特許第6646943号(P6646943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6646943MID回路担持体の製造方法およびMID回路担持体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646943
(24)【登録日】2020年1月16日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】MID回路担持体の製造方法およびMID回路担持体
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/10 20060101AFI20200203BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20200203BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   H05K3/10 C
   H05K3/18 H
   H05K3/00 N
   H05K3/00 W
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-71002(P2015-71002)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-201634(P2015-201634A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2018年3月12日
(31)【優先権主張番号】10 2014 206 558.5
(32)【優先日】2014年4月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ツィンマーマン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ホーン
(72)【発明者】
【氏名】シナン・ヤルチン
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−082959(JP,A)
【文献】 特開2002−111173(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0278055(US,A1)
【文献】 特開2012−174898(JP,A)
【文献】 特表2000−513152(JP,A)
【文献】 特開平09−260565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
H05K 3/10
H05K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MID回路担持体(1)を製造する方法において、
基板(7)と接触領域(2)とを有する一体の射出成形体(3)を射出成形技術で形成するステップと、
金属核(16)の作用のもとに、前記基板(7)上で回路表面領域(4a)を構造化し、且つ前記接触領域(2)上で端子接点表面領域(2a)を構造化するステップであって、前記回路表面領域(4a)上で、前記接触領域(2)の前記端子接点表面領域(2a)へ延在する導電路領域(106)を構造化させる前記ステップと、
構造化した前記回路表面領域(4a)上と前記端子接点表面領域(2a)上とに第1の金属層(21)を外部電流なしに次のように被着させ、すなわち少なくとも2つの導電路(6)が、前記回路表面領域(4a)から、前記端子接点表面領域(2a)上に形成される少なくとも1つの導線集結部(12)へ延在し、その際前記導電路(6)が前記少なくとも1つの導線集結部(12)を介して互いに接触するように、被着させるステップと、 前記導線集結部(12)に電気ポテンシャル(V)を印加して、前記第1の金属層(21)上に、または、前記第1の金属層(21)とともに、第2の金属層(18)を電気化学的に形成するステップと、
少なくとも前記導線集結部(12)を除去して、前記導電路(6)を電気的に切り離すステップと、
を含んでいて、
前記基板(7)に形成された接続板(10)と前記接触領域(2)に形成され前記接触板(10)と鋭角をなす斜板との間に規定切り離し個所(8)を形成し、その際複数の前記導電路(6)は前記回路表面領域(4a)から前記接続板(10)、前記規定切り離し個所(8)および前記斜板の順に経て前記導線集結部(12)へ延在していること、
前記接触領域(2)を前記規定切り離し個所(8)に沿って前記基板(7)から切り離すことにより、前記導線集結部(12)が除去されるとともに、個々の前記導電路(6)の電気的切り離しが行われること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記規定切り離し個所(8)が、材料薄肉部を備えるように、たとえばノッチ(9)を備えるように規定破断個所(8)として形成され、前記接触領域(2)を前記導線集結部(12)とともに機械的に切り離し、たとえば曲げによって折り取ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触領域(2)を前記規定切り離し個所(8)においてレーザー切断によって切り離すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属層(21)を第1の槽(13)内で、特に銅イオンを含んだ第1の槽(13)内で形成し、前記第2の金属層(18)を第2の槽(17)内で、特に金イオンを含んだ第2の槽(17)内で形成し、その際に前記第2の槽(17)内で使用される電極(20)と前記第1の金属層(21)との間に電圧(U)を印加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記接触領域(2)上で、前記少なくとも1つの導線集結部(12)に接続接点(14)が接触しており、該接続接点(14)は、個々の前記導電路(6)よりも大きな横幅(a)を有し、前記第2の金属層(21)を電解被着するための電気接点を設置するために設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記射出成形体(3)を形成するプラスチック材料が金属核(16)を有し、該金属核は、レーザー構造化により、特にレーザーダイレクトストラクチャリングにより構造化する際に露出され、前記導電路(6)と前記少なくとも1つの導線集結部(12)と好ましくは前記接続接点(14)とを形成するために設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MID回路担持体の製造方法およびこの種のMID回路担持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MID(Molded Interconnect Devices)回路担持体は射出成形された回路担持体であり、3次元の成形を施した基板と、該基板の少なくとも1つの表面領域に形成された金属導電路とを有している。これにより、基板の十分に任意性のある3次元成形、または、十分に任意性があるように3次元で構成されるべき構成体の表面への導電路の組み込みが可能になる。
【0003】
種々のMID製造方法が公知であり、たとえば2成分射出成形およびたとえばレーザーダイレクトストラクチャリング(LDS)のようなレーザーMID方法が公知である。LDSの場合、金属核、たとえば小さな金属粒子がプラスチック材料の中に受容され、プラスチック材料はその後射出成形方法によって適当に成形される。次に、レーザーによる構造化が行われ、構造化すべき表面領域に金属核を露出させる。次に、表面領域または射出成形体全体をめっき槽内で、たとえば銅イオンを含んだ溶液内でパッシブなめっきに曝す。このようにして、溶液内での金属核と銅イオンとのポテンシャル差に基づき化学被覆が発生し、この化学被覆により、一般的には非合金の銅から成る第1の金属化層が形成される。
【0004】
より肉厚の導電路を形成するため、パッシブなめっきをさらに続行することができる。しかしながら、導電路は横幅においても成長し、その結果ピッチまたはモジューラ寸法が小さいと、すなわち導電路の中心間の横方向間隔が小さいと、プロセス時間がある程度経過した後に短絡することがある。さらに、パッシブな汚染粒子があると、溶液を介して構造の中に一緒に沈積することがあり、これによって材料特性、特に延性が制限される。このように、パッシブなめっきの利点は、第一に微細なモジューラ寸法または導電路間の小さな間隔、および幅狭の導電路が形成可能なことであるが、導電路の厚さおよび材料品質が制限されている。
【0005】
パッシブなめっきの第1の金属層を形成した後に引き続いて、アクティブなめっきを行うことができる。このため、個別に形成した導電路に、適当なめっき槽に対して電気ポテンシャルを、すなわち電圧を印加する。アクティブなめっきはプロセス技術的により高速に構成でき、より高い延性とより優れた材料特性とを備えた合目的な材料を、たとえば金とニッケルとから成る合金を形成するために使用することを可能にする。
【0006】
しかしながら、小さな横幅の導電路と、たとえば150μm以下の、或いはたとえば100μm以下の微細なモジューラ寸法とを備えるように導電路構造を構成すると、アクティブなめっきのための個々の導電路の接触が部分的に困難である。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、射出成形体は接触領域を備えるように、たとえば端子接点を備えるように構成され、該接触領域上には、少なくとも2つの導電路が接触する少なくとも1つの導線集結部が設けられている。
【0008】
特に、すべての導電路を接触させるために、ただ1つの導線集結部、すなわち中央の導線集結部を設ければよい。しかし、基本的には、複数の導線集結部を、たとえば複数の接触領域を、それぞれ1つの導線集結部を備えるように構成することも可能である。
【0009】
MID製造方法で導線集結部を形成することは、第2の金属層のアクティブな電解被着のために行われ、すなわち電圧を印加してアクティブなめっきを実施するために行われる。しかし導線集結部はその後再び除去され、その結果導電路は互いに切り離される。
【0010】
本発明によれば、いくつかの利点が達成される。
【0011】
アクティブな電解めっきを行うことで、または、電圧を印加して形成することで、適当な材料を選定することができ、優れた材料特性、特に高い延性、よって高い機械的応力耐性を可能にすることができる。アクティブな電解被着は一定の条件のもとで行うことができ、その際層厚は負荷供給量によって、従って電流によって決定される。さらに、横方向への導電路の成長は、よって短絡の危険は回避することができ、或いは、少なくとも低減させることができる。
【0012】
横方向で幅狭の導電路と、微細なモジューラ寸法とを達成でき、たとえば60μmよりも小さい幅の導電路と、150μmよりも小さな、たとえば100μmよりも小さなモジューラ寸法を達成できる。というのは、導線集結部または該導線集結部と結合される接続接点は、より大きな横方向幅で形成させることができ、よって支障なく電気接触することができるからである。従って、導電路の横方向の幅とモジューラ寸法とは基本的に電解方法によって制限されていない。
【0013】
導電路は、1つの共通の導線集積部または複数の導線集結部を介して互いに接触し、この場合導線集結部はアクティブな電解被着またはアクティブなめっきのためだけに設けられているにすぎないが、その後再び除去される。これは、導電路が通常のように別個の機能に用いられるからであり、たとえば複数の電気要素の種々の接触を可能にするために用いられるからである。
【0014】
導線集結部の除去は、有利には接触領域全体の除去によって行うことができ、従って接触領域は、射出成形体の一部として一時的にのみ一緒に形成されてその後除去される薄い端子接点として形成されていてよい。
【0015】
このため、接触領域または端子接点は規定切り離し個所を備えるように構成することができ、該規定切り離し個所でこれらはその後切り離される。従って個々の導電路は、規定切り離し個所を経て、接触領域内に設けられている少なくとも1つの導線集結部へ延在し、その結果規定切り離し個所を切り離したときにすでに個々の導電路の切り離しまたは電気的個別化が行われる。この場合、規定切り離し個所は機械的な薄肉部、すなわち特に規定破断個所として形成されていてよく、その結果機械的な破断工程はたとえば折り曲げによって、或いは、機械的切断によっても行うことができる。さらに、規定切り離し個所はレーザー切断またはレーザー切除によっても切り離すことができる。
【0016】
これによって更なる利点が可能になる。
【0017】
比較的大きな表面領域を構造化して、めっきするだけでよい。比較的大きな表面領域は、基板の回路表面領域に加えて、導線集結部と場合によっては接続接点とのための端子接点表面領域を有しているが、しかしプロセスを遅延させない。
【0018】
接触領域を切り離すことにより、高い確実性で個々の導電路の電気的切り離しまたは個別化が行われる。
【0019】
従って本発明による方法により、付加コストを非常に少なくした高いプロセス確実性が可能になり、特にめっきプロセスおよび材料選択の改善並びに迅速なプロセスコントロールといった大きな利点をもたらす。
【0020】
接触領域の切り離しの代わりに、導線集結部および場合によっては付加的な接続接点のみをたとえばレーザー切除によって接触領域から除去してもよい。このようにして接触領域をその後も活用することができ、たとえばMID回路担持体の操作の位置決めに活用することができる。
【0021】
導線集結部は、たとえば規定切り離し個所が接触領域を直接折り取るための、または、切断するための規定破断個所として設けられている場合には、特に直線状であってよい。しかし、導線集結部の非直線状の、またはまっすぐでない構成も可能であり、この場合たとえば切断または押し抜きによる切り離し、或いは、前述のレーザー切除による切り離しも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】端子接点を切り離す前の本発明の1実施形態によるMID回路担持体の詳細拡大図である。
図2】本発明の1実施形態によるMID回路担持体を製造する方法の連続する複数のステップのうちの1つのステップを示す図である。
図3】本発明の1実施形態によるMID回路担持体を製造する方法の連続する複数のステップのうちの1つのステップを示す図である。
図4】本発明の1実施形態によるMID回路担持体を製造する方法の連続する複数のステップのうちの1つのステップを示す図である。
図5】本発明の1実施形態によるMID回路担持体を製造する方法の連続する複数のステップのうちの1つのステップを示す図である。
図6】本発明の1実施形態によるMID回路担持体を製造する方法の連続する複数のステップのうちの1つのステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1によれば、3次元の射出成形体3はプラスチック材料または成形材料から形成されている。射出成形体3の少なくとも1つの表面領域4上には、複数の個々の導電路6を備えた導電路構造部5が形成されている。複数の図に示した本実施形態によれば、導電路6で構造化されている表面領域4は実質的に平らにまたは平面的に形成されているが、基本的には、湾曲面上または3次元成形面上に導電路6を形成してもよく、たとえば図1において下側に示した筒状領域に形成してもよい。
【0024】
一体の射出成形体3は、部分領域として、基板7と端子接点2とを有し、基板と端子接点とは規定破断個所8を介して結合されている。規定破断個所8は、たとえば図1に切欠き9、凹部またはノッチによって示したように、たとえば薄肉部として形成されていてよい。構造化されている表面領域4は、基板から規定破断個所8を経て端子接点2まで延在し、従って基板7上には回路表面領域4aが形成され、端子接点2上には端子接点表面領域2aが形成され、回路表面領域と端子接点表面領域とは、規定破断個所8を経て延在する1つまたは複数の共通の連続金属化層によって形成される。
【0025】
個々の導電路6は、ここでは直角に屈曲している接続板10を経て延在し、該接続板10から規定破断個所8を経て、端子接点表面領域2a上に形成されてすべての導電路6と電気接触している1つの共通の導線集結部12へ延在している。導線集結部12は、端子接点表面領域2a上に形成された接続接点14へ移行し、または、これと結合されている。中央の接続板10はたとえば端子接点2全体にわたって延在していてもよいが、この種の構成は高価であって費用がかさむ。
【0026】
回路表面領域4aを備えた基板7は、規定破断個所8に至るまでMID回路担持体1を形成している。この場合、回路表面領域4aの複数の導電路6は当初導線集結部12を介して電気結合され、または、短絡されている。
【0027】
図1の実施形態とは択一的に、MID回路担持体1を、複数の端子接点2を備えるように構成するのも可能であり、その結果各端子接点2の中央の接続板10は導線6の一部と接触している。
【0028】
MID回路担持体1の製造を、図2ないし図6の1実施形態に関して説明する。基本的には、MID回路担持体1は種々のMID製造方法で形成させることができる。以下では、特にレーザーダイレクトストラクチャリング(LDS)について説明するが、一般的にはこれに限定されるものではない。
【0029】
まず、図2によれば、添加材を混合させたプラスチック材料または成形材料から成る射出成形体3を射出成形法で形成させる。
【0030】
この場合、射出成形体3は1回のステップで形成させることができ、或いは、まず基板7を形成して端子接点2を射出することができる。
【0031】
次に、図3ないし図5において、表面領域4を構造化する。これは、特に、ここに示唆したレーザービーム13を用いたレーザーダイレクトストラクチャリング(LDS)によって行うことができるが、他のMIDプロセスも可能である。従って、図3のレーザーダイレクトストラクチャリングによって、まず(図3に示唆した)金属核16を露出させて活性化させる。このようにしてまず、のちの導電路6の導電路領域106を露出させ、さらにのちに形成される導線集結部12の個所に集結領域112を露出させ、のちに形成される接続接点14の個所に接続接点領域114を露出させる。
【0032】
次に、図4によれば、外部電流のない短い金属層21を、特に銅(Cu)層21を導電材料として被着させる。従って図4のステップでは、外部電圧を印加せずにポテンシャル差による化学めっきが行われる。従って図4のステップは適当な槽13内への、特に金属核16よりも高い電圧ポテンシャルを有する銅イオンを含んだ溶液内への浸漬によって行われる。
【0033】
次に、図5によれば、アクティブに射出成形体3の電解被覆を行う。このため、射出成形体3を、一般的には適当な金属イオン(たとえば銅イオン、ニッケルイオン、金イオン(Cu,Ni,Au))を含んだ適当な電解槽内に設置し、適当なポテンシャルVを端子接点2の接続接点14に印加し、よって中央の接続板10に印加させ、一般的には電解槽内に浸漬される他の電極20に対し負のポテンシャルVで接続接点14に印加させる。電圧Uを印加することにより、接続接点14は中央の接続板10およびすべての導電路6ともども、槽または電解槽17内の他の電極20に対し共通の負のポテンシャルに設定される。これによって、構造化に従って導電路6を備えた導電路構造部5と、導線集結部12と、接続接点14とを図1に対応して形成させる金属層18が形成される。
【0034】
次に、図6によれば、端子接点2の切り離しを行う。これは特に端子接点2を折り取ることによる、すなわちたとえば曲げることによる機械的な切り離しとして行われる。というのは、規定破断個所8に所定の破断部が形成されるからである。個々の導電路6が規定破断個所8を経て延在しているので、端子接点2および中央の導線集結部12を除去した後、導電路6はもはや互いに接触せず、接続板10に個別に接触することができる。
【0035】
機械的に折る代わりに、レーザー切り離し(レーザー処理)を介しての端子接点2の切り離し、または、機械的な切断を行ってもよい。さらに、他の破壊的な切り離しも可能である。
【0036】
図6の変形実施形態では、端子接点2は結果的に保持されたままである。これに対応して、基本的には規定破断個所8も必要でなく、有利にはこの変形実施形態の場合設けられない。図5に続くステップで、少なくとも中央の導線集結部12を、たとえば接続接点14をも、たとえばレーザー切除により選択的に除去することで、複数の導電路6を互いに電気的に切り離す。その後引き続き、端子接点2はMID回路担持体1を位置決めするために用いることができる。
【0037】
図2ないし図6の実施形態の場合も、実装後の図6の切り離しのステップを行うことができ、その結果端子接点2は引き続きMID回路担持体1の位置決めに用いることができる。
【0038】
導電路構成部5は多数の、たとえば10個以上の導電路6を有していてよく、この場合個々の導電路6は、たとえば60μmよりも小さな導電路幅Lと、100μmよりも小さなピッチ間隔d(個々の導電路6の間隔または導電路中心間の間隔)を有する。
【符号の説明】
【0039】
1 MID回路担持体
2 端子接点(接触領域)
2a 端子接点表面領域
3 射出成形体
4a 回路表面領域
6 導電路
7 基板
8 規定破断個所(規定切り離し個所)
9 ノッチ
12 導線集結部
13 第1の槽
14 接続接点
16 金属核
17 第2の槽
18 第2の金属層
20 電極
21 第1の金属層
106 導電路領域
d ピッチ間隔(導電路の間隔量)
L 導電路の幅
U 電圧
V 電気ポテンシャル
図1
図2
図3
図4
図5
図6