(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の給湯システムでは、屋外のヒートポンプとタンクを屋内の第1分電盤と第2分電盤に電気的に接続するときに、配線系統を敷設するために屋内と屋外を繋ぐ配線工事が必要になる。第1配線系統と第2配線系統の両者の配線工事が必要なので、工事に手間を要することになる。
【0005】
配線工事の手間を少なくするために、分電盤を1つにすると共に屋外コンセントを設置して、屋内の分電盤と屋外コンセントを別途の配線系統によって接続することが考えられる。そして、屋外コンセントとヒートポンプを第1配線系統によって接続し、屋外コンセントとタンクを第2配線系統によって接続することが考えられる。これによって、屋内の分電盤と屋外コンセントを接続する工事のみが必要になり、第1配線系統と第2配線系統を敷設するための配線工事が不要になる。屋外コンセントから第1配線系統と第2配線系統を介してヒートポンプとタンクに電力が供給される。
【0006】
しかしながらこの構成では、屋外コンセントからヒートポンプとタンクの両方に電力が供給されるので、屋外コンセントに流れる電流が大きくなる。そのため、屋外コンセントに過大な電流が流れることを防ぐために分電盤が電流を遮断してしまうことがある。そうすると、ヒートポンプとタンクへの電力供給が必要であるにもかかわらず、電力供給が遮断されてしまうことがある。
【0007】
そこで本明細書は、電力供給が遮断されてしまうことを抑制できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示する給湯システムは、屋外に設置された屋外コンセントを備える家屋に設置される。給湯システムは、屋外に設置されており水を加熱するヒートポンプを備えるヒートポンプユニットと、屋外に設置されておりヒートポンプによって加熱された水を貯えるタンクを備えるタンクユニットと、
屋外に設置されており、水を加熱するガス熱源機を備えるガス熱源機ユニットと、制御手段を備えている。ヒートポンプユニットと屋外コンセントが、第1配線系統によって電気的に接続されており、
ガス熱源機ユニットとタンクユニットと屋外コンセントが、第2配線系統によって電気的に接続されている。制御手段が、
タンクユニットの消費電力あるいはガス熱源機ユニットの消費電力が大きくなるほど小さくなる抑制電力を決定し、ヒートポンプユニットの消費電力
が抑制電力以下となるように、ヒートポンプの運転を制御する。
【0009】
このような構成によれば、屋外コンセントから第1配線系統と第2配線系統を介してヒートポンプユニットとタンクユニット
とガス熱源機ユニットに電力が供給される。このとき、制御手段が、ヒートポンプユニットの消費電力がタンクユニットの消費電力
とガス熱源機ユニットの消費電力に応じた抑制電力以下となるようにヒートポンプの運転を制御するので、ヒートポンプユニットとタンクユニット
とガス熱源機ユニットを合わせた給湯システム全体の消費電力を抑制することができる。その結果、屋外コンセントからヒートポンプユニットとタンクユニット
とガス熱源機ユニットに供給される電力が抑制される。そのため、屋外コンセントが分電盤に接続されている場合に、分電盤から屋外コンセントに過大な電流が流れることを抑制することができ、分電盤が屋外コンセントに流れる電流を遮断してしまうことを抑制できる。これによって、ヒートポンプユニットとタンクユニット
とガス熱源機ユニットへの電力供給が遮断されてしまうことを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、実施例に係る給湯システム1は、家屋100に設置される。この給湯システム1は、ヒートポンプユニット4と、タンクユニット3と、ガス熱源機ユニット5を備えている。
【0016】
家屋100は、屋内101と屋外102を隔てる壁103を備えている。また、家屋100は、分電盤2と屋外コンセント6を備えている。屋内101に分電盤2が設置されており、屋外102に屋外コンセント6が設置されている。分電盤2が壁103の内側に設置されており、屋外コンセント6が壁103の外側に設置されている。分電盤2と屋外コンセント6は、コンセント配線15によって電気的に接続されている。コンセント配線15は、壁103を貫通して分電盤2と屋外コンセント6に接続されている。例えば、壁103に貫通孔を形成して、その貫通孔にコンセント配線15を挿入する配線工事を行うことによってコンセント配線15が分電盤2と屋外コンセント6に接続される。
【0017】
分電盤2は、商用電源10に電気的に接続されている。商用電源10を介して電力系統から家屋100に電力が供給される。
図2に示すように、分電盤2は、1つの主幹ブレーカー21と、複数の分岐ブレーカー22を備えている。商用電源10と主幹ブレーカー21が電源配線23によって電気的に接続されている。主幹ブレーカー21と複数の分岐ブレーカー22が分岐配線24によって電気的に接続されている。複数の分岐ブレーカー22のうちの1つ(コンセント用分岐ブレーカー22a)と屋外コンセント6が、コンセント配線15によって電気的に接続されている。その他の分岐ブレーカー22と図示しない端末機器とが、端末配線25によって電気的に接続されている。
【0018】
主幹ブレーカー21は、電源配線23から分岐配線24へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。コンセント用分岐ブレーカー22aは、分岐配線24からコンセント配線15へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。その他の各分岐ブレーカー22は、分岐配線24から各端末配線25へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。
【0019】
屋外コンセント6は、少なくとも2つのプラグを抜き差し可能なように構成されている。屋外コンセント6からプラグを介して電気機器(例えば、ヒートポンプユニット4、タンクユニット3、及び、ガス熱源機ユニット5)に電力が供給される。
図1に示すように、ヒートポンプユニット4と屋外コンセント6が、第1配線系統11によって電気的に接続されている。タンクユニット3とガス熱源機ユニット5と屋外コンセント6が、第2配線系統12によって電気的に接続されている。第1配線系統11のプラグと第2配線系統12のプラグが屋外コンセント6に差し込まれている。
【0020】
各配線系統が複数の電力線を備えていることがある。
図1に示す例では、第2配線系統12が、2つの電力線12a、12bを備えている。電力線12aによって屋外コンセント6とガス熱源機ユニット5が接続されており、電力線12bによってガス熱源機ユニット5とタンクユニット3が接続されている。なお、第1配線系統11は、1つの電力線11aで構成されている。電力線11aによって屋外コンセント6とヒートポンプユニット4が接続されている。
【0021】
図3に示すように、ヒートポンプユニット4は、ヒートポンプ40を備えている。ヒートポンプ40は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。ヒートポンプ40は、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁43と、蒸発器44を備えている。圧縮機41は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器42は、水との熱交換により冷媒を冷却する。膨張弁43は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器44は、外気との熱交換により冷媒を加熱する。ヒートポンプ40は、冷媒(例えばフロン系冷媒)を、圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、蒸発器44の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。ヒートポンプユニット4はさらに、凝縮器42に水を循環させる循環ポンプ45と、凝縮器42に流れ込む水の温度を検出する戻りサーミスタ46と、凝縮器42から流れ出る水の温度を検出する往きサーミスタ47と、外気温度を検出する外気温度サーミスタ48と、ヒートポンプユニット4の各構成要素の動作を制御するヒートポンプコントローラー203を備えている。
【0022】
タンクユニット3は、タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34を備えている。タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を貯える密閉型の容器である。タンク30は、ヒートポンプ40によって加熱された水を貯える。ヒートポンプユニット4の循環ポンプ45が駆動すると、タンク30の底部から水が吸い出されて凝縮器42へ送られる。凝縮器42で加熱されて高温となった水は、タンク30の頂部からタンク30内に戻される。ヒートポンプ40によって加熱された水がタンク30に流れ込むと、タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積み重なった温度成層が形成される。タンク30には、上部の水の温度を検出する上部サーミスタ36と、中間部の水の温度を検出する中間部サーミスタ37と、下部の水の温度を検出する下部サーミスタ38が取り付けられている。
【0023】
タンクユニット3には、給水経路71を介して水道水が供給される。給水経路71には、給水圧力を減圧する減圧弁73と、給水温度を検出する入水サーミスタ75が取り付けられている。給水経路71は、タンク30の底部に連通するタンク給水経路77と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路79に分岐している。タンク給水経路77とタンクバイパス経路79には、それぞれ逆止弁51、52が取り付けられている。また、タンクバイパス経路79には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水側水量センサ54が取り付けられている。タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、混合弁32に流入するタンク30からの水の流量を検出する湯側水量センサ60が取り付けられている。
【0024】
混合弁32は、タンクバイパス経路79から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込むタンク30からの水を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、ステッピングモータによって弁を駆動し、タンクバイパス経路79側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。
【0025】
タンクユニット3からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯出口サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34が取り付けられている。
【0026】
タンクユニット3の各経路には、電気式の凍結防止ヒータ57a〜57gが設けられている。給水経路71には、凍結防止ヒータ57aが設けられており、タンク給水経路77には、凍結防止ヒータ57bが設けられており、タンク出湯経路56には、凍結防止ヒータ57cが設けられており、タンクバイパス経路79には、凍結防止ヒータ57dが設けられており、第1給湯経路62には、凍結防止ヒータ57eが設けられており、給湯バイパス経路72には、凍結防止ヒータ57fが設けられており、第2給湯経路66には、凍結防止ヒータ57gが設けられている。また、タンクユニット3は、外気温度を検出する外気温度サーミスタ59を備えている。
【0027】
タンクユニット3はさらに、タンクコントローラー201と、タンクコントローラー201と通信可能なリモコン202を備えている。タンクコントローラー201は、タンクユニット3の各構成要素の動作を制御する。リモコン202は、スイッチやボタン等を介して、ユーザーからの各種の操作入力を受け入れる。また、リモコン202は、表示や音声によってユーザーに給湯システム1の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
【0028】
ガス熱源機ユニット5は、ガス熱源機50を備えている。ガス熱源機50は、バーナ80と、熱交換器82を備えている。また、ガス熱源機ユニット5は、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88を備えている。バーナ80は、ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する熱源である。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット3の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット3の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、熱交換器82へ流れ込む水の流量を調整する水量サーボ86が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90からバーナバイパス経路94へ流れる水の流量を調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度を検出するバーナ給湯サーミスタ96が取り付けられている。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。ガス熱源機ユニット5からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。
【0029】
ガス熱源機ユニット5の各経路には、電気式の凍結防止ヒータ93a〜93fが設けられている。水量サーボ86より上流側のバーナ往路90には、凍結防止ヒータ93aが設けられており、バイパスサーボ84より下流側のバーナ往路90には、凍結防止ヒータ93bが設けられており、バーナバイパス経路94には、凍結防止ヒータ93cが設けられており、バーナ復路92には、凍結防止ヒータ93d、93eが設けられており、湯はり経路98には、凍結防止ヒータ93fが設けられている。また、ガス熱源機ユニット5は、外気温度を検出する外気温度サーミスタ95を備えている。ガス熱源機ユニット5はさらに、ガス熱源機ユニット5の各構成要素の動作を制御するガス熱源機コントローラー204を備えている。
【0030】
ヒートポンプコントローラー203とタンクコントローラー201は、互いに通信可能である。タンクコントローラー201とガス熱源機コントローラー204は、互いに通信可能である。従って、ヒートポンプコントローラー203と、タンクコントローラー201と、ガス熱源機コントローラー204が協調して制御を行うことで、給湯システム1は沸上げ運転、給湯運転、凍結防止運転等の各種の動作を行うことができる。以下では、ヒートポンプコントローラー203と、タンクコントローラー201と、ガス熱源機コントローラー204を総称して、単にコントローラーと呼ぶことがある。
【0031】
上記の構成を備える給湯システム1は、沸上げ運転と給湯運転と凍結防止運転を行う。沸上げ運転では、給湯システム1は、ヒートポンプユニット4を駆動して、タンク30内の水を沸かし上げる。沸上げ運転が開始されると、コントローラーは、圧縮機41を駆動して、圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、蒸発器44の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ45を駆動して、タンク30と凝縮器42の間で水を循環させる。これによって、タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器42において沸上げ温度まで加熱されて、タンク30の頂部に戻される。タンク30内の水が全て沸上げ温度まで加熱された水で置き換えられると、コントローラーは沸上げ運転を終了する。
【0032】
給湯運転では、給湯システム1は、給湯設定温度の水を給湯箇所へ供給する。本実施例の給湯システム1では、例えば水側水量センサ54で検出される水量と、湯側水量センサ60で検出される水量を合算した水量(給湯水量)が、所定値以上となった場合に、給湯運転を開始する。
【0033】
給湯運転が開始されると、コントローラーは、タンク30の上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上であるか否かを判断する。上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上の場合には、コントローラーは、バーナ80の燃焼運転を禁止するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路から供給される低温の水道水が、混合弁32において給湯設定温度となるように混合されて、給湯箇所へ供給される。
【0034】
タンク30の上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度を下回る場合には、コントローラーは、バーナ80の燃焼運転を許可するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもわずかに低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路から供給される低温の水道水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。
【0035】
本実施例の給湯システム1では、例えば水側水量センサ54で検出される水量と、湯側水量センサ60で検出される水量を合算した水量(給湯水量)が、所定値を下回った場合に、給湯が終了したものと判断する。給湯が終了した場合、コントローラーは、バーナ80の燃焼運転を禁止して、給湯運転処理を終了する。
【0036】
冬季などの外気温度が低い状態では、配管の内部で水が凍結してしまうことがある。配管の内部で水が凍結すると、沸上げ運転と給湯運転を実行できなくなってしまうことがある。そこで、給湯システム1は、水の凍結を防止する凍結防止運転を実行する。凍結防止運転では、ヒートポンプユニット4の外気温度サーミスタ48によって検出された外気温度が所定温度より低い場合に、ヒートポンプコントローラー203が、循環ポンプ45を所定時間にわたって駆動して、タンク30と凝縮器42の間で水を循環させる。これによって、タンク30内の水がタンク30と凝縮器42の間で循環し、循環経路の凍結を防止する。その後、外気温度サーミスタ48によって検出される外気温度が所定温度より高くなった場合は、ヒートポンプコントローラー203が、ヒートポンプユニット4の凍結防止運転を終了する。
【0037】
また、タンクユニット3の外気温度サーミスタ59によって検出された外気温度が所定温度より低い場合は、タンクコントローラー201が、凍結防止ヒータ57a〜59gを所定時間にわたってオンにして、タンクユニット3の各経路を加熱する。これによって、タンクユニット3の各経路内の水を加熱して凍結を防止する。その後、外気温度サーミスタ59によって検出される外気温度が所定温度より高くなった場合は、タンクコントローラー201が、タンクユニット3の凍結防止運転を終了する。
【0038】
また、ガス熱源機ユニット5の外気温度サーミスタ95によって検出された外気温度が所定温度より低い場合は、ガス熱源機コントローラー204が、凍結防止ヒータ93a〜93fを所定時間にわたってオンにして、ガス熱源機ユニット5の各経路を加熱する。これによって、ガス熱源機ユニット5の各経路内の水を加熱して凍結を防止する。その後、外気温度サーミスタ95によって検出される外気温度が所定温度より高くなった場合は、ガス熱源機コントローラー204が、ガス熱源機ユニット5の凍結防止運転を終了する。
【0039】
上記の給湯システム1では、ヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5のそれぞれが電力を消費する。ガス熱源機コントローラー204は、ガス熱源機ユニット5の消費電力を算出する。ガス熱源機コントローラー204は、算出したガス熱源機ユニット5の消費電力をタンクコントローラー201に送信する。また、タンクコントローラー201は、タンクユニット3の消費電力を算出する。タンクコントローラー201は、算出したタンクユニット3の消費電力をヒートポンプコントローラー203に送信する。また、タンクコントローラー201は、ガス熱源機コントローラー204から受信したガス熱源機ユニット5の消費電力をヒートポンプコントローラー203に送信する。
【0040】
ヒートポンプコントローラー203は、タンクユニット3の消費電力とガス熱源機ユニット5の消費電力に基づいて、抑制電力を算出する。ヒートポンプコントローラー203は、ヒートポンプユニット4の消費電力がタンクユニット3の消費電力とガス熱源機ユニット5の消費電力に応じた抑制電力以下となるように、ヒートポンプ40の運転を制御する。例えば、ヒートポンプコントローラー203は、タンクユニット3の消費電力が大きい場合は、ヒートポンプユニット4の消費電力が小さくなるようにヒートポンプ40の運転を制御する。あるいは、ヒートポンプコントローラー203は、ガス熱源機ユニット5の消費電力が大きい場合は、ヒートポンプユニット4の消費電力が小さくなるようにヒートポンプ40の運転を制御する。ヒートポンプコントローラー203は、ヒートポンプユニット4の消費電力を抑制電力以下に制御する。これによって、給湯システム1全体の消費電力を抑制する。
【0041】
以上、本実施例の給湯システム1の構成及び運転内容について説明した。以上の説明から明らかなように、本実施例の給湯システム1は、
図1に示すように、屋外102に設置された屋外コンセント6を備える家屋100に設置される。給湯システム1は、水を加熱するヒートポンプ40を備えるヒートポンプユニット4と、ヒートポンプ40によって加熱された水を貯えるタンク30を備えるタンクユニット3と、コントローラー(制御手段の一例)を備えている。ヒートポンプユニット4とタンクユニット3は、屋外102に設置されている。ヒートポンプユニット4と屋外コンセント6が、第1配線系統11によって電気的に接続されており、タンクユニット3と屋外コンセント6が、第2配線系統12によって電気的に接続されている。コントローラーは、ヒートポンプユニット4の消費電力がタンクユニット3の消費電力に応じた抑制電力以下となるように、ヒートポンプ40の運転を制御する。
【0042】
このような構成によれば、屋外コンセント6から第1配線系統11と第2配線系統12を介してヒートポンプユニット4とタンクユニット3に電力が供給される。このとき、コントローラーが、ヒートポンプユニット4の消費電力がタンクユニット3の消費電力に応じた抑制電力以下となるようにヒートポンプ40の運転を制御するので、ヒートポンプユニット4の消費電力とタンクユニット3の消費電力を合わせた給湯システム1全体での消費電力を抑制することができる。その結果、屋外コンセント6からヒートポンプユニット4とタンクユニット3に供給される電力が抑制される。これによって、分電盤2から屋外コンセント6を介して給湯システム1に流れる電流を抑制することができる。
【0043】
分電盤2は、過大な電流を遮断する機能を有している。しかしながら、上記の構成によれば、分電盤2から屋外コンセント6を介して給湯システム1に流れる電流を抑制できるので、分電盤2が電流を遮断してしまうことを抑制できる。その結果、屋外コンセント6からヒートポンプユニット4とタンクユニット3への電力供給が遮断されてしまうことを抑制できる。
【0044】
また、本実施例の給湯システム1は、水を加熱するガス熱源機50を備えるガス熱源機ユニット5を備えている。ガス熱源機ユニット5とタンクユニット3と屋外コンセント6が、第2配線系統12によって電気的に接続されている。コントローラーは、ヒートポンプユニット4の消費電力がタンクユニット3の消費電力とガス熱源機ユニット5の消費電力に応じた抑制電力以下となるように、ヒートポンプ40の運転を制御する。
【0045】
このような構成によれば、屋外コンセント6からヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5に供給される電力が抑制される。これによって、上記と同様に、ヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5への電力供給が遮断されてしまうことを抑制できる。
【0046】
また、上記の構成によれば、第1配線系統11と第2配線系統12を屋外コンセント6に接続するだけでヒートポンプユニット4とタンクユニット3に電力を供給できる状態になるので、第1配線系統11と第2配線系統12を敷設するための大がかりな配線工事が不要になる。例えば、第1配線系統11と第2配線系統12のために家屋100の壁103に貫通孔を形成して屋内101と屋外102を繋ぐ工事が不要になる。よって、配線工事の手間を省くことができる。
【0047】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。他の実施例に係る給湯システム1では、リモコン202(設定手段の一例)によって屋外コンセント6からヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5に供給される最大電力を設定することができる。すなわち、ヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5の全体で使用できる最大電力を設定することができる。この電力は、多段階で設定することができる。ユーザーがリモコン202を操作することによって、屋外コンセント6から供給される電力を設定する。コントローラーは、屋外コンセント6から供給される電力がリモコン202で設定された設定電力以下となるように、ヒートポンプユニット4の抑制電力を設定する。つまり、コントローラーは、ヒートポンプユニット4とタンクユニット3とガス熱源機ユニット5の全体での消費電力が、リモコン202で設定された設定電力以下となるように、ヒートポンプ40の運転を制御する。
【0048】
このような構成によれば、ユーザーが屋外コンセント6から供給される電力を設定できるので、ユーザーの意思に基づいて給湯システム1の消費電力を抑制することができる。
【0049】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。