(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647050
(24)【登録日】2020年1月16日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】呼び水口構造及び給水装置
(51)【国際特許分類】
F04D 9/00 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
F04D9/00 E
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-9769(P2016-9769)
(22)【出願日】2016年1月21日
(65)【公開番号】特開2017-129083(P2017-129083A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】濱田 憲
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
(72)【発明者】
【氏名】野々山 将行
(72)【発明者】
【氏名】伊吹 脩
【審査官】
井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−023989(JP,A)
【文献】
実開昭48−032902(JP,U)
【文献】
実開昭53−042201(JP,U)
【文献】
特開昭51−034403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 9/00
F04D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自吸室の上面に設けられる呼び水口と、
前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に前記呼び水口の軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部と、
前記呼び水口に設けられるプラグと、
前記自吸室の上面に設けられ、前記プラグと当接する座面と、
前記座面及び前記壁部の間に設けられた溝部と、
を備えることを特徴とする呼び水口構造。
【請求項2】
前記プラグは、円板状の基部と、前記基部の一方の主面に設けられたシール溝と、前記シール溝に設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の呼び水口構造。
【請求項3】
前記基部の外径は、前記壁部の内径よりも小径に構成されることを特徴とする請求項2に記載の呼び水口構造。
【請求項4】
前記プラグは、前記基部の他方の主面に把手部を有し、
前記壁部は、前記プラグが前記呼び水口を閉塞したときに、上端が前記把手部よりも下方に位置する高さを有することを特徴とする請求項2に記載の呼び水口構造。
【請求項5】
ベースと、
前記ベース上に設けられたケーシングと、
前記ケーシングに設けられた自吸室と、
前記自吸室の上面に設けられる呼び水口、前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に前記呼び水口の軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部、前記呼び水口に設けられるプラグ、前記自吸室の上面に設けられ、前記プラグと当接する座面、並びに、前記座面及び前記壁部の間に設けられた溝部を具備する呼び水口構造と、
を備えることを特徴とする給水装置。
【請求項6】
前記プラグは、円板状の基部と、前記基部の一方の主面に設けられたシール溝と、前記シール溝に設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の給水装置。
【請求項7】
前記基部の外径は、前記壁部の内径よりも小径に構成されることを特徴とする請求項6に記載の給水装置。
【請求項8】
前記プラグは、前記基部の他方の主面に把手部を有し、
前記壁部は、前記プラグが前記呼び水口を閉塞したときに、上端が前記把手部よりも下方に位置する高さを有することを特徴とする請求項6に記載の給水装置。
【請求項9】
前記ケーシングは吸込管路を有し、
前記吸込管路は、端部に菱形状のフランジ部材が設けられ、
前記スリットは、前記フランジ部材に向かって前記壁部に配置されることを特徴とする請求項5に記載の給水装置。
【請求項10】
前記ベースは、前記吸込管路の前記フランジ部材に隣接して設けられた排水穴を有することを特徴とする請求項9に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプに呼び水を行うための呼び水口構造及び給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液体を二次側に供給する給水装置として、ベース上にケーシング、ポンプ及びポンプの二次側に設けられた自吸室を設け、これら構成部品をポンプカバーによって覆うことで一体に構成する技術が知られている。このような給水装置は、初期始動時において、ポンプのポンプ室内に水を供給するための呼び水を行う。この呼び水を行うために、ポンプ室の上部に呼び水口及び排気口を設け、当該呼び水口及び排気口をプラグで閉塞する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−297791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した給水装置では、以下の問題があった。即ち、給水装置の製造コストの低減の要望があり、排気口を呼び水口で共用することが求められている。上述のプラグを用いて呼び水口を閉塞する構成において排気口を呼び水口と共用とする場合には、自吸時の排気又は起動確認時の圧抜きを行う時等において、呼び水口から水が噴射し、周囲に水が拡散する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、呼び水口から水が飛散することを防止可能な呼び水口構造及び給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の呼び水口構造及び給水装置は次のように構成されている。
【0007】
本発明の一態様として、呼び水口構造は、自吸室の上面に設けられる呼び水口と、前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に
前記呼び水口の軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部と、前記呼び水口に設けられるプラグと、
前記自吸室の上面に設けられ、前記プラグと当接する座面と、前記座面及び前記壁部の間に設けられた溝部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様として、給水装置は、ベースと、前記ベース上に設けられたケーシングと、前記ケーシングに設けられた自吸室と、前記自吸室の上面に設けられる呼び水口、前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に
前記呼び水口の軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部
、前記呼び水口に設けられるプラグ
、前記自吸室の上面に設けられ、前記プラグと当接する座面、並びに、前記座面及び前記壁部の間に設けられた溝部を具備する呼び水口構造と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、呼び水口から水が飛散することを防止可能な呼び水口構造及び給水装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る給水装置の構成を示す側面図。
【
図3】同給水装置に用いられる自吸室の要部構成を示す平面図。
【
図6】同自吸室に設けられる呼び水口構造の構成を示す断面図。
【
図7】同自吸室に設けられる呼び水口構造の構成及び使用の一例を示す断面図。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る給水装置の自吸室に設けられる呼び水口構造の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る給水装置1を、
図1乃至
図7を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る給水装置1の構成を示す側面図、
図2は給水装置1の構成を示す平面図、
図3は給水装置1に用いられる自吸室23の上部自吸室32及び呼び水口構造33の構成を示す平面図、
図4は上部自吸室32及び呼び水口構造33の構成を示す断面図、
図5は上部自吸室32及び呼び水口構造33の構成を示す平面図、
図6は呼び水口構造33の構成を示す断面図、
図7は呼び水口構造33の構成及び使用の一例を示す断面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、給水装置1は、ベース11と、ケーシング12と、ポンプ部13と、検出装置14と、アキュムレータ15と、制御装置16と、ポンプカバーと、を備えている。
【0013】
ベース11は、ケーシング12、検出装置14、制御装置16及びポンプカバーを支持する。ベース11は、その上面に、ベース11上の水をベース11の設置面に排水するための排水穴11aを有する。排水穴11aは、例えば、ベース11の上面であって、且つ、後述するケーシング12の吸込管路21及び吐出管路24に設けられるフランジ部材25間に設けられる。
【0014】
ケーシング12は、金属材料又は樹脂材料により成形される。ケーシング12は、吸込管路21と、ポンプケーシング22と、自吸室23と、吐出口を有する吐出管路24と、吸込管路21及び吐出管路24にそれぞれ設けられ、配管100が接続されるフランジ部材25と、を備えている。ケーシング12は、ベース11に、ボルト等の締結部材99によって固定される。
【0015】
吸込管路21は、一方の端部に設けられた吸込口と、フランジ部材25を2本の締結部材99により固定可能に、吸込口に設けられた菱形状のフランジ部21aと、を有する。吸込管路21は、フランジ部21aにフランジ部材25が固定される。吸込管路21は、他方の端部がポンプケーシング22と一体に設けられる。
【0016】
ポンプケーシング22は、ポンプ部13の一部を構成する。ポンプケーシング22は、内部にポンプ部13の後述するインペラを収容可能に構成される。ポンプケーシング22は、吸込管路21と流体的に連続する。また、ポンプケーシング22は、自吸室23と流体的に連続する。
【0017】
自吸室23は、内部に気液分離を行う気液分離室及び気液分離板を有する。自吸室23は、吸込管路21に隣接して設けられる。自吸室23は、ポンプケーシング22と一体に構成された下部自吸室31と、下部自吸室31の上部に締結部材99で固定され、下部自吸室31とともに気液分離室を構成する上部自吸室32と、を備えている。
【0018】
図3及び
図4に示すように、自吸室23は、気液分離室内に呼び水用の水を供給可能な呼び水口構造33及び検出装置14を固定可能な取付部34を、上部自吸室32の上面32aに有する。自吸室23は、下部自吸室31がポンプケーシング22と一体に構成され、上部自吸室32、後述するプラグ44を除く呼び水口構造33及び取付部34が鋳造や射出成形等により一体に成形される。
【0019】
図3乃至
図7に示すように、呼び水口構造33は、上部自吸室32の天井面に設けられた呼び水口41と、呼び水口41の周囲に設けられた円筒状の壁部42と、呼び水口41の上面と壁部42の内周面の角部に設けられた円環状の溝部43と、呼び水口41を閉塞するプラグ44と、を備えている。呼び水口構造33は、上部自吸室32の上面32aの外縁側であって、吸込管路21及びフランジ部材25に隣接して設けられる。
【0020】
呼び水口41は、内周面に雌螺子部41aが設けられている。呼び水口41は、プラグ44と当接する座面41bを有する。座面41bは、呼び水口41の上面により構成される。
【0021】
壁部42は、円筒状に構成され、その外周面の一部に、壁部42の上端から溝部43まで軸方向に沿って延びるスリット42aを有する。換言すると、壁部42は、円筒状の周面の一部が重力方向に一部切欠して構成される。
【0022】
壁部42の高さは、呼び水口41に固定されたプラグ44を開方向に回転させてプラグ44を緩め、
図7に矢印で示すようにプラグ44及び呼び水口41の間に水の流路が構成されたときに、プラグ44の後述する基部44aの外周面の少なくとも一部を覆う高さに構成される。壁部42は、その高さが、プラグ44が呼び水口41に固定された状態で、プラグ44の後述する把手部44cが壁部42の上端より上方に位置する高さに構成される。壁部42のスリット42aは、吸込管路21に設けられるフランジ部材25に向かって配置される。換言すると、スリット42aは、壁部42の中心からフランジ部材25を結ぶ直線上の壁部42の一部が開口することで構成される。
【0023】
溝部43は、呼び水口41の座面41bと壁部42の内周面との間に設けられ、座面41bから窪む空間を構成する。溝部43の内径は、基部44aの外径よりも小径に構成される。
【0024】
プラグ44は、呼び水口41の座面41bと当接する基部44aと、基部44aの一方の主面に設けられた雄螺子部44bと、基部44aの他方の主面に設けられた把手部44cと、シール部材44dと、を備えている。
【0025】
基部44aは、円板状に構成されている。基部44aは、一方の主面にシール溝44eを有する。基部44aは、一方の主面が呼び水口41の座面41bと当接する。基部44aの外径は、呼び水口41の座面41bの外径以上であって、且つ、壁部42の内周面の内径よりも小さい径に構成される。
【0026】
シール溝44eは、基部44aの一方の主面からの深さがシール部材44dの軸方向の径よりも若干浅く構成されるとともに、基部44aの径方向の溝幅がシール部材44dの軸方向に直交する径よりも若干広く構成される。即ち、シール溝44eは、シール部材44dが配置されたときに、シール部材44dが基部44aの一方の主面から若干突出するとともに、シール部材44dが潰れたときに、潰れたシール部材44dを収納可能な形状に構成される。
【0027】
雄螺子部44bは、呼び水口41の雌螺子部41aと螺合可能に構成される。
【0028】
把手部44cは、作業者により直接、又は、冶具等を用いて間接的にプラグ44を回転可能な突起である。
【0029】
取付部34は、上部自吸室32の上面32aに一体に設けられる。取付部34は、自吸室23と吐出管路24とに流体的に接続される。
【0030】
吐出管路24は、一方の端部に設けられた吐出口と、吐出口に設けられた、フランジ部材25を2本の締結部材99により固定可能な菱形状のフランジ部24aと、を有する。吐出管路24は、フランジ部24aにフランジ部材25が固定される。
【0031】
フランジ部材25は、2本の締結部材99によりフランジ部24aに固定可能な、所謂菱フランジである。フランジ部材25は、
図1に示すように、配管100が固定される口部25aを正面視で見たときに、菱形状に構成される。フランジ部材25は、その外周面が重力方向に対して傾斜するように、フランジ部21a、24aにそれぞれ固定される。
【0032】
ポンプ部13は、ポンプケーシング22と、ポンプケーシング22に固定されるモータ51と、モータ51に設けられた回転軸と、回転軸に設けられ、ポンプケーシング22に収納されるインペラと、を備えている。このようなポンプ部13は、例えばカスケードポンプである。
【0033】
検出装置14は、その内部を通過する液体の圧力及び流量を検出可能に形成されている。検出装置14は、自吸室23に設けられた取付部34に固定される。検出装置14は、取付部34を介して自吸室23及び吐出管路24を連続する流路と、流路上に設けられた圧力センサ及び流量センサと、を内部に有する。換言すると、取付部34に取り付けられた検出装置14は、自吸室23及び吐出管路24間の流路を構成するとともに、自吸室23及び吐出管路24間の圧力及び流量を検出する。
【0034】
アキュムレータ15は、ポンプ部13の二次側に設けられる。アキュムレータ15は、例えば、吐出管路24の一部に設けられる。
【0035】
制御装置16は、モータ51及び検出装置14に信号線を介して接続される。制御装置16は、検出装置14で検出された圧力及び流量に基づいてモータ51を制御可能に形成されている。
【0036】
ポンプカバーは、クランプやネジ等によりベース11上に固定される。ポンプカバーは、ベース11上の構成品を覆う。
【0037】
このように構成された給水装置1によれば、呼び水口構造33は、呼び水を行う時に、プラグ44を取り外すことで、呼び水口41から呼び水を行うことが可能である。また、呼び水口構造33は、プラグ44の一方の主面が座面41bから壁部42の上端までの範囲内に位置するようにプラグ44を緩めることで、
図7に矢印で示すように、プラグ44の雄螺子部44bと呼び水口41の雌螺子部41aとの間、プラグ44の基部44aの一方の主面及び呼び水口41の座面41bの間を通過する流路が構成される。呼び水口構造33は、当該流路を介して自吸室23内の空気を排気することが可能となる。
【0038】
また、呼び水口41の周囲に設けられた壁部42により、自吸室23の排気時に当該流路を通過した水は、呼び水口41の周囲に飛散することを防ぐとともに、スリット42aを介して外部に排出する。また、呼び水口構造33は、スリット42aを吸込管路21に固定されたフランジ部材25に向かって配置させることで、スリット42aから排出された水をフランジ部材25の外周面上に移動させることが可能となる。これにより、当該水はフランジ部材25の外周面の傾斜面に沿って滴下し、ベース11上に移動する。また、ベース11に移動した水は、排水穴11aから設置面上に排出される。このように、給水装置1は、排気時に呼び水口41から排出された水を飛散させることない。また、給水装置1は、スリット42aから排出された水を排水穴11aへ案内することが可能となり、当該水がベース11、ケーシング12及び吸込管路21上等に溜まることなく、設置面に排水可能となる。
【0039】
また、呼び水口41の座面41b及びプラグ44の基部44aの間を密封するシール部材44dを設けるシール溝44eを基部44aに設ける構成とすることで、排気時に圧力がシール部材44dに加わっても、シール溝44eの抜けを防止できる。
【0040】
また、プラグ44の基部44aの外径を、壁部42の内径より小径であって、且つ、座面41bの外径及び溝部43の内径よりも大径とすることで、排気時に呼び水口41から吐出された水を側方及び下方に案内することが可能となる。
【0041】
さらに、壁部42の高さをプラグ44が呼び水口41に固定された状態で壁部42の上端からプラグ44の把手部44cが突出する構成とすることで、プラグ44の開閉を容易に行うことが可能となる。
【0042】
上述したように本発明の一実施形態に係る給水装置1によれば、呼び水口41の周囲にスリット42aを有する壁部42を設けることで、当該壁部42により排気時において呼び水口41から水が飛散することを防止することが可能となる。また、給水装置1によれば、呼び水口41から吐出された水の排出方向をスリット42aにより案内することが可能となる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上述した例では、プラグ44は、基部44aが呼び水口41の座面41bと当接するとともに、基部44aの外径が壁部42の内径よりも小径の構成を説明したがこれに限定されない。
【0044】
例えば、
図8に示すように、本発明の他の実施形態に係る給水装置1の呼び水口構造33に用いられるプラグ44Aは、壁部42を覆うカバー部44fを基部44aの他方の主面側に有する構成であってもよい。このようなプラグ44Aを用いることで、呼び水口構造33は、カバー部44fが壁部42の上端を覆うことで、排気時に呼び水口41から排出される水の飛散をさらに防止し、確実にスリット42aから水を排出することが可能となる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 自吸室の上面に設けられる呼び水口と、
前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部と、
前記呼び水口に設けられるプラグと、
を備えることを特徴とする呼び水口構造。
[2] 前記プラグは、円板状の基部と、前記基部の一方の主面に設けられたシール溝と、前記シール溝に設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする[1]に記載の呼び水口構造。
[3] 前記基部の外径は、前記壁部の内径よりも小径に構成されることを特徴とする[2]に記載の呼び水口構造。
[4] 前記プラグは、前記基部の他方の主面に把手部を有し、
前記壁部は、前記プラグが前記呼び水口を閉塞したときに、上端が前記把手部よりも下方に位置する高さを有することを特徴とする[2]に記載の呼び水口構造。
[5] ベースと、
前記ベース上に設けられたケーシングと、
前記ケーシングに設けられた自吸室と、
前記自吸室の上面に設けられる呼び水口、前記呼び水口の周囲に設けられ、その一部に軸方向に延びるスリットを有する円筒状の壁部、及び、前記呼び水口に設けられるプラグを具備する呼び水口構造と、
を備えることを特徴とする給水装置。
[6] 前記プラグは、円板状の基部と、前記基部の一方の主面に設けられたシール溝と、前記シール溝に設けられたシール部材と、を備えることを特徴とする[5]に記載の給水装置。
[7] 前記基部の外径は、前記壁部の内径よりも小径に構成されることを特徴とする[6]に記載の給水装置。
[8] 前記プラグは、前記基部の他方の主面に把手部を有し、
前記壁部は、前記プラグが前記呼び水口を閉塞したときに、上端が前記把手部よりも下方に位置する高さを有することを特徴とする[6]に記載の給水装置。
[9] 前記ケーシングは吸込管路を有し、
前記吸込管路は、端部に菱形状のフランジ部材が設けられ、
前記スリットは、前記フランジ部材に向かって前記壁部に配置されることを特徴とする[5]に記載の給水装置。
[10] 前記ベースは、前記吸込管路の前記フランジ部材に隣接して設けられた排水穴を有することを特徴とする[9]に記載の給水装置。
【符号の説明】
【0045】
1…給水装置、11…ベース、11a…排水穴、12…ケーシング、13…ポンプ部、14…検出装置、15…アキュムレータ、16…制御装置、21…吸込管路、21a…フランジ部、22…ポンプケーシング、23…自吸室、24…吐出管路、24a…フランジ部、25…フランジ部材、25a…口部、31…下部自吸室、32…上部自吸室、32a…上面、33…呼び水口構造、34…取付部、41…呼び水口、41a…雌螺子部、41b…座面、42…壁部、42a…スリット、43…溝部、44、44A…プラグ、44a…基部、44b…雄螺子部、44c…把手部、44d…シール部材、44e…シール溝、44f…カバー部、51…モータ、99…締結部材、100…配管。