特許第6646583号(P6646583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6646583二重添加剤送達システムを用いる喫煙物品
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  • 特許6646583-二重添加剤送達システムを用いる喫煙物品 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646583
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】二重添加剤送達システムを用いる喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20200203BHJP
   A24D 3/06 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A24D3/04
   A24D3/06
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-544102(P2016-544102)
(86)(22)【出願日】2014年12月30日
(65)【公表番号】特表2017-501732(P2017-501732A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】EP2014079429
(87)【国際公開番号】WO2015101620
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年12月13日
(31)【優先権主張番号】13199899.9
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァナント ローレン
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/068081(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/068304(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/187245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加剤送達システムを組み込むフィルターを備える喫煙物品であって、前記添加剤送達システムが、
第一の添加剤を含む液体コアを収容する壊れ得るシェルを備える壊れやすいカプセルであって、圧力によって前記シェルを破壊して前記液体コアを単一破裂放出することができる、壊れやすいカプセルと、
第二の添加剤を含む液体組成物を含む徐放性の液体送達材料であって、前記徐放性の液体送達材料の圧縮に際して、前記第一の添加剤と前記第二の添加剤とを選択的に組み合わせるように前記液体組成物を個別の量で前記徐放性の液体送達材料から放出することができる、前記徐放性の液体送達材料と、を備え
前記フィルターは、少なくとも第一のフィルターセグメントおよび該第一のフィルターセグメントと間隙を介している第二のフィルターセグメントを備え、前記第一のフィルターセグメントは前記壊れやすいカプセルを組み込み、前記第二のフィルターセグメントは前記徐放性の液体送達材料を組み込み、
前記壊れやすいカプセルと前記徐放性の液体送達材料のどちらかの構成成分からの添加剤の前記放出を消費者が別々におよび選択的に有効化することができるように、前記壊れやすいカプセルと前記徐放性の液体送達材料とが、長軸方向に少なくとも10mmであって最大で20mmの間隙を介する、喫煙物品。
【請求項2】
前記徐放性の液体送達材料が、
複数の領域を画定する閉じたマトリクス構造を備え、前記液体組成物が前記領域内に捕捉される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記第一の添加剤および前記第二の添加剤が、同一の添加剤である、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記第一の添加剤と前記第二の添加剤が異なる添加剤であり、前記徐放性の液体送達材料の圧縮に際して前記組み合わせられた第一の添加剤と第二の添加剤との相対的比率に変化を持たせるように前記徐放性の液体送達材料から前記液体組成物を放出することができる、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記壊れやすいカプセルが風味剤カプセルであり、前記第一の添加剤が室温(22℃)において液体である1つ以上の脂肪と混合した第一の風味剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記徐放性の液体送達材料が風味送達材料であり、前記液体組成物が風味組成物であり、前記第二の添加剤が室温(22℃)において液体である1つ以上の脂肪と混合した第二の風味剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記壊れやすいカプセルがシームレスカプセルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記シームレスカプセルが約5ニュートン〜25ニュートンの圧潰強度を有する、請求項7に記載の喫煙物品。
【請求項9】
少なくとも5ニュートンの力の範囲を超える前記徐放性の液体送達材料の圧縮に際して前記徐放性の液体送達材料が前記液体組成物の徐放性を提供する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
約10ニュートン〜約15ニュートンの力の範囲を超える前記徐放性の液体送達材料の圧縮に際して前記徐放性の液体送達材料が前記液体組成物の徐放性を提供する、請求項9に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記シェルの破断に際して放出される液体コアの容積が約5マイクロリットル〜約45マイクロリットルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記シェルの破断に際して放出される液体コアの容積が約10マイクロリットル〜約20マイクロリットルである、請求項11に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記徐放性の液体送達材料の単一の圧縮に際して放出される液体組成物の前記個別の量が、約1マイクロリットル〜約10マイクロリットルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記壊れやすいカプセル内に収容される液体組成物の総容積に対する、前記徐放性の液体送達材料内に収容される液体組成物の総容積の比が約0.20〜約0.80である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項15】
添加剤送達システムを備える喫煙物品用のフィルターであって、前記添加剤送達システムが、
第一の添加剤を含む液体コアを含有する壊れ得るシェルを備える壊れやすいカプセルであって、圧力によって前記シェルを破壊して前記液体コアを単一破裂放出することができる、壊れやすいカプセルと、
第二の添加剤を含有する液体組成物を備える徐放性の液体送達材料であって、前記徐放性の液体送達材料の圧縮に際して、前記液体組成物を個別の量で前記徐放性の液体送達材料から放出して、前記第一の添加剤および前記第二の添加剤を選択的に組み合わせることができる徐放性の液体送達材料と、を備え、
前記フィルターは、少なくとも第一のフィルターセグメントおよび該第一のフィルターセグメントと間隙を介している第二のフィルターセグメントを備え、前記第一のフィルターセグメントは前記壊れやすいカプセルを組み込み、前記第二のフィルターセグメントは前記徐放性の液体送達材料を組み込み、
前記壊れやすいカプセルと前記徐放性の液体送達材料とが、長軸方向に少なくとも10mmであって最大で20mmの間隙を介する、
フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮に際して風味剤などの液体の選択的な放出を提供する添加剤送達システムを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙中に消費者に追加的な風味を提供するために、風味添加剤を喫煙物品の中に組み込むことが周知である。風味剤は、喫煙物品内のたばこ材料の加熱または燃焼に際して発生するたばこの風味を高めるため、またはミントまたはメントールなどの追加的な非たばこ風味を提供するために、使用されてもよい。
【0003】
喫煙物品で使用されるメントールなどの風味添加剤は、一般的に好適な液体担体を使用して喫煙物品のフィルターまたはたばこロッドの中に組み込まれる液体風味剤の形態である。液体風味剤はしばしば揮発性であり、従って保存している間に喫煙物品から移動または蒸発する傾向がある。従って、喫煙中に主流煙に風味を与えるために利用できる風味剤の量が減少する。
【0004】
例えば、カプセルまたはマイクロカプセルの形態での風味剤の封入を通した、保存中の喫煙物品からの揮発性風味剤の損失の減少が以前提案された。例えば構造の圧潰または溶融によって封入構造を破壊して開けることによって、喫煙物品の喫煙前または喫煙中に封入された風味剤を放出することができる。かかるカプセルを圧潰して風味剤を放出する場合、カプセルをある特定の力で破壊して開け、その力で実質的にすべての風味剤を放出する。
【0005】
風味剤をマトリクス材料の中に封入することも以前提案され、風味剤を放出するためにマトリクス材料に圧縮をかける。マトリクス材料内に封入された風味剤は、カプセルを用いる場合よりもゆっくりと放出される場合がある。カプセルの封入構造とは異なり、マトリクス構造は、特定の力で破壊され開いてすべての風味剤を放出するのではなく、力が持続されるとゆっくりと破壊される。
【0006】
喫煙中に煙を何らかのやり方で適合するために、他の種類の非風味の液体添加剤を喫煙物品の中に組み込むことも知られている。例えば、喫煙中にフィルターの濾過特性を変えるために、喫煙物品のフィルターの中にある特定の液体添加剤を提供してもよい。
【0007】
さらに、喫煙物品の中に各々液体添加剤(特に風味剤)を収容する2つ以上のカプセルまたはマイクロカプセルを組み込むことも以前提案された。しかしながら、カプセルは特定の力で破壊して開き、カプセルに収容している実質的にすべての風味剤を放出するので、カプセルが破壊した時に個別の風味破裂のみが得られる。従って、消費者が風味の強度を調節する、またはどのように味覚が経時的に放出するかを制御するのは困難な場合がある。
【0008】
主流煙の中に放出される添加剤の量を消費者が選択的に調節および制御することを可能にする添加剤送達システムを組み込む、改善された喫煙物品を提供するのが望ましいであろう。具体的には、添加剤が風味剤である場合、消費者が喫煙の体験中に味覚認識の放出を制御することを可能にする風味送達システムを組み込む改善された喫煙物品を提供するのが望ましいであろう。さらに、製造が簡単かつ安価であるかかる喫煙物品を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、添加剤送達システムを組み込む喫煙物品が提供され、この添加剤送達システムは、圧力によってシェルを破壊して液体コアを単一破裂放出することができる、第一の添加剤を含む液体コアを含有する壊れ得るシェルを備える壊れやすいカプセルと、液体送達材料の圧縮に際して第一の添加剤と第二の添加剤とを選択的に組み合わせるように液体組成物を個別の量で液体送達材料から放出することができる、第二の添加剤を収容する液体組成物を含む徐放性の液体送達材料と、を備える。壊れやすいカプセルと徐放性の液体送達材料のどちらかの構成成分からの添加剤の放出を消費者が別々におよび選択的に有効化することができるように、壊れやすいカプセルおよび徐放性の液体送達材料は間隙を介する。
【0010】
本発明によると、さらに上記に定義した添加剤送達システムを備える喫煙物品用のフィルターが提供される。
【0011】
以下の記述では、本発明による喫煙物品の特徴または特性に対するあらゆる参照は、別段の指示がない限り本発明によるフィルターにも適用される。
【0012】
本発明による徐放性の液体送達材料を組み込む喫煙物品は、フィルター紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成する他の喫煙物品の形態をとってもよい。本発明は、たばこ材料を燃焼ではなく加熱してエアロゾルを形成する喫煙物品、および燃焼または加熱されずにたばこ材料、たばこ抽出物、または他のニコチン供与源からニコチン含有エアロゾルを生成する喫煙物品をさらに包含する。本発明による喫煙物品は、完全な組み立てられた喫煙装置でもよく、または例えば、加熱式喫煙装置の消耗部品などの、エアロゾルを発生させるために組み立てられた装置を提供する目的で1つ以上の他の構成要素と組み合わせられる喫煙装置の構成要素でもよい。
【0013】
本明細書で使用される場合、「煙」という用語は、フィルター紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品により発生した煙、および上述の種類の加熱式喫煙物品または非加熱式喫煙物品などの不燃性喫煙物品により発生したエアロゾルを記述するために使用される。
【0014】
本明細書では、喫煙物品の構成要素間の「上流」および「下流」という相対的な位置は、主流煙が喫煙物品の点火側の端からフィルター構成要素を通して吸引される時の主流煙の方向に関連して記述される。本明細書で記述される喫煙物品は、下流端と反対側の上流端とを備える。使用時には、ユーザーは喫煙物品の下流端で吸引する。口側の端としても記述される下流端は、遠位端または点火側の端としても記述される場合がある上流端の下流である。
【0015】
本明細書で使用される場合、「液体」という用語は、室温において(22℃)液体の状態である組成物を指す。
【0016】
「液体組成物」という用語は、煙に効果を提供するためにエアロゾル発生装置の構成成分の中に組み込むことができる任意の液状剤を指す。液体組成物は、例えば、エアロゾルの1つ以上の成分を減少する能力を有する物質であってもよい。あるいは、液体組成物は、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生装置の中で1つ以上の他の物質と反応する能力を有する物質であってもよい。本発明の好適な実施形態では、液体組成物は液体風味組成物であり、そして液体送達材料は、喫煙物品または喫煙物品の一部分に風味を提供するように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による喫煙物品の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、風味組成物の放出を提供する送達システムを特に参照して本発明が記述される。しかしながら、他の代替的な添加剤の放出用の送達システムにもこの教示を適用することができる。
【0019】
本明細書を通して、「単一破裂放出」という表現は、圧縮力(圧潰強度)をかける際に壊れやすいカプセルがその内容物を破壊し放出するように設計されていることを示すために使用される。実際には、壊れやすいカプセルが破壊された時、液体コアの中に収容されている添加剤のほとんどは一度に放出されるため、すべての添加剤はカプセルのそばを通る場合がある煙に曝され、このようにして実質的に同一のカプセルからの添加剤のそれ以上の放出がユーザーによって開始されることはない。従って、主流煙中の添加剤の濃度は、ピーク値に達するまで非常に急激に増加し、喫煙物品の喫煙中に時間とともに次第に減っていくのみである。
【0020】
添加剤が風味剤である実施形態では、「単一破裂放出」という表現は、主流煙中の強い風味を消費者が急激に認識することを示すためにも使用される。風味強度は、非常に迅速に最高に到達し、その後は次第にあまり認識できないようになる。
【0021】
一方で、「徐放性」という用語は、かけられた圧縮力の範囲にわたり、材料の変形範囲にわたり、またはその両方にわたり、添加剤送達材料が添加剤含有組成物を放出する能力を有することを示すために使用される。例えば、かけられた圧縮力の関数として添加剤含有組成物の放出が測定される場合、その材料がxニュートンの力で添加剤含有組成物を放出する能力を有することがわかり、また力がxニュートンから(x+y)ニュートン(例えば、式中でyは5ニュートン)に増大するのに伴い、風味組成物を放出し続ける。
【0022】
これらは範囲であるため、本明細書に記述する力の範囲および変形範囲は幅を有し、これらは範囲の両端の間に延在する。例えば、yが5ニュートンである上述の一般的な例を使用すると、力の範囲は5ニュートンの幅を有し、またxニュートンから(x+5)ニュートンまで延びることになる。
【0023】
力の範囲にわたる圧縮力の増加は、添加剤送達材料からさらに添加剤を放出することになるため、「徐放性」という用語は、「漸進的な放出」として記述することもできる。これは、特定の力において風味剤などの添加剤が放出されるが、その特定の力以前または以後は放出されない喫煙物品用の他の既知の添加剤放出機構とは対照的である。
【0024】
当業者であれば、「徐放性」という用語が、所与の力において放出される添加剤の量が力をかける時間にさらに依存する実施形態を包含することを理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、2回の短い所与の力をかけることは、単一の延長した所与の力をかけるのと同じ量の添加剤組成物を放出させる場合がある。これらの実施形態では、添加剤送達材料に同一のまたは同様の力を繰返しかけることによって、添加剤含有組成物の多重「投与」を提供するための材料の徐放性特性を使用することができる。さらに、漸進的により高い力を多重にかけることも使用することができ、これは、場合によっては放出される多重「投与」での添加剤の量を増加することができる。
【0025】
本明細書を通して、「組み合わせる」という用語は、これらが同時放出されるかまたは異なる時点で放出されるかに関わらず、第一の添加剤と第二の添加剤との両方が主流煙に曝されることを示すために使用される。従って、煙に、添加剤のどちらか一方のみによって与えられる特性とは異なる組み合わせ特性が与えられる。一般には、第一の添加剤と第二の添加剤とを煙の中で組み合わせることになる。一部の実施形態では、煙に到達する前でさえも、少なくともある程度、第一の添加剤と第二の添加剤とを組み合わせる場合がある。
【0026】
具体的には、第一の添加剤と第二の添加剤とが同一の添加剤である場合、「組み合わせる」という用語は、ある量(典型的には異なる)の同一の添加剤の両方が壊れやすいカプセルから放出され、徐放性送達材料が一緒に主流煙に影響を与えることを意味するために使用される。従って、この同一の添加剤が風味剤である場合、消費者の味覚認識は、この2つの量の風味剤のうちの1つのみが放出される場合より強いものとなるはずである。
【0027】
一方で、第一の添加剤と第二の添加剤が異なる添加剤である場合、「組み合わせる」という用語は、2つの添加剤が主流煙の特性に相乗効果的に衝撃を与えることを意味するように使用される。具体的には、この場合、「組み合わせる」という用語は、ユーザーが徐放性送達材料から第二の添加剤が放出される量を調整することによって、混合物中の第一の添加剤と第二の添加剤との相対的比率に選択的に変化を持たせることができることを意味するために使用される。従って、第一の添加剤と第二の添加剤とが2つの異なる風味剤である場合、消費者の味覚認識は両方の風味剤によって同時に影響を受けるはずである。さらに、消費者の味覚認識は、例えば、消費者によって開始された第二の添加剤の徐放性の動特性に依存して、時間とともに放出するはずである。
【0028】
本発明の喫煙物品は、第一の量の第一の添加剤を単一破裂放出するように適合される壊れやすいカプセルと、第二の量(一般的により少ない)の第二の添加剤を放出するように適合される徐放性の送達システムとを、組み合わせて提供する新規の添加剤送達システムを組み込む。壊れやすいカプセルと徐放性の液体送達材料とは、互いに区別され、間隙を介する。従って、消費者は、壊れやすいカプセルと徐放性の液体送達材料のどちらかからの添加剤の放出を別々におよび選択的に有効化することができる。従って消費者は、有利にも、2つの添加剤の放出を有効化するかどうか、およびいつ放出を有効化するかを独立して選択してもよく、従ってこれらは異なる送達動特性および独立した放出機構を有する。従って、既存の添加剤送達システムと対照すると、新規の風味効果および動特性を提供するために、第一の添加剤および第二の添加剤を有利に放出して組み合わせてもよく、以下にさらに詳細に説明するように、消費者はこれを自分の好みに合わせてもよい。
【0029】
第一の添加剤と第二の添加剤とは、同一の添加剤であってもよく、または2つの異なる添加剤であってもよい。具体的には、第一の添加剤および第二の添加剤は、同一の風味剤であってもよく、または2つの異なる風味剤であってもよい。
【0030】
有利にも、第一の添加剤と第二の添加剤とが同一の風味剤である実施形態では、消費者は、徐放性送達材料からの風味剤の放出のタイミングと強度に選択的に変化を持たせることによって、主流煙中で認識される全体的な風味強度を容易に調節することができる。例えば、壊れやすいカプセルを破壊することによって開始された風味の破裂が衰え始めると、消費者は徐放性送達材料から主流煙の中へ新鮮な風味剤を選択的に供給することができる。従って、本発明の喫煙物品の中の添加剤送達システムは、有利にも、少なくとも破裂放出の後で失われた風味強度の部分を要求に応じて復元する能力を有する。
【0031】
あるいは、消費者は、まず所望の可変量の風味剤を主流煙の中に放出するために徐放性送達材料を有効化し、そして後の時点(例えば、喫煙の体験の終了時点近く)で壊れやすいカプセルを破壊することによって風味の破裂を発生することができる。
【0032】
一方で、第一の添加剤と第二の添加剤とが2つの異なる風味剤である実施形態では、消費者は、好都合なことに、2つの風味剤を放出するタイミングおよび強度に変化を持たせてもよく、従って、例えば、壊れやすいカプセルが破壊された段階で徐放性送達材料の上に異なる時点でより高いまたはより低い圧力をかけることによって主流煙中のこれらの相対的比率を調整してもよい。
【0033】
従って、本発明の喫煙物品は、送達システムに異なる力を異なる時点においてかけることによって、有利にも消費者が選択的にアクセスおよび修正することができる全範囲の新規の知覚を提供する。具体的には、消費者は、どちらかの添加剤を放出するかどうか、およびいつ放出するかを決定することができる。従って、2つの添加剤が両方とも風味剤である実施形態では、消費者は有利にも、自分自身の好みで風味の放出を経時的にカスタムマイズすることができる。
【0034】
発明による喫煙物品の一部の実施形態では、壊れやすいカプセルは徐放性送達材料の上流に配置される。他の実施形態では、壊れやすいカプセルは徐放性送達材料の下流に配置される。
【0035】
壊れやすいカプセルおよび徐放性送達材料は間隙を介しているため、送達システムのどちらかの構成要素からの添加剤の放出を別々におよび選択的に有効化するのは消費者にとっては容易である。例えば、壊れやすいカプセルおよび徐放性送達材料は各々、第一のフィルターセグメントおよび第二のフィルターセグメントのそれぞれに提供される場合がある。製造中、添加剤送達システムの各構成成分は、別々におよび独立してそれぞれの明らかに異なるフィルターセグメントの中に挿入されるため、これは有利である。引き続いて、フィルターを形成する時に、2つ(またはそれ以上)のフィルターセグメントは、例えば、単一のフィルターラッパーによって互いに端部と端部の配置で取り付けることによって一緒に組み立てられる。代替案として、各フィルターセグメントはそれぞれのフィルターラッパーを有してもよく、フィルターをたばこロッドに取り付けるためにも使用するチッピングペーパーの帯によって2つ(またはそれ以上)の包まれたフィルターセグメントを互いに取り付けてもよい。消費者がどちらかを独立して圧縮することができるよう壊れやすいカプセルと徐放性送達材料との間に十分な距離を提供するように、各フィルターセグメントの長さを選択するべきである。フィルターの構成および材料についてのさらなる詳細が以下に提供される。
【0036】
壊れやすいカプセルおよび徐放性送達材料は、長軸方向に少なくとも約5mmの間隙を介しているのが好ましい。壊れやすいカプセルおよび徐放性送達材料は、長軸方向に少なくとも約10mmの間隙を介しているのがより好ましい。好適な実施形態では、壊れやすいカプセルと徐放性送達材料とは長軸方向に約13.5mmの間隙を介している。
【0037】
別の方法としてまたは追加的に、壊れやすいカプセルおよび徐放性送達材料は長軸方向に約20mmの間隙を介しているのが好ましく、最大で約18mmの間隙を介しているのがより好ましい。
【0038】
本発明の喫煙物品の添加剤送達システムの壊れやすいカプセルは、単一破裂放出する構成成分として作用するように構成される。換言すれば、所与の力をカプセル上にかけた際に、第一の添加剤の実質的にすべての内容物を放出するように構成される。壊れやすいカプセルは、壊れ得る外側シェルと内部液体コアを備える。より大きいカプセルは、比例してより厚い外側シェルを含むべきである。かかるシェルは、一貫性のある製造および望ましい圧潰強度を有する製造のために、比較的単純である。
【0039】
カプセルは、構造材料が液体コアを封入する任意の適切な構造を有する場合がある。カプセルは様々な物理的な構成で形成されてもよいが、これには単一部分から成るカプセル、複数部分から成るカプセル、単一壁から成るカプセル、複数壁から成るカプセル、大型カプセル、および小型カプセルなどが含まれるが、これに限定されない。外側シェルは実質的に連続的であるのが好ましく、換言すればシームレスであるのが好ましい。外側シェルは外力がかけられる前はシールされているが、外力がかけられた時に液体コアを放出することができるように壊れやすいまたは壊れ得ることが好ましい。
【0040】
フィルターが外力に晒された時にその液体コアを放出するカプセルを提供することで、消費者によって第一の添加剤を制御可能に放出することができる。喫煙物品の使用前または使用中に外力をかけてもよく、これによって添加剤が放出される。壊れやすいカプセルに対する外力により、第一の添加剤がカプセルから逃れ、喫煙物品と相互作用してその特性を、ひいてはそこから導き出された煙を変化させることができる。第一の添加剤は外力がフィルターにかけられた時にのみ放出されるため、これは、例えば保管中に第一の添加剤が移るまたは分解する可能性を低減する。
【0041】
壊れやすいカプセルは、約5ニュートン〜約25ニュートンの範囲の圧潰強度を有してもよい。壊れやすいカプセルは約8ニュートン〜約20ニュートンの範囲の圧潰強度を有するのが好ましく、約11ニュートン〜約17ニュートンの範囲の圧潰強度を有するのがより好ましい。
【0042】
カプセルの圧潰強度は、外側シェルが破壊するまでカプセルに縦方向の負荷を連続的にかけることによって測定される。例えば、測定にはテクスチュロメータを圧縮モードで使用することができる。測定は室温で、そして65%の相対湿度において行われる。カプセルがまさに破断する瞬間にかけられる最大負荷を圧潰強度として採用する。
【0043】
液体コアの容積、従ってシェルの破断に際して放出される液体の量は、約5マイクロリットル〜約45マイクロリットルの範囲であるのが好ましい。液体コアの容積は、約10マイクロリットル〜約20マイクロリットルの範囲であるのがより好ましい。
【0044】
カプセルの液体コアは、その内容物が周囲の環境に曝されるように液体コアを含有するシェルが分裂した時に、単一破裂で「放出される」と考えられる。放出された液体コアの一部は、圧縮力がかけられた結果として破壊されたシェルから直ちに逃れる場合がある。さらに、放出された液体コアの一部は当初破壊されたシェルの中に残るが徐々にシェルの外に移る場合がある。
【0045】
フィルターの長軸方向に直角に測定したカプセルの断面積がフィルターセグメントの断面積の約25%より大きい限り、カプセルは任意の望ましいサイズを有してもよい。例えば、カプセルは直径が約2.5mm〜約4.5mmの球状であってもよく、直径が約3.5mmの球状であるのが好ましい。他の実施形態では、カプセルは直径が約3.0mm〜約4.0mmの球状であってもよい。さらに、一部の他の実施形態では、カプセルは直径が約2.5mm〜約3.5mmの球状であってもよい。小さいカプセルには数多くの製造上の困難が存在する場合がある。一部の実施形態では、フィルターセグメントの断面積の約25%より大きい断面積を持つカプセルを使用することにより、かかる製造上の困難が回避される場合がある。フィルターセグメントに対して相対的により大きいカプセルは、カプセル内に封入された第一の添加剤の量を最大限にし、そして第一の添加剤が風味剤である場合は消費者に対して所望の風味レベルを達成する場合がある。
【0046】
カプセルは任意の好適な形状、例えば、球状、球状体、または楕円体を有する場合がある。しかしながら、カプセルは一般的に球状であるのが好ましい。これは、球形度の値が少なくとも約0.9であるカプセルを含む場合があり、球形度の値はおよそ1であるのが好ましい。球形度は、物体がどれだけ球状であるかの尺度である。定義上、物体の球形度Ψは、任意の物体と同じ容積を持つ球形の表面積のその物体の表面積に対する比であり、以下の方程式によって表される。
Ψ=π1/3・(1/Ap)・(6Vp2/3
式中Vpは物体の容積であり、そしてApは物体の表面積である。
【0047】
従って、完全な球形の球形度の値は1である。一般に球状のカプセルは、一般に球状の外側シェルを備えるのが好ましい。
【0048】
当業者によって理解されるであろうように、カプセルは任意の好適な方法(例えば、同時押出成形によって)に従って製造されてもよい。
【0049】
好ましい実施形態では、喫煙物品の中には単一のカプセルのみが組み込まれる。しかしながら、追加的なカプセルがフィルターの長軸方向に提供されてもよい。同一のフィルターセグメントの中に、または追加的なフィルターセグメントの中に、追加的なカプセルが提供されてもよい。追加的なカプセルがフィルター内に提供される場合、これらは互いに同一または異なる特性を有する場合がある。
【0050】
カプセルは、例えば、薬物送達用のカプセル、液体を封入したカプセル、または他の封入された材料に使用されるものなどの、任意の好適な材料または材料の組み合わせを備える場合がある。一例として、製薬産業で典型的に利用されるカプセルが使用される場合がある。かかるカプセルは、例えばゼラチン系であってもよく、または変性セルロースなどのポリマー材料で形成されてもよい。使用されてもよい1つのタイプの変性セルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。ゼラチンまたは変性セルロースの一方もしくは両方の代わりに、あるいはゼラチンおよび変性セルロースの一方もしくは両方に加えて、外側シェルは多糖類を含んでもよい。
【0051】
カプセルは、風味剤カプセルであるのが好ましい。従って、壊れ得るシェルの中に収容される液体コアは、第一の添加剤として、典型的には室温(22℃)において液体である1つ以上の脂肪と混合した風味剤を含む。
【0052】
風味剤は、喫煙物品の喫煙中に発生する主流煙の味覚を高めるためにカプセル内に液体状で放出可能に配置されるのに好適な任意の風味化合物またはたばこ抽出物を含んでもよい。適切な風味または香料としては、メントール、ミント(ハッカおよびオランダハッカなど)、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果物風味、γ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、およびたばこ風味などが挙げられるが、これらに限定されない。その他の適切な風味としては、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびそれに類するものから成る群から選択される風味化合物が挙げられる場合がある。風味は、ミントまたはメントール風味が最も好ましい。
【0053】
徐放性の液体送達材料は、複数の領域を画定する閉じたマトリクス構造、および第二の添加剤を含有する液体組成物を含む液体送達材料として提供されるのが好ましい。液体組成物は領域内に捕捉され、そして上述のように、例えば、液体送達材料の継続的な圧縮に際して、個別の量で閉じたマトリクス構造から放出可能である。徐放性の液体送達材料の圧縮に際して、添加剤含有液体組成物は、例えば、周囲構造の局所的破損を通して、強制的にマトリクス構造から外に出される。
【0054】
添加剤含有液体組成物は、その領域が周囲環境に開放されるように液体組成物を含有する領域の構造が分裂した時に「放出される」と考えられる。放出された液体組成物の一部は、圧縮力がかけられた結果として徐放性送達材料から直ちに逃れる場合がある。さらに、放出された風味組成物の一部は当初領域の空間の中に残るが、領域構造内の任意の開口部を通して徐々に領域の外に移る場合がある。
【0055】
典型的には、喫煙物品の中で風味送達材料が定位置にある時、消費者による材料の圧縮は領域の一部分の破断の当初の結果をもたらすのみである。従って、領域の残りの部分は、さらに圧縮力がかけられるまで内部に捕捉された添加剤含有液体組成物を閉じたままである。従って、喫煙中の添加剤の多重放出に対して添加剤送達材料を提供するように、領域構造は特に良好に適合される。
【0056】
徐放性送達材料の閉じたマトリクス構造は、複数の領域を画定するネットワークを形成する三次元構造の高分子マトリクスを含む。「領域」という用語は、本明細書全体を通して、以下にさらに記述するように、添加剤含有組成物もしくは区別された領域、または、マトリクス材料の特定の製造プロセスについては、高分子マトリクスの前駆体材料内に分散された添加剤含有組成物の小滴を含む、閉じた穴またはポケットを指すために使用される。添加剤含有液体組成物は、高分子マトリクスによって包囲されかつ封入された複数の個別の領域中の高分子マトリクスを通して分散される。
【0057】
徐放性送達材料の高分子マトリクスは、送達材料が圧縮されるまで添加剤が高分子マトリクスの構造内に実質的に保持されるように、添加剤含有液体組成物を分離する。送達材料の圧縮は、高分子マトリクスの変形をもたらす。かけられた力、変形、または力と変形の両方のレベルが増大するにつれて、マトリクスは徐々に破壊され、領域内に保持されている添加剤含有組成物が放出されるように、領域が破裂し始める。
【0058】
徐放性送達材料の高分子マトリクスは、1つ以上の架橋した多糖類から形成される場合がある。高分子マトリクスの架橋は、多糖類を架橋するための塩橋を形成する多価陽イオンを有する多糖類の反応を通して達成される場合がある。
【0059】
徐放性送達材料は、本発明による喫煙物品の中に様々な異なる形態で提供される場合がある。ある特定の実施形態では、徐放性送達材料はビーズの形態で提供される。ビーズは適切な任意の形状に形成てもよいが、実質的に円筒形または球体であるのが好ましい。
【0060】
徐放性送達材料のビーズの幅は、約1mmより大きくてもよく、約2mmより大きいのが好ましく、そして約3mmより大きいのがより好ましい。別の方法としてまたは追加的に、ビーズの幅は約8mmより小さくてもよく、約6mmより小さいのが好ましく、そして約4mmより小さいのがより好ましい。ビーズの幅は約1mm〜約8mmであるのが好ましく、約2mm〜約6mmであるのがより好ましく、約3mm〜約4mmであるのがさらにより好ましい。
【0061】
徐放性送達材料のビーズの「幅」はビーズの横断断面の最大寸法に対応し、横断断面は、喫煙物品の長軸方向軸に実質的に直角な方向で喫煙物品の中に定置されるビーズを通して取られた断面を指す。実質的に球状のビーズについては、ビーズの幅は、ビーズの直径に実質的に対応する。
【0062】
徐放性送達材料の単一のビーズは、喫煙物品の中に提供される場合があり、あるいは複数のビーズ(例えば、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のビーズ)が提供される場合がある。複数のビーズが提供される場合、ビーズは喫煙物品に沿って間隙を介する場合があり、または喫煙物品の1つ以上の特定の領域(例えば、フィルターの中)に配置される場合がある。当業者であれば、物体をフィルターまたはたばこロッドの中に挿入するための周知の装置および方法を使用して、徐放性送達材料の1つ以上のビーズを本発明による喫煙物品の中に挿入することができることを理解するはずである。
【0063】
あるいは、徐放性送達材料は、喫煙物品の1つ以上の構成成分を形成する材料を通して分散されるストリップまたはフレークの形態であってもよく、または喫煙物品に沿った1つ以上の所望の位置にあってもよい。
【0064】
繰り返しになるがあるいは、徐放性送達材料は、フィルターまたはマウスピースなどの喫煙物品の構成成分の中に導入することができる細長いフィラメントまたは糸状の形態であってもよい。連続的なフィラメントは、製造の間に喫煙物品の構成要素の1つ以上の全長に沿って提供されてもよく、またはフィラメントの個片が1つ以上の構成要素に沿って1つ以上の所望の位置に配置されてもよい。フィラメントは、約1mmより大きい幅を有するのが好ましく、約2mmより大きい幅を有するのが好ましく、約3mmより大きい幅を有するのがより好ましい。別の方法としてまたは追加的に、フィラメントの幅は約8mmより小さくてもよく、約6mmより小さいのが好ましく、そして約4mmより小さいのがより好ましい。フィラメントの幅は約1mm〜約8mmであるのが好ましく、約2mm〜約6mmであるのがより好ましく、約3mm〜約4mmであるのがさらにより好ましい。
【0065】
上述のようにビーズを参照すると、「幅」は、フィラメントの横断断面の最大寸法に対応し、横断断面は、喫煙物品の長軸方向軸に実質的に直角な方向で、喫煙物品の中に定置されたフィラメントを通して取られた断面を指す。
【0066】
Cは、壊れやすいカプセルの直径となるように取られる。DSRは、徐放性送達材料のビーズの幅となるように取られる。DSAは、喫煙物品の直径となるように取られる。DC/DSA比およびDSR/DSA比は、両方とも約0.30〜約0.65であり、DSRおよびDSAは、約2.5mm〜約5mmであるのが好ましい。好ましい実施形態では、喫煙物品の直径DSAは7.85mmであり、壊れやすいカプセルの直径DCは3.5mmであり、徐放性送達材料のビーズの幅DSRは4.2mmである。
【0067】
徐放性送達材料の圧縮により、かけられた力の存在に依存するが、徐放性送達材料で利用可能な液体組成物の容積の約10%〜約50%の範囲の容積が放出されるのが好ましい。
【0068】
液体送達材料が、少なくとも5ニュートンの力の範囲を超えた材料の圧縮に際して液体組成物の徐放性を提供するのが好ましい。
【0069】
液体送達材料が、約1ニュートン〜約40ニュートンの力の範囲を超えた材料の圧縮に際して液体組成物の徐放性を提供するのが好ましい。液体送達材料が、約10ニュートン〜約15ニュートンの力の範囲を超えた材料の圧縮に際して液体組成物の徐放性を提供するのがより好ましい。
【0070】
液体送達材料の各単一の圧縮に際して放出される液体組成物の個別の量は、シェルの破断に際して放出される液体コアの容積より少ないのが好ましい。
【0071】
徐放性の液体送達材料の単一の圧縮に際して放出される液体組成物の個別の量は、約1マイクロリットル〜約10マイクロリットルであるのが好ましい。
【0072】
すべてではないとしてもほとんどの場合は、徐放性の液体送達材料の圧縮または変形に際して呈される重量損失は、材料からの添加剤含有組成物の放出の結果であると仮定される。従って、材料から放出される添加剤含有組成物の量は、徐放性の液体送達材料の圧縮の前後での重量の差異を測定して、徐放性の液体送達材料の全重量中の減少の百分率を計算することによって決定することができる。上記で定義したように、重量損失はあらゆる圧縮を受ける前の徐放性の液体送達材料の初期重量を参照して計算される。
【0073】
ある特定の実施形態では、本発明の喫煙物品の風味送達材料は、圧縮力をかけることなく消極的に低いレベルの風味組成物を経時的に放出する場合がある。例えば、風味送達材料の発生中、少量の風味組成物が風味送達材料内に効果的に捕捉されない場合があり、従って材料の表面上に残る場合がある。従って、この少量の残留風味組成物は、煙との接触のために直ちに利用可能である。このようにして、風味組成物を放出するように風味送達材料を圧縮しなくても、喫煙中に低い基本レベルの風味を提供することができる。風味送達材料の圧縮に際しては同一の風味が維持されるが、強度が増加する。
【0074】
一部の実施形態では、徐放性送達材料の中に収容される第二の添加剤は、壊れやすいカプセルの中に収容される第一の添加剤と同一である。従って、壊れやすいカプセルを破壊して添加剤を単一破裂放出する前または後に徐放性の液体送達材料が添加剤の一部を放出するよう選択的に生じさせることによって、ユーザーは添加剤の主流煙の中への全体的な放出動特性を調整してもよい。
【0075】
他の実施形態では、第二の添加剤は第一の添加剤とは異なる。従って、壊れやすいカプセルを破壊して第一の添加剤を単一破裂放出した後で徐放性の液体送達材料が第二の添加剤の一部を放出するよう選択的に生じさせることによって、ユーザーは、例えば、主流煙と接触するための第一の添加剤と第二の添加剤との混合物を形成してもよく、またはすでに主流煙と相互作用している混合物中の第一の添加剤と第二の添加剤との相対的比率に変化を持たせてもよい。これは第一の添加剤と第二の添加剤とが2つの異なる風味剤である時に特に有利である。
【0076】
徐放性送達材料は、風味放出材料であるのが好ましい。従って、液体組成物の中に収容される第二の添加剤は、典型的には室温(22℃)において液体である1つ以上の脂肪と混合した風味剤である。
【0077】
壊れやすいカプセルを参照して上述したように、風味剤は、添加剤送達システムを収容する喫煙物品の喫煙中に発生する主流煙の味覚を高めるために、カプセル内に液体状で放出可能に配置されるのに好適な任意の風味化合物またはたばこ抽出物を含んでもよい。
【0078】
本発明による喫煙物品は、喫煙物品の構成要素のうちの任意の1つ以上の中に添加剤送達システムを組み込む場合がある。喫煙物品の構成成分または添加剤送達システムを組み込む構成成分の部分は、構成成分の圧縮を通して添加剤送達システムに圧縮力をかけることができるように変形可能であるべきである。
【0079】
添加剤送達システムは、喫煙物品のフィルターまたはマウスピースの中に組み込まれるのが好ましい。周囲のフィルター材料の中に第一の添加剤と第二の添加剤とのどちらかを選択的に放出する目的で、添加剤送達システムに圧縮力をかけるために、フィルターまたはマウスピースを圧縮してもよい。喫煙物品の喫煙中に、添加剤、または液体コアの部分からの添加剤、および添加剤送達システムから放出された添加剤含有液体組成物は、フィルターを通過する煙の中へと送達される。
【0080】
フィルターは、添加剤送達システムを組み込む単一のセグメントで形成された単一のセグメントフィルターであってもよい。あるいは、フィルターは、添加剤送達システムおよび少なくとも1つの追加的なフィルターセグメントを組み込んだ、少なくとも1つのフィルターセグメントを備える複数構成要素フィルターであってもよい。
【0081】
本発明の他の好適な実施形態では、フィルターは少なくとも2つのセグメントを備え、その各々は壊れやすいカプセルと徐放性送達材料とのうちの1つをそれぞれ組み込む。さらに、フィルターは少なくとも1つの追加的なフィルターセグメントを備えてもよい。
【0082】
具体的には、壊れやすいカプセルまたは徐放性送達材料は、酢酸セルローストウなどの繊維質の濾過材料のセグメントの中に組み込まれてもよい。かかる実施形態では、組み立てられたフィルターの中でセグメントの中に構成成分が埋め込まれているように、フィルターセグメントの製造中に繊維質の濾過材料を通して送達システムのどちらかの構成成分が分散されるのが好ましい。フィルターおよびフィルターの中の送達システムのどちらかの構成成分の圧縮に際して、液体コアまたは液体含有添加剤は周囲の繊維質の濾過材料の中に放出される。有利にも、添加剤組成物が1つ以上の液体脂肪などの液体賦形剤を含む風味組成物である場合、送達システムのどちらかの構成成分からの放出に際して、添加剤組成物は繊維質の濾過材料の間に容易に分散される。これによる液体コアまたは液体添加剤含有組成物は、風味剤の煙の中への移動を最適化するために濾過材料の繊維を被覆する。
【0083】
本発明の代替的な実施形態では、添加剤送達システムはフィルターの中のくぼみの中に組み込まれる。例えば、風味送達システムは、2つのフィルタープラグの間のくぼみの中に組み込まれる場合があり、くぼみはフィルターを包囲するフィルターラッパーによって画定される。
【0084】
壊れやすいカプセルまたは徐放性の材料のビーズは、フィルターセグメント内で対称的にまたは非対称的に位置する場合がある。カプセルまたはビーズがフィルター内で対称的に位置する場合、カプセルまたはビーズの中心はフィルターセグメントの上流端と下流端との間の等距離である。
【0085】
フィルターが追加的な要素を含み、かつカプセルまたはビーズの配置がフィルター全体に関して対称的である場合、カプセルまたはビーズの配置は、追加的なフィルター要素の位置および長さに応じて、フィルターセグメントに対して対称的であっても非対称的であってもよい。
【0086】
カプセルまたはビーズがフィルター内で非対称的に位置する場合、カプセルまたはビーズの中心はフィルターセグメントの上流端と下流端との間の等距離には位置しない。例えば、カプセルまたはビーズは、フィルターセグメントの上流三分の一、またはフィルターセグメントの下流三分の一に位置してもよい。フィルターが追加的な要素を含み、かつカプセルまたはビーズの配置がフィルター全体に関して非対称的である場合、カプセルまたはビーズの配置は、追加的なフィルター要素の位置および長さに応じて、フィルターセグメントに対して対称であっても非対称であってもよい。
【0087】
フィルターの中の添加剤送達システムを、フィルターを囲む包装材料の1つ以上の層を通して消費者は見ることができる場合がある。フィルター材料を見ることができるフィルターを提供するための好適な配置は、当業者には既知であろう。
【0088】
繊維質のフィルタートウ、くぼみフィルターセグメント、管状フィルターセグメント、および流量制限器セグメントを含むがこれに限定されない、様々な好適なフィルターセグメントが、当業者には周知であろう。フィルターセグメントのうちの1つ以上は、追加的な風味材料、吸収材材料、または風味材料と吸収材材料との組み合わせを備える場合がある。
【0089】
(フィルターセグメントまたは任意の追加的なフィルター要素の)フィルター材料は、任意の好適な材料(複数可)を含む場合がある。好適な材料の例としては、酢酸セルロース、セルロース、再生セルロース、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリプロピレン、紙、熱可塑性物質(澱粉などの)、不織布材料、およびその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の材料をオープンセル構造に形成してもよい。フィルター材料は酢酸セルローストウを含むのが好ましい。
【0090】
フィルターは、フィルターセグメントの中またはフィルターに組み込まれた1つ以上の追加的な要素の中のどちらかに追加的な材料を含んでもよい。例えば、追加的な材料をフィルターセグメントの繊維質のフィルタートウに組み込んでもよく、追加的なフィルター要素に組み込んでもよい。例えば、フィルターは吸収材材料を含んでもよい。「吸収材」という用語は、吸着剤、吸収材、またはこれらの両方の機能を遂行する場合がある物質を指す。吸収材材料は活性炭を含んでもよい。吸収材を、カプセルが埋め込まれたフィルターセグメントの中に組み込んでもよい。しかしながら、吸収材をフィルターセグメントの上流の追加的なフィルター要素の中に組み込むのがより好ましい。別の方法としてまたは追加的に、フィルターは接着剤、可塑剤または風味放出剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0091】
フィルター、追加的な添加剤送達システムが埋め込まれているフィルターセグメント、または追加的なフィルター要素のいずれかの中に吸収材材料(活性炭炭素などの)が提供されている場合、追加的な添加剤送達システムは吸収材材料の下流であるのが好ましい。かかる配置によって、吸収材による喫煙物品の濾過を有効化することができ、吸収材による吸収または吸着による液体添加剤(複数可)の有効性に影響を受けることなく、液体添加剤(複数可)をフィルターの中に放出することができるようになる。
【0092】
本発明によるフィルターは、フィルター紙巻たばこ、およびたばこ材料が燃焼されて煙を形成する他の喫煙物品で有利にも使用される場合がある。従って、紙巻たばこは、典型的にはたばこロッドであるたばこを含有する部分とフィルターとの2つの部分を含む。チッピングペーパーは典型的には、フィルターを包囲し、これは紙巻たばこの口側の端を形成する。チッピングペーパーは、フィルターとたばこロッドとを一緒に保持するために、たばこロッドと重なる。たばこロッドは典型的には、たばこを中に包む紙ラッパーを含み、接着剤が紙ラッパーの継ぎ目を一緒に保持する。たばこロッドは、フィルターに取り付けられる第一の端と、たばこの喫煙のために点火または加熱される第二の端とを有する。喫煙のためにたばこロッドが点火または加熱されると、煙は下流の点火側の端からたばこロッドのフィルター端へ、そしてさらにフィルターを通って下流へと移動する。
【0093】
チッピング材料は、チッピング材料を貫通する穿孔を含む換気ゾーンを含んでもよい。換気の度合いは約40%を超えるのが好ましく、約60%を超えるのがより好ましく、約80%を超えるのがさらにより好ましい。換気の度合いは約95%未満であるのが好ましく、約90%未満であるのがより好ましく、約85%未満であるのがさらにより好ましい。換気の度合いは約60%〜約95%であるのが好ましく、約70%〜約90%であるのがより好ましく、約80%〜約85%であるのがさらにより好ましい。換気度のレベルが高い喫煙物品のRTDレベルは、消費者にとって許容可能と考えるには低すぎる場合がある。しかしながら、その断面積が比較的大きいことから、フィルター内に埋め込まれた添加剤送達材料を追加することで結果的にRTDがより大きくなり、フィルターのRTDレベルが望ましいものとなる場合がある。高い換気度とともに使用した場合、添加剤送達材料はRTDを高めることができ、一方で主流煙の粒子相の成分とガス相の成分の両方が減少する。
【0094】
チッピング材料は、主流煙の換気を提供するために少なくとも1列の穿孔を含んでもよい。フィルターがフィルターラッパーを含む場合、穿孔はフィルターラッパーを通って延びるのが好ましい。あるいは、フィルターラッパーは透過性であってもよい。チッピング材料は標準的な予め穿孔されたチッピング材料であってもよい。あるいは、チッピング材料は、(例えば、レーザーを使用して)製造プロセス中に、穿孔の所望の数、サイズ、および位置に従って穿孔されてもよい。穿孔の数、サイズ、および位置は、所望の換気レベルを提供するために選択される場合がある。
【0095】
ある特定の好適な実施形態では、壊れやすいカプセルと徐放性送達材料との間に少なくとも1つの列の穿孔が提供される。製造プロセスを単純化する場合があるため、添加剤送達システムの各構成成分が明らかに異なるフィルターセグメントの中に埋め込まれる実施形態ではこれは特に有利である。
【0096】
あるいは、壊れやすいカプセルおよび添加剤送達システムの両方の上流に少なくとも1列の穿孔が提供されてもよい。これは、有利にも、液体添加剤が放出された後で液体添加剤が穿孔から漏れ出る可能性を減少させる。
【0097】
少なくとも1列の穿孔は、フィルターの口側の端の少なくとも約10mm上流とするのが好ましい。少なくとも1つの円周列の穿孔は、保持要素の少なくとも約12mm上流とするのがより好ましい。
【0098】
本発明による喫煙物品の全長は、約70mm〜約128mmとするのが好ましく、約84mmとするのがより好ましい。
【0099】
本発明による喫煙物品の外径は約5mm〜約8.5mmとするのが好ましく、スリムサイズの喫煙物品に対しては約5mm〜約7.1mm、または通常サイズの喫煙物品に対しては約7.1mm〜約8.5mmとするのがより好ましい。
【0100】
本発明による喫煙物品のフィルター全長は、約18mm〜約36mmであるのが好ましく、約27mmであるのがより好ましい。
【0101】
本発明による喫煙物品は容器(例えば、ソフトパックまたはヒンジ付リッドパック)の中にパッケージ化されていてもよい。
【0102】
本発明の実施形態による喫煙物品の概略的な斜視図である添付図1を参照して、本発明を一例としてのみさらに説明する。
【0103】
図1の参照番号100は、本発明の実施形態による喫煙物品を識別する。喫煙物品100は、一般的に円筒状のたばこロッド101および一般的に円筒形のフィルター102を含む。たばこロッド101およびフィルター102は端と端が接した関係で軸方向に整列されており、互いに当接するのが好ましい。たばこロッドは、喫煙材料を囲む外側ラッパー103を含む。外側ラッパー103は多孔性の包装材料または紙ラッパーであってもよい。たばこは細かく切られたたばこであるか、またはたばこカットフィラーであるのが好ましい。たばこロッド101は上流の点火側の端104と下流端105とを有する。フィルター102は上流端106と下流の口側の端107とを有する。フィルター102の上流端106は、たばこロッド101の下流端105と隣接している。
【0104】
フィルター102は、フィルター102の全長およびたばこロッド101の隣接した領域を囲むチッピング材料108によって、たばこロッド101に取り付けられる。明確にするために、チッピング材料108は、図1では喫煙物品から部分的に取り外された状態で示される。チッピング材料108は典型的には紙様の製品である。しかし、任意の好適な材料を使用することができる。この実施形態では、チッピング材料108は、フィルター102と整列させた穿孔109の円周列を含む。穿孔は、主流煙の換気のために提供される。
【0105】
本明細書では、喫煙物品の構成要素間の「上流」および「下流」という相対的な位置は、主流煙がたばこロッド101から、およびフィルター102を通して引き込まれた時の主流煙の方向に関連して記述される。
【0106】
フィルター構成要素102は、第一のセグメント1021と、第一のセグメント1021の上流の第二のセグメント1022とを備える。第一のセグメント1021の長さは12mmである。第二のセグメント1022の長さは15mmである。第一のセグメント102aは液体コアを含有する壊れやすいシェルを備える種類の壊れやすいカプセル110を組み込む。圧力によってシェルを破壊して液体コアを単一破裂放出することができる。この実施形態では、壊れやすいカプセルは、20マイクロリットルの液体コアを収容する。より詳細には、液体コアは、第一の添加剤として液体風味剤(例えば、「ミント」の風味剤)を収容する。フィルター構成要素102の口側の端と壊れやすいカプセル110との間の距離は7.5mmである。
【0107】
第二のセグメント1022は液体組成物を含む徐放性の液体送達材料111を組み込む。この実施形態では、徐放性の液体送達材料は、10マイクロリットルの液体組成物を収容するマトリクスビーズとして提供される。より詳細には、液体組成物は、液体風味剤を第二の添加剤として収容する。第二の添加剤は、第一の添加剤とは異なる(例えば、「花」の風味剤)。フィルター構成要素102の口側の端と徐放性の液体送達材料111との間の距離は21mmである。
【0108】
喫煙物品100の直径は約7.85mmである。壊れやすいカプセル110の直径は約4.2mmである。マトリクスビーズ111の直径は約3.5mmである。
【0109】
液体送達材料の圧縮に際して、液体組成物は個別の量で液体送達材料111から放出可能である。従って、使用時に第一の風味剤と第二の風味剤との混合物が選択的に形成されて主流煙に接触する場合がある。さらに、混合物中の第一の風味剤と第二の風味剤との相対的な比率は、選択的に調整される場合がある。
【0110】
壊れやすいカプセルの中の液体コアは、少なくとも約5ニュートン〜約25ニュートンの力を用いた壊れやすいカプセルの圧縮に際して放出される。圧縮の後、喫煙中に煙がフィルターを通過するのに伴い「ミント」の風味剤を主流煙の中に放出するために使用できるようになる。
【0111】
約1ニュートン〜約40ニュートンの力を用いた材料の圧縮に際して、徐放性送達材料の中の液体組成物が放出される。圧縮の後、喫煙中に煙がフィルターを通過するのに伴い「花」の風味剤を主流煙の中に放出するために使用できるようになる。徐放性送達材料から放出される「花」の風味組成物の量はかけられた圧縮力に依存し、これによりフィルターにかけられる圧力の制御を通して風味強度を制御することができる。徐放性送達材料を、主流煙の中への「花」の風味の別個の放出を生じるために、喫煙の前または喫煙中、および壊れやすいカプセルの効果的な圧縮の前または後の1回以上、圧縮することができる。両方の風味剤が同時に放出される場合、主流煙は、まずマトリクスビーズから放出された第二の風味剤と接触し、そして引き続いて壊れやすいカプセルから単一破裂で放出された第一の風味剤と接触する。
【0112】
実施例は、第一の添加剤と第二の添加剤との組み合わせられた放出がどのように主流煙の特性に衝撃を与える場合があるか、また従って喫煙中のユーザーの味覚認識が、以下に詳細に例示される。
【0113】
実施例1
本発明による喫煙物品は、図1に示される本発明の第一の実施形態によって組み立てられる。壊れやすいカプセルは、MCTオイル中に10:90(w:w)の質量比で希釈した20マイクロリットルの「ミント」の風味剤を収容した。マトリクスビーズは、MCT中に10:90(w:w)の質量比で希釈した10マイクロリットルの「フレッシュ」な風味剤を収容した。「ミント」の風味剤組成物は、主にメントールを含有している。一方で、「フレッシュ」の風味剤組成物は、「クール」な芳香ノートを増やすように投与された他の風味付与剤および風味強化剤とメントールとの組み合わせを含有している。
【0114】
壊れやすいカプセルによって送達された風味の破裂に際してマトリクスビーズから放出される風味剤の容積の影響は、訓練を積んだパネリストおよびフレーバリストにノートの方向性および味覚などの官能的特性を記述させることによって評価された。
【0115】
壊れやすいカプセルが破断した後、ミント風、グリーン、そしてハーブの雰囲気が識別され、フレッシュでクールな感覚が知覚された。
【0116】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の10%〜50%の容積の「フレッシュ」風味が送達された時、識別されたミント風およびグリーンなノートはより低下し、一方で、フレッシュでクールな感覚の強度が増えた。
【0117】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の60%〜100%の容積の「フレッシュ」な風味が送達された時、メントール、フレッシュ、およびクールな感覚の強度が増え、ミント風のノートは消された。
【0118】
理論に束縛されるものではないが、実施例1は、マトリクスビーズから放出された風味剤が壊れやすいカプセルから放出された風味剤と組み合わされて、消費者に全体的な香りの方向性を修正させ(壊れやすいカプセルの中に収容される第一の風味剤に組み込まれたミント風ノートが漸進的に減る)、しかし感知される感覚も修正させる(クールな/フレッシュな感覚が漸進的に増える)ことを例示する。
実施例2
【0119】
本発明による喫煙物品は、図1に示される本発明の第一の実施形態によって組み立てられる。壊れやすいカプセルは、MCTオイル中に10:90(w:w)の質量比で希釈した20マイクロリットルの「ミント」の風味剤を収容した。マトリクスビーズは、MCT中に10:90(w:w)の質量比で希釈した10マイクロリットルの「シトラスミント」の風味剤を収容した。「ミント」の風味剤組成物は、主にメントールを含有している。一方で、「フレッシュ」の風味剤組成物は、一般的にベルガモットおよび他の柑橘系オイルに組み込まれるものなどのような、グリーンで柑橘系のノートを保持する他の風味付与剤および風味強化剤のメントールとの組み合わせを含有している。
【0120】
壊れやすいカプセルによって送達された風味の破裂に際してマトリクスビーズから放出される風味剤の容積の影響は、訓練を積んだパネリストおよびフレーバリストにノートの方向性および味覚などの官能的特性を記述させることによって評価された。
壊れやすいカプセルが破断した後、ミント風、グリーン、そしてハーブの雰囲気が識別され、フレッシュでクールな感覚が知覚された。
【0121】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の10%〜50%の容積の「シトラスミント」の風味が送達された時、ミント風、グリーン、およびいくらか柑橘系のノートが組み合わせられ、香りの方向性に変化を誘発する。さらに、フレッシュでクールな感覚強度が増えた。
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の60%〜100%の容積の「シトラスミント」の風味が送達された時、クールな感覚が大幅に増えるとともに柑橘系およびミント風のノートが感知された。
【0122】
理論に束縛されるものではないが、実施例2は、マトリクスビーズから放出された風味剤が壊れやすいカプセルから放出された風味剤と組み合わされて、消費者が選択した元の風味(カプセルの風味の中にすでに存在するミント風のノートおよびフレッシュなノートが、マトリクスビーズから放出された第二の風味剤を用いて放出された芳香化合物によって「押し上げ」られた)のいくつかの香りのノートを高めることができるようにすることを例示する。
実施例3
【0123】
本発明による喫煙物品は、図1に示される本発明の第一の実施形態によって組み立てられる。壊れやすいカプセルは、MCTオイル中に10:90(w:w)の質量比で希釈した20マイクロリットルの「ミント」の風味剤を収容した。マトリクスビーズは、MCT中に10:90(w:w)の質量比で希釈した10マイクロリットルの「ジャスミン」の風味剤を収容した。「ミント」の風味剤組成物は、主にメントールを含有している。一方で、「ジャスミン」の風味剤組成物は、メントール以外の風味付与剤および風味強化剤を含有しており、そして一般的に切ったばかりの花(草花または樹木の花)(ジャスミンなどの)を組み込んだものなどの花の雰囲気を持っている。
【0124】
壊れやすいカプセルによって送達された風味の破裂に際してマトリクスビーズから放出される風味剤の容積の影響は、訓練を積んだパネリストおよびフレーバリストにノートの方向性および味覚などの官能的特性を記述させることによって評価された。
壊れやすいカプセルが破断した後、ミント風、グリーン、そしてハーブの雰囲気が識別され、フレッシュでクールな感覚が知覚された。
【0125】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の10%〜50%の容積の「ジャスミン」の風味が送達された時、花の、ジャスミン系の、甘い、およびミント風の雰囲気が感知された。
【0126】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の60%〜100%の容積の「ジャスミン」の風味が送達された時、花のノートの大幅な増加が識別され、そして次第にフレッシュでかつクールな感覚が感知された。
【0127】
理論に束縛されるものではないが、実施例3は、マトリクスビーズから放出された風味剤が壊れやすいカプセルから放出された風味剤と組み合わされて、消費者が実質的に組み合せられた2つの風味の追加/混合である新しい風味を作り出せるようになることを例示する。
実施例4
【0128】
本発明による喫煙物品は、図1に示される本発明の第一の実施形態によって組み立てられる。壊れやすいカプセルは、MCTオイル中に10:90(w:w)の質量比で希釈した20マイクロリットルの「コーヒー」の風味剤を収容した。マトリクスビーズは、MCT中に10:90(w:w)の質量比で希釈した10マイクロリットルの「ココア」の風味剤を収容した。「コーヒー」の風味剤組成物は、フレーバリストが焙煎したてのコーヒーまたは淹れたてのコーヒーの香りを一般的に連想するような風味付与剤を含有している。一方で、「ココア」の風味剤組成物は、「コーヒー」の組成物以外の風味付与剤を含有しており、フレーバリストがチョコレート独特のおよびココア独特のものと定義したノートを持っている。
【0129】
壊れやすいカプセルが破断した後、コーヒーの、土の、ナッツの雰囲気が識別された。
【0130】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の10%〜50%の容積の「ココア」の風味が送達された時、コーヒーの、ナッツの、土の、およびクリームのノートの強度が増えた。
【0131】
マトリクスビーズが圧縮されてMCT中の60%〜100%の容積の「ココア」の風味が送達された時、コーヒーの、ココアの、カプチーノの、クリームの雰囲気が識別され、結果として新しい香りの認知がもたらされた。
【0132】
理論に束縛されるものではないが、実施例4は、マトリクスビーズから放出された風味剤が壊れやすいカプセルから放出された風味剤と組み合わされて、消費者が2つの区別される基本的な風味の相乗効果である組み合わせられた完全に新しい風味を実質的に作り出すことができるようにすることを例示する。
図1