(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646712
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】3次元仮想現実および拡張現実表示システム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20200203BHJP
G02B 30/00 20200101ALI20200203BHJP
H04N 13/395 20180101ALI20200203BHJP
H04N 13/363 20180101ALI20200203BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B27/22
H04N13/395
H04N13/363
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-127444(P2018-127444)
(22)【出願日】2018年7月4日
(62)【分割の表示】特願2017-22805(P2017-22805)の分割
【原出願日】2012年11月23日
(65)【公開番号】特開2018-151674(P2018-151674A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】61/563,403
(32)【優先日】2011年11月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョン グラハム マクナマラ
【審査官】
外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−145859(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/067117(WO,A1)
【文献】
特開平09−297282(JP,A)
【文献】
特開平08−160340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 27/22
H04N 5/64
H04N 13/00−13/06
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像可視化システムであって、
モジュールであって、前記モジュールは、
入力画像光を受け取り、見る人の眼に関する空間内の投影デバイス位置から前記見る人の前記眼に向かって前記入力画像光と関連付けられた画像を投影するように構成された選択的に透明な投影デバイスであって、前記投影デバイスは、いかなる画像も投影されないときに実質的に透明な状態をなすことが可能である、選択的に透明な投影デバイスと、
前記入力画像光を複数のモードに分割するように構成された回折要素であって、前記複数のモードは、第1のモードおよび第2のモードを含み、前記第1のモードおよび前記第2のモードの各々は、異なる角度で指向される、回折要素と
を含み、前記選択的に透明な投影デバイスは、前記複数のモードのうちの前記第1のモードが前記選択的に透明な投影デバイスから出て前記眼に向かうことを可能にするように構成され、前記第1のモードは、前記回折要素の選択可能な幾何学形状に部分的に基づいて変化する焦点距離を有し、
前記選択的に透明な投影デバイスは、前記複数のモードのうちの少なくとも前記第2のモードを前記選択的に透明な投影デバイス内に捕捉するように構成されている、
モジュールと、
前記投影デバイスに結合された遮閉マスクデバイスであって、前記遮閉マスクデバイスの前記見る人の前記眼とは反対側の1つ以上の位置から前記眼に向かって進む光を、前記投影デバイスによって投影される前記画像と相関する遮閉パターンで選択的に遮断するように構成された遮閉マスクデバイスと
を含む3次元画像可視化システム。
【請求項2】
前記複数のモードのうちの前記第2のモードは、0次の回折を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モジュールおよび前記遮閉マスクデバイスに動作可能に結合されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記画像の投影および関連遮閉パターン、ならびに前記選択可能な幾何学形状における前記回折要素の挿入を調整するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、マイクロプロセッサを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記投影デバイスは、ディスプレイ面を実質的に占めている、実質的に平面的な透明デジタルディスプレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ディスプレイ面は、前記見る人の前記眼の視軸と実質的に垂直に配向されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、液晶ディスプレイを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、有機発光ダイオードディスプレイを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記投影デバイスは、前記画像が無限遠で集束するようにコリメートされた形態で前記眼に向かって前記画像を投影するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記回折要素は、前記見る人の前記眼への送達前に前記画像のサイズを拡張するように構成された基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
小型プロジェクタが、前記見る人の前記眼の視軸と実質的に垂直に装着され、前記基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスは、前記小型プロジェクタから前記画像を受け取り、前記眼の前記視軸と実質的に整合した配向で拡張されたサイズにおいて、前記画像をゾーンプレート回折パターン形成デバイスに送達して、前記見る人の前記眼に送達するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記遮閉マスクデバイスは、ディスプレイを含み、前記ディスプレイは、前記ディスプレイの複数の部分の各々において光を遮閉するか、または通過させるかのいずれかを、各部分において光を遮閉し、または通過させる関連コマンドに応じて、行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記遮閉マスクデバイスは、1つ以上の液晶ディスプレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
3次元画像可視化システムであって、
モジュールであって、前記モジュールは、
入力画像光を受け取るように構成され、見る人の眼に関する空間内の投影デバイス位置から前記見る人の前記眼に向かって前記入力画像光と関連付けられた画像を投影するように構成された選択的に透明な投影デバイスであって、前記投影デバイスは、いかなる画像も投影されないときに実質的に透明な状態をなすことが可能である、選択的に透明な投影デバイスと、
前記選択的に透明な投影デバイスに統合された回折要素であって、前記回折要素は、前記入力画像光を複数のモードに分割するように構成され、前記複数のモードは、第1のモードおよび第2のモードを含み、前記第1のモードおよび前記第2のモードの各々は、異なる角度で指向される、回折要素と
を含み、前記選択的に透明な投影デバイスは、前記複数のモードのうちの少なくとも前記第1のモードが前記選択的に透明な投影デバイスから出て前記眼に向かうことを可能にするように構成され、前記第1のモードが、前記回折要素の選択可能な幾何学形状に部分的に基づいて変化する焦点距離を有し、
前記選択的に透明な投影デバイスは、前記複数のモードのうちの少なくとも前記第2のモードを前記選択的に透明な投影デバイス内に捕捉するように構成されている、
モジュールと、
前記投影デバイスに結合された遮閉マスクデバイスであって、前記遮閉マスクデバイスの前記見る人の前記眼とは反対側の1つ以上の位置から前記眼に向かって進む光を、前記投影デバイスによって投影される前記画像と相関する遮閉パターンで選択的に遮断するように構成された遮閉マスクデバイスと
を備える3次元画像可視化システム。
【請求項15】
前記選択的に透明な投影デバイスはさらに、前記複数のモードのうちの第3のモードを前記選択的に透明な投影デバイス内に捕捉するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第3のモードは、1次の回折の部分から構成される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願データ)
本願は、米国特許法§119のもと、米国仮特許出願第61/563,403号(2011年11月23日出願)の利益を主張する。これによって、上述の出願は、その全体が本願に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、仮想現実および拡張現実画像化および可視化システムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
3Dディスプレイが、真の深度感、より具体的には、模擬表面深度感をもたらすために、ディスプレイの視野内の各点が、その仮想深度に対応する適応的応答を生成することが望ましい。ディスプレイ点への適応的応答が、輻輳および立体視の双眼深度の手かがりによって決定されるような、その点の仮想深度に対応しない場合、人間の眼は、適応対立を被り得、不安定な結像、有害な眼精疲労、頭痛、および適応情報がない場合は、表面深度の完全な欠如をもたらす。
図1を参照すると、拡張現実シナリオ(8)が、ユーザの現実内の実際のオブジェクト(例えば、公園設定におけるコンクリート台座オブジェクト(1120)を含む結像アイテム)についてのユーザの眺め、および、「拡張」現実の眺めをもたらすように眺めの中に追加された仮想オブジェクトの眺めとともに描写されている。ここでは、ロボット像(1110)が、台座オブジェクト(1120)の上に仮想的に立って示され、ハチのキャラクタ(2)がユーザの頭部付近で空中を飛んで示されている。好ましくは、拡張現実システムは、3D能力があり、その場合、像(1110)が台座(1120)の上に立っていて、かつ、ハチのキャラクタ(2)がユーザの頭部の近くを飛んでいるという知覚をユーザに提供する。この知覚は、視覚オブジェクト(2、1110)が異なる焦点深度を有し、ロボット像(1110)の焦点深度または焦点半径が台座(1120)のものとほぼ同一であるという、ユーザの眼および脳への視覚適応手かがりを利用することによって大きく増進され得る。
図2で描写されるもの等の従来の立体3Dシミュレーション表示システムは、典型的には、一定の半径方向焦点距離(10)で、各眼に1つずつ、2つのディスプレイ(74、76)を有する。上記のように、この従来の技術は、3次元における深度を検出して解釈するために人間の眼によって利用される、有益な手掛かり(眼に関する異なる焦点深度に到達するための眼球複合体内の水晶体についての眼の再配置と関連付けられる適応手がかりを含む)の多くが欠けている。人間の眼/脳の画像処理複合体の適応局面を考慮する、適応が正確な表示システムの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
一実施形態は、3次元画像可視化システムを対象とし、その3次元画像可視化システムは、見る人の眼に関する空間内の投影デバイス位置から見る人の眼に向かって画像を投影するための選択的に透明な投影デバイスであって、その投影デバイスは、いかなる画像も投影されないときに実質的に透明な状態をなすことが可能である、投影デバイスと、投影デバイスに結合された遮閉マスクデバイスであって、その遮閉マスクデバイスは、投影デバイスによって投影される画像と相関する遮閉パターンで見る人の眼から、投影デバイスの反対側の1つ以上の位置から眼に向かって進む光を選択的に遮断するように構成されている、遮閉マスクデバイスと、見る人の眼と投影デバイスとの間に挿入されたゾーンプレート回折パターン形成デバイスであって、そのゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、投影デバイスからの光が眼へ進む場合に、投影デバイスからの光に、選択可能な幾何学形状を有する回折パターンを通過させ、回折パターンの選択的な幾何学形状に少なくとも部分的に基づいて、眼からの模擬焦点距離で眼に進入させるように構成されている、ゾーンプレート回折パターン形成デバイスとを備える。本システムは、投影デバイスと、遮閉マスクデバイスと、ゾーンプレート回折パターン形成デバイスとに動作可能に結合されたコントローラをさらに備え得、そのコントローラは、画像の投影および関連遮閉パターン、ならびに選択可能な幾何学形状における回折パターンの挿入を調整するように構成されている。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよい。投影デバイスは、ディスプレイ面を実質的に占めている、実質的に平面的な透明デジタルディスプレイを備えてもよい。ディスプレイ面は、見る人の眼の視軸から実質的に垂直に配向されてもよい。実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、液晶ディスプレイを備えてもよい。実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、有機発光ダイオードディスプレイを備えてもよい。投影デバイスは、見る人の眼の焦点深度が無限遠焦点深度であるように、コリメートされた形態で眼に向かって画像を投影するように構成されてもよい。投影デバイスは、見る人の眼への送達前に画像のサイズを拡張するように構成された基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスに結合された高速小型プロジェクタを備えてもよい。小型プロジェクタは、見る人の眼の視軸と実質的に垂直に装着されてもよく、基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスは、小型プロジェクタから画像を受け取り、眼の視軸と実質的に整合した配向で拡張されたサイズにおいて、画像をゾーンプレート回折パターン形成デバイスに送達して、見る人の眼に送達するように構成される。ゾーンプレート回折パターン形成デバイスおよび投影デバイスは、少なくとも1つの共通構造を備えてもよい。ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、導波路に組み込まれ、投影デバイスは、導波路に結合された高速小型プロジェクタを備え、高速小型プロジェクタは、画像が見る人の眼へ向かう途中で導波路から出る前に、回折パターンを通して画像を進ませるように構成され得る。小型プロジェクタは、見る人の眼の視軸と実質的に垂直に装着されてもよく、導波路は、小型プロジェクタから画像を受け取り、眼の視軸と実質的に整合した配向で拡張されたサイズにおいて、画像を見る人の眼に送達するように構成されてもよい。遮閉マスクデバイスは、ディスプレイを備え、ディスプレイは、ディスプレイの複数の部分の各々において光を遮閉するか、または通過させるかのいずれかを、各部分において光を遮閉し、または通過させる関連コマンドに応じて、行うように構成されてもよい。遮閉マスクデバイスは、1つ以上の液晶ディスプレイを備えてもよい。ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、高周波数バイナリディスプレイを備え、高周波数バイナリディスプレイは、ディスプレイの複数の部分の各々において光を遮閉するか、または通過させるかのいずれかを、各部分において光を遮閉し、または通過させる関連コマンドに応じて、行うように構成されてもよい。ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、約500Hzから約2,000Hzの間のリフレッシュレートを有してもよい。ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、約720Hzのリフレッシュレートを有してもよい。コントローラは、毎秒約30フレームから約60フレームの間で投影デバイスおよび遮閉マスクデバイスを動作させるように構成され、コントローラは、投影デバイスおよび遮閉マスクデバイスの各フレームに対して最大約12の異なる回折パターンをデジタル表示するように、ゾーンプレート回折パターン形成デバイスを動作させるように構成されてもよい。投影デバイス、遮閉マスクデバイス、およびゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、見る人の1つの眼のための結像モジュールを集合的に備えてもよく、本システムは、見る人の別の眼のための第2の結像モジュールをさらに備えてもよい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
3次元画像可視化システムであって、前記3次元画像可視化システムは、
a.見る人の眼に関する空間内の投影デバイス位置から前記見る人の前記眼に向かって画像を投影するための選択的に透明な投影デバイスであって、前記投影デバイスは、いかなる画像も投影されないときに実質的に透明な状態をなすことが可能である、投影デバイスと、
b.前記投影デバイスに結合された遮閉マスクデバイスであって、前記遮閉マスクデバイスは、前記投影デバイスによって投影される前記画像と相関する遮閉パターンで、前記見る人の前記眼から、前記投影デバイスの反対側の1つ以上の位置から前記眼に向かって進む光を選択的に遮断するように構成されている、遮閉マスクデバイスと、
c.前記見る人の前記眼と前記投影デバイスとの間に挿入されたゾーンプレート回折パターン形成デバイスであって、前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、前記投影デバイスからの光が眼へ進む場合に、前記投影デバイスからの光に、選択可能な幾何学形状を有する回折パターンを通過させ、前記回折パターンの前記選択的な幾何学形状に少なくとも部分的に基づいて、前記眼からの模擬焦点距離で前記眼に進入させるように構成されている、ゾーンプレート回折パターン形成デバイスと
を備える、3次元画像可視化システム。
(項目2)
前記投影デバイスと、前記遮閉マスクデバイスと、前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスとに動作可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記画像の投影および関連遮閉パターン、ならびに前記選択可能な幾何学形状における前記回折パターンの挿入を調整するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記コントローラは、マイクロプロセッサを備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記投影デバイスは、ディスプレイ面を実質的に占めている、実質的に平面的な透明デジタルディスプレイを備える、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記ディスプレイ面は、前記見る人の前記眼の視軸から実質的に垂直に配向されている、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、液晶ディスプレイを備える、項目4に記載のシステム。
(項目7)
前記実質的に平面的な透明デジタルディスプレイは、有機発光ダイオードディスプレイを備える、項目4に記載のシステム。
(項目8)
前記投影デバイスは、前記見る人の前記眼の焦点深度が無限遠焦点深度であるように、コリメートされた形態で前記眼に向かって前記画像を投影するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記投影デバイスは、前記見る人の前記眼への送達前に前記画像のサイズを拡張するように構成された基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスに結合された高速小型プロジェクタを備える、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記小型プロジェクタは、前記見る人の前記眼の視軸と実質的に垂直に装着され、前記基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイスは、前記小型プロジェクタから前記画像を受け取り、前記眼の前記視軸と実質的に整合した配向で拡張されたサイズにおいて、前記画像を前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスに送達して、前記見る人の前記眼に送達するように構成されている、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスおよび投影デバイスは、少なくとも1つの共通構造を備える、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、導波路に組み込まれ、前記投影デバイスは、前記導波路に結合された高速小型プロジェクタを備え、前記高速小型プロジェクタは、前記画像が前記見る人の前記眼へ向かう途中で前記導波路から出る前に、前記回折パターンを通して前記画像を進ませるように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記小型プロジェクタは、前記見る人の前記眼の視軸と実質的に垂直に装着され、前記導波路は、前記小型プロジェクタから前記画像を受け取り、前記眼の前記視軸と実質的に整合した配向で拡張されたサイズにおいて、前記画像を前記見る人の前記眼に送達するように構成されている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記遮閉マスクデバイスは、ディスプレイを備え、前記ディスプレイは、前記ディスプレイの複数の部分の各々において光を遮閉するか、または通過させるかのいずれかを、各部分において光を遮閉し、または通過させる関連コマンドに応じて、行うように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記遮閉マスクデバイスは、1つ以上の液晶ディスプレイを備える、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、高周波数バイナリディスプレイを備え、前記高周波数バイナリディスプレイは、ディスプレイの複数の部分の各々において光を遮閉するか、または通過させるかのいずれかを、各部分において光を遮閉し、または通過させる関連コマンドに応じて、行うように構成されている、項目1に記載のシステム。(項目17)
前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、約500Hzから約2,000Hzの間のリフレッシュレートを有する、項目2に記載のシステム。
(項目18)
前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、約720Hzのリフレッシュレートを有する、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記コントローラは、毎秒約30フレームから約60フレームの間で前記投影デバイスおよび遮閉マスクデバイスを動作させるように構成され、前記コントローラは、前記投影デバイスおよび遮閉マスクデバイスの各フレームに対して最大約12の異なる回折パターンをデジタル表示するように、前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスを動作させるように構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目20)
前記投影デバイス、遮閉マスクデバイス、および前記ゾーンプレート回折パターン形成デバイスは、前記見る人の1つの眼のための結像モジュールを集合的に備え、前記システムは、前記見る人の別の眼のための第2の結像モジュールをさらに備える、項目1に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、人によって視認される特定の仮想現実オブジェクトおよび特定の実際の現実オブジェクトを有する拡張現実シナリオの例証を描写する。
【
図2】
図2は、ユーザのために3次元結像をシミュレートする従来の立体視システムを図示する。
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、適応が正確な表示構成の局面を図示する。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、適応が正確な表示構成の局面を図示する。
【
図5】
図5〜
図6Cは、対象の構成に適用されるような回折格子の局面を図示する。
【
図6】
図5〜
図6Cは、対象の構成に適用されるような回折格子の局面を図示する。
【
図9】
図9は、組み込まれた回折格子を有する導波路の一実施形態を図示する。
【
図10】
図10は、漏れ出る一方のモードと、導波路内に捕捉されたままにする他方のモードとを可能にするように設計されている、組み込まれた回折格子を有する導波路の一実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(詳細な説明)
図3Aおよび
図3Bを参照すると、AADシステムの種々の局面が描写されている。
図3Aを参照すると、単純な説明図が、立体視(
図2)の場合のような2つの従来のディスプレイの代わりに、各画像の種々の局面(14)に対する種々の半径方向焦点深度(12)を有する、各眼に1つずつ、2つの複合画像が、知覚された画像内の3次元深度層の知覚を各眼に提供するために利用され得ることを示す。
【0007】
図3Bを参照して、発明者らは、典型的な人間の眼が、半径方向距離に基づいて、深度の約12層(
図3の層L1〜L12(図面の要素16))を解釈することができると判定した。約0.25メートルの近視野限界(78)が、ほぼ最も近い焦点深度であり、約3メートルの遠視野限界(80)は、人間の眼から約3メートルよりも遠い任意のアイテムが無限遠焦点を受けることを意味する。焦点の層は、眼に近づくにつれて、ますます薄くなり、換言すると、眼は、比較的眼に近く極めて小さい焦点距離の差を知覚することができ、この効果は、
図3Bに示されるように、オブジェクトが眼からさらに遠く離れるにつれて消散する。要素82は、無限遠オブジェクト位置において、焦点深度/屈折間隔値が約1/3ジオプタであることを図示する。
図3Bの重要性を説明する1つの他の方法では、ユーザの眼と無限遠との間に約12の焦点面がある。人間の眼が、深度を知覚するために焦点面を利用するように常に動き回っているため、これらの焦点面、および描写された関係内のデータは、ユーザの眺めのための拡張現実シナリオ内で仮想要素を位置決めするために利用され得る。
【0008】
図4A〜
図4Cを参照して、K(R)が1/Rに等しい曲率の動的パラメータであり、Rが表面に対するアイテムの焦点半径である場合には、半径の増加(R3、R2へ、最大でR1)とともに、減少するK(R)を有する。点によって生成される光照射野は、点がユーザの眼からどれだけ遠くにあるかという関数である、球面曲率を有する。この関係はまた、AADシステムに利用されてもよい。
【0009】
図
5を参照すると、従来の回折格子(22)が示され、光が、回折次数(n)と、空間周波数と、1/dに等しいK係数とに関係する角度(θ−20)で格子間隔(18)を通過し、方程式:d*sin(θ)=n*波長(または代替として、K係数を代入して、sin(θ)=n*波長*K)を使用する。
図6A〜
図6Cは、回折パターン(22、24、26)における間隔(18、28、30)の減少とともに、角度(20、32、34)がより大きくなることを図示する。
【0010】
図
7A〜図7Cを参照すると、レンズ(36)を通した屈折、曲面鏡(38)を用いた反射、および
図7Dでも示されるフレネルゾーンプレート(40)を用いた回折の3つの異なる焦点機構が描写されている。
【0011】
図8Aを参照すると、N=−1モードが仮想画像に対応することができ、N=+1モードが実画像に対応することができ、N=0モードが無限遠集束画像に対応することができることを図示するように、回折の簡単化されたバージョンが示されている。これらの画像は、人間の眼および脳にとって紛らわしく、特に、
図8Bに示されるように、全てが軸上で集束した場合に問題となり得る。
図8Cを参照すると、所望されないモード/画像の遮断を可能にするために、軸外焦点構成が利用されてもよい。例えば、コリメートされた(r=無限遠)画像がN=0モードによって形成されてもよく、発散仮想画像がN=−1モードによって形成されてもよく、収束画像がN=+1モードによって形成されてもよい。これらのモード/画像の空間位置およびそれらの軌道の差は、オーバーレイ、ゴースト発生、および「多重露光」の知覚効果等の回折結像と関連付けられる前述の問題を防止するように、フィルタリングまたは分離を可能にする。
【0012】
図
9を参照すると、組み込まれた回折格子を有する導波路が示されている。そのような導波路は、例えば、BAE Systems PLC(London,U.K.)等の供給業者から入手可能であり、示されるように
図9の左側から画像を取り込み、組み込まれた回折格子(44)を通して画像を送り、結果として生じた画像をある角度で(例えば、
図9では、導波路の側面を通して)放出するために利用されてもよい。したがって、方向変更および回折の2つの用途が、そのような要素を用いて達成されてもよい。実際に、
図8Cを参照して説明されるもの等の軸外焦点技法は、
図9に示されるもの等の回折導波路要素と組み合わせられることにより、
図10に示されるもの等の構成をもたらし、描写された実施形態では、回折導波路の幾何学形状が、N=−1モード(例えば、仮想画像)が導波路からユーザの眼の中へ通過させられ、他の2つのモード(N=0およびN=+1)が反射によって導波路の内側に捕捉されるようなものであるため、方向変更および回折だけでなく、フィルタリングも達成される。
【0013】
図11A〜
図13Cを参照すると、上記の概念が、種々の拡張現実表示構成で実践されている。
【0014】
図11Aを参照すると、AADシステムは、各眼(4、6)の前の結像モジュール(46、48)を備え、それを通してユーザが世界を見る。
図11Bは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または同様のものであり得る、その関連コントローラ(66)(描写された電子制御導線を介して結合され、導線は無線でもあり得る)を有するモジュール(46)のより大きい図を図示する。コントローラは、好ましくは、電力供給部と、さらに、外部世界とコントローラ(66)との間で情報の交換を可能にする情報交換デバイス(例えば、無線インターネットまたはBluetooth(登録商標)アダプタ)とに結合される。本システムは、毎秒30フレームから60フレームの間の速度等の画像リフレッシュレートで動作するように構成されてもよい。コントローラは、高リフレッシュレートのデジタル高解像度ディスプレイ(52)(例えば、フェロリキッド(ferro−liquid)、ブルーフェーズ、またはベントコアディスプレイ)を動作させることにより、約12の深度層のそれぞれに関して、種々のゾーンプレート幾何学形状を連続して迅速に表示するように構成されてもよい。例えば、毎秒60フレームの全体的性能が所望される実施形態では、ゾーンプレートディスプレイ(52)は、
図3Bに示されるように12の深度層のそれぞれに模擬適応を提供することができるように、これの12倍、つまり720Hzで動作させられ得る。遮閉マスクディスプレイ(54)は、その前で透明プロジェクタ層(56)において表示される画像に幾何学的に対応する、暗化された画像を表示するように構成され、それは、遮閉マスクディスプレイの反対側からの光が、プロジェクタ層(56)内の所望の仮想または拡張画像の表示を通って漏出すること、またはそれに干渉することを防止するように暗化される。したがって、示されるような拡張現実構成では、現実背景からの光は、遮閉マスク(54)の覆われていない部分を通り、透明プロジェクタ層(56)の透明な(すなわち、画像の一部分をブロードキャストしない)部分を通り、適応処理のためにゾーンプレート層(52)の中へ通過する。投影層(56)で投影される画像は、遮閉層(54)で背景光からのマスク遮断を受け、適応処理のためにゾーンプレート層(52)の中へ前方に投影される。これらの組み合わせ、またはユーザにとっての拡張現実の関連知覚は、「真の3D」に非常に近い。
【0015】
図12A〜
図12Bは、別の実施形態を描写し、結像モジュール(58)が、眼の視軸とほぼ垂直な角度で配向された高解像度小型プロジェクタを備え、基板誘導型遅延射出瞳拡張デバイス(70)を備える導波路が、小さな小型プロジェクタからの画像を拡大してゾーンプレート層(52)の中へ向け直し、遮閉層(54)が背景照明から投影画像の知覚を保護するように同様のマスキング機能を提供する。
【0016】
図13A〜
図13Bは、別の実施形態を描写し、ゾーンプレートおよび投影層が、小型プロジェクタ(68)から小さい画像を取り込み、それを向け直して拡大し、さらに、眼まで通過させるためにそれを回折する、同一の統合モジュール(72)内に本質的に収納されるように、要素52および70が組み合わせられ、遮閉層(54)が、背景照明から投影画像の知覚を保護するように同様のマスキング機能を提供する。
【0017】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広くて利用可能な局面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同様のものが置換されてもよい。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例のそれぞれは、本発明の範囲からも精神からも逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、別個の構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる特許請求の範囲内にあることを意図としている。
【0018】
本発明は、対象デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供するという行為を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって行われてもよい。換言すれば、「提供する」行為は、エンドユーザが、対象方法において必須デバイスを提供するように、取得し、アクセスし、接近し、位置決めし、設定し、起動し、電源を入れ、または別様に作用することを、単に要求する。本明細書で記載される方法は、事象の記載された順番のみならず、論理的に可能である記載された事象の任意の順番で実行されてもよい。
【0019】
本発明の例示的局面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照された特許および刊行物と関連して理解されるとともに、概して、当業者によって公知であり、または理解され得る。一般的または論理的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの局面に関して、同じことが当てはまり得る。
【0020】
加えて、本発明は、種々の特徴を必要に応じて組み込むいくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して想定されるように、説明および指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明された本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同等物が(本明細書に記載されようと、いくらか簡単にするために含まれていなかろうと)置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0021】
また、説明される本発明の変形例の任意の必要に応じた特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて、記載および請求されてもよいことが想定される。単数形のアイテムへの参照は、複数の同一のアイテムが存在するという可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる特許請求の範囲で使用される場合、「1つの」(「a」、「an」)、「前記(said)」、および該(「the」)という単数形は、特に規定がない限り、複数形の指示対象を含む。換言すれば、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示と関連付けられる特許請求の範囲において、対象アイテムの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような特許請求の範囲は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載と関連して、「単に」、「のみ」、および同様のもののような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0022】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる特許請求の範囲における「備える」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質の変換として見なすことができるかにかかわらず、任意の付加的な要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および化学用語は、特許請求の範囲の有効性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0023】
本発明の幅は、提供される実施例および/または対象の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示と関連付けられる特許請求の範囲の言葉の範囲のみによって限定されるものである。