(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記スペースは、前記第2の方向に開口し、且つ、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交している第3の方向にも開口している
請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラアッセンブリ。
前記空気流ガイドが前記第1の基板と前記第2の基板とに取り付けられて、前記空気流ガイドが規定する空気流路が、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記スペースに繋がっている
請求項1乃至9のいずれかに記載のカメラアッセンブリ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いに反対方向に向いている2つのカメラモジュールで構成されるカメラアッセンブリが検討されている。2つのカメラモジュールで撮影され得ない範囲(デッドゾーン)を小さくするために、カメラモジュール間の距離はできるだけ小さいのが望ましい。しかしながら、カメラモジュール間の距離が小さいと、カメラモジュールの熱が蓄積されやすくなる。特に、近年の撮像素子は高い解像度を有するので、信号処理を担うマイクロプロセッサの処理負荷が増し、カメラモジュールを構成するマイクロプロセッサから出る熱量が多くなっている。また、車両に搭載されるカメラアッセンブリは野外で使用されるので、気温が高かったり、直射日光がカメラアッセンブリにあたり、カメラモジュールが高温になる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示で提案するカメラアッセンブリの一例は、第1のカメラと第1の基板とを有し、前記第1のカメラが前記第1の基板の一方の面に実装されている第1のカメラモジュールと、第2のカメラと第2の基板とを有し、前記第2の基板が前記第1の基板の他方の面と第1の方向で向き合っており且つ前記第1の基板の前記他方の面から離れており、前記第2のカメラが前記第1のカメラとは反対側に向いて前記第2の基板に実装されている第2のカメラモジュールと、前記第1の基板と前記第2の基板との間のスペースに空気を送る冷却ファンと、を有している。このカメラアッセンブリによると、2つのカメラモジュールの間隔を小さくしても、カメラモジュールが過剰に高温になることを冷却ファンの作用により防ぐことができる。
【0006】
(2)(1)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との前記スペースに、少なくとも1つのヒートシンクが配置されてよい。このカメラアッセンブリによると、冷却性能を向上できる。
【0007】
(3)(1)又は(2)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記第1の方向での距離は、前記第1の方向での前記冷却ファンの幅よりも小さくてよい。このカメラアッセンブリによると、カメラモジュールで撮影不能なデッドゾーンを小さくできる。
【0008】
(4)(1)乃至(3)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記スペースと、前記冷却ファンとの間の空気流路を規定する空気流ガイドをさらに有してよい。このカメラアッセンブリによると、冷却性能を向上できる。
【0009】
(5)(4)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の方向での前記空気流路の幅は前記スペースに向かって徐々に小さくなってよい。このカメラアッセンブリによると、冷却性能を向上できる。
【0010】
(6)(1)乃至(5)のカメラアッセンブリにおいて、前記スペースに少なくとも1つのヒートシンクが配置され、前記少なくとも1つのヒートシンクの側面が空気流ガイドによって覆われてよい。このカメラアッセンブリによると、基板の全体をバランス良く冷却できる。
【0011】
(7)(1)乃至(6)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記スペースは、前記第1の方向に対して直交している第2の方向に開口し、且つ、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交している第3の方向にも開口してよい。このカメラアッセンブリによると、空気の排出効率を向上できる。
【0012】
(8)(1)乃至(7)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の方向に直交する第2の方向に前記カメラアッセンブリを見たときに、前記第1のカメラの視野と前記第2のカメラの視野は重なる領域を有してよい。
【0013】
(9)(1)乃至(8)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記第1の基板と前記第2の基板とが取り付けられるスペーサが配置されてよい。このカメラアッセンブリによると、2つの基板の間のスペースを確実に確保できる。
【0014】
(10)(1)乃至(9)のカメラアッセンブリにおいて、前記冷却ファンと、前記第1のカメラモジュールと前記第2のカメラモジュールは、相互に固定されてよい。このカメラアッセンブリによると、カメラアッセンブリを搭載する装置の製造過程で、カメラアッセンブリの取り扱いが容易となる。
【0015】
(11)(1)乃至(10)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記スペースと前記冷却ファンとの間の空気流路を規定する空気流ガイドをさらに有し、前記冷却ファンは前記空気流ガイドに取り付けられ、前記第1のカメラモジュールと前記第2のカメラモジュールは前記空気流ガイドに取り付けられてよい。このカメラアッセンブリによると、カメラアッセンブリを搭載する装置の製造過程で、カメラアッセンブリの取り扱いが容易となる。
【0016】
(12)(1)乃至(11)のカメラアッセンブリにおいて、前記第1の方向に直交する第2の方向に前記カメラアッセンブリを見たときに、前記第1のカメラの視野と前記第2のカメラの視野は重なる領域を有し、前記冷却ファンは、前記第1のカメラの前記視と前記第2のカメラの前記視とに入らない。この構造によると、冷却ファンがカメラモジュールによる撮影の邪魔になることを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、本開示で提案するカメラアッセンブリの実施形態について説明する。本明細書では、一例として、
図1乃至
図7を参照しながら、カメラアッセンブリ100について説明する。
【0019】
以下では、
図1に示すZ1方向及びZ2方向をそれぞれ上方及び下方と称する。また、同図に示すY1方向及びY2方向をそれぞれ前方及び後方と称し、X1方向及びX2方向をそれぞれ右方及び左方と称する。これらの方向は、カメラアッセンブリ100を構成する部品や、部材、要素などの相対的な位置関係を説明するために使用され、使用時におけるカメラアッセンブリ100の姿勢を限定するものではない。したがって、カメラアッセンブリ100は、例えば、
図1に示す姿勢とは上下が反転した姿勢で、使用されてもよい。
【0020】
[カメラモジュール]
図2に示すように、カメラアッセンブリ100は、2つのカメラモジュール10A、10Bを有している。カメラモジュール10A、10Bのそれぞれは、基板11と、カメラ12とを有している。2つのカメラモジュール10A、10Bの基板11は鉛直に配置され、前後方向において向き合っている。カメラ12は基板11の一方に実装され、基板11に対して垂直な方向に向いている。カメラアッセンブリ100が有しているカメラモジュールの数は2つである。
【0021】
第1のカメラモジュール10Aにおいて、カメラ12は基板11の前面に実装され、前方に向いている。(この基板11の前面を「カメラ実装面」と称する。)第2のカメラモジュール10Bにおいて、カメラ12は基板11の後面に実装され、後方に向いている。(この基板11の後面を「カメラ実装面」と称する。)以降の説明では、2つのカメラモジュール10A、10Bを区別する場合に、第1のカメラモジュール10Aを「前カメラモジュール」と称し、第2のカメラモジュール10Bを「後カメラモジュール」と称する。
【0022】
カメラ12は、例えば、カメラ実装面の中心(上下方向及び左右方向での中心)に位置している。カメラ12の位置は、カメラ実装面の中心から上下方向又は左右方向にずれていてもよい。
【0023】
図2に示すように、各カメラモジュール10A、10Bにおいて、カメラ12は、撮像素子を保持している本体12aと、撮像素子に光を集めるレンズ12bと、レンズ12bを保持しているレンズホルダ12cとを有している。撮像素子としては、可視光について感度を有するイメージセンサ(例えば、CCDイメージセンサ(CCD:Charge−Coupled Device)、CMOSイメージセンサ(CMOS:Complementary metal−oxide−semiconductor)を利用できる。イメージセンサとしては、可視光以外の光について感度を有するセンサが利用されてもよい。
【0024】
レンズ12bは広角レンズであり、好ましくは、180度以上の画角を有する魚眼レンズである。このようなレンズ12bを使用すると、カメラモジュール10A、10Bで撮影不能な範囲(デッドゾーン)を低減できる。レンズ12bは、さらに好ましくは、200度以上の画角を有する。これによると、カメラモジュール10A、10Bで撮影不能なデッドゾーンをさらに低減できる。
【0025】
カメラアッセンブリ100の例において、前カメラモジュール10Aのカメラ12の視野角(
図3においてθ1、左右方向での視野角)と後カメラモジュール10Bのカメラ12の視野角(
図3においてθ2、左右方向での視野角)の合計は、360度以上である。すなわち、2つのカメラモジュール10A、10Bは全方位カメラ(360度カメラ)を構成している。そのため、
図3に示すように、カメラモジュール10A、10Bを上側から見たときに、前カメラモジュール10Aで撮影可能な範囲VA(前カメラモジュール10Aの視野)と、後カメラモジュール10Bで撮影可能な範囲VB(後カメラモジュール10Bの視野)は、それらが重複している領域VCを有している。2つの範囲VA、VBの間に、2つのカメラモジュール10A、10Bで撮影不能な略菱形のデッドゾーンVDが生じている。
【0026】
2つのカメラモジュール10A、10Bの構造・性能は同じであってよい。これによって、カメラアッセンブリ100の設計を簡単化できる。カメラアッセンブリ100とは異なり、2つのカメラモジュール10A、10Bの構造・性能は、同じでなくてもよい。例えば、前カメラモジュール10Aのレンズ12bの視野角θ1と、後カメラモジュール10Bのカメラ12の視野角θ2は異なっていてもよい。また、カメラアッセンブリ100の例とは異なり、カメラ12の視野角θ1、θ2のそれぞれは180度よりも小さくてもよい。すなわち、2つのカメラモジュール10A、10Bは全方位カメラ(360度カメラ)でなくてもよい。
【0027】
図5に示すようには、基板11には複数の集積回路(IC)11aが実装されている。これらIC11aはいずれもカメラ12とは反対側の面に実装されている。以下では、複数のIC11aが実装されている面を「IC実装面」と称する。前カメラモジュール10Aの基板11のIC実装面と、後カメラモジュール10Bの基板11のIC実装面は、前後方向において互いに向き合っている。IC11aは、カメラ12の撮像素子から出力された画像信号をデジタルの画像情報に変換するICや、撮像素子の駆動回路として機能するICなどを含んでいる。
【0028】
[冷却システム]
2つのカメラモジュール10A、10Bの基板11は前後方向において離れている。
図2に示すように、2枚の基板11の間にスペースが形成され、このスペースにヒートシンク21A、21Bが配置されている。2枚の基板11のスペースの上方に、冷却ファン30が配置されている。2枚の基板11と冷却ファン30との間に、空気流ガイド40が配置されている。空気流ガイド40は、冷却ファン30の駆動により形成される空気流を2枚の基板11の間のスペースに案内する。
【0029】
2枚の基板11の間のスペースは下方に開口している。すなわち、このスペースは、冷却ファン30とは反対側に開口している。カメラアッセンブリ100の例において、2枚の基板11の間のスペースは、さらに右方と左方とに開口している。そのため、冷却ファン30の駆動により形成された空気流は、2枚の基板11の間のスペースから、下方、右方、及び左方の3方向に排出される。(
図1では、下方に向かう空気流が符号F1の矢印で示され、右方に向かう空気流が符号F2の矢印で示されている。)このように空気流が複数の方向に排出されるので、冷却効率を向上できる。
【0030】
[ヒートシンク]
図2及び
図4に示すように、2枚の基板11の間のスペースに、2つのヒートシンク21A、21Bが配置されている。一方のヒートシンク21Aは前カメラモジュール10Aの基板11のIC11aに熱的に接している。他方のヒートシンク21Bは後カメラモジュール10Bの基板11のIC11aに熱的に接している。ここで、「熱的に接している」とは、IC11aからヒートシンク21A、21Bに熱伝導が可能であること意味している。
【0031】
図5に示すように、ヒートシンク21A、21BはIC11aと重なるように配置される(
図5において、ヒートシンク21A、21Bは2点鎖線で示されている)。ヒートシンク21A、21Bは、例えば熱伝導テープを介してIC11aに接する。熱伝導テープは粘着性を有してもよい。そして、ヒートシンク21A、21Bの位置は熱伝導テープによってIC11aに固定されてもよい。各基板11に複数のIC11a(より詳細には、4つのIC11a)が実装されており、ヒートシンク21A、21Bは複数のIC11aの全てに接している。
【0032】
2つのヒートシンク21A、21Bの前後方向での幅W4(
図4参照)は、2枚の基板11のICa間の距離に対応している。そのため、ヒートシンク21A、21BからIC11aに、IC11aを押す力が作用していない。これによって、IC11aに作用する応力を軽減できる。
【0033】
ヒートシンク21A、21Bは、IC11aに接する板状のベース部21a(
図2参照)と、ベース部21aから前後方向において突出している複数の凸部21b(
図2参照)とを有している。すなわち、前カメラモジュール10A用のヒートシンク21Aにおいて凸部21bは後方に突出し、後カメラモジュール10B用のヒートシンク21Bにおいて凸部21bは前方に突出している。複数の凸部21bは、上下方向及び左右方向に間隔を空けて並んでいる。このヒートシンク21A、21Bのこの構造によると、基板11の間のスペースからヒートシンク21A、21Bの下方に向かう空気流F1(
図1参照)と、基板11の間のスペースからヒートシンク21A、21Bの右方及び左方に向かう空気流F2(
図1参照)とが許容される。その結果、複数のIC11aの全てを効率的に冷却できる。2つのヒートシンク21A、21Bは同じサイズを有してよい。
【0034】
なお、ヒートシンク21A、21Bの構造は、カメラアッセンブリ100の例に限られない。例えば、ヒートシンク21A、21Bは、上下方向に伸びている板状のフィンで構成されてもよい。また、前カメラモジュール10A用のヒートシンクと、後カメラモジュール10B用のヒートシンクは一体的に形成されていてもよい。すなわち、前カメラモジュール10Aの基板11と後カメラモジュール10Bの基板11は共通のヒートシンクに接していてもよい。また、ヒートシンク21A、21Bとしては、直方体のブロックであってもよい。
【0035】
[冷却ファン]
上述したように、2枚の基板11の間のスペースの上方に(ヒートシンク21A、21Bの上方に)、冷却ファン30が配置されている。
図2に示すように、冷却ファン30は、外枠32と、外枠32の内側に配置されている回転可能なファン本体31とを有している。外枠32は、例えば平面視において矩形である。ファン本体31は周方向に並んでいる複数の羽を有している。冷却ファン30は、基板11が向き合っている方向(前後方向)に対してファン本体31の回転中心線C1が直交するように、配置されている。
【0036】
カメラアッセンブリ100の例において、ファン本体31の回転中心線C1は、2つのカメラモジュール10A、10Bの中間(2枚の基板11の中間)を通っている。冷却ファン30の配置は、カメラアッセンブリ100の例に限られない。例えば、冷却ファン30の回転中心線C1は、カメラモジュール10A、10Bの中間に対して前方又は後方にずれていてもよい。
【0037】
冷却ファン30は、その排気側がカメラモジュール10A、10Bに向くように配置されている。すなわち、冷却ファン30は、ヒートシンク21A、21Bよりも空気流路の上流に位置している。したがって、空気は冷却ファン30の上側に吸い込まれ、冷却ファン30の下側から2枚の基板11の間のスペースに向けて排出される。
【0038】
冷却ファン30の配置はこれに限られない。例えば、冷却ファン30は、その吸気側がカメラモジュール10A、10Bに向くように配置されてもよい。すなわち、冷却ファン30は、ヒートシンク21A、21Bよりも空気流路の下流に位置してもよい。この場合、空気の流れる方向は、
図1に示すF1、F2とは反対方向となる。
【0039】
冷却ファン30とカメラモジュール10A、10Bは相互に固定されている。詳細には、冷却ファン30とカメラモジュール10A、10Bは空気流ガイド40を介して相互に固定されている。このことによって、カメラアッセンブリ100を利用する装置(例えば、車両)の製造作業を、容易化できる。カメラアッセンブリ100の例において、冷却ファン30は空気流ガイド40の上部に固定され、空気流ガイド40の下部にカメラモジュール10A、10Bの基板11が固定されている。
【0040】
上述したように、2つのカメラモジュール10A、10Bの視野角θ1、θ2(
図3参照)は合計で360度以上である。カメラモジュール10A、10Bは、これらの近くに、撮影不能なデッドゾーンVDを有する。このデッドゾーンVDは、カメラモジュール10A、10Bの右側及び左側だけでなく、
図4に示すように、カメラモジュール10A、10Bの上側及び下側にも生じている。冷却ファン30の前後方向での幅W1(
図4参照)は、2つのカメラモジュール10A、10Bの前後方向での幅、すなわち、前カメラモジュール10Aの前端(レンズ12bの表面)から後カメラモジュール10Bの後端(レンズ12bの表面)までの距離よりも小さい。このことにより、カメラモジュール10A、10Bによる撮影画像に、冷却ファン30が写りにくくなる。カメラモジュール10A、10Bを右側或いは左側から見たときに、前カメラモジュール10Aで撮影可能な範囲(前カメラモジュール10Aの視野)と、後カメラモジュール10Bで撮影可能な範囲(後カメラモジュール10Bの視野)は、それらが重複している領域を有してもよい。すなわち、前カメラモジュール10Aのカメラ12の上下方向での視野角と後カメラモジュール10Bのカメラ12の上下方向での視野角の合計は、360度以上であってもよい。
【0041】
図4に示すように、冷却ファン30のサイズ及び位置は、その全体がデッドゾーンVD内に位置するように設定されるのが望ましい。すなわち、冷却ファン30の縁と、カメラモジュール10A、10Bによる撮影範囲VA、VBとの間に、クリアランスLが確保されているのが望ましい。そうすることで、冷却ファン30がカメラモジュール10A、10Bによる撮影の邪魔になることを、効果的に防ぐことができる。
【0042】
[空気流路]
カメラモジュール10A、10Bで撮影不能なデッドゾーンVDを小さくするためには、2つのカメラモジュール10A、10B間の距離(2枚の基板11間の距離D1)が小さいほうが望ましい。
図4に示すように、前後方向における2枚の基板11の間の距離D1(スペースの幅)は、前後方向における冷却ファン30の幅W1よりも小さい。カメラアッセンブリ100の例において、2枚の基板11の間の距離D1は、冷却ファン30の幅W1の半分よりも小さい。この説明で、冷却ファン30の幅W1は、冷却ファン30の外枠32の幅である。また、2枚の基板11の間の距離D1は、ファン本体31(
図1参照)の外径よりも小さい。このように、2枚の基板11の間の距離D1が小さいので、撮影不能なデッドゾーンVDのサイズを小さくできる。なお、2枚の基板11の間の距離D1は、前後方向でのカメラ12のサイズW2よりも小さくてよい。
【0043】
[空気流ガイド]
図2に示すように、カメラアッセンブリ100は空気流ガイド40を有している。空気流ガイド40は、2枚の基板11の間のスペースと冷却ファン30との間に形成される空気流路を規定している。空気流路の前後方向での幅W3(
図6参照)は、2枚の基板11の間のスペースに近づくに従って小さくなっている。すなわち、空気流ガイド40で規定する空気流路の断面積は、2枚の基板11の間のスペースに近づくに従って、小さくなっている。このことによって、多くの空気を2つのカメラモジュール10A、10Bの間に送ることができ、高い冷却効率を得ることができる。空気流路の上端での幅W3は、ファン本体31の外径に対応している。空気流ガイド40で規定する空気流路の左右方向での幅W5(
図6参照)は、2枚の基板11の間のスペースに近づくに従って小さくなってもよいし、スペースに向かって一定でもよい。
【0044】
図2に示すように、空気流ガイド40は、その上部に、冷却ファン30の外枠32を保持するファン保持部41を有している。外枠32は、ボルト39によってファン保持部41に上下方向で固定されている。
【0045】
図2に示すように、空気流ガイド40は、ファン保持部41の下側に、冷却ファン30の下方に位置する円錐形の内面42aを有する筒部42を有している。筒部42の下端には開口42b(
図6参照)が形成されている。筒部42の上端での内面42aは円形である。これに対して、下端の開口42bは、2枚の基板11の間のスペースの形状に合わせた矩形となっていてよい。
【0046】
図4に示すように、筒部42の外面は、側面視において、2枚の基板11の中間に向けて斜め下方に伸びている。筒部42の外面(傾斜面)の下方にカメラ12が位置している。したがって、平面視において、カメラ12(具体的には本体12a)と冷却ファン30とが重なる。カメラ12と冷却ファン30のこのレイアウトによると、カメラアッセンブリ100の小型化を図ることができる。
【0047】
空気流ガイド40の材料は樹脂(例えば、ABS樹脂)である。こうすれば、カメラアッセンブリ100の軽量化を図ることができる。空気流ガイド40は金属で形成されてもよい。例えば、空気流ガイド40は、高い熱伝導率を有する金属(例えば、アルミニウム)で形成されてもよい。なお、冷却ファン30と同様、空気流ガイド40の全体が上述したデッドゾーンVDに位置しているのが望ましい。
【0048】
カメラモジュール10A、10Bと空気流ガイド40は相互に固定されている。
図2に示すように、カメラアッセンブリ100の例においては、筒部42の最下部に、左右方向に伸びている取付部42cが形成されている。基板11の上縁が螺子によって取付部42cに固定されている。
【0049】
[延長ガイド]
図1に示すように、空気流ガイド40は、2枚の基板11の縁に沿って下方に伸びている左右の延長ガイド43を有している。延長ガイド43は、2枚の基板11のスペースの右側及び左側を閉じている。詳細には、延長ガイド43は、2枚の基板11のスペースの右側及び左側を部分的に閉じている。こうすることにより、2枚の基板11の下部に空気が達し易くなり、複数のIC11aをバランス良く冷却できる。
【0050】
上述したように、2枚の基板11の間には、ヒートシンク21A、21Bが配置されている。2つの延長ガイド43は左右方向において互いに向き合っており、ヒートシンク21A、21Bの側面(右側面及び左側面)を部分的に覆っている。詳細には、ヒートシンク21A、21Bの上部の側面が、2つの延長ガイド43によって覆われている。こうすることにより、ヒートシンク21A、21Bの下部に、冷却ファン30からの空気が到達し易くなる。ヒートシンク21A、21Bの下部は、延長ガイド43の下側で、右側と左側とに向けて露出している。
【0051】
なお、カメラアッセンブリ100の例において、延長ガイド43の下端43aの位置は、カメラ12の本体12aの上面よりも低い(
図4参照)。これとは異なり、延長ガイド43の下端43aの位置は、カメラ12の本体12aの上面よりも高くてもよい。また、カメラアッセンブリ100の例において、延長ガイド43がヒートシンク21A、21Bを覆う範囲は、ヒートシンク21A、21Bの半分よりも小さい。カメラアッセンブリ100の例に限られず、延長ガイド43が覆う範囲はヒートシンク21A、21Bの半分より大きくてもよい。
【0052】
空気流ガイド40の構造は、カメラアッセンブリ100の例に限られない。カメラアッセンブリ100の例において、延長ガイド43は、空気流ガイド40の上部(すなわち、筒部42やファン保持部41)と一体的に形成されている。しかしながら、延長ガイド43は、筒部42とは別個に形成されていてもよい。他の例では、ヒートシンク21A、21Bの右側及び左側の全体が延長ガイド43によって覆われてもよい。さらに他の例では、空気流ガイド40は、右側と左側のうち一方側の延長ガイド43だけを有してもよい。さらに他の例では、空気流ガイド40は延長ガイド43を有していなくてもよい。
【0053】
[スペーサ]
図2に示すように、カメラアッセンブリ100は、2枚の基板11の間に配置されるスペーサ51、52を有している。スペーサ51は2枚の基板11の上部の間に配置され、ヒートシンク21A、21Bより上方に位置している。スペーサ52は2枚の基板11の下部の間に配置され、ヒートシンク21A、21Bより下方に位置している。以下では、スペーサ51を上スペーサと称し、スペーサ52を下スペーサと称する。
【0054】
カメラアッセンブリ100の例においては、2つの上スペーサ51が左右方向に離れて配置されており、冷却ファン30からの空気は、これら2つの上スペーサ51の間をヒートシンク21A、21Bに向かって流れる。上スペーサ51は円筒状であり、2枚の基板11は螺子53で上スペーサ51に固定される。
【0055】
下スペーサ52は、2枚の基板11の下縁に沿って左右方向に伸びている。
図7に示すように、下スペーサ52には貫通孔52aが形成されている。ヒートシンク21A、21Bを通過した空気は、この貫通孔52aを通して下方に流れる。2枚の基板11は螺子54(
図2参照)で下スペーサ52に固定される。
図4に示すように、下スペーサ52の下部は基板11の下縁よりも下方に位置している。この下スペーサ52は、カメラアッセンブリ100が利用される装置(例えば、車体)への、カメラアッセンブリ100の取り付けに利用される。カメラアッセンブリ100の例では、下スペーサ52には、その取り付けのための複数の螺子穴52b(
図7参照)が形成されている。
【0056】
[車両]
図8は、カメラアッセンブリ100が搭載される装置の例を示す概略図である。カメラアッセンブリ100は、例えば、荷物の搬送車両1に適用される。カメラアッセンブリ100は、その下部にある下スペーサ52(
図1参照)によって、搬送車両1の支持フレーム1aに固定される。カメラアッセンブリ100は搬送車両1の前部に取り付けられる。搬送車両1は複数の車輪1cを有している。また、搬送車両1は、その後部に、荷台1bを有している。
【0057】
[まとめ]
以上説明したように、カメラアッセンブリ100は、前カメラモジュール10Aと後カメラモジュール10Bとを有している。前カメラモジュール10Aはカメラ12と基板11とを有し、カメラ12は基板11の一方の面(カメラ実装面)に実装されている。後カメラモジュール10Bは、カメラ12と基板11とを有し、カメラ12は基板11の一方の面(カメラ実装面)に実装されている。前カメラモジュール10Aの基板11のIC実装面と、後カメラモジュール10Bの基板11のIC実装面とが前後方向において互いに向き合っている。後カメラモジュール10Bのカメラ12は、前カメラモジュール10Aのカメラ12とは反対方向(後方)に向いている。また、カメラアッセンブリ100は、2枚の基板11の間に空気を送る冷却ファン30を有している。このカメラアッセンブリ100によると、2つのカメラモジュール10A、10Bの間隔を小さくしても、カメラモジュール10A、10Bの温度が過剰に高くなることを、冷却ファン30の作用により防ぐことができる。
【0058】
[変形例]
なお、本開示で提案するカメラアッセンブリは、上述したカメラアッセンブリ100に限られない。
【0059】
例えば、カメラアッセンブリは、ヒートシンク21A、21Bを有していなくてもよい。この場合、冷却ファン30の空気によってIC11aを直接的に冷却されてよい。
【0060】
反対に、カメラモジュール10A、10BのIC11の発熱量によっては、カメラアッセンブリは、ヒートシンク21A、21Bを有し、冷却ファン30を有していなくてもよい。
【0061】
また、冷却ファン30は、カメラモジュール10A、10Bの下方や、左方、右方に配置されてもよい。空気流ガイド40の形状は、冷却ファン30の位置に応じて適宜変更されてよい。この場合でも、カメラモジュール10A、10Bの間のスペース(2枚の基板11の距離)は、冷却ファン30の前後方向での幅より小さくてよい。
【解決手段】前カメラモジュール10Aはカメラ12と基板11とを有し、カメラ12は基板11の一方の面(カメラ実装面)に実装されている。後カメラモジュール10Bは、カメラ12と基板11とを有し、カメラ12は基板11の一方の面(カメラ実装面)に実装されている。前カメラモジュール10Aの基板11のIC実装面と、後カメラモジュール10Bの基板11のIC実装面とが前後方向において互いに向き合っている。後カメラモジュール10Bのカメラ12は、前カメラモジュール10Aのカメラ12とは反対方向に向いている。また、カメラアッセンブリ100は、2枚の基板11の間に空気を送る冷却ファン30を有している。