特許第6647046号(P6647046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6647046クッション材と、クッション材付き中敷きと、クッション材付き履物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647046
(24)【登録日】2020年1月16日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】クッション材と、クッション材付き中敷きと、クッション材付き履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   A43B17/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-1310(P2016-1310)
(22)【出願日】2016年1月6日
(65)【公開番号】特開2017-121323(P2017-121323A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2018年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010571
【氏名又は名称】株式会社リーガルコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敦史
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−111072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00−23/30
A43C 1/00−19/00
A43D 1/00−999/00
B29D 35/00−35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物着用者の足裏の下側に敷設される履物用のクッション材において、
基板突起、外側突起及び内側突起を備え、
前記基板突起、外側突起及び内側突起は弾性材で一体成形されており、
前記基板は薄板状であり、
前記突起、外側突起及び内側突起は、前記履物着用者の足裏側となる上面と反対側の下面に突出しており、
前記突起は基板のうち前記履物着用者の足の踵骨前方凹部を押し上げる位置設けられ、
前記外側突起は前記突起よりも幅方向外側であって、前記履物着用者の足の外側縦アーチ部を支える位置に設けられ、
前記内側突起は前記突起よりも幅方向内側であって、前記履物着用者の足の内側縦アーチ部を支える位置に設けられ、
前記突起は前記踵骨前方凹部を押し上げ可能な高さである、
ことを特徴とするクッション材。
【請求項2】
請求項1記載のクッション材において、
基板の下面後方部に窪み部があり、
前記窪み部は、基板のうち履物着用者の踵があたる部位にあり、当該踵が落ち込み可能な大きさと深さである、
ことを特徴とするクッション材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のクッション材において、
基板の上面が平面状である、
ことを特徴とするクッション材。
【請求項4】
履物に敷設する中敷きにおいて、
中敷きの裏面に請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクッション材が貼り付けられ、
前記クッション材はその上面が中敷きの裏面に貼り付けられた、
ことを特徴とするクッション材付き中敷き。
【請求項5】
クッション材が履物着用者の足裏の下側に敷設された履物において、
前記クッション材が請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクッション材であり、
前記クッション材は、突起が突出した裏面側を下向きにして敷設され、
履物着用者の足の踵骨前方凹部がクッション材の基板の上から突起にあたって、前記踵骨前方凹部が押し上げられるようにした、
ことを特徴とするクッション材付き履物。
【請求項6】
中敷きが履物着用者の足裏の下側に敷設された履物において、
前記中敷きが請求項4記載のクッション材付き中敷きであり、
前記クッション材付き中敷きは、クッション材の突起が突出した裏面側を下向きにして敷設され、
履物着用者の足の踵骨前方凹部が中敷きの上からクッション材の突起にあたって、前記踵骨前方凹部が押し上げられるようにした、
ことを特徴とするクッション材付き履物。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載のクッション材付き履物において、
履物着用者の足の踵がクッション材の凹部に落ち込むことにより、クッション材の基板が踵骨前方凹部と踵で挟まれて上方に湾曲して、踵骨前方凹部に突起が圧接するようにした、
ことを特徴とするクッション材付き履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紳士靴や婦人靴等の各種履物の中底と中敷きの間に敷設するクッション材と、クッション材が貼り付けられたクッション材付き中敷きと、クッション材付き履物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
足に関する疾病として、親指が小指側に曲がる外反母趾や爪が巻き込まれる巻き爪等が知られている。これらの疾病を患うのは、先の細い履物を使用する女性に多かったが、近年では、男性の罹患者数も増加傾向にある。これらの疾病の原因は様々であるが、その原因の一つとして、足が履物内で爪先側に移動する、いわゆる「前すべり」があげられる。一般的に、紳士靴や婦人靴のような履物は爪先側よりも踵側が高いため、履物内での足の前すべりが起こりやすい。また、近年では、足の甲が低い男性も増えており、紐をきつく締めても足の甲と履物の甲部分の間に隙間が生じてしまうことがあり、このような場合にも履物内での足の前すべりが起こりやすい。
【0003】
従来、履物内での足の前すべりを防止するものとして、足の中足骨を下側から支持する中足骨支持部付きの中敷き(特許文献1)や、立方骨を支持する立方骨支持部材及び踵骨の前部を支持する踵骨前部支持部材を備えた中敷き(特許文献2、3)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−175532号公報
【特許文献2】特許第5498631号公報
【特許文献3】特開2005−13682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、履物内での足の前すべりを防止することのできるクッション材、クッション材を備えた中敷き、及びクッション材を備えたクッション材付き履物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクッション材、クッション材付き中敷き、クッション材付き履物は、クッション材の踵骨前方凹部に当たる部位に突起を設けて、履物着用者の踵骨前方凹部が押し上げられるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クッション材の踵骨前方凹部に当たる部位に設けた突起によって、履物着用者の踵骨前方凹部を押し上げて、足の甲が履物の甲部分の内側(ベロ)に当接するようにしたため、履物内での足の前すべりが確実に防止され、足の前すべりを原因とする各種疾病を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のクッション材が敷設された履物の一例を示す概要説明図。
図2】本発明のクッション材の一例を示すものであって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図、(e)は正面図、(f)は背面図。
図3】本発明のクッション材を履物に敷設した場合の突起、外側突起及び内側突起の位置関係説明図。
図4】(a)は図2(a)のX−X断面図、(b)は図2(a)のY−Y断面図。
図5】本発明のクッション材付き中敷きの一例を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)の左側面図。
図6】(a)及び(b)は、本発明のクッション材、クッション材付き中敷き、及びクッション材付き履物の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(クッション材の実施形態)
本発明のクッション材1の一例を、図面を参照して説明する。ここでは、左足用のクッション材を一例として説明する。右足用のクッション材は左足用のクッション材と対称である。なお、説明の便宜上、本願では、履物の爪先側を先、踵側を後、小指側を外、親指側を内、履き口側を上又は表、本底側を下又は裏として説明を行うこととする。
【0010】
本発明のクッション材1は履物着用者の足裏の下側、例えば、図1に示すように、本発明のクッション材1は履物2の中底3と中敷き4の間に敷設されるものである。クッション材1は中底3と中敷き4の双方又はいずれか一方に貼り付けることも、いずれにも貼り付けずに中底3と中敷き4の間に配置することもできる。クッション材1は中敷き4の上に敷設することもできる。一例として図2(a)〜(f)に示すクッション材1は、基板5と突起6が弾性材で一体成形されたものである。クッション材1の材質は、例えば、ポリウレタンなどの各種樹脂やゴムなどが適する。基板5は薄板状であり、図2(a)のように平面から見たときに、踵部1aが弧状に湾曲し、その踵部1aから先方に向けて連続する外側の周縁(外側縁)1b及び内側の周縁(内側縁)1cは略直線状であり、外側縁1b及び内側縁1cの先方側に丸山状に突き出した湾曲部1dを備えた外郭形状をしている。
【0011】
図2(c)(d)に示すように、この実施形態のクッション材1は、基板5の表面5a側を平面状として、クッション材1を中敷き4に貼り付けやすくしてある。前記突起6は基板5の裏面5b側に突出するようにしてある。突起6を履物2の中底3側に設けることで、突起6が履物着用者の足に直接触れないようにして、履物着用時に違和感がないようにしてある。基板5の表面5aは、中敷き4への貼り付けに支障がなければ、横溝や縦溝、菱形模様の溝、その他の模様の溝を設けたり、突起を設けたりすることもできる。
【0012】
前記突起6は、図3に示すように、クッション材1を履物2に敷設した際に、履物着用者の足の踵骨前方凹部P(図6(b))にあたる部位に設けられている。この実施形態の突起6は基板5側から次第に盛り上がる楕円形の略円錐状であり、頂部を滑らかな曲面としてある。突起6の高さは、履物着用者の足の踵骨前方凹部Pを押し上げ可能な高さとしてある。突起6は、履物着用者の踵骨前方凹部Pにフィットしやすい形状としてある。具体的には、図2(b)に示すように、クッション材1を裏面側から見たときに、幅狭な爪先側から突起6の中ほどに向けて次第に幅広となり、その幅広部から更に踵側にむけて次第に先細りとなるような形状としてある。突起6の厚さは、図2(c)(d)に示すように、クッション材1を側面から見たときに、肉薄な爪先側から突起後方側に向けて次第に肉厚となり、その肉厚部分から更に突起後方に向けてなだらかに肉薄となるようにしてある。突起は前後及び左右が非対称となるようにしてある。
【0013】
図2(b)〜(f)及び図4(a)(b)に示すように、この実施形態では、踵骨前方凹部Pに当たる突起6のほか、足の外側縦アーチ部に当たる外側突起7と足の内側縦アーチ部に当たる内側突起8が、突起6と同方向に突設されている。外側突起7は、図4(a)に示すように、クッション材1の外側縁から立ち上がる立ち上がり面7aがクッション材1の中心側に向けて斜めになるようにしてあり、その立ち上がり面7aの頂部7bからなだらかに傾斜するような形状としてある。外側突起7はクッション材1の外側縁の直線部の略全長に設けてある。内側突起8は、図4(a)のように、クッション材1の内側縁1cから立ち上がる立ち上がり面8aがクッション材1の中心側に向けて斜めになるようにしてあり、その立ち上がり面8aの頂部8bからなだらかに傾斜するような形状としてある。内側突起8は、クッション材1の内側縁1cの直線部の略全長に設けてある。図4(a)に示すように、外側突起7と内側突起8の高さは、内側突起8の方が外側突起7よりも高くなるようにしてある。
【0014】
基板5の裏面5bの踵部には、履物着用者の踵が落ち込み可能な窪み部9が設けられている。窪み部9は、基板5の他の部分よりも肉薄としてあり、履物着用者の踵が窪み部9に収まることによって、踵が安定し、履物2内で足が前すべりし難くなるという効果がある。窪み部9は、踵が落ち込み可能な大きさと深さとしてある。
【0015】
図4(b)に示すように、クッション材1の幅方向中央部のうち、突起6と外側突起7及び内側突起8並びに窪み部9の内側の領域(中央領域)10は、突起6と外側突起7及び内側突起8よりも肉薄であり、窪み部9よりも肉厚となるようにしてある。中央領域10は、履物着用者の体重がかかったときに、クッション材1の形状に追従して変形するようにしてある。
【0016】
(クッション材付き中敷きの実施形態)
本発明のクッション材付き中敷き11の一例を、図面を参照して説明する。このクッション材付き中敷き11は履物2の中底3の上に敷設する中敷き4である。中敷き4は、革製や人工皮革製、布製といった各種材質製とすることができる。一例として図5(a)(b)に示すクッション材付き中敷き11は、半敷き(中底3の半分程度を被覆する構造の中敷き4)の裏面に、前記クッション材の実施形態で説明したクッション材1が貼り付けられたものである。クッション材1は、平滑な表面5aが中敷き4の裏面4aに貼り付けられ、中敷き4の下側に突起6、外側突起7、内側突起8などが突出するようにしてある。この実施形態では、中敷き4が半敷きの場合を一例としているが、中敷き4は全敷き(中底3の全体を被覆する形状の中敷き4)であってもよい。
【0017】
(クッション材付き履物の実施形態)
本発明のクッション材付き履物12の一例を、図面を参照して説明する。本発明のクッション材付き履物12は、中底3の上側に中敷き4が敷設されたものである。一例として図1に示すクッション材付き履物12は、紳士用の革靴であり、中底3の上側に前記クッション材付き中敷きの実施形態で説明したクッション材付き中敷き11が敷設されたものである。クッション材付き中敷き11は、クッション材1を中底3側にして敷設してある。この実施形態では、中底3の上に前記クッション材付き中敷き11を敷設した場合を一例としているが、本発明のクッション材付き履物12は、中底3の上にクッション材1と中敷き4を別々に敷設したものであってもよい。クッション材1と中敷き4を別々の構成とした場合、クッション材1だけの交換ができるなどのメリットがある。
【0018】
(作用)
本発明のクッション材1、クッション材付き中敷き11、及びクッション材付き履物12の作用について、図面を参照して説明する。図6(a)(b)に示すように、クッション材1を備えた履物2に足を入れると、履物着用者の体重によって中敷き4がクッション材1の形状に追従して変形し、その履物着用者の足の踵骨前方凹部Pが中敷き4の上からクッション材1の突起6に当たって、前記踵骨前方凹部Pが押し上げられる。これにより、履物着用者の足の甲が履物の甲部分の内側に当接し、履物内での足の前すべりが防止される。クッション材1には踵が収まる窪み部9と、足の外側縦アーチ部を支持する外側突起7、及び内側縦アーチ部を支持する内側突起8が設けられているため、履物着用者の足裏が安定して支持され、足に負担のかからない状態で、足の甲を履物2の甲部分へ当接する。このように、突起6、外側突起7、内側突起8及び窪み部9の相互が関わりあうことによって、履物2内の足が安定し、履物2内での足の前すべりが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は革製の紳士靴に限らず、革製の婦人靴や子供靴、カジュアルシューズ、ブーツ、サンダルなど、前すべりが生じる様々な履物に適用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 クッション材
1a 踵部
1b 外側縁
1c 内側縁
1d 湾曲部
2 履物
3 中底
4 中敷き
4a (中敷きの)裏面
5 基板
5a (基板の)表面
5b (基板の)裏面
6 突起
7 外側突起
7a (外側突起の)立ち上がり面
7b (外側突起の)頂部
8 内側突起
8a (内側突起の)立ち上がり面
8b (内側突起の)頂部
9 窪み部
10 中央領域
11 クッション材付き中敷き
12 クッション材付き履物
P 踵骨前方凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6