特許第6646670号(P6646670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646670
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】自動車ドア用ラッチ
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/06 20140101AFI20200203BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   E05B77/06 Z
   B60J5/00 M
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-529673(P2017-529673)
(86)(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公表番号】特表2017-538879(P2017-538879A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2015077611
(87)【国際公開番号】WO2016091587
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】14306994.6
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516364120
【氏名又は名称】ユーシン、フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デブルク フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラミドン セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ドゥリエ ローラン
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−081878(JP,U)
【文献】 特開2014−156748(JP,A)
【文献】 特開2011−026780(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0261602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ドア(2)用のラッチ(1)であって、
可動制御手段(13)と、
上記ドア(2)の開放を可能とする該ドア(2)の開放レバー(15)であって、上記制御手段(13)に固定ゾーン(19)で固定されて回転軸(18)回りに回動可能でありかつ上記制御手段(13)の移動中に回転駆動されるカム(17)を有する開放レバー(15)と、
ブロッキング手段(21)であって、該ブロッキング手段(21)が上記カム(17)をブロックする積極ブロッキング位置と、上記ブロッキング手段(21)が上記カム(17)とカムプロファイル(25)において接触して該カム(17)の運動を許容する休止位置とを取るように構成されたブロッキング手段(21)と、
上記ブロッキング手段(21)を上記カムプロファイル(25)に対して押し付けるように構成された弾性戻し手段(23)とを備え、
上記カムプロファイル(25)は、上記カム(17)がその軸(18)回りに上記ドア(2)の開放方向に向かって所定の閾値よりも大きな加速を伴って回動するときに、上記ブロッキング手段(21)を上記休止位置から上記積極ブロッキング位置に移動させるように構成された傾斜ブレーク(15a)を有する
ことを特徴とするラッチ。
【請求項2】
請求項1において、
上記ラッチ(1)の固定構造(53)は、上記ブロッキング位置にある上記ブロッキング手段(21)の一部を受けるように構成された弾性ストッパ(51)を有する
ことを特徴とするラッチ。
【請求項3】
請求項2において、
上記弾性ストッパ(51)は、上記ブロッキング手段(21)が上記ブロッキング位置から上記休止位置に戻るのを可能とするために変形するように構成されている
ことを特徴とするラッチ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
上記カム(17)は、上記ブロッキング手段(21)の一部(33)を受けることのできる補強部(31)を有する
ことを特徴とするラッチ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
上記ブロッキング手段(21)は、上記カム(17)の回転軸(18)と実質的に平行な回転軸(38)回りに回動可能である
ことを特徴とするラッチ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、
上記弾性戻し手段(23)は、ばねであり、該ばねの回転軸は、上記ブロッキング手段(21)の回転軸(38)と実質的に同一であるか該ブロッキング手段の回転軸から偏心している
ことを特徴とするラッチ。
【請求項7】
請求項6において、
上記ばねは、上記ラッチ(1)の固定部材(61)に固定された第1端部(23a)と、上記ブロッキング手段(21)に固定された第2端部(23b)とを有する
ことを特徴とするラッチ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
上記ブロッキング手段(21)は、上記休止位置において上記カム(17)と常時接触しており、
上記ドアの開放方向への上記カム(17)の回動は、上記弾性戻し手段(23)を圧縮し、かつ上記カム(17)と上記ブロッキング手段(21)との間の接触を断つことなく該ブロッキング手段(21)の回動を生じさせるように構成されている
ことを特徴とするラッチ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項において、
上記閾値は、上記弾性戻し手段(23)の剛性および上記カム(17)の質量によって定められる
ことを特徴とするラッチ。
【請求項10】
ドア(2)と、該ドア(2)を開閉する請求項1〜9のいずれか1項に記載のラッチ(1)とを備えた自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ドア用ラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ラッチは、自動車のドアに取り付けられるものであって、典型的には、ドアの閉塞を確保するために自動車の構造体に固定された受座回りに旋回するボルトを備えている。ドアの開放は、逆方向へのボルトの回転によって実行される。通常の使用状態において、「ドアの開放方向」と呼ばれる逆方向への回転は、外側開放レバーと呼ばれる開放レバーに当該開放レバーを旋回させるために作用する制御手段によるラッチに接続された外側ハンドルの変位によって行われ、当該開放レバーによってフック装置を介して所望の方向にボルトがゆるめられる。
【0003】
しかしながら、側突時には、ドアに作用する慣性力が、制御手段に引張力を及ぼし、また開放レバーに作用し、ラッチを開かせてドアを開放するかも知れない。
【0004】
これを回避するために、衝撃を受けても動かないか、または動きの影響を抑えるように構成されたラッチが存在する。よって、例えばばねのような抵抗力によってまたはブロッキングによって運動連鎖をブロックする解決策が提示されている。この最後の解決策は、さまざまな衝撃系統に関するラッチのより優れた堅牢性を可能とする。
【0005】
ラッチのブロッキングは、この最後のケースにおいて、一時的または永続的な慣性運動に続き、衝撃前の状態に戻る可能性を伴った変形を生み出す外部障害物によってなされてもよい。
【0006】
外部障害物によるブロッキングは、典型的には、ドアの変形によって介入するシステムによってなされる。変形が閾値よりも大きい場合、したがって開放連鎖の動きをブロックする外部障害物が存在する。
【0007】
ブロッキング命令は、典型的には、車両の板金の変形に由来する。この板金の変形は、ラッチまたは板金ワークショップに属する障害物を外側開放レバーに向けて位置させるだろう。レバーがラッチの開放に直接介入すると、当該ラッチは開放されないかも知れない。
【0008】
しかしながら、そのようなシステムは、ドア形状への適応、当該ドアの変形、ハンドルの動きへの鈍感性、および衝撃後のドアの開放不能性を必要とする。
【0009】
ラッチの異常加速に反応するシステムによって生じる慣性運動による一時的なブロッキングが存在する。加速の値および振幅が閾値より大きい場合、開放をブロックするためまたは当該運動を解除するためにコネクティングロッドが移動させられる。
【0010】
これらの設計では、ばねを有するロックくさびが典型的には外側開放レバーに留められる。当該くさびは、当該レバーの動作中、慣性力によって側方に移動する。シュートが、くさびを受け止め、外側開放レバーが作動されている間はくさびが再び落ちるのを防止する。外側開放レバーが作動不能であるため、開放はない。これらの設計では、衝撃発生後にリセットすることが可能である。くさびは、開放レバーが休止位置に戻ると、その初期位置に戻る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このシステムは衝撃についての十分な知識、特に衝撃時のハンドルの挙動および調節動作の特定の同調についての知識を必要とする。
【0012】
本発明の目的は、自動車用ラッチであって、単数または複数のいずれであっても、従来技術の欠点を伴うことなく、自動車事故においてラッチに作用する慣性力の影響下において外側または内側開放を防止する一方、慣性力が再びゼロになったら当該ラッチの再開放を許容する自動車用ラッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明の主題は、自動車ドア用のラッチであって、可動制御手段と、上記ドアの開放を可能とする該ドアの開放レバーであって、上記制御手段に固定ゾーンで固定されて回転軸回りに回動可能でありかつ上記制御手段の移動中に回転駆動されるカムを有する開放レバーと、ブロッキング手段であって、該ブロッキング手段が上記カムをブロックする積極ブロッキング位置と、上記ブロッキング手段が上記カムとカムプロファイルにおいて接触して該カムの運動を許容する休止位置とを取るように構成されたブロッキング手段と、上記ブロッキング手段を上記カムプロファイルに対して押し付けるように構成された弾性戻し手段とを備え、上記カムプロファイルは、上記カムがその軸回りに上記ドアの開放方向に向かって所定の閾値よりも大きな加速を伴って回動するときに、上記ブロッキング手段を上記休止位置から上記積極ブロッキング位置に移動させるように構成された傾斜ブレークを有することを特徴とするラッチである。
【0014】
本発明のラッチは、よって、開放レバーが受ける加速を介してラッチが受ける慣性力の関数としてのドアの有効なブロッキングを可能とする。よって、本発明のラッチの開放は、所定の閾値を上回る横向き衝撃に追従する開放レバーの動きに対して回避される。
【0015】
そのようなブロッキングシステムは、有利なことに、ドアの形状から独立し、運動連鎖に対してストレスを生じさせず、繊細な調節を必要とせず、また幾何学的制約から独立している。
【0016】
好ましい実施形態によると、本発明に係る自動車用ラッチは、次の特徴のうち1つまたは複数を単独であるいは組み合わせて有する。
【0017】
すなわち、上記ラッチの固定構造は、上記ブロッキング位置にある上記ブロッキング手段の一部を受けるように構成された弾性ストッパを有するか、
上記弾性ストッパは、上記ブロッキング手段が上記ブロッキング位置から上記休止位置に戻るのを可能とするために変形するように構成されているか、
上記カムは、上記ブロッキング手段の一部を受けることのできる補強部を有するか、
上記ブロッキング手段は、上記カムの回転軸と実質的に平行な回転軸回りに回動可能であるか、
上記弾性戻し手段は、ばね、特に渦巻ばねであり、該ばねの回転軸は、上記ブロッキング手段の回転軸と実質的に同一であるか該ブロッキング手段の回転軸から偏心しているか、
上記ばねは、上記ラッチの固定部材に固定された第1端部と、上記ブロッキング手段に固定された第2端部とを有するか、
上記ブロッキング手段は、上記休止位置において上記カムと常時接触しており、上記ドアの開放方向への上記カムの回動は、上記弾性戻し手段を圧縮し、かつ上記カムと上記ブロッキング手段との間の接触を断つことなく該ブロッキング手段の回動を生じさせるように構成されているか、
上記閾値は、上記弾性戻し手段の剛性および上記カムの質量によって定められる。
【0018】
本発明の主題は、また、ドアと、該ドアを開閉するラッチとを備えた自動車である。
【0019】
別の利点および特徴は、例示によって与えられる発明の説明ならびに添付の図面から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、横向き衝撃を受けた車両の平面図である。
図2図2は、本発明のラッチの実施形態の正面図である。
図3a図3aは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図3b図3bは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図3c図3cは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図3d図3dは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図3e図3eは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図3f図3fは、側突後における図2の実施形態の正面図である。
図4図4は、図2の実施形態の概略断面図である。
図5図5は、図2の実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のラッチは、2タイプの開放レバー、すなわち中間開放レバーおよび外側開放レバーを備えている。外側開放レバーは、例えばボーデンケーブルのようなケーブルまたはロッドを介して外側ハンドルに接続されており、中間開放レバーは、自動車の車内に設けられた他の運動連鎖部材、例えば内側ハンドルを介して接続されている。
【0022】
図1に示すように、本発明のラッチ1は、自動車における任意のタイプのドア、特に横ドア2を開けるために適用される。
【0023】
この図1では、横向き衝撃の一例が、自動車5の主軸4に対して実質的に垂直な方向3に沿って示されている。当該衝撃は任意の種類の部材、この例では自動車6によって生じてもよい。そのような衝撃は、ハンドルに対して、ロッドまたはケーブルが引かれる一つまたは複数の段階を含む振動運動において当該ハンドルを開く方向に作用し、それによりラッチ1の開放が生じる。
【0024】
図2図5に概略的に示すように、当該ラッチ1は、可動制御手段13と、回転軸18回りに回動可能であって可動制御手段13に固定ゾーン19で固定されかつ制御手段13の移動中に回転駆動されるカム17を含むドア2の開放を可能とするドア2の開放レバー15と、特に制御手段の固定ゾーン19の近くに設けられたブロッキング手段21であって、当該ブロッキング手段21が上記カム17をブロックする積極ブロッキング位置と、当該ブロッキング手段21がカム17と接触して当該カム17の運動を許容する休止位置とを取るように構成されたブロッキング手段21と、当該ブロッキング手段21をカムプロファイル17に対して押し付けるように構成された弾性戻し手段23とを有するブロッキングシステムを備え、カムプロファイル25は、カム17がその軸18回りにドア2の開放方向に向かって所定の閾値よりも大きな加速を伴って回動した場合にブロッキング手段21を休止位置から積極ブロッキング位置に移動させるように構成された傾斜ブレーク15aを有する。
【0025】
よって、本発明によると、ブロッキング手段21は、カム17が受ける加速に比例する開放レバー15が受ける慣性力の関数としてトリガされる。トリガリングは所定の閾値によってコントロールされる。
【0026】
上記閾値は、弾性戻し手段23の剛性およびカム17の質量によって定められてもよい。
【0027】
シンプルかつ有効な態様では、開放レバー15のブロッキングは、制御手段13に十分な引張力を及ぼす衝撃の間になされる。
【0028】
開放レバー15は、制御手段13、例えばロッドまたはこの例では「ボーデンケーブル」と呼ばれるケーブルを介してユーザによって作動され得るドア2の外側ハンドルに接続されている。制御手段13は、当該制御手段13に作用が働かない位置に対応する休止位置と、本発明のラッチ1の開放を生じさせる当該制御手段13、特にケーブルの引張りを生じさせるユーザによってドア2の外側ハンドルが引かれる位置に対応するドアの積極開放位置との間を移動可能である。
【0029】
図2に示すように、開放レバー15は、制御手段13に引張力が作用したときに回転軸18回りに回転できるカム17を有する。
【0030】
この目的のために、カム17は、制御手段13の移動に伴って回転駆動されるように、固定ゾーン19で当該制御手段13に固定されている。固定ゾーン19は、拡張ゾーンまたは厳密ゾーンであってもよい。図示の実施形態によると、固定ゾーン19はカムの突起部24に位置している。
【0031】
図示の実施形態によると、制御手段13は、突起部24を通ってハウジング26に挿入されている。突起部24に挿入された端部27は、カムの回転軸18と実質的に平行な軸に沿ってハウジング26から現れる。よって、ドア2の開放方向において制御手段13に引張力が作用する場合、カム17は固定ゾーン19を介してその回転軸18回りに回転駆動される。
【0032】
カム17は、また、当該カム17がその回転軸18回りにドア2の開放方向に向かって回動するときに、ブロッキング手段21を休止位置から積極ブロッキング位置に移動させるように構成されたカムプロファイル25を有する。
【0033】
カムプロファイル25は、ブロッキング手段21のブロッキング位置から休止位置への切替えを可能とするための傾斜ブレークを有していてもよい。ここで、「傾斜ブレーク」の語は、非ゼロ角度を形成する少なくとも2つのマスター平面を伴う表面を有するカムプロファイルを意味する。
【0034】
図示の実施形態によると、カムプロファイル25は、カム17の中心に対して実質的にくぼんだ形状を有する。
【0035】
カム17は、また、ブロッキング手段の一部33を受けることのできる補強部31を有していてもよい。補強部33は、本発明のラッチの製造を簡略化できるように、カムプロファイル25と連続形成されていてもよい。
【0036】
ブロッキング手段21は、制御手段の固定ゾーン19の近くに設けられていて、当該ブロッキング手段21が上記カム17をブロックする積極ブロッキング位置と、当該ブロッキング手段21がカム17と接触して当該カム17の運動を許容する休止位置とを取るように構成されている。ブロッキング手段21は、カムの回転軸18と実質的に平行な回転軸38回りに回転可能であってもよい。
【0037】
ブロッキング手段21は、当該ブロッキング手段21が休止位置にある場合であって、開放レバー15が受ける所定の閾値よりも大きな加速の影響下での休止位置から積極ブロッキング位置への切替え開始時に、カムプロファイル25に追従するように構成された突出部41を有していてもよい。突出部41は、有利には、休止位置においておよび休止位置から積極ブロッキング位置への切替え開始時にカムプロファイル25の輪郭により良好に追従するために弾性を有していてもよい。
【0038】
ブロッキング手段は、一体形成されていてもいなくてもよい。よって、突出部は、ブロッキング手段と同じ材料で作られていてもよいし、ブロッキング手段に取り付けられていてもよい。
【0039】
ブロッキング手段21は、例えばプラスチック材料、鋼またはザマック(登録商標)といった適切な材料で作られている。
【0040】
ブロッキング手段21は、休止位置においてブロッキング手段とカム11との間の常時の接触を確保するために当該ブロッキング手段21をカムプロファイル17に対して押し付けるように構成された弾性戻し手段23と関連付けられている。弾性戻し手段23はトーションばね、特にその回転軸がブロッキング手段の回転軸38と実質的に同一であるかまたは当該軸38に対して実質的に偏心している渦巻ばねであってもよい。
【0041】
渦巻ばねは、ラッチの固定部材61に固定された第1端部23aと、カムプロファイル25に支持されたブロッキング手段を駆動するようにブロッキング手段21に固定された第2端部23bとを有する。
【0042】
この目的のために、端部23bは、ブロッキング手段21の内部またはその表面に形成されたキャビティを通っていてもよい。
【0043】
本発明のラッチ1の固定構造は、ブロッキング位置にあるブロッキング手段の一部53を受けるように構成された弾性ストッパ51を有していてもよい。弾性ストッパは、したがって、ブロッキング手段をブロッキング位置に保持することを可能とする。
【0044】
上記弾性ストッパ51は、ブロッキング手段21がブロッキング位置から休止位置に戻るのを許容するべく変形するように構成されている。
【0045】
ブロッキング手段21がブロッキング位置から休止位置に切り替わるようにストッパ51を変形させるためには、当該ストッパ51に作用する力が所定の閾値よりも大きい必要がある。そのような力は、制御手段13に作用する引張力に対応していてもよい。
【0046】
よって、振動局面におけるカム17の解除およびドア2の開放が防止される。
【0047】
弾性ストッパ51は、カム17と、休止位置およびカム11のブロッキング位置にあるブロッキング手段21との移動を妨げないように構成されている。
【0048】
弾性ストッパは、例えばプラスチック材料、特にアセタール樹脂やポリアミドのような適当なフレキシブル材料で作られている。
【0049】
不図示の変形例によると、ブロッキング手段は、カムの部材であって、ブロッキング手段をブロッキング位置においてブロックしかつカムがその軸回りにブロッキング手段を休止位置に向けて解放するようにドアの開放方向に回動するときに弾性変形する部材によって直接的にブロッキング位置においてブロックされてもよい。
【0050】
休止位置では、ブロッキング手段12はカムと常時接触しており、そのためドアの開放方向へのカムの回動は、カム17とブロッキング手段21との間の接触を断つことなく弾性戻し手段を圧縮する。これにより休止位置においてブロッキング手段がわずかに動くことが許容され、長期間にわたってブロッキング位置への移動がない場合でも弾性戻し手段とブロッキング手段との膠着が回避される。
【0051】
次に、横向き衝撃、例えば方向3への衝撃に続く運動連鎖について、図3a〜図3fを用いて詳細に説明する。
【0052】
図3aに示す実施形態では、ブロッキング手段21および制御手段13の両方が休止位置にある。この位置において横向き衝撃がないときには、ブロッキング手段の突出部41が弾性戻し手段23によりカムプロファイル25に対して常に当接している。
【0053】
図3bに示す実施形態は、例えば横向き衝撃の間であって、制御手段13に引張力が作用し、固定ゾーン19を介して回転軸18回りにおけるカム11の回動が生じている。
【0054】
制御手段13に作用する引張力が閾値、ユーザの通常の引張力に対応する、よりも小さい場合、ブロッキング手段21は、カムプロファイル25に追従する突出部41および弾性戻し手段23により、カムに接触したままとなる。
【0055】
図3cに示すように、ドアの開放方向に向けて制御手段13に作用する引張力の値が閾値よりも大きい場合、突出部41がカムプロファイル25により急速に追従し、よって突出部41がカムプロファイル25の傾斜ブレークに到達すると、突出部41はカム17の表面に接触しない状態になる。
【0056】
弾性戻し手段23は、ブロッキング手段21をカム11との接触状態に戻すほど高剛性ではない。この回動の間にブロッキング手段21が受ける加速のために、当該ブロッキング手段はその回転軸38回りの回動を終え、ブロッキング手段の一部33がカム11の補強部31に収まる(図3dを参照)。
【0057】
ブロッキング手段21は、したがって、当該ブロッキング手段21をブロッキング位置においてブロックする弾性ストッパ51のために、休止位置にもはや戻らない。
【0058】
ドア2が受ける衝撃が当該ドア2の開放方向にカム11を回動させる振動を含む場合、当該振動の強度は一般には弾性ストッパ51の剛性よりも低く、そのため弾性ストッパは変形せず、カム17の回動はブロッキング手段によってブロックされたままとなる。
【0059】
ブロッキング手段12をそのブロッキング位置から解放して休止位置に戻すために、ブロッキング手段21を解放するためにカムを変形させるように弾性ストッパ51の剛性を上回る力でカム17を回動させる引張力が制御手段13に課される(図3eを参照)。
【0060】
図3fに見られるように、弾性戻し手段23が、ブロッキング手段21を休止位置に戻してカムプロファイル25に対して押し付ける。
【0061】
よって、有利なことに、本発明のラッチは、制御手段、ここではボーデンケーブルの引張速度によって駆動されるブロッキング手段を有する一方、ブロッキング手段のブロッキング位置への移動が慣性力のインパルスにより引き起こされる段階を有する。本発明によると、開放レバーの開放をブロッキングにより防止するブロッキング原理、休止位置においてリセットする原理、および膠着を防止するためにねじれまたはモーメントを入れる原理が存在する。
【0062】
本発明のラッチは、次の利点を有する。すなわち、ラッチの外部環境から独立したブロッキング装置による、慣性衝撃において開放レバーケーブルに引張力が作用した場合の開放のブロッキングと、ドア内に存在する部材とのいかなる相互作用をも回避することによるラッチ内で完結したラッチの運動連鎖のブロッキングと、衝撃に起因するあるいは起因しない慣性力の下におけるトリガリングと、カムプロファイルの傾斜ブレークおよびブロッキング手段の弾性戻し手段の剛性によって定められる慣性力閾値から開始されるトリガリングと、製造クリアランスの回避を可能とする領域での接触によりブロッキングが実行されるためにブロッキング手段の位置決めが大きな許容誤差範囲を有することと、休止位置におけるリセットがユーザによって実現可能な追加的な力によってシンプルかつ信頼性の高い態様で実行され得ることと、ブロッキング手段が固定される支持部の容積が低減されるために製造コストの低減が可能になることと、である。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4
図5