特許第6646766号(P6646766)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6646766ラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646766
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】ラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/00 20160101AFI20200203BHJP
   A61B 90/13 20160101ALI20200203BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A61B90/00
   A61B90/13
   A61B17/34
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-566513(P2018-566513)
(86)(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公表番号】特表2019-520140(P2019-520140A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】KR2017006457
(87)【国際公開番号】WO2017222274
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0077615
(32)【優先日】2016年6月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517402229
【氏名又は名称】キュレクソ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUREXO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ヨン・ヨブ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ヘウン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ドン・ギ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ハン・チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホン・ホ
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0000232(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0107473(US,A1)
【文献】 米国特許第05316014(US,A)
【文献】 特開平11−244281(JP,A)
【文献】 特開2005−030911(JP,A)
【文献】 特開2003−260064(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0106056(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/107723(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/185746(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102014010994(DE,A1)
【文献】 国際公開第2015/118422(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/00
A61B 17/34
A61B 90/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタのボディを形成する本体と、
前記本体の内部に設置されて針をガイドするための針ガイド機構を支持する支持部と、
前記支持部の一側と他側に設置され、患者の患部に針が挿入される針の挿入点を表示するためにラインレーザービームを照射するラインレーザー部と、
前記ラインレーザー部から照射されるラインのレーザービームを交差させるために、前記ラインレーザービームをガイドするガイド部を含み、
前記ラインレーザー部は、前記針ガイド機構から予め設定された離隔距離に前記針の挿入点が表示されるように、前記ガイド部を介して前記ラインレーザービームを照射することを特徴とするラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【請求項2】
前記ラインレーザー部は、前記支持部の一側に設置される第1のラインレーザー機構と、前記支持部の他側に設置される第2のラインレーザー機構とを含み、
前記ガイド部は、前記本体を貫通して形成され、前記第1のラインレーザー機構の照射するラインレーザービームが通過する第1のガイド孔と、前記第1のガイド孔と離隔した位置に形成され前記第2のラインレーザー機構の照射するラインレーザービームが通過する第2のガイド孔とを含み、
前記第1のガイド孔及び前記第2のガイド孔は、前記第1のラインレーザー機構及び前記第2のラインレーザー機構がそれぞれ照射するラインレーザービームが交差するように、前記支持部から前記針ガイド機構に向かう前進方向に行くほど離隔した離隔距離が減少するように、前記本体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記第1のラインレーザー機構と前記第2のラインレーザー機構は、前記針ガイド機構を基準に対称となるように、前記支持部に結合されることを特徴とする請求項2に記載のラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記第1のラインレーザー機構は、前記支持部の一側から前記支持部の他側に向かう第1の方向に移動可能に前記支持部に結合され、
前記第2のラインレーザー機構は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能に前記支持部に結合されることを特徴とする請求項2に記載のラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第1のラインレーザー機構と前記第2のラインレーザー機構は、前記前進方向と、前記ラインレーザービームが照射される下側方向とは反対の上側方向とのうち少なくとも1ヶ所に移動可能に前記支持部に結合されることを特徴とする請求項2に記載のラインレーザーが装着されたエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記ラインレーザー部は画像機器のCT(Computerized Tomography)が前記エンドエフェクタの上側から下側方向に前記針の先端を撮像するのに干渉しないように、前記支持部に設置されることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記針の挿入点は、前記第1のラインレーザー機構及び前記第2のラインレーザー機構がそれぞれ照射するラインレーザービームが、前記針ガイド機構の下側で最初に交差している最初の交差点であることを特徴とする請求項2に記載のラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮像装置(CT)のような画像情報を用いて、患者の患部に針を挿入して生検とインターベンション治療を行うためのラインレーザーを搭載したエンドエフェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インターベンションは、 撮像装置を介して人体の内部を観察しながら、医療器具を体内に挿入して行うことで、組織生検、拡張術、薬物注入などの内科的施術及び外科的施術の両方に全般に利用される医療技術を意味する。
【0003】
これらのインターベンションは、針を医療器具として用いる針挿入型インターベンションがある。針挿入型インターベンションは、針を人体の内部に挿入して施術を行うことで、胸部、腹部および様々な臓器病巣に対する組織生検、病巣部位の高周波、アルコール、冷凍、放射線局所治療術などの分野だけでなく、各種ステント(Stent)のインストールと導管のインストールの際に病巣へのアクセス方法で利用されるなど、多くのインターベンションの分野で利用されている。
【0004】
これらの針挿入型インターベンションは、放射線課で使用する断層撮像装置であるCT(Computerized Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imager)などから得られた画像を施術中に見ながら、皮膚を介して医療用針を検査したい部位または治療を望む病変に直接到達させて、診断や治療を行う。
【0005】
最近、大韓民国公開特許公報第10−2014−0056772号(2012年10月13日)に開示されたように、施術者が針挿入用インターベンションロボットの操作部を操作する方式が適用されている。
【0006】
これらのインターベンションロボットには、針の挿入器具のエンドエフェクタ(End−Effector)が取り付けられており、インターベンション前にエンドエフェクタの先端部に針を取り付けて施術を行う。
【0007】
従来、エンドエフェクタの針挿入機構部の放射線透過性の確保によって針の挿入位置を表示するためのレーザーのような金属材質からなる表示装置をエンドエフェクタにインストールしなかった。これにより、従来、施術者が施術前に針挿入部位の位置を予測して、麻酔や切開を行うべき問題があるだけでなく、施術の際に切開を行った位置に針が正確に挿入されるか、肉眼で容易に確認することができない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の問題を解消するために案出されたものであり、エンドエフェクタを一定の角度内で傾けても放射線の透過性に影響がなく、針が挿入される針の挿入点を表示してくれることができるラインレーザーを搭載したエンドエフェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述したような課題を解決するために、本発明は下記のような構成を含むことができる。
【0010】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタは、エンドエフェクタのボディを形成する本体と、前記本体の内部に設置されて針をガイドするための針ガイド機構を支持する支持部と、前記支持部の一側と他側に設置され、患者の患部に針が挿入される針の挿入点を表示するためにラインレーザービームを照射するラインレーザー部と、前記ラインレーザー部から照射されるラインレーザービームを交差させるために、前記ラインレーザービームをガイドするガイド部を含むことができる。前記ラインレーザー部は、前記針ガイド機構から予め設定された離隔距離に前記針の挿入点が表示されるように、前記ガイド部を介してラインレーザービームを照射することができる。
【0011】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記ラインレーザー部は、前記支持部の一側に設置される第1のラインレーザー機具と、前記支持部の他側に設置される第2のラインレーザー機構とを含むことができる。前記ガイド部は、前記本体を貫通して形成され、前記第1のラインレーザー機構の照射するラインレーザービームが通過する第1のガイド孔と、前記第1のガイド孔と離隔した位置に形成され前記第2のラインレーザー機構の照射するラインレーザービームが通過する第2のガイド孔とを含むことができる。前記第1のガイド孔及び前記第2のガイド孔は、前記第1のラインレーザー機構及び前記第2のラインレーザー機構がそれぞれ照射するラインレーザービームが交差するように、前記支持部から前記針ガイド機構に向かう前進方向に行くほど離隔した離隔距離が減少するように、前記本体に形成されることができる。
【0012】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記第1のラインレーザー機構と前記第2のラインレーザー機構は、前記針ガイド機構を基準に対称となるように、前記支持部に結合されることができる。
【0013】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記第1のラインレーザー機構は、前記支持部の一側から前記支持部の他側に向かう第1の方向に移動可能に前記支持部に結合されることができる。前記第2のラインレーザー機構は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動可能に前記支持部に結合されることができる。
【0014】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記第1のラインレーザー機構と前記第2のラインレーザー機構は、前記前進方向と、ラインレーザービームが照射される下側方向とは反対の上側方向のうち少なくとも1ヶ所に移動可能に前記支持部に結合されることができる。
【0015】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記ラインレーザー部は断層撮像装置のCT(Computerized Tomography)が前記エンドエフェクタの上側から下側方向に針の先端を撮像するのに干渉しないように、前記支持部に設置されることができる。
【0016】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタにおいて、前記針の挿入点は、前記第1のラインレーザー機構及び前記第2のラインレーザー機構がそれぞれ照射するラインレンジャービームが、前記針ガイド機構の下側で最初に交差している最初の交差点でありえる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0018】
本発明は、コンピュータ断層撮像装置(CT)の際にエンドエフェクタを一定の角度内で傾けても、金属材料によるアーティファクト(Artifact)が生じず、針の挿入点を表示してくれることができるので、施術者が便利に麻酔や切開を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタの概略的な斜視図である。
図2図2は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタの概略的な分解斜視図である。
図3図3は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタでラインレーザー部を説明するための概略的な平面図である。
図4図4は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタでガイド部を説明するための概略的な底面図である。
図5図5は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが一定の角度内で傾いてもラインレーザー部がコンピュータ断層撮像に干渉しないことを説明するための概略的な動作状態を示した図である。
図6図6は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが一定の角度内で傾いてもラインレーザー部がコンピュータ断層撮像に干渉しないことを説明するための概略的な動作状態を示した図である。
図7図7は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが一定の角度内で傾いてもラインレーザー部がコンピュータ断層撮像に干渉しないことを説明するための概略的な動作状態を示した図である。
図8図8は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが針の挿入点を表示することを説明するための概略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付加する場合において、同一の構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。
【0021】
一方、本明細書で記述される用語の意味は、次のように理解されるべきである。
【0022】
単数の表現は、文脈上明らかに別に定義しない限り、複数の表現を含むことと理解されるべきで、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素と区別するためのことであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。
【0023】
「含む」または「有する」などの用語は、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0024】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むことと理解されるべきである。たとえば、「第1の項目、第2の項目及び第3の項目のうち少なくとも一つ」の意味は、第1の項目、第2の項目または第3の項目うちのそれぞれのみなるず、第1の項目、第2の項目及び第3の項目の中で二つ以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味する。
【0025】
以下、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタについて添付された図面を参照して、具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタの概略的な斜視図であり、図2は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタの概略的な分解斜視図であり、図3は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタでラインレーザー部を説明するための概略的な平面図であり、図4は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタでガイド部を説明するための概略的な底面図であり、図5乃至図7は本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが一定の角度内で傾いてもラインレーザー部がコンピュータ断層撮像に干渉しないことを説明するための概略的な動作状態を示した図であり、図8は、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタが針の挿入点を表示することを説明するための概略的な正面図である。
【0027】
図1乃至図8を参照すると、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、ラインレーザービームを用いて、患者の患部にインターベンション用針を挿入するための針の挿入点を表示するためのものである。特に、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、一定の角度内で傾いても、コンピュータ断層撮像装置(CT)に干渉されずに、針の挿入点を表示することができる。
【0028】
そのため、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、大きく本体2、支持部3、ラインレーザー部4及びガイド部5を含む。
【0029】
本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、多関節からなるロボットに結合することができる。前記エンドエフェクタ1は、インターベンション用針(以下、「針」という)を把持して針の挿入点が表示された患者の患部に挿入させることができる。前記エンドエフェクタ1の前進方向FD(図5に示す)には、コンピュータ断層撮像のための画像機器であるCT(Computerized Tomography)が設置されることができる。図示されていないが、前記CTは上側方向TD(図5に示す)から下側方向BD(図5に示す)に、前記針10の先端を撮像することができる。前記CTが撮像するCT撮像線CLT(図5に示す)は、患者の患部に対して垂直でありえるが、これに限定されない。
【0030】
以下、前記本体2、前記支持部3、前記ラインレーザー部4及び前記ガイド部5について、添付された図面を参照して、具体的に説明する。
【0031】
図1乃至図8を参照すると、前記本体2は、前記エンドエフェクタ1のボディを形成する。前記本体2の内部には、前記支持部3、前記ラインレーザー部4及び針10を把持及び挿入させるための駆動装置などが設置されることができる。前記本体2は、前記支持部3、前記ラインレーザー部4及び前記駆動装置にほこりなどの不純物が侵入しないように、前記不純物を遮断することができる。前記本体2は、全体的に中空の六面体で形成されることができるが、これに限定されず、内部に前記支持部3、前記ラインレーザー部4及び駆動装置などを設置することができると、他の形態で形成されることもできる。
【0032】
前記本体2の外部には、針10を支持するための針ガイド機構20が突出することができる。前記針ガイド機構20は、X軸(図1に示す)を基準に、前記本体2の前端に位置するように前記支持部3に結合することができる。前記針ガイド機構20は、前記本体2の前端で、前記本体2の一側と他側との間の中央に位置することができる。ここで、前記本体2の一側は、前記針ガイド機構20を基準に、前記本体2の右側面を意味する。前記本体2の他側は、前記針ガイド機構20を基準に、前記本体2の左側面を意味する。すなわち、前記本体2の一側と他側は、前記X軸に対して垂直なY軸(図1に示す)方向にそれぞれ位置し、前記X軸を基準に互いに対称となることができる。前記針ガイド機構20は、前記本体2の前端の中で針10をガイドすることができる。
【0033】
前記本体2は、多関節ロボットに結合されることができる。前記本体2は、多関節ロボットの関節が動きに応じて移動することができる。これにより、前記本体2は、前記本体2の下面より前記針ガイド機構20が下側に傾斜するように位置することができる。ここで、上側及び下側にはZ軸(図1に示す)を基準に上方向および下方向を意味する。例えば、前記本体2が傾いていない水平状態を0°とすると、前記本体2は水平状態で+10°になるように傾くことができる。この場合には、前記針10の先端は、前記本体2の内部に向かう方向に傾くことができる。前記本体2は、前記本体2の下面より前記針ガイド機構20が上側に傾斜するように位置することもできる。例えば、前記本体2は、水平状態で−10°になるように傾くことができる。この場合、前記針10の先端は、前記本体2の外部に向かう方向に傾くことができる。前記本体2は、前記針ガイド機構20が傾斜しないように水平状態に位置することもできる。この場合、前記針10は傾かず、水平面に対して垂直に位置することができる。この場合、前記針10は、前記CT撮像線CLT(図5に示す)に重畳されることができる。
【0034】
前記支持部3は、前記本体2の内部に設置される。前記支持部3は、全体的に四角板状に形成され、前記本体2に結合されることができる。前記支持部3は、しまり嵌め、螺合、接着結合などの方法で、前記本体2に結合されることができる。前記支持部3には、針10をガイドするための針ガイド機構20が結合されることができる。これにより、前記支持部3は、前記本体2に支持され、前記針ガイド機構20を支持することができる。前記支持部3には、前記ラインレーザー部4及び針10を挿入させるための駆動装置(図示せず)が結合されることができる。前記支持部の一側31及び他側32には、前記ラインレーザー部4の第1のラインレーザー機構41及び第2のラインレーザー機構42がそれぞれ移動可能に結合されることができる。前記支持部の一側31は、前記本体2の右側面に位置することができる。前記支持部の他側32は、前記本体2の左側面に位置することができる。したがって、前記針ガイド機構20は、前記支持部の一側31と他側32との間に位置することができる。例えば、前記針ガイド機構20は、前記支持部の一側31と他側32の中央に位置するように前記支持部3に結合されることができる。また、前記針ガイド機構20は、前記本体2の前端に突出するように、前記支持部3に結合されることができる。これにより、前記針ガイド機構20は、前記エンドエフェクタ1の前端で針10をガイドすることができる。
【0035】
前記ラインレーザー部4は、患者の患部に針10が挿入される針の挿入点を表示するためにラインレーザービームを照射する。前記ラインレーザー部4は、患者の患部が前記エンドエフェクタ1の下部に位置するのに伴い、下側方向BD(図5に示す)に向かってラインレーザービームを照射することができる。前記ラインレーザー部4は、前記CTが前記エンドエフェクタ1の前進方向FDに設置された状態で、下側方向BDに針10の先端を撮像するのに干渉しないように、前記支持部3に設置されることができる。前記ラインレーザー部4は、金属材質からなるので、前記CTが撮像する画像に干渉されると、撮像画像で患者の患部及び針の先端が正確に表さないからである。前記ラインレーザー部4は、多関節ロボットにより前記エンドエフェクタ1が±10°に傾いた場合でも、前記CT撮像線CTLに干渉しないように、前記支持部3に設置されることができる。
【0036】
前記ラインレーザー部4は、前記支持部の一側31及び他側32にそれぞれ設置される第1のラインレーザー機構41及び第2のラインレーザー機構42を含むことができる。前記第1のラインレーザー機構41及び前記第2のラインレーザー機構42は、前記針ガイド機構20を基準に対称となるように、前記支持部の一側31及び他側32に結合されることができる。これにより、前記第1のラインレーザー機構41及び前記第2のラインレーザー機構42は、Y軸の同一線上に位置することができる。したがって、前記第1のラインレーザー機構41が照射するラインレーザービームと、前記第2のラインレーザー機構42が照射するラインレーザービームは、同一線の上で互いに離隔した位置で、それぞれ照射されることができる。
【0037】
前記第1のラインレーザー機構41は、前記支持部の一側31から前記支持部の他側32に向かう第1の方向D1(図3に示す)に移動可能に前記支持部3に結合されることができる。前記第2のラインレーザー機構42は、前記第1の方向D1と反対の第2の方向D2(図3に示す)に移動可能に前記支持部3に結合されることができる。前記第1のラインレーザー機構41は、前記第2の方向D2に移動することができない。前記エンドエフェクタ1の大きさが大きくなるからである。同じ理由から、前記第2のラインレーザー機構42は、前記第1の方向D1に移動することができない。前記第1のラインレーザー機構41は、前記第1の方向D1に移動した後、前記第2の方向(D2)に移動することができる。前記第2のラインレーザー機構42は、前記第2の方向D2に移動した後、前記第1の方向D1に移動することができる。例えば、前記第1のラインレーザー機構41は、前記第1の方向D1に0.5mm未満で移動することができる。前記第1のラインレーザー機構41は、0.5mm以上に駆動装置が設置されているので、移動することができない。前記第2のラインレーザー機構42は、前記第2の方向D2に0.8mm未満で移動することができる。前記第2のラインレーザー機構42は、0.8mm以上に駆動装置が設置されているので、移動することができない。前記第1のラインレーザー機構41が前記第1の方向D1に移動して前記第2のラインレーザー機構42が前記第2の方向D2に移動すると、前記第1のラインレーザー機構41と前記第2のラインレーザー機構42の離隔された距離DT2(図4に示す)が減少することができる。こうなると、前記ガイド部5を介して照射されるラインレーザービームが交差する交差点が、前記第1のラインレーザー機構41と前記第2のラインレーザー機構42が移動しない場合に比べて、更に下部に形成されることができる。つまり、針の挿入点が更に下側に形成されるようにすることができる。これにより、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、前記第1のラインレーザー機構41及び前記第2のラインレーザー機構42を移動可能に設置することにより、前記針ガイド機構20と前記針の挿入点が離隔された離隔距離DT1(図8に示す)を容易に調節することができる。前記第1のラインレーザー機構41と前記第2のラインレーザー機構42は、油圧シリンダや空気圧シリンダを用いたシリンダ方式、モーターとラックギア(Rack Gear)とピニオンギア(Pinion Gear)などを用いたギア方式、モーターとボールねじ(Ball Screw)等を用いたボールねじ方式、モーターとプーリーとベルトなどを用いたベルト方式、コイルと永久磁石を用いたリニアモータ(Linear Motor)方式などによって前記支持部3において移動されることができる。前記第1のラインレーザー機構41と前記第2のラインレーザー機構42は、施術者によって移動されることもできる。
【0038】
前記第1のラインレーザー機構41及び前記第2のラインレーザー機構42は、前記支持部3から前記針ガイド機構20に向かう前進方向FD(図3に示す)と、ラインレーザービームが照射される下側方向BDと反対の上側方向TDのうちの少なくとも1ヶ所に移動可能に前記支持部3に結合されることができる。前記第1のラインレーザー機構41が前進方向FD及び上側方向TDに移動するときの動作メカニズムと前記第2のラインレーザー機構42が前進方向FD及び上側方向TDに移動するときの動作メカニズムとは同様であるため、本明細書では、前記第1のラインレーザー機構41が前記前進方向FD及び上側方向TDのうちの少なくとも1ヶ所に移動するときの動作についてのみ説明する。
【0039】
前記第1のラインレーザー機構41は、前進方向FDに移動することができる。例えば、前記第1のラインレーザー機構41は、前進方向FDに4.8mm未満で移動することができる。前記第1のラインレーザー機構41が4.8mm以上に移動すると、前記CT撮像線CTLに干渉することができるからである。前記第1のラインレーザー機構41が前進方向FDに移動すると、前記ガイド部5を介して照射されるラインレーザービームは前記本体2の内部に向かって照射範囲が狭くなることができる。前記第1のラインレーザー機構41は、前進方向FDと反対の後退方向には、前記本体2の内部に設置される部品により移動することができない。したがって、前記第1のラインレーザー機構41は、前進方向FDに移動した場合に後退方向に移動することができる。
【0040】
前記第1のラインレーザー機構41は、上側方向TDに移動することができる。例えば、前記第1のラインレーザー機構41は、上側方向TDに3.6mm未満で移動することができる。前記第1のラインレーザー機構41が3.6mm以上に移動すると、前記本体2の内部に設置された駆動装置などに干渉されてラインレーザービームが、前記本体2の外部に照射されていないため、針の挿入点が表示されないことができる。前記第1のラインレーザー機構41が上側方向TDに移動すると、前記ガイド部5を介して照射されるラインレーザービームは、前記本体2の内部に向かって照射範囲が狭くなることができる。本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1において、前記のようにラインレーザービームの照射範囲が狭くなると、前記第1のラインレーザー機構41が移動する前に比べて針の挿入点が更に下側に表示されることができる。従って、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、前記ラインレーザー部4を第1の方向D1、第2の方向D2、前進方向FD及び上側方向TDのうちの少なくとも1ヶ所に移動させることにより、前記針の挿入点の表示位置を容易に調節することができる。
【0041】
前記ガイド部5は、前記ラインレーザー部4から照射されるラインのレーザービームを交差させるために、前記ラインレーザービームをガイドすることができる。前記ガイド部5は、前記本体2の内部に設置されたラインレーザー部4から照射されるラインレーザービームが、前記本体2の下側方向BDに照射されるように、前記本体2の下面を貫通して形成されることができる。前記ガイド部5は、前記本体2を貫通して形成される形態に応じて前記ラインレーザービームを異なってガイドすることができる。前記ガイド部5は第1のガイド孔51及び第2のガイド孔52を含むことができる。
【0042】
前記第1のガイド孔51は、前記第1のラインレーザー機構41が設置される支持部の一側31の下に位置するように前記本体2を貫通して形成されることができる。これにより、前記第1のラインレーザー機構41が照射するラインレーザービームは、前記第1のガイド孔51を通過して下側方向BDに照射されることができる。前記第1のラインレーザー機構41で照射されるラインレーザービームは、前記第1のガイド孔51を除いて前記本体2に干渉されるので、前記本体2の外部に照射されることができない。前記第1のガイド孔51は、前記本体2の下に照射されるラインレーザービームが面の形状に照射されるように、前記本体2を「|」字状に貫通して形成されることができる。これにより、前記本体2の下に照射されるラインレーザービームは、前記「|」字状に照射範囲がますます広がるように照射されることができる。前記第1のガイド孔51が固定された状態で、前記第1のラインレーザー機構41が第1の方向D1、前進方向FD及び上側方向TDに移動すると、前記本体2の外部に照射されるラインレーザービームが移動されることができる。この場合、前記第2のラインレーザー機構42で照射されるラインレーザービームと交差する交差点が移動する前に、他の位置で形成されることができる。
【0043】
前記第2のガイド孔52は、前記第1のガイド孔51と離隔された位置に形成されることができる。前記第2のガイド孔52は、前記第2のラインレーザー機構42が設置される支持部の他側32の下に位置するように前記本体2を貫通して形成されることができる。これにより、前記第2のラインレーザー機構42が照射するラインレーザービームは、前記第2のガイド孔52を通過して下側方向BDに照射されることができる。前記第2のラインレーザー機構42で照射されるラインレーザービームは、前記第2のガイド孔52を除いて前記本体2に干渉されるので、前記本体2の外部に照射されることができない。前記第2のガイド孔52は、前記本体2の下に照射されるラインレーザービームが面の形状に照射されるように、前記本体2を「|」字状に貫通して形成されることができる。これにより、前記本体2の下に照射されるラインレーザービームは、前記「|」字状に照射範囲がますます広がるように照射されることができる。前記第2のガイド孔52が固定された状態で、前記第2のラインレーザー機構42が第2の方向D2、前進方向FD及び上側方向TDに移動すると、前記本体2の外部に照射されるラインレーザービームが移動されることができる。この場合、前記第1のラインレーザー機構41で照射されるラインレーザービームと交差する交差点が移動する前に、他の位置で形成されることができる。
【0044】
前記第1のガイド孔51と前記第2のガイド孔52は、前記前進方向FDに行くほど離隔された離隔距離DT2が減少するように、前記本体2に形成されることができる。これにより、前記第1のラインレーザー機構51と前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームは、互いに交差することができる。例えば、上側方向TDから下側方向BDにみたとき、前記第1のガイド孔51は「\」字状に前記本体2に形成され、前記第2のガイド孔52は「/」字状に前記本体2に形成されることができる。これにより、前記第1のラインレーザー機構51及び前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームは、前記針ガイド機構20の下側で「∧」字状または「X」字状に交差することができる。前記第1のガイド孔51が「|」字状に形成され、前記第2のガイド孔52が「|」字状に形成されると、前記第1のラインレーザー機構51と前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームは、互いに交差することができない。また、前記第1のガイド孔51が「/」字状に形成され、前記第2のガイド孔52が「\」字状に形成されても、前記ラインレーザービームは前記針ガイド機構20の下側で交差することができない。従って、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、前記第1のガイド孔51を「\」字状に形成し、前記第2のガイド孔52を「/」字状に形成することにより、前記ラインレーザービームを前記針ガイド機構20の下側で交差させて針の挿入点を表示することができる。前記針の挿入点は、前記第1のラインレーザー機構51及び前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームが前記針ガイド機構20の下側で最初に交差する最初の交差点FCP(図8に示されて)でありえる。この場合、前記針の挿入点は、前記針ガイド機構20から予め設定された離隔距離DT1に表示されることができる。例えば、前記離隔距離は21mmとすることができ、施術者によって予め設定されることができる。図示されていないが、前記予め設定された離隔距離の未満では、前記第1のラインレーザー機構51及び前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームが交差されないので、針の挿入点が表示されない。前記予め設定された離隔距離を超えると、前記第1のラインレーザー機構51及び前記第2のラインレーザー機構52がそれぞれ照射するラインレーザービームが「X」字状に交差される。従って、本発明に係るラインレーザーを搭載したエンドエフェクタ1は、前記針ガイド機構20から予め設定され離隔距離の以上で針の挿入点が形成されるように前記ラインレーザー部4及び前記ガイド部5を配置させることで、施術者が便利に麻酔や切開を行うことができるだけでなく、患者の患部に正確に針が挿入されるようしてインターベンションの成功確率を高め、患者の満足度を向上させることができる。前記針の挿入点に挿入された針10は、前記ラインレーザービームが交差する交差線CL(図8に示す)に沿って、患者の患部に更に深く挿入されることができる。
【0045】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0046】
2;本体、3;支持部、4;ラインレーザー部、5;ガイド
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