(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に
図1を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、水素充填装置100は、充填装置本体30と校正用手段3(基準流量計回路)を有している。充填装置本体30には充填ホース1が接続され、充填ホース1先端には充填ノズル2が設けられている。
校正用手段3(基準流量計回路)には、水素流量計測装置3A(基準流量計)が介装され、レセプタクル3B(基準流量計側レセプタクル)、充填ノズル3C(基準流量計側充填ノズル)及び校正回路ホース3E(基準流量計ホース)を備えている。
基準流量計側レセプタクル3Bは充填ノズル2と接続及び取り外し可能に構成されており、基準流量計側充填ノズル3Cは車両S(車両を充填するべき機器:例えば、燃料電池自動車FCV)の図示しない車載タンク側のレセプタクルSAと接続及び取り外し可能に構成されている。
【0013】
水素充填装置100は、車両Sの燃料タンクの情報(圧力、温度)を水素充填装置(30)に伝達する信号伝達手段10を有しており、信号伝達手段10は、第1の情報通信経路11(基準流量計側の通信経路)と第2の情報通信経路12(充填装置側の通信経路)を有している。
第1の情報通信経路11は電気信号伝達用の通信経路であり、一端は基準流量計回路3(校正用手段)の充填ノズル3C内に内蔵された図示しない光通信用コネクタに接続され、他端は基準流量計回路3(校正用手段)のレセプタクル3B内に内蔵された図示しない光通信用コネクタと接続している。
【0014】
第2の情報通信経路12も電気信号伝達用の通信経路であり、一端は充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタに接続され、他端は充填装置本体30と接続している。ここで、第1の情報通信経路11及び第2の情報通信経路12を、光ファイバーで構成した光通信経路とすることも可能である。
基準流量計回路3のレセプタクル3B内に内蔵された図示しない光通信用コネクタと、充填装置側の充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタは、充填ノズル2とレセプタクル3Bとが接続することにより接続され、接続解除することにより接続解除される様に構成されており、レセプタクル3B内の光通信用コネクタと充填ノズル2内の光通信用コネクタが接続されることにより、充填ノズル2とレセプタクル3B間で光信号の授受(光通信)が可能となり、第1の情報通信経路11と第2の情報通信経路12が情報的に連通する。
車両SのレセプタクルSA内にも図示しない光通信用コネクタが設けられており、充填ノズル2とレセプタクルSAを接続すると、充填ノズル2内の図示しない光通信用コネクタとレセプタクルSA内の図示しない光通信用コネクタが接続され、レセプタクルSAと充填ノズル2間で光信号の授受(光通信)が可能となる。充填ノズル2とレセプタクルSAを接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
図示されていないが、情報通信経路11に増幅器(アンプ)を介装して、検出信号を増幅することが可能である。
【0015】
車両Sの図示しない車載タンク内には圧力センサ及び温度センサ(図示せず)が配置され、当該圧力センサ、温度センサ(検出信号を光信号で発信するタイプのセンサ)は図示しない回路を介して、車両側レセプタクルSAに内蔵された図示しない車両側の光通信用コネクタに接続される。
ここで、車載タンク内の圧力センサ及び温度センサが、計測結果を光信号で発信するタイプではなく、電気信号で発信するタイプであれば、車両用レセプタクルSA内に電気信号を光信号に変換する電気/光コンバータを内蔵する。それに対して、図示しない圧力センサ及び温度センサが検出信号として光信号を発信するタイプであれば、電気/光コンバータは不要である。
基準流量計側ノズル3Cには図示しない光通信用コネクタが内蔵され、当該光通信用コネクタは、車両側レセプタクルSAに内蔵された図示しない光通信用コネクタと接続/接続解除可能となっており、当該光通信用コネクタは第1の情報通信経路11に接続している。基準流量計回路3の充填ノズル3Cと車両SのレセプタクルSAを接続すると、基準流量計回路3の充填ノズル3C内の図示しない光通信用コネクタとレセプタクルSA内の図示しない光通信用コネクタが接続され、レセプタクルSAと充填ノズル3C間で光信号の授受(光通信)が可能となる。充填ノズル3CとレセプタクルSAを接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
【0016】
図1の水素充填装置100において、基準流量計3Aを用いて校正を行う場合には、充填装置の充填ノズル2を基準流量計側レセプタクル3Bに接続し、基準流量計側充填ノズル3Cを車両側レセプタクルSAに接続する。
それにより、基準流量計側レセプタクル3Bの光通信用コネクタ(図示せず)と充填ノズル2の光通信用コネクタ(図示せず)が接続され、第1の情報通信経路11と第2の情報通信経路12が接続される。そして、車両S内の車載タンク内の圧力センサ及び温度センサと第1の情報通信経路11が接続される。
【0017】
校正時は、
図1で示す通り、水素は、充填装置本体30から充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、校正回路ホース3E(基準流量計ホース)、基準流量計側充填ノズル3C、車両側レセプタクルSAを介して車両Sの車載タンクに充填される。その際に、基準流量計3Aにより、充填装置本体30充填された水素の充填量を正確に計測する。
校正時に、車載タンク内の情報(圧力、温度)は図示しないセンサで検出され、車両側レセプタクルSAに内蔵された車両側の光通信用コネクタ、基準流量計側充填ノズル3Cに内蔵された図示しない光通信用コネクタ、第1の情報通信経路11、基準流量計側レセプタクル3B内の光通信用コネクタ、ノズル2内の光通信用コネクタ、第2の情報通信経路12を介して、充填装置本体30に伝達される。そのため、校正時において、充填装置本体30は、車載タンク内の圧力、温度を正確に把握しつつ、充填を行うこと(通信充填)を実行することが出来る。
【0018】
通常の水素充填の際には、充填装置の充填ノズル2を、直接、車両側レセプタクルSAに接続する。
水素は、充填装置本体30から、充填ホース1、充填ノズル2、車両側レセプタクルSAを介して車両Sの車載タンクに充填される。
その際、図示しない圧力センサ、温度センサで計測された車載タンク内の圧力、温度は、車両側レセプタクルSAに内蔵された車両側の光通信用コネクタから充填装置の充填ノズル2に内蔵された光通信用コネクタ、第2の情報通信経路12を介して充填装置本体30側に伝達される。これにより、通信充填が実行される。
【0019】
ここで、通常の充填時には、車両SのレセプタクルSA内の図示しない光通信用コネクタと充填ノズル2内の図示しない光通信用コネクタとの間で光通信が行われ、充填ノズル2とレセプタクルSAの接続箇所には光通信経路が構成される。
一方、校正時には、車両SのレセプタクルSA内の図示しない光通信用コネクタと基準流量計回路3の充填ノズル3C内の図示しない光通信用コネクタとの間で光通信が行われ、基準流量計回路3の充填ノズル3CとレセプタクルSAの接続箇所には光通信経路が構成される。それと共に、基準流量計回路3のレセプタクル3B内の図示しない光通信用コネクタと充填ノズル2内の図示しない光通信用コネクタとの間においても光通信が行われ、基準流量計回路3のレセプタクル3Bと充填ノズル2の接続箇所においても光通信経路が構成される。
図1の第1実施形態に係る水素充填装置100によれば、校正の際には、基準流量計3Aにより水素充填量を正確に計測することが出来る。それにより、充填装置本体30内で水素を計測する流量計の精度を評価することが出来る。
そして第1実施形態に係る水素充填装置100によれば、上述した様に、通常の充填時であっても、校正時であっても、通信充填を行うことが出来る。
【0020】
図2を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図2で示す第2実施形態では、校正装置20を用いて校正を行っている。
図2で示す水素充填装置101は、充填装置本体30と校正装置20を有している。充填装置本体30には充填ホース1が接続され、充填ホース1先端には充填ノズル2が設けられている。
校正装置20は、その内部に充填タンク21と基準流量計3Aを備えており、充填タンク21と基準流量計3Aは基準流量計ホース3Eを介して連通している。基準流量計3Aの充填ノズル2側には基準流量計側レセプタクル3Bを備えており、基準流量計側レセプタクル3Bは充填ノズル2と接続及び取り外し可能に構成されている。
なお、
図2〜
図8では、図示の煩雑さを回避するため、
図1で示すのと同様の部材や機器については、
図1と同様な符号を付している。
【0021】
水素充填装置101は、信号伝達手段10−1として、第1の情報通信経路11−1及び第2の情報通信経路12−1を有している。第1の情報通信経路11−1及び第2の情報通信経路12−1は電気信号伝達用の通信経路であるが、光ファイバーで構成した光通信経路とすることも可能である。
第1の情報通信経路11−1の一端は充填タンク21内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)に接続しており、他端は、基準流量計側レセプタクル3Bに内蔵された図示しない光通信用コネクタに接続されている。
第2の情報通信経路12−1の一端は充填装置側の充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタに接続され、他端は充填装置本体30と接続されている。
【0022】
充填ノズル2と基準流量計側レセプタクル3Bが接続されると、レセプタクル3B内に内蔵された光通信用コネクタと充填ノズル2に内蔵された光通信用コネクタが接続され、レセプタクル3Bと充填ノズル2間で光信号の授受(光通信)が可能となる。そのため、
図2で示す校正時には、基準流量計側レセプタクル3B内の図示しない光通信用コネクタと充填ノズル2内の図示しない光通信用コネクタとの間で光通信が行われ、基準流量計側レセプタクル3Bと充填ノズル2の接続箇所には光通信経路が構成される。
充填ノズル2とレセプタクル3Bを接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
ここで、第1実施形態と同様に、情報通信経路11−1に増幅器(アンプ)を介装することが可能である。
また、充填タンク21内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)が検出結果を電気信号で出力するタイプのセンサである場合には、第1の情報通信経路11−1に電気信号を光信号に変換する変換装置(電気/光コンバータ)を介装するか、或いは、電気/光コンバータを基準流量計側レセプタク3Bに内蔵して、充填タンク21内の図示しないセンサの検出信号を光信号に変換して、充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタに当該光信号を送信することが出来る。
【0023】
ここで、第1実施形態と同様に、情報通信経路11−1に増幅器(アンプ)を介装することが可能である。
また、充填タンク21内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)が検出結果を電気信号で出力するタイプのセンサである場合には、第1の情報通信経路11−1に電気信号を光信号に変換する変換装置(電気/光コンバータ)を介装するか、或いは、電気/光コンバータを基準流量計側レセプタク3Bに内蔵して、充填タンク21内の図示しないセンサの検出信号を光信号に変換して、充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタに当該光信号を送信することが出来る。
【0024】
図2の水素充填装置101において、校正装置20を用いて校正を行う場合には、充填装置の充填ノズル2を校正装置20の基準流量計側レセプタクル3Bに接続することにより、基準流量計側レセプタクル3Bに内蔵された図示しない光通信用コネクタと充填ノズル2に内蔵された図示しない光通信用コネクタを接続して、第1の情報通信経路11−1と第2の情報通信経路12−1を接続する。
図2に示す通り、水素は、充填装置本体30から充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、基準流量計ホース3Eを介して、校正装置20の充填タンク21に充填される。そして基準流量計3Aにより、充填された水素充填量を正確に計測する。
校正中の充填タンク21内の圧力と温度は、充填タンク21内の図示しないセンサで検出され、第1の情報通信経路11−1、基準流量計側レセプタクル3Bに内蔵された光通信用コネクタ、充填ノズル2に内蔵された光通信用コネクタ、第2の情報通信経路12−1を介して、充填装置本体30に伝達される。そのため、校正の際に、充填タンク21内の圧力、温度を充填装置本体30側に通信しつつ水素を充填して、基準流量計3Aを用いた通信充填を実行することが出来る。
【0025】
通常の水素充填は、充填装置の充填ノズル2を図示しない車両側レセプタクルに接続して、
図1を参照して説明したのと同様な態様で車両に水素を充填することが出来る。その際、車両(
図2では図示せず)の車載タンクにおける温度や圧力は、第2の情報通信経路12−1(充填装置側の光通信経路)を介して充填装置に伝達され、通信充填が実行される。
図2の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図1の第1実施形態と同様である。
【0026】
図3を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
図3の第3実施形態の水素充填装置102では、例えばボンベの様な耐圧容器(タンク)に水素を充填しつつ、水素充填装置の校正を行うことが出来る。
図3において、水素充填装置102は、充填装置本体30と基準流量計回路3(校正用手段)を有している。充填装置本体30には充填ホース1が接続され、充填ホース1先端には充填ノズル2が設けられている。
基準流量計回路3には基準流量計3Aが介装され、レセプタクル3B(基準流量計側レセプタクル)、充填ノズル3C(基準流量計側充填ノズル)、校正回路ホース3E(基準流量計ホース)を備えている。
基準流量計側レセプタクル3Bは、充填ノズル2と接続及び取り外し可能に構成されており、基準流量計側充填ノズル3Cは、ボンベ22(水素を充填するべき機器)側のレセプタクル22Aと接続及び取り外し可能に構成されている。
【0027】
水素充填装置102は、信号伝達手段10−2として、第1の情報通信経路11−2及び第2の情報通信経路12−2を有しており、両者は電気信号伝達用の通信経路として構成されているが、光ファイバーで構成した光通信経路とすることも可能である。
第1の情報通信経路11−2の一端は基準流量計側充填ノズル3Cに設けられた光通信用コネクタ3Dに接続され、他端は基準流量計側レセプタクル3Bに設けられた光通信用コネクタ3Fに接続されている。そして、第2の情報通信経路12−2の一端は充填ノズル2に設けられた光通信用コネクタ2A(充填装置側コネクタ)に接続され、他端は充填装置本体30と接続されている。
【0028】
通常の充填時において充填ノズル2とボンベ側レセプタクル3Bが接続されると、充填ノズル2の光通信用コネクタ2Aとボンベ側レセプタクル22Aの光通信用コネクタ22Bが接続され、レセプタクル3Bと充填ノズル2間で光信号の授受(光通信)が可能となる。そのため、通常の充填時には、レセプタクル3Bと充填ノズル2の接続箇所には光通信経路が構成される。
充填ノズル2とレセプタクル22Aを接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
【0029】
一方、校正時には、基準流量計側レセプタクル3Bと充填装置側の充填ノズル2を接続し、基準流量計側ノズル3Cとボンベ側レセプタクル22Aを接続する。基準流量計側レセプタクル3Bと充填装置側の充填ノズル2を接続することにより、基準流量計側レセプタクル3Bの光通信用コネクタ3Fと充填ノズル2の光通信用コネクタ2Aが接続して、基準流量計側レセプタクル3Bと充填ノズル2間で光信号の授受(光通信)が可能となる。そのため、基準流量計側レセプタクル3Bと充填ノズル2の接続箇所に光通信経路が構成される。
基準流量計側レセプタクル3Bと充填装置側の充填ノズル2を接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
また、基準流量計側ノズル3Cとボンベ側レセプタクル22Aを接続することにより、基準流量計側ノズル3Cの光通信用コネクタ3Dとボンベ側レセプタクル22Aの光通信用コネクタ22Bが接続して、基準流量計側ノズル3Cとボンベ側レセプタクル22A間で光信号の授受(光通信)が可能となる。そのため、基準流量計側ノズル3Cとボンベ側レセプタクル22Aの接続箇所に光通信経路が構成される。
基準流量計側ノズル3Cとボンベ側レセプタクル22Aを接続解除すると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
【0030】
情報通信経路11−2に増幅器(アンプ)を介装することが可能である。
ボンベ22内には図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)が配置され、当該センサの検出信号は図示しない回路を介して光通信用コネクタ22Bに伝達される。
ボンベ22内のセンサが計測信号を光信号で発信するタイプではなく、電気信号で発信するタイプであれば、第1、第2の情報通信経路11−2、12−2の何れかに電気/光コンバータを介装して、電気/光コンバータよりもセンサ側の光通信経路を電気信号用導線に変更する。或いは、ボンベ側レセプタクル22Aに電気/光コンバータを内蔵する。
【0031】
図3の水素充填装置102において、ボンベ22を用いて校正をする場合には、充填ノズル2を基準流量計側レセプタクル3Bに接続し、基準流量計側充填ノズル3Cをボンベ側レセプタクル22Aに接続する。
校正時、水素は、充填装置本体30から充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、基準流量計ホース3E、基準流量計側充填ノズル3C、ボンベ側レセプタクル22Aを介して、ボンベ22に充填される。その際、基準流量計3Aにより、充填された水素量が正確に計測される。
校正時に、ボンベ22内の圧力、温度は、図示しないボンベ内のセンサで検出され、その検出信号(光信号)は、ボンベ側コネクタ22B、基準流量計側コネクタ3D、第1の情報通信経路11−2、基準流量計側レセプタクル3Bのコネクタ3F、充填ノズル2のコネクタ2A、第2の情報通信経路12−2を介して、充電装置本体30に伝達される。そのため、校正の際に、ボンベ22内の圧力、温度を充填装置本体30側に通信(送信)しつつ、水素を充填する(通信充填を実行する)ことが出来る。
【0032】
ボンベ22に通常の水素充填をする際には、充填装置側充填ノズル2をボンベ側レセプタクル22Aに接続する。
水素は、充填装置本体30、充填ノズル2、ボンベ側レセプタクル22Aを介してボンベ22に充填される。
その際、ボンベ22内の圧力、温度はボンベ内のセンサで計測され、当該センサの検出信号(光信号)は、ボンベ側コネクタ22B、充填ノズル2のコネクタ2A、第2の情報通信経路12−2を介して、充電装置本体30に伝達される。
【0033】
図3の水素充填装置102においても、ボンベ22を用いた校正の際に、ボンベ22内の圧力、温度を充填装置側に通信(送信)しつつ、水素を充填する(通信充填を行う)ことが出来る。
図3の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図1、
図2の実施形態と同様である。
【0034】
図4を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
図4の第4実施形態では、
図2(第2実施形態)における校正装置20が車両PS(校正用車両)に架装されている。
図4において、第4実施形態に係る水素充填装置は全体を符号103で示されている。校正装置20は校正用車両PSに架装されており、校正装置20の充填タンク21と車両のエンジンEの間に、水素供給配管23と、そこに介装された流量調整弁24が設けられている。校正装置20を架装した車両PSが、水素車両であれば、流量調整弁24の弁開度を調整することにより、車両PSの燃料として供給される水素量を制御出来る。
図4の車両がバイ・フューエル車両でない場合は、水素供給配管23と、水素流量調整弁24は不要である。
第4実施形態の水素充填装置103によれば、充填タンク21を含む校正装置20を校正用車両PSに架装し、校正用車両PSを運転して校正装置20を移動することが出来るので、複数個所に点在する水素充填装置103の校正が効率的に行われる。
図4の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図2の第2実施形態と同様である。
【0035】
図5を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。
図5の第5実施形態では、基準流量計3Aを用いて校正をする際に、充填に必要な車載タンク内の情報(圧力、温度)を、無線により水素充填装置に伝達している。
第5実施形態の水素充填装置104は、校正時に車載タンク内の充填に必要な情報(圧力、温度)を伝達するための信号伝達手段として無線通信設備13を有し、無線通信設備13は、送信装置13Aと受信装置13Bを備えている。
なお、送信装置及13A及び受信装置13Bは、公知、市販の物を適用することが出来る。
【0036】
送信装置13A(例えば、無線式IRセンサ)は基準流量計側充填ノズル3Cに設けられ、水素を充填するべき機器である車両S(燃料電池自動車)の車載タンク内の圧力、温度の情報を無線信号として送信する機能を有する。
一方、受信装置13Bは充填装置本体30に設けられ、送信装置13Aから送信された無線信号を受信する機能を有する。受信装置13Bで受信した無線信号の情報(車載タンク内の圧力、温度の情報)は、充填装置本体30内で処理され、通信充填における制御で利用される。
図5において、矢印Rは、無線信号の送受信を表す。
送信装置及13A及び受信装置13Bは、公知、市販の物を適用することが出来る。
【0037】
水素充填装置104は、通常の水素充填時に車載タンク内の圧力及び温度を充填装置本体30に伝達するため、第2の情報通信経路12(充填装置側の通信経路)を備えている。
車両Sの車載タンク(図示せず)内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)は車両側レセプタクルSAに内蔵された図示しない車両側の光通信用コネクタに接続されている。当該センサが計測結果を電気信号で発信するタイプであれば、例えば、車両用レセプタクルSA内に電気信号を光信号に変換する電気/光コンバータを内蔵する。
基準流量計側ノズル3Cには図示しない光通信用コネクタが内蔵され、当該光通信用コネクタは、基準流量計側ノズル3Cと車両側レセプタクルSAとが接続された際に車両側レセプタクルSAに内蔵された図示しない光通信用コネクタ(車両側の光通信用コネクタ)と接続され、光信号を授受する(光通信を行う)ことが出来る。基準流量計側ノズル3Cと車両側レセプタクルSAが接続解除された際には、両者の光通信用コネクタ同士も接続解除される。
準流量計側ノズル3Cに内蔵された光通信用コネクタは、無線通信設備13の送信装置13Aに接続されており、送信装置13Aは基準流量計側の光通信用コネクタからの光信号を変換して、無線信号として送信する。
第5実施形態においては、
図1の水素充填装置100における第1の情報通信経路11(基準流量計側の通信経路)が不要となる。
【0038】
通常の水素充填の際に、充填装置の充填ノズル2を、直接、車両側レセプタクルSAに接続すると、充填ノズル2内に設けられた図示しない光通信用コネクタは、車両側レセプタクルSAに内蔵された図示しない光通信用コネクタと接続され、充填ノズル2内の光通信用コネクタと車両側レセプタクルSA内の光通信用コネクタとの間で光信号を授受する(光通信を行う)ことが出来る。なお、充填ノズル2と車両側レセプタクルSAが接続解除された際には、両者の光通信用コネクタ同士も接続解除される。
水素は、充填装置本体30から、充填ホース1、充填ノズル2、車両側レセプタクルSAを介して車両Sの車載タンクに充填される。
その際、圧力センサ、温度センサで計測された車載タンク内の圧力、温度は、車両側レセプタクルSA、充填ノズル2、第2の情報通信経路12を介して充填装置本体30側に伝達される。以って、通常の水素充填の際に通信充填が実行される。
【0039】
一方、校正時は、水素は、充填装置本体30から充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、基準流量計ホース3E、基準流量計側充填ノズル3C、車両側レセプタクルSAを介して、車両Sの車載タンクに充填される。そして基準流量計3Aにより、充填された水素充填量が正確に計測される。
校正時に車載タンク内の圧力、温度は、図示しないセンサで検出され、車両側レセプタクルSAに内蔵された車両側の光通信用コネクタ及び基準流量計側充填ノズル3Cに内蔵された光通信用コネクタを介して送信装置13Aから無線信号として送信され、充填装置本体30側の受信装置13Bに伝達される。従って、校正時においても通信充填が実行される。
【0040】
図5の第5実施形態に係る水素充填装置104によれば、校正の際にも、車載タンク内の圧力、温度を充填装置側に通信(送信)しつつ、水素を充填する(通信充填を行う)ことが出来る。そして無線信号により圧力、温度の情報を伝達するので、基準流量計側の光通信経路を設置する必要がなく、部品点数を減少し、レイアウト上の自由度を大きくすることが出来る。
図5の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図1の第1実施形態と同様である。
【0041】
図6は本発明の第6実施形態を示す。
図6の第6実施形態は、基準流量計3Aを内蔵した校正装置20を用いて校正をする際に、圧力、温度の情報を、無線により水素充填装置に伝達している。
図6において、水素充填装置105では、校正時に充填タンク21内の充填に必要な圧力、温度の情報を伝達する手段として、無線通信設備13−1を有しており、無線通信設備13−1は送信装置13A−1と受信装置13B−1から構成される。
送信装置13A−1と受信装置13B−1については、
図5の第5実施形態で説明したものと同様である。
【0042】
水素充填装置105においても、通常充填時に前記必要情報を充填装置本体30に伝達するため、充填装置側に、第2の情報通信経路12−1を備えている。
充填タンク21内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)は図示しない光通信用コネクタ(充填タンク側コネクタ)を介して送信装置13A−1に接続されており、送信装置13A−1は、充填タンク側コネクタを介して伝達された前記センサの検出信号を、無線信号に変換して送信する。
【0043】
図6の水素充填装置105において、校正装置20を用いて校正を行う場合には、充填装置の充填ノズル2を校正装置20の基準流量計側レセプタクル3Bに接続する。校正時には、水素は、充填装置本体30から、充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、基準流量計ホース3Eを介して、校正装置20の充填タンク21に充填される。そして、基準流量計3Aにより、充填された水素量が正確に計測される。
校正中、充填タンク21内の図示しないセンサで検出された圧力及び温度の情報は、送信装置13A―1から無線信号により送信され、充填装置本体30の受信装置13B−1で受信される。
【0044】
図6の第6実施形態における水素充填装置105によれば、通常の水素充填に際して充填タンク21内の圧力及び温度を計測しつつ通信充填を行うと共に、校正に際しても通信充填を実行することが出来る。
また、無線信号により当該情報の送受信を行うので、基準流量計側の通信経路を設ける必要がなく、レイアウト上の自由度が増大する
図6の第6実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図2、
図5の実施形態と同様である。
【0045】
図7は本発明の第7実施形態を示す。
図7の第7実施形態に係る水素充填装置106は、校正時において、充填に必要なボンベ22内の圧力、温度の情報を伝達する信号伝達手段として、無線通信設備13−2を有している。無線通信設備13−2は送信装置13A−2と受信装置13B−2から構成されている。送信装置13A−2と受信装置13B−2については、
図5、
図6で説明したものと同様である。
水素充填装置106においても、通常充填時に前記必要情報を充填装置本体30に伝達するため、充填装置側に第2の情報通信経路12−2を備えている。
【0046】
ボンベ22内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)はボンベ側レセプタクル22Aに設けられた光通信用コネクタ22B(ボンベ側コネクタ)に接続されている。
校正時には、ボンベ側レセプタクル22Aと基準流量計側ノズル3Cを接続して、ボンベ側コネクタ22Bと基準流量計側コネクタ3Dを接続することにより、ボンベ22内の前記センサは、ボンベ側コネクタ22B、基準流量計側コネクタ3Dを介して送信装置13A−2と接続される。
【0047】
図7の水素充填装置106で、通常の水素充填を行う際には、充填ノズル2を、直接、ボンベ22のレセプタクル22Aに接続する。その際、充填ノズル2の光通信用コネクタ2Aがボンベ側レセプタクル22Aの光通信用コネクタ3Fと接続して、光信号の授受(光通信)が可能となる。通常の水素充填の際、ボンベ22内のセンサで計測された情報(圧力、温度)は、ボンベ側コネクタ22B、充填装置のノズル側コネクタ2A、第2の情報通信経路12−2を介して充電装置本体30に伝達され、通信充填が実行される。
一方、校正時においては、水素は、充填装置本体30から充填ホース1、充填ノズル2、基準流量計側レセプタクル3B、基準流量計3A、基準流量計ホース3E、基準流量計側充填ノズル3C、ボンベ側レセプタクル22Aを介してボンベ22に充填される。そして、基準流量計3Aにより、充填された水素量が正確に計測される。その際、ボンベ22内の図示しないセンサで検出された圧力、温度は、ボンベ側コネクタ22B、基準流量計側コネクタ3Dを介して、送信装置13A−2から無線信号により発信され、充填装置本体30側の受信装置13B−2により受信される。そのため、校正時においても、通信充填が実行される。また、無線信号により当該情報の送受信を行うので、基準流量計3A側の通信経路を配置する必要がなく、レイアウト上の自由度が増大する。
図7の第7実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図3、
図5、
図6の実施形態と同様である。
【0048】
図8は本発明の第8実施形態を示す。
図8の第8実施形態では、
図4の第4実施形態と同様に、校正装置20が校正用車両PSに架装されている。
そして、
図6、
図7の実施形態と同様に、基準流量計3Aを内蔵した校正装置20を用いて校正をする際に、充填に必要な情報(圧力、温度)を、送信装置13A−3から無線により送信して、充填装置本体30に設けた受信装置13B−3へ受信させている。
【0049】
図8の第8実施形態の水素充填装置107においても、校正時及び通常充填時の作業を、
図6、
図7の実施形態と同様な要領で行うことが出来る。すなわち、校正時は、校正中の充填タンク21内の図示しないセンサで検出された情報(圧力、温度)は、送信装置13A−3から無線信号により送信され、充填装置本体30側の受信装置13B−3により受信される。これにより、校正作業中に、充填装置本体30側では圧力、温度を把握して、通信充填を実行することが出来る。
また、
図8の第8実施形態の水素充填装置107においては、校正装置20を校正用車両PSに架装し、車両PSを運転して校正装置を移動することが出来るので、校正するべき水素充填装置107が複数個所に点在している場合でも、校正が効率的に行われる。
図8の第8実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、
図6の実施形態と同様である。
【0050】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【解決手段】水素充填装置(100〜107)が、充填ホース(1)先端の充填ノズル(2)と接続及び取り外し可能なレセプタクル(3B:基準流量計側レセプタクル)と、水素を充填するべき機器(例えば、燃料電池自動車FCVの車載タンク、校正装置20の充填タンク21、ボンベ22等)側のレセプタクルと接続及び取り外し可能な充填ノズル(3C:基準流量計側充填ノズル)を備え、水素流量計測装置(3A:基準流量計)が介装されている校正用手段(3)と、水素を充填するべき機器内の情報(圧力、温度)を(水素充填装置に)伝達する信号伝達手段(10)を有している。