特許第6646793号(P6646793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646793
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】LED照明ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/00 20180101AFI20200203BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20200203BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20200203BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20200203BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20200203BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20200203BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20200203BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20200203BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20200203BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20200203BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200203BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20200203BHJP
【FI】
   F21S45/00
   F21V9/40
   F21S43/14
   F21S43/15
   F21V7/28
   F21V9/08 400
   H01L33/60
   G02B5/22
   F21W103:00
   F21Y107:70
   F21Y115:10
   F21Y115:15
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-524189(P2019-524189)
(86)(22)【出願日】2017年11月3日
(65)【公表番号】特表2019-537215(P2019-537215A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】EP2017078188
(87)【国際公開番号】WO2018087006
(87)【国際公開日】20180517
【審査請求日】2019年7月8日
(31)【優先権主張番号】16198152.7
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アイニッヒ,ロブ,バスティアーン,マリア
(72)【発明者】
【氏名】スピンガー,ベンノ
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−135002(JP,A)
【文献】 特開2010−087267(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/132773(WO,A1)
【文献】 特開2016−121891(JP,A)
【文献】 特表2015−517717(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/160796(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/00
F21S 43/14
F21S 43/15
F21V 7/28
F21V 9/08
F21V 9/40
G02B 5/22
H01L 33/60
F21W 103/00
F21Y 107/70
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明ユニットであって:
多数の部分反射容器側壁を有する容器と;
前記部分反射容器側壁によって画定された光出口開口と;
当該LED照明ユニットのオン状態の間、前記光出口開口を通して第1色の光を出射するように前記容器内に配置された多数の発光ダイオードと;
を含み;
前記部分反射容器側壁の材料特性が、
前記部分反射容器側壁に第2非白色を付与し、
当該LED照明ユニットのオフ状態の間、第2非白色の光が前記光出口開口を通って当該LED照明ユニットから出射するように、可視スペクトルの少なくとも1つの特定の領域の光を吸収する、
ように選択され;
前記発光ダイオードは、複数の赤色発光ダイオードを含み;
前記部分反射容器側壁の材料特性は、
前記部分反射容器側壁に緑色を付与し、380〜480nmの波長範囲の可視スペクトルの第1特定領域の光を吸収し、540〜630nmの波長範囲の可視スペクトルの第2特定領域の光を吸収すること;
前記部分反射容器側壁に黄色を付与し、400〜520nmの波長範囲の可視スペクトルの第3特定領域の光を吸収すること;又は
前記部分反射容器側壁に青色を付与し、550nm〜640nmの波長範囲の可視スペクトルの第4特定領域の光を吸収すること;
のうちの1つを付与するように選択される、
LED照明ユニット。
【請求項2】
前記部分反射容器側壁は、下にある黒色材料に適用された分散ブラッグ反射器コーティングを含む、請求項1に記載のLED照明ユニット。
【請求項3】
前記部分反射容器側壁がSiO2及びZrO2材料の複数層を含む、請求項1に記載のLED照明ユニット。
【請求項4】
前記部分反射容器側壁が過マンガン酸カリウム顔料を含む、請求項1乃至3のいずれかの1項に記載のLED照明ユニット。
【請求項5】
前記多数の発光ダイオードを覆うように構成された可撓性の充填材をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のLED照明ユニット。
【請求項6】
少なくとも前記容器の材料は、当該LED照明ユニットに可撓性を与えるのに十分に可撓性である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のLED照明ユニット。
【請求項7】
LED照明ユニットの製造方法であって:
光出口開口を確定するように配置された多数の部分反射容器側壁を有する容器を製造する段階と;
当該LED照明ユニットのオン状態の間、前記光出口開口を通して第1色の光を出射するように前記容器内に多数の発光ダイオードを配置する段階と;
を含み、
前記部分反射容器側壁の材料特性が、
前記部分反射容器側壁に第2非白色を付与し、
当該LED照明ユニットのオフ状態の間、第2非白色の光が前記光出口開口を通って当該LED照明ユニットから出射するように、可視スペクトルの少なくとも1つの特定の領域の光を吸収する、
ように選択され;
前記発光ダイオードは、複数の赤色発光ダイオードを含み;
前記部分反射容器側壁の材料特性は、
前記部分反射容器側壁に緑色を付与し、380〜480nmの波長範囲の可視スペクトルの第1特定領域の光を吸収し、540〜630nmの波長範囲の可視スペクトルの第2特定領域の光を吸収すること;
前記部分反射容器側壁に黄色を付与し、400〜520nmの波長範囲の可視スペクトルの第3特定領域の光を吸収すること;又は
前記部分反射容器側壁に青色を付与し、550nm〜640nmの波長範囲の可視スペクトルの第4特定領域の光を吸収すること;
のうちの1つを付与するように選択される、
LED照明ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明ユニット及びLED照明ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの異なる種類の照明用途に対して、1つ以上のLEDを容器又は混合ボックス(mixing
box)の基部に配置したLED照明ユニットを使用することが適切である。LEDの発光表面は容器の光出射開口に向かって面しており、容器又は混合ボックスの側壁は可視スペクトル全体にわたって一般的に高度に反射性であり、それにより、可能な限り多くの光が、その光出射開口を通して容器から出ることができる。LEDは、可撓性であってもよいリードフレーム又はキャリア上に載置することができ、照明ユニットのために多くの可能な形状及び形態が許容される。例えば、数十個の赤色発光LEDを、1本の可撓性キャリア上に配置し、次いで、自動車の後部のカーブした形状に追従するように形成することにより、そのカーブさせたLED照明ユニットを車両のスタイリングラインに追従する後部照明ユニットとして使用することができる。
【0003】
このような照明ユニットのLED及びキャリアは、シリコーンのような半透明の充填材料により覆うことができ、混合ボックスを光出射開口のレベルにまで効果的に充填することができる。充填材料はまた、散乱粒子又は小さな気泡を含んでもよく、それにより、照明ユニットは、その点灯状態で均一な光を放出する。その後、ギャップを介在させた一連の個々のLEDが、連続する(遮断のない)光線の外観をとることができる。充填材料及び任意の散乱粒子はまた、非点灯状態にあるLEDの発光面を「隠す」機能を果たす。
【0004】
上述したタイプの既知のLED照明ユニットでは、混合ボックスの側壁の高い鏡面反射率が、照明ユニットの非点灯状態の色を効果的に決定する。このことは、従来のLED照明ユニットは、混合ボックスの側壁が、非点灯状態の可視光スペクトルの実質的全体を反映する効果的なミラーであるため、一般に白色又は銀白色としての外観を呈することを意味する。この外観は、特に白色又は銀色以外の色を有する車両にとって魅力的ではないとみられる。何故ならば、白色照明ユニットが車両の全体的なスタイリングを逆効果的に「干渉」するからである。更に、充填材料は、光射出領域全体がマット状に見えるようなマット状外観を有し、それによって、照明ユニットの非点灯状態における望ましくない顕著性を付加してしまう
非点灯状態で照明ユニットを目立たせないようにする1つの方法は、車両の色にマッチする色を有する、照明ユニットの周囲に色付きのベゼル(bezel)を含むことである。しかしながら、これは全体的な費用を増大させ、かつ着色したベゼルは照明ユニットの白い外観を完全に隠すことはできない。
【0005】
米国特許公開2009/0103293 A1は、発光ダイオード及び発光ダイオードを囲む反射側壁を備えた発光ダイオード照明装置を開示し、混合空洞を画定し、波長変換材料が部分的に設けられたものである。
【0006】
DE 102 07 585
A1は、ハウジング内に光源を備えた照明装置を開示している。ハウジングの内壁には、着色紙で作られた反射要素が設けられている。
【0007】
米国特許公開2010/0033948 A1は、光源を備えたハウジングと、該ハウジングのキャビティ内の反射器とを有する照明モジュールを開示している。
【0008】
従って、本発明の目的は、上述した問題を克服するLED照明ユニットを提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、請求項1に記載のLED照明ユニットと、請求項11記載のLED照明ユニットの製造方法とによって達成される。本発明によれば、LED照明ユニットは、多数の部分反射容器側壁を有する容器と、側壁によって画定される光出口開口と、照明ユニットのオン状態の間、光出口開口を通して第1色(好ましくは非白色)の光を出射するように容器内に配置される多数の発光ダイオードとを備える。LED照明ユニットは、部分反射容器側壁の材料特性が、部分反射容器側壁に第2非白色を付与し、照明ユニットのオフ状態の間に非白色の第2色の光が光出口開口を通って照明ユニットから出るように、可視スペクトルの少なくとも1つの特定の領域の光を吸収するように選択される、ことを特徴とする。本発明の文脈において、第1色及び第2色は、互いに明瞭に異なる。「可視スペクトルの特定の領域」は、絶対的又は正確な境界によって解釈されるべきではないことを理解されたい。当業者に知られているであろう理由により、可視スペクトルの特定の領域にわたる光吸収は、100%完全ではなくてもよいが、本発明の目的上、そのような領域における光吸収が本質的に完全であるか又はほぼ完全であるならば十分である。
【0010】
本発明のLED照明ユニットの利点は、その非点灯状態で、LED照明ユニットが明瞭な非白色を有し得ることである。さらに、部分反射容器側壁の材料特性が、点灯状態において、照明ユニットから発せられる光の強度を損なわない。このことにより、本発明のLED照明ユニットは、LED照明ユニットが全体的な非白色を有する物体又は装置に一体化され又は組み込まれる場合であっても、非点灯状態において照明ユニットの目立たない外観が望まれるような広範囲の照明用途に使用することができる。
【0011】
本発明によれば、LED照明ユニットの製造方法は、光の出口開口部を画定するように配置された多数の部分反射容器側壁を有する容器を構成するステップと、照明ユニットのオン状態の間に光の出口開口部を通して第1色の光を出射するように容器内に多数の発光ダイオードを配置するステップとを含む。この方法において、部分反射容器側壁の材料特性が、部分反射容器側壁に第2非白色を付与し、照明ユニットのオフ状態の間、第2非白色の光が光出口開口を通って当該照明ユニットから出射するように、可視スペクトルの少なくとも1つの特定の領域の光を吸収する、ように選択される。
【0012】
部分反射容器側壁は、所望の特性を達成するための比較的少ない努力で調製することができ、たとえそれが全体的な非白色を有する物体又は装置に一体化され又は組み込まれたとしても、その非点灯状態で目立たない外観を有するようなLED照明ユニットの経済的製造を可能にする。
【0013】
従属請求項及び以下の説明は、本発明の特に有利な実施形態及び特徴を開示している。実施形態の特徴は、適宜組み合わされることができる。あるクレームカテゴリーの文脈において説明される特徴は、他のクレームカテゴリーにも同様に適用できる。
【0014】
発光ダイオードは、任意のタイプ、例えば、半導体発光ダイオード、有機発光ダイオード、又はポリマー発光ダイオードであってよい。以下の説明では、本発明を何ら制限することなく、発光ダイオードは固体発光ダイオードであると仮定することができる。以下の説明において、「LED照明ユニット」及び「照明ユニット」という用語は、互換的に使用することができる。
【0015】
本発明の照明ユニットは、比較的小さな容器に配置された単一の発光ダイオードで実現可能であるが、以下の場合、照明ユニットは、複数の発光ダイオード、例えば、リードフレーム又はキャリア上に規則的に間隔をあけて配置された数十個のLEDを含むと仮定することができる。本発明の特に好ましい実施形態では、シリコーンなどの材料を含む可撓性充填材は、LEDを覆うように配置され、光出口開口のレベルまで延びてもよい。本発明のさらなる好ましい実施形態において、リードフレーム及び容器は、完成したLED照明ユニットが所望されるように形成され又は成形され得るように、可撓性材料で構成される。充填材は、点灯状態の間に出力される光の所望の均一性を達成し、照明ユニットの非点灯状態の間にLEDを隠すか又は伏せるために、散乱粒子の任意の適切な懸濁体を含むことができる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、LED照明ユニットは、自動車の後部照明ユニットに使用するように構成され、照明ユニットのオン状態の間に光出口開口を通して赤色光を出射するように容器内に配置された複数の赤色発光ダイオードを含む。
【0017】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、赤色LEDを容器内に配置すると、部分反射容器側壁の材料特性は、380〜450nmの波長範囲及び550〜600nmの波長範囲の可視スペクトルの光を吸収し、残りの可視光(すなわち、450〜550nmの波長範囲の光及び610nmを超える波長の光)を反射することによって、部分反射容器側壁に緑色を与えるように選択される。その結果、照明ユニットの非点灯状態における全体的な「緑」の外観が得られる。言い換えると、出口開口部から昼光が照明ユニットに入り、部分反射容器側壁に到達すると、380〜450nm又は550〜610nmの範囲の波長を有する光はすべて側壁に吸収され、「緑色」又は「赤色」の範囲の波長を有する光のみが反射される。従って、反射後に本発明の照明ユニットから出る周囲光は、主に側壁の緑色を有する。本発明の照明ユニットの点灯状態においては、光出口開口を通って出る光は、容器の側壁によって吸収されないので、単に赤色LED色である。LEDによって放射される光の強度は、昼光に対して非常に高いと仮定することができ、それにより、周囲光の寄与は無視することができ、照明ユニットの点灯状態の間、光の色に影響を及ぼさない。
【0018】
非点灯状態で全体的に緑色の外観を得るために、部分反射容器側壁の所望の反射率及び吸収を多くの方法で達成することができる。例えば、側壁は、顔料の適切な組み合わせを有する材料を含むことができる。これに代えて、又は加えて、部分反射容器側壁は、非点灯状態で照明ユニットの緑色外観を達成するために、本質的に黒い材料上に塗布されたDBR (分散ブラッグ反射体)コーティングで被覆又は覆うことができる。
【0019】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、部分反射容器側壁の材料特性は、部分反射容器側壁に黄色を付与し、410〜500nmの波長範囲の可視スペクトルの特定の領域の光を吸収するように選択される。その結果、非点灯状態において、照明ユニットが全体的に「黄色」に見える。このことは、部分反射容器側壁に二酸化ケイ素(SiO2)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)の多重層を適用することによって達成できる。あるいは、酸化アルミニウム(Al2O3)、適切な酸化タンタル、酸化ニオブ(Nb2O5)及び二酸化チタン(TiO2)の1つ以上と二酸化ケイ素の適切な組み合わせを用いることができる。
【0020】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、部分反射容器側壁の材料特性は、570〜600nmの波長範囲の可視スペクトルの光を吸収し、570nmまでの波長の光及び610〜630nmの範囲の波長の赤色光を反射することによって、青色又は紫色を容器側壁に付与するように選択される。その結果、非点灯状態において照明ユニットの全体的な「青色」の外観が得られる。例えば、側壁が十分な量の過マンガン酸カリウム(KMnO4)顔料を含む場合、結果として得られる照明ユニットは、非点灯状態で紫色を示す。
【0021】
本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面と関連して考察される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は、例示の目的のみで設計されており、本発明の限定の定義としては設計されていないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】点灯状態における本発明のLED照明ユニットの一実施形態の断面を示す。
図1B】非点灯状態における本発明のLED照明ユニットの一実施形態の断面を示す。
図1C】本発明のLED照明ユニットの一実施形態の斜視図である。
図2A】点灯状態における従来技術のLED照明ユニットの断面を示す。
図2B】非点灯状態における従来技術のLED照明ユニットの断面を示す。
図3】CIE xy色度図を示す。
図4A】本発明のLED照明ユニットの第1の実施形態のCIE色度図を示す。
図4B】本発明のLED照明ユニットの第1の実施形態の混合ボックスの反射率を示す。
図5A】本発明のLED照明ユニットの非点灯状態の一実施形態を示す。
図5B図5AのLED照明ユニットの点灯状態を示す。
図6A】本発明のLED照明ユニットの第2の実施形態のCIE色度図を示す。
図6B】本発明のLED照明ユニットの第2の実施形態の混合ボックスの反射率を示す。
図7A】本発明のLED照明ユニットの第3の実施形態のCIE色度図を示す。
図7B】本発明のLED照明ユニットの第3の実施形態の混合ボックスの反射率を示す。 図面において、同様の数字は、全体を通して同様の対象物を指す。図面中の対象物は、必ずしもスケールどおりに描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1A及び図1Bは、本発明に係るLED照明ユニット1の実施例の断面図である。これらの図は、容器12又は混合ボックス12の基部の可撓性リードフレーム13上に載置された一連のLED10のうちの1つを示す。半透明の充填材14が、LED10及びリードフレーム13を覆い、光を散乱するように作用して、光出射開口11において均一な外観を達成する。光は、容器12の内部表面120から反射される。図1Aに示すように、照明ユニット1の点灯状態の間、LED 10は、ある特定の色(例えば、赤、青、緑)の光L10を放射する。この光は、直接、照明ユニット1の光出口開口を通って出射し、或いは側壁での反射及び/又は充填材14内の散乱の後に光出口開口を通って出射する。照明ユニットを離れる光L10は、LED 10によって放射される光の色を有する。図1Bに示すように、照明ユニット1の非点灯状態の間、昼光LWが光出口開口11に入射し、側壁120において反射を受け、光出口開口において再び証明ユニット1を出る。LED照明ユニット1の非点灯状態中に光出口開口において特定の色L120を達成するために、側壁120は、可視光スペクトルの特定の波長を吸収し、残りの波長を反射し、それにより、照明ユニット1から出る光L120は、容器12の側壁120の色を有する。図1Cは、そのようなLED照明ユニット1の斜視図を示し、可撓性構造及び照明ユニットが湾曲形態に追従するように成形される可能性を示す。
【0024】
図2Aは、点灯状態における従来技術のLED照明ユニット2の断面図を示す。ここでも、可撓性のリードフレーム23又はキャリアが一連のLED20を支持し、可撓性の容器22又は混合ボックス22により、光出口開口21を湾曲物体に組み込むことができ、光出口開口21がその湾曲物体の湾曲した外面と平らに位置する。シリコーンのような可撓性の充填材24がLED20を覆い、散乱粒子の懸濁体を含有して点灯状態中に均一な外観を達成することができる。照明ユニット2の点灯状態の間、LED20は、ある色の光L20を放射する。この光は、直接、照明ユニット2の光出口開口21を通って出射し、或いは側壁220における反射及び/又は充填材24中の散乱の後に、照明ユニット2の光出口開口21を通って出差する。
【0025】
非点灯状態では、容器22の高反射(性)側壁220は、照明ユニット2に入る実質的に全ての昼光LWを反映し、ゆえにこれらの側壁は、照明ユニット2に全体的な白色又は銀色の外観を付与し、従って、物体が白色又は銀色以外の色を有する場合、非常に顕著になってしまうことがある。
【0026】
図3は、380(紫)nm〜700nm (赤)の曲線境界又はスペクトル軌跡に沿った可視光スペクトルの波長[nm]を有するCIE xy色度図を示す。昼光白色点Wは、図の中心に向かって示され、可視スペクトルのすべての波長が等しく存在するときに生じる白色を表す。これは、通常昼光の場合と白色表面から反射される光の場合である。
【0027】
着色LEDによって発光される光は、スペクトル軌跡に沿った対応する波長領域によって特定することができる。図は、赤色LEDによって放射される光の波長に対応するスペクトル軌跡の例示的な領域CLEDを示す。このような赤色LEDは、明細書導入部で説明したタイプの照明ユニットに利用することができる。すなわち、高い反射性の側壁、及び光出口開口部を有する容器又は混合ボックスの底部に沿って配置することができる。点灯状態において、照明ユニットは光出口開口部に赤く現れる。非点灯状態では、照明ユニット1の高反射側壁が、全体として白色の外観を照明ユニットに与える。しかし、LED照明ユニットを組み込んだり、取り付けたりする物体の色は、必ずしも白色ではない。例えば、LED照明ユニットは、青色自動車にリアライトとして取り付けられることがあり、照明ユニットの非点灯状態での「白色」外観は、LED照明ユニットを組み込んだ青色表面の美観を損なうことがある。
【0028】
図4Aは、本発明のLED照明ユニットの第1の実施形態のCIE色度図を示す。前述の図面に従って、赤色発光LEDが照明ユニットに組み込まれていると仮定し、照明ユニットは、その点灯状態又は「オン」状態で全体的に赤色の外観を有するはずである。赤色発光LEDによって放出される光は、610nmを超える領域の波長を有すると仮定することができる。
【0029】
この場合、所望の色点CPGは、色度図の緑色領域内にある。すなわち、LED照明ユニットは、その非点灯状態又は「オフ」状態においてその緑色を有するように見えるはずである。このことは、本発明の照明ユニットによって、容器又は混合ボックスを構成するために使用される材料のスペクトル特性によって達成される。混合ボックス側壁の反射率40は、図4Bに示されており、x軸に沿った可視スペクトルに対応する波長範囲380nm〜700nmに対して、y軸に沿った0(完全吸収)から1(完全反射)までの反射率を示す。グラフ40は、混合ボックス側壁が、480〜530nmに対応する第1の領域(「緑」波長領域の実質的全体)及び630〜680nmに対応する第2の領域(「赤」波長領域の関連部分)の波長を有する光を強く反射するであろうことを示す。スペクトルの青と黄の領域に対応する波長の光は、吸収領域S40、S41によって示されるように、強く吸収される。周囲光又は昼光は一般に、可視スペクトルにおけるすべての波長を含むので、照明ユニットは、非点灯状態の時、昼光において緑色に見える。照明ユニットの電源を入れると、LEDによって放射される純粋な赤色光は、側壁によって完全に反射され、出口開口部で照明ユニットを出射する。
【0030】
この「緑色」LED照明ユニット1は、図5Aの点線で示される緑色の物体B内に組み込むことができる。照明ユニット1のオフ状態(点線で示す)の緑色は、照明ユニットが組み込まれている物体Bの緑色に近いため、照明ユニット1の点線の輪郭で示すように、照明ユニット1は好都合に目立たない(妨害しない)。図5Bは、図5AのLED照明ユニット1の点灯状態を示す図である。ここで、密充填パターンを使用して、照明ユニット1のLED10により出射される強い赤色光を示す。
【0031】
図6Aは、本発明のLED照明ユニットの第2の実施形態のCIE色度図を示す。ここでも、赤色発光LEDが照明ユニットに組み込まれるものと仮定する。この実施形態では、所望の色点CPYは、色度図の黄色/オレンジ領域内にあり、即ち、LED照明ユニットは、その非点灯又は「オフ」状態において黄色を有するように見えるはずであり、混合ボックス側壁の反射率60が図6Bに示される。この場合、混合ボックス側壁は、530nmを超える波長の可視光を強く反射するであろう。スペクトルの青色領域に対応する波長の光は、吸収領域S60によって示されるように、強く吸収される。周囲光又は昼光は一般に、可視スペクトルにおける全ての波長を含むので、照明ユニットは、非点灯状態の時、昼光において黄色/オレンジ色に見える。照明ユニットの電源を入れると、LEDによって放射される純粋な赤色光は、側壁によって完全に反射され、出口開口部で照明ユニットを出る。このような「黄色」LED照明ユニットの実施形態は、図5A及び5Bで説明した方式で、黄色を有する物体内に組み込むことができる。
【0032】
図7Aは、本発明のLED照明ユニットの第3の実施形態のCIE色度図を示す。ここでも、赤色発光LEDが照明ユニットに組み込まれていると仮定する。この実施形態の場合には、所望の色点CPBは、色度図の青色領域内にある。すなわち、LED照明ユニットは、その非点灯又は「オフ」状態で青色を有するように見えるはずであり、混合ボックス側壁の反射率70は、図7Bに示される。この場合、混合ボックスの側壁は、550nmまでの波長を有する可視光の青/緑成分を強く反射するであろう。また、630〜650nm(「赤」波長領域の一部)に対応する第2の領域においても反射するであろう。スペクトルの黄色領域に対応する波長の光は、吸収領域S70によって示されるように、強く吸収される。周囲光又は昼光は一般に、可視スペクトルにおけるすべての波長を含むので、照明ユニットは、非点灯状態の時、昼光において青/緑に見えるであろう。照明ユニットの電源を入れると、LEDによって放射される純粋な赤色光は、側壁によって完全に反射され、出口開口部で照明ユニットを出る。このような「青色」LED照明ユニットの実施形態は、図5A及び5Bで説明した方式で、青色を有する物体内に組み込むことができる。
【0033】
本発明は、好ましい実施形態及びその変形の形態で開示されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、それに対して、多数の追加的な変更及び変形を行うことができることが理解されよう。明確にするために、本出願全体を通じて「a」又は「an」を使用することは、複数のステップ又は要素を排除するものではなく、「comprising」は、他のステップ又は要素を排除するものではないことを理解されたい。
参照符号:
LED照明ユニット 1
従来技術のLED照明ユニット 2
発光ダイオード 10, 20
光出口開口 11, 21
容器 12, 22
リードフレーム 13, 23
側壁 120, 220
充填材 14, 24

LED光色 L10、L20
昼光色 LW
側壁色 L120
昼白色点 W
赤色LED波長領域 CLED
色点 CPG、CPY、CPB
吸収領域 S40、S41、S42、S43
反射率グラフ 40, 60, 70

自動車のバンパー B


図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B