という用語は、匹敵する体液試料との区別を可能にする、体液試料の任意の検出可能な特徴を指す。いくつかの実施形態では、特性は、体液、環境試料または水試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量または識別である。いくつかの実施形態では、特性は、アミノ酸の量、配列または改変である。いくつかの実施形態では、特性は、炭水化物の量である。いくつかの実施形態では、特性は小分子の量である。
【0079】
匹敵する:本明細書で使用する場合、「匹敵する」という用語は、比較を可能にするのに十分なほど類似しているが、少なくとも1つの特徴が異なっている、2つの実体を指すのに使用される。
【0080】
代謝酵素:本明細書で使用する場合、「代謝酵素」という用語は、1種または複数のアミノ酸の代謝経路中の少なくとも1つのステップの触媒作用に関与する酵素を意味する。いくつかの実施形態では、代謝酵素は、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、それぞれの機能的断片またはそれらの組み合わせまたはそれらの融合タンパク質である。
【0081】
本明細書で使用する場合、「代謝疾患」という用語は、1種もしくは複数のアミノ酸の代謝経路の酵素ステップまたは細胞の中にもしくは外にある種のアミノ酸を輸送するのに必要であるタンパク質メディエーターの欠損に起因する一群の障害のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、代謝疾患は以下から選択される:アルギニン血症(ARG、アルギナーゼ欠損症)、アルギニノコハク酸尿症(ASA、アルギニノスクシナーゼ)、シトルリン血症I型(CIT−I、アルギニノコハク酸合成酵素)、シトルリン血症II型(CIT−II、シトリ欠損症)、ビオプテリンコファクター生合成の欠損(BIOPT−BS)、ビオプテリンコファクター再生の欠損(BIOPT−RG)、ホモシスチン尿症(HCY、シスタチオニンβ合成酵素)、高フェニルアラニン血症(H−PHE)、高メチオニン血症(MET)、メープルシロップ尿症(MSUD、分枝鎖ケト酸デヒドロゲナーゼ)、フェニルケトン尿症(PKU、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ)チロシン血症I型(TYR−1、フマリルアセト酢酸ヒドラーゼ)、チロシン血症II型(TYR−II、チロシンアミノトランスフェラーゼ)及びチロシン血症III型(TYR−III、ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ)。ここでは、各病態の後の挿入句は、疾患の略語を、その病態を罹患する対象において一般に欠損している酵素とともに表す。
【0082】
ポリペプチド:本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」という用語は、一般に、少なくとも3つのアミノ酸のポリマーという、当分野で認識される意味を有する。「ポリペプチド」は、本明細書で列挙される完全な配列を有するポリペプチドを包含するだけでなく、そうした完全なポリペプチドの機能的断片(すなわち、少なくとも1つの活性を有する断片)に相当するポリペプチドも包含することに関して、十分に一般的であることが意図されることを、当業者なら認識するであろう。さらに、タンパク質配列は、一般に、活性を損なうことまたは著しく低減させることなくある種の置換を許容することを、当業者なら理解する。したがって、活性を維持し、且つ、同じクラスの別のポリペプチドと、少なくとも約30〜40%の全体的な配列同一性を有し、これは、しばしば約50%、60%、70%、75%、80%または85%を越え、さらに、少なくとも3〜4個、しばしば20個まで、またはそれ以上のアミノ酸を通常含む、1つまたは複数の高度に保存された領域において、しばしば90%を、または95%、96%、97%、98%もしくは99%さえも越える、はるかに高い同一性の少なくとも1つの領域を通常含む任意のポリペプチドは、本明細書で使用する関連「ポリペプチド」に含まれる。
【0083】
本明細書で使用する場合、「閾値」という用語は、試料中のアンモニアもしくはアンモニウムイオンまたはアミノ酸の量が異常に高いまたは低いと考えられるかどうかを示し、それによって、例えば代謝疾患などの特定の障害の診断またはそうした障害の疑いがある診断がもたらされる、体液試料中のアンモニアもしくはアンモニウムイオンまたはアミノ酸の濃度である。例えば、血液試料の場合には、ある種のアミノ酸代謝異常症に関する既知の閾値が、以下の表1に示される:
【表1】
【0084】
いくつかの実施形態では、閾値または参照体液試料についての情報は、実験用体液試料についての情報より前にまたはそれと同時に得られる。いくつかの実施形態では、参照細胞または細胞型についての情報は履歴である。いくつかの実施形態では、閾値または参照体液試料についての情報は、例えばコンピューター可読記憶媒体に記憶される。いくつかの実施形態では、閾値または参照体液試料との特定の濃度値の比較によって、実験用体液試料中のアンモニアの濃度値が閾値と区別され、それによって、1種もしくは複数の代謝疾患を有する対象の診断、または1種もしくは複数の代謝疾患の重症度の変化の診断をもたらす比較が可能になる。
【0085】
参照電極:文脈から理解されるように、参照電極または対照電極は、導電性支持体、例えば、参照または対照電極と本明細書に開示されるヒドロゲル及び/または固定化酵素を含む少なくとも1つの導電性支持体との間の電圧差の適切な比較を可能にするように、本明細書に開示されるヒドロゲル及び/または固定化酵素を含む少なくとも1つの導電性支持体とともに回路に設置される電極である。
【0086】
試料:本明細書で使用する場合、「試料」という用語は、本明細書に記載のように、目的の供給源から得られるか、それに由来する生物学的試料を指す。いくつかの実施形態では、目的の供給源は動物またはヒトなどの生物を含む。いくつかの実施形態では、生物学的試料は生物学的組織または流体を含む。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、骨髄;血液;血球;腹水;組織もしくは細針生検試料;細胞含有体液;遊離浮遊核酸;痰;唾液;尿;脳脊髄液、腹膜液;胸膜液;糞便;リンパ液;婦人科的流体;皮膚スワブ;膣スワブ;口腔スワブ;鼻スワブ;乳管洗浄もしくは気管支肺胞洗浄などの洗液(washings)または洗浄液(lavages);吸引物;擦過物(scrapings);骨髄検体;組織生検検体;外科検体;糞便、他の体液、分泌物及び/もしくは排泄物;並びに/またはそれらに由来する細胞などでもよいし、これらを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、生物学的試料は体液であるか、体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接得られた「一次試料」である。例えば、いくつかの実施形態では、一次生物学的試料は、生検(例えば、細針吸引または組織生検)、手術、体液(例えば、血液、リンパ液、糞便など)の採取などから成る群から選択される方法によって得られる。いくつかの実施形態では、文脈から明らかであるように、「試料」という用語は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1種もしくは複数の成分を取り除くことによって、及び/または一次試料に1種もしくは複数の薬剤を加える)得られる調製物を指す。例えば、半透膜による濾過である。そうした「処理された試料」は、試料から抽出される、またはmRNAの増幅もしくは逆転写、ある種の成分の分離及び/もしくは精製などの技法に一次試料をかけることによって得られる、例えば核酸またはタンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、処理された試料を含まない。
【0087】
いくつかの実施形態では、システム、検査ストリップ、デバイス、バイオセンサー及び/またはカートリッジは、国際公開公報番号2015/031911の78〜84頁に開示される試薬のいずれか1つまたは組み合わせの濃度を含む。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【表2-13】
【表2-14】
【表2-15】
【表2-16】
【表2-17】
【表2-18】
【表2-19】
【表2-20】
【表2-21】
【表2-22】
【表2-23】
【0088】
本開示は、血中のアンモニアの総濃度を測定するための、アンモニアまたはアンモニウムイオンのバイオセンサーに関する。アンモニアバイオセンサーは、それぞれ基質として働く複数の特定のアミノ酸に選択的に作用するメディエーター及び酵素を構成要素として含む測定電極、並びに対電極を含む。アミノ酸バイオセンサーでは、酵素は、複数の特定のアミノ酸のそれぞれに対して基質親和性を有する。酵素は、反応生成物を形成するために、基質としての複数の特定のアミノ酸のそれぞれにおいて反応を触媒するように作動することができる。メディエーターは、アミノ酸の濃度測定の間、反応生成物と測定電極の間で電子を運ぶように作動することができる。さらに、アミノ酸バイオセンサーは、複数の特定のアミノ酸のそれぞれについての特定の濃度における印加電圧と電流値の間の関係を表す分析曲線において、印加電圧が、同じ濃度及び同じ印加電圧においてアミノ酸に対する様々な電流値を可能にする電圧であるような様式で、測定点において、測定電極と対電極の間に電圧を印加するように設計されている。
【0089】
いくつかの実施形態では、測定電極(少なくとも第1の電極)は、構成要素として補酵素または還元物質を含むヒドロゲルをさらに含む。いくつかの実施形態では、酵素は、デヒドロゲナーゼから成る。さらに、反応生成物は、補酵素の還元によって得られる還元型補酵素から成り、メディエーターは、アミノ酸の濃度測定の間、還元型補酵素から測定電極へ電子を運ぶように作動することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバイオセンサーまたはシステムは、以下の1つまたは組み合わせとともに使用される:
1.電極と電気的に接続しており、作用電極面で還元型のメディエーターの拡散律速電気酸化を起こすのに十分な電位差を電極間に与えることができる電源;並びに
2.電極と電気的に接続しており、上記電位差が印加され、還元型のメディエーターによって生成される拡散律速電流を測定することができる少なくとも1つの計器(例えば、分光光度計、電圧計及び/または電流計)。
【0091】
計器は、通常は、アルゴリズムを電流測定に適用するように適合され、これによって、アンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度が提供され且つ視覚的に示される。そのような電源、計器及びバイオセンサーシステムの改良は、本発明の譲受人に譲渡された、米国特許第4,963,814号(1990年10月16日発行);米国特許第4,999,632号(1991年3月12日発行);米国特許第4,999,582号(1991年3月12日発行);米国特許第5,243,516号(1993年9月7日発行);米国特許第5,352,351号(1994年10月4日発行);米国特許第5,366,609号(1994年11月22日発行);White et al.,米国特許第5,405,511号(1995年4月11日発行);及びWhite et al.,米国特許第5,438,271号(1995年8月1日発行)の主題である。これらの開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0092】
複数の試料からのアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度を、並行して分析することができる。例えば、ヒト及び非ヒトの体液、例えば、全血、血漿、血清、リンパ液、胆汁、尿、精液、脳脊髄液、脊髄液、涙液及び便検体並びに当業者には容易に分かる他の生体液を測定することができる。ヒト及び非ヒト動物由来の組織の流体調整物はまた、食物、水試料、発酵生成物及び環境物質(これは環境汚染物を含む可能性がある)とともにアッセイすることができる。いくつかの実施形態では、ヒト血清は、開示されるバイオセンサーを用いてアッセイされる。いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、全血を含むか、全血をアッセイするように配置される。
【0093】
反応が完了した後、電源(例えばバッテリー)は電極間に電位差を印加する。電位差が印加される際、補助電極での酸化型のメディエーターの量及び電位差は、作用電極面において、還元型の少なくとも1つのメディエーターの拡散律速電気酸化を起こすのに十分でなければならない。いくつかの実施形態では、作用電極は本明細書に開示されるヒドロゲルを含む。電流測定器(表示せず)は、作用電極面において還元型のメディエーターの酸化によって生成される拡散律速電流を測定する。測定した電流は、以下の要件が満たされる場合、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオン及び/または1種または複数のアミノ酸の濃度と正確に相関し得る:
1.インドフェノール試薬の濃度に基づくインドフェノール反応の速度が、第1の容器中の試料から作用電極面を含む第2の容器へのアンモニアの拡散速度によって決定される。
【0094】
バイオセンサーを製造するために、金属蒸着フィルムのロールが、ガイドロールを介して切除/洗浄及び乾燥ステーションに供給される。下部プレート要素14を切除ことができるレーザーシステムは、当業者に既知である。その非限定例としては、切除のパターンが鏡、レンズ及びマスクによって制御されるエキシマーレーザーが挙げられる。そうしたシステムの非限定例はLPX−300またはLPX−200であり、両方とも、LPKF Laser Electronic GmbH,of Garbsen,Germanyから市販されている。
【0095】
レーザーアブレーターでは、分離された電極セットのリボンを形成するために、金属蒸着フィルムの金属層が所定のパターンで切除される。分離された電極セットが形成されて電気化学的領域に隣接して位置する陥凹部を作出した後に、金属蒸着フィルムがさらに切除される。次いで、リボンは、テンションループを用いて、より多くのガイドロールを通過させられ、任意の検査カメラを通過させられる。カメラは、欠損を確認するための品質管理に使用する。
【0096】
試薬は、調剤及び乾燥ステーションにおいて調合され、電気化学的領域の中央に液体形態で加えられる。試薬を加える技法は、米国特許第5,762,770号に記載されているように、当業者に周知であり、その開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。本開示に従って、試薬を液体または他の形態でアレイに加えることができ、電気化学的領域の中央で乾燥または半乾燥することができることは認識されている。
【0097】
さらに、ロールまたは上部プレート要素材料が、スペーサー材料のロールとともに組立ステーションに供給される。スペーサー材料のいずれかの側面にあるライナーがこのステーションで取り除かれ、上部プレート要素または表面足場がスペーサー材料の片側に加えられて、上部プレート要素/スペーサー部分組立品が形成される。上部プレート要素/スペーサー部分組立品は、バイオセンサーの列に適した幅に細長く切られる。次に、新たなリリースライナーが、カバーと反対側のスペーサー材料の側面に加えられ、部分組立品がロールに巻かれる。
【0098】
試薬でコーティングされた下部プレート要素のリボンは解かれ、上部プレート要素/スペーサー部分組立品とともにセンサー組立ステーションに供給される。ライナーがスペーサーから取り除かれ、試薬を覆うように、部分組立品が下部プレート要素上に設置される。次に、組立てられた材料が切断されて個々のバイオセンサーが形成され、これらは選別され、バイアルに詰められ、それぞれストッパーで閉じられて、パッケージ化されたセンサー検査ストリップが得られる。
【0099】
陥凹部を切除することが本明細書に記載されるが、下部プレート要素に陥凹部を形成する方法も制限されないことが認識される。例えば、陥凹部は、(例えばフォトリソグラフィック方法を使用する)エッチングによって、または上部プレート要素の表面の一部を取り除くことによって形成することができる。最も近い表面の一部は、およそ、陥凹部から約10μm〜約500μm、または陥凹部から約100μm〜約400μm、または陥凹部から約200μm〜約300μmである。本開示に従って陥凹部を伴って形成されるバイオセンサーは、概して均一な化学反応の厚さを有する試薬プロファイルをもたらす。概して均一な化学反応の厚さは、より正確な試料分析を可能にする。
【0100】
上記のプロセス及び生成物は、特に診断デバイスとして個々に使用するための、または高アンモニア血症、異常な機能、もしくは試料中のアンモニアの異常に高いもしくは低い量を診断するように配置された他の構成要素、例えばポンプシステムもしくは分光光度計と組み合わせて使用するための、使い捨てバイオセンサーを含む。
【0101】
インドフェノール反応のバリエーション
本開示は、乾燥、粉末または水相の独立可変相の試料を1種または複数の試薬と接触させることに関する。反応物は以下の4つの主な成分を有する:フェニル基含有化合物、次亜ハロゲン酸塩、触媒及びアルカリ緩衝剤。これらの試薬がアンモニアに曝露されると、特定の波長の光源に曝露されたときに、特定の光波長を吸収及び/または放射する、インドフェノール化合物が生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、少なくとも第1の容器または第2の容器の内容物の吸光度を測定することによってアンモニアまたはアンモニウムイオンの存在、非存在または量を検出するステップを含ませる。
【0102】
フェノール類
様々なフェニル基含有化合物を、化合物が少なくとも1つの炭素原子及び無置換の「パラ位」を有する4、5または6員環を含む限り使用することができる。
【化4-1】
【化4-2】
【0103】
アルカリ条件
試料由来のアンモニアと起こる反応のためのアルカリ微小環境を作出することができる、任意の緩衝剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、約8.5〜約13のpHを有するアルカリ緩衝剤を含む容器を、本明細書に開示されるバイオセンサー、検査ストリップまたはシステムにおいて使用することができる。こうしたアルカリ条件を作出することができる任意の化合物を使用することができ、これらとしては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムまたは酢酸ナトリウムもしくは酢酸カリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は、本明細書に開示されるバイオセンサーまたはキット内にある容器に入った粉末形態、凍結乾燥溶液または水溶液の状態である。
【0104】
電極
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップは、1つまたは複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、例えば、バイオセンサー中の反応容器の吸光度を測定する分光光度計の場合には、1つまたは複数の電極は、インドフェノール試薬と試料由来のアンモニアもしくはアンモニウムイオンの間の反応によって生成される電流変動を、及び/またはバッテリー供給源によって生成される電流の変動を、光源または試料中のアンモニアレベルの読み出し情報を提供するのに必要な他の機器に伝える。いくつかの実施形態では、電極は金属を含む。いくつかの実施形態では、電極は金属が堆積する炭素足場を含む。いくつかの実施形態では、電極はカーボンナノチューブの炭素足場を含む。
【0105】
本開示に適した電極構造及びそうした構造を生成する方法は、他の目的のためのバイオセンサー技術において既に示唆されている。この関連で、米国特許第6,645,359号が参照され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。電極または導電性トラックが、第1の面に作出されるか、分離される。トラックはバイオセンサーの電極を表す。本明細書で使用する場合、「電極セット」という表現は、少なくとも2つの電極、例えば2〜200個、または3〜20個の電極のセットである。これらの電極は、例えば、作用(または測定)電極及び補助電極であり得る。いくつかの実施形態では、トラックは協同して、陥凹部の周辺部内に位置する互いに組み合わさった電極アレイ、並びに末端に向かってアレイから及び陥凹部の間に延びる導線を形成する。
【0106】
トラックは導電性材料から構築される。導電性材料の非限定例としては、アルミニウム、炭素(例えばグラファイト)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(例えば、高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタン、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、及びこれらの元素の合金、酸化物または金属化合物が挙げられる。好ましくは、トラックは、金、白金、パラジウム、イリジウム、またはこれらの金属の合金を含む。これは、そのような貴金属及びそれらの合金が、生物システムにおいて非反応性であるからである。いくつかの実施形態では、トラックは銀及び/または塩化銀でできている作用電極であり、トラックは、同様に銀及び/または塩化銀でできており、作用電極と実質的に同じサイズである、補助電極である。
【0107】
トラックは、レーザー切除によって残りの導電面から分離される。レーザー切除を使用して表面に電極を形成するための技法は既知である。レーザー切除を使用して表面に電極を形成するための技法は既知である。例えば、1999年10月4日に出願され、「LASER DEFINED FEATURES FOR PATTERNED LAMINATES AND ELECTRODE」と題する、米国特許出願第09/411,940号(その開示は参照により本明細書に明確に組み込まれる)を参照されたい。トラックは、好ましくは、電極の周りに延びる領域から導電性材料を取り除くことによって作出される。したがって、トラックは、約5μm〜約500μmの幅を有する間隙によって表面の残りの導電性材料から分離され、好ましくは、間隙は約100μm〜約200μmの幅を有する。あるいは、下部基板におけるレーザー切除のみによって、トラックを作出することができることが認識される。さらに、トラックは、積層されてもよいし、スクリーン印刷されてもよいし、フォトリソグラフィーによって形成されてもよい。
【0108】
本開示によれば、多電極配置も可能である。例えば、さらなる導電性トラックを含むバイオセンサーが形成され得ることが意図される。図4に示す配置などの3電極配置では、第1トラックは作用電極であり、第2は対電極であり、第3電極は参照電極である。トラックが作用電極であり、第3電極が補助電極または参照電極として提供される代替の3電極配置が可能であることも認識される。トラックの数及びアレイ中のトラック間の間隔が本開示に従って変わり得ること、並びに当業者に認識されるように、いくつかのアレイが形成され得ることが認識される。いくつかの実施形態では、電極は、プラスチック及び/または紙材料を含む検査ストリップなどの固体支持体に包埋されるか、付着される。
【0109】
マイクロ電極アレイは、非常に小さな寸法の2つの電極を一般に有する構造物であり、典型的には、各電極が共通の要素及び電極要素またはマイクロ電極を有する。「互いに組み合わされた」場合、アレイは、交互の指のような様式で配置される(例えば米国特許第5,670,031号を参照されたい)。これらは、一般にマイクロ電極のサブクラスである。マイクロ電極の互いに組み合わされたアレイまたはIDAは、所望の性能特性を示し得、例えばその小さな寸法の結果、IDAは良好なシグナル対ノイズを示し得る。
【0110】
互いに組み合わせるアレイは、集積回路フォトリソグラフィー法を使用して、シリコンまたはガラス基板などの非フレキシブル基板上に配置されている。IDAは非フレキシブル基板上で使用されており、これは、IDAは、例えば、1〜3マイクロメートル範囲の特徴寸法を有する非常に小さな寸法を使用した場合に、優れた性能性を与えると考えられてきたからである。そのような小さな寸法では、基質の表面構造(例えば、平面度または粗度)は、IDAの性能に重要になる。非フレキシブル基板、特にシリコンは、極めて滑らかな、平坦な表面に処理することができるので、これらは、IDAとともに使用されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、本明細書に開示される任意のIDAの成分である。
【0111】

いくつかの実施形態では、流体交換開口部に位置する膜はイオノマーを含む。いくつかの実施形態では、膜は以下のポリマーの1つまたは組み合わせを含む:
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
式中、変数p、q、r、s、t、u、v、w、x、y及びzのそれぞれは独立に可変であり、0または任意の正の整数であり;Rは、アミン、ヒドロキシ、ヒドロキシル、カルボニル、H、=O、−OH、−COOH、−N、−CH、−CH−X、ハロ、アリール、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アルキル、アルキル−ハロ、アリールアミド、アルキル複素環、アルキルアミノ、アルキルグアニジノ、アルカノール、アルキルカルボキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシもしくはヘテロシクリル;またはそれらの任意の塩から独立に選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、R基は、酸性または電気陰性の置換基である。いくつかの実施形態では、変数p、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは独立に可変であり、0または約1〜約200の正の整数である。いくつかの実施形態では、変数p、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは独立に可変であり、0または約10〜約100の正の整数である。いくつかの実施形態では、変数p、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは独立に可変であり、多くの種のポリマーを含む材料のマトリックス内の多くの種にわたって、0または約10〜約100の正の整数である。A−は、スルホネート、カルボキシレートまたは他の同様の官能基を含み得る、陰イオン性または酸性の基を表す。M+は、対イオンを表し、H+、Li+、Na+または同様の陽イオンを含み得る。丸括弧または角括弧を伴う文字(p〜z)は、0〜任意の整数値に及ぶ繰り返し単位を表す。イオン交換膜を作出するのに使用することができる、炭素(C)、フッ素(F)、硫黄(S)、酸素(O)、水素(H)、窒素(N)、リン(P)または任意の同様の元素の任意の組み合わせを含む、任意のポリマーを利用することもできる。
【0113】
イオン交換膜は、過フッ素化イオノマー(1&2)、ポリホスファゼンベースのイオノマー(3)、ポリスチレンベースのイオノマー(4)、ポリスチレンベースのブロックコポリマーのイオノマー(5)及びポリ(アリーレンエーテルスルホン)ベースのイオノマー(6)を含めたポリマーから構築することができる。
【0114】
イオン交換膜に関する総酸含量は、約0.57〜約3.5meq/gに及び得る。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約4.0meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約3.0meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.9meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.8meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.7meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.6meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.5meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.4meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.3meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.2meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.1meq/gである。いくつかの実施形態では、イオン交換に関する総酸含量は、約0.57〜約2.0meq/gである。
【0115】
これらのイオノマーから構築した膜は、厚さが約.025〜約.69mmの厚さに及ぶ。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約069mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約068mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約067mmの厚さである。
【0116】
いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約066mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約065mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約064mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約063mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約062mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約061mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約060mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約059mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約058mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約050mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約040mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約030mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約020mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.001〜約010mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約065mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約064mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約063mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約062mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約061mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約060mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約059mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約058mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約050mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約040mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約030mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約020mmの厚さである。いくつかの実施形態では、膜は、約.025〜約010mmの厚さである。
【0117】
総酸含量が高く、膜の厚さが薄いほど、拡散時間が早くなる。膜は、押出キャスティング、ドロップキャスティング、高温圧縮または同様の方法を介して形成され得る。
【0118】
カートリッジ及び使い捨てデバイス
バイオセンサー、デバイス、システム及びまたは検査ストリップは、カートリッジでもよいし、カートリッジを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジは1回使用後に使い捨てであるか、アンモニアまたはアンモニウムイオンの検出イベントあたり1回より多く使用することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジは、複数のマイクロ流体コンジットと流体連通している、カートリッジの貯蔵部、混合部及び読み出し部を含む。貯蔵部は、結晶化した、乾燥した、凍結乾燥した、または溶液状態のインドフェノール試薬の1つまたは組み合わせを貯蔵する複数のコンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、コンパートメントは、プラスチック壁または他の不活性な材料によって隣接するコンジットから区分され得る。カートリッジの混合部は、1種または複数の試薬が、デバイスの貯蔵部から放出された後に貯蔵混合物になる、トランク形のコンジットを含む。デバイスの貯蔵部に隣接したマイクロ流体チャネルの様々な箇所で、試薬を試料と及び/または互いに混合することができる。デバイスのいくつかの実施形態では、マイクロ流体コンジットの読み出し部は、デバイスの混合部に隣接している。デバイスのいくつかの実施形態では、カートリッジは、貯蔵部及び読み出し部のみを含み、ここでは、読み出し部は、試料中のアンモニアまたはアンモニウムの量を測定するが、その器具を介して生じるいかなる検出または定量ステップよりも前に、試料の混合も可能にする器具に整列するように配置された、マイクロ流体コンジットを含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を検出するための器具(分光光度計)を含まず、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を測定することができる器具にカートリッジの読み出し部を整列させるように配置される。いくつかの実施形態では、カートリッジは、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を検出するための器具、例えばフォトダイオードを含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、デバイスの混合部に隣接した検出または定量するためのマイクロ流体コンジットを含む読み出し部を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量を検出するための器具、例えばフォトダイオードを含み、そうした器具は、デバイスの読み出し部に整列しているまたはデバイスの読み出し部と連携している光源を含み、その結果、光源からの光が読み出し部を透過することができ、そうした器具は、読み出し部において光の波長の存在、非存在または吸光度を検出することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、読み出し部とも流体連通している混合部と流体連通している貯蔵部を含むマイクロ流体回路を含む。そのような一実施形態の流体は、カートリッジの貯蔵部から混合部へ、及び混合部から読み出し部へ流動するように設計されている。いくつかの実施形態では、貯蔵部は各インドフェノール試薬に関して1つのコンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、貯蔵部は、次亜ハロゲン酸塩(例えば次亜塩素酸塩)を含む第1コンパートメント、塩基性緩衝剤(例えばNaOHなどの)を含む第2コンパートメント及び少なくとも1つのインドフェノール試薬またはインドフェノール関連化合物(例えば2−フェニルフェノール)を含む第3コンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、貯蔵部は、触媒またはカップリング試薬(例えばニトロプルシドナトリウム)を含む第4コンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、貯蔵部は、アルカリ緩衝剤(例えば酢酸ナトリウムまたは酢酸カルシウムまたは酢酸亜鉛)を含む第5コンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、マイクロ流体コンジット間に流体交換開口部を含み、このコンパートメントは、アルカリ緩衝剤(例えば酢酸ナトリウムまたは酢酸カルシウムまたは酢酸亜鉛)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される膜は、試料がアルカリ緩衝剤と接触する場合に、アンモニアが隣接するマイクロ流体コンジットに膜を超えて輸送され得るように、流体交換開口部の少なくとも一部の上に位置する。
【0120】
いくつかの実施形態では、貯蔵部は、任意に電極を含むコンパートメントを含む。いくつかの実施形態では、任意に電極を含むコンパートメントは、固相または液相のアルカリ緩衝剤を含むコンパートメントに隣接し、そうしたコンパートメントは、カートリッジの外部の箇所からカートリッジ中に試料を堆積させることができる開口部を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジは、開口部を含み、任意に電極を含む、第6コンパートメントを含み、そうしたコンパートメントは、カートリッジの外部の箇所からカートリッジ中に試料を堆積させることができる開口部を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジは、開口部を含み、任意に電極を含む、第6コンパートメントを含み、そうしたコンパートメントは、カートリッジの外部の箇所からカートリッジ中に試料を堆積させることができる開口部を有し;ここでは、カートリッジは、開口部を含むコンパートメントの近くにまたは実質的に近くに位置する、アルカリ緩衝剤を含むコンパートメントをさらに含み、その結果、開口部を有するコンパートメントに試料を装入する際に、アルカリ緩衝剤が、開口部を含むコンパートメントへ輸送され、試料と混ざる。
【0121】
いくつかの実施形態では、コンパートメントは、約100マイクロリットル以下の流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約100マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約90マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約80マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約70マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約60マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約50マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約40マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約30マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約20マイクロリットルを超えない流体量を有する。いくつかの実施形態では、カートリッジ中の1つまたは複数のコンパートメントは、約10マイクロリットルを超えない流体量を有する。
【0122】
図24から28は、カートリッジである本発明の一実施形態を示す。カートリッジの半分が図24に示され、一方カートリッジの半分の逆面が25より後の図で示される。カートリッジの2分割体は、1つまたは複数のマイクロねじ、合釘または留め具で一緒に合わせて固定することができる。カートリッジの2分割体は、1種または複数の不活性な材料、例えばプラスチック及び/またはガラスから作製することができる。
【0123】
図24に開示されているカートリッジの半分は、第1、第2、第3、第4及び第5の貯蔵コンパートメントを含む。図24は、カートリッジの下半分のマイクロ流体コンジットに直接隣接するが、それから区分される量を規定する、第1、第2、第3、第4及び第5のコンパートメント(それぞれラベル1、2、3、4及び5)を示す。区分は、コンパートメントとマイクロ流体コンジットの間のスペースを2分割する小さな実線のダッシュで描かれる(それぞれ、各コンパートメント1、2、3、4及び5に関してラベル10、11、12、13及び14)。本実施形態では、第1コンパートメントは次亜ハロゲン酸塩を含み、第2コンパートメントは塩基性緩衝剤を含み、第3コンパートメントは触媒を含み、第4コンパートメントはインドフェノール試薬(例えばフェノール化合物)を含み、第5コンパートメントは、アルカリ緩衝剤(これは、水溶液である場合、約500mM〜約1Mの濃度の酢酸ナトリウムでもよい)を含む。マイクロ流体回路の貯蔵部は、貯蔵箇所1、2、3、4、5及び6を含む。全血などの試料を図25のコンパートメント6に導入する際に、試薬の混合が起こり得るように、本明細書に開示される任意の膜を、位置14または位置14の近くに設置してもよい。コンパートメント5からの流体は、溶液中の試料及びアンモニアイオンと混合され、5及び6からデバイスの混合部20に膜を超えて移行され得る。コンパートメント1から4までの試薬も放出され、その結果、約4〜5秒後に、すべての試薬がデバイスの混合部20に入れられる。混合部20の上部分枝部は、コンパートメント1、2、3及び4に含まれるインドフェノール試薬を混合するが、試料由来のアンモニア及び5及び6の緩衝剤は、カートリッジの底部トランクで混ざる。使用にあたって、図26は、各コンパートメントからカートリッジの混合部への予想される流体流動を示す。薄い色合いの灰色は、マイクロ流体回路を通じて、試薬が0秒(i);13秒(ii);及び24秒(iii)で移動するような、各コンパートメントからの試薬の急速投入を示す。デバイスの混合部で混合が完了した後、すべての試薬は、回路の読み出し部25に最も近接する混合部部分で混ざる。デバイスの読み出し部では、カートリッジは、光が移動し、ある種の測定可能な光の波長に流体を曝露することができる開口部を有していてもよい。吸光度を測定するために、例えばフォトダイオードなどの器具が、デバイスの読み出し部の近くにまたはそれに隣接して存在していてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジの外部の箇所から試料を受け取るように配置された容器において試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの有無を検出する、少なくとも1つの電極を含む。試料の存在によって一旦電極が活性化されると、カートリッジの貯蔵部が開き、その内容物を放出し、その結果、各コンパートメントからの溶液がマイクロ流体コンジットの混合部に放出される。マイクロ流体コンジットは、各コンパートメントからのすべての試薬を混合するのに十分な長さであり、その結果、反応物の総流体量がカートリッジの読み出し部に達するときまでに、インドフェノール反応が起こり、インドフェノール反応生成物(例えばインドフェノールまたはインドフェノール関連化合物)がマイクロ流体コンジット中に形成される。
【表3】
【0125】
ヒドロゲル
いくつかの実施形態では、バイオセンサーは、ヒドロゲルを含む。ヒドロゲルは、水中で膨張するが溶解しない架橋ポリマー材料でもよい。ヒドロゲルが、それ自体の重量の少なくとも約1〜約10倍、及び一実施形態では少なくとも約100倍の液体を吸収することができ得ることが、想定される。バイオセンサーで使用するために選択されるヒドロゲルは、機能化方法に直接的に依存するはずである。ヒドロゲルが生体適合性であり得ることが、想定される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルはアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約5%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約4%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約3%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約2%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.1%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.2%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルはアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.3%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.4%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.5%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.6%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.7%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.8%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約0.9%〜約1%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1.0%〜約3.0%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1.0%〜約2.0%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1.0%〜約1.5%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、約1%、約2%または約3%の重量/体積のアルギン酸を含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルはアルギン酸ナトリウムを含む。アルギン酸は、バルク形態またはモノマー、Gブロック、Mブロック及び/もしくはGMブロックの繰り返しパターンで使用される、アルギン酸の任意の個々のポリマーでもよい。いくつかの実施形態では、アルギン酸は以下の式を含む:
【化6】
式中、m及びnは任意の正の整数である。いくつかの実施形態では、m及びnは独立に可変であり、約1〜約1000の任意の正の整数である。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、アクリル系モノマーから重合され得る。アクリル系モノマーは、以下の1つまたは組み合わせでもよい:アクリルアミド−グリコール酸、アクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、アクリルアミド−エチルホスフェート、ジエチル−アミノエチル−アクリルアミド−、トリメチル−アミノ−プロピル−メタクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−フェニル−アクリルアミド及びtert−ブチル−アクリルアミド。デバイスが架橋結合剤を含む実施形態では、例示的架橋結合剤は、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビスメタクリルアミド、ジアリルタタリジアミド(diallyltatardiamide)及びポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートであり得る。適切なヒドロゲルの例としては、シリコンウエハ、ホウケイ酸ガラス基板、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)及びポリエチレングリコール(PEG)も挙げることができる。
【0126】
ヒドロゲルは任意の数の分子を含むことができる。例えば、ヒドロゲルは、重合されたモノマーまたはヒドロゲル、架橋剤及び任意に化学物質またはUV光活性化誘導剤を含むことができる。そうしたモノマーまたはダイマーの例としては、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルエーテル、オレフィン、スチレン、塩化ビニル、エチレン、アクリレート、メタクリレート、ニトリル、アクリルアミド、マレアート、エポキシ、エポキシド、ラクトン、エチレンオキシド、エチレングリコール、エチルオキサゾリン、アミノ酸、サッカリド、タンパク質、無水物、アミド、カーボネート、フェニレンオキシド、アセタール、スルホン、フェニレンスルフィド、エステル、フッ素ポリマー、イミド、アミド−イミド、エーテルイミド、イオノマー、アリールエーテルケトン、アミン、フェノール、酸、ベンゼン、シンナメート、アゾール、シラン、クロリド、及びエポキシド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコール−ジメタクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)、ポリ(ビニリデンフルオリド)(PVdF)ベースのポリマー、ポリアクリロニトリル(PAN)ベースのポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)ベースのポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)ベースのポリマー、並びにポリ(ビニリデンフルオリド)(PVdF)ベースのポリマーとポリアクリロニトリル(PAN)ベースのポリマーとポリメチルメタクリレート(PMMA)ベースのポリマーとポリ塩化ビニル(PVC)ベースのポリマーの混合物、並びにこれらの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)またはその類似体を含まない。
【0127】
架橋結合剤及び任意の化学物質またはUV光活性化誘導剤としては、以下を挙げることができる。N,N’−メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドエチレングリコール−ジメタクリレート及び薬剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド。Irgacure2959(Ciba);2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトン、ベンジル−ジメチル−ケタール、硫酸アンモニウム、ベンゾフェノン、エチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、α−メチルベンゾインエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、2,2−クロロベンゾフェノン、ベンジル安息香酸及びベンゾイル安息香酸、TEMED並びに過硫酸アンモニウム(APS)。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、細胞によって細胞外環境に分泌される、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン及び/または炭水化物を含む。いくつかの実施形態では、分泌されるタンパク質、ペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン及び/もしくは炭水化物またはそれらから成る構造物。
【0128】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つのコーティングを含むコーティングされたバイオセンサーデバイスに関し、バイオセンサーは、コーティングに共有結合または固定化される代謝酵素を含み、代謝酵素は、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有するか、配列番号1または配列番号2の機能的断片に対して少なくとも70%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つのコーティングを含むコーティングされたバイオセンサーデバイスに関し、バイオセンサーは、コーティング内に共有結合または固定化される代謝酵素を含み、コーティングは、ヒドロゲルマトリックス含有組成物を含み、前記マトリックスは、以下のいずれか1つまたは組み合わせを含む:アルギン酸、トレハロース、少なくとも1つの電子メディエーター及び少なくとも1つの還元物質。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つのコーティングを含むコーティングされたバイオセンサーデバイスに関し、バイオセンサーは、コーティングに共有結合または固定化される代謝酵素を含み、コーティングは、ヒドロゲルマトリックス含有組成物を含み、前記マトリックスは、以下のいずれか1つまたは組み合わせを含む:約1000の分子量を有するポリ(エチレングリコール)ジメチルアクリレート(PEGDMA−1000)、2−ヒドロキシ−2メチルプロピオフェノン(HMPP)及び少なくとも1つのアクリレート(ここでは、アクリレートは、メタクリル酸(MAA)及びメチルメタクリレート(MMA)から成る群から選択され、PEGDMA:アクリレートの比は約10:90mol%〜約70:30mol%であり、前記HMPPは約0.2%〜約0.6%総重量の濃度である。
【0129】
いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1nM〜約999mMの濃度のトレハロースまたはその類似体を含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約10mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約9mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約8mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約7mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約6mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約5mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約4mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約3mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約2mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約1μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約10μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約100μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約200μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約300μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約400μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約500μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約600μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約700μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、硬化前のヒドロゲル溶液は、約800μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、(電極と接触するより前の)ヒドロゲル溶液は、約900μM〜約1mMの濃度のトレハロースを含む。
【0130】
酵素
任意の1種または複数の代謝酵素を、本開示で使用するために選択することができる。個々にまたは本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップと組み合わせて使用することができる代謝酵素としては、以下が挙げられる:フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ、ヒスチジンアンモニアリアーゼ、ヒスチジンオキシダーゼ、フェニルアラニンリアーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼの任意の細菌性クローン。いくつかの実施形態では、酵素は、以下に開示される酵素、または全長酵素もしくはそうした酵素をコードする核酸と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%相同であるそれらのそれぞれの機能的断片のいずれか1つまたは組み合わせから選択される。
【表3A】
配列番号2
【化7】
配列番号7
【化8】
配列番号8
【化9】
配列番号9
【化10】
配列番号10
【化11】
(配列番号1)
【0131】
固体支持体
多くの形態のアンモニアまたはアンモニウムイオン測定デバイスが存在し、1つの一般的タイプは、酵素ベースの検査ストリップを介して血液試料を受け取る携帯式測定器によって代表される。これらのシステムの使用においては、患者は、例えば、指または代わりの身体部位を刺して血液試料を得ることができ、ストリップは、計器ハウジングの検査ストリップ開口部に挿入され、試料が検査ストリップに加えられ、計器の電子機器が、検査ストリップにおける酵素反応によって生成される電流をアミノ酸の濃度値に変換する。
【0132】
本開示の固体支持体は固体状でもよいが、フレキシブル基板である。本開示によれば、互いに組み合わされたアレイまたは少なくとも1つの電極は、フレキシブル基板の近位に、例えばその上に配置される。フレキシブル基板としての機能を果たすために、材料はフレキシブルでなければならず、絶縁性でもなければならず、典型的には比較的薄い。基板は、IDAの成分またはセンサーのさらなる成分をその表面に接着できる必要がある。そうした薄い、絶縁性のフレキシブル基板は、フレキシブル回路及びフレックス回路フォトリソグラフィーの分野で既知である。本開示による「フレキシブル基板」は、集積回路(IC)フォトリソグラフィーで使用される非フレキシブル基板と対比され得る(フレキシブル回路フォトリソグラフィーで使用されるものはそうでない)。ICフォトリソグラフィーで使用される非フレキシブル基板の例としては、シリコン、酸化アルミニウム及び他のセラミックが挙げられる。これらの非フレキシブル基板は、非常に平坦な表面に処理できるように選択される。本開示で使用するための典型的なフレキシブル基板は、薄いプラスチック材料、例えばポリエステル、特に高温ポリエステル材料;ポリエチレンナフタレート(PEN);及びポリイミド、またはこれらの2つ以上の混合物から構築される。ポリイミドは、例えば、I.E.duPont de Nemours and Company of Wilmington,Del.(duPont)から商品名Kapton(登録商標)で市販されている。ポリエチレンナフタレートは、同様にduPontからKaladex(登録商標)として市販されている。特に好ましいフレキシブル基板は7ミル厚のKaladex(登録商標)フィルムである。
【0133】
本開示の互いに組み合わされたアレイは、電極を組み込むことが一般に既知の適用、特に、電極の互いに組み合わされたアレイを含むことが既知の適用で使用することができる。様々な適用が電子工学及び電気化学の分野で知られており、これには、プロセス及びフローモニタリングまたは制御並びに化学分析的方法に関する適用が含まれる。アレイは、フレキシブル基板の使用に価値、利点もしくは費用効率が加えられる場合、または非フレキシブル基板に従来配置されている互いに組み合わされたアレイの寸法よりも比較的大きな寸法の互いに組み合わされたアレイを有することの価値、利点または費用効率がある場合、電気化学センサーの構成要素として特に有用であり得る。
【0134】
本開示の互いに組み合わされたアレイは、例えば、電気化学的検出法で使用される電気化学センサー(「バイオセンサー」または単に「センサー」と称されることもある)に含まれ得る。電気化学的検出法は、電気学及び化学または電気化学の原理に基づいて、例えば、物質を介して流れる電流の大きさ、物質の抵抗、または既知の電流が与えられる物質の間の電圧を、物質内の化学種の存在に関連させる原理に基づいて操作する。これらの方法のいくつかは、どのようにそれらが実施されるか、例えば、電位差または電流が制御されるか測定されるかに応じて、ポテンシオメトリック、クロノアンペロメトリックまたはインピーダンスと称され得る。本開示のセンサーを含めた方法及びセンサーは、特定の化学化合物(例えば、分析物または電気的活性化合物)、例えば血液、血清、間質液または別の体液内の化合物の存在に直接的または間接的に起因して、物質を通じて流れる電流を測定して、例えば、アミノ酸、血液尿素、窒素、コレステロール、乳酸塩などのレベルを特定することができる。いくつかの電気化学的方法及び電気化学センサーの適合、及びそれらの構築、電子機器及び電気化学的操作の特徴は、例えば、米国特許第5,698,083号、第5,670,031号、第5,128,015号及び第4,999,582号に記載されており、これらのそれぞれは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0135】
いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれも、ある量の抗凝血薬を含む。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約10マイクロリットルの量で本明細書に開示した。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約20マイクロリットルの量で本明細書に開示した。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約30マイクロリットルの量で本明細書に開示した。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約40マイクロリットルの量で本明細書に開示した。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約50マイクロリットルの量で本明細書に開示した。いくつかの実施形態では、抗凝血薬の量は、約100マイクロリットルの量で本明細書に開示した。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、血液を含む試料を抗凝血薬、例えばヘパリン、アセノクマロール、フェンプロクモン、アトロメンチン、ブロジファクム、フェニンジオン、クマジンなどと混合するステップを含む。いくつかの実施形態では、バイオセンサー、カートリッジ、デバイスまたは検査ストリップは、バイオセンサー、カートリッジ、デバイスまたは検査ストリップの少なくとも1つの容器、マイクロ流体コンジットまたは混合部内で、1つまたは複数の量を振盪するように配置された、機械的な振盪機メカニズムを含む。
【0137】
方法
本開示は、高アンモニア血症または高アンモニア関連障害を有する対象の臨床転帰を診断するまたは予後予測する方法であって、本明細書に開示されるセンサー、システムまたは検査ストリップを体液試料と接触させること、及び試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルを定量すること;並びに試料中のアミノ酸のレベルを体液のアミノ酸レベルの正常レベルと考えられる閾値と比較することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、方法は、高アンモニア血症もしくは高アンモニア血症関連障害及び/または少なくとも1つのアミノ酸代謝異常症を有する疑いがある、または以前にこれらと診断された対象の臨床転帰を診断するまたは予後予測する方法に関する。
【0138】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの高アンモニア血症もしくは高アンモニア血症関連障害を有する疑いがある、または以前にこれらと診断された対象の臨床転帰を診断するまたは予後予測する方法に関する。各年齢タイプについてアンモニアまたはアンモニウムイオンのどのレベルが正常であると考えられるかという範囲は、以下の表4にある。本明細書で提供される定量ステップを行った後に、試料溶液中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの量が、提供される範囲を超えるまたは提供される範囲を下回る場合、食事レジメン、運動レジメン及び/または医学的治療が開始または変更され得、その結果、アンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルが、対象のレベルが健康な範囲と考えられる範囲内に安定するかその範囲に入るまで、モニターされる。
【表4】
【0139】
本開示は、体液中のアンモニアまたはアンモニウム関連障害の有無または量の検出方法に関する。本開示は、対象の体液中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度の定量方法にも関する。定量は、本明細書に開示されるインドフェノール試薬のいずれか1つまたは組み合わせを含む1つまたは複数の容器に対象由来の試料を曝露した後に回路内に検出可能な電流が発生することに起因する、迅速な酵素反応の読み出しのために、ポイントオブケアにおいて起こり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスまたはシステムを利用して、異常に高いまたは低い血中アンモニアレベルをヒトが有するかどうかを検出することができ、その後、次いで電子的メッセージまたは表示が、デバイスまたはシステムのユーザーに提供され得るか、対象の試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオンの1つまたは複数の濃度値を含む1つまたは複数の記憶メモリーに遠隔的にまたは直接的にアクセスする1つまたは複数のプロセッサーまたはマイクロチップによって、ディスプレイ上に作動され得る。いくつかの実施形態では、複数の濃度値を同時にまたは連続して得ることができ、本明細書に開示されるデバイスまたはシステムに作動可能に接続された1つまたは複数のプロセッサーによって、比較または分析することができる。いくつかの実施形態では、ある期間にわたる対象の複数の濃度値を、本明細書に開示されるデバイスまたはシステムに作動可能に接続された1つまたは複数のプロセッサーによって比較または分析することができ、その後、濃度値及び/または閾値を含むメッセージが表示される。いくつかの実施形態では、メッセージは、対象のアンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルを制御するために、対象が医学的治療を求めるまたは食事を変更する必要があることを示す信号を任意に含む。
【0140】
本開示は、以下を含む、肝機能障害を有する対象の診断方法にも関する:(a)本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップに対象由来の体液試料を接触させること;
(b)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を定量すること;
(c)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあると特定されたアンモニア濃度の閾値と比較すること;及び
(d)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値が閾値を超えるか下回る場合に、代謝疾患を有するとして対象を特定すること。いくつかの実施形態では、試料が血液または全血である場合、方法は、ステップ(a)の前に、またはステップ(a)と同時に、試料を抗凝血薬と接触させることを含む。
【0141】
本開示は、以下を含む、高アンモニア血症を有する対象の診断方法にも関する:(a)対象由来の体液試料を本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップに接触させること;
(b)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を定量すること;
(c)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を、健康な範囲にあると特定されたアンモニア濃度の閾値と比較すること;及び
(d)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値が閾値を超えるか下回る場合に、代謝疾患を有するとして対象を特定すること。いくつかの実施形態では、試料が血液または全血である場合、方法は、ステップ(a)の前に、またはステップ(a)と同時に、試料を抗凝血薬と接触させることを含む。
【0142】
本開示は、以下を含む、試料中のアミノ酸量の定量方法にも関する:(a)対象由来の体液試料を本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップに接触させること;
(b)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を定量すること;
(c)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値を、アミノ酸量と相関させて特定されたアンモニア濃度の閾値と比較すること;及び
(d)試料中のアンモニアの1つまたは複数の濃度値が閾値を超えるか下回る場合に、アミノ酸レベルを特定すること。図14の参照情報を使用して任意のアミノ酸を検出することができ、ここでは、本明細書に開示されるバイオセンサー、システムまたは検査ストリップは、本明細書に開示される酵素または本明細書に開示される任意の酵素に対して70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98もしくは99%の配列同一性を有する機能的断片を含む。例えば、表5に列挙されるアミノ酸の存在、非存在または量を検出するために、本明細書に開示される1種または複数の組換えまたは合成酵素またはそれらの機能的断片は、本明細書に開示される任意の配列(核酸またはコードされるアミノ酸のいずれか)に対して、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%の配列同一性を有することを、当業者なら知っているであろう。
【0143】
いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約52〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約54〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約56〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約58〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約60〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約62〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約64〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約66〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約68〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約68mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約66mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約64mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約62mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約60mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約58mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約56mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約54mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約50〜約52mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は約59mmol/リットルの濃度で使用される範囲で使用される。いくつかの実施形態では、フェノール試薬またはインドフェノール試薬は2−フェニルフェノールである。
【0144】
いくつかの実施形態では、触媒は約7マイクロモル/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、触媒はニトロプルシドナトリウムである。
【0145】
いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約50〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約120〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約140〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約160〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約180〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約200〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約220〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約240〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約260〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約280〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約300〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約320〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約340〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約360〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約380〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約400〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約420〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約440〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約460〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約480〜約500mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約480mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約460mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約440mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約420mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約400mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約380mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約360mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約340mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約320mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約300mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約280mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約260mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約240mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約220mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約200mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約180mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約160mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約140mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約50mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約100mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約200mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約300mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約400mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は約500mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、塩基性緩衝剤は水酸化ナトリウムである。
【0146】
いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約52〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約54〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約56〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約58〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約58〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約60〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約62〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約64〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約66〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約68〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約70〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約72〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約74〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約76〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約78〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約80〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約82〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約82〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約84〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約86〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約90〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約92〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約94〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約96〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約98〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約100〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約102〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約104〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約106〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約108〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約110〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約112〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約114〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約116〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約118〜約120mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約118mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約116mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約114mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約112mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約110mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約108mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約106mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約104mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約102mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約100mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約98mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約96mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約94mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約92mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約90mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約88mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約86mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約84mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約82mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約80mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約78mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約76mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約74mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約72mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約70mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約68mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約66mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約64mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約62mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約60mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約58mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約56mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約54mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約50〜約52mmol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は約100mmol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、次亜ハロゲン酸塩は次亜塩素酸塩ナトリウムである。
【0147】
いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約1.0mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.6〜約1.0mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.7〜約1.0mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.8〜約1.0mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.9〜約1.0mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.9mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.8mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.7mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約1.0mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約1.0mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約1.0mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約1.0mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約1.0mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5〜約0.6mol/リットルの範囲で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.5mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は以下の1つまたは組み合わせである:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛または任意の等価の一、二もしくは三価のそれらの塩。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は酢酸ナトリウム/カルシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.6mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.7mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.8mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.9mol/リットルの濃度で使用される。いくつかの実施形態では、アルカリ緩衝剤は約0.75mol/リットルの濃度で使用される。
【0148】
本開示は、以下を含む、対象の肝機能障害または高アンモニア血症の診断方法に関する:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)アンモニアの存在、非存在または量を検出すること;
(c)アンモニアの量を試料中のアミノ酸のレベルと相関させること;
(d)試料のアンモニアレベルが約100マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること。
【0149】
本開示は、以下を含む、対象の肝機能障害または高アンモニア血症の診断方法に関する:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)アンモニアの存在、非存在または量を検出すること;
(c)アンモニアの量を試料中のアミノ酸のレベルと相関させること;
(d)試料のアンモニアレベルが約90マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること。
【0150】
本開示は、以下を含む、対象の肝機能障害または高アンモニア血症の診断方法に関する:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)アンモニアの存在、非存在または量を検出すること;
(c)アンモニアの量を試料中のアミノ酸のレベルと相関させること;
(d)試料のアンモニアレベルが約80マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること。
【0151】
本開示は、以下を含む、対象の肝機能障害または高アンモニア血症の診断方法に関する:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)アンモニアの存在、非存在または量を検出すること;
(c)アンモニアの量を試料中のアミノ酸のレベルと相関させること;
(d)試料のアンモニアレベルが約70マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること。
【0152】
以下を含む、肝機能障害または高アンモニア血症を有する対象を治療する方法:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)試料のアンモニアレベルが約70マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断;並びに
(c)ステロイド、アルギニンサプリメント、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル及び/またはグルコース溶液を投与することによって対象を治療すること。
【0153】
以下を含む、肝機能障害または高アンモニア血症を有する対象を治療する方法:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)試料のアンモニアレベルが約80マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること;並びに
(c)ステロイド、アルギニンサプリメント、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル及び/またはグルコース溶液を投与することによって対象を治療すること。
【0154】
以下を含む、肝機能障害または高アンモニア血症を有する対象を治療する方法:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)試料のアンモニアレベルが約90マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること;並びに
(c)ステロイド、アルギニンサプリメント、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル及び/またはグルコース溶液を投与することによって対象を治療すること。
【0155】
以下を含む、肝機能障害または高アンモニア血症を有する対象を治療する方法:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)試料のアンモニアレベルが約100マイクロモル/リットルを超えると定量される場合、肝機能障害または高アンモニア血症を有するとして対象を診断すること;並びに
(c)ステロイド、アルギニンサプリメント、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル及び/またはグルコース溶液を投与することによって対象を治療すること。
【0156】
上記方法のいずれも、方法は、全血、水または微小環境から得られた試料、例えば、微小環境から得られたスワブから再構成された検査溶液中のアンモニアまたはアンモニウムイオンのレベルを検出することを含む。
【0157】
本開示は、以下を含む、対象の代謝障害の診断方法に関する:
(a)本明細書に開示されるシステム、カートリッジ、検査ストリップ、バイオセンサーまたはデバイスに対象の試料を接触させること;
(b)アンモニアの存在、非存在または量を検出すること;
(c)アンモニアの量を試料中のアミノ酸のレベルと相関させること;
(d)アミノ酸レベルが表1に示されるレベルを超えると定量される場合、代謝障害を有するとして対象を診断すること。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の方法は、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の検査を同時にまたは連続して行うことによる、試料中のアンモニアの存在、非存在または量を検出する複数のステップを用いることを含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、アンモニアの存在、非存在または量を検出するステップは、インドフェノール反応生成物によって放射または吸収される波長を検出することを含む。上記方法のいずれも、アンモニアの存在、非存在または量を検出するステップは、インドフェノール反応生成物によって放射または吸収される波長を、1つまたは複数の容器中の可視光を調べることによって検出することを含む。いくつかの実施形態では、アンモニアの存在、非存在または量を検出するステップは、インドフェノール反応生成物によって吸収される、約500nm〜約700nmの波長を検出することを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、上記方法のいずれか、アンモニアの存在、非存在または量を検出するステップは、インドフェノール反応生成物によって放射または吸収される波長を検出することを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、上記方法のいずれも、液体を気体に変換するステップまたはガスクロマトグラフィーを含むいかなるステップも含まない。
【0162】
いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約10マイクロリットル〜約150マイクロリットルの量で本明細書に開示されるいずれかの試薬の量を混合することを含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約10マイクロリットル〜約100マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を混合することを含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約10マイクロリットル〜約150マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約10マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約20マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約30マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約40マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。いくつかの実施形態では、上記のバイオセンサーカートリッジ、デバイスまたは方法のいずれかは、約50マイクロリットルの量で本明細書に開示される試薬のうちのいずれかの量を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、本開示は、試料中のアンモニアまたはアンモニウムイオン及び/またはアミノ酸濃度の、コンピューターにより実施される定量方法に関する。
【0164】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象の試料中のアミノ酸濃度の、コンピューターにより実施される定量方法を実行するプロセッサーを含むシステムに関する。いくつかの実施形態では、システムは、任意に遠隔地に位置し且つインターネット接続によってアクセス可能であり、経時的に対象の濃度値を記憶するコンピューター記憶メモリーに作動可能に接続されたプロセッサーを含む。いくつかの実施形態では、対象または対象の健康管理提供者は、インターネットにアクセスして、コンピューター記憶メモリーに連結したサーバーと通信することができる。対象のデータレポートは、プロセッサーを介してリトリーブコマンドを開始した後に、対象によって生成され、得られ得る。いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に開示されるバイオセンサーによって生成される電流信号を試料中の特定のアミノ酸及び/またはアンモニアの濃度に変換する関数を実行するコンピュータープログラム製品を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つのプロセッサー及びコンピューター可読メモリーを含むシステムであって、前記コンピューター可読メモリーが、体液試料中のアミノ酸濃度を定量するためのプログラムコードをそこに保存しているシステムに関し、これは、対象に関連するデータを記憶するための手段;バイオセンサーまたはそのコンピューター記憶メモリーからの電流応答のレベルを受け取り、ユーザーインターフェイスの一部としてユーザーに濃度値を提供することに対応する手段を含む。いくつかの実施形態では、ユーザーは対象または対象の健康管理提供者である。いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つのプロセッサー、プロセッサーで実行可能なプログラムコードを記憶するための、メモリーなどのプログラム記憶、並びにデータ通信及び/または周辺デバイス及び/またはインターフェイスなどの1つまたは複数の入力/出力デバイス及び/またはインターフェイスを含むシステムに関する。いくつかの実施形態では、ユーザーデバイス及びコンピューターシステムまたはシステムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのデータ通信ネットワーク(これは、いくつかの他のクライアント及び/またはサーバーコンピューターシステムにも接続され得る)によって、通信可能に接続される。ユーザーデバイス並びにクライアント及び/またはサーバーコンピューターシステムは、適切なオペレーティングシステムソフトウエアをさらに含むことができる。
【0165】
本開示は、一般に、対象の挙動の変容を特徴づける濃度値の定義付け及び/またはその濃度値の使用に関する。いくつかの実施形態では、体液試料中のアミノ酸の濃度に対応する濃度値は、対象が食事を変更するまたは医学的治療を求めるように助言される程度を特徴づける。
【0166】
いくつかの実施形態では、本開示は、診断アッセイで使用するためのバイオセンサーまたは検査ストリップを提供する。いくつかの実施形態では、バイオセンサー及び/または検査ストリップは、診断または検出キットの一部として提供される。ある種の実施形態では、本開示に従って使用するためのキットは、1つまたは複数の参照試料;(例えば、試料を処理すること、検査を行うこと、結果を解釈することなどについての)指示;媒体;及び/または検査を行うのに必要な他の試薬を含むことができる。
【0167】
本開示は、固体支持体、少なくとも1つのコンジットと流体連通している少なくとも第1の容器を含む検査ストリップであって、本明細書に開示されるヒドロゲルを含む検査ストリップを提供する。いくつかの実施形態では、固体支持体は、任意にポリマーでコーティングされたスライドである。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ポリマーでコーティングされている。いくつかの実施形態では、ポリマーはポリアクリルアミドである。いくつかの実施形態では、固体支持体は、以下から選択される材料である:ポリステレン(TCPS)、ガラス、石英、石英ガラス、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリエチレン、ポリビニルジフルオリド(PVDF)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフェノール及びコポリマー並びにそれらの混合物。いくつかの実施形態では、検査ストリップは紙製品である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極が固体支持体に付着している。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、本開示は、コンピューター可読記憶媒体にコードされ、実行時に、アミノ酸の濃度値の計算に関する演算をもたらす命令(例えばプログラムされたスクリプトなど)を任意に含む、ソフトウェア構成要素または他の非一時的コンピュータープログラム製品を提供する。いくつかの実施形態では、コンピュータープログラム製品はコンピューター可読記憶媒体にコードされ、これは、実行時に:1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を定量する;1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値をデータの対照セットに対して正規化する;対象のアミノ酸プロファイルまたはシグネチャーを作出する;及びプロファイルまたはシグネチャーをコンピュータープログラム製品のユーザーに表示する。いくつかの実施形態では、コンピュータープログラム製品はコンピューター可読記憶媒体にコードされ、これは、実行時に:1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を計算し、1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を正規化し、アミノ酸シグネチャーを作出し、ここでは、コンピュータープログラム製品は、任意に、アミノ酸シグネチャー及び/または1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を、ユーザーによって操作されるディスプレイに表示する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を定量する;及び1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値をコンピュータープログラム製品のユーザーに表示するための命令を含む、コンピューター可読記憶媒体にコードされる非一時的コンピュータープログラム製品に関する。
【0169】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を計算するステップは、1種または複数の体液試料にデバイスまたは検査ストリップを接触させるという反復試験に対するカウントの平均及び標準偏差を定量することを含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のヒドロゲルコーティング化電極は、固相支持体に付着している。いくつかの実施形態では、固相支持体は、任意の固体または半固体の表面を含む。いくつかの実施形態では、固相は、ペトリ皿、ビーカー、フラスコ、試験管、マイクロタイタプレート及び/または培養スライドを含めた、培養で細胞を増殖させるまたは維持する任意の従来の実験材料を含む。いくつかの実施形態では、固相は、ガラススライド、プラスチックスライド、紙製検査ストリップまたはそれらの組み合わせを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のヒドロゲルコーティング化電極は、固相支持体の別々のアドレス指定可能部位に付着している。いくつかの実施形態では、固相は、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニル化合物(例えばポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ニトロセルロース、綿、ポリグリコール酸(PGA)、セルロース、デキストラン、ゼラチン、ガラス、フッ素ポリマー、フッ素化エチレンプロピレン、ポリビニリデン、ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン、シリコン基板(例えば、融解シリカ、ポリシリコンもしくはシリコン単結晶)またはそれらの組み合わせを含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、本開示は、1つまたは複数の本明細書に記載の方法からの検査結果を含む、対象に関する医療記録のカタログに関する。いくつかの実施形態では、そうしたカタログは、無線インターネット接続を介して遠隔的にアクセス可能であるコンピューター可読媒体に記憶される。
【0173】
上記のように、本開示のある種の実施形態は、高アンモニア血症を有するまたは有する疑いがある対象から得られる体液試料と代謝疾患を有さない対象から得られる体液試料とを区別するのに使用することができる。このシステムは、例えば、対象の全血試料を検査して疾患が存在するかどうかを決定する場合に、有用である可能性がある。1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を使用する患者の診断は、例えば、対象由来の試料の1つまたは複数のアンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度値を対象の測定された参照値または閾値と比較することを含むであろう。
【0174】
キット
いくつかの実施形態では、本開示によるキットは、アミノ酸濃度を定量するのに使用することができ、体液試料である。
【0175】
本開示は、1種または複数の本明細書に開示されるポリペプチドまたは断片を含有する1種または複数の容器を含むキットをさらに提供する。いくつかの実施形態では、キットは、検査ストリップ及び/もしくは検査ストリップを含むバイオセンサー、または細胞の培養もしくは増殖を増強する任意の動物ベースの血清誘導体を含む。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示されるバイオセンサー、本明細書に開示される任意の検査ストリップ、及び本明細書に開示される任意の方法のいずれか1つまたは複数のステップを実行するための指示を任意に含む、本明細書に開示されるコンピュータープログラム製品を含む。いくつかの実施形態では、キットは、細胞培地を含まない。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示される膜を含む、及び/または本明細書に開示される少なくとも1つの電極が包埋された固体支持体を含み、任意に、次亜ハロゲン酸塩、塩基性水溶液及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物のいずれか1つもしくは組み合わせを、1つもしくは複数の容器中に含む。いくつかの実施形態では、キットは、ヒドロゲルを固体支持体に固定するための機構を含む。
【0176】
キットは、2つ以上の容器、パックまたはディスペンサーを、アレイの調製に関する指示とともに含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載のバイオセンサーまたはシステムを含む少なくとも1つの容器、並びにバイオセンサーの維持、使用及び/または貯蔵のための溶液、例えば貯蔵緩衝剤を含む第2の容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、溶液状態の、または凍結乾燥もしくは乾燥され、再水和混合物を伴う、本明細書に開示される任意の分子を含有する組成物を含む。いくつかの実施形態では、分子及び再水和混合物は、1つまたは複数のさらなる容器中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、キットは、いずれか1つまたは組み合わせを含有する組成物を含む。
【0177】
キットに含まれる組成物は、様々な成分の保存性が保たれ、且つ容器の材料によって吸着または変質させられないような任意の種類の容器に入って供給され得る。例えば、適切な容器としては、ガラス、有機ポリマー、例えばポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セラミック、金属、または試薬もしくは食物を保持するのに一般に用いられる任意の他の材料から作られ得る単純なボトル;アルミニウムまたは合金などのホイル裏打ちされた内側から成り得る薬袋が挙げられる。他の容器としては、試験管、バイアル、フラスコ及び注射器が挙げられる。容器は、取り除いた際に組成物の成分が混合可能になる、容易に取り外し可能な膜で分離された2つのコンパートメントを有し得る。取り外し可能な膜は、ガラス、プラスチック、ゴムまたは他の不活性な材料でもよい。
【0178】
キットは、本明細書に記載のバイオセンサー並びに/または次亜ハロゲン酸塩、塩基性水溶液及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物を含む検査ストリップを含むことができる。キットは、本明細書に開示される任意の膜を含む検査ストリップなどの固体支持体を含むこともできる。
【0179】
キットは、指示資料とともに供給することもできる。指示は紙または他の基材に印刷されてもよく、及び/または電子的可読媒体、例えばフロッピーディスク(登録商標)、CD−ROM、DVD−ROM、ジップディスク、ビデオテープ、オーディオテープもしくは他の可読メモリー記憶デバイスとして供給されてもよい。詳細な指示は、キットに物理的に付随していなくてもよく;代わりに、キットの製造業者または販売業者によって指定されるインターネットウェブサイトにユーザーを誘導してもよく、または電子メールとして供給されてもよい。
【0180】
本開示は、固体支持体及び複数の電極(ここでは、少なくとも1つの電極は本明細書に開示されるヒドロゲルを含む)を含むバイオセンサーを含むキットも提供する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、固定化された代謝酵素またはそれらの機能的断片を含み;及び任意にヒオハライト、水性塩基性緩衝剤(液体または固相)及びフェニル基を含む少なくとも1つの化合物を含む少なくとも1つの容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、以下の少なくとも1つをさらに含む:試料及び任意に、電子媒体を介して遠隔的にアクセス可能である指示のセット。
【0181】
図1〜7を広く参照すると、ポイントオブケア高アンモニア血症センサーのためのシステム、方法及び装置を説明することができる。図によって説明される例示的実施形態では、アンモニアレベル、アミノ酸レベル、または他の化合物レベルについて、インドフェノール反応を利用するためのある種の試薬と共同で、試料を検査することができる。この反応の色の変化を測定することができ、広範な色合わせシートとの手動比較または較正曲線を使用する自動の電子分析によって、特定の化合物及び分子のある種の濃度に対応させることができる。
【0182】
図1は、様々な試料のアンモニアレベルを検出する能力を示すシステムの例示的一実施形態を示す。ウェル100は、プラスチック、木材、金属、複合材またはそれらの組み合わせから作製することができる。さらに、ウェル100は、合成化合物またはポリマー、例えばシリコーンから成り得る。ウェル100は、2つ以上の区分にさらに分けることができ、ウェルl00の中央に、またはその近くに挿入された膜フィルター105によって分離することができる。膜フィルター105は、正に荷電した及び中性の小分子のみ、区分の間を通過させるために、補遺の図Aに示すNafionなどの陽イオン交換フィルターまたは同様の過フッ素化イオノマーから作製することができる。したがって、膜フィルター105は、電荷、サイズまたは同様の特性に基づいて、様々な分子または生物成分の通過を可能にするように選択され得る。したがって、例えばアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(2−ヒドロキシルエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)または他の同様の高分子ヒドロゲル等の他の膜フィルターが、所望の機能性のために使用され得る。高アンモニア血症センサーの膜フィルター105の選択は、アンモニアなどの分子を通過させる膜の能力及びタンパク質、アミノ酸及び他の分子または化合物の通過を制限する膜の能力に依存し得る。
【0183】
さらに図1を参照すると、試薬区分101は、フェノール、2−フェニルフェノール、サリチル酸ナトリウム、他のフェノール試薬もしくはポリマーまたはそれらの組み合わせなどの試薬を含むことができる。さらに、試薬区分101は、ブリーチ、次亜塩素酸塩、クロラミンT、同様の陰イオンまたはそれらの組み合わせ、ニトロプルシドなどの触媒、及びアルカリ条件を維持するための水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基性緩衝剤を含むこともできる。試料区分102は、検査が望まれる血清、血液、血漿または他の液体を含むことができる。膜フィルター105は、区分102から区分101へのアンモニアの通過のみを可能にし得る。図3に記載されている化学反応は、アンモニアまたは同様の分子が区分101中に受容された際に起こり得、区分103で示すように、試薬を青色に変える。区分104は、反応が生じた後の検査試料を説明し得る。色シートが、特定のアンモニウム濃度を表す色の間の定性的比較に利用でき得る。
【0184】
Nafionなどの陽イオン交換膜をこの適用で使用可能にするために、ある種の洗浄の手順及び方法が開示され得る。過酸化水素水溶液中で膜を洗浄することができ、これは沸騰温度でもよい。さらに、脱イオン水、エチレンジアミン四酢酸または他のキレート剤、硫酸及び他の同様の水性材料中で膜を洗浄することができる。さらに洗浄を確実にするために、膜を極端な温度及び圧力に曝露することができる。
【0185】
図2は、複数のウェルが取り付けられたデバイスの例示的実施形態を示す。ウェル200は、取付けプレート203中のへこみでもよいし、溝でもよい。取付けプレート203は、プラスチック、木材、金属、複合材またはそれらの組み合わせから成り得る。さらに、取付けプレート203は、合成化合物またはポリマー、例えばシリコーンから成り得る。示されるように、取付けプレート203は3つのウェル200を有しているが、取付けプレート203が、所望により、実質的により多くのまたはより少ないウェルを有することができることを当業者なら認識できる。膜フィルター205は、Nafionまたは同様の膜から作製することができ、任意の角度で、例えば図2で示すような垂直設置、水平設置または所望通りの様々な角度で配置することができる。試薬区分201は、フェノール、2−フェニルフェノール、他のフェノール試薬またはそれらの組み合わせ;ブリーチ、次亜塩素酸塩、クロラミンT、同様の陰イオンまたはそれらの組み合わせ;アルカリ条件を維持するための水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは同様の塩基性緩衝剤;及びニトロプルシドなどの1種または複数の触媒で充填することができる。試料区分202は、検査が望まれる血清、血液、血漿、または同様の材料で充填することができる。さらなる正確性のために複数回試料を試験する目的で、または複数の異なる膜フィルターまたは試薬で試料を試験する目的で、様々なウェル200を相互接続して、それぞれの区分の間の流体流動を促進することができる。一般に、試料区分202が十分なレベルのアンモニアを含む場合は、アンモニアは、膜フィルター205を介して試薬区分202中に拡散することができ、これによって、図3に記載されている反応が起こることが可能になり得る。
【0186】
図3は、インドフェノール反応またはベルテロー反応として知られることもある、ポイントオブケア高アンモニア血症センサーで起こり得る例示的反応を示す。反応300、330及び360は、図1〜2に記載されているように、アンモニアが膜フィルターを介してウェルの1つの区分から別の区分へ拡散する際に、起こり得る。陰イオン302は、示される次亜塩素酸塩、ブリーチ、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸塩ナトリウムまたは他の同様の陰イオンであり得る。次いで、陰イオン302は、アンモニア301と反応し得、クロラミン303または同様のアンモニア誘導体を生成し得る。次いで、クロラミン303は、フェノール331などのさらなる試薬と反応し得る。フェノール−クロラミン中間体333は、さらに、さらなるフェノール331分子と反応し得、これによって、色が目に見えて青に見える可能性のあるインドフェノール363が生成される。フェノール331は、さらなる有効性のために2−フェニルフェノールと、サリチル酸ナトリウムなどの他のフェノール試薬と、フェノールポリマーと、またはそれらの組み合わせと置き換えることもできる。ウェルまたはへこみの試薬区分における色の変化は、試料区分中のアンモニアの存在を示し得る。
【0187】
図4は、マイクロ流体から成る検査デバイスのさらなる例示的実施形態を示す。マイクロ流体400は、高アンモニア血症、様々なアミノ酸代謝異常症及び他の同様の適用に関する継続的な、迅速な、信頼できる検査を提供するための、血糖測定器と同様の様式で自宅使用に適し得る。デバイス401は、プラスチック、木材、金属、複合材もしくはそれらの組み合わせ、または合成ポリマーもしくは化合物、例えばシリコーンから製造することができる。ユーザーは、ランセットを使用して、指先または身体の他の場所から少量の血液を出すこと、及び少量の血液、血清、血漿または同様の成分をコンジットチャネル402の開口部に加えることができる。試料は、毛細管作用によって、コンジットチャネル402を介して輸送され、試料区分403に到達し得る。試料区分403は、Nafionなどの陽イオン交換膜405によって試薬区分404から分離され得、これによって、アンモニアが膜405を介して試薬区分404中に拡散することが可能になる。血液試料を加えるより前に、乾燥または液体のブリーチ、次亜塩素酸塩、クロラミンT、または同様の陰イオンのいずれかを含む圧搾可能なリザーバー406を手動でまたは電子的に刺激することができ、これによって、挿入された試薬区分404中へのブリーチの流動が可能になる。正確且つ適時の化学反応を確実にするために、ブリーチは、試薬区分404の試薬から分離していてもよい。試薬区分404は、図1〜3に開示されている液体または乾燥した試薬成分、例えばフェノール、2−フェニルフェノール、他のフェノール試薬またはそれらの組み合わせ;アルカリ条件を維持するための水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは同様の塩基性緩衝剤を含むことができ;ニトロプルシドなどの1種または複数の触媒を含むこともできる。試料中に、あるレベルのアンモニウムが存在すると、試薬区分404は青色に変化し得、これを別個のまたは含まれた色概略図と比較して、ユーザーが特定することができる。
【0188】
さらに図4を参照すると、マイクロ流体400は複数回使用され得るか、または単回使用デバイスであるように製造され得る。さらに、試料中のアミノ酸レベルを決定するのに使用される設計及び化学物質の範囲に対して、変更を行うことができる。当業者なら、あるデバイスまたは同様のデバイスが、様々な生物学的または非生物学的試料、例えば、唾液、尿、廃水、またはおそらく実験室または医療環境で使用される様々な化学物質に適合する能力も認識し得る。
【0189】
適用可能な試料におけるアンモニアの存在またはレベルを決定する定性的方法に加えて、定量的な装置、システム及び方法が開示され得る。
【0190】
図5は、試料中のアンモニアの量を正確且つ定量的に特定するために行われ得、図6〜7に開示さる例示的装置及びシステムと密接に関連する事象の順序の例示的フローチャートを示す。さらに、この様式または同様の様式での定量分析が図1〜4に開示される装置またはシステムのうちのいずれかに加えられることを、当業者なら認識することができる。
【0191】
したがって、図5は、定量的ポイントオブケア高アンモニア血センサーに関するステップの例示的フローチャートを示す。これらのステップは、同様の結果を受け取る限り、時系列的に互換的であり得ること、大きく変更または除去され得ることが認識され得る。ブロック501は、血糖測定器の検査ストリップのサイズ設定と類似している、任意のサイズの検査ストリップを指し得る。挿入メカニズムブロック501検査ストリップは、手動でも良いし、自動でもよい。デバイスの挿入に際して、ブロック502は、プログラム制御可で行われ得る一連の事象の開始をさらに開示し得る。ブリーチリザーバーは、デバイス内の試薬区分に手動でまたは自動的に開かれ得る。試薬区分、試料区分または両方は、インドフェノール反応に必要な試薬またはアミノ酸代謝異常症もしくは同様の疾患及び状態を診断するのに使用される試薬を含むことができる。ブロック503は、ランセット排出を介する血液試料の適用をさらに開示し得る。血液試料は他の生物学的試料に代えてもよく、次いでこれは、コンジットチャネルを介して、Nafionなどの陽イオン交換膜によって試薬区分の近くに分離された試料区分に輸送され得る。ブロック503は、タイミングデバイスとして働くことができるプログラム制御下のマイクロチップをさらに起動し、これによって、様々なステップの間の一定のタイミングが可能になる。このマイクロチップは、所望の時間幅にわたって休止のままであるように、フォトダイオードまたはフォトレジスターに指示することができ、これによって、ある種の反応が起こるのに十分な期間が可能になる。
【0192】
さらに図5を参照すると、ブロック504は、任意の反応を惹起するための、試料区分から試薬区分へのアンモニアまたは同様の化合物の拡散をさらに開示し得る。決められた期間の後、試薬区分は、アンモニアの存在下で青になり得る。呈色の程度は、試料区分中のアンモニアの量に依存し得、これによって、正確な定量分析が可能になる。ブロック505は、呈色の程度を測定するための、試薬区分近くのフォトダイオードまたはフォトレジスターの起動をさらに開示し得る。フォトダイオードまたはフォトレジスターは、呈色に基づいてシステムの電流を変えることができ、これによって、ブロック506は、フォトダイオードまたはフォトレジスターの信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換するステップを開示し得る。ブロック507は、プログラム制御下のマイクロチップへのデジタル信号の受信をさらに開示し得る。ブロック508でさらに開示されるように、受信の際に、正確なアンモニア濃度値と信号を相関させるために、ブロック507のマイクロチップは所定の較正曲線を利用することができる。ブロック509は、マイクロチップからディスプレイデバイスへのデータの伝達をさらに開示し得、ディスプレイデバイスは、ユーザーのアクセスのしやすさを目的に、物理的または無線的にマイクロチップへ接続され得る。この方法は、さらなるプログラム制御下において、より少ないまたは著しく多いマイクロチップ及びコントローラーの使用を含むことができる。さらなるマイクロチップは、様々な検査、ディスプレイメカニズム、データ解析及び視覚美と聴覚美の両方に有用であり得る。マイクロチップは、例示的デバイスと自宅のコンピューター、携帯電話、TVまたは他の一般のディスプレイ及び通信デバイスとの間の通信を促進することもできる。
【0193】
図6は、さらに図7に開示される電子デバイスとともに使用するための血液検査ストリップの例示的実施形態を示す。検査ストリップは、大型でも小型の性質のものでもよく、研究室環境使用または個人の自宅使用のいずれかで使用するためのものであり得る。コンジットチャネル601は、検査される試料の受容箇所であり得る。ランセットによって出された血液の小滴をコンジットチャネル601の遠位端に設置することができ、ここで、毛細管作用によって試料が試料区分602に輸送され得る。試料区分602は、Nafionなどの陽イオン交換膜604を有する表面積を増大させるために、U形でもよい。膜604の反対側では、試薬区分603を、インドフェノールまたはベルテロー反応とともに一般に使用される試薬で充填することができる。ある種の試薬の反応性を確実にするために、ブリーチまたは同様の陰イオンを、検査ストリップ上または電子デバイス内のいずれかの分離されたリザーバー中に置くことができる。
【0194】
図7は、プログラム制御下で検査デバイス及び定量分析を提示するためのディスプレイデバイスの例示的実施形態を示す。図6に開示されるストリップなどの血液検査ストリップ701を検査デバイス700上に位置するポートまたは開口部に挿入することができ、血液の小滴702を血液検査ストリップ701上の遠位に位置するコンジット上に投入することができる。挿入の際に、注入メカニズム770は、自動または手動のいずれかで、ブリーチまたは同様の陰イオンを試薬区分703に加える。ブリーチ、クロラミンTまたは同様の乾燥もしくは液体の陰イオンがリザーバー775に貯蔵され得、所望通りに詰め替え可能であり得る。フォトダイオードまたはフォトレジスター771は、マイクロチップ773内の充填センサーが、フォトダイオードまたはフォトレジスターに、試薬区分703の呈色に対応する信号を発生するように指示するまで、所定の期間にわたって休止のままでもよい。次いで、フォトダイオードまたはフォトレジスター771は、計測増幅器の手段の有無にかかわらず、システムの電流または電圧を変えることができ、アナログ−デジタル変換器772へ送られる信号を発することができる。デジタル信号へ変換する際に、これは、分析及びさらなるプログラム制御のために、マイクロチップ773に送られてもよい。マイクロチップ773は信号をコンピューター処理することができ、予めプログラムされた較正曲線によって、試料区分702内のアンモニウムまたは特定のアミノ酸の濃度に一致させることができる。次いでマイクロチップ773は、ユーザーが読めるように、データ及び情報をディスプレイデバイス774に送ることができる。ディスプレイデバイス774は、検査デバイス700に完全に挿入されてもよいし、物理的にまたは無線的に検査デバイス700に接続されてもよい。さらに、検査デバイス700の代替実施形態は、複数のマイクロチップを、さらなるプログラム制御のために組み込むことができ、外部ディスプレイデバイス、例えばコンピューター、携帯電話、TV、LCDスクリーン、プリンターまたは同様のディスプレイ及び通信デバイスに無線的にまたは物理的に接続することができる。検査デバイス700は、ユーザーの医師または医療施設に情報移行しやすくするために、病院または実験室のデバイスと通信することもできる。
【0195】
図8は、Nafionの化学組成を示す。他の同様の陽イオン交換膜または過フッ素化イオノマー膜も互換的に使用することができる。
【0196】
前述の説明及び添付の図は、本発明の原理、好ましい実施形態及び動作モードを例示する。しかし、本発明は、上述の特定の実施形態または適用に限定されると解釈されるべきではない。上述の実施形態のさらなる変形、修正及び適用が当業者に認識される。さらなる変形及び修正としては、様々な異なるアミノ酸、例えばフェニルアラニン、ヒスチジン、チロシン、グルタメート、スレオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、アスパルテート、バリン、グリシン、アラニン、トリプトファン、プロリン、リジン、アルギニンなどの検出を挙げることができるが、これらに限定されない。これらのアミノ酸の検出は、デヒドロゲナーゼ酵素または他のアンモニアリアーゼ酵素を、血液、血清または血漿とともにウェルの試料区分に入れることを含み得る。アミノ酸の存在の検出についてのあり得る適用は、フェニルケトン尿症または他のアミノ酸代謝異常症またはアミノ酸血症を診断することである。
【0197】
本明細書に開示されるありとあらゆる雑誌論文、特許出願、登録特許または他の引用参考文献は、参照によりそれら各々の全体が組み込まれる。
【0198】
PCT出願第PCT/US2013/065548号
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22.E.D.Rhine,G.K.Sims,R.L.Mulvaney,E.J.Pratt,Improving the Berthelot Reaction for Determining Ammonium in Soil Extracts and Water,Soil Sci.Soc.Am.J.62(1998).
23.T.T.Ngo,A.P.H.Phan,C.F.Yam,H.M.Lenhoff,Interference in Determination of Ammonia with the Hypoehlorite−Alkali Phenol Method of Berthelot,,46−49(1981).
【0199】
前述の説明及び添付の図面は、本開示の原理、好ましい実施形態及び動作様式を例示する。しかし、本開示は、上述の特定の実施形態または適用に限定されると解釈されるべきではない。上述の実施形態のさらなる変形、修正及び適用が当業者に認識される。さらなる変形及び修正としては、様々な異なるアミノ酸、例えばフェニルアラニン、ヒスチジン、チロシン、グルタメート、スレオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、アスパルテート、バリン、グリシン、アラニン、トリプトファン、プロリン、リジン、アルギニンなどの検出を挙げることができるが、これらに限定されない。これらのアミノ酸の検出は、デヒドロゲナーゼ酵素または他のアンモニアリアーゼ酵素を、血液、血清または血漿とともにウェルの試料区分に入れることを含み得る。アンモニアまたはアンモニウムイオンの存在の検出についてのあり得る適用は、フェニルケトン尿症または他のアミノ酸代謝異常症を診断することである。
【0200】
したがって、上記の実施形態は、限定的ではなく例示としてみなされるべきである。したがって、以下の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を逸脱することなく、それらの実施形態に対する変形が当業者によって行われ得ることを認識されたい。
【実施例】
【0201】
実施例1
本研究は、以前に知られている技術の体系的な調査が、どのようにして有効な血中アンモニアセンサーの製作をもたらしたかを示す。インドフェノール反応を、高分子電解質膜と合わせて、全血中のアンモニア濃度を定量する手段として探求した。
【0202】
1倍リン酸緩衝食塩水(PBS)中の0〜750μMの塩化アンモニウム濃度範囲を使用して、アンモニア−インドフェノール検量線を作成した。以下の濃度をインドフェノール反応で利用した:59mMの2−フェニルフェノールのエタノール溶液、7μMのニトロプルシドナトリウム水溶液、500mM水酸化ナトリウム水溶液及び0.2〜0.25%の次亜塩素酸塩水。これらの濃度を1:1:1:0.5の比率で等量の目的のアンモニウム溶液と混合し、室温で10分間反応させた。得られた溶液の吸光度を635nmの波長で測定した。
【0203】
実施例2
安定性試験
インドフェノール反応で利用した試薬を長期安定性について調査した。次亜塩素酸塩水溶液、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム及び2−フェニルフェノールのエタノール溶液を、遮光して、別々の50mLファルコンチューブ中に貯蔵した。3、5、7、15、21、28、35、50、75及び100日の間隔で、次亜塩素酸塩、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム及び2−フェニルフェノールを利用して、0〜750μMに及ぶアンモニア濃度を使用して検量線を作成した。最初の検量線からの有意な逸脱によって、貯蔵試薬の分解が示された。各検査間隔において、新しいアンモニア試料を利用したことに留意されたい。
【0204】
アミノ酸への応答
一級アミンもインドフェノール反応を受けることができる。血中の総アミノ酸濃度は2.5mMの高さほどであり得るので、2−フェニルフェノールの選択性をインドフェノール反応において決定した。21種のアミノ酸のそれぞれの1mM溶液を1倍PBS中に調製した。アンモニア検量線のための、インドフェノール試薬で利用した同じプロトコールを、各アミノ酸溶液を用いて利用した。インドフェノール試薬とアミノ酸溶液を混合してから10分後に、635nmでのその吸光度を、プレートリーダーを使用して測定した。この応答を塩化アンモニウムの1mM溶液から見られる応答と直接的に比較し、アンモニウム応答のパーセンテージとして表した。
【0205】
センサーの設計
1つの区分に血液を含み、もう1つの区分に高濃度のアルカリ溶液を含む2分割されたウェルは、全血の陽イオン交換を起こすための手段を提供し、アンモニウムを強力に回収するようにするであろう。再利用可能且つモジュール式であるウェルの、コンピューターを利用した設計を3D印刷した。図11で分かるように、2つのモジュール部品を、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン熱可逆性物質から3D印刷した。部品は膜と一緒に中央でスナップ留めとなり、Nafionで2分割されたウェルを形成する。この設計は、このセンシングメカニズムを含むすべての今後の実験に対する均一なプラットフォームを提供するために選択した。水密シールを確実にするために、1/64インチ厚のシリコーンガスケッチング材料を各ウェル半分の内面に接着した。次いで、機械的性質を向上させるために、ウェルをポリジメチルシロキサンで再充填した。
【0206】
図11:センシング実験に利用される2分割されたウェルを形成するためにNafionの周りに一緒にスナップ留めした、3D印刷したモジュール部品の写真。
【0207】
リン酸緩衝食塩水及び全血中のアンモニアへのセンサーの応答
1cm片のNafion膜とともに、3D印刷したウェを構築した。ウェルの2分割部分の1つに、1倍PBS中の0〜500μM濃度範囲の塩化アンモニウムを加えた。反対側の2分割部分に、1Mアルカリ溶液を加えた。アンモニウムのイオン交換を20分間生じさせた。次いで、アンモニアをこの時点で含むアルカリ溶液を取り出し、インドフェノール反応で利用した。10分後に、マイクロプレートリーダーを使用して、生じたインドフェノール反応の吸光度を635nmで測定した。
【0208】
塩化アンモニウムを使用してヒトの全血をスパイクして、25、50、75、100、150、200、250、300、400及び500μMのアンモニア濃度を生成した。得られた全血の真のアンモニア濃度を決定するために、アンモニアでスパイクされた血液を生成するこの方法をSiemens RXLを利用して検証した。1倍PBS中のアンモニウムの場合で使用されるものと同一のプロトコールでのセンサーに、アンモニアでスパイクされた全血をピペットで移した。ウェルの1つの区分に、アンモニアでスパイクされた血液を加えた。もう1つの区分は高濃度のアルカリ溶液であった。20分後にイオン交換が起こり、アンモニアはアルカリ溶液中に抽出される。次いで、アンモニア含有アルカリ溶液を次亜塩素酸塩水酸化ナトリウム、ニトロプルシドナトリウム及び2−フェニルフェノールと混合した。10分後に、生じたインドフェノール反応の吸光度を635nmで測定した。
【0209】
血中アンモニアへのインドフェノール応答に対する次亜塩素酸塩濃度の影響
血中の還元種からの干渉を低減するために、従来利用されるよりも高い濃度の次亜塩素酸塩を、ヒツジの全血から抽出したアンモニアを用いるインドフェノール反応に使用した。1、2、3、5及び10×濃度の次亜塩素酸塩を利用し、635nmで得られた吸光度を記録した。
【0210】
アンモニア−インドフェノールの検量線
図12:インドフェノール反応は、0.9939のCODで、0〜750μMに及ぶ塩化アンモニウム濃度での線形曲線を生成する。
【0211】
インドフェノール反応の有効性を、その定量下限(LLoQ)、分解能、範囲及び応答時間について最初に評価した。図12で示される25〜1000μMの塩化アンモニウムの応答をもたらすように、利用試薬を最適化した。約15%の平均誤差で25μMのLLoQが記録されたので、濃度に関するセンサーの分解能は、低いアンモニウム濃度でより高い。
【0212】
安定性試験
アンモニア濃度を決定するためにインドフェノール反応を使用することの主な利点の1つは、これが、安定性の問題がありがちな、酵素などのいかなる生物成分も必要としないことである。インドフェノール反応に使用される溶液の保存性を100日の経過にわたって調べた。インドフェノール反応の成分は、一緒に混合される場合に安定でなく、これは、次亜塩素酸塩及びカップリング薬剤のニトロプルシドナトリウムの反応性が原因である可能性がある。塩化アンモニウム濃度範囲への応答は、50日までの間安定であった。図13で分かるように、25、150及び500μMの塩化アンモニウムへの応答は、75日まで有意に変化しなかった。
【0213】
図13:インドフェノール反応用の試薬を室温で保管し、100日にわたって一定間隔でアンモニア検量線を作成するのに使用した。500μMのアンモニアへの応答は75日目で低下し始めた。インドフェノール反応の試薬は、様々な濃度のアンモニアへのその応答が悪化し始める前に、最高50日間室温で安定である。
【0214】
アミノ酸への応答
インドフェノール反応のメカニズムは、他の一級アミン含有化合物にも適用可能である。全血の適用については、このことは不確かであり、これは、血中アンモニアを測定する場合に干渉を起こすと思われる、アミノ酸などのアミン含有小分子が存在するからである。インドフェノール反応で利用されるフェノール化合物である2−フェニルフェノールは、反応にある程度の立体障害を与える多くのフェニル基のために、いくつかの形の選択性を導入すると考えられる。異なるアミノ酸の大きな群を用いて、反応の選択性を検査した。アミノ酸への応答が非常に遅かったので、アンモニアについて500μMの濃度を利用し、アミノ酸について1mMを利用した。アミノ酸について報告された吸光度値を、100%の役を務めるアンモニアで正規化した。図14のレーダーグラフは、各アミノ酸の応答を示し、最高の応答は、アンモニア応答のほんの7%に過ぎないスレオニンであった。
【0215】
図14:1mM濃度の21種のアミノ酸のそれぞれを、インドフェノール反応を使用して検査した。インドフェノール反応の後に各アミノ酸について635nmで測定した吸光度を、1mM塩化アンモニウムを用いるインドフェノール反応からの応答のパーセンテージとして計算した。レーダーグラフは、塩化アンモニウムと比較した応答パーセントを示す。最高の応答は、アンモニアの応答のほんの7%に過ぎない吸光度値を生じるスレオニンであった。
【0216】
全血の陽イオン交換
インドフェノール反応の他の主な干渉源はタンパク質である。小量のタンパク質によって、反応が完全に進行できなくなる場合がある。いかなるタンパク質も除くと同時に、全血からアンモニウムを迅速に分離するために、陽イオン交換膜であるNafionを利用した。Nafionは、バイオセンサーでの以前の適用があるが、ほぼ完全に電気化学センサーの電極の保護目的であった。この場合、Nafionは、電気化学センサーで使用されているように、テフロン(登録商標)のナノ多孔性形態ではなく、陽イオン交換膜として作動している。Nafionはフッ素化イオノマーのブロックコポリマーである。通常、熱間プレス中の溶液からフィルムにキャストする場合、イオノマーブロックは、フッ素ポリマーのマトリックスで取り囲まれたスルホンの長領域の孔の中に凝集する。孔は、スルホン酸基により高度に負に荷電しており、一般に1〜4nmのサイズである。これらの孔は、Nafionを介する、分子及び陽イオンを含むヒドロキシルの迅速な拡散を可能にするが、陰イオンを阻害し、高分子は完全に阻止する。これは、アンモニアの迅速な拡散を可能にし、一方で、アミノ酸の拡散を低減させ、通過物から完全にタンパク質を除去し、インドフェノール反応をできなくするであろう。
【0217】
Nafionを使用するアンモニウムのイオン交換は、分析物の回収の主なメカニズムである。アンモニウムも同様に膜を超えて拡散するが、有益なポイント・オブ・ケアセンサーには不十分な速度で拡散する。異なるイオン強度のアルカリ溶液を、PBS溶液からのアンモニウムとの交換におけるその効率について試験した。塩の濃度が高ければ高いほどアンモニウムの回収が多くなることが予想された。2分割されたウェルをNafion膜で調製した。PBS中の500mM塩化アンモニウム溶液を2分割されたウェルの「分析物」側に設置し、高濃度のアルカリ水溶液を反対側の2分割に入れた。対照の場合の蒸留水は10%の回収であったが、高濃度のアルカリ水は、75%のアンモニウム回収であった。メカニズムが単に受動拡散であった場合は濃度が等しくなると思われるので、アルカリ溶液中のより高濃度のアンモニウム対分析物は、起こっているイオン交換メカニズムを示す。
【0218】
PBS中のアンモニアへのセンサーの応答
最初にPBS中の塩化アンモニウム溶液でセンサーを刺激してから、全血と同じくらい複雑な環境を導入した。0〜500μMに及ぶ濃度を解析した。健康な成人では、アンモニアレベルは一般に50〜80μMであるが、100μMを越える濃度は疑わしい。これらの数値は新生児ではより高く、110μM未満の場合が正常であり、180μMまでは他の病気に起因する可能性があり、200μM超は懸念の原因である。重篤な場合では、アンモニアレベルは500μM程度になり得る(1)。
【0219】
図15:1倍PBS中の様々なアンモニア濃度に対する構築したセンサーの応答。n=5試料で、CODは0.9758である。
【0220】
センサーは、20分でアンモニアを確実に抽出した。次いで、インドフェノール反応を使用して、抽出された溶液を検査し、635nmで吸光度を測定するプレートリーダーを使用して、生じた色を分析した。このプロセスによって、図15に見られる検量線を作成した。PBS中の検出に対するCODは、5〜15%の誤差で0.97であった。0〜100mMの範囲では、約30μMアンモニウムの分解能があった。このセンサーは、PBS中のアンモニアレベルの臨床的に妥当な範囲にわたって有効であった。
【0221】
全血中のアンモニアへの初期センサーの応答
血液における初期試験は、アンモニア濃度と吸光度の間に非直線関係をもたらした。応答は、500mMの血中アンモニア濃度での0.35という吸光度に限られていた。これらの応答は、同じ濃度のPBS中のアンモニアから顕著に低下した。これは、アンモニアがNafion膜を超えて拡散するのが阻害されること、または血液由来の小分子がインドフェノール反応を干渉していることを示唆する。インドフェノール反応の負の干渉は、ある種の小分子の存在によっても起こり得る。高濃度のアミン、チオール及び還元物質がインドフェノール反応を乱し、それらすべてが血中に存在することが報告されている(23)。還元物質は、酸化剤である次亜塩素酸塩と容易に反応し、効率的にインドフェノール反応をできなくする。これが当てはまるかどうか判定するために、ヒツジの全血から抽出したアンモニアを、従来利用されるよりも2、3、5及び10倍の高濃度の次亜塩素酸塩を使用する改変インドフェノール反応に曝露した。図17で分かるように、3倍まで次亜塩素酸塩濃度を上げると、全血から抽出したアンモニアへの反応の応答が向上した。5及び10倍の高濃度の次亜塩素酸塩ではアンモニアへの反応の応答が低下し始め、このことによって、血中に見られる還元物質によってもたらされる干渉を低減させるためには、3倍次亜塩素酸塩が至適であることが示される。
【0222】
全血中のアンモニアへの改変センサーの応答
3倍次亜塩素酸塩−改変インドフェノール反応を、Nafionベースの分離技法とともに、健康から病的レベルに相当する25〜500μMに及ぶ血中アンモニア濃度の識別におけるその効率について調べた。図18の得られた検量線によって、この範囲の応答が示された。血中アンモニア濃度とインドフェノール反応の後に635nmで得られた吸光度との間に、0.9573のCODで有意な相関があった。
【0223】
図18:2分割ウェルセンサーを再び使用して、ヒト全血のアンモニアを抽出した。3倍次亜塩素酸塩改変インドフェノール反応を用いて、抽出したアンモニア溶液を検査し、635nmで吸光度を測定した。0〜500μMの範囲において、n=5試料で、CODは0.9573であった。
【0224】
処理効率を調べるのに高分解能測定が重要である25〜150μMの範囲では、CODは0.9777であり、図19で見られる。この範囲の誤差は約10%であり、15μMの予備的な分解能を与える。10%の相対標準偏差は、n=5試料で15%の相対標準偏差を必要とする、生化学分析法の検証に関するFDAガイド内に入る。25μMのLLoQは、少なくとも0.04483+/−0.00117の吸光度の平均バックグラウンド読取値を3σ超える。さらに、このセンサーは、p=0.0001で、50μMと100μMの血中アンモニアを確実に区別することができる。
【0225】
図19は、0〜150μMに及ぶ血中アンモニア濃度へのセンサーの応答を示す。相対標準偏差は、n=5試料で、0.9777のCODでの、約10%である。
【0226】
血中アンモニアレベルを評価するために調査した生化学分析方法は、血中アンモニアとセンサーの応答の間に高い相関を示した。約25〜約150mMの範囲で、相対標準偏差は約10%であった。センサーは約20分の応答時間を有し、他の小分子からの干渉は大きく低減した。使用される成分は、50日間まで室温で安定あり、且つ安価である。
【0227】
バイオセンサーの機能性の検証はまた、以下の実験計画を使用して行われる。フェニルアラニンセンサーの有効性評価は、アルギン酸、CaCl2、トルイジンブルー、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ及びNAD(P)+から成るアルギン酸ヒドロゲルを用いて改変された、3炭素電極の構築を必要とする。ヒドロゲルは、全血中の小分子及びタンパク質からの干渉を防止するためのフィルターとしての機能を果たす。最初に、約35μM〜約2000μMに及ぶフェニルアラニン濃度を用いて32の全血試料を検査する。具体的にに、酵素電極で以下のPhe濃度を検査する:35、100、250、500、1000、1250、1500、2000μM。この実験では、35μMは生理学的に正常な濃度に相当し、100μMを超える他の各濃度は、様々な異なる病的濃度に相当する。これらの濃度は、35μMより低い濃度の全血をドープすることによって生成する。さらに、センサーが、患者の全血に関する予期しない異常による問題なしに作動することを確実にするために、対象の試料を検査する。すべてのフェニルアラニン濃度を、血中のフェニルアラニンレベルを決定するための基準である高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用することによって検証する。試料は、前処理を必要としない。ヘパリンナトリウム真空管を使用して血液を採取し、次いで、より高いフェニルアラニン濃度で血液をドープすることを除いて、改変せずに使用する。予期される検出限界は、35〜2000μMの範囲及び20μMの分解能で、35μMである。統計評価を行って、濃度測定値の信頼性を評価する。データの正規分布を仮定し、ANOVA一因子分析を使用して濃度測定値を分析することによって、群間の差を示す。信頼区間を評価し、方法の感度及び再現性を示す。信頼度95%(p<0.05)以上を有する、正常な生理状態から病的状態に及ぶ濃度測定値が、統計的に有意であるとみなされる。病的濃度レベルと健康な生理的濃度レベルの間の統計的差異を最初に示す。その後の実験は、離散した濃度値の全範囲にわたる定量を検証するのに使用する。
【0228】
実施例3
モジュラーウェルプレートによる全血中のアンモニアの測定
材料
2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化アンモニウムは、Sigma−Aldrichから購入した。Nafion111はIon−Powerから購入した。粘着性バッキングを有する1/64インチのシリコーンガスケットはMcMaster−Carrから購入し、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂。
【0229】
方法
試料調製
・保存液の59mMの2−フェニルフェノールのエタノール溶液、7μMのニトロプルシドナトリウム水溶液、500mMの水酸化ナトリウム水溶液及び0.6〜0.75%の次亜塩素酸塩ナトリウム水溶液を調製する。
・保存液の1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。
・3D印刷したウェルを、図21に見られるモデルに基づいて、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを使用する熱溶融樹脂法で生成する。
・1/64インチシリコーンの層を図21で陰影が付けられたウェルの領域に付着させる。
・25μm厚のNafion111をプラスチックバッキングから取り出し、これを1.5X1.5cmの正方形に切断する。
【0230】
アンモニア交換
・正方形のNafionの1つの周りに、モジュール式の3D印刷した部品の2つをスナップ留めし、2分割されたウェルを作出する。最終的な立体配置を図22に示す。
・45μlの酢酸ナトリウム溶液をウェルの区分Bにピペットで移す。
・100μMのアンモニア含有試料(全血)をウェルの区分Aにピペットで移す。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0231】
データ収集
・区分Bからの35μlの酢酸ナトリウム/アンモニア溶液を384ウェルプレートにピペットで移す。
・それぞれ10μlの2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム及び水酸化ナトリウムの保存液を、酢酸ナトリウムと同じウェルにピペットで移す。
・5マイクロリットルの次亜塩素酸塩ナトリウム溶液をウェルに加え、ピペットで完全に混合する。
・インドフェノール反応が進行するのを10分待つ。
・384プレートリーダーを使用して、ウェルの吸光度を635nmで測定する。
・測定した吸光度を検量線と比較して、未知のアンモニア濃度を決定する。
【0232】
図20:ウェルプレートの前面のCADスケッチ。
【0233】
図21:粘着性シリコーンが付着される必要があるウェルプレートの領域(黒色の領域)を示すCADスケッチ。
【0234】
図22:ウェルを2つの区分に分割するためにNafionの周りに一緒にスナップ留めした、3D印刷したモジュール部品の写真。
【0235】
図23:3D印刷したウェルの製品図面。
【0236】
実施例4
流体デバイスを用いた全血中のアンモニアの測定
材料
2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化アンモニウムは、Sigma−Aldrichから購入した。Nafion111はIon−Powerから購入した。
【0237】
方法
試料調製
・保存液の59mMの2−フェニルフェノールのエタノール溶液、7μMのニトロプルシドナトリウム水溶液、500mMの水酸化ナトリウム水溶液及び0.75%次亜塩素酸塩ナトリウム水溶液を調製する。
・保存液の1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。
・デバイスの2つの個々の部品について、3Dプリンターから型枠を生成する。
・型枠をPDMSエラストマーで充填し、60℃で1時間加熱する。
・デバイスの各側面を型枠から、へらで取り出す。
・25μm厚のNafion111をプラスチックバッキングから取り出し、1.5X1.5cmの正方形に切断する。
・PDMSを使用して、正方形のNafionをチャネル6のウェル上に接着する。
・PDMSを使用して、デバイスの上部部品を下部部品に接着し、チャネル6をチャネル5と確実に整列させる。
・デバイスを1時間60℃に加熱する。
【0238】
アンモニア交換
・デバイスの下部を通して針をウェル6に挿入し、40μLの血液で充填する。
・チャネル1〜4を、それぞれ5μlの2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム及び次亜塩素酸塩ナトリウムで充填する。
・チャネル5を20μlの酢酸ナトリウム溶液で充填する。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0239】
データ収集
・チャネル1から5に1mm/秒の流速を24秒間加える。
・インドフェノール反応が進行するのを10分待つ。
・カスタムフォトスペクトロメーターにデバイスを挿入して、吸光度データを取得する。
・測定した吸光度を検量線と比較して、未知のアンモニア濃度を決定する。
【0240】
アンモニアレベルに基づいてアミノ酸を検出する方法を示す一実施形態を図29に示す。図29の左手側に示すように血液を加えた後に、右手側に示すデバイスの左のウェルにおけるインドフェノール試薬によるアンモニア反応の色の変化によって、アンモニアレベルを可視化する。この左のウェルは、左手側(インドフェノール反応が生じる前)に示すデバイスの左のウェルより灰色(青色を示す)である。
【0241】
実施例5
モジュラーウェルプレートを用いた、アンモニア生成酵素の使用による全血中のアミノ酸の検出
デヒドロゲナーゼ及びアンモニアリアーゼは、一般に一級アミンを開裂することによってアミノ酸に作用し、それによってアンモニアを生成する。本明細書に記載のアンモニア検出モジュールのウェルプレートシステムを使用して、アンモニアを生成し、生じた色の変化によって測定し、次いで、所与のアミノ酸の濃度と相関させることができる。本実施例は、フェニルアラニンアンモニアリアーゼを使用してフェニルアラニンの存在について検査するが、表5に列挙される適切な酵素(複数可)を使用して他のアミノ酸も試験することができる。
【表5】
【0242】
材料
2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化アンモニウムは、Sigma−Aldrichから購入した。Nafion111はIon−Powerから購入した。粘着性バッキングを有する1/64インチのシリコーンガスケットはMcMaster−Carrから購入し、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、褐藻由来のアルギン酸ナトリウム(任意)、リン酸緩衝食塩水(任意)、0.1M CaCl2溶液(任意)。
【0243】
方法
試料調製
・保存液の59mMの2−フェニルフェノールのエタノール溶液、7μMのニトロプルシドナトリウム水溶液、500mMの水酸化ナトリウム水溶液及び0.6〜0.75%の次亜塩素酸塩ナトリウム水溶液を調製する。
・1M酢酸ナトリウム水溶液の保存液を調製する。
・3D印刷したウェルを、図21に見られるモデルに基づいて、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを使用する熱溶融樹脂法で生成する。
・1/64インチシリコーンの層を図21で陰影が付けられたウェルの領域に付着させる。
・25μm厚のNafion111をプラスチックバッキングから取り出し、これを1.5X1.5cmの正方形に切断する。
【0244】
2つの方法で酵素をアミノ酸含有試料(全血)に加えることができる。酵素を直接的に試料に加えること、またはより大きな酵素安定性をもたらす、試料ウェルの内側に設置されるゲルに酵素を固定化することのいずれかである。
【0245】
遊離酵素を用いるアンモニア交換(オプション1)
・正方形のNafionの1つの周りに、モジュール式の3D印刷した部品の2つをスナップ留めし、2分割されたウェルを作出する。最終的な立体配置を図22に示す。
・45μlの酢酸ナトリウム溶液をウェルの区分Bにピペットで移す。
・100μMのアミノ酸含有試料(全血)をウェルの区分Aにピペットで移す。
・40ユニットのフェニルアラニンアンモニアリアーゼを試料に加える。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0246】
ゲル固定化酵素を用いるアンモニア交換(オプション2)
・正方形のNafionの1つの周りに、モジュール式の3D印刷した部品の2つをスナップ留めし、2分割されたウェルを作出する。最終的な立体配置を図22に示す。
・40単位のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ及び1mLの1倍リン酸緩衝食塩水に入れた1%重量/体積の褐藻由来のアルギン酸ナトリウムのプレゲル溶液を調製する。
・ウェルの区分A(全血が移動する場所)に10μLのプレゲル溶液を設置する。
・Badger 200Nエアブラシを7.5psiで1秒間使用して、0.1M CaCl2溶液とともにプレゲル溶液をウェル中に噴霧し、約5μLのCaCl2溶液を堆積させる。ゲルを湿潤環境で30分間硬化させる。
・45μlの酢酸ナトリウム溶液をウェルの区分Bにピペットで移す。
・100μMのアミノ酸含有試料(全血)をウェルの区分Aにピペットで移す。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0247】
データ収集
・区分Bからの35μLの酢酸ナトリウム/アンモニア溶液を384ウェルプレートにピペットで移す。
・それぞれ10μlの2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム及び水酸化ナトリウムの保存液を、酢酸ナトリウムと同じウェルにピペットで移す。
・5マイクロリットルの次亜塩素酸塩ナトリウム溶液をウェルに加え、ピペットで完全に混合する。
インドフェノール反応が進行するのを10分待つ。
384プレートリーダーを使用して、ウェルの吸光度を635nmで測定する。
・測定した吸光度を検量線と比較して、未知のアンモニア濃度を決定する。
【0248】
実施例6
流体デバイスを用いた、アンモニア生成酵素の使用による全血中のアミノ酸の検出
デヒドロゲナーゼ及びアンモニアリアーゼは、一般に、一級アミンを開裂することによってアミノ酸に作用し、それによってアンモニアを生成する。本明細書に記載のアンモニア検出モジュールのウェルプレートシステムを使用して、アンモニアを生成し、生じた色の変化によって測定し、次いで、所与のアミノ酸の濃度と相関させることができる。本実施例は、フェニルアラニンアンモニアリアーゼを使用してフェニルアラニンの存在について検査するが、表5に列挙される適切な酵素(複数可)を使用して他のアミノ酸を試験することができる。
【0249】
材料
2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化アンモニウムは、Sigma−Aldrichから購入した。Nafion111はIon−Powerから購入し、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、褐藻由来のアルギン酸ナトリウム(任意)、リン酸緩衝食塩水(任意)、0.1M CaCl2溶液(任意)。
【0250】
方法
試料調製
・保存液の59mMの2−フェニルフェノールのエタノール溶液、7μMのニトロプルシドナトリウムの水溶液、500mMの水酸化ナトリウム水溶液及び0.75%次亜塩素酸塩ナトリウム水溶液を調製する。
・保存液の1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。
・デバイスの2つの個々の部品について、3Dプリンターから型枠を生成する。
・型枠をPDMSエラストマーで充填し、60℃で1時間加熱する。
・デバイスの各側面を型枠から、へらで取り出す。
・25μm厚のNafion111をプラスチックバッキングから取り出し、1.5X1.5cmの正方形に切断する。
・PDMSを使用して、正方形のNafionをチャネル6のウェル上に接着する。
・PDMSを使用して、デバイスの上部部品を下部部品に接着し、チャネル6をチャネル5と確実に整列させる。
・デバイスを1時間60℃に加熱する。
【0251】
2つの方法で、酵素をアミノ酸含有試料(全血)に加えることができる。酵素を直接的に試料に加えること、またはより大きな酵素安定性をもたらす、試料ウェルの内側に設置されるゲルに酵素を固定化することのいずれかである。
【0252】
遊離酵素を用いるアンモニア交換(オプション1)
・デバイスの下部を通して針をウェル6に挿入し、40μLの血液で充填する。
・40単位のフェニルアラニンアンモニアリアーゼを血液試料に加える。
・チャネル1〜4を、それぞれ5μLの2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム及び次亜塩素酸塩ナトリウムで充填する。
・チャネル5を20μLの酢酸ナトリウム溶液で充填する。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0253】
ゲル固定化酵素を用いるアンモニア交換(オプション2)
・40ユニットのフェニルアラニンアンモニアリアーゼ及び1mLの1倍リン酸緩衝食塩水に入れた1%重量/体積の褐藻由来のアルギン酸ナトリウムのプレゲル溶液を調製する。
・ウェルの区分A(全血が移動する場所)に10μLのプレゲル溶液を設置する。
・Badger 200Nエアブラシを7.5psiで1秒間使用して、0.1M CaCl2溶液とともにプレゲル溶液をウェル中に噴霧し、約5μLのCaCl2溶液を堆積させる。ゲルを湿潤環境で30分間硬化させる。
・デバイスの下部を通して針をウェル6に挿入し、40μLの血液で充填する。
・40ユニットのフェニルアラニンアンモニアリアーゼを血液試料に加える。
・チャネル1〜4を、それぞれ5μLの2−フェニルフェノール、ニトロプルシドナトリウム、水酸化ナトリウム及び次亜塩素酸塩ナトリウムで充填する。
・チャネル5を20μLの酢酸ナトリウム溶液で充填する。
・イオン交換が起こるのを20分待つ。
【0254】
データ収集
・チャネル1から5に1mm/秒の流速を24秒間加える。
・インドフェノール反応が進行するのを10分待つ。
・カスタムフォトスペクトロメーターにデバイスを挿入して、吸光度データを取得する。
・測定した吸光度を検量線と比較して、未知のアンモニア濃度を決定する。
【0255】
均等物
当業者なら、単に慣例的な実験を使用して、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、確かめることができる。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ以下の特許請求の範囲に記載される通りである。
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]