(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信端末と双方向通信可能に接続され、前記通信端末から出発地、目的地、及び出発地から目的地への経路探索要求を受信するとともに、受信した前記経路探索要求に応じて探索した経路を前記通信端末へと配信するサーバ装置において、
前記通信端末から前記経路探索要求を取得した場合に、前記通信端末が有する端末側地図情報を用いて探索された出発地から目的地までの経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記サーバ装置が有する装置側地図情報と前記経路情報とを用いて、前記対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路を前記通信端末へと配信する経路配信手段と、を有するサーバ装置。
前記所定距離は、前記通信端末が前記サーバ装置に前記経路探索要求を送信してから前記経路探索手段により探索された経路を受信するまでの時間に基づく距離である請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のサーバ装置。
通信端末と双方向通信可能に接続され、前記通信端末から出発地、目的地、及び出発地から目的地への経路探索要求を受信するとともに、受信した前記経路探索要求に応じて探索した経路を前記通信端末へと配信するサーバ装置を、
前記通信端末から前記経路探索要求を取得した場合に、前記通信端末が有する端末側地図情報を用いて探索された出発地から目的地までの経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記サーバ装置が有する装置側地図情報と前記経路情報とを用いて、前記対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路を前記通信端末へと配信する経路配信手段と、して機能させる為のコンピュータプログラム。
サーバ装置と双方向通信可能に接続され、前記サーバ装置へと出発地、目的地、及び出発地から目的地への経路探索要求を送信するとともに、前記経路探索要求に応じて前記サーバ装置において探索及び配信された経路を取得する通信端末において、
前記通信端末が有する端末側地図情報を用いて出発地から目的地までの経路を探索する端末推奨経路探索手段と、
前記経路探索要求とともに、前記端末推奨経路探索手段により探索された経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を前記サーバ装置へと送信する探索要求送信手段と、
前記経路探索要求に応じて前記サーバ装置において前記サーバ装置が有する装置側地図情報と前記経路情報とを用いて探索された経路であって、前記対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を、前記サーバ装置から受信する経路受信手段と、を有する通信端末。
通信端末と、前記通信端末と双方向通信可能に接続され、前記通信端末から出発地、目的地、及び出発地から目的地への経路探索要求を受信するとともに、受信した前記経路探索要求に応じて探索した経路を前記通信端末へと配信するサーバ装置とを有する経路探索システムにおいて、
前記通信端末は、
前記通信端末が有する端末側地図情報を用いて出発地から目的地までの経路を探索する端末推奨経路探索手段と、
前記経路探索要求とともに、前記端末推奨経路探索手段により探索された経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を前記サーバ装置へと送信する探索要求送信手段と、
前記経路探索要求に応じて前記サーバ装置において探索された経路を前記サーバ装置から受信する経路受信手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記経路探索要求及び前記経路情報を前記通信端末から受信する探索要求受信手段と、
前記サーバ装置が有する装置側地図情報と前記経路情報とを用いて、前記対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路を前記通信端末へと配信する経路配信手段と、を有する経路探索システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るサーバ装置、通信端末、経路探索システム及びコンピュータプログラムを具体化した第1実施形態乃至第3実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態に係る経路探索システム1の概略構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は第1実施形態に係る経路探索システム1を示した概略構成図である。
図2は第1実施形態に係る経路探索システム1の構成を示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態に係る経路探索システム1は、地図情報センタ2が備えるサーバ装置3と、ユーザ4が所持する通信端末5と、を基本的に有する。また、サーバ装置3と通信端末5は通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、通信端末5としては例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等がある。また、ユーザ4は車両に乗車している状態であっても良いし、車両に乗車していない状態であっても良い。
【0021】
ここで、サーバ装置3は、通信端末5の要求に応じて経路探索の実行を行う。具体的には、通信端末5において目的地が設定された場合や経路の再探索(リルート)を行う場合に、通信端末5からサーバ装置3へと出発地や目的地等の経路探索に必要な情報が経路探索要求とともに送信される(但し、再探索の場合には目的地に関する情報は必ずしも送信する必要は無い)。そして経路探索要求を受信したサーバ装置3は、サーバ装置3の有する地図情報を用いて経路探索を行い、出発地から目的地までの推奨経路を特定する。その後、特定された推奨経路を要求元の通信端末5へと送信する。そして、通信端末5は受信した推奨経路を案内経路に設定し、案内経路に従って移動案内を行う。それによって、経路探索時点において通信端末5が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であったとしても、サーバ装置3が有する最新バージョンの地図情報に基づいて適切な案内経路を設定することが可能となる。また、特に第1実施形態では、サーバ装置3だけではなく通信端末5においても通信端末5が有する地図情報を用いて経路探索を行い、通信端末5で探索された推奨経路(以下、端末推奨経路という)を経路探索要求とともにサーバ装置3へと送信する。そして、サーバ装置3は後述のように端末推奨経路を用いて経路探索を行う。
【0022】
一方、通信端末5は、ユーザ4が所持し、ナビ機能を備えた情報端末が用いられ、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等が該当する。
【0023】
ここで、ナビ機能は、ユーザが指定した条件に該当する経路を探索したり、ユーザ4の現在位置周辺の地図画像を表示したり、表示された地図画像中においてユーザ4の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う機能が該当する。尚、上記ナビ機能の全てを通信端末5が備えている必要はなく、少なくとも経路の探索を行う機能と設定された案内経路に沿った移動案内を行う機能とを有していれば本願発明を構成することが可能である。
【0024】
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局は通信端末5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある通信端末5の通信をサーバ装置3との間で中継する役割を持つ。
【0025】
続いて、経路探索システム1におけるサーバ装置3の構成について
図2を用いてより詳細に説明する。サーバ装置3は、
図2に示すようにサーバ制御ECU11と、サーバ制御ECU11に接続された情報記録手段としての装置側地
図DB12と、サーバ側通信装置13とを備える。
【0026】
サーバ制御ECU11(エレクトロニック・コントロール・ユニット)は、サーバ装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の経路探索処理プログラム(
図4参照)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御ECU11は、後述の通信端末5のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、経路情報取得手段は、通信端末5から経路探索要求を取得した場合に、通信端末5が有する地図情報を用いて探索された出発地から目的地までの経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を取得する。経路探索手段は、サーバ装置3が有する地図情報と経路情報とを用いて、対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を探索する。経路配信手段は、経路探索手段により探索された経路を通信端末5へと配信する。
【0027】
また、装置側地
図DB12は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25が、エリア毎(例えば20km四方のレベル10のメッシュ毎)に区分されて記憶される記憶手段である。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0028】
ここで、上記装置側地図情報25は、通信端末5に格納されている地図情報と基本的に同一の構成を有しており、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
【0029】
探索データとしては、後述のように出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。例えば、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用するコスト算出データが記憶されている。
【0030】
また、装置側地
図DB12には、上記装置側地図情報25とは別に最新バージョンの地図情報に対応して通信端末5において現在位置の特定や案内経路に沿った簡易走行案内を行う為の情報である移動案内情報26についてもエリア毎(例えば2.5km四方のレベル13のメッシュ毎)に区分されて記憶されている。
【0031】
ここで、移動案内情報26は、ユーザの現在位置のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿ってユーザに移動を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データとを含む。尚、マッチングデータは例えば道路形状を特定する為のデータからなる。また、案内データは例えば交差点の形状や交差点と道路の接続関係を特定する為のデータからなる。また、表示データは、通信端末5のディスプレイに道路網を含む地図画像や移動案内を行う為の案内画面を表示する為のデータからなる。
【0032】
そして、サーバ制御ECU11は、後述のように通信端末5から経路探索要求を受信した場合には、装置側地図情報25を用いて出発地から目的地までの経路探索を行う。そして、探索された経路を要求のあった通信端末5へと配信する。また、サーバ制御ECU11は、移動案内情報26についても必要に応じて通信端末5に対して配信を行う。具体的には、通信端末5が今後に移動する可能性のあるエリア(例えば、通信端末5の現在位置周辺、通信端末5で設定された案内経路の周辺)であって、通信端末5が有する地図情報のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアを対象として、対象エリアの移動案内情報26を通信端末5に対して配信するように構成する。
【0033】
一方、サーバ側通信装置13は通信端末5と通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。また、通信端末5以外にインターネット網や、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報の受信についても可能である。
【0034】
次に、通信端末5の概略構成について
図3を用いて説明する。尚、以下の説明では通信端末5として車両に設置されたナビゲーション装置を用い、移動体として特に車両の走行案内を行う場合を例に挙げて説明する。但し、ナビゲーション装置の代わりに、携帯電話機、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等を用いても良い。また、携帯電話機、タブレット型端末を用いる場合には、車両以外の移動体(例えば、歩行者、自転車等)の移動案内を行うことも可能である。
図3は第1実施形態に係る通信端末5であるナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように第1実施形態に係る通信端末5は、通信端末5であるナビゲーション装置が搭載された車両(移動体)の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、サーバ装置3やVICSセンタ等との間で通信を行う通信モジュール38と、を有する。
【0036】
以下に、通信端末5を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサを通信端末5が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみを通信端末5が備える構成としても良い。
【0037】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された端末側地
図DB45、バージョン管理DB46、キャッシュ47及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0038】
ここで、端末側地
図DB45は、通信端末5における経路探索や走行案内に用いられる端末側地図情報48が記憶される記憶手段である。
【0039】
ここで、端末側地
図DB45に記憶される端末側地図情報48は、前記した装置側地図情報25と同様に道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
【0040】
また、端末側地
図DB45に記憶される端末側地図情報48は、不図示の地図配信サーバから配信された地図更新情報や記録メディアから取得した地図更新情報に基づいて、該当箇所のデータを新たなデータに書き換えることによって区画単位(例えばメッシュ単位)で新たなバージョンの地図情報に更新される。また、端末側地
図DB45には、地図情報に対応して通信端末5において現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示を行う為の移動案内情報26についてもエリア毎(例えば2.5km四方のレベル13のメッシュ毎)に区分されて記憶されている。
【0041】
また、バージョン管理DB46は、現在、端末側地
図DB45に記憶されている端末側地図情報48のバージョンを特定する情報(例えばバージョン番号、最終更新日時等)を、地図情報の区画単位(例えばメッシュ単位)毎に記録する記憶手段である。尚、バージョン管理DB46は、端末側地図情報48が新たなバージョンの地図情報に更新されるのに伴って、その内容が更新される。
【0042】
また、キャッシュ47は、サーバ装置3から配信された移動案内情報26が一時的に保管される記憶手段である。第1実施形態に係る経路探索システム1では、前述したように車両が今後に走行する可能性のあるエリア(例えば、車両の現在位置周辺、通信端末5で設定された案内経路の周辺)であって、通信端末5が有する端末側地図情報48のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアを対象として、移動案内情報26がサーバ装置3から配信され、キャッシュ47に記憶される。ここで、移動案内情報26は前述したように最新の地図情報に対応して通信端末5において現在位置の特定、案内経路に沿った簡易走行案内、画像の表示を行う為の情報である。
【0043】
そして、ナビゲーションECU33は、通信端末5が有する端末側地図情報48のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアに関しては、端末側地
図DB45に格納する古いバージョンの地図情報や移動案内情報ではなく、キャッシュ47に格納された新しいバージョンの移動案内情報26を用いて車両の現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示等を行う。尚、キャッシュ47の記憶領域が不足した場合には、キャッシュ47に格納された移動案内情報26の内、優先度の低いものから順に削除される。
【0044】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、通信端末5の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の経路探索処理プログラム(
図4参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU33は、サーバ装置3のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、端末推奨経路探索手段は、出発地から目的地までの経路を探索する。探索要求送信手段は、経路探索要求とともに、端末推奨経路探索手段により探索された経路である端末推奨経路について、出発地から先の連続する道路列を特定する経路情報をサーバ装置3へと送信する。経路受信手段は、経路探索要求に応じてサーバ装置3において探索された経路を受信する、
【0045】
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)を有する。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルを有しても良い。また、マイクと音声認識装置を有しても良い。
【0046】
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
【0047】
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0048】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、端末側地
図DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
【0049】
また、通信モジュール38は、例えば、サーバ装置3やVICS(登録商標)センタやプローブセンタ等から送信された地図更新情報、経路情報、移動案内情報、交通情報等の各情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0050】
続いて、前記構成を有する経路探索システム1において、サーバ装置3及び通信端末5が実行する経路探索処理プログラムについて
図4に基づき説明する。
図4は第1実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。ここで、経路探索処理プログラムは、通信端末5において経路探索を開始する条件を満たした場合(例えば目的地の設定操作を受け付けた場合、車両が通信端末5において設定されている案内経路を離脱した場合等)に実行され、センタールート探索を用いて出発地から目的地までの経路を探索するプログラムである。尚、以下の
図4及び
図6にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3や通信端末5が備えているRAMやROMに記憶されており、CPU21或いはCPU51により実行される。
【0051】
先ず、
図4に基づいて通信端末5のCPU51が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は、経路探索の開始条件を満たしたか否か判定する。尚、経路探索の開始条件を満たした場合としては、通信端末5において新たな目的地の設定操作を受け付けた場合、車両が通信端末5において設定されている案内経路を離脱した場合(リルート時)等が該当する。
【0052】
そして、経路探索の開始条件を満たしたと判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、経路探索の開始条件を満たしていないと判定された場合(S1:NO)には、当該経路探索処理プログラムを終了する。
【0053】
S2においてCPU51は、通信端末5が有する端末側地図情報48を用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行い、出発地から目的地までの推奨経路(以下、端末推奨経路という)を特定する。具体的には、端末側地図情報48に含まれるリンクデータ、ノードデータ、探索データ等に基づいて、リンク(道路)に対する経路として適正の程度を数値化したリンクコストや、交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化した交差点コストや、走行に必要な費用の程度を数値化した料金コスト等を算出し、算出された各探索コストを用いて端末推奨経路の探索を行う。例えば公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を端末推奨経路とする。尚、ダイクストラ法を用いた経路探索処理は既に公知であるので詳細は省略する。また、出発地は車両の現在位置としても良いし、ユーザにより指定された任意の地点(例えば自宅)としても良い。例えば、車両が案内経路を離脱した場合(リルート時)には車両の現在位置が出発地となる。
【0054】
次に、S3においてCPU51は、前記S2の経路探索処理によって探索された端末推奨経路を、通信端末5において車両の走行案内を行う対象となる案内経路として仮設定する。その後、前記S3で仮設定された案内経路に基づいて車両の走行案内が開始される。例えば、自車位置周辺の道路網を含む地図画像を表示したり、右左折の対象となる案内分岐点が車両の所定距離手前に接近した場合には、案内分岐点の拡大図を表示したり、案内分岐点での車両の進行方向を案内する。また、CPU51は、基本的に端末側地
図DB45に格納された端末側地図情報48や移動案内情報26に基づいて上記走行案内を行う。但し、端末側地
図DB45に格納された端末側地図情報48や移動案内情報26が、車両の現在位置周辺エリアにおいて最新のバージョンでない場合については、移動案内情報26をサーバ装置3から取得し、取得した移動案内情報26も用いて上記走行案内を行う。尚、移動案内情報26は、車両のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿って車両に走行を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データとを含むので、端末側地
図DB45に格納された端末側地図情報48や移動案内情報26が案内経路と対応していなかったとしても、少なくとも車両の現在位置は正しい位置に特定し案内することができ、案内交差点では正しい車両の進行方向を案内することが可能となる。
【0055】
続いて、S4においてCPU51は、出発地から目的地への経路の探索を要求する為の経路探索要求をサーバ装置3へと送信する。ここで、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末5を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と目的地とを特定する情報と、前記S2で探索された端末推奨経路を特定する経路情報が含まれている。但し、車両が案内経路を外れたことに伴うリルート時においては、前回の探索時と目的地が基本的に同一となるので、目的地を特定する情報については送信しなくても良い。
【0056】
また、端末推奨経路を特定する経路情報としては、端末推奨経路の全体を特定する情報を送信しても良いが、第1実施形態では出発地から所定距離L分の経路(以下、対象経路という)を特定する情報を送信する。より具体的には、出発地から先の対象経路に含まれる連続する道路列を特定する情報を送信する。尚、道路列は第1実施形態ではリンク列とし、一部が所定距離L以内に含まれるリンクについても送信対象に含める。但し、一部のみ所定距離L以内に含まれるリンクについては送信対象から除外しても良い。
【0057】
また、所定距離Lは、通信端末5の現在の移動速度(通信端末5が特にナビゲーション装置である場合にはナビゲーション装置が搭載された車両の車速に相当)に基づいて設定される。具体的には、通信端末5は車速センサ42等のセンサを用いて現在の移動速度Vを取得し、所定時間Tに移動速度Vを乗じた距離を所定距離Lとする。また、所定時間Tは、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信するまでの時間に基づいて設定され、具体的には通信状態が悪い場合や目的地が特に遠方である場合についても考慮し、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信し終えるまでに必要と考えられる最長の時間とする。所定時間Tは例えば10secとする。即ち、所定距離Lは通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信するまでの間に、通信端末5が移動し得る最長の距離である。尚、所定時間Tを、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信し終えるまでに必要な最長の時間ではなく、平均時間としても良い。
【0058】
例えば前記S2において
図5に示す端末推奨経路71が探索された場合には、端末推奨経路71を構成する各リンクの内、出発地から所定距離L以内の対象経路に含まれる連続するリンクa〜dを特定する情報(例えばリンクID)が経路情報としてサーバ装置3に送信される。
【0059】
その後、S5においてCPU51は、経路探索要求に応じてサーバ装置3から送信された探索経路情報を受信する。ここで、前記S5で受信する探索経路情報は、前記S4で送信した経路探索要求に基づいてサーバ装置3が最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路(以下、サーバ推奨経路という)に関する情報である。尚、サーバ推奨経路の詳細については後述する。
【0060】
続いて、S6においてCPU51は、前記S5で受信した探索経路情報に基づいて、前記S3で仮設定された案内経路を、サーバ装置3で探索されたサーバ推奨経路へと差し替える。但し、端末推奨経路とサーバ推奨経路が同一経路である場合については差し替えを行う必要は無い。その後は、前記S6で差し替えられた案内経路に基づいて車両の走行案内が実施される。
【0061】
次に、サーバ装置3のCPU21が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。
【0062】
先ず、S11においてCPU21は、経路探索の開始条件を満たした通信端末5から送信される経路探索要求を受信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末5を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と目的地とを特定する情報と、前記S2で探索された端末推奨経路を特定する経路情報が含まれている。
【0063】
次に、S12においてCPU21は、後述のサーバ側の経路探索処理(
図6)を行う。サーバ側の経路探索処理では、後述のように前記S11で受信した経路探索要求と、サーバ装置3が有する装置側地図情報25とを用いて、出発地から目的地までの経路探索処理を行い、出発地から目的地までの推奨経路(サーバ推奨経路)を特定する。尚、サーバ推奨経路は、通信端末5で探索された端末推奨経路の内、出発地から所定距離以内の対象経路の少なくとも一部を含む経路となる。
【0064】
続いて、S13においてCPU21は、前記S12で特定したサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末5に対して送信する。その結果、サーバ推奨経路が通信端末5において案内経路に設定されることとなる(S6)。
【0065】
次に、前記S12において実行されるサーバ側の経路探索処理のサブ処理について
図6に基づき説明する。
図6はサーバ側の経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0066】
尚、以下のS21及びS22の処理は、前記S11で経路探索要求とともに受信した経路情報によって特定される対象経路のリンク列を構成する各リンクを対象として、出発地から近い順に行う。また、経路情報は、前述したように端末推奨経路の内、出発地から所定距離L以内における出発地から先の連続するリンク列(例えば
図5に示す例ではリンクa〜d)を特定する情報である。
【0067】
先ず、S21においてCPU21は、処理対象のリンクがサーバ装置3の有する装置側地図情報25に含まれるリンクであるか否か、即ち処理対象のリンクが最新バージョンの地図情報において存在するリンクであるか否かを判定する。
【0068】
そして、処理対象のリンクがサーバ装置3の有する装置側地図情報25に含まれるリンクであると判定された場合(S21:YES)、即ち処理対象のリンクが最新バージョンの地図情報において存在するリンクである場合には、S22へと移行する。S22においてCPU21は、処理対象のリンクを特定する情報(例えばリンクID)をフラッシュメモリ24等に保存する。その後、処理対象のリンクを目的地側に隣接するリンクへと変更した後に、S21以降の処理を再度実行する。
【0069】
一方、処理対象のリンクがサーバ装置3の有する装置側地図情報25に含まれるリンクでないと判定された場合(S21:NO)、即ち処理対象のリンクが最新バージョンの地図情報において存在しないリンク(廃止された道路等)である場合には、S23へと移行する。
【0070】
S23においてCPU21は、現時点(前記S21でNOと判定される時点)までに装置側地図情報25に含まれると判定されて前記S22で保存されたリンク列をフラッシュメモリ24等から読み出す。尚、読み出されるリンク列は、前記S11で経路探索要求とともに受信した経路情報によって特定されるリンク列の内、サーバ装置3が有する装置側地図情報25に含まれ、且つ出発地を含むリンク列部分である。尚、前記S23で読み出されたリンク列を、以下では基準道路列と称する。
【0071】
例えば、前記S2において
図7に示す端末推奨経路71が探索された場合であって、出発地から所定距離L以内にあるリンクa〜dの内、リンクaとリンクbとリンクdは装置側地図情報25に含まれるが、リンクcが装置側地図情報25に含まれない場合には、リンクcよりも出発地側にあるリンクa及びリンクbが基準道路列となる。尚、出発地に接続するリンクであるリンクaが装置側地図情報25に含まれない場合については、基準道路列が無いと判断される。
【0072】
その後、S24においてCPU21は、サーバ装置3が有する装置側地図情報25を用いて基準道路列の終点から目的地までの経路探索処理を行い、基準道路列の終点から目的地までの推奨経路(以下、継続推奨経路という)を特定する。具体的には、装置側地図情報25に含まれる最新バージョンのリンクデータ、ノードデータ、探索データ等に基づいて、リンク(道路)に対する経路として適正の程度を数値化したリンクコストや、交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化した交差点コストや、走行に必要な費用の程度を数値化した料金コスト等を算出し、算出された各探索コストを用いて継続推奨経路の探索を行う。例えば公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を継続推奨経路とする。尚、ダイクストラ法を用いた経路探索処理は既に公知であるので詳細は省略する。
【0073】
尚、前記S24でCPU21は、基準道路列を通過することを探索条件として、基準道路列の始点から目的地までの推奨経路を探索し、探索された経路を継続推奨経路として特定しても良い。
【0074】
次に、S25においてCPU21は、基準道路列と前記S24で探索された継続推奨経路を接続し、接続された出発地から目的地までの経路を最終的なサーバ推奨経路として特定する。その後、S13へと移行し、特定したサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末5に対して送信する。
【0075】
例えば、前記S2において
図8に示す端末推奨経路71が探索された場合であって、リンクa及びリンクbが基準道路列である場合には、前記S24においてリンクbの終点Xから目的地までの推奨経路である継続推奨経路72が探索される。そして、リンクa及びリンクbのリンク列と継続推奨経路72とを接続した経路がサーバ推奨経路となる。尚、基準道路列が無い場合(例えば出発地に接続するリンクであるリンクaが装置側地図情報25に含まれない場合)については、出発地から目的地までの通常の経路探索により探索された経路をサーバ推奨経路とする。
【0076】
また、前記S13でCPU21は、必ずしもサーバ推奨経路の全経路を特定する情報を送信する必要は無く、基準道路列を除いた部分(即ち継続推奨経路)を特定する情報のみを送信しても良い。その場合には、通信端末5において前記S2で探索された端末推奨経路にサーバ装置3から送信された継続推奨経路を接続することによって目的地までの経路を特定することが可能となる。
【0077】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る経路探索システム1、サーバ装置3、通信端末5及びサーバ装置3や通信端末5で実行されるコンピュータプログラムでは、経路探索の開始条件を満たした場合に、通信端末5は通信端末5が有する端末側地図情報48に基づいて出発地から目的地までの経路を探索し(S2)、経路探索要求とともに、探索された経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の連続するリンク列を特定する経路情報をサーバ装置3へと送信する。一方で、サーバ装置3は、経路探索要求を受信した場合に、経路情報によって特定されるリンク列の少なくとも一部を含む出発地から目的地までの経路を探索し(S24、S25)、探索された経路を通信端末5へと配信する(S13)ので、サーバ装置3へ経路探索の要求を行ってからの移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。その結果、現在の移動体に対して最も適切な案内経路を設定することが可能となる。
【0078】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る経路探索システムについて
図9及び
図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記
図1乃至
図8の第1実施形態に係る経路探索システム1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る経路探索システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0079】
この第2実施形態に係る経路探索システム1の概略構成は、第1実施形態に係る経路探索システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る経路探索システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に経路探索システム1が、端末推奨経路を特定する経路情報として、出発地から所定距離L分の対象経路に含まれる道路列を特定する情報を送信するのに対し、第2実施形態に係る経路探索システム1は、対象経路の終点を特定する情報を送信する点で第1実施形態に係る経路探索システム1と異なっている。
【0080】
以下に、第2実施形態に係る経路探索システム1において、サーバ装置3及び通信端末5が実行する経路探索処理プログラムについて
図9に基づき説明する。
図9は第2実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。
【0081】
先ず、
図9に基づいて通信端末5のCPU51が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。尚、S31〜S33については第1実施形態に係る経路探索処理プログラム(
図4)のS1〜S3と同様の処理であるので説明は省略する。
【0082】
S34においてCPU51は、出発地から目的地への経路の探索を要求する為の経路探索要求をサーバ装置3へと送信する。ここで、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末5を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と目的地とを特定する情報と、前記S32で探索された端末推奨経路を特定する経路情報が含まれている。但し、車両が案内経路を外れたことに伴うリルート時においては、前回の探索時と目的地が基本的に同一となるので、目的地を特定する情報については送信しなくても良い。
【0083】
また、端末推奨経路を特定する経路情報としては、端末推奨経路の全体を特定する情報を送信しても良いが、第2実施形態では出発地から所定距離L分の対象経路を特定する情報を送信する。より具体的には、対象経路の終点を特定する情報を送信する。
【0084】
また、所定距離Lは、第1実施形態と同様に通信端末5の現在の移動速度(通信端末5が特にナビゲーション装置である場合にはナビゲーション装置が搭載された車両の車速に相当)に基づいて設定される。具体的には、通信端末5は車速センサ42等のセンサを用いて現在の移動速度Vを取得し、所定時間Tに移動速度Vを乗じた距離を所定距離Lとする。また、所定時間Tは、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信するまでの時間に基づいて設定され、具体的には通信状態が悪い場合や目的地が特に遠方である場合についても考慮し、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信し終えるまでに必要と考えられる最長の時間とする。所定時間Tは例えば10secとする。即ち、所定距離Lは通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信するまでの間に、通信端末5が移動し得る最長の距離である。尚、所定時間Tを、通信端末5からサーバ装置3に経路探索要求を送信してからサーバ装置3で探索された経路をサーバ装置3から受信し終えるまでに必要な最長の時間ではなく、平均時間としても良い。
【0085】
例えば前記S32において
図10に示す端末推奨経路81が探索された場合には、端末推奨経路81において、出発地から所定距離L離れた地点Pを特定する情報(例えば座標)が経路情報としてサーバ装置3に送信される。
【0086】
その後、S35においてCPU51は、経路探索要求に応じてサーバ装置3から送信された探索経路情報を受信する。ここで、前記S35で受信する探索経路情報は、前記S34で送信した経路探索要求に基づいてサーバ装置3が最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路(サーバ推奨経路)に関する情報である。
【0087】
続いて、S36においてCPU51は、前記S35で受信した探索経路情報に基づいて、前記S33で仮設定された案内経路を、サーバ装置3で探索されたサーバ推奨経路へと差し替える。但し、端末推奨経路とサーバ推奨経路が同一経路である場合については差し替えを行う必要は無い。その後は、前記S36で差し替えられた案内経路に基づいて車両の走行案内が実施される。
【0088】
次に、サーバ装置3のCPU21が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。
【0089】
先ず、S41においてCPU21は、経路探索の開始条件を満たした通信端末5から送信される経路探索要求を受信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末5を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と目的地とを特定する情報と、前記S32で探索された端末推奨経路を特定する経路情報が含まれている。
【0090】
次に、S42においてCPU21は、前述したサーバ側の経路探索処理(
図6)を行う。但し、第2実施形態ではサーバ装置3側は対象経路の終点しか特定することができないので、S21〜S23の処理は行わない。また、前記S24及びS25ではサーバ装置3が有する装置側地図情報25を用いて対象経路の終点から目的地までの経路探索処理を行い、対象経路の終点から目的地までの推奨経路をサーバ推奨経路として特定する。サーバ推奨経路は、端末推奨経路の内、出発地から所定距離以内の対象経路の少なくとも一部を含む経路となる。
【0091】
続いて、S43においてCPU21は、前記S42で特定したサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末5に対して送信する。その結果、通信端末5において前記S32で探索された端末推奨経路にサーバ装置3から送信されたサーバ推奨経路を接続することによって目的地までの経路を特定することが可能となる。その結果、サーバ推奨経路が通信端末5において案内経路に設定されることとなる(S6)。
【0092】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る経路探索システム1、サーバ装置3、通信端末5及びサーバ装置3や通信端末5で実行されるコンピュータプログラムでは、経路探索の開始条件を満たした場合に、通信端末5は通信端末5が有する端末側地図情報48に基づいて出発地から目的地までの経路を探索し(S32)、経路探索要求とともに、探索された経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離だけ離れた地点を特定する経路情報をサーバ装置3へと送信する。一方で、サーバ装置3は、経路探索要求を受信した場合に、装置側地図情報25を用いて経路探索要求とともに受信した経路情報によって特定される地点から目的地までの経路を探索し、探索された経路を通信端末5へと配信する(S43)ので、センタールート探索を行う際において、サーバ装置3へ経路探索の要求を行ってからの移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。その結果、現在の移動体に対して最も適切な案内経路を設定することが可能となる。また、特に第2実施形態ではサーバ装置3は通信端末5から対象経路の終点のみ取得すれば良く、対象経路の道路列を特定する情報を取得する必要が無くなるので、通信量を削減することが可能であり、通信端末5のセンタールート取得までの時間についても短縮することが可能となる。
【0093】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係る経路探索システムについて
図11及び
図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記
図1乃至
図8の第1実施形態に係る経路探索システム1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る経路探索システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0094】
この第3実施形態に係る経路探索システム1の概略構成は、第1実施形態に係る経路探索システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る経路探索システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に経路探索システム1が、端末推奨経路を特定する経路情報を通信端末5からサーバ装置3へと送信することによってサーバ装置3に取得させるのに対し、第3実施形態に係る経路探索システム1は、経路情報を通信端末5からサーバ装置3へと送信せずにサーバ装置3自らが経路探索処理を行うことによって経路情報を取得する点で第1実施形態に係る経路探索システム1と異なっている。また、第3実施形態に係るサーバ装置3は、装置側地
図DB12に最新のバージョンの地図情報(即ち装置側地図情報25)以外に過去のバージョンの地図情報についても格納されており、且つ端末側地図情報48の現在のバージョンについてサーバ装置3が把握していることを前提とする。即ち、サーバ装置3は、最新バージョンの地図情報である装置側地図情報25以外に、通信端末5が現在有している端末側地図情報48と実質的に同一の地図情報についても有することを前提とする。
【0095】
以下に、第3実施形態に係る経路探索システム1において、サーバ装置3及び通信端末5が実行する経路探索処理プログラムについて
図11に基づき説明する。
図11は第3実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。
【0096】
先ず、
図11に基づいて通信端末5のCPU51が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。尚、S51〜S53については第1実施形態に係る経路探索処理プログラム(
図4)のS1〜S3と同様の処理であるので説明は省略する。
【0097】
S54においてCPU51は、出発地から目的地への経路の探索を要求する為の経路探索要求をサーバ装置3へと送信する。尚、第1実施形態や第2実施形態と異なり、経路探索要求には、前記S52で探索された端末推奨経路を特定する経路情報については含まれない。
【0098】
その後、S55においてCPU51は、経路探索要求に応じてサーバ装置3から送信された探索経路情報を受信する。ここで、前記S55で受信する探索経路情報は、前記S54で送信した経路探索要求に基づいてサーバ装置3が最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路(サーバ推奨経路)に関する情報である。
【0099】
続いて、S56においてCPU51は、前記S55で受信した探索経路情報に基づいて、前記S53で仮設定された案内経路を、サーバ装置3で探索されたサーバ推奨経路へと差し替える。但し、端末推奨経路とサーバ推奨経路が同一経路である場合については差し替えを行う必要は無い。その後は、前記S56で差し替えられた案内経路に基づいて車両の走行案内が実施される。
【0100】
次に、サーバ装置3のCPU21が実行する経路探索処理プログラムについて説明する。
【0101】
先ず、S61においてCPU21は、経路探索の開始条件を満たした通信端末5から送信される経路探索要求を受信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末5を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と目的地とを特定する情報が含まれている。
【0102】
次に、S62においてCPU21は、後述のサーバ側の経路探索処理(
図12)を行う。サーバ側の経路探索処理では、後述のように前記S11で受信した経路探索要求と、サーバ装置3が有する装置側地図情報25とを用いて、出発地から目的地までの経路探索処理を行い、出発地から目的地までの推奨経路(サーバ推奨経路)を特定する。また、サーバ装置3は、サーバ装置3が有する端末側地図情報48を用いて端末推奨経路を探索し、探索された端末推奨経路の内、出発地から所定距離以内の対象経路の少なくとも一部を含む経路をサーバ推奨経路とする。
【0103】
続いて、S63においてCPU21は、前記S62で特定したサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末5に対して送信する。その結果、サーバ推奨経路が通信端末5において案内経路に設定されることとなる(S56)。
【0104】
次に、前記S62において実行されるサーバ側の経路探索処理のサブ処理について
図12に基づき説明する。
図12はサーバ側の経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0105】
先ず、S71においてCPU21は、サーバ装置3が有する端末側地図情報48(端末側地図情報48と装置側地図情報25が同じバージョンである場合には装置側地図情報25でも良い)を用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行い、出発地から目的地までの推奨経路(端末推奨経路)を特定する。尚、前述したようにサーバ装置3は、装置側地
図DB12に最新のバージョンの地図情報(即ち装置側地図情報25)以外に過去のバージョンの地図情報についても格納されており、端末側地図情報48の現在のバージョンに基づいて端末側地図情報48を特定することが可能である。尚、地図情報以外に経路探索に影響を与える情報(例えば交通情報等)についても、サーバ装置3は通信端末5と同様に取得することとする。従って、前記S71において探索される経路は前記S52で探索される経路と基本的に同一となる。即ち、前記S71はサーバ装置3が、通信端末5の有する地図情報を用いて探索を行った場合に探索されると予想される推奨経路を、通信端末5と通信を行うことなく取得する処理となる。
【0106】
続いて、S72においてCPU21は、前記S71で特定された端末推奨経路の内、出発地から所定距離L分の対象経路を特定する。
【0107】
そして、以下のS73及びS74の処理は、前記S72で特定された対象経路のリンク列を構成する各リンクを対象として、出発地から近い順に行う。尚、以降のS73〜S77については第1実施形態に係る経路探索処理プログラム(
図6)のS21〜S25と同様の処理であるので説明は省略する。その後、S63へと移行する。
【0108】
S63でCPU21は、前記S73〜S77で特定されたサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末5に対して送信する。
【0109】
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る経路探索システム1、サーバ装置3、通信端末5及びサーバ装置3や通信端末5で実行されるコンピュータプログラムでは、経路探索の開始条件を満たした場合に、サーバ装置3は通信端末5が有する端末側地図情報48に基づいて出発地から目的地までの経路を探索し(S71)、探索された経路である端末推奨経路について、出発地から所定距離分の連続するリンク列の少なくとも一部を含む出発地から目的地までの経路を探索し(S76、S77)、探索された経路を通信端末5へと配信する(S63)ので、サーバ装置3へ経路探索の要求を行ってからの移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。その結果、現在の移動体に対して最も適切な案内経路を設定することが可能となる。また、特に第3実施形態ではサーバ装置3は通信端末5から端末推奨経路に関する情報を取得する必要が無くなるので、通信量を大きく削減することが可能であり、通信端末5のセンタールート取得までの時間についても短縮することが可能となる。
【0110】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態では、前記S21〜S23の基準道路列の特定に係る処理をサーバ装置3が行う構成としているが通信端末5が行う構成としても良い。その場合には、端末側地図情報48にあって装置側地図情報25には無いリンクを特定する情報を、通信端末5が有する或いはサーバ装置3から取得する必要がある。
【0111】
また、第1実施形態や第3実施形態では、基準道路列の終点から目的地までの推奨経路である継続推奨経路を探索し(S24、S76)、基準道路列と継続推奨経路を接続することによってサーバ推奨経路としているが、基準道路列の終点以外の点(例えば終点よりも出発地側のノード)から目的地までの推奨経路を継続推奨経路として探索しても良い。
【0112】
また、第1実施形態や第3実施形態では、サーバ装置3は経路情報として対象経路に含まれる道路列(リンク列)を取得しているが、対象経路を特定し得る情報であれば他の情報を経路情報として取得しても良い。例えば、対象経路上の座標列を経路情報として取得しても良い。
【0113】
また、第1実施形態や第3実施形態では、基準道路列をリンク単位で特定しているが、地図情報において道路を区画する単位であればリンク単位以外の単位で特定しても良い。
【0114】
また、第1実施形態乃至第3実施形態では、通信端末5がサーバ装置3からサーバ推奨経路を受信するまでの間において、端末推奨経路を案内経路に仮設定している(S3)が、端末推奨経路の案内経路への仮設定は行わないようにしても良い。
【0115】
また、本発明に係るサーバ装置、通信端末、経路探索システム及びコンピュータプログラムを具体化した実施例について上記に説明したが、サーバ装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
【0116】
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
通信端末(5)と双方向通信可能に接続され、前記通信端末から出発地、目的地、及び出発地から目的地への経路探索要求を受信するとともに、受信した前記経路探索要求に応じて探索した経路を前記通信端末へと配信するサーバ装置(3)において、前記通信端末から前記経路探索要求を取得した場合に、前記通信端末が有する端末側地図情報(48)を用いて探索された出発地から目的地までの経路である端末推奨経路(71、81)について、出発地から所定距離分の経路である対象経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段(11)と、前記サーバ装置が有する装置側地図情報(25)と前記経路情報とを用いて、前記対象経路の少なくとも一部を含む目的地までの経路を探索する経路探索手段(11)と、前記経路探索手段により探索された経路を前記通信端末へと配信する経路配信手段(11)と、を有する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、センタールート探索を行う際において、通信端末において探索される推奨経路の内、出発地から所定距離内の経路、即ち経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)が走行すると予想される経路を含むセンタールートとするので、サーバ装置へ経路探索の要求を行ってからの移動体の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。その結果、現在の移動体に対して最も適切な案内経路を設定することが可能となる。
【0117】
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記端末推奨経路(71、81)の探索は前記通信端末(5)において行われ、前記経路情報取得手段(11)は、前記端末推奨経路を探索した前記通信端末から前記経路情報を取得する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、通信端末において探索された推奨経路の内、出発地から所定距離内の経路、即ち経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体が走行すると予想される経路を含むセンタールートとするので、サーバ装置へ経路探索の要求を行ってからの移動体の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。
【0118】
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記装置側地図情報(25)に加えて前記端末側地図情報(48)についても有し、前記経路情報取得手段(11)は、前記端末側地図情報を用いて前記端末推奨経路(71、81)を探索し、探索された前記端末推奨経路に基づいて前記経路情報を取得する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、通信端末において探索されると予想される推奨経路の内、出発地から所定距離内の経路、即ち経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体が走行すると予想される経路を含むセンタールートとするので、サーバ装置へ経路探索の要求を行ってからの移動体の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。また、サーバ装置は通信端末から端末推奨経路に関する情報を取得する必要が無くなるので、通信量を大きく削減することが可能であり、通信端末のセンタールート取得までの時間についても短縮することが可能となる。
【0119】
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記経路情報は、前記対象経路に含まれる道路列であって、前記経路探索手段(11)は、前記道路列の少なくとも一部を通過する目的地までの経路を探索する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、通信端末において探索される推奨経路の内、出発地から所定距離内の経路、即ち経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)が走行すると予想される経路の道路列を含む経路をセンタールートとするので、サーバ装置へ経路探索の要求を行ってからの移動体の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。
【0120】
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記経路情報は、前記道路列を地図情報において道路を区画する道路区画単位で特定する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、道路列を経路探索に用いる道路区画単位で特定することが可能となるので、道路列を含む目的地までの経路を装置側地図情報を用いて適切に探索することが可能となる。
【0121】
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記経路特定手段(11)は、前記経路情報によって特定される前記道路列を構成する各道路区画について、出発地から順に前記装置側地図情報(25)に含まれる道路区画であるか否かを判定し、前記装置側地図情報に含まれない道路区画があると判定された場合に、該判定時点までに前記装置側地図情報に含まれると判定された道路区画を通過する目的地までの経路を探索する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、経路情報によって特定される道路列を構成する各道路区画と装置側地図情報とを比較することによって、経路情報によって特定される道路列の内、装置側地図情報に含まれ、且つ出発地を含む道路列部分をセンタールートに含める道路列として適切に抽出することが可能となる。
【0122】
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記経路情報は、前記対象経路の終点であって、前記経路探索手段(11)は、前記対象経路の終点から目的地までの経路を探索する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、通信端末において探索される推奨経路の内、出発地から所定距離内の経路、即ち経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)が走行すると予想される経路の終点を含む経路をセンタールートとするので、サーバ装置へ経路探索の要求を行ってからの移動体の移動についても考慮してセンタールートを探索することが可能となる。
【0123】
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記所定距離は、前記通信端末(5)の移動速度に基づく距離である。
上記構成を有するサーバ装置によれば、通信端末の移動速度に応じて対象経路の長さを決定するので、経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)が走行すると予想される経路を対象経路として特定することが可能となる。また、対象経路の長さを必要以上に長くすることなく、通信端末との間の通信量をできる限り削減することが可能となる。
【0124】
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記所定距離は、前記通信端末(5)が前記サーバ装置(3)に前記経路探索要求を送信してから前記経路探索手段(11)により探索された経路を受信するまでの時間に基づく距離である。
上記構成を有するサーバ装置によれば、経路探索要求をサーバ装置へと送信した後に移動体(通信端末の設置された車両や通信端末を所持するユーザ等)が走行すると予想される経路を対象経路として特定することが可能となる。また、対象経路の長さを必要以上に長くすることなく、通信端末との間の通信量をできる限り削減することが可能となる。
【0125】
また、第10の構成は以下のとおりである。
前記探索要求受信手段(11)は、移動体が前記通信端末(5)において設定されている案内経路から離脱した場合に、前記経路探索要求を前記通信端末から受信する。
上記構成を有するサーバ装置によれば、特に移動体が案内経路から離脱した場合において、離脱後に長時間にわたって案内経路に基づく移動案内が行われない事象が生じることを防止することができる。また、通信端末の有する地図情報がサーバ装置の有する地図情報と比べて古いバージョンの地図情報であったとしても、途中で分断されることのない適切な案内経路を再探索し、設定することが可能となる。