(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)チタニウムの一部が二酸化チタン相として存在し、全二酸化チタン相について二酸化チタン相の少なくとも0.1重量%がブルッカイト(brookite)形態であるチタニウム;及び
(b)1.0cm3/g超過の細孔容積を有するシリカ支持体であって、チタニウムがシリカ支持体上に沈着されるシリカ支持体;を含み、
25.3、25.7、30.8、36.1及び48.0°2θでピークを含む粉末X−線回折スペクトルを有する、触媒組成物であって、
前記シリカ支持体は、
(a)800m2/g超過の表面積を有する非晶質シリカを含むことを特徴とする触媒組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、チタニア−ルチル(titania−rutile)及びアナターゼ(anatase)のその他のより一般的な多形と共にブルッカイト多形体形態にチタニウムを含有するチタネート化シリカ触媒を提供する。いくつかの実施形態では、チタニウムの一部は、粉末X−線回折(XRD)法によって検出されていない他の形態の外にも、ブルッカイト多形体形態及び、ルチル又はアナターゼ多形体形態中1つ以上に存在する。いくつかの実施形態では、触媒上のチタニウムは、減少された量のルチル及び/又はアナターゼ多形体形態、及び増加されたブルッカイト多形体形態を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、高い表面積、及び高い細孔容積を共に有するシリカ支持体を含む。本開示はまた、アルケン及びアラルケンのエポキシ化(epoxidation)のため、これら触媒を使用する方法を提供する。
【0010】
I.触媒組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、酸化剤の存在下でオレフィンからエポキシドを製造するために使用され得る触媒に関する。いくつかの実施形態では、触媒は、ブルッカイト多形体形態のチタニウムを含有する。例えば、触媒組成物は、
(a)チタニウムがブルッカイト多形体形態を示す酸化チタン相を含むチタン;及び
(b)チタニウムがシリカ支持体上に沈着されたシリカ支持体;を含むことができる。
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、ブルッカイト多形体形態のチタニア相の約0.1%〜約50%を含む。触媒組成物に存在するブルッカイト多形体形態のチタニウムは、25.3、25.7、30.8、36.1及び48.0°2θでピークを特徴とする粉末X−線回折スペクトルを有する。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、下記を有する非晶質シリカを含む:
(a)800m
2/g超過の表面積;及び
(b)1.0cm
3/g超過の細孔容積。
いくつかの実施形態では、触媒は、約1重量%〜約8重量%沈着されたチタニウムを含む。触媒組成物は、チタニウム相に沈着された有機珪酸塩(
C≦24)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、有機珪酸塩は、ヘキサメチルジシラザン又はトリメチルシリルである。
【0011】
特定の実施形態では、触媒のシリカ支持体は、高い表面積をさらに含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体の表面積は、800m
2/gより大きい。いくつかの実施形態では、表面積は、約800m
2/g〜約1200m
2/gである。いくつかの実施形態では、表面積は、約900m
2/g〜約1100m
2/gである。いくつかの実施形態では、表面積は、約910m
2/g〜約970m
2/gである。いくつかの実施形態では、表面積は、約950m
2/gである。いくつかの実施形態では、表面積は、1000m
2/gより大きい。
【0012】
いくつかの態様では、触媒のシリカ支持体は、高い細孔容積をさらに含む。いくつかの実施形態では、高い細孔容積は1.25g/cm
3より大きい。いくつかの実施形態では、細孔容積は、1.25g/cm
3〜約3.50g/cm
3である。いくつかの実施形態では、細孔容積は、1.5g/cm
3〜3.0g/cm
3である。いくつかの実施形態では、細孔容積は、2.0g/cm
3〜2.5 g/cm
3である。いくつかの実施形態では、細孔容積は、2.20g/cm
3〜2.5 g/cm
3である。いくつかの実施形態では、細孔容積は、2.0g/cm
3より大きい。細孔容積及び表面積は、窒素細孔測定法を使用して測定することができる。
【0013】
いくつかの態様では、触媒のシリカ支持体は、70Å超過の平均細孔直径をさらに含む。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、約70Å〜約150Åである。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、約90Å〜約110Åである。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、約91Å〜約108Åである。さらに他の態様では、触媒のシリカ支持体は、高い表面積、及び高い細孔容積の両方をさらに含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、800g/cm
3超過の高い表面積及び1.25g/cm
3超過の高い細孔容積の両方を有する。如何なる理論にも束縛されることなく、高い表面積、及び高い細孔容積の組み合わせは、酸化剤を所望する生成物への高い転換率を産出するのを助けることができる。
【0014】
他の態様では、触媒のシリカ支持体は、特定の粒径をさらに含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、粉砕又は押出を通じて収得される。いくつかの実施形態では、シリカ支持体の粉砕又は押出は、シリカ支持体に対し、特定の粒径を収得することを可能にする。他の実施形態では、シリカ支持体の粒径は、篩を通して触媒のシリカ支持体を分類することによって収得される。いくつかの実施形態では、シリカ支持体の粒径は、約5.0mm未満である。いくつかの実施形態では、粒径は、約0.5mm〜約3.0mmである。別の態様では、触媒のシリカ支持体は、触媒組成物の総重量の約2重量%〜約8重量%のチタニウムの含量を沈着させる段階をさらに含む。いくつかの実施形態では、チタニウム含量は、約5重量%〜約7重量%である。
【0015】
A.触媒のシリカ支持体
いくつかの態様では、触媒のシリカ支持体は、無機珪質固体を含む。いくつかの実施形態では、珪質固体は、非晶質シリコン酸化物である。いくつかの実施形態では、珪質固体は、該質量に比べて相対的に大きな表面積を特徴としている。いくつかの実施形態では、表面積は、800m
2/g より大きい。いくつかの実施形態では、表面積は、約800m
2/g 〜約1200m
2/g である。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、シリコン酸化物の構造内に1つ以上の開放空間、細孔又は間隙を含む。使用可能なシリコン酸化物の一部の非限定的な例は、凝集しているか、それとも互いに結合し、高密度で充填されたシリカ酸化物の塊、開放充填され、容易に崩壊され、緩く編成された凝集体で凝集される合成シリカ粉末を含むか、又は使用可能なシリカ支持体は、これに限定されないが、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−ホウ素及びシリカ−アルミニウム−マグネシアを含む混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、MCM−41、MCM−48及びM41Sのような大きい細孔又はメソ多孔質分子篩を含むがこれに限定されない分子体である。
【0016】
いくつかの態様では、シリカ支持体が、遷移金属で沈着される前にシリカ支持体が乾燥される。いくつかの実施形態では、シリカ支持体を乾燥させる段階は、シリカ支持体を約100℃〜約850℃の温度で加熱する段階を含む。いくつかの実施形態では、温度は、約120℃超過である。いくつかの実施形態では、温度は、約150℃〜約300℃である。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、真空下で乾燥される。他の実施形態では、シリカ支持体は、窒素又は希ガスのようなガスの流動ストリーム下で乾燥される。いくつかの実施形態では、ガスの流動ストリームは、シリカ支持体が継続して駆動するよう助ける。いくつかの態様では、シリカ支持体は、約1時間〜約48時間乾燥される。いくつかの態様では、当該期間は、約2時間〜24時間である。
【0017】
いくつかの実施形態では、触媒のシリカ支持体は、シリコン酸化物を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体はまた、酸化チタンを含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、少なくとも90重量%のシリコン酸化物を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、少なくとも95重量%のシリコン酸化物を含む。シリカ支持体中のシリコン酸化物及び他の酸化物の百分率は、XRF(X−線蛍光分光法)を使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、他の酸化物は、シリコン支持体の約10重量%未満を含む。いくつかの実施形態では、他の酸化物は、シリカ支持体の約0.01重量%〜約9.9の重量%を含む。
【0018】
本開示のいくつかの態様では、シリカ支持体は、プロセスから吸着された溶媒を含む。いくつかの実施形態では、吸着された溶媒は、触媒を製造する工程を通じて除去される。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、3重量%未満の炭素を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、約0.05重量%〜約3重量%を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、吸着された溶媒又は他の物質からの約1重量%〜約2重量%の炭素を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体の炭素含量は、炭素を高温で二酸化炭素に転換させることによって、炭素窒素分析を使用して測定される。
【0019】
B.活性成分
本開示のいくつかの態様では、触媒は、シリカ支持体内に、又はその上に沈着された活性部位としての1つ以上の触媒的に活性である金属化合物を含む。いくつかの実施形態では、シリカ支持体上に沈着された活性成分は、チタニウム化合物である。いくつかの実施形態では、チタニウム種は、チタニウム源を使用して沈着させる。使用され得るチタニウム源は、チタニウムアルコキシド、チタニウムハライド又は混合アルコキシド及びハライドリガンドを有するチタニウムである。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、+3又は+4酸化状態のチタニウム金属である。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、+4酸化状態のチタニウム金属である。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、少なくとも1つのハライドリガンドを有するチタン錯体である。
【0020】
いくつかの態様では、本開示の触媒は、触媒の総重量中、約0.1重量%〜約10重量%のチタニウムを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、触媒の総重量中、約2重量%〜約8重量%を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、触媒の総重量中、約5重量%〜約7重量%を含む。いくつかの実施形態では、チタニウムの多数の異なる沈着を使用して触媒上に所望する量のチタニウムを収得する。
【0021】
いくつかの態様では、固体成分上に沈着されたチタニウムは、1つ以上の多形体形態を示す。いくつかの実施形態では、固体成分上に沈着されたチタニウムは、ブルッカイト多形体形態のチタニウムを示す。いくつかの実施形態では、固体成分上に沈着されたチタニウムは、ブルッカイト多形体形態及び、ルチル又はアナターゼ多形体形態を示す。いくつかの実施形態では、固体成分上に沈着されたチタニウムは、ブルッカイト、ルチル及びアナターゼ多形体形態を示す。
【0022】
いくつかの態様では、シリカ支持体上に沈着されたチタニウムの一部は、数個の多形体形態を示すことができる。いくつかの実施形態では、シリカ支持体上に沈着されたチタニウムの一部は、ブルッカイト多形体形態を示す。ブルッカイト形態は、XRD法で測定した総チタニウム(ブルッカイト、アナターゼ及びルチルを合わせたもの)の0.1〜50%の間に存在し得る。如何なる理論にも束縛されることを望まないが、チタニアの多形体の1つの違いは、TiO
2が異なる寸法、及び対称性を有する異なる結晶形態で充填され、チタニア相の区域表面特性を招来することである。
【0023】
「ブルッカイト」、「ブルッカイト形態」又は「ブルッカイト多形体形態」という用語は、同義語であり、酸化チタンの一形態を示し、いくつかの実施形態では、a、b及びcに対して各々9.2100、5.4720及び5.1710の格子パラメータを有する斜方晶系決定システムを特徴としており、α、β及びγは、各々90°である。いくつかの実施形態では、ブルッカイト形態は、25.3±0.2°2θ、25.7±0.2°2θ、30.8±0.2°2θ、36.1±0.2°2θ、及び48.0±0.2°2θでピークを含むXRDスペクトル(2θ)を示す。
【0025】
いくつかの態様では、シリカ支持体のチタネート化(titanation)は、液相で実施される。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、非活性溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、純粋のまま(即ち、溶媒使用せず)使用される。いくつかの実施形態では、非活性溶媒は、炭化水素(
C1−12)である。いくつかの実施形態では、非活性溶媒は、アレーン(
C1−12)である。非活性溶媒の一部の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン又はヘプタンを含む。いくつかの実施形態では、非活性溶媒は、トルエンである。他の態様では、シリカ支持体のチタネート化は、蒸気相で実施される。
【0026】
いくつかの態様では、シリカ支持体上にチタニウムを沈着させるために任意の沈着方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、チタニウム前駆体は、溶媒に溶解された後に、シリカ支持体に添加される。いくつかの実施形態では、チタニウム前駆体は、シリカ支持体を含有する溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、個体支持体上のチタニウム前駆体の沈着は、シリカ支持体の細孔容積及び全体表面積内にチタニウムを沈着させるのに充分な時間実施される。いくつかの実施形態では、個体支持体上にチタニウムの沈着を助けるために溶媒が使用される場合、溶媒は、上昇した温度及び/又は減圧を使用して除去することができる。いくつかの実施形態では、当該方法は、デカント、濾過又は洗浄をさらに含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、金属沈着されたシリカ支持体を洗浄する段階をさらに含む。他の実施形態では、当該方法は、チタネート化シリカ支持体を洗浄しない段階をさらに含む。
【0027】
いくつかの態様では、触媒は、約100℃〜約1000℃の温度で焼成される。いくつかの実施形態では、触媒は、約600℃〜約800℃の温度で焼成される。いくつかの実施形態では、触媒は、約600℃〜約700℃の温度で焼成される。いくつかの態様では、触媒は、約0.5時間〜約24時間一定の温度で焼成される。
【0028】
焼成後に、触媒は、いくつかの態様では、溶媒で洗浄することができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、アルコール、水又は1つ以上の遊離ヒドロキシル基を含有する他の溶媒である。いくつかの実施形態では、触媒は、上昇した温度で洗浄される。いくつかの実施形態では、触媒は、周囲温度で洗浄される。いくつかの実施形態では、温度は、50℃超過である。いくつかの実施形態では、温度は、約50℃〜約100℃である。いくつかの実施形態では、触媒は、約0.1時間〜約2時間洗浄される。如何なる理論にも束縛されないが、洗浄段階は、任意の反応性チタニウムハライド結合を、反応性が少ない水酸化チタン、アルコキシド又はオキサイド結合に転換させる。
【0029】
C.触媒のシリル化
本開示の他の態様では、触媒は、シリル化剤と反応させる。いくつかの実施形態では、シリル化剤は、有機シラン、有機シリルアミン及び有機シラザンから選択される。いくつかの実施形態では、シリル化剤は、1〜3つの脂肪族、芳香族、又はこれら基中、いずれかの置換されたバージョンを有する有機シラン(
C≦24)である。いくつかの実施形態では、有機シラン(
C≦24)は、少なくとも1つのハロ置換基及び1〜3つの脂肪族、芳香族、又はこれら基中、いずれかの置換されたバージョンを有する有機シランである。他の実施形態では、シリル化剤は、有機ジシラザン(
C≦24)である。いくつかの実施形態では、有機ジシラザン(
C≦24)は、R
3SiNHSiR
3であり、ここでRは 各々独立的に脂肪族基、芳香族基、又はこれら基中、いずれかの置換されたバージョンから選択される。特に、当該Rは、C
1−C
6炭素原子を有する脂肪族基である。例えば、ヘキサメチルジシラザンは、洗浄されたチタネート化シリカ支持体をシリル化するために使用され得る。
【0030】
II.触媒の製造方法
いくつかの態様では、触媒は、シリカ支持体の乾燥、シリカ支持体のチタネート化及びチタネート化シリカ支持体の焼成を含む1つ以上の段階を使用して製造される。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体はまた、洗浄される。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体はまた、シリル化剤と反応する。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体は洗浄してシリル化剤と反応する。いくつかの態様では、本明細書に記載の触媒組成物は、下記を含む方法を使用して製造され、:
(a)800m
2/g超過の表面積及び1.0cm
3/g超過の細孔容積を有するシリカ支持体を収得する段階;
(b)当該シリカ支持体を乾燥させる段階;
(c)当該シリカ支持体上にチタニウムをチタニウム源から純粋に沈着、蒸気相で沈着、又は溶媒に溶解させて沈着させる段階;
(d)当該チタネート化シリカ支持体を焼成させる段階;及び
(e)当該チタネート化シリカ支持体を水又はアルコール(
C≦12)で洗浄する段階;
ここで当該方法は、二酸化チタン相の少なくとも0.1重量%がブルッカイト形態である触媒組成物を生成する。当該方法は、チタネート化シリカ支持体をシリル化剤と反応させる段階をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、シリル化剤は、ヘキサメチルジシラザンである。いくつかの実施形態では、シリカ支持体は、約1時間〜約48時間、約100℃〜約850℃の温度で乾燥される。本明細書に記載の方法に使用され得るチタニウム源は、チタニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドハライド又はチタニウムハライドを含む。いくつかの実施形態では、チタニウムは、約25℃〜約800℃の温度でキャリアガス中でチタニウム源を気化させることによって蒸気相で沈着される。他の実施形態では、チタニウムは、アレーン(
C≦12)又はアルカン(
C≦12)溶媒中に溶解されたチタニウム源を使用して溶液相で沈着される。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体は、約300℃〜800℃の温度で焼成される。当該方法は、水又はアルコール(
C≦12)で洗浄した後にチタネート化シリカ支持体を乾燥させる段階をさらに含むことができる。
【0031】
A.シリカ支持体の乾燥
いくつかの態様では、シリカ支持体は、上昇した温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、乾燥は、吸収された溶媒又は水をシリカ支持体から除去する。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、100℃超過である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約100℃〜約850℃である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約120℃〜約400℃である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約150℃〜約300℃である。さらに、シリカ支持体の乾燥は、いくつかの実施形態では、約1時間〜約48時間シリカ支持体を乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、時間は約2時間〜約24時間である。
【0032】
B.シリカ支持体のチタネート化
いくつかの態様では、シリカ支持体は、チタニウム源と反応してシリカ支持体上にチタニウム種を沈着させる。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、チタニウムアルコキシド、チタニウムハライド、又はアルコキシド、又はハライド陰イオン、又はリガンドの混合物を有するチタニウム化合物である。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、+4酸化状態のチタニウム原子を含む。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、四塩化チタニウムである。
【0033】
いくつかの態様では、シリカ支持体のチタネート化は、蒸気相で実施される。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、気相で製造される。いくつかの実施形態では、シリカ支持体の蒸気相チタネート化は、約周囲温度〜約850℃の温度である。いくつかの実施形態では、気相チタニウム源は、不活性ガスで希釈される。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、気相チタニウム源のための担体として作用する。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、希ガスまたは窒素である。
【0034】
本開示のいくつかの態様では、チタニウム金属は、チタニウム源を溶媒中に溶解させることによって沈着される。いくつかの実施形態では、チタニウム源が溶解される溶媒は、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素から選択される有機溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、酸素原子を有しない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、ハロゲン原子をさらに含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、本質的に水を含有しない。いくつかの実施形態では、溶媒は、無水である。いくつかの実施形態では、溶媒は、約500ppm未満の水を含有する。いくつかの実施形態では、沈着溶媒中に存在する水の量は、100ppm未満の水である。いくつかの実施形態では、水は、シリカ支持体上に金属を沈着させた後に添加される。いくつかの実施形態では、水は、金属によるシリカ支持体の沈着後まで、反応混合物から明確に排除される。いくつかの実施形態では、チタニウム源は、約0.01M〜約1.0Mのチタニウム源濃度で溶媒中に溶解される。
【0035】
いくつかの実施形態では、触媒は、四面体配位されたチタニウム部分を含有する。いくつかの実施形態では、触媒は、1つ以上の多形体形態の酸化物としてチタニウムを含有する。いくつかの実施形態では、触媒上のチタニウムは、ブルッカイト形態である。いくつかの実施形態では、触媒は、ブルッカイト、ルチル及びアナターゼ多形体形態の酸化チタン相を含有する。いくつかの実施形態では、触媒は、1つの多形体形態がブルッカイト形態であり、他の形態がルチル及びアナターゼ多形体形態から選択される2種の多形体形態のチタニウムを含有する。
【0036】
C.チタネート化シリカ支持体の焼成
いくつかの態様では、チタネート化シリカ支持体は、上昇した温度で焼成される。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約100℃〜約1,000℃である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約300℃〜約800℃である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約600℃〜約800℃である。いくつかの態様では、触媒の温度の漸進的な増加が使用される。いくつかの実施形態では、金属沈着されたシリカ支持体は、100℃で約15分間、次いで、250℃で約15分間加熱し、次いで、700℃で約2時間加熱する。いくつかの実施形態では、焼成は、窒素又は希ガスのような不活性大気下で実施する。いくつかの実施形態では、焼成は、不活性ガス下で実施した後、空気中で実施する。 如何なる理論にも束縛されないが、焼成は、チタニウム前駆体とシリカ表面の反応を完了し、触媒から過量のチタニウム及び/又は塩化水素を除去する。
【0037】
いくつかの態様では、触媒は、チタネート化シリカ支持体を焼成する段階をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体の焼成は、酸素を含む 大気中で実施される。他の実施形態では、金属沈着シリカ支持体の焼成は、酸素の不在下で実施される。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体の焼成は、不活性ガス中で実施される。不活性ガスの一部の非限定的な例は、窒素及びアルゴン並びにヘリウムのような希ガスを含む。
【0038】
D.チタネート化シリカ支持体の洗浄及びシリル化
いくつかの態様では、チタネート化シリカ支持体は、ヒドロキシル含有溶媒で洗浄される。一実施形態では、ヒドロキシル含有溶媒は、水である。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル含有溶媒は、アルコール(
C1−18)又は水である。如何なる理論にも拘束されないが、チタネート化シリカ支持体の洗浄は、チタニウムハライド結合を、水酸化チタン、チタニウムアルコキシド又はチタニウムオキシド結合で代替する。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル含有溶媒は、アルコール(
C1−18)である。いくつかの実施形態では、チタネート化シリカ支持体は、周囲温度でヒドロキシル含有溶媒で洗浄される。
【0039】
いくつかの態様では、当該方法は、洗浄されたチタネート化シリカ支持体を乾燥させる段階を含む。いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、上昇した温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、当該温度は、50℃超過である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は、約50℃〜約200℃である。いくつかの実施形態では、上昇した温度は約100℃〜約150℃である。いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、不活性ガスのストリーム下で乾燥される。いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、約0.1時間〜約2時間乾燥される。いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、約1時間〜約4時間乾燥される。いくつかの実施形態では、時間は、約2時間である。
【0040】
いくつかの態様では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、任意の公知されたシリル化化合物から選択されたシリル化化合物と反応する。いくつかの実施形態では、シリル化化合物は、ジシラザンである。いくつかの実施形態では、シリル化化合物は、(Me
3Si)
2NH又は(RMe
2Si)
2NHから選択され、ここでRは、脂肪族化合物、芳香族化合物、又はこれらのグループ中、任意の置換されたバージョンである。いくつかの実施形態では、Rは、アルキル、アルケニル又はアリール基である。如何なる理論にも拘束されないが、シリル化化合物は、チタニウム上のヒドロキシル基と反応してTi−OSiR
3基を形成する。
【0041】
いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体は、約0.1時間〜約6時間シリル化される。如何なる理論にも束縛されないが、洗浄された金属沈着シリカ支持体を反応させるために必要な時間は、温度、圧力、及びシリル化剤によって変化する。いくつかの態様では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体のシリル化は、液相で起こる。いくつかの実施形態では、シリル化剤は、溶媒中に溶解される。他の実施態様では、シリル化剤は、洗浄されたチタネート化シリカ支持体に純粋に(即ち、追加の溶媒なしに)添加される。いくつかの実施形態では、シリル化剤は、蒸気相で洗浄されるチタネート化シリカ支持体と反応する。いくつかの実施形態では、洗浄されたチタネート化シリカ支持体を上昇した温度においてシリル化剤で処理する。いくつかの実施形態では、温度は、約80℃〜約450℃である。いくつかの実施形態では、シリル化反応に使用される温度は、約80℃〜約300℃である。
【0042】
いくつかの態様では、シリカ支持体に添加されるシリル化剤の量は、約1重量%〜約75重量%である。いくつかの実施形態では、シリル化剤の量は、約2重量%〜約50重量%である。いくつかの実施形態では、洗浄された金属沈着シリカ支持体は、シリル化剤と1回反応する。 他の実施形態では、洗浄された金属沈着シリカ支持体は、シリル化剤と1回以上反応する。かかるシリル化反応は、バッチ式、半連続式又は連続式で実施することができる。
【0043】
III.触媒を利用したエポキシ化方法
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載の触媒は、オレフィンからのエポキシドの製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、触媒は、バッチ式又は連続式にエポキシ化方法で使用され得る。いくつかの実施形態では、エポキシ化方法において触媒を利用するのは、より高い収率のような反応混合物のより高い転換率を誘導する。いくつかの態様では、本開示は、下記の段階を含むエポキシドの製造方法を提供する:
(a)オレフィン(
C2−12)及び酸化剤を混合する段階;及び
(b)当該オレフィン(
C2−12)及び酸化剤を、オレフィン(
C2−12)をエポキシ化させるのに充分な条件下で本明細書に記載の触媒と接触させる段階。
【0044】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、又はエチルベンゼンヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオキシドである。これらの方法は、プロピレンのようなオレフィンを使用することができる。
【0045】
いくつかの態様では、エポキシ化方法は、酸化剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、酸化剤は、ヒドロペルオキシドである。いくつかの実施形態では、ヒドロペルオキシドは、アルキルヒドロペルオキシドである。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜約12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、tert−ブチルである。他の実施形態では、ヒドロペルオキシドは、アラルキルヒドロペルオキシドである。いくつかの実施形態では、アラルキル基は、1〜約24個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アラルキル基は、約1〜約12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アラルキル基は、エチルベンジル又はクミルである。
【0046】
いくつかの態様では、エポキシ化方法は、オレフィンを反応混合物に添加するステップを含む。いくつかの実施形態では、オレフィンは、約1〜約24個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、オレフィンは、約1〜約12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、オレフィンは、1つ以上の非−芳香族二重結合を含む。いくつかの実施形態では、オレフィンは、プロピレンである。いくつかの実施形態では、オレフィンはまた、ヒドロキシル又はハライド基を含む1つ以上の他の基に置換され得る。
【0047】
いくつかの態様では、オレフィン対酸化剤の比は、約10:1〜約12:1を含み、約1:1〜約20:1のモル比である。
【0048】
いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、液相で起こる。いくつかの実施形態では、液相は1つ以上の溶媒又は不活性希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、相応するアルカン又はアルコール中、いずれかのヒドロペルオキシドの炭化水素前駆体である。非限定的な例において、ヒドロペルオキシドが、tert−ブチルヒドロペルオキシドの場合、任意に使用される溶媒は、tert−ブタノールである。
【0049】
いくつかの態様では、エポキシ化反応は、圧力及び/又は温度を調節することによって変形される。いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、約25℃〜約200℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、温度は、約50℃〜約160℃である。いくつかの実施形態では、温度は、約70℃〜約140℃である。いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、おおよそ周囲圧〜大気圧以上の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、圧力は、約20psi〜約1500psiである。いくつかの実施形態では、プロピレンが基材として使用される場合、圧力は、400psi〜1000psiである。
【0050】
いくつかの態様では、エポキシ化反応は、固相の触媒と気相の反応物及び液相の他の反応物の一部を含む複数の異なる相を含む。いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、液相の反応物及び固相の触媒の両方を含み、それに従って反応混合物中の触媒が不均一に使用される。いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、任意の商業的に有用な反応器で実施される。特定の実施形態では、反応器は、連続式又はバッチ式反応器から選択される。反応器の一部の非限定的な例は、固定床又はスラリー反応器を含む。これらの反応器中、いずれかが使用される場合、反応は、反応物及び触媒を生成物から分離することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、エポキシ化反応は、分別蒸留、選択抽出、濾過及び/又は類似した分離技術を含む。特定の実施形態では、任意の未反応反応物、溶媒及び/又は触媒は、エポキシ化反応において再使用することができる。
【0051】
IV.プロセススケールアップ
上記の方法は、当業者によって適用されるようなプロセス化学の原理及び技術を利用して、バッチ式又は連続式に予備的、実験的又は大規模な生産のためにさらに変形されて最適化され得る。かかる原理及び技術は、例えば、本明細書で参考参照により援用されるPractical Process Research&Development(2012)に教示
【0052】
V.定義
学基の文脈で使用する場合:「アルコキシド」は、単一負電荷を有し、脂肪族又は芳香族炭化水素に結合される酸素置換基を意味する。アルコキシドの一部の非限定的な例は、メトキシド、エトキシド又はフェノキシドを含む。用語「ハライド」は、単一負電荷を有するアイオンとして配合されたハロゲン原子を意味する。本出願に示される構造の原子上の未定義原子価は、該原子に結合した水素原子を暗示的に示る。
【0053】
以下の基及びクラスに対しては、以下の括弧内の添字は、基/クラスを次のようにさらに定義する:「(Cn)」は、基/クラス中の炭素原子の正確な数(n)を定義する。「(C≦n)」は、対象の基に対して可能な限り、小さな最小数で基/クラス中に含まれ得る炭素原子の最大数(n)を定義し、例えば、基「アルケニル(
C≦8)」又はクラス中の「アルケン(
C≦8)」で炭素原子の最小数は2であると考えられている。例えば、「アルコキシ(
C≦10)」は、1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。(Cn−n′)は、基中の炭素原子の最小数(n)及び最大数(n′)の両方を定義する。例えば、「アルキル(
C2−10)」は、2〜10個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0054】
化合物又は原子を修飾させるために使用される「飽和される」という用語は、化合物又は原子が、以下に記載されていることを除外しては炭素−炭素二重及び炭素−炭素三重結合を有しないことを意味する。「飽和される」という用語が、溶液と溶質の文脈で使用される場合、それは、物質がこれ以上、その溶液に溶解できないことを意味する。
【0055】
「置換される」修飾語なしに使用される用語「脂肪族」は、そのように修飾される化合物/基が、非環式又は環式であるが、非芳香族炭化水素化合物又は基であることを意味する。脂肪族化合物/基において、炭素原子は、直鎖、分枝鎖又は非−芳香族環(脂環式)で一緒に結合することができる。脂肪族化合物/基は、単一結合(アルカン/アルキル)によって飽和されるか、即ち連結されるか、1つ以上の炭素−炭素二重結合(アルケン/アルケニル)又は1つ以上の炭素−炭素三重結合(アルキン/アルキニル)で不飽和され得る。
【0056】
用語「アルキル」は、結合点として炭素原子、直鎖又は分枝鎖、非還式構造を有し、炭素及び水素以外の他の原子を有しない1価飽和脂肪族基を意味する。「アルカン」は、式H−Rを有するクラスを意味し、ここでRは、上記のように定義されるアルキルである。
【0057】
用語「アルケニル」は、結合点として炭素原子、直鎖又は分枝鎖、非還式構造、1つ以上の非−芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有せず、炭素及び水素以外の他の原子を有しない1価不飽和脂肪族基を意味する。用語「アルケン」又は「オレフィン」は、同義語であり、式H−Rを有する化合物のクラスを示し、ここでRは、上記のように定義されるアルケニルである。「末端アルケン」は、ただ1つの炭素−炭素二重結合を有するアルケンを意味し、該結合は、分子の一末端にビニル基を形成する。
【0058】
「アリール」という用語は、結合点として芳香族炭素原子を有する1価不飽和芳香族基を意味し、上記の炭素原子は、1つ以上の6−員芳香族環構造の一部を形成し、ここで、環原子は、全て炭素であり、基は、炭素及び水素以外の原子を含まない。2つ以上の環が存在する場合、環が融合されるか、融合され得ないことがある。本明細書で使用される用語は、 存在する第1芳香族環又は任意の追加の芳香族環に結合される1つ以上のアルキル又はアラルキル基(炭素数限定許容)の存在を排除しない。「アレーン」は、式H−Rを有する化合物のクラスを意味し、ここでRは、上記のように定義されるアリールである。ベンゼン及びトルエンは、アレーンの非限定的な例である。
【0059】
修飾語「置換される」なしに使用される用語「アリールアルケン」は、化学式アリール−アルケニルを有する化合物のクラスを意味し、ここでアリール及びアルケニルという用語は、各々上記に提供される定義と一致する方法で使用される。
【0060】
用語「アルコキシ」は、当該用語が、上記に定義されるように、Rがアルキルである−OR基を意味する。用語「アルコール」は、水素原子中、1つ以上がヒドロキシ基に置換される上記に定義したようにアルカンに相応する。
【0061】
特許請求の範囲においてかつ/又は、明細書において用語「含む(comprising)」と共に使用される場合、単語「1つ」(原文で「a」及び「an」)の使用は、「1つ」を意味することもあるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」及び「1つ又は1つ以上」の意味と一致する。
【0062】
本明細書全体にわたって、用語「約」は、特定の値が装置に対する誤差の変動を含むことを示すために使用され、当該方法は、被験者の間に存在する値又は変動を決定するために使用される。エポキシ化工程条件の文脈で使用される用語「約」は、条件の自然変動を暗示し、測定値の±5%の変動を示すために使用される。いくつかの実施形態では、変動は、測定値の±1%である。用語「約」がX−線回折ピークの文脈で使用される場合、該用語は、±0.2°2θのピーク位置における変動を示すために使用される。
【0063】
用語「含む」(comprise)、「有する」(have)及び「含有する」(include)は、開放型連結動詞である。「含む」(comprises)、「含む」(comprising)、「有する」(has)、「有する」(having)、 「含有する」(includes)及び「含有する」(including)のように、これら動詞の1つ以上の任意の形態又は時制もまた、開放型である。例えば、1つ以上の段階を「含む」、「有する」又は「含有する」任意の方法は、1つ以上の段階のみを有することに限定されず、他の列挙されていない段階も含む。
【0064】
用語「エポキシド」は、下記化学式の化合物のクラスを示す:
【0066】
ここで、R
1、R
2及びR
3は、各々独立的に水素、アルキルであり、R
4は、水素、アルキル又はアリールである。「エポキシ化反応」は、分子上にエポキシドの生成を誘導する反応である。一般的なエポキシ化反応は、分子内のアルケン又はアラルケン官能基をエポキシド基に転換することによって起こる。
【0067】
修飾語「不活性」は、成分、化合物又は化学基が反応又は工程の条件下で反応又は変化(例えば、分解)されないことを示す。
【0068】
「方法」は、一連の1つ以上の段階を経て最終生成物、結果又は結果物を誘導するものである。本明細書に使用されているように、単語「方法」は、単語「工程」と相互互換的に使用される。「方法」は、一連の複数の段階を経て最終生成物、結果または結果物を誘導するものである。
【0069】
「有機珪酸塩」という用語は、Rが各々独立的に水素、アルキル基又はアルケニル基のような脂肪族基又はアリール基のような芳香族基である−OSiR
3基を意味する。
【0070】
用語「シリカ支持体」は、主成分としてシリカを有する固体物質を意味する。いくつかの実施形態では、物質は、他の非−珪質成分、例えば、アルミナ又は塩化マグネシウムをさらに含む。支持体が触媒反応に使用するための触媒組成物の一部として使用される場合、支持体は、非活性であるか、又は触媒反応に関与することができる。
【0071】
用語「チタニウム」は、任意の酸化状態のチタニウム原子を意味する。いくつかの態様では、用語「チタニウム」は、0、+1、+2、+3及び+4の酸化状態を有するチタニウム原子を意味する。いくつかの実施形態では、チタニウムは、+4酸化状態を有する。
【0072】
用語「チタニア」は、化学式:TiO
2の二酸化チタンを意味する。
【0073】
略語「重量%(wt.%)」は、重量パーセントに相応する。
【0074】
上記の定義は、本明細書に含まれる任意の参考文献における相反される定義を代替する。しかしながら、特定の用語が定義されるという事実は、定義されない任意の用語が不明確であることを示す指標と見なされてはならない。むしろ、本明細書で使用される用語は、当業者が本技術の範囲を理解し、該技術を実施できるように本技術を用語で説明するものと考えられる。
【0075】
VI.実施例
下記の実施例は、技術の特定の実施形態を立証するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、本発明者によって発見された技術の実施に良好に作用するように技術を示し、従って該実施のための所定のモードを構成するものと見なされ得ることが当業者に理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、本技術の思想や範囲を逸脱することなく、開示された特定の実施形態において多くの変化が行われ得、依然として類似するか、類似した結果を収得され得ることを理解すべきである。
【実施例1】
【0076】
触媒組成物の製造
比較触媒組成物C1は、320m
2/gの表面積及び1.1mL/gの細孔容積を有するGrace V−432シリカを使用する米国特許第6,011,162号に記述されている実施例1に従って製造される。触媒は、5.0%のTi含量を有する。触媒は、流中に50時間後にA(バッチ)=4.90g/g/h及びA(連続)=7.88h
−1@(60℃)を示す。TiO
2のブルッカイト形態は、
図1に示す粉末X−線回折スペクトルによってサンプル中に存在しない。
【0077】
触媒組成物N1.PQコーポレーションのシリカ支持体CS2010(表面積969m
2/g、細孔容積2.21mL/g、平均細孔直径91Å、及び粒径0.7〜1.2mm)2.03gを100mL/分N
2流中の石英カラムにて15時間200℃において乾燥させた。乾燥されたシリカをトルエン中、1M TiCl
4溶液(8mL)でカラムに含浸させた。30分後、N
2流下で温度を15分間100℃に、次いで、15分間250℃に、最後に2時間700℃に上昇させた。触媒を周囲温度に冷却させ、40mLのメタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥させた。触媒は、170〜200℃で1.2mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)を添加することによってシリル化し、N
2流中で30分間その温度で保持させた。触媒は、6.90%のTi含量を有する。 触媒は、流中に100時間後50℃でA(バッチ)=7.01g/g/h及びA(連続)=9.65h
−1を示す。TiO
2のブルッカイト形態は、
図1に示す粉末X−線回折スペクトルによってサンプル中に存在する。
【0078】
触媒組成物N2.PQコーポレーションのシリカ支持体CS2010(表面積969m
2/g、細孔容積2.21mL/g、平均細孔直径91Å、及び粒径0.7〜1.2mm)2.06gを100mL/分N
2流中の石英カラムにて15時間200℃において乾燥させた。乾燥されたシリカを200℃で気化されたTiCl
4(0.8mL)で処理し、この温度で30分間保持した後、N
2流下にて800℃において1時間焼成した。触媒を周囲温度に冷却し、40mLのメタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥させた。触媒は、170〜200℃で1.3mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)を添加することによってシリル化し、N
2流中で30分間その温度で保持させた。触媒は、流中に60時間後に47℃でA(バッチ)=7.28g/g/h及びA(連続)=9.23h
−1を示す。TiO
2のブルッカイト形態は
図1に示す粉末X−線回折スペクトルによってサンプル中に存在する。
【0079】
触媒組成物N3.PQコーポレーションのシリカ支持体CS2010(表面積969m
2/g、細孔容積2.21mL/g、平均細孔直径91Å、及び粒径0.7〜1.2mm)10.06gを100mL/分N
2流中の石英カラムにて15時間200℃において乾燥させた。乾燥されたシリカをフラスコに移した後、48mLのトルエンを添加した。3.3mLのTiCl
4を周期的に混合しながらスラリーに徐々に均一に添加し、100℃のオイル槽で1時間加熱した。液体の一部(10mL)を除去し、内容物をN
2流中で1時間150℃に加熱した後、200℃で30分間加熱して乾燥させた。固体をN
2下に焼成チューブに移し、N
2中650℃で2時間焼成させて空気中に1時間さらに焼成させた。焼成された触媒を180mLのメタノールで洗浄した後、190℃で2時間乾燥させた。触媒層は、170℃で6mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)を添加することによってシリル化し、N
2流中で30分間その温度で保持させた。触媒は、流中に5.94%のTi含量を有する。触媒は、流中に50時間後に47℃でA(バッチ)=7.51g/g/h及びA(連続)=9.86h
−1を示す。TiO
2のブルッカイト形態は、
図1に示す粉末X−線回折スペクトルによってサンプル中に存在する。
【実施例2】
【0080】
粉末X−線回折を利用する触媒組成物の特性化
回折測定は、Ni−濾過されたCuKα放射線を利用するPANalytical X‘Pert PRO MPD装置で実施した。20°〜80°の2θ各スキャン範囲、0.0167°のスキャンステップサイズ、2500秒のステップ当たりの時間及びPIXcel検出器を使用した。サンプルは、反射構成(Bragg−Brentano幾何学)で測定した。アナターゼ、ルチル及びブルッカイトTiO
2粉末の回折パターンをICDD PDF4+2013データベースの参照と比較した。
図1は、触媒のX−線回折(XRD)パターンを示す。
【0081】
図1で分かるように、触媒組成物N1−N3は、ブルッカイト形態の二酸化チタンを含む。該形態は、比較触媒組成物C1中には存在しなかった。
【実施例3】
【0082】
バッチ式及び連続式エポキシ化実験の触媒性能
a.TBHPオキシデートを利用した1−オクテンのバッチ式エポキシ化
tert−ブチルアルコール中の41%tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)(1−オクテン中、4.4重量%TBHP)の1−オクテン溶液の分取量(14 mL)を磁気撹拌棒を装着した丸底フラスコに入れた。混合物を窒素下で80℃に加熱した。エポキシ化反応は、特定重量の触媒サンプルを添加して反応を開始させることによって開始される。反応を1時間継続した後、インラインフィルターを有する針を使用してサンプルをフラスコから除去する。試験前後のTBHP含量は、ヨウ素滴定によって決定し、転換率を計算する。かかる転換値及び触媒量に基づいて、触媒[A(バッチ)]の活性は、上記の特定条件下で、時間当たりに触媒1g当たり反応されるTBHPのグラム当たりとして定量化する。
【0083】
b.連続式プロピレンエポキシ化
小さな連続ユニットを使用して以下の条件下で触媒性能を比較する:触媒量:1.35g;圧力:850psig;プロピレン供給速度:10g/h(19.2 mL/h);TBHPの供給速度:4.3g/h(5.0mL/h);総容積流量:19.6mL/h;プロピレン対TBHPのモル比:12:1、及び直鎖時間空間速度(LHSV)は6.3h
−1であり、触媒床温は、約70%TBHP転換率に到達するように調節した。特定触媒床温での流中で特定時間における触媒活性は、A(連続)=−LHSV*(1−X)で示され、ここでXは、反応されたTBHPの分率である。
【0084】
c.エポキシ化結果の比較
ブルッカイト形態のTiO
2を全て含む触媒組成物N1−N3は、バッチ式及び連続式エポキシ化反応の両方において増加された活性を示す。
【0085】
触媒組成物C1は、流中に50時間後、60℃でA(バッチ)=4.90g/g/h及びA(連続)=7.88h
−1を示す。
【0086】
触媒組成物N1は、流中に100時間後、50℃でA(バッチ)=7.01g/g/h及びA(連続)=9.65h
−1を示す。
【0087】
触媒組成物N2は、流中に60時間後、47℃でA(バッチ)=7.28g/g/h及びA(連続)=9.23h
−1を示す。
【0088】
触媒組成物N3は、流中に50時間後、47℃でA(バッチ)=7.51g/g/h及びA(連続)=9.86 h
−1を示す。
【0089】
本明細書に開示されて請求されている組成物及び方法の全ては、本開示の内容に照らして、過度な実験なしに製造及び実行され得る。本開示の組成物及び方法が特定の実施形態において記述されているが、本開示の概念、精神及び範囲から外れず、本明細書に記載の組成物及び方法のみならず、段階又は段階の順序に変形が適用され得ることが当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的に関連された特定の製剤が、同一又は類似した結果を達成しながら、本明細書に記載の製剤を代替し得ることが明らかであろう。当業者に明らかな、かかる類似した代替及び修飾は、添付の特許請求の範囲によって定義される技術の精神、範囲及び概念内に含まれるものと見なされる。
【0090】
参考文献
本明細書に記載されているものに補充する例示的な手順又は他の細部事項を提供する程度に対する以下の参考文献は、具体的に本明細書に参考として含まれる。
1)米国特許第6,011,162号
2)米国特許第6,114,552号
3)WIPO PCT公報第WO2011/161412号
4)WIPO PCT公報第WO2012/010491号
5)Anderson,N.G.,Practical Process Research & Development−A Guide for Organic Chemists,2
nd ed.,Academic Press,New York,2012.