【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の回路構造と、送液手段を有する血液浄化システムにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕血液浄化膜で隔てられた第一の空間及び第二の空間を有し、上記第一の空間に体外循環血液を通して血液を浄化する、血液浄化器と;
上記第一の空間に流入する前の上記体外循環血液が流れる血液入口側流路と;
上記第一の空間から流出した後の上記体外循環血液が流れる血液出口側流路と;
上記第二の空間に液体を供給するための液体供給流路と;
上記第二の空間から液体を回収するための液体回収流路と;
上記液体供給流路から分岐しており、上記血液入口側流路に接続した、動脈側補液供給流路と;
上記液体供給流路から分岐しており、上記血液出口側流路に接続した、静脈側補液供給流路と、
を有する、オンライン型の血液浄化システムであって、
上記動脈側補液供給流路、及び上記静脈側補液供給流路は、それぞれ独立して制御可能な送液手段を有する、血液浄化システム。
〔2〕上記血液入口側流路と、上記血液出口側流路とは、相互に接続可能である、項目1に記載の血液浄化システム。
〔3〕上記液体供給流路は、上記第二の空間に透析液を供給するための透析液供給流路であり、
上記液体回収流路は、上記第二の空間から透析液を回収するための透析液回収流路であり、
上記血液浄化器は、上記体外循環血液と上記透析液とを接触させて血液を浄化することができる血液透析器である、項目1又は2に記載の血液浄化システム。
〔4〕上記血液浄化器は、中空糸の内側を流れる体外循環血液に、上記中空糸の外側を流れる透析液を接触させて血液を浄化する中空糸型血液透析器である、項目3に記載の血液浄化システム。
〔5〕上記血液浄化システムは、繰り返し使用可能な血液浄化装置を含み、
血液浄化装置は、上記液体供給流路と、上記液体回収流路と、上記動脈側補液供給流路と、上記静脈側補液供給流路とを有し、
上記動脈側補液供給流路及び上記静脈側補液供給流路は、上記体外循環血液に補液を直接供給することができ、
上記血液浄化装置は、上記体外循環血液の流れの異常を検出するための、補液圧力測定手段をさらに有する、項目1〜4のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔6〕前記補液圧力測定手段は、前記動脈側補液供給流路及び/又は前記静脈側補液供給流路と連通する領域を流れる補液の液圧を直接測定する、項目5に記載の血液浄化システム。
〔7〕上記血液浄化器は、血液入口を有する動脈側端部と、血液出口を有する静脈側端部とを有し、上記血液入口に上記血液入口側流路が接続され、上記血液出口に上記血液出口側流路が接続されており、
上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に、補液入口をさらに有し、上記補液入口に上記動脈側補液供給流路及び/又は上記静脈側補液供給流路が接続されている、項目1〜6のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔8〕上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に、上記体外循環血液と上記補液入口から流入する補液とを均一に混合するための混合手段をさらに有する、項目7に記載の血液浄化システム。
〔9〕上記血液浄化器は、血液入口を有する動脈側端部と、血液出口を有する静脈側端部とを有し、上記血液入口に上記血液入口側流路が接続され、上記血液出口に上記血液出口側流路が接続されており、
上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に、血液浄化の間に混入又は発生する気体を捕獲することができる所定容量をもつ内部空間を有する、項目1〜8のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔10〕上記液体供給流路、上記液体回収流路、上記動脈側補液供給流路、上記静脈側補液供給流路、上記血液入口側流路、及び上記血液出口側流路からなる群から選択される少なくとも1つが管状部材で構成されている、項目1〜9のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔11〕上記液体供給流路と上記液体回収流路とは、相互に接続可能である、項目1〜10のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔12〕上記動脈側補液供給流路と、上記静脈側補液供給流路とは、相互に接続可能である、項目1〜11のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔13〕上記動脈側補液供給流路又は上記静脈側補液供給流路のいずれか一方を閉止して、閉止されていない他方から上記血液入口側流路又は上記血液出口側流路へと血液回収用液体を流入させることにより、上記第一の空間内に残存する血液を回収可能な、
項目1〜12のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔14〕上記液体供給流路において、
上記動脈側補液供給流路と上記液体供給流路との分岐点が、上記静脈側補液供給流路と上記液体供給流路との分岐点より下流にある、項目1〜13のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔15〕上記液体供給流路において、
上記動脈側補液供給流路と上記液体供給流路との分岐点が、上記静脈側補液供給流路と上記液体供給流路との分岐点より上流にある、項目1〜14のいずれか一項に記載の血液浄化システム。
〔16〕項目1〜15のいずれか一項に記載の血液浄化システムの、プライミング方法であって、
上記液体供給流路にプライミング液を流入させ、上記血液浄化器の上記第二の空間を通じて、上記液体回収流路から上記プライミング液を回収することと;
上記液体供給流路を流れるプライミング液の一部を、上記静脈側補液供給流路に流入させ、上記血液浄化器の上記第一の空間、及び上記動脈側補液供給流路を通じて、上記液体供給流路に戻すことと、
を有する、プライミング方法。
〔17〕項目1〜15のいずれか一項に記載の血液浄化システムの、プライミング方法であって、
上記液体供給流路にプライミング液を流入させ、上記血液浄化器の上記第二の空間を通じて、上記液体回収流路から上記プライミング液を回収することと;
上記液体供給流路を流れるプライミング液の一部を、上記動脈側補液供給流路に流入させ、上記血液浄化器の上記第一の空間、及び上記静脈側補液供給流路を通じて、上記液体供給流路に戻すことと、
を有する、プライミング方法。
〔18〕項目1〜15のいずれか一項に記載の血液浄化システムの、プライミング方法であって、
上記液体供給流路にプライミング液を流入させ、
上記血液浄化器の上記第二の空間を通じて上記液体回収流路から上記プライミング液を回収することと;
上記第二の空間を通るプライミング液の一部を、上記血液浄化膜を通過させて上記第一の空間へと流入させ、上記動脈側補液供給流路及び/又は上記静脈側補液供給流路を通じて、上記液体供給流路に戻すことと、
を有する、プライミング方法。
〔19〕項目1〜15のいずれか一項に記載の血液浄化システムの、プライミング方法であって、
上記液体供給流路にプライミング液を流入させ、上記液体供給流路を流れる上記プライミング液の一部を、上記動脈側補液供給流路及び/又は上記静脈側補液供給流路を通じて、上記血液浄化器の上記第一の空間へと流入させることと;
上記第一の空間を流れるプライミング液の一部を、上記血液浄化膜を通過させて上記第二の空間へと流入させ、上記液体回収流路から上記プライミング液を回収することと;
を有する、プライミング方法。
【0012】
本実施形態の血液浄化システム及びそのプライミング方法に使用するのに適した血液浄化装置の実施形態は、例えば、以下のとおりである。
〔20〕
体外循環血液を浄化する使い捨て血液浄化器と共に用いられる、血液浄化装置であって、
上記血液浄化装置は、上記体外循環血液に補液を直接供給するための少なくとも1つの補液供給流路、及び上記体外循環血液の流れの異常を検出するための、上記補液供給流路を流れる補液の圧力を測定する補液圧力測定手段を有し、
上記補液供給流路が2系統あり、1の系統は、補液を浄化前の上記体外循環血液に供給するためのものであり、他の系統は、補液を浄化後の上記体外循環血液に供給するためのものであり、
2系統の上記補液供給流路は、それぞれ独立して制御可能な送液手段を有する、血液浄化装置。
〔21〕
上記血液浄化器は、上記体外循環血液に透析液を接触させて血液を浄化する血液透析器であり、
上記血液浄化装置は、上記血液透析器に透析液を供給するための透析液供給流路、及び上記血液透析器から透析液を回収するための透析液回収流路をさらに有する、項目20に記載の血液浄化装置。
〔22〕
上記血液透析器は、中空糸の内側を流れる体外循環血液に、上記中空糸の外側を流れる透析液を接触させて血液を浄化する中空糸型血液透析器である、項目21に記載の血液浄化装置。
〔23〕
上記補液供給流路は、上記透析液供給流路から分岐しており、透析液を補液として上記体外循環血液に供給する、項目21又は22に記載の血液浄化装置。
〔24〕
上記血液浄化器は、血液入口をもつ動脈側端部と、血液出口をもつ静脈側端部とを有し、
上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に補液入口をさらに有し、上記補液入口は、使用時に、上記血液浄化装置の上記補液供給流路に接続され、補液が流れる、項目20〜23のいずれか一項に記載の血液浄化装置。
〔25〕
上記血液浄化器の上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に、上記体外循環血液と上記補液入口から流入する補液とを均一に混合するための混合手段をさらに有する、項目24に記載の血液浄化装置。
〔26〕
上記血液浄化器の上記動脈側端部及び/又は上記静脈側端部に、血液浄化の間に混入又は発生する気体を捕獲することができる所定容量をもつ内部空間を有する、項目24又は25に記載の血液浄化装置。
〔27〕
上記血液浄化器は、上記補液入口に接続された補液入口管状部材をさらに有し、上記補液入口管状部材は、使用時に、上記血液浄化装置の上記補液供給流路に接続され、補液が流れる、項目24〜26のいずれか一項に記載の血液浄化装置。