特許第6646727号(P6646727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646727
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】カスタム化負荷制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/00 20200101AFI20200203BHJP
【FI】
   H05B37/02 A
【請求項の数】34
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-503737(P2018-503737)
(86)(22)【出願日】2016年4月7日
(65)【公表番号】特表2018-511160(P2018-511160A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】US2016026421
(87)【国際公開番号】WO2016164568
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】62/144,070
(32)【優先日】2015年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517354663
【氏名又は名称】アース・スター・ソリューションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ゲーリー・ブレット
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0278296(US,A1)
【文献】 特開2009−141766(JP,A)
【文献】 特開2015−039248(JP,A)
【文献】 特表2008−514083(JP,A)
【文献】 特開2010−027406(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0001626(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタム化負荷制御方法であって、
変更交流電力を受電するステップであって、前記変更交流電力が、メッセージを伝達するための複数の遅延の加入によって変更され、前記複数の遅延が異なる長さによって規定され、前記異なる長さが前記メッセージの異なるキャラクタを示す、ステップと、
交流フィルタを用いて、前記変更交流電力内の前記メッセージを、コンピュータ読み取り可能なフォーマットに変更するステップと、
前記メッセージに関係して、実行するアクションを決定するステップと、
前記メッセージに基づいて、前記アクションを実行するために前記変更交流電力を利用するステップと、
を含む、カスタム化負荷制御方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記遅延が、前記変更交流電力のゼロ交差点周囲において与えられる、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、更に、負電圧を除去するために、前記変更交流電力を整流するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、更に、前記変更交流電力を方形波に変換するステップを含み、前記方形波が前記遅延を含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記アクションを実行するステップが、前記メッセージにしたがって負荷を作動させるステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記アクションを実行するステップが、負荷に他のデバイスと通信させるステップを含む、方法。
【請求項7】
カスタム化負荷制御電気デバイスであって、
変更交流電力を濾波信号に変更する交流フィルタであって、前記濾波信号が負荷計算デバイスに適合可能なピーク電圧を有するコンピュータ読み取り可能なフォーマットを有する、交流フィルタと、
前記変更交流電力を利用して、前記負荷にアクションを実行させる電圧/電流変換器と、
ロジックを格納する負荷計算デバイスと、
を含み、前記ロジックがプロセッサによって実行されると、前記電気デバイスに、少なくとも、
前記交流フィルタから前記濾波信号を受け取らせ、
前記濾波信号から、前記変更交流電力に含まれるメッセージを決定させ、前記メッセージが、前記変更交流電力のそれぞれのゼロ交差点周囲において複数の遅延として設定され、前記複数の遅延が異なる長さによって規定され、前記異なる長さが前記メッセージの異なるキャラクタを示し、
前記メッセージから、前記負荷が実行するアクションを決定させ、
前記アクションに関係する命令を前記電圧/電流変換器に伝達させ、前記電圧/電流変換器が、前記命令を利用して、前記アクションを実行するために、前記変更交流電力を変換する、電気デバイス。
【請求項8】
請求項7記載の電気デバイスにおいて、前記交流フィルタが、更に、前記変更交流電力を方形波に変換し、前記方形波が前記複数の遅延を含む、電気デバイス。
【請求項9】
請求項7記載の電気デバイスであって、更に、前記変更交流電力を受電し、前記変更交流電力から負電圧を除去する電圧整流器を含む、電気デバイス。
【請求項10】
請求項7記載の電気デバイスであって、更に、前記変更交流電力を受け取り、前記変更交流電力の特性を判定し、前記特性に関するデータを前記負荷計算デバイスに伝達する電圧検出器を含む、電気デバイス。
【請求項11】
請求項7記載の電気デバイスであって、更に、前記負荷計算デバイスから伝達されたデータを、前記電圧/電流変換器に合わせてフォーマットするインターフェースを含む、電気デバイス。
【請求項12】
請求項7記載の電気デバイスであって、更に、前記負荷を含み、前記負荷が照明デバイスを含む、電気デバイス。
【請求項13】
請求項7記載の電気デバイスにおいて、前記アクションが、前記負荷の出力を変更すること、および前記負荷に他のデバイスと通信させることの内少なくとも1つを含む、電気デバイス。
【請求項14】
電気デバイスと負荷とを含むカスタム化負荷制御システムであって、前記電気デバイスが、
変更交流電力を濾波信号に変更する交流フィルタであって、前記濾波信号が負荷計算デバイスに適合可能なピーク電圧を有するコンピュータ読み取り可能なフォーマットを有する、交流フィルタと、
変更交流電力を利用して、前記負荷にアクションを実行させる電圧/電流変換器と、
ロジックを格納する負荷計算デバイスと、
を含み、前記ロジックをプロセッサによって実行すると、前記電気デバイスに、少なくとも、
前記変更交流電力を受電させ、前記変更交流電力が、当該変更交流電力と同じ周波数で送信されたメッセージを含み、前記変更交流電力のゼロ交差点付近において、前記メッセージに遅延を設定し、前記複数の遅延が異なる長さによって規定され、前記異なる長さが前記メッセージの異なるキャラクタを示し、
前記メッセージから、前記負荷が実行するアクションを決定させ、
前記アクションに関係する命令を前記電圧/電流変換器に伝達させ、前記電圧/電流変換器が前記命令を利用して、前記負荷が前記アクションを実行するために、前記変更交流電力を変換する、システム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムであって、更に、交流フィルタを含み、前記交流フィルタが前記変更交流電力を方形波に変換し、前記方形波が前記遅延を含む、システム。
【請求項16】
請求項14記載のシステムであって、更に、前記変更交流電力を受電し、前記変更交流電力から負電圧を除去する電圧整流器を含む、システム。
【請求項17】
請求項14記載のシステムであって、更に、前記変更交流電力を受電し、前記変更交流電力の特性を判定し、前記特性に関係するデータを前記負荷計算デバイスに伝達する電圧検出器を含む、システム。
【請求項18】
請求項14記載のシステムであって、更に、前記負荷計算デバイスから伝達されたデータを、前記電圧/電流変換器に合わせてフォーマットするインターフェースを含む、システム。
【請求項19】
請求項14記載のシステムであって、更に、前記電気デバイスと同じ位置に配置された電気回路パネルを含む、システム。
【請求項20】
請求項14記載のシステムであって、更に、前記メッセージを含むように交流電力を変更する交流コントローラを含む、システム。
【請求項21】
交流電力を介して通信を提供する方法であって、
所定の周波数の交流電力を受電するステップと、
デバイスに対する通信データを受信するステップと、
前記通信データから、前記デバイスに送るメッセージを決定するステップと、
所定のフォーマットにしたがって前記通信データを前記メッセージに変換するために、前記交流電力に対する変更を決定するステップであって、前記所定のフォーマットが前記交流電力の伝送を遅延させることを含み、第1遅延量が第1信号を表し、第2遅延量が第2信号を表す、ステップと、
前記交流電力のゼロ交差点を判定するステップと、
前記メッセージを送るために、前記所定のフォーマットにしたがって前記ゼロ交差点周囲において前記交流電力を変更するステップと、
前記所定のフォーマットにしたがって、前記メッセージを有する前記変更交流電力を前記デバイスに送るステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、前記交流電力を変更するステップが、前記ゼロ交差点の後、前記交流電力の伝送を所定の時間量だけ遅延させるステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項21記載の方法であって、更に、前記変更交流電力を照明デバイスに送るステップを含み、前記メッセージが前記照明デバイスの出力を制御する、方法。
【請求項24】
請求項21記載の方法であって、更に、前記変更交流電力を照明デバイスに送るステップを含み、前記照明デバイスが前記メッセージを利用して他のデバイスと通信する、方法。
【請求項25】
交流電力を介して通信を提供する交流コントローラであって、
所定の周波数の前記交流電力を受電し、前記交流電力を変更するトランジスタと、
前記トランジスタに結合され、前記交流電力を受電し、前記交流電力がゼロ・ボルトを交差することを示すゼロ交差点を判定するゼロ交差検出器と、
前記ゼロ交差検出器に結合された交流コントローラ計算デバイスと、
を含み、前記交流コントローラ計算デバイスが、少なくとも、
前記交流電力内に含ませるメッセージを含む通信を、リモート・コンピューティング・デバイスから受信
前記所定の周波数の前記交流電力内に前記メッセージを含ませるために、前記交流電力を変更する所定のフォーマットを決定し、前記所定のフォーマットが前記交流電力の伝送を遅延させることを含み、第1遅延量が第1信号を表し、第2遅延量が第2信号を表し
前記交流電力がゼロ・ボルトを交差するときを示すデータを、前記ゼロ交差検出器から受け取
前記メッセージを含ませるために前記交流電力を変更する命令を、前記トランジスタに供給する
ことを実行するように構成される、交流コントローラ。
【請求項26】
請求項25記載の交流コントローラにおいて、前記交流電力を変更することが、前記ゼロ交差点の後、前記交流電力の伝送を所定の時間量だけ遅延させることを含む、交流コントローラ。
【請求項27】
請求項25記載の交流コントローラにおいて、前記トランジスタが、前記変更交流電力を照明デバイスに送り、前記メッセージが前記照明デバイスの出力を制御する、交流コントローラ。
【請求項28】
請求項25記載の交流コントローラにおいて、前記トランジスタが、前記変更交流電力を照明デバイスに送り、前記照明デバイスが前記メッセージを利用して他のデバイスと通信する、交流コントローラ。
【請求項29】
請求項25記載の交流コントローラにおいて、前記交流コントローラが、ユーザ家屋において電気回路パネルに結合される、交流コントローラ。
【請求項30】
交流電力を介して通信を提供し、交流コントローラを含むシステムであって、前記交流コントローラが、
所定の周波数の前記交流電力を受電し、前記交流電力を変更し、前記変更交流電力を電気デバイスに出力するトランジスタと、
前記トランジスタに結合され、前記交流電力を受電し、前記交流電力がゼロ・ボルトを交差することを示すゼロ交差点を判定するゼロ交差検出器と、
前記ゼロ交差検出器に結合された交流コントローラ計算デバイスと、
を含み、前記交流コントローラ計算デバイスが、少なくとも、
前記交流電力内に含ませるメッセージを含む通信を、リモート・コンピューティング・デバイスから受信
前記所定の周波数の前記交流電力内に前記メッセージを含ませるために、前記交流電力の少なくとも一部を遅延させる所定のフォーマットを決定し、前記所定のフォーマットが前記交流電力の伝送を遅延させることを含み、第1遅延量が第1信号を表し、第2遅延量が第2信号を表し
前記交流電力がゼロ・ボルトを交差するときを示すデータを、前記ゼロ交差検出器から受け取
前記メッセージを含ませるために前記交流電力の少なくとも一部を遅延させる命令を、前記トランジスタに供給する
ことを実行するように構成される、システム。
【請求項31】
請求項30記載のシステムにおいて、前記交流電力の少なくとも一部を遅延させることが、前記ゼロ交差点の後、前記交流電力の伝送を所定の時間量だけ遅延させることを含む、システム。
【請求項32】
請求項30記載のシステムであって、更に、前記メッセージを受信し、前記メッセージに応答して機能を実行する電気デバイスを含む、システム。
【請求項33】
請求項30記載のシステムであって、更に、前記電気デバイスを含み、前記電気デバイスが照明デバイスとして構成され、前記メッセージが前記照明デバイスの出力を制御する、システム。
【請求項34】
請求項30記載のシステムであって、更に、ユーザ家屋において配置された電気回路パネルを含み、前記電気回路パネルが前記電気デバイスの動作を制御する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書において説明する実施形態は、一般的には、交流電力によるカスタム化照明および通信システムおよび方法に関し、更に特定すれば、カスタム化照明制御のための通信プロトコル、ならびに関連ハードウェアおよびソフトウェアを提供することに関する。
【従来技術】
【0002】
[0002] 照明および電力技術は発展したが、現在ではエネルギ効率的な電気および電子デバイスを提供および/または利用することが望まれている。一例として、照明業界は大量の電力を消費するので、更に効率的な照明デバイスによってコストを削減し、送電網の使用(grid usage)を減らす圧力が常にかかっている。加えて、現在の解決策の多くは大量の熱を生成する。また、照明を適正に制御して所望の電力消費を提供することも難しい場合が多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] カスタム化負荷制御の実施形態が含まれる。方法の一実施形態は、変更交流電力を受電するステップであって、メッセージを伝達するために、遅延の包含によって変更交流電力を変更するステップと、変更交流電力におけるメッセージをコンピュータ読み取り可能なフォーマットに変換するステップと、メッセージに関係して実行するアクションを決定するステップとを含む。ある実施形態は、メッセージに基づいて、変更交流電力を利用してアクションを実行するステップを含んでもよい。
【0004】
[0004] 電気デバイスの実施形態は、変更交流電力を濾波して濾波信号を形成する交流フィルタと、変更交流電力を利用して、負荷にアクションを実行させる電圧/電流変換器と、ロジックを格納する負荷計算デバイスとを含み、ロジックがプロセッサによって実行されると、電気デバイスに、交流フィルタから濾波信号を受け取らせる。ある実施形態では、このロジックは、電気デバイスに、濾波信号から、変更交流電力に含まれるメッセージを確認させ、メッセージが、変更交流電力のそれぞれのゼロ交差点周囲において複数の遅延として設定される(configure)。ある実施形態では、このロジックは、電気デバイスに、メッセージから、負荷が実行するアクションを決定させ、アクションに関係する命令を電圧/電流変換器に伝達させ、電圧/電流変換器が、命令を利用して、アクションを実行するために変更交流電力を変換する。
【0005】
[0005] また、システムの実施形態も含まれる。このシステムは、変更交流電力を利用して、負荷にアクションを実行させる電圧/電流変換器と、ロジックを格納する負荷計算デバイスとを含むことができ、ロジックをプロセッサによって実行すると、電気デバイスに、変更交流電力を受電させ、変更交流電力が、当該変更交流電力と同じ周波数で送信されたメッセージを含み、変更交流電力のゼロ交差点付近において、メッセージに遅延を設定する。ある実施形態では、このロジックは、更に、システムに、メッセージから、ロードが実行するアクションを決定させ、アクションに関係する命令を電圧/電流変換器に伝達させる。電圧/電流変換器は命令を利用して、負荷がアクションを実行するために、変更交流電力を変換する。
【0006】
[0006] また、交流電力を介した通信の実施形態も含まれる。一例として、方法は、 所定の周波数の交流電力を受電するステップと、デバイスに対する通信データを受信するステップと、通信データから、デバイスに送るメッセージを決定するステップとを含む。ある実施形態は、所定のフォーマットにしたがって通信データをメッセージに変換するために、交流電力に対する変更を決定するステップと、交流電力のゼロ交差点を判定するステップと、メッセージを送るために、所定のフォーマットにしたがってゼロ交差点周囲において交流電力を変更するステップとを含む。ある実施形態は、所定のフォーマットにしたがって、メッセージを含む変更交流電力をデバイスに送るステップを含む。
【0007】
[0007] システムの実施形態は、所定の周波数の交流電力を受電し、交流電力を変更するトランジスタと、トランジスタに結合され、交流電力を受電し、交流電力がゼロ・ボルトを交差することを示すゼロ交差点を判定するゼロ交差検出器とを含む。ある実施形態は、ゼロ交差検出器に結合された交流コントローラ計算デバイスを含む。交流コントローラ計算デバイスは、ロジックを含むことができ、プロセッサによってロジックが実行されると、交流コントローラに、交流電力内に含ませるメッセージを含む通信をリモート・コンピューティング・デバイスから受信させ、所定の周波数の交流電力内にメッセージを含ませるために、交流電力を変更する所定のフォーマットを決定させ、交流電力がゼロ・ボルトを交差するときを示すデータを、ゼロ交差検出器から受け取らせる。ある実施形態は、メッセージを含ませるために交流電力を変更する命令を、トランジスタに供給するように構成されてもよい。
【0008】
[0008] 同様に、システムのある実施形態は、所定の周波数の交流電力を受電し、交流電力を変更し、変更交流電力を電気デバイスに出力するトランジスタを含んでもよい。これらの実施形態は、トランジスタに結合され、交流電力を受電し、交流電力がゼロ・ボルトを交差することを示すゼロ交差点を判定するゼロ交差検出器と、ゼロ交差検出器に結合された交流コントローラ計算デバイスとを含んでもよい。交流コントローラ計算デバイスは、ロジックを含み、プロセッサによってロジックが実行されると、交流コントローラに、交流電力内に含ませるメッセージを含む通信をリモート・コンピューティング・デバイスから受信させ、所定の周波数の交流電力内にメッセージを含ませるために、交流電力の少なくとも一部を遅延させる所定のフォーマットを決定させ、交流電力がゼロ・ボルトを交差するときを示すデータを、ゼロ交差検出器から受け取らせる。ある実施形態は、メッセージを含ませるために交流電力の少なくとも一部を遅延させる命令を、トランジスタに供給するように構成されてもよい。
【0009】
[0009] 図面に明示される実施形態は、性質上例示的および例証的であり、本開示を限定することを意図するのではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と合わせて読むと理解することができよう。図面において、同様の構造は同様の参照番号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、本明細書において説明する実施形態による電力および通信ネットワークを示す。
図1B図1Bは、本明細書において説明する実施形態による電力および通信ネットワークを示す。
図2図2は、本明細書において説明する実施形態による交流(AC)コントローラを示す。
図3A図3Aは、本明細書において説明するACコントローラによって変更することができるAC電力の波形を示す。
図3B図3Bは、本明細書において説明するACコントローラによって変更することができるAC電力の波形を示す。
図4図4は、本明細書において説明する実施形態による照明デバイスを示す。
図5図5は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、変更AC電力をデバイスに送るフローチャートを示す。
図6図6は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、メッセージを送るための遅延をAC電力に含ませるフローチャートを示す。
図7図7は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、変更AC電力を介して送られたメッセージの内容を確認するフローチャートを示す。
図8図8は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、受信AC電力の特性判定に基づいて、負荷を変更するフローチャートを示す。
図9図9は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、AC電力の特性を判定する負荷計算デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0019] 本明細書において開示する実施形態は、交流電流によるカスタム化照明および通信システムおよび方法を含む。ある実施形態は、プロトコルによって第1デバイスから第2デバイスへのデータの通信を容易にするように構成することができる。このプロトコルは、AC電力波形の変更によって変更交流電力を形成することを含み、通信はAC電力の所定の周波数と同じ周波数で行われる。加えて、ある実施形態は、ヒート・シンクまたはその他の放熱デバイスを必要としないLED照明を提供することができる。具体的には、ある実施形態は、統合放熱(integrated heat removal)を行うデバイスの1つ以上の部分にアルミニウム基板を利用することができる。同様に、ある実施形態は、インターネットのような通信ネットワークを通じて、1つ以上の照明デバイスのような負荷の制御を行うように構成することができる。以上のことを組み込んだこれらおよび他の実施形態について、以下で更に詳しく説明する。
【0012】
[0020] これより図面を参照する。図1A図1Bは、本明細書において説明する実施形態による電力および通信環境を示す。図1Aに示すように、この電力および通信環境は、ネットワーク100を含むことができ、ネットワーク100は発電設備102、交流(AC)コントローラ104、照明デバイス106、およびリモート・コンピューティング・デバイス108に結合される。ネットワーク100は、複数のデバイス(または負荷)に配電される交流電力を含むことができる、電力ネットワークを含んでもよい。また、ネットワーク100は、ワイド・エリア・ネットワーク(例えば、インターネット、セルラ・ネットワーク、電話ネットワーク等)、および/またはローカル・エリア・ネットワーク(例えば、イーサネット・ネットワーク、ワイヤレス・フィデリティ・ネットワーク(wireless fidelity network)、近場通信ネットワーク等)のような、通信ネットワークを含んでもよい。理解されようが、任意の2つのデバイス間にあるネットワーク100は、単線または通信リンクを含んでも良く、更に複数の電力および/または通信チャネルを含んでもよい。
【0013】
[0021] 発電設備102は、図1Aおよび図1Bの実施形態にも含まれ、発電所、太陽光発電ネットワーク、蓄電設備、および/または1つ以上のデバイスへの電力供給を容易にする他の設備を含んでもよい。理解されようが、発電設備102は、交流(AC)電力を発電および/または供給するように構成することができる。尚、ここで説明する発電設備102はAC電力を発電すればよいが、実施形態の中には、AC電力を発電し、蓄電し、デバイスにAC電力を送電するために別個のエンティティおよび/または設備を含むものがあってもよく、これらのエンティティおよび/または設備は全て、簡略化のために、発電設備102に含まれるものとすることは理解されてしかるべきである。
【0014】
[0022] 図1Aおよび図1Bには、ACコントローラ104も含まれる。ACコントローラ104は、AC電力および通信信号を受信するように構成することができる。以下で更に詳しく説明するように、ACコントローラ104は、加えて、AC電力が受電された同じ周波数で、メッセージをAC電力に含ませるためにAC電力信号を変更することもできる。
【0015】
[0023] 照明デバイス106は、ACコントローラ104と協働してまたは別個に動作することができ、機能を実行するために(発光ダイオード(LED)を点灯するというような機能)、発電設備102からAC電力を受電するように構成することができる。加えて、照明デバイス106は、ACコントローラ104を介してメッセージを受信することができる。ACコントローラ104は、照明デバイス106の機能を変更し、照明デバイス106の機能監視を容易にし、および/または他の機能(actions)を実行することができる。
【0016】
[0024] 尚、照明デバイス106をここではLED照明デバイスとして説明するが、これは単なる一例に過ぎないことは理解されてしかるべきである。本明細書において説明する実施形態は照明に関するが、この説明は他の電気デバイスまたは電子デバイスに広げることができる。したがって、所望の機能を得るために、本明細書において説明するハードウェアおよび/またはソフトウェアには、任意の負荷を取り付けることができる。
【0017】
[0025] また、図1Aには、リモート・コンピューティング・デバイス108も含まれる。リモート・コンピューティング・デバイス108は、AC電力内に含まれるメッセージおよび/またはコマンドを送り易くすることができる1つ以上のコンピューティング・デバイスを表すことができる。また、リモート・コンピューティング・デバイス108は、コンポーネントに関連するソフトウェアおよび/またはファームウェアを更新するように構成することができ、および/または他の機能を設けることができる。一例として、実施形態の中には、照明デバイス106を作動させる(activate)ために、リモート・コンピューティング・デバイス108からコマンドを受信するように構成できるものもある。このコマンドは、通信ネットワーク(ネットワーク100の一部)を通じてACコントローラ104に送ることができ、ACコントローラ104は、AC電力の変更形態を介して伝達されるように、メッセージを変換することができる。このAC電力は、照明デバイス106が受電することができ、照明デバイス106はメッセージも受信することができる。つまり、照明デバイス106は、AC電力によって給電され、AC電力を介して通信を受信することができる。
【0018】
[0026] 図1Bは、図1Aとは異なる構成を示す。つまり、図1Bの実施形態は、遮断器パネルのような、電気回路パネル110を有するACコントローラ104を示す。電気回路パネル110はACコントローラ104と同じ場所に配置されても、されなくてもよい。具体的には、図1Bの実施形態は、ネットワーク100に接続される発電設備102を示す。発電設備102は、電力をユーザの設備に供給することができる。電力は、電気回路パネル110において受電されてもよく、電気回路パネル110が、ネットワーク100の局所部分の動作、および/またはこれに沿ったユーザの設備における種々の負荷への配電を制御する。しかしながら、ACコントローラ104が電子回路パネル110と共に含まれ、および/またはユーザの家屋に設けられ、更にローカル・ネットワークを通じて電気回路パネル110に結合され、所望の機能のユーザ制御を可能にしてもよい。この特定の実施形態にしたがって、ACコントローラ104は、発電設備102と電気回路パネル110との間に直列に含まれてもよい。しかしながら、ある実施形態では、発電設備102とACコントローラ104との間に電気回路パネル110が構成されてもよい。また、実施形態に応じて、他の構成も利用されてもよい。それとは関係なく、発電設備102から電力を受電するために、照明デバイス106をこの回路に結合することができる。
【0019】
[0027] 図2は、本明細書において説明する実施形態によるACコントローラ104を示す。図示のように、ACコントローラ104は、トランジスタ202、ACコントローラ計算デバイス204、およびゼロ交差検出器206を含むことができる。具体的には、ACコントローラ104は、トランジスタ202およびゼロ交差検出器206において、発電設備102からのAC電力を受電することができる。また、ACコントローラ104は、リモート・コンピューティング・デバイス108からというような通信信号を、ACコントローラ計算デバイス204において受信することができる。ACコントローラ計算デバイス204は、通信信号によって送られたメッセージを確認し、実行するアクションを通信信号から決定することができる。一例として、通信信号が照明デバイス106をオフに切り替えることを要求するとしてもよい。これに応じて、ACコントローラ計算デバイス204は、この要求を確認し、次いでそのメッセージをAC電力と同じ周波数で伝達するには、トランジスタ202によって受電されたAC電力をどのように変更すればよいか決定することができる。
【0020】
[0028] AC電力上で通信信号を伝達するために、ACコントローラ計算デバイス204は通信プロトコルを決定することができる。一例として、通信プロトコルは、送信を遅延させること、および/または所定の間隔でAC電力に標準遅延時間を挿入することを含む場合がある。複数の遅延のタイミングに応じて、受信側デバイスは通信をデコードすることができる。他の例として、ACコントローラ計算デバイス204は、メッセージを伝達するための遅延の長さを決定することができる。このシナリオでは、遅延の長さおよび後続の遅延のタイミングが、受信側デバイスがデコードするための通信プロトコルを規定することができる。使用されている通信プロトコルの決定に基づいて、ゼロ交差検出器206は、AC電力がいつゼロ電圧を伝送するか(例えば、いつAC電力からの電圧が正から負に、またはその逆に変化するか)判定することができる。ゼロ交差点(例えば、AC電力が正から負に、または負から正のいずれかでゼロ・ボルトを交差する時点)においてまたはその周辺において、ACコントローラ計算デバイス204は遅延のような変更をAC電力に挿入することができる。この変更は、AC電力の1つ以上のゼロ交差点においてまたはその周囲において行われてもよく、遅延したゼロ交差点が二進「1」を示し、遅延しないゼロ交差点が二進「0」を示すように、二進信号として構成することができる。メッセージの異なるキャラクタを示すために、異なる長さの遅延というような、他のフォーマットおよびプロトコルも同様に使用することができる。次いで、トランジスタ202は、所望の変更をAC電力に実施することができ、AC電力はネットワーク100に沿って送られる。
【0021】
[0029] 図3A図3Bは、本明細書において説明したACコントローラ104によって変更することができるAC電力の波形を示す。具体的には、図3Aは電力を1つ以上のデバイスに供給するためのAC電力の波形320aを示す。AC電力は、±120ボルト、220ボルト、440ボルト、および/または他の電圧のピーク電圧で伝送することができる。したがって、正および負ピークの間には、電圧がゼロであるゼロ交差点322a〜322dがある。
【0022】
[0030] また、図3Aには、電圧範囲が0ボルトから5ボルトまでの方形波324aも示されている。図4に関して更に詳しく説明するが、方形波は、負荷計算デバイス412(図4)に適正に給電できるように、ACフィルタ414(図4)によってAC電力から形成することができる。理解されようが、方形波324aの電圧範囲は、負荷計算デバイス412の要件および仕様に応じて異なってもよい。
【0023】
[0031] 図3Bは、本明細書において説明したように、メッセージを伝達するために変更されたAC電力の波形320bを示す。具体的には、波形320bは、メッセージを伝達するために変更されたことを除いて、波形320aと同様であってよい。したがって、波形320bは、所定の正および負電圧、ならびに波形320aと対応するゼロ交差点を有することができる。加えて、波形320bは、所定の半周期(「T」で表す)を有することができ、これも波形320aに対応する。送るメッセージの内容(substance)を決定するとき、ACコントローラ104は、伝送を継続する前に、所定の時間期間だけ1つ以上のゼロ交差点322においてまたはその周囲においてAC電力の伝送を遅延させるように構成することができる。図3Bに示すように、遅延326は、 図3Aからのゼロ交差点322aと対応するゼロ交差点において開始したので、波形230bの第1部分の半周期(T)が通常の半周期(T)と同じ(または同様)となることができるように実施することができる。しかしながら、遅延を実施したために、波形320bは所定の時間量だけずれてもよく、つまり波形の後続部分の半周期(T)は、この遅延時間量だけ大きくなってもよい。
【0024】
[0032] したがって、受信側デバイス(照明デバイス106のようなデバイス)は、このAC電力を受電することができ、更にAC電力に対する変更を認識することができる。実施されるプロトコルに応じて、受信側デバイスはメッセージをデコードしてしかるべく反応することができる。ある実施形態では、予測ゼロ交差点において遅延した波形は二進「1」として識別され、AC電力の無変更ゼロ交差点は二進「0」を表すことができる(またはその逆)。このように、受信側デバイスは一連の二進「1」および「0」をデコードして、AC電力によって送られたメッセージを確認することができる。他の実施形態では、「1」または「0」あるいは他のデータを示すために、遅延の長さを変化させるというような、異なるエンコード・プロトコルを利用することもできる(例えば、第1遅延量が「1」のような第1信号を示すのでもよく、第2遅延量が「0」のような第2信号を表すのでもよく、および/または他のコード化プロトコルを表すのでもよい)。
【0025】
[0033] 尚、本明細書において説明する実施形態はゼロ交差点においてまたはその周辺において遅延を付与しなければならないのではないが、ゼロ交差点において、その周囲において、および/またはその多少後において遅延を挿入する実施形態の方が、電圧に生ずる中断が少ないので、負荷の出力を一定にすることができる(遅延の長さおよび負荷に左右される)ことは理解されてしかるべきである。また、以上の説明は遅延を利用することを示したが、これも一例であることも理解されてしかるべきである。図3Bにおいて説明したように、AC電力は実際に中断され、電力信号内に中断を生じてもよい。つまり、中断は実際にはゼロ電圧イベントとして表されてもよい。また、他の変更を利用してもよい。
【0026】
[0034] また、図3Bは、方形波324bを、対応する遅延328と共に示す。ACコントローラ104がAC電力を変更すると、方形波に同様の遅延が生じ、この遅延を利用してデータを伝達することもできる。
【0027】
[0035] 図4は、本明細書において説明する実施形態にしたがって、照明デバイス106の形態を取る電気デバイスを示す。図示のように、照明デバイス106は、デバイス回路402と負荷404とを含む。デバイス回路402は、電圧整流器406、電圧/電流変換器408、電圧レギュレータ410、負荷計算デバイス412、ACフィルタ414、およびインターフェース・コンポーネント418を含むことができる。具体的には、AC電力(または、実施形態に応じて、変更AC電力)は、デバイス回路402によって、電圧整流器406において受電することができる。電圧整流器406は、AC電力(図3A図3Bからの波形320aまたは320b)を修正して(modify)、波形の負部分を整流または除去する、および/またはそれ以外の方法でAC電力を直流(DC)電力に変換するように構成することができる。一例として、負荷404は、正電圧でのみ作動するように構成されてもよい。これに応じて、負荷404がAC電力を受電した場合、負電圧を受けたことによりLEDがちらつく可能性がある。この結果、潜在的に望ましくない出力が生ずるおそれがある。このように、電圧整流器406は、負荷404から安定な出力を供給するために、負でない電圧のみを出力するように構成することができる。
【0028】
[0036] 電圧整流器406は、調整電圧(conditioned voltage)を電圧/電流変換器408および電圧レギュレータ410に送ることができる。電圧レギュレータ410は、整流電力の電圧を、負荷計算デバイス412に給電するために使用可能なレベルに低下させるように構成することができる。一例として、電圧レギュレータ410は、DC電圧を、約5ボルト、または負荷計算デバイス412によって使用可能な他の電圧に低下させることができる。この変換されたDC電圧は、負荷計算デバイス412に給電するために送ることができる。
【0029】
[0037] また、負荷計算デバイス412は、電圧検出器416に結合することもでき、負荷404に電圧を配電する様式を変更するように構成することができる。同様に、負荷計算デバイス412のある実施形態は、通信データを含むAC電力を受電し、その通信をデコードし、デコードしたメッセージに基づいてアクションを実行するように構成することができる。
【0030】
[0038] このために、電圧検出器416は、調整電圧を電圧整流器406から受けることができ、AC電力の特性を判定することができる。この特性に基づいて、負荷計算デバイス412は通信をインターフェース・コンポーネント418に送ることができ、インターフェース・コンポーネント418は高および低電圧間でバリアとして作用する。インターフェース・コンポーネント418は、信号を電圧/電流変換器408に送ることができ、電圧/電流変換器408は、負荷404の種々の部分によって受け取られた電圧を、AC電力内において受信され負荷計算デバイス412によってデコードされたメッセージに基づいて、変更することができる。
【0031】
[0039] 加えて、AC電力(図3Bにおいて説明した変更を伴う)はACフィルタ414が受電することもできる。図3Aおよび図3Bに関して先に説明したように、ACフィルタ414はAC電力を受電し、AC電力を濾波信号(filtered signal)に変換することができる。濾波信号は、負荷計算デバイス412との相性がよいピーク電圧を有する方形波のような、コンピュータ読み取り可能なフォーマットを含むとよい。ACコントローラ104(図1A図1B、および図2)がAC電力を変更する(遅延を含むというように)場合、ACフィルタ414によって生成される方形波もこの変更(または同様の変更)を含むことができる。負荷計算デバイス412は、方形波をACフィルタ414から受け取り、ロジックを利用して、変更方形波に含まれるメッセージを確認することができる。この特定の実施形態にしたがって、AC電力によって送られるメッセージは、負荷404を作動させる命令、負荷404の有効化を解除する命令、負荷への電力を減少させる命令等を含むことができる。ある実施形態は、負荷計算デバイス412に、照明デバイス106の動作を検査するための検査シーケンスを実施させるように構成することもできる。同様に、ある実施形態は、負荷にメッセージを他のデバイス(移動体電話機、テレビジョン、コンピューティング・デバイス等のようなデバイス)に伝達させることもできる。
【0032】
[0040] 一例として、ある実施形態は、負荷が発光ダイオード(LED)のアレイとなるように構成されてもよい。受電したAC電力の電圧に基づいて、負荷計算デバイス412は、電圧/電流変換器408にAC電力のみをこれらのLEDに送らせてもよい。LEDは、電力制約の下で適正に動作し、LEDの出力を変化させることができる。これは、AC電力に関係なく、負荷404の比較的一定した出力を供給することができる。
【0033】
[0041] また、デバイス回路402の実施形態は、印刷回路ボード(PCB)および/またはアルミニウム基板を主要コンポーネントとして含む他の回路材料上に設けられてもよいことも、理解されてしかるべきである。デバイス回路402にアルミニウム基板を利用することによって、熱を消散し、ヒート・シンクまたは他の放熱デバイスの必要性をなくすことができる。
【0034】
[0042] 加えて、図4の実施形態は1つのデバイス回路402と1つの負荷404とを示すが、これも単なる例に過ぎない。ある実施形態は、複数の負荷404を1つのデバイス回路402に結合して、および/または複数のデバイス回路402に纏めて結合して、所望の機能および/または照明を提供することもできる。加えて、図2に示すブロック202〜206および図4からのブロック406〜418は、所望の機能が提供される限り、この特定の実施形態にしたがって、ハードウェア(プログラミング可能なハードウェアを含む)、ソフトウェア、および/またはファームウェアで実現されてもよい。また、照明デバイス106は、デバイス回路402および負荷404の双方と共に図示したが、これも一例である。ある実施形態は、照明デバイス106とは別であるデバイス回路を含んでもよい。
【0035】
[0043] 図5は、本明細書において説明した実施形態にしたがって、変更AC電力をデバイスに送るフローチャートを示す。ブロック530に示すように、AC電力を受電することができる。ブロック532において、通信データを受信することができる。先に論じたように、通信データはリモート・コンピューティング・デバイス108から、および/または他のソースを介して受信することができる。いずれにしても、ブロック534において、リモート・デバイスに送るメッセージを通信データから決定することができる。ブロック536において、AC電力に対する変更を決定して、通信データを所定のフォーマットに応じたメッセージに変換することができる。ブロック538において、AC電力のゼロ交差点を判定することができる。ブロック540において、ゼロ交差点においてまたはその周囲において変更を確認できるように、AC電力を変更することができる。ブロック542において、変更AC電力を外部デバイスに送ることができる。
【0036】
[0044] 図6は、本明細書において説明した実施形態にしたがって、メッセージを送るためにAC電力内に遅延を含ませるフローチャートを示す。ブロック630に示すように、AC電力を受電することができる。ブロック632において、送る通信を決定することができる。ブロック634において、AC電力の少なくとも1つのゼロ交差点を判定することができる。ブロック636において、メッセージをAC電圧を介して伝達するために、少なくとも1つのゼロ交差点においてまたはその周囲において、所定のフォーマットにしたがってAC電力の通信を所定時間だけ遅延させることができる。
【0037】
[0045] 図7は、本明細書において説明した実施形態にしたがって、変更AC電力を介して送られたメッセージの内容を確認するフローチャートを示す。ブロック730に示すように、変更AC電力を、含まれるメッセージと共に、受電することができる。ブロック732において、変更AC電力をコンピュータ読み取り可能なフォーマットに変換することができる。ブロック734において、変更AC電力におけるメッセージから、アクションを決定することができる。ブロック736において、確認したメッセージにしたがって、アクションを実行するためにAC電力を利用することができる。
【0038】
[0046] 図8は、本明細書において説明した実施形態にしたがって、受電AC電力の特性判定に基づいて、負荷を変更するフローチャートを示す。ブロック830に示すように、AC電力を受電することができる。ブロック832において、AC電力の特性を判定することができる。ブロック834において、この特性に基づいて負荷を調節するコマンドを決定することができる。ブロック836において、この特性に基づいて負荷を調節することができる。
【0039】
[0047] 図9は、本明細書において説明した実施形態にしたがって、AC電力の特性を判定する負荷計算デバイス412を示す。負荷計算デバイス412は、プロセッサ930、入力/出力ハードウェア932、ネットワーク・インターフェース・ハードウェア934、データ記憶コンポーネント936(変更データ938a、他のデータ936b、および/またはその他のデータを格納する)、およびメモリ・コンポーネント940を含む。メモリ・コンポーネント940は、揮発性および/または不揮発性メモリとして構成されてもよく、したがって、ランダム・アクセス・メモリ(SRAM、DRAM、および/またはその他のタイプのRAMを含む)、フラッシュ・メモリ、電気的消去可能プログラミング済み(programmed)リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、セキュア・ディジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクト・ディスク(CD)、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、および/またはその他のタイプの非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。この特定の実施形態にしたがって、これらの非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、負荷計算デバイス412内部に位置すること、および/または負荷計算デバイス412の外部に位置することも可能である。
【0040】
[0048] メモリ・コンポーネント140は、オペレーティング・システム・ロジック942、検知ロジック944a、および変更ロジック144bを格納することができる。検知ロジック944aおよび変更ロジック944bは、各々、複数の異なるロジックを含むことができ、その各々は、一例として、コンピュータ・プログラム、ファームウェア、および/またはハードウェアとして具体化することができる。また、図9にはローカル・インターフェース946も含まれ、負荷計算デバイス412のコンポーネント間の通信を容易にするために、バスまたはその他の通信インターフェースとして実装することができる。
【0041】
[0049] プロセッサ930は、命令(データ記憶コンポーネント936および/またはメモリ・コンポーネント140からというような命令)を受けて実行するように動作可能な任意の処理コンポーネントを含むことができる。前述のように、入力/出力ハードウェア932は、図9のコンポーネントを含むように、および/または図9のコンポーネントとインターフェースするように構成することができる。
【0042】
[0050] ネットワーク・インターフェース・ハードウェア934は、任意の有線またはワイヤレス・ネットワーキング・ハードウェアを含むこと、および/またはこれと通信するように構成することができる。ネットワーキング・ハードウェアには、アンテナ、モデム、LANポート、ワイヤレス・フィデリティ(Wi−Fi)カード、WiMaxカード、移動体通信ハードウェア、および/または他のネットワークおよび/またはデバイスと通信するその他のハードウェアが含まれる。この接続から、負荷計算デバイス412と、図1に示したような、他のコンピューティング・デバイスとの間における通信を容易にすることができる。
【0043】
[0051] オペレーティング・システム・ロジック942は、オペレーティング・システム、および/または負荷計算デバイス412のコンポーネントを管理するためのその他のソフトウェアを含むことができる。先に論じたように、検知ロジック944aはメモリ・コンポーネント940内に位置することができ、プロセッサ930に電圧値、電力信号波形における遅延を決定させ、先に説明したようなその他の機能を実行させるように構成することができる。同様に、変更ロジック944bは、照明デバイス106の1つ以上の機能を変更する命令を供給するために利用することができる。
【0044】
[0052] 尚、図9におけるコンポーネントは、負荷計算デバイス412内に位置するように示されているが、これは単なる一例に過ぎないことは理解されてしかるべきである。ある実施形態では、これらのコンポーネントの内1つ以上が負荷計算デバイス412の外部に位置してもよい。また、負荷計算デバイス412が1つのデバイスとして示されているが、これも単なる一例に過ぎないことも理解されてしかるべきである。ある実施形態では、異なるコンピューティング・デバイス上に位置する検知ロジック944aおよび変更ロジック944bで構成されてもよい。加えて、負荷計算デバイス412は検知ロジック944aおよび変更ロジック944bと共に、別々の論理コンポーネントとして示されているが、これも一例に過ぎない。ある実施形態では、1つのロジックがリモート・コンピューティング・デバイス108に所望の機能を提供させてもよく、または複数の異なるロジックがこの機能を提供してもよい。
【0045】
[0053] また、負荷計算デバイス412が図9に示されているが、ACコントローラ計算デバイス204およびリモート・コンピューティング・デバイス108のような他のコンピューティング・デバイスが、図9に関して説明したハードウェアの内少なくとも一部を含んでもよいことも理解されてしかるべきである。しかしながら、これらのデバイスのハードウェアおよびソフトウェアは、所望の機能を提供するために、図9に関して説明したものとは異なってもよい。
【0046】
[0054] 以上で示したように、交流電力による照明および通信カスタム化についての種々の実施形態を開示した。これらの実施形態は、リモート・コンピューティング・デバイスによって負荷(照明デバイスのような負荷)の出力を制御する能力をユーザに提供するように構成することができる。また、実施形態は、放熱デバイスを必要としない回路も提供する。また、ある実施形態はAC電力と同じ周波数を使用して、AC電力上で通信する能力も提供することができる。
【0047】
[0055] 以上、本明細書では本開示の特定的な実施形態および態様について図示し説明したが、本開示の主旨や範囲から逸脱することなく、種々のその他の変更および修正も行うことができる。更に、本明細書では種々の態様について説明したが、このような態様は組み合わせて利用される必要はない。以上のことに応じて、添付する請求項は、したがって、本明細書において示し説明した実施形態の範囲内にあるこのような変更および修正の全てを包含することを意図している。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9