(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647225
(24)【登録日】2020年1月16日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】脚矯正器具及び矯正器具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20200203BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20200203BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
A61F5/01 N
A61H3/00 B
B25J11/00 Z
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-572829(P2016-572829)
(86)(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公表番号】特表2017-524410(P2017-524410A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】EP2015064275
(87)【国際公開番号】WO2015197704
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2018年6月13日
(31)【優先権主張番号】102014009028.0
(32)【優先日】2014年6月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502220838
【氏名又は名称】オットーボック・エスイー・ウント・コンパニー・カーゲーアーアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】テューテマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】フォゲル、カルステン
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−178253(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0204627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A61H 3/00
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚矯正器具(10)を矯正器具利用者(1)の胴体(2)に取り付けるための取り付け装置(11)及び少なくとも1つの関節装置(20)を有し、前記矯正器具利用者(1)の肢体(3)に固着可能な第一矯正器具部分(30)が前記少なくとも1つの関節装置(20)によって前記取り付け装置(11)に対して回転可能に配置され、前記少なくとも1つの関節装置(20)が少なくとも3つの関節(21、22、23)を備え、前記関節が夫々少なくとも1つの回転軸(24、25、28)を有し、前記回転軸が一つの共通点(100)で交差する脚矯正器具(10)であって、前記回転軸(24、25、28)のうち少なくとも二つが相互に非直交に方向付けされており、駆動される回転軸(25)はトルクを他の回転軸(24、28)に印加しないことを特徴とする、脚矯正器具(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの関節装置(20)に、少なくとも1つの駆動部又は力貯蔵部を属させることを特徴とする、請求項1に記載の脚矯正器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの関節装置(20)において少なくとも1つの関節(22)の回転軸(25)の自由度が他の関節(21、23)の回転軸(24、28)の自由度に影響を及ぼさないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の脚矯正器具。
【請求項4】
前記回転軸(24、25、28)が前記矯正器具利用者(1)の腰関節の回転中心で交差することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項5】
脚矯正器具(10)を取り付けるための取り付け装置(11)が骨盤、腹部、又はウェストに構成され、かつ前記第一矯正器具部分(30)が太もも装具として構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項6】
前記第一矯正器具部分(30)が相互に関節で接続する複数の区域(31、32、33)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項7】
前記第一矯正器具部分(30)に少なくとも1つの更なる矯正器具部分(40、50)を関節で取り付けることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つの更なる矯正器具部分(40、50)が前記肢体(3)に取り付け可能に構成されることを特徴とする、請求項7に記載の脚矯正器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの更なる矯正器具部分(40、50)の間の関節(34、45)における回転軸(36、47)が、脚矯正器具(10)を取り付けている状態で肢体(3)の関節軸(6、7)と整列することを特徴とする、請求項7又は8に記載の脚矯正器具。
【請求項10】
前記関節装置(20)における関節(21、22、23)の回転軸(24、25、28)が夫々正確に一つの自由度を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項11】
前記関節(21、22、23、36、45)の回転範囲が調整可能であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項12】
前記回転軸(25)が腰の伸展屈折を可能にし、前記関節装置(20)に前記回転軸(25)の周りで有効な駆動部を属させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項13】
複数の駆動されない回転軸(24、28)の周囲トルクが駆動される回転軸(25)に影響を及ぼさないことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
【請求項14】
矯正器具(10)を矯正器具利用者(1)の胴体(2)に取り付けるための取り付け装置(11)及び少なくとも1つの関節装置(20)を有し、前記矯正器具利用者(1)の肢体(3)に固着可能な第一矯正器具部分(30)が関節装置(20)によって前記取り付け装置(11)に対して回転可能に配置され、前記少なくとも1つの関節装置(20)は少なくとも3つの関節(21、22、23)を備え、当該関節は夫々1つの回転軸(24、25、28)を有し、当該回転軸は一つの共通点(100)で交差する矯正器具(10)であって、前記回転軸(24、25、28)のうち少なくとも二つが相互に非直交に方向付けされており、駆動される回転軸(25)はトルクを他の回転軸(24、28)に印加せず、前記関節装置(20)において少なくとも1つの関節(22)の回転軸(25)の自由度が他の関節(21、23)の回転軸(24、28)の自由度に影響を及ぼさないことを特徴とする矯正器具(10)。
【請求項15】
前記回転軸(24、25、28)が共通点(100)で交差し、交差点(100)で少なくとも三つの独立自由度を形成することを特徴とする、請求項14に記載の矯正器具。
【請求項16】
前記回転軸(24、25、28)が前記矯正器具利用者(1)の天然関節の回転中心で交差することを特徴とする、請求項14又は15に記載の矯正器具。
【請求項17】
前記関節装置(20)に少なくとも1つの駆動部又は力貯蔵部を属させることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の矯正器具。
【請求項18】
前記第一矯正器具部分(30)が相互に関節で接続する複数の区域(31、32、33)を有することを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の矯正器具。
【請求項19】
前記第一矯正器具部分(30)に少なくとも1つの更なる矯正器具部分(40、50)を関節で取り付けることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか一項に記載の矯正器具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの更なる矯正器具部分(40、50)が前記肢体(3)に取り付け可能に構成されることを特徴とする、請求項19に記載の矯正器具。
【請求項21】
他の矯正器具部分(40、50)の間の関節(34、45)における回転軸(36、47)が、矯正器具(10)を取り付けている状態で前記肢体(3)の関節軸(6、7)と整列することを特徴とする、請求項19又は20に記載の矯正器具。
【請求項22】
前記関節装置(20)における前記関節(21、22、23)の前記回転軸(24、25、28)が夫々一つの自由度を有することを特徴とする、請求項14〜21のいずれか一項に記載の矯正器具。
【請求項23】
前記関節(21、22、23、36、45)の回転範囲が調整可能であることを特徴とする請求項14〜22のいずれか一項に記載の矯正器具。
【請求項24】
駆動されない回転軸(24、28)の周囲トルクが駆動される回転軸(25)に影響を及ぼさないことを特徴とする請求項14〜23のいずれか一項に記載の矯正器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、矯正器具又は脚矯正器具を矯正器具利用者の胴体に取り付けるための取り付け装置及び少なくとも1つの関節装置を有する脚矯正器具並びに矯正器具に関するものであって、矯正器具利用者の所定の肢体に固着可能な第一矯正器具部分が関節装置によって取り付け装置に対して回転可能に配置されている。矯正器具は特に脚矯正器具又は肩矯正器具に形成され、更生の措置の際に外骨格として用いられる。
【背景技術】
【0002】
脳卒中又は神経疾患や神経傷害後、体の動きの制限、特に歩行能力の制限を抑えるように早期のリハビリ治療を受けることが有利である。トレーニング強度とリハビリ治療結果の間には正の相関関係がある。したがって、できるだけ早期に集中更生の措置を取るのが有利である。しかし、現在のところ、そういったことに対応する熟練した人材が必要である。(補助的にトレッドミルで行い得る)手動歩行療法はセラピストが必要であり、限られた量の時間の間でのみ可能である一方、他方ではそれゆえの短期の治療単位に繋がる。
【0003】
Hocoma社のLocomat(登録商標)やフラウンホーファー生産システム・建設技術協会(Fraunhofer-Institut fur Produktionsanlagen und Konstruktionstechnik)のロボット支援歩行シミュレータとして形成された「Haptic Walter」等のトレッドミルを備えた定置型システムが存在する。後者は特に、動き歩行リハビリにおいて脳卒中患者及び対まひ患者又は頭蓋大脳外傷患者に対して採用される。
【0004】
上記装置では、相当な作業努力と限られた可動性、つまり設備の固定設置、という問題がある。
【0005】
欧州特許出願公開2 163 226 A1はスキーの時に着用する外骨格に関する。外骨格はスキー靴、下腿、太もも、及び腰に固着する。各天然関節の高さで関節装置が設けられている。腰の周辺には二重関節が設けられている。太ももと下腿の間の関節装置は切替可能なカップリングを介して接続されている。センサーはスキー板の動き及び/又はスキー板の一部に与えられる圧力を検出し、その信号をカップリングに送信する。潜在的過負荷の場合、カップリングは閉められ、さまざまな力が天然関節を避けるように外骨格へ迂回する。このような外骨格では、自然な歩行動作が不可能である。
【0006】
ドイツ実用新案20 2013 009 698 U1には側方連結位置を有する外骨格又は矯正器具のための平行動作についての研究が記載され、ヒトの肢体の理想関節が矯正器具又は外骨格の関節軸に対して同軸上に配置されないことを記載する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の課題は、高い可動性を保持すると共に、正しい動きパターン、特に歩き方を達成することを可能にする矯正器具を提供することである。
【0008】
本発明によると、当該課題は主請求項に記載の特徴を有する脚矯正器具及び副請求項に記載の特徴を有する矯正器具によって解決される。有利な実施形態及び本発明の発展例は従属請求項、明細書及び図面に開示されている。
【0009】
脚矯正器具を矯正器具利用者の胴体に取り付けるための取り付け装置及び少なくとも1つの関節装置を有し、矯正器具利用者の所定の肢体に固着可能な第一矯正器具部分が当該関節装置によって取り付け装置に対して回転可能に配置されている脚矯正器具において、当該関節装置は少なくとも3つの関節を有し、当該3つの関節は夫々少なくとも1つの回転軸を有し、当該回転軸は一つの共通点において交差し、共通点で少なくとも3つの独立自由度を形成する。3つの回転軸と1つの共通点を備えた関節装置の構成により、球関節に似たような、天然関節に対応する矯正器具の動作を生むことが出来る。したがって、矯正器具が必要な支援指導機能を実行すると共に、矯正器具利用者が生理的に正確な動作を達成するように体内の球関節を体外の関節で再現することができる。1つの共通点において交差する3つの関節軸を有する関節装置の構成により、外在の関節の場合には、当該関節の直接かつ機械的な実現が不可能な位置(すなわち体内の位置)に球関節が生成され、自然な動きが制限されてしまう。以下、矯正器具に関する記載は脚矯正器具、肩―腕―矯正器具、又は概して矯正器具に関連するもので、特性に関する記載は各実施形態を別々に説明するものである。1つの共通点において交差する3つの回転軸では、3つの回転自由度が、相互に独立に、関節の3つの回転軸の共通点において形成され、それゆえ、矯正器具は球関節ベアリングのような動きができる。
【0010】
矯正器具を回転可能かつ積極的に支持可能に構成するように、関節装置には、少なくとも1つの面内に少なくとも1つの駆動部又は力貯蔵部を属させる。その結果、歩行時(例えば矢状面内の屈折や伸展時、つまり膝、腕、又はそれ以外の肢体の一部の上げ下げ時)に、矯正器具利用者を支援することが有利に可能である。原則として、幾つか又はすべての関節の回転軸の周辺に有効な複数の駆動部を備えることも可能である。移動支援を実行するために、バッテリーやアキュムレータ等の外部電源付き電動駆動機だけではなく、ばね等の力貯蔵部も属させ得る。関節装置の少なくとも1つの関節の回転軸の自由度は、有利に他の関節の自由度に影響を与えないため、単なる屈折や伸展、内転や外転、又は内旋や外旋等の際に動きのフィードバックを発生しない。本発明の一つの実施形態においては全ての自由度が相互に分離して形成され、本発明の変形例においては一つの関節のみが他の関節から分離し他の関節の自由度が相互に影響を与え得る。例えば、一つの軸が駆動されていると、駆動部は関節装置又は矯正器具の他の軸にトルクを印加しない。駆動されていない軸は相互に影響を与え得るが、それら軸周辺のトルクは駆動されている軸に影響を与えない。
【0011】
取り付け装置は、特に脚矯正器具として設計された場合、有利に矯正器具を骨盤、腹部、又はウェストに取り付けるように形成され、第一矯正器具部分は太もも装具又は上腕装具として形成される。骨盤、腹部、又はウェストに取り付けられる取り付け装置を備えた矯正器具の配置では、取り付け装置を更に枠又は台に位置して胴体も支え運ぶことが可能であるため、移動時に矯正器具の重荷を軽減することができる。矯正器具利用者が歩行又は動作の間に体の全体の重さを負う必要はなく、むしろ取り付け装置を使用して重量の一部を軽減することが出来る。
【0012】
関節装置の関節の回転軸は、好ましくは矯正器具利用者の球関節の回転中心で交差し、それはいわゆる矯正器具が脚矯正器具として形成された場合は腰関節で交差、矯正器具が肩-腕-矯正器具として形成された場合は肩関節で交差する。ここにおいて、矯正器具を矯正器具利用者に取り付ける際のバランスのオプション、発生する遊び、及び人体の可変性の理由から、各回転軸は腰関節又は肩関節の関節ヘッドに対応する大きさの仮想的な球体を通過すれば十分である。
【0013】
第一矯正器具部分は関節状に接続している複数の区域を含み得、各区域は他の区域と関節を介して接続している。一つの区域は取り付け装置に接続し、それと別の区域は他の矯正器具部分と関節状に接続し得る。
【0014】
矯正器具利用者の太もも又は上腕に取り付けられる第一矯正器具部分の関節状の接続によって、矯正器具を介して脚又は腕全体、つまり下腿や足若しくは前腕や手を支援することが出来る。その他の複数又は単数の矯正器具部分は係る肢体に取り付け可能に構成されているが、矯正器具部分によって各肢体の自然な動きに障害をもたらさないように、関節の回転軸は脚矯正器具を取り付けた状態で他の矯正器具部分の間、あるいは矯正器具部分とそれに接続される矯正器具部分の間で係る肢体の関節軸、すなわち天然関節の関節軸と整列する。
【0015】
関節装置の関節の各回転軸はお互い同一線上に伸びないような(望ましくは夫々1つの)自由度を有し得、それゆえに自由度が相補されて球関節に対応する肢体の動きそして矯正器具の動きを実現することができる。
【0016】
関節の回転中心内に垂直な軸を生成するために、有利には関節装置の回転軸のひとつの自由度を矢状面に配向し、関節装置の関節の回転軸の他の2つの自由度を前額面に配向させる。
【0017】
動き障害が余儀なくされているかぎり、または天然関節の動きの全域を利用すべきでないかぎり、少なくとも1つの関節の回転範囲は調整可能に構成される。その構成によって、各最大動き半径への逐次適応を実現し、医学的に重要な動き障害や治療進展を考慮することが出来る。
【0018】
本発明の発展例では、3つのうち少なくとも2つの回転軸が相互に非直交に配向している。それによって、体外の関節を肢体や胴体の横側に配置し、矯正器具を支えることが出来る。相互に非直交に配向する軸では、1つの関節によって複合した動きを他の関節を動かさずに実行することが出来る。従って、正確に1つの面内にある正確に1つの軸周りの単独動作をすることはほとんどないため、軸の方向を矯正器具利用者の動きに適応させることが出来る。望ましくは、動力伝達装置による関節の結合がない。
【0019】
矯正器具を矯正器具利用者の胴体に取り付けるための取り付け装置及び少なくとも1つの関節装置を有し、矯正器具利用者の所定の肢体に固着可能な第一矯正器具部分が当該関節装置によって取り付け装置に対して回転可能に配置され、当該関節装置は少なくとも3つの関節を有し、当該3つの関節は夫々1つの回転軸を有し、当該回転軸は一つの共通点において交差する本発明の矯正器具では、関節装置の少なくとも1つの関節の回転軸の自由度が他の関節の回転軸の自由度に影響を及ぼさない。それゆえに、不要な動きを発生せず、又は筋肉による自然運動を起こす際に不要な動きを生まずに、少なくとも1つの軸周りの駆動を発揮することが出来る。上記脚矯正器具又は肩-腕-矯正器具に関する説明は本発明の矯正器具と同様である。
【0020】
上記関節の回転軸は好ましくは一つの共通点で交差し、該共通点で少なくとも3つの独立自由度を構成する。以下に、添付の図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】
図1で示される位置で取り付けられた矯正器具の図;
【
図5】取り付け装置の一部を有する単一関節装置の図;
【
図7】矯正器具を取り付けている矯正器具利用者の上面図;
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は胴体2及び2つの下肢体3を有する矯正器具利用者1を示す略図である。矯正器具利用者1の左肢体3は外転し、すなわち前額面内で外側へ回転し、当該回転は図面に詳しく示されない腰関節を通過する腰軸4の周りのものである。下肢体の膝域内に描かれている膝軸6は下腿の屈折や伸展を可能にするものである。足首軸7は足底屈や背屈を可能にする。脚軸8の軸周りには、伸展した脚の状態で足のつま先が外側又は内側へ回せられるように下肢体3が内旋又は外旋する。
【0023】
図2の部分図は、
図1の矯正器具利用者1の、矯正器具10が取り付けられている状態の姿勢を示し、かつ矯正器具10を概略的に示している。矯正器具10は概略的に示している取り付け装置11を有し、当該取り付け装置11は矯正器具利用者1の胴体2に取り付けられるように形成されている。取り付け装置11は、カラー、殻、又は多数片のシャフトとして構成され得、矯正器具利用者1の胴体2、例えばウェスト、腰、又は骨盤の範囲に取り付け可能である。取り付け装置11は、ベルト、締め具、クランプ、又は調整可能な取り付け素子によって取り付け可能である。取り付け装置11は骨盤の周囲にも延び、第一矯正器具部分30が肢体3毎に当該取り付け装置11に関節で取り付けられている。第一矯正器具部分30は、関節22、23を介して相互に接続されている3つの区域31、32、33を有する。取り付け装置11から最寄りの区域である区域33、いわゆる「取り付け区域」も関節21を介して取り付け装置11に配置されているため、第一矯正器具部分30が3つの関節23、22、21すべてを介して取り付け装置11に回転可能に配置される。第一矯正器具部分30は太ももに固定され、有利には概略的に示しているのみの一般のカラー又はベルト60を介して矯正器具利用者1の太ももの周囲に固定される。太もも装具31より遠位に下腿装具40が接続され、当該下腿装具40は矯正器具膝関節34を介して太もも装具31と回転可能に連結されている。下腿装具の遠位端40には、矯正器具足首関節45が接続され、当該矯正器具足首関節45は下腿装具40を足装具50と関節で連結させる。足装具50と共に下腿装具40は、例えばベルト60、カラー、マジックテープ(登録商標)等の取り付け手段によって下肢体3の各部に取り付けられている。矯正器具膝関節34又は矯正器具足首関節45の関節軸36、47は、下肢体3の自然な動きを可能にするように天然膝関節又は足首関節の関節軸6、7と同一線上に構成されている。また矯正器具足首関節45には、足底屈又は背屈のみが備わっている。
【0024】
3つの関節21、22、23を有する関節装置20の構成では、各関節21、22、23の関節軸24、25、28は1つの共通点100で交差し、当該関節軸24、25、28の交差点は天然腰関節の回転中心に対応する。軸24、25、28が全て腰関節の球頭に対応する球形の範囲を通過すれば軸24、25、28が正確に1つの幾何学的な点で交わらなくても良いだろう。
【0025】
本実施例では、一方の矯正器具の関節21、22、23、34、45の関節軸24、25、28、36、47は夫々まさに1つの回転自由度を備えている。第一矯正器具部分30の関節装置20の関節軸24、25、28は、まさに天然腰関節の回転中心に位置する1つの点で交差し、第一関節21の回転軸24は外転又は内転を可能にするように前額面に対して垂直に伸びている。第二関節22の回転軸25は主に太ももの伸展又は屈折のための腰回転中心であって、当該腰回転中心は膝関節の上げ下げに必要である。第三関節23は、天然腰関節より下に配置され、回転軸28を形成し、当該回転軸28は実質的に脚軸8と同一線上に延び、それゆえに足又は下肢体全体が内旋又は外旋出来る。
【0026】
関節装置20の各転性回転軸24、25、28の自由度は、お互いに影響を及ぼさず、下肢体3の広い回転範囲にわたって腰関節の自然な動きを可能に、特に各下肢体3の外転や内転及び内旋や外旋を可能にするように配向されている。
【0027】
図3は内側へ回転した右肢体3の、矯正器具を取り付けていない矯正器具利用者1を示す。各軸の方向は図面通り、足首関節軸7や膝関節軸6はお互いにほぼ平行で、脚軸8は足の内旋や外旋を可能にし、腰関節内には更なる二つの腰軸が交差し、すなわち矢状面内にあって下肢体3の外転や内転を可能にする腰軸4、及び前額面内にあって下肢体3の伸展屈折を可能にする腰軸5が交差する。
【0028】
図4は、矯正器具10を取り付けた状態にある
図3による姿勢の詳細を示す図である。右肢体3の内旋は、主に右の一つ目関節21の回転軸24周りの傾転と共に、第三関節23の回転軸28周りの回転によって実現される。関節21、23両方における回転の動きの重複によって、取り付けられた足部50を介して内旋及びそれに応じた外旋を実現することが出来る。従って、矯正器具を使用することによって、非生理的な歩行パターンをもたらす分回し運動をせずに簡単に曲線歩行が出来る。また、
図4によると、第三関節23の回転軸28は、第一関節や第二関節の回転軸24、25に対して直交に配向するものではなく、他の回転軸23、24に対して傾斜する。その第三関節23の傾斜した回転軸28によって、下肢体を二つの面において動かすことが出来、すなわち脚回転及び外転又は内転させることができる。脚の内旋又は外旋のみが望まれた場合、それと共に起こる外転又は内転は、矯正器具内の肢体が外転又は内転を実行せず(若しくはその様な動きを実行するように強制されずに)、内旋又は外旋の面のみにおいて可動の回転関節21内に補償される。従って、本矯正器具は脚の動きを正確に案内し、脚の理想運動軸に対して同一でない回転軸24、25、28の方向は矯正器具内に補償され、脚回転の際に第二回転関節22は関与せずその他の回転関節21、23から分離している。
【0029】
第三関節23は天然腰関節の下方に配置され、かつ、太ももの裏面及び後方向に太ももと間隙を介して位置されるように腰関節に対して後方向や遠位方向に位置付けられている。第三関節23の回転軸28の脚軸8に対して足の内旋又は外旋を可能にする同一線上配置は不可能である。なぜなら、第三回転関節23を足の下方に配置しなければならない。さもないと、回転軸28の平行配置は回転軸と間隙を介してなり、それゆえに回転軸24、25、28が共通点100で交差しないことになってしまう。
【0030】
図5は三つの関節区域31、32、33を備えた関節装置20の詳細図であり、それら関節区域は夫々関節22、23を介して接続されている。取り付け素子11は部分的に表示され、第一関節21の間の接続部でもある。第一関節21の回転軸24は下肢体の外転や内転を可能にする。
【0031】
図5のように、関節21、22、23の各回転軸24、25、28は矯正器具利用者内の共通点100で交差し、いわゆる仮想関節は天然腰関節の回転中心を投影している。その構成によって、完全かつ自然な動きを腰内で実行することが出来る。関節装置20の全ての関節21、22、23は夫々1つのみの自由度、すなわち回転自由度を有し、第一矯正器具部分30を取り付け装置11に接続する第一関節21の回転軸24が矢状面内に位置するのに対し、他の回転軸25、28は実質的に前額面内に位置し、関節装置20における関節21、22、23の回転軸24、25、28の各自由度はお互いに影響を及ぼさず、つまりお互いから分離されている。
【0032】
図5は左脚用矯正器具の一部の構成を示す。第一回転関節21は回転軸24が天然腰関節と実質的に同じ高さで位置するように位置するのに対し、主に屈折や伸展に関与する第二関節22は天然腰関節の高さよりやや下方、つまり第一回転軸24を通過する水平面の下方に配置される。回転関節22は天然腰関節と同じ面、又は天然腰関節より上に位置し得る。第二回転関節22を通過する第二回転軸25は共通点100において第一回転軸24と交差する。従って、第二回転軸25は共通点100に向かって斜め上方に延びている。
【0033】
第三関節23の回転軸28は好ましくは第一回転軸24を通過する矢状面内に位置するが、軸24、28間の角度はそのような矢状面の外に向かう場合にも鋭角であるため、第三関節23を矯正器具利用者の腰関節より下方かつ後方、並びに矯正器具利用者の骨盤より下方に位置させることが出来る。
【0034】
第二回転関節22が共通点100を通過する水平面より下方に位置するため、第二及び第三関節22、23の回転軸25、28の間にも鋭角が生じる。従って、軸24、25、28は全て非直交に互いに重なっている。
【0035】
生理的制約又は必要な治療的制約がある際に最大回転角を制限又は調節するように、関節21、22、23、34、45全てに回転範囲限界停止部を調整可能に形成し得る。
【0036】
また、動きの際、例えば太もも及び/又は下腿の伸展又は屈折をもたらす際に、矯正器具利用者を支援するように少なくとも1つの関節装置にモーター等の駆動部又は力貯蔵部を属させ得る。
【0037】
図6は矯正器具利用者1に取り付けられている矯正器具の正面の部分図である。取り付け区域33及び腰において屈折や伸展を実質的に可能にする回転軸25を有し、取り付け区域33を後続の区域32と接続する関節22の他、矯正器具利用者1の両面で太ももに取り付けられている太もも装具と関節装置30を回転軸25の軸周りに動かすことを可能にする駆動部70が配置され、当該駆動部70を介して患者の腰関節の屈折又は伸展を軽減する。
【0038】
図7は矯正器具利用者1に取り付けられている矯正器具10の上面図である。カラー式の取り付け手段は腹部ベルトを介して矯正器具利用者1に取り付けられている。
図7のように、矯正器具利用者1の横側に配置された関節22の回転軸25は初期状態で実質的に前額面内に伸び、天然腰関節を通過することによって、関節区域33、32と連結された各駆動部70は右下肢体及び左下肢体の屈折を支援する又はもたらすことが出来る。
【0039】
また、上面図のように、取り付け区域32を取り付け装置11に接続する関節21は利用者の背後に配置され、かつ、下肢体の外転又は内転を実現するように回転軸24は実質的に矢状面で水平前方を向いている。したがって、接続区域33の各外側区域を上げ下げする。
【0040】
また、
図7の上面図のように、第一関節21や第二関節22より遠位に配置する第三関節23は矯正器具利用者1の背後に位置され、斜め上方に向かう回転軸28を形成し、当該回転軸28も同様に実質的に各肢体の矢状面内にあって、他の関節21、22の他の回転軸24、25と天然腰関節の周辺で交差する。
【0041】
図8の側面図は初期状態の矯正器具10を示している。矯正器具10が取り付けている取り付け装置11はベルト状のマジックテープ(登録商標)を介して胴体に取り付け可能なカラーとして構成されている。また、第一矯正器具部分30の太もも装具31は太ももを包囲するカラーに配置されているベルト60を介して太ももに取り付け可能である。下腿を下腿装具40に取り付けるように矯正器具膝関節34の下方には下腿カラー60が配置され、矯正器具足首関節45の周辺には足首カラー60が配置されている。矯正器具足首関節45を介して足部50は下腿装具40と回転可能に接続されている。足部50の回転は矯正器具足首関節45周りの背屈又は足底屈の他、更に実質的に水平かつ矢状面に配向する回転軸周りにも考えられる。
【0042】
図8のように、矯正器具には複数の駆動部70が属させられ、当該駆動部70は夫々各矯正器具部分の屈折又は伸展を可能にする。太ももの屈折を関節22の回転軸25周りで可能にするように駆動部70のうち1つは取り付け区域33と中間区域32の間に配置されている。加えて、太もも装具31には、太もも装具31に対して下腿装具40が屈折伸展するための、更なる駆動部70が矯正器具膝関節34の周りに位置されている。足首関節軸周りに屈折するための第三駆動部70が下腿装具40に配置され、それゆえに、歩くための主たる動きを各駆動部70によって生み出す又は支援することが出来る。
【0043】
図8の側面図のように、第一関節21、つまり脚の外転内転を可能にする第一回転軸24は共通点100又は仮想の腰関節100と同じ高さに位置している。回転軸25上の伸展屈折に主に関与する第二回転関節22は共通点100の下方、つまり第一回転軸24に対して遠位にずらされて位置するが、関節軸25は共通点100と同じ高さ又は上にも位置し得る。また、第三関節23は第二回転関節22又は回転軸25に対して遠位にずらされて位置し、つまり骨盤の下方、およそ共通点100と矯正器具膝関節34の真ん中に位置する。
【0044】
図9は回転軸25の周りに屈曲した右下肢体を備える矯正器具10の構成を示している。回転は仮想腰関節100の周り、つまり関節装置20の三つの軸が交差する点周りに発生する。それと同時に、矯正器具膝関節34を屈曲し、それゆえにほぼ自然な動きを可能にし、下腿装具40は実質的に垂直に配向したままである。
【0045】
図10は矯正器具の構成を正面からみた脚矯正器具の姿を示している。取り付け装置11の横には取り付け装置11と取り付け区域33の間において外転内転を実行するための第一関節21が中間装具の両側に位置する。
図10は第二関節区域32を取り付け区域33に対して第二関節22の軸周りに回転させる駆動部70と、第一関節21の各回転軸と脚矯正器具の内旋外旋に主に関与する第三関節23の整列を示している。
【0046】
図10は矯正器具を各下肢体に取り付けるベルトを備えたカラー60の他、矯正器具膝関節34、矯正器具足首関節45及び足部50を外側又は内側へ回転させる回転軸55を示している。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1]脚矯正器具(10)を矯正器具利用者(1)の胴体(2)に取り付けるための取り付け装置(11)及び少なくとも1つの関節装置(20)を有し、前記矯正器具利用者(1)の肢体(3)に固着可能な第一矯正器具部分(30)が前記少なくとも1つの関節装置(20)によって前記取り付け装置(11)に対して回転可能に配置された脚矯正器具(10)であって、前記少なくとも1つの関節装置(20)は少なくとも3つの関節(21、22、23)を備え、前記関節は夫々少なくとも1つの回転軸(24、25、28)を有し、前記回転軸は一つの共通点(100)で交差することを特徴とする脚矯正器具(10)。
[2]前記少なくとも1つの関節装置(20)に少なくとも1つの駆動部又は力貯蔵部を属させることを特徴とする[1]に記載の脚矯正器具。
[3]前記少なくとも1つの関節装置(20)において少なくとも1つの関節(22)の回転軸(25)の自由度が他の関節(21、23)の回転軸(24、28)の自由度に影響を及ぼさないことを特徴とする[1]又は[2]に記載の脚矯正器具。
[4]前記回転軸(24、25、28)が前記矯正器具利用者(1)の腰関節の回転中心で交差することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[5]脚矯正器具(10)を取り付けるための取り付け装置(11)が骨盤、腹部、又はウェストに構成され、かつ前記第一矯正器具部分(30)が太もも装具として構成されることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[6]前記第一矯正器具部分(30)が相互に関節で接続する複数の区域(31、32、33)を有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[7]前記第一矯正器具部分(30)に少なくとも更なる1つの矯正器具部分(40、50)を関節で取り付けることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[8]前記少なくとも更なる1つの矯正器具部分(40、50)が前記肢体(3)に取り付け可能に構成されることを特徴とする[7]に記載の脚矯正器具。
[9]前記更なる矯正器具部分(40、50)の間の関節(34、45)における回転軸(36、47)が、脚矯正器具(10)を取り付けている状態で肢体(3)の関節軸(6、7)と整列することを特徴とする[7]又は[8]に記載の脚矯正器具。
[10]前記関節装置(20)における関節(21、22、23)の回転軸(24、25、28)が夫々正確に一つの自由度を有することを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[11]前記関節(21、22、23、36、45)の回転範囲が調整可能であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[12]前記回転軸(25)が腰の伸展屈折を可能にし、前記関節装置(20)に前記回転軸(25)の周りで有効な駆動部を属させることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[13]前記回転軸(24、25、28)のうち少なくとも二つが相互に非直交に配向することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[14]駆動される軸(25)はトルクを他の軸(24、28)に印加しないことを特徴とする[1]〜[13]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[15]駆動されない軸(25)又は複数の駆動されない軸(24、28)の周囲トルクが他の軸(24、28)又は他の軸(25)に影響を及ぼさないことを特徴とする[1]〜[14]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。
[16]矯正器具(10)を矯正器具利用者(1)の胴体(2)に取り付けるための取り付け装置(11)及び少なくとも1つの関節装置(20)を有し、前記矯正器具利用者(1)の肢体(3)に固着可能な第一矯正器具部分(30)が関節装置(20)によって前記取り付け装置(11)に対して回転可能に配置され、前記少なくとも1つの関節装置(20)は少なくとも3つの関節(21、22、23)を備え、当該関節は夫々1つの回転軸(24、25、28)を有し、当該回転軸は一つの共通点(100)で交差する矯正器具(10)であって、前記関節装置(20)において少なくとも1つの関節(22)の回転軸(25)の自由度が他の関節(21、23)の回転軸(24、28)の自由度に影響を及ぼさないことを特徴とする矯正器具(10)。
[17]前記回転軸(24、25、28)が共通点(100)で交差し、交差点(100)で少なくとも三つの独立自由度を形成することを特徴とする[16]に記載の矯正器具。
[18]前記回転軸(24、25、28)が前記矯正器具利用者(1)の天然関節の回転中心で交差することを特徴とする[16]又は[17]に記載の矯正器具。
[19]前記関節装置(20)に少なくとも1つの駆動部又は力貯蔵部を属させることを特徴とする[16]〜[18]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[20]前記第一矯正器具部分(30)が相互に関節で接続する複数の区域(31、32、33)を有することを特徴とする[16]〜[19]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[21]前記第一矯正器具部分(30)に少なくとも更なる1つの矯正器具部分(40、50)を関節で取り付けることを特徴とする[16]〜[20]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[22]前記少なくとも更なる1つの矯正器具部分(40、50)が前記肢体(3)に取り付け可能に構成されることを特徴とする[21]に記載の矯正器具。
[23]他の矯正器具部分(40、50)の間の関節(34、45)における回転軸(36、47)が、矯正器具(10)を取り付けている状態で前記肢体(3)の関節軸(6、7)と整列することを特徴とする[21]又は[22]に記載の矯正器具。
[24]前記関節装置(20)における前記関節(21、22、23)の前記回転軸(24、25、28)が夫々一つの自由度を有することを特徴とする[16]〜[23]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[25]前記関節(21、22、23、36、45)の回転範囲が調整可能であることを特徴とする[16]〜[24]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[26]前記回転軸(24、25、28)のうち少なくとも二つが相互に非直交に配向することを特徴とする[16]〜[25]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[27]駆動される軸(25)はトルクを他の軸(24、28)に印加しないことを特徴とする[16]〜[26]のいずれか一項に記載の矯正器具。
[28]駆動されない軸(24、25、28)の周囲トルクが他の軸(24、25、28)に影響を及ぼさないことを特徴とする[16]〜[27]のいずれか一項に記載の脚矯正器具。