特許第6646797号(P6646797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6646797
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】荷受け保管装置及び荷受け保管方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/12 20060101AFI20200203BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20200203BHJP
   B64F 1/12 20060101ALI20200203BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20200203BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A47G29/12 D
   B64C39/02
   B64F1/12
   B65G1/04 561
   B65G61/00 550
【請求項の数】31
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-540135(P2019-540135)
(86)(22)【出願日】2018年12月26日
(86)【国際出願番号】JP2018047773
【審査請求日】2019年7月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田爪 敏明
(72)【発明者】
【氏名】周 清楠
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0105289(US,A1)
【文献】 実開昭58−030608(JP,U)
【文献】 特開2007−076919(JP,A)
【文献】 米国特許第05416329(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12
B64C 39/02
B64F 1/12
B65G 1/04
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機で運搬された荷物を荷卸しするためのステージと、
前記ステージに隣接して、少なくとも鉛直方向に配列された複数の収納スペースを有する収納庫と、
前記ステージを昇降させるためのリフタと、
前記ステージの上で前記荷物を押すように移動可能なプッシャと、
前記プッシャを動かすためのアクチュエータと、
を有し、
前記リフタは、前記ステージを、前記荷物の荷卸位置から、前記複数の収納スペースの選択された1つに対応する収納位置に下げるように制御され、
前記アクチュエータは、前記複数の収納スペースの前記選択された1つに向けて前記荷物をスライド移動させるために、前記プッシャを水平に動かすように制御され
前記プッシャは、前記荷物が側面に当たるように第1方向に沿って延びる第1バーと、前記荷物が側面に当たるように前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2バーと、を含み、
前記アクチュエータは、前記第1バーを保持して前記第1方向に交差する方向に移動可能な第1スライダと、前記第2バーを保持して前記第2方向に交差する方向に移動可能な第2スライダと、を含むことを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項2】
請求項1に記載された荷受け保管装置において、
前記ステージは、前記無人航空機の離着陸が可能な広さを有することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項3】
請求項1に記載された荷受け保管装置において、
前記収納庫は、前記ステージの、水平方向の周囲に配置されていることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項4】
請求項3に記載された荷受け保管装置において、
前記収納庫は、前記ステージを途切れなく囲むことを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項5】
請求項3に記載された荷受け保管装置において、
前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記ステージの外縁に隣接可能な搬入口と、前記搬入口とは反対側の取出口と、を有することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項6】
請求項5に記載された荷受け保管装置において、
前記複数の収納スペースは、隣同士が物理的に隔離されており、
前記取出口は、施錠解錠できるようになっていることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項7】
請求項6に記載された荷受け保管装置において、
前記取出口は、前記荷物が収納されているときには施錠されるように制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項8】
請求項6に記載された荷受け保管装置において、
前記取出口は、開閉操作できる扉を有することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、
前記ステージは、前記荷物の荷卸し及びスライド移動のための搬送面を有し、
前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記荷物を保管するための保管面を有し、
前記荷物をスライド移動させるときに、前記搬送面が前記保管面よりも高い位置にいるように、前記リフタは制御され、
前記収納庫及び前記ステージの少なくとも一方は、前記搬送面と前記保管面の間に、前記搬送面から前記保管面への方向に下がる傾斜面を有することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、
前記第1スライダは、前記第2方向に沿って移動可能であり、
前記第2スライダは、前記第1方向に沿って移動可能であることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、
前記アクチュエータは、前記第1スライダを移動させるための第1モータと、前記第2スライダを移動させるための第2モータと、を含むことを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、
前記プッシャは、前記荷物が側面に当たるように前記第1方向に沿って延びる第3バーと、前記荷物が側面に当たるように前記第2方向に沿って延びる第4バーと、を含み、
前記アクチュエータは、前記第3バーを保持して前記第1方向に交差する方向に移動可能な第3スライダと、前記第4バーを保持して前記第2方向に交差する方向に移動可能な第4スライダと、を含むことを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項13】
請求項12に記載された荷受け保管装置において、
前記第3スライダは、前記第2方向に沿って移動可能であり、
前記第4スライダは、前記第1方向に沿って移動可能であることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項14】
請求項12に記載された荷受け保管装置において、
前記アクチュエータは、前記第3スライダを移動させるための第3モータと、前記第4スライダを移動させるための第4モータと、を含むことを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項15】
請求項12に記載された荷受け保管装置において、
前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸しの間に、前記第1バー及び前記第3バーが前記搬送面の外側で相互に反対側に位置し、前記第2バー及び前記第4バーが前記搬送面の外側で相互に反対側に位置するように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項16】
請求項15に記載された荷受け保管装置において、
前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸し前に、前記第1バー及び前記第3バーを前記搬送面の外側に移動させ、前記第2バー及び前記第4バーを前記搬送面の外側に移動させるように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項17】
請求項16に記載された荷受け保管装置において、
前記荷物を押すために、前記第1バー及び前記第3バーの一方及び前記第2バー及び前記第4バーの一方が使用され、
前記荷物を押すために使用されない残りのバーの少なくとも1つは、前記荷物のスライド移動のためのガイドとして使用されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項18】
請求項1に記載された荷受け保管装置において、
前記リフタは、前記荷物の荷卸しの間に前記ステージが前記荷卸位置にいるように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項19】
請求項18に記載された荷受け保管装置において、
前記リフタは、前記荷物の荷卸し前に前記収納位置にある前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項20】
請求項19に記載された荷受け保管装置において、
前記リフタは、前記無人航空機が接近したときに前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項21】
請求項1に記載された荷受け保管装置において、
前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸し完了後に前記荷物のスライド移動を開始するように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項22】
請求項21に記載された荷受け保管装置において、
前記無人航空機は、前記ステージに着陸して前記荷物の荷卸し完了後に離陸するように制御され、
前記アクチュエータは、前記無人航空機の離陸後に前記荷物のスライド移動を開始するように、制御されることを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項23】
請求項1に記載された荷受け保管装置において、
前記リフタ及び前記アクチュエータの駆動を制御するプロセッサをさらに有することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項24】
請求項23に記載された荷受け保管装置において、
前記プロセッサは、前記複数の収納スペースのどれが空きであるかの情報に基づいて、前記複数の収納スペースの1つを選択することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項25】
請求項23に記載された荷受け保管装置において、
前記複数の収納スペースは、異なる大きさの収納スペースを含み、
前記プロセッサは、前記複数の収納スペースの大きさの情報に基づいて、前記複数の収納スペースの1つを選択することを特徴とする荷受け保管装置。
【請求項26】
無人航空機で運搬された荷物をステージに荷卸しするステップと、
前記ステージを、前記荷物の荷卸位置から、前記ステージに隣接して少なくとも鉛直方向に配列された複数の収納スペースの選択された1つに対応する収納位置に下げるように、前記ステージの昇降が可能なリフタを制御するステップと、
プッシャの水平な動きによって、前記荷物を、前記複数の収納スペースの前記選択された1つに向けて、前記ステージの上で押してスライド移動させるように、前記プッシャの移動が可能なアクチュエータを制御するステップと、
を含み、
前記プッシャは、前記荷物が側面に当たるように第1方向に沿って延びる第1バーと、前記荷物が側面に当たるように前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2バーと、を含み、
前記アクチュエータは、前記第1バーを保持して前記第1方向に交差する方向に移動可能な第1スライダと、前記第2バーを保持して前記第2方向に交差する方向に移動可能な第2スライダと、を含むことを特徴とする荷受け保管方法。
【請求項27】
請求項26に記載された荷受け保管方法において、
前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記ステージの外縁に隣接する搬入口と、前記搬入口とは反対側の取出口と、を有し、
前記荷物が収納されているときには前記取出口を施錠するように制御することを特徴とする荷受け保管方法。
【請求項28】
請求項26に記載された荷受け保管方法において、
前記荷物を荷卸しする前に前記収納位置にある前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、前記リフタを制御することを特徴とする荷受け保管方法。
【請求項29】
請求項28に記載された荷受け保管方法において、
前記無人航空機が接近したときに前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、前記リフタを制御することを特徴とする荷受け保管方法。
【請求項30】
請求項26から29のいずれか1項に記載された荷受け保管方法において、
前記荷物の荷卸し完了後に前記荷物のスライド移動を開始するように、前記アクチュエータを制御することを特徴とする荷受け保管方法。
【請求項31】
請求項26から29のいずれか1項に記載された荷受け保管方法において、
前記無人航空機は、前記ステージに着陸して前記荷物の荷卸し完了後に離陸するように制御され、
前記無人航空機の離陸後に前記荷物のスライド移動を開始するように、前記アクチュエータを制御することを特徴とする荷受け保管方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受け保管装置及び荷受け保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配ボックスあるいは宅配ロッカー等と呼ばれる、受取人が留守であっても荷物を受け取ることができる施設が普及しつつある。宅配ボックスは、集合住宅に設置される他、鉄道駅等の公共スペースに設置され、不特定多数のユーザにより利用されるものもある。最近ではドローン(無人航空機)を用いた無人配送が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6201092号公報
【特許文献2】特表2017−517466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の技術では、複数のドローンによる複数荷物の荷受けや、複数の荷受人への複数荷物の保管を行うには、非効率的な場合があったり、複雑な機構が必要になったりしていた。
【0005】
本発明は、複数荷物の荷受け及び保管を簡単な機構で可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る荷受け保管装置は、無人航空機で運搬された荷物を荷卸しするためのステージと、前記ステージに隣接して、少なくとも鉛直方向に配列された複数の収納スペースを有する収納庫と、前記ステージを昇降させるためのリフタと、前記ステージの上で前記荷物を押すように移動可能なプッシャと、前記プッシャを動かすためのアクチュエータと、を有し、前記リフタは、前記ステージを、前記荷物の荷卸位置から、前記複数の収納スペースの選択された1つに対応する収納位置に下げるように制御され、前記アクチュエータは、前記複数の収納スペースの前記選択された1つに向けて前記荷物をスライド移動させるために、前記プッシャを水平に動かすように制御されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、荷物の荷卸し及びスライド移動に共用されるステージと、水平に動かされるプッシャを含む簡単な構造で、複数の収納スペースの選択された1つに荷物を保管することができる。
【0008】
(2)(1)に記載された荷受け保管装置において、前記ステージは、前記無人航空機の離着陸が可能な広さを有することを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載された荷受け保管装置において、前記収納庫は、前記ステージの周囲に配置されていることを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(3)に記載された荷受け保管装置において、前記収納庫は、前記ステージを途切れなく囲むことを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(3)又は(4)に記載された荷受け保管装置において、前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記ステージの外縁に隣接可能な搬入口と、前記搬入口とは反対側の取出口と、を有することを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(5)に記載された荷受け保管装置において、前記複数の収納スペースは、隣同士が物理的に隔離されており、前記取出口は、施錠解錠できるようになっていることを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(6)に記載された荷受け保管装置において、前記取出口は、前記荷物が収納されているときには施錠されるように制御されることを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(6)又は(7)に記載された荷受け保管装置において、前記取出口は、開閉操作できる扉を有することを特徴としてもよい。
【0015】
(9)(1)から(8)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記ステージは、前記荷物の荷卸し及びスライド移動のための搬送面を有し、前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記荷物を保管するための保管面を有し、前記荷物をスライド移動させるときに、前記搬送面が前記保管面よりも高い位置にいるように、前記リフタは制御され、前記収納庫及び前記ステージの少なくとも一方は、前記搬送面と前記保管面の間に、前記搬送面から前記保管面への方向に下がる傾斜面を有することを特徴としてもよい。
【0016】
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記プッシャは、前記荷物が側面に当たるように第1方向に沿って延びる第1バーと、前記荷物が側面に当たるように前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2バーと、を含み、前記アクチュエータは、前記第1バーを保持して前記第1方向に交差する方向に移動可能な第1スライダと、前記第2バーを保持して前記第2方向に交差する方向に移動可能な第2スライダと、を含むことを特徴としてもよい。
【0017】
(11)(10)に記載された荷受け保管装置において、前記第1スライダは、前記第2方向に沿って移動可能であり、前記第2スライダは、前記第1方向に沿って移動可能であることを特徴としてもよい。
【0018】
(12)(10)又は(11)に記載された荷受け保管装置において、前記アクチュエータは、前記第1スライダを移動させるための第1モータと、前記第2スライダを移動させるための第2モータと、を含むことを特徴としてもよい。
【0019】
(13)(10)から(12)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記プッシャは、前記荷物が側面に当たるように前記第1方向に沿って延びる第3バーと、前記荷物が側面に当たるように前記第2方向に沿って延びる第4バーと、を含み、前記アクチュエータは、前記第3バーを保持して前記第1方向に交差する方向に移動可能な第3スライダと、前記第4バーを保持して前記第2方向に交差する方向に移動可能な第4スライダと、を含むことを特徴としてもよい。
【0020】
(14)(13)に記載された荷受け保管装置において、前記第3スライダは、前記第2方向に沿って移動可能であり、前記第4スライダは、前記第1方向に沿って移動可能であることを特徴としてもよい。
【0021】
(15)(13)又は(14)に記載された荷受け保管装置において、前記アクチュエータは、前記第3スライダを移動させるための第3モータと、前記第4スライダを移動させるための第4モータと、を含むことを特徴としてもよい。
【0022】
(16)(13)から(15)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸しの間に、前記第1バー及び前記第3バーが前記搬送面の外側で相互に反対側に位置し、前記第2バー及び前記第4バーが前記搬送面の外側で相互に反対側に位置するように、制御されることを特徴としてもよい。
【0023】
(17)(16)に記載された荷受け保管装置において、前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸し前に、前記第1バー及び前記第3バーを前記搬送面の外側に移動させ、前記第2バー及び前記第4バーを前記搬送面の外側に移動させるように、制御されることを特徴としてもよい。
【0024】
(18)(17)に記載された荷受け保管装置において、前記荷物を押すために、前記第1バー及び前記第3バーの一方及び前記第2バー及び前記第4バーの一方が使用され、前記荷物を押すために使用されない残りのバーの少なくとも1つは、前記荷物のスライド移動のためのガイドとして使用されることを特徴としてもよい。
【0025】
(19)(1)から(18)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記リフタは、前記荷物の荷卸しの間に前記ステージが前記荷卸位置にいるように、制御されることを特徴としてもよい。
【0026】
(20)(19)に記載された荷受け保管装置において、前記リフタは、前記荷物の荷卸し前に前記収納位置にある前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、制御されることを特徴としてもよい。
【0027】
(21)(20)に記載された荷受け保管装置において、前記リフタは、前記無人航空機が接近したときに前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、制御されることを特徴としてもよい。
【0028】
(22)(1)から(21)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記アクチュエータは、前記荷物の荷卸し完了後に前記荷物のスライド移動を開始するように、制御されることを特徴としてもよい。
【0029】
(23)(22)に記載された荷受け保管装置において、前記無人航空機は、前記ステージに着陸して前記荷物の荷卸し完了後に離陸するように制御され、前記アクチュエータは、前記無人航空機の離陸後に前記荷物のスライド移動を開始するように、制御されることを特徴としてもよい。
【0030】
(24)(1)から(23)のいずれか1項に記載された荷受け保管装置において、前記リフタ及び前記アクチュエータの駆動を制御するプロセッサをさらに有することを特徴としてもよい。
【0031】
(25)(24)に記載された荷受け保管装置において、前記プロセッサは、前記複数の収納スペースのどれが空きであるかの情報に基づいて、前記複数の収納スペースの1つを選択することを特徴としてもよい。
【0032】
(26)(24)又は(25)に記載された荷受け保管装置において、前記複数の収納スペースは、異なる大きさの収納スペースを含み、前記プロセッサは、前記複数の収納スペースの大きさの情報に基づいて、前記複数の収納スペースの1つを選択することを特徴としてもよい。
【0033】
(27)本発明に係る荷受け保管方法は、無人航空機で運搬された荷物をステージに荷卸しするステップと、前記ステージを、前記荷物の荷卸位置から、前記ステージに隣接して少なくとも鉛直方向に配列された複数の収納スペースの選択された1つに対応する収納位置に下げるように、前記ステージの昇降が可能なリフタを制御するステップと、プッシャの水平な動きによって、前記荷物を、前記複数の収納スペースの前記選択された1つに向けて、前記ステージの上で押してスライド移動させるように、前記プッシャの移動が可能なアクチュエータを制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、ステージは荷物の荷卸し及びスライド移動に共用され、プッシャを水平に動かすことで、複数の収納スペースの選択された1つに荷物を保管することができる。したがって、複数荷物の荷受け及び保管を簡単な機構で可能にすることができる。
【0035】
(28)(27)に記載された荷受け保管方法において、前記複数の収納スペースのそれぞれは、前記ステージの外縁に隣接する搬入口と、前記搬入口とは反対側の取出口と、を有し、前記荷物が収納されているときには前記取出口を施錠するように制御することを特徴としてもよい。
【0036】
(29)(27)又は(28)に記載された荷受け保管方法において、前記荷物を荷卸しする前に前記収納位置にある前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、前記リフタを制御することを特徴としてもよい。
【0037】
(30)(29)に記載された荷受け保管方法において、前記無人航空機が接近したときに前記ステージを前記荷卸位置に上昇させるように、前記リフタを制御することを特徴としてもよい。
【0038】
(31)(27)から(30)のいずれか1項に記載された荷受け保管方法において、前記荷物の荷卸し完了後に前記荷物のスライド移動を開始するように、前記アクチュエータを制御することを特徴としてもよい。
【0039】
(32)(27)から(31)のいずれか1項に記載された荷受け保管方法において、前記無人航空機は、前記ステージに着陸して前記荷物の荷卸し完了後に離陸するように制御され、前記無人航空機の離陸後に前記荷物のスライド移動を開始するように、前記アクチュエータを制御することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】実施形態に係る荷受け保管装置の側面図である。
図2】荷物を運搬する無人航空機の斜視図である。
図3図1に示す荷受け保管装置の平面図である。
図4図1に示す荷受け保管装置のIV−IV線断面図である。
図5】荷受け保管装置を含む配送システムを示すブロック図である。
図6】荷受け保管装置を含む配送システムの処理を示すシーケンス図である。
図7】着陸受け入れ準備の処理を示すシーケンス図である。
図8】先に運ばれた荷物の収納を示す図である。
図9】着陸受け入れ準備が完了した荷受け保管装置を示す図である。
図10】荷物の収納の処理を示すシーケンス図である。
図11】収納位置に下げられたステージを示す図である。
図12】最初のスライド移動を示す図である。
図13】最後のスライド移動を示す図である。
図14】収納スペースに入る荷物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0042】
図1は、実施形態に係る荷受け保管装置の側面図である。図2は、荷物を運搬する無人航空機の斜視図である。荷受け保管装置10には、無人航空機12で運搬された荷物14が保管される。
【0043】
[無人航空機12]
無人航空機12は、人が搭乗しない航空機であり、例えば、バッテリーで駆動されるドローンであってもよく、エンジンで駆動されてもよい。無人航空機12は、プロペラ16を回転させるためのモータやバッテリーを含み、制御部、記憶部、通信部及びセンサ部を含む(図示せず)。
【0044】
無人航空機12は、荷物格納部18を含む。荷物格納部18は、荷物14を格納するスペースを有するフレーム20を含む。フレーム20は、その内部に荷物14を載置して固定できる程度の大きさとなっている。荷物格納部18は、配送中の荷物14が下に落ちないように支えるアーム22と、公知のロック機構を有するストッパ24と、を含む。荷物14は、アーム22の上に載置され、ストッパ24を閉じることで水平方向に動かないように固定される。アーム22は、図示しないモータの回転により開閉可能になっており、無人航空機12が着陸するとアーム22が下側に向けて開き、アーム22の上に載置された荷物14が数cm程度落下するようになっている。
【0045】
図3は、図1に示す荷受け保管装置10の平面図である。図4は、図1に示す荷受け保管装置10のIV−IV線断面図である。
【0046】
[ステージ]
荷受け保管装置10は、無人航空機12から荷物14を荷卸しするためのステージ26を有する。ステージ26は、荷物14の荷卸しのための搬送面28を有する。搬送面28は、荷物14のスライド移動のためのものでもある。ステージ26は、搬送面28の外側に外方向に下がる傾斜面30を有する。無人航空機12は、ステージ26に着陸して荷物14の荷卸し完了後に離陸するように制御される。ステージ26は、無人航空機12の離着陸が可能な広さを有する。
【0047】
[収納庫]
荷受け保管装置10は、荷物14を収納するための収納庫32を有する。収納庫32は、ステージ26に隣接している。収納庫32は、ステージ26の周囲に配置されている。収納庫32は、人の侵入を防止するためにステージ26を途切れなく囲む。収納庫32には、必要に応じて壁34が設けられる。
【0048】
収納庫32は、複数の収納スペース36を有する。複数の収納スペース36は、隣同士が物理的に隔離されている。複数の収納スペース36は、異なる大きさの収納スペース36A,36Bを含む。複数の収納スペース36は、鉛直方向に配列されており、さらに水平方向にも配列されている。
【0049】
複数の収納スペース36のそれぞれは、荷物14を保管するための保管面38を有する。保管面38は、ステージ26が有する傾斜面30に隣接する。搬送面28と保管面38の間に、搬送面28から保管面38への方向に下がる傾斜面30がある。変形例として、傾斜面を収納庫32に設けてもよい。
【0050】
それぞれの収納スペース36は、ステージ26の外縁に隣接可能な搬入口40を有する。それぞれの収納スペース36は、搬入口40とは反対側の取出口42を有する。取出口42は、開閉操作できる扉44を有する。取出口42は、施錠解錠できるようになっている。取出口42は、荷物14が収納されているときには施錠されるようになっている。
【0051】
[リフタ]
荷受け保管装置10は、ステージ26を昇降させるためのリフタ46を有する。リフタ46は、油圧を使用した公知の昇降装置である。リフタ46は、ステージ26を、荷物14の荷卸位置48(図9参照)から、複数の収納スペース36の選択された1つに対応する収納位置50(図4参照)に下げるようになっている。
【0052】
ステージ26が収納位置50にあるとき、搬送面28は保管面38よりも高い位置にあるが、傾斜面30によって、搬送面28及び保管面38が接続される。これにより、搬送面28から保管面38への荷物14のスライド移動が可能になり、荷物14を収納スペース36に収納することができる。
【0053】
[プッシャ]
荷受け保管装置10は、ステージ26の上で荷物14を押すように移動可能なプッシャ52(押すための治具)を有する。プッシャ52は、荷物14が側面に当たるように第1方向D1に沿って延びる第1バー54を含む。プッシャ52は、荷物14が側面に当たるように第1方向D1に交差(例えば直交)する第2方向D2に沿って延びる第2バー56を含む。プッシャ52は、荷物14が側面に当たるように第1方向D1に沿って延びる第3バー58を含む。プッシャ52は、荷物14が側面に当たるように第2方向D2に沿って延びる第4バー60を含む。
【0054】
プッシャ52で押された荷物14は、二次元方向(第1方向D1及び第2方向D2)にスライド移動する。第1方向D1に荷物14を押すために、第2バー56及び第4バー60の一方が使用される。第2方向D2に荷物14を押すために、第1バー54及び第3バー58の一方が使用される。荷物14を押すために使用されない残りのバーの少なくとも1つは、荷物14のスライド移動のためのガイドとして使用されてもよい。
【0055】
[アクチュエータ]
荷受け保管装置10は、プッシャ52を動かすためのアクチュエータ62を有する。アクチュエータ62は、プッシャ52を水平に動かすようになっている。これにより、複数の収納スペース36の選択された1つに向けて荷物14をスライド移動させることができる。
【0056】
アクチュエータ62は、回転運動を直線運動に変換する機構を有する。例えば、アクチュエータ62は、第1モータ64を含む。第1モータ64の回転軸には、第1ネジ軸66が連結されている。第1ネジ軸66には、ネジ穴を有する第1スライダ68がはまっている。これにより、第1モータ64の回転運動は、直線運動に変換されて、第1スライダ68を移動させることができる。第1スライダ68は、第1方向D1に交差する方向(例えば第2方向D2)に移動できるようになっている。第1スライダ68は第1バー54を保持する。
【0057】
アクチュエータ62は、第2方向D2に交差する方向(例えば第1方向D1)に移動可能な第2スライダ70を含む。第2スライダ70は第2バー56を保持する。アクチュエータ62は、第2モータ72を含む。第2モータ72の回転軸には、第2ネジ軸74が連結されており、第2ネジ軸74には、ネジ穴を有する第2スライダ70がはまっている。これにより、第2モータ72は第2スライダ70を移動させるようになっている。
【0058】
アクチュエータ62は、第1方向D1に交差する方向(例えば第2方向D2)に移動可能な第3スライダ76を含む。第3スライダ76は第3バー58を保持する。アクチュエータ62は、第3モータ78を含む。第3モータ78の回転軸には、第3ネジ軸80が連結されており、第3ネジ軸80には、ネジ穴を有する第3スライダ76がはまっている。これにより、第3モータ78は第3スライダ76を移動させるようになっている。
【0059】
アクチュエータ62は、第2方向D2に交差する方向(例えば第1方向D1)に移動可能な第4スライダ82を含む。第4スライダ82は第4バー60を保持する。アクチュエータ62は、第4モータ84を含む。第4モータ84の回転軸には、第4ネジ軸86が連結されており、第4ネジ軸86には、ネジ穴を有する第4スライダ82がはまっている。これにより、第4モータ84は第4スライダ82を移動させるようになっている。
【0060】
本実施形態によれば、荷物14の荷卸し及びスライド移動に共用されるステージ26と、水平に動かされるプッシャ52を含む簡単な構造で、複数の収納スペース36の選択された1つに荷物14を保管することができる。
【0061】
[配送システム]
図5は、荷受け保管装置10を含む配送システムを示すブロック図である。荷受け保管装置10は、メモリ88を有する。メモリ88には、収納スペース36の使用状況の他に、無人航空機12に関する情報[機体識別符号(ID)、配送予定など]及び荷物14に関する情報[荷物識別符号(ID)、サイズ、パスワードなど]が記憶される。
【0062】
荷受け保管装置10は、プロセッサ90を有する。プロセッサ90は、例えば、壁34の内側に配置されている。プロセッサ90は、制御部92及び演算部94を含む。プロセッサ90(制御部92)は、リフタ46の駆動(上昇及び下降)を制御する。プロセッサ90(制御部92)は、アクチュエータ62(第1モータ64、第2モータ72、第3モータ78及び第4モータ84)の駆動を制御する。プロセッサ90(制御部92)は、セキュリティ装置96を制御する。セキュリティ装置96は、取出口42(扉44)の施錠解錠を制御し、必要に応じて、搬入口40の開閉を制御する。取出口42(扉44)の解錠に必要なパスワードは、壁34に取り付けられたコントロールパネル98(図1)で入力するようになっている。
【0063】
荷受け保管装置10は、無人航空機12との通信のために、トランシーバ100を有する。荷受け保管装置10は、管理システム102との通信のために、有線インタフェース104を有する。通信はネットワーク106を介して行われる。無人航空機12と荷受け保管装置10は、ネットワーク106を介してデータ送受信可能に接続されている。ネットワーク106には、無人航空機12を遠隔操作するための管理システム102も、データ送受信可能に接続されている。
【0064】
管理システム102は、無人航空機12(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)の航空管制システム(UTM: UAV Traffic Management)であり、飛行ルートや高度の管理、データの管理・解析、飛行の許可、リアルタイムなモニタリング、飛行禁止エリアへの侵入を防ぐなどの役割を果たす。
【0065】
荷物14の受取人の端末108には、ネットワーク106を介して、受け取りに必要な情報(受取場所、配送予定、収納スペース番号、パスワードなど)が通知される。端末108は、受取人が操作する携帯型端末(タブレット型端末やスマートフォンを含む)又はパーソナルコンピュータ等である。
【0066】
図6は、荷受け保管装置10を含む配送システムの処理を示すシーケンス図である。管理システム102では、飛行申請を受けて飛行スケジュールが設定される。飛行申請は、例えば、無人航空機12の操縦者(荷物14の発送者)から出される。飛行スケジュールが決まると、配送情報が荷受け保管装置10に送られる。配送情報は、無人航空機12に関する情報[機体識別符号(ID)、配送予定など]及び荷物14に関する情報[荷物識別符号(ID)、サイズ]を含む。
【0067】
[荷受け保管スケジュール設定]
荷受け保管装置10では、荷受け保管スケジュールが設定される。荷受け保管装置10では、プロセッサ90(演算部94)が、複数の収納スペース36のどれが空きであるかの情報に基づいて、複数の収納スペース36の1つを選択する。プロセッサ90(演算部94)は、複数の収納スペース36の大きさの情報に基づいて、複数の収納スペース36の1つを選択する。荷受け保管スケジュールが決まると、荷受け保管情報が管理システム102に送られる。荷受保管情報は、着陸受け入れ日時、選択された収納スペース番号、パスワードを含む。
【0068】
管理システム102から飛行許可を受けると、無人航空機12は、荷受け保管装置10に向けて出発する。無人航空機12が順調に航行して、荷受け保管装置10に接近すると、荷受け保管装置10には、無人航空機12の接近が通知される。具体的には、無人航空機12の位置情報を荷受け保管装置10が受信し、これに基づいて、プロセッサ90(演算部94)で無人航空機12の接近を判断してもよい。無人航空機12が接近すると、荷受け保管装置10では着陸受け入れ準備を行う。
【0069】
[着陸受け入れ準備]
図7は、着陸受け入れ準備の処理を示すシーケンス図である。図8は、先に運ばれた荷物14の収納を示す図である。
【0070】
先に運ばれた荷物14が収納スペース36に収納された時点で、プッシャ52は搬送面28の上方にある。そこで、アクチュエータ62は、次の荷物14の荷卸し開始前に、プッシャ52を搬送面28の外側に移動させるように制御される。例えば、第1バー54及び第3バー58を搬送面28の外側に移動させ、第2バー56及び第4バー60を搬送面28の外側に移動させる。つまり、プッシャ52が搬送面28の外側にない場合には、次の無人航空機12の着陸の妨げになるため、プッシャ52を移動させる。
【0071】
先に運ばれた荷物14が収納スペース36に収納された時点で、ステージ26は収納位置50にある。そこで、ステージ26が荷卸し位置48(図9)にない場合、ステージ26を上昇させる。こうして、次の荷物14の荷卸し前に、収納位置50にあるステージ26を荷卸位置48に上昇させるように、リフタ46を制御する。この制御は、遅くとも次の荷物14の荷卸し開始前に行い、無人航空機12が接近したとき(接近を検出したとき)に行ってもよい。
【0072】
図9は、着陸受け入れ準備が完了した荷受け保管装置10を示す図である。着陸受け入れ準備が完了すると、着陸許可が、荷受け保管装置10から無人航空機12に通知される。この通知は、管理システム102を介して通知されてもよい。
【0073】
[着陸・荷卸し・離陸]
着陸許可を受けて、無人航空機12はステージ26に着陸する。無人航空機12で運搬された荷物14は、ステージ26に荷卸しされる。無人航空機12はステージ26(搬送面28)に着陸するが、ステージ26に接地することは必ずしも必要ではない。荷物14の荷卸しの間に、第1バー54及び第3バー58は搬送面28の外側で相互に反対側に位置し、第2バー56及び第4バー60は搬送面28の外側で相互に反対側に位置する。
【0074】
無人航空機12は、ステージ26に着陸して荷物14の荷卸し完了後に離陸するように制御される。無人航空機12は、離陸して安全な位置まで移動すると離陸が完了したことを、荷受け保管装置10に通知する。
【0075】
[収納]
図10は、荷物14の収納の処理を示すシーケンス図である。上述したように、荷物14を収納する収納スペース番号がメモリ88(図5)に記憶されており、対応する収納位置50にステージ26を下げる。具体的には、リフタ46を制御することで、ステージ26を、荷物14の荷卸位置48から収納位置50に下降させる。
【0076】
図11は、収納位置50に下げられたステージ26を示す図である。続いて、荷物14をスライド移動させる。スライド移動は、アクチュエータ62を制御することによって行う。制御方法は、収納スペース36によって決まっており、その情報が予めメモリ88に記憶されている。
【0077】
図12は、最初のスライド移動を示す図である。アクチュエータ62を制御することで、プッシャ52を水平に動かして、荷物14をスライド移動させる。この制御は、荷物14の荷卸し完了後(無人航空機12の離陸後)に行うので、プッシャ52が無人航空機12に接触することはない。
【0078】
荷物14は、搬送面28で二次元的な移動によって、選択された収納スペース36にスライド移動する。そのために、荷卸しされた荷物14を、まず、選択された収納スペース36の搬入口40に対向する位置にスライド移動させる。
【0079】
図12に示す例では、第1バー54及び第3が、荷物14を第2方向D2に沿って移動させるようになっており、荷物14よりも移動方向の下流にある第1バー54を使用する。第3バー58は、荷物14のスライド移動には使用しないが、荷物14を収納スペース36へ導くためのガイドとして使用する。第3バー58によって、スライド移動のし過ぎや荷物14の傾きを規制することができる。
【0080】
図13は、最後のスライド移動を示す図である。荷物14は、選択された収納スペース36の搬入口40に向かうようにスライド移動させられる。アクチュエータ62を制御することで、プッシャ52(例えば第2バー56)は水平に動く。なお、第4バー60は使用しないため、搬送面28に外側に配置したままにする。
【0081】
図14は、収納スペース36に入る荷物14を示す図である。プッシャ52の水平な動きによってスライド移動する荷物14は、複数の収納スペース36の選択された1つに入る。ステージ26は、傾斜面30を有しているので、使用しない第4バー60の下を荷物14は移動する。こうして、荷物14は、収納スペース36に収納される。荷物14が収納されているときには、その収納スペース36の取出口42を施錠するように制御する。例えば、扉44を施錠する。
【0082】
図6に示すように、収納が完了すると、受け取り可能の通知が受取人(端末108)に送られる。受取人は、暗証番号の入力などの電子認証によって扉44を解錠する。こうすることで、セキュリティを確保することができる。例えば、受取人は、荷受け保管装置10(コントロールパネル98)にパスワードを入力することで、取出口42(扉44)を解錠することができる。そして、荷物14の受け取りが可能になる。なお、収納スペース36の取出口42が解錠されているときには、対応する搬入口40を閉じるようにしてもよい。そうすることで、収納スペース36を通してステージ26や他の収納スペース36への人の侵入や接触を防止することができる。
【0083】
本実施形態によれば、ステージ26は荷物14の荷卸し及びスライド移動に共用され、プッシャ52を水平に動かすことで、複数の収納スペース36の選択された1つに荷物14を保管することができる。したがって、複数荷物14の荷受け及び保管を簡単な機構で可能にすることができる。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【要約】
荷受け保管装置(10)は、無人航空機(12)で運搬された荷物(14)を荷卸しするためのステージ(26)と、荷物(14)を収納するために、ステージ(26)に隣接して、少なくとも鉛直方向に配列された複数の収納スペース(36)を有する収納庫(32)と、ステージ(26)を昇降させるためのリフタ(46)と、ステージ(26)の上で荷物(14)を押すように移動可能なプッシャ(52)と、プッシャ(52)を動かすためのアクチュエータ(62)と、を有する。リフタ(46)は、ステージ(26)を、荷物(14)の荷卸位置(48)から、複数の収納スペース(36)の選択された1つに対応する収納位置(50)に下げるように制御される。アクチュエータ(62)は、複数の収納スペース(36)の選択された1つに向けて荷物(14)をスライド移動させるために、プッシャ(52)を水平に動かすように制御される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14