(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体は、前記部品配置室の下方に位置する底壁と、縦方向において、前記電気部品と前記底壁との間に位置するスペーサとを有する請求項1〜3のいずれかに記載の施錠装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照し、この発明に係る施錠装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。また、以下の実施形態は、本発明の欠くことのできない要件を含む他に、選択的に採用することのできる要件及び適宜に組み合わせることのできる要件を含んでいる。
【0011】
図1は、この発明に係る施錠装置10を底面側からみた分解斜視図であり、
図2は、施錠装置10を平面側からみた分解斜視図である。
図1および
図2における双頭矢印のX,Y,Zは、施錠装置10において、互いに交差(直交)する横方向Xと、縦方向Yと、厚さ方向Zとを示している。本実施形態では、横方向Xが前後方向に一致し、縦方向Yが上下方向に一致している。
【0012】
施錠装置10は、例えば、屋外に設置してあるロッカー1に使用してある。施錠装置10は、例えば、
図3および
図4に示すように、ロッカー本体2に対して扉3が、
図4中に双頭矢印Bで示す前後方向へ移動することによって、ロッカー本体2の開口8を開閉可能なロッカー1に使用するものであって、ロッカー本体2に取り付ける本体20と、扉3に取り付けるストライカ70とを有している。
【0013】
ストライカ70は、扉3にネジ79によって取り付けてある。ストライカ70は、ネジ79の先端を挿入するネジ孔71aを有するストライカ本体71と、ラッチ(ラッチレバー)50の係合溝54に係合する係合部72とを有する。
【0014】
本体20は、
図3に示すように、厚さ方向Zにおいて互いに対向する、一方の側板2aと他方の側板2bとの間に位置する空間5に位置するように、他方の側板2bに固定した被取付板6にボルト9aを介して取り付けてある。一方の側板2aは、前後方向において、前方に位置する前方部分2cを有するとともに切欠4を有し、ロッカー本体2に対して扉3を開くことが規制された状態では、この切欠4に、
図4に示すストライカ70の係合部72が位置することとなる。
【0015】
本体20は、
図1および
図2に示すように、ケース11とカバー21とを有し、ケース11とカバー21とによって筐体18が画成され、筐体18の内部に本体内部空間(部品配置室)19を有している。本体20は、筐体18の横方向Xの寸法を2等分する中心線P−Pを有している(
図6参照)。また、
図5に示すように、コイル31aを有するソレノイド本体31に対して進退可能なプランジャ33を有する電磁ソレノイド30と、プランジャ33の進退に応じて旋回するラチェット(ラチェットレバー)40の回転軸41と、ラッチ(ラッチレバー)50の回転軸51と、マイクロスイッチ60とを、本体20の本体内部空間19に配置してある。このような本体20は、電磁ソレノイド30と、ラチェット40と、ラッチ50と、マイクロスイッチ60とを有している。
【0016】
ケース11は、例えば、合成樹脂材料で形成してあって、
図1および
図2に示すように、矩形状のケースベース部12と、ケースベース部12の周縁にそれぞれ位置して厚さ方向Zへ延びるケース天壁部12aと、ケース底壁部12bと、ケース第1側壁部12cと、ケース第2側壁部12dとを有しているとともに、ケースベース部12の下方に位置し、ダンパー23を保持するダンパー保持部13とを有している。ケース天壁部12aとケース底壁部12bとは、縦方向Yにおいて互いに対向している。ケース第1側壁部12cとケース第2側壁部12dとは、横方向Xにおいて互いに対向している。
【0017】
ケース11は、ケースベース部12を厚さ方向Zへ貫通する第1貫通孔17dを、例えば、3つ有するとともにケースベース部12を厚さ方向Zへ貫通する第2貫通孔17eを、例えば3つ有している。
【0018】
ケース11は、前後方向の前方(横方向Xの一方の側)に、ケース第1切欠部14を有している。ケース第1切欠部14は、ケース第2側壁部12dに位置する第1部分14aと、ケースベース部12に位置する第2部分14bとによって画成される。第1部分14aは、厚さ方向Zへ延び、縦方向Yにおいて、ケース第2側壁部12dを分断している。第2部分14bは、第1部分14aに繋がり、前方側から後方側へ向けて縦方向Yの寸法が徐々に小さくなるように配置してある。
【0019】
ケース11は、前後方向の後方(横方向Xの他方の側)に位置するケース第1側壁部12cにおいて、上方に位置するケース第2切欠部15と、下方に位置するケース第3切欠部16とを有している。
【0020】
ケース底壁部12bは、本体内部空間19と、ダンパー保持部13のダンパー内部空間23a(
図6参照)とを仕切る隔壁である。ケース底壁部12bは、本体内部空間19とダンパー内部空間23aとを連通する第1開口17a(第1出水口E2(
図6参照))と、第2開口17b(第2出水口E3(
図6参照))と、第3開口17c(補助出水口E4(
図6参照))とを有している。換言すれば、本体20の本体内部空間19の下方に位置するケース底壁部12bには、第1開口17aと第2開口17bと第3開口17cとを配置してある。
【0021】
第2開口17bは、最も前方側に配置してあり、第1開口17aは最も後方側に配置してあり、第3開口17cは、横方向Xにおいて、第1開口17aと第2開口17bとの間に配置してある。
【0022】
ケース11は、
図6に示すように、第1壁部81の下端81bから第1出水口E2へ連続する第1ケースガイド壁部19aと、第2壁部82の下端82dから第2出水口E3へ連続する第2ケースガイド壁部19bとを有している。
【0023】
ダンパー保持部13が有するダンパー内部空間23aは、ダンパー23を配置するための空間であって、
図1および
図2に示すように、上方に位置するケース底壁部12bと、ダンパー底壁部13bと、ダンパー第1側壁部13cと、ダンパー第2側壁部13dとによって画成されている。
【0024】
ダンパー底壁部13bは、
図6に示すように、横方向Xの中央に、ダンパー内部空間23aから外部へ通じるダンパー出水口13gを有しているとともに、ダンパー底壁部13bにおけるダンパー内部空間23aは平坦に形成してあり、かつダンパー保持部13は、
図1および
図5に示すように、前方側に円形の前方開口13eを配置してある一方、後方側には矩形の後方開口13fを配置してある。このため、ダンパー内部空間23aに水が溜まるのを抑えることができる。また、ダンパー保持部13の前方開口13eからは、ダンパー先端部23cが突出している。
【0025】
ダンパー第1側壁部13cの外面およびケースベース部12の外面は、本体20の厚さ方向Zにおける一方の側において連続する平坦な板状に一体的に形成してある。ケース底壁部12bと、ダンパー底壁部13bとは、縦方向Yにおいて互いに対向している。ダンパー第1側壁部13cと、ダンパー第2側壁部13dとは、厚さ方向Zにおいて互いに対向している。
【0026】
ダンパー23は、例えば、弾性を有する合成樹脂材料で形成してあり、ダンパー内部空間23aの内部に位置する円筒状のダンパー本体部23bと、ダンパー内部空間23aの外部に位置するダンパー先端部23cとを有している。なお、
図1〜
図4には、ケース11のダンパー内部空間23aにダンパー23を配置してある一方、
図5〜
図7では、ダンパー23を取り外した状態を示してある。
【0027】
ダンパー本体部23bは、
図6に示すように、筐体18の本体内部空間19の下方であって、第1流路R1および第2流路R2の下方において第1出水口E2および第2出水口E3に隣接するように配置してある。
【0028】
ダンパー本体部23bは、円筒状に形成してある一方、第1開口17a、第2開口17b、第3開口17c、およびダンパー出水口13gは、それぞれ矩形状に形成してあるため、
図1および
図2に示すように、第1開口17a、第2開口17b、第3開口17c、およびダンパー出水口13gのそれぞれからダンパー23本体の一部が突出している。
【0029】
ダンパー先端部23cは、ケース第2側壁部12d(本体第2側壁部20d)および前方部分2cから突出するように配置してあり(
図1および
図3参照)、扉3が閉まるとき、扉3に当接する部分である。
【0030】
カバー21は、例えば、合成樹脂材料で形成してあって、
図1および
図2に示すように、矩形状のカバーベース部22と、カバーベース部22の周縁にそれぞれ位置して厚さ方向Zへ延びるカバー天壁部22a、カバー第1側壁部22cと、カバー第2側壁部22dとを有している。カバー天壁部22aとケース底壁部12bとは、縦方向Yにおいて互いに対向している。カバー第1側壁部22cとカバー第2側壁部22dとは、横方向Xにおいて互いに対向している。
【0031】
カバー21は、前後方向の前方にカバー第1切欠部24を有している。カバー第1切欠部24は、前後方向の前方に位置するカバー第2側壁部22dに位置する第3部分24aと、カバーベース部22に位置する第4部分24bとによって画成される。第3部分24aは、厚さ方向Zへ延び、縦方向Yにおいて、カバー第2側壁部22dを分断している。第4部分24bは、第3部分24aに繋がり、前方側から後方側へ向けて縦方向Yの寸法が徐々に小さくなるように配置してある。
【0032】
カバー21は、前後方向の後方に位置するカバー第2側壁部22dにおいて、上方に位置するカバー第2切欠部25と、下方に位置するカバー第3切欠部26とを有している。
【0033】
カバー21は、厚さ方向Zへ延びるスペーサ29を下部に有している。スペーサ29は、カバーベース部22の下方の端縁から上方へ向けて延びるように形成してある。
【0034】
カバー21のスペーサ29とカバー第1側壁部22cとの間には、カバー第2切欠部25が横方向Xへ延び、スペーサ29とカバー第2側壁部22dとの間には、カバー第4切欠部27が位置している。
【0035】
カバーベース部22は、第1壁部81の下端81b(
図6参照)から第1出水口E2へ連続する第1カバーガイド壁部27aと、第2壁部82の下端82d(
図6参照)から第2出水口E3へ連続する第2カバーガイド壁部27bとを有している。
【0036】
カバーベース部22は、
図2に示すように、厚さ方向Zにおいて、ケースベース部12の第1貫通孔17dと対向する位置に、厚さ方向Zへ貫通する第3貫通孔28cを、例えば、3つ有している。
【0037】
カバーベース部22は、厚さ方向Zにおいて、ケースベース部12の第2貫通孔17eと対向する位置に、ネジ孔28aを有する突出部28bを有している。カバーベース部22は、例えば、ネジ孔28aおよび突出部28bを3つ有している。
【0038】
ケース11の第2貫通孔17eに先端を通したネジ9bをカバー21のネジ孔28aに螺合させることによって、ケース11にカバー21を固定し、筐体18を画成する。筐体18を画成した状態では、
図6に示すように、ケース天壁部12aとカバー天壁部22aとによって本体天壁部20aが画成され、ケース第1側壁部12cとカバー第1側壁部22cとによって本体第1側壁部20cが画成され、ケース第2側壁部12dとカバー第2側壁部22dとによって本体第2側壁部20dが画成される。また、筐体18を画成した状態では、ケース第1切欠部14およびカバー第1切欠部24によって、ストライカ70の係合部72が進退する溝37が本体20に画成され、ケース第2切欠部15およびカバー第2切欠部25によって、第1入水口E1が画成され、ケース第3切欠部16およびカバー第3切欠部26によって、電磁ソレノイド30の導線34aおよびマイクロスイッチ60の導線61aを通す導線口38bが画成される。
【0039】
また、筐体18を画成した状態では、第1カバーガイド壁部27aと第1ケースガイド壁部19aとが厚さ方向Zにおいて対向し、第2カバーガイド壁部27bと第2ケースガイド壁部19bとが厚さ方向Zにおいて対向する。
【0040】
厚さ方向Zにおいて、第1カバーガイド壁部27aと第1ケースガイド壁部19aとの間には、マイクロスイッチ60の導線61aを通すための導線口(不図示)が画成され、第2カバーガイド壁部27bと第2ケースガイド壁部19bとの間には、ラッチ50が旋回するためのラッチ旋回開口(不図示)が画成される。
【0041】
図6に示すように、第1出水口E2、第2出水口E3、補助出水口E4、および導線口38bの上方に、第1入水口E1、および第2入水口である溝37を配置してある。
【0042】
ケース11とカバー21とを組み立てた後、ボルト9aの先端を、第1貫通孔17dおよび第3貫通孔28cに挿入した後、被取付板6に固定してあるナット(不図示)にボルト9aを螺合して、本体20を被取付板6に固定する。
【0043】
電磁ソレノイド30は、防滴性を有するものであって、
図2および
図5に示すように、自身の長手方向と、本体20の縦方向Yとが一致するように配置してある。また、電磁ソレノイド30は、導線を巻くことによって形成されたコイル31aと、コイル31aの内部に位置する不図示の固定鉄芯と、コイル31aの縦方向Yと横方向Xとを覆うフレーム32とを有するソレノイド本体31を備えている。さらに、電磁ソレノイド30は、コイル31aに電圧を印加することによって磁界が発生したとき、固定鉄芯に引き寄せられることによってソレノイド本体31に退行するプランジャ33と、固定鉄芯に対してプランジャ33の先端が突出するようにプランジャ33を付勢する不図示の付勢部材(コイルバネ)とを有している。コイル31aを形成する導線34aの一端および他端は、電源34に接続(
図5および
図6参照)してあり、電源34によってコイル31aに電圧を印加することが可能である。また、プランジャ33が進退する方向は、縦方向Yとなるように電磁ソレノイド30を配置してある。プランジャ33の先端には、厚さ方向Zへ延びるピン33aを固定してある。
【0044】
電磁ソレノイド30のフレーム32と、ケース11およびカバー21との間には、
図2に示すように、本体内部空間19における電磁ソレノイド30の位置を決定する位置決め部39を配置してある。位置決め部39は、フレーム32に形成した複数のフレーム凸部32aと、それらフレーム凸部32aに係合し、カバー21に形成されたカバー凹部21a、およびケース11に形成されたケース凹部11aとによって画成される。
【0045】
フレーム32と、ケース11およびカバー21との間には、位置決め部39を配置してあるため、ドライバー等の工具を必要とすることなしに、ケース11およびカバー21にフレーム32を取り付けることができる。
【0046】
ラチェット40は、
図5に示すように、回転軸41を中心に旋回可能な態様で筐体18(本体20)に取り付けてあって、回転軸41に固定してある円形のベース部42と、ベース部42の径外方向へそれぞれ延びる第1端部43および第2端部44とを有している。第1端部43は、プランジャ33の先端に位置するピン33aに当接可能なように配置してある。第2端部44の先端は、ラッチ50の一方の係止部53aと係合可能な爪部44aを有している。
【0047】
ラチェット40は、さらに、第1端部43と第2端部44との間において、ベース部42の径外方向へ突出するラチェット突出部45と有している。
【0048】
本体20とラチェット40との間には、
図5中、ラチェット40を時計回り方向へ旋回する第1トーションバネ(第1弾性部材)49を配置してある。ラチェット40が時計回り方向へ旋回すると、ラチェット突出部45がカバー天壁部22aに当接し、ラチェット40の時計回り方向への旋回が規制される。
【0049】
ラッチ50は、回転軸51を中心として旋回可能な態様で筐体18(本体20)に取り付けてあって、回転軸51に固定してある円形のベース部52と、ベース部52から径外方向へ延びる一対の係止部53a,53bと、回転軸51の軸心回り方向において、一対の係止部53a,53bの間に位置する係合溝54と、回転軸51の軸心回り方向において、係止部53a,53bの反対側に位置して、径外方向へ突出するラッチ突出部55を有している。一対の係止部53a,53bにおいて、一方の係止部53aの径外方向への長さ寸法が、他方の係止部53bの径外方向への長さ寸法よりも長く、係合溝54にはストライカ70の係合部72が進入可能であり、係合溝54に係合部72が進入した状態では、ラッチ50とストライカ70とが係合した状態となり、本体20に対してストライカ70の移動が規制されるとともにロッカー本体2に対して扉3の移動が規制されることとなる。
【0050】
本体20とラッチ50との間には、
図5中、ラッチ50を時計回り方向へ旋回する第2トーションバネ(第2弾性部材)59を配置してある。ラッチ50が時計回り方向へ旋回すると、一方の係止部53aの先端がカバー第2側壁部22dに当接し、ラッチ50の時計回り方向への旋回が規制される。
【0051】
ラッチ突出部55は、ラッチ50とストライカ70との係合状態では、
図7に示すように、マイクロスイッチ60のスイッチ65を押圧する一方、ラッチ50とストライカ70との係合状態では、
図5に示すように、スイッチ65を押圧することがない。
【0052】
マイクロスイッチ60は、ラッチ50とストライカ70とが係合状態にあるときのみ、検出信号を制御部61に送信するものであって、スイッチ本体62と、スイッチ本体62に弾性変形が可能なように取付部63を介して取り付けられた変形部64と、変形部64が変形した状態にあるときのみ押し下げられるスイッチ65とを有している。
【0053】
図5において、筐体18(本体20)の溝37にストライカ70の係合部72(
図4参照)が進入すると、係合部72がラッチ50の一方の係止部53aに当接し、ラッチ50が
図5中、反時計回りに旋回するとともに、係合部72がラッチ50の係合溝54に進入し、
図7に示すように、一方の係止部53aと他方の係止部53bとの間に位置する係合溝54に係合部72が位置し、かつラチェット40の爪部44aとラッチ50の一方の係止部53aとが係合すると、ラッチ50の係止部53a,53bと、ストライカ70の係合部72とが係合した状態(施錠状態)となり、ストライカ70の移動が規制される。この施錠状態では、ロッカー本体2に対して扉3が開かれるのが規制される。さらに、施錠状態では、ラッチ50の一方の係止部53aとラチェット40の第2端部44の爪部44aとが係合しているため、
図7におけるラッチ50の時計回り方向の旋回が規制される。また、ラッチ突出部55がマイクロスイッチ60の変形部64に当接して、変形部64を変形させるとともに、変形部64によってスイッチ65が押し下げられ、スイッチ本体62から、ラッチ50が施錠位置に旋回した状態である旨の信号が制御部61に送信される。
【0054】
その後、制御部61の指令に基づき、電源34から電圧が電磁ソレノイド30に印加されると、ソレノイド本体31に対してプランジャ33が退行し、このプランジャ33の退行によってラチェット40が
図7中、反時計回りに旋回する。そのようにラチェット40が旋回すると、ラッチ50の一方の係止部53aとラチェット40の一方の端部の爪部44aとの係合が解除され、第2トーションバネ59の付勢力によって、
図7中、ラッチ50が時計回り方向へ旋回し、このラッチ50の旋回によって、
図5に示すように、ラッチ50の係止部53a,53bと、ストライカ70の係合部72との係合が解除され、係合部72は、ラッチ50の係合溝54および本体20の溝37から退行し、施錠装置10は、扉3が開かれるのを許容する解錠状態となる。
【0055】
その後、制御部61の指令に基づき、電磁ソレノイド30に対する電源34からの電圧の印加が解除されると、電磁ソレノイド30の不図示の付勢部材の付勢力によって、ソレノイド本体31に対してプランジャ33が進出する。
【0056】
本体20は、オプションとして、
図5に示すように、強制解除レバー85を備えている。強制解除レバー85は、本体内部空間19に位置する回転軸86を中心に旋回可能であって、回転軸86から径外方向へそれぞれ延びる第1端部87および第2端部88を有している。
【0057】
第1端部87の一方の端に位置する把持部87aは、第1入水口E1を通じて本体内部空間19の外部に出ている。第2端部88は、電磁ソレノイド30のプランジャ33の先端に固定してあるピン33aに当接可能なように強制解除レバー85を配置してある。
【0058】
使用者が把持部87aを持ち、回転軸86を中心として強制解除レバー85を、
図5中、時計回り方向へ旋回させると、プランジャ33の先端を退行させるとともに、ラチェット40を
図5中、反時計回りに旋回させることができ、ラチェット40とラッチ50との係合、およびラッチ50とストライカ70との係合を強制的に解除することができる。
【0059】
この施錠装置10では、強制解除レバー85の把持部87aが通過する開口と、第1入水口E1とを共通にするため、本体内部空間19の外部と内部とが通じる開口の数を減らして本体内部空間19に水が入るのを抑えることができる。
【0060】
本体20は、本体内部空間19において、ラチェット40と、ラッチ50と、電磁ソレノイド30と、マイクロスイッチ60とによって囲まれる空間に、ガイド部80を有している。
【0061】
ガイド部80は、本体内部空間19の厚さ方向Zにおいて、ケース11とカバー21との間を連続するものであって、第1壁部(壁部)81と、第2壁部82と、第3壁部83とを有し、例えば、カバー21に配置してある。
【0062】
第1壁部81は、縦方向Yへ延びるように形成してあって、電磁ソレノイド30に隣接するように配置してある。また、第1壁部81は、縦方向Yにおいて、第1入水口E1と第1出水口E2との間に配置してある。
【0063】
第2壁部82は、縦方向Yにおいて、第1入水口E1と溝37との間に配置してある。第2壁部82は、第1壁部81の上端81aを始点として、横方向Xへ延びた後、縦方向Yおよび横方向Xに対して傾斜する態様で延びるように形成してあって、ラチェット40の下方域であるとともに、マイクロスイッチ60の上方域に配置してある。より詳細に説明すると、第2壁部82は、横方向Xへ直線状に延びる第1部位82aと、第1部位82aの端部から下方へ延びる第2部位82bと、第2部位82bの下端から、横方向Xおよび縦方向Yに対して傾斜するように直線状に延びる第3部位82cとを有している。第2壁部82の横方向の長さ寸法L1(
図5参照)は、マイクロスイッチ60の端子を含めた横方向の長さ寸法L2(
図5参照)よりも大きく、マイクロスイッチ60の上方域に第2壁部82が位置している。第1壁部81、ならびに第2壁部82,第3部位82cは、上方域の横方向Xの両側に位置している。
【0064】
第3壁部83は、第1壁部81の下端81bと、第2壁部82の下端82dとを連続するように形成してある。
【0065】
本体20は、第1入水口E1と第1出水口E2との間において、電磁ソレノイド30のフレーム32と、第1壁部81と、第1ケースガイド壁部19aと、第1カバーガイド壁部27aとによって、第1入水口E1から第1出水口E2へ水が流れる第1流路R1が形成される。このため、第1入水口E1から本体20の本体内部空間19に浸入した水は、電磁ソレノイド30のフレーム32に沿って移動した後、ガイド部80の第1壁部81に沿って上方から下方に移動した後、第1ケースガイド壁部19aおよび第1カバーガイド壁部27aに沿って上方から下方に移動し、第1出水口E2を通して本体内部空間19から排出される。
【0066】
第1入水口E1、第1出水口E2、および第1流路R1は、本体20の本体内部空間19の横方向Xの一方側(前後方向における後方側)に配置してある。なお、明細書において、横方向Xの一方側、および他方側とは、筐体18の中心線を基準とし、中心線よりも横方向Xの一方側または他方側に位置していることをいう。
【0067】
また、本体20は、第1流路R1の途中において、第1流路R1から分岐する分岐流路R3を備えている。より具体的には、本体20は、第1入水口E1と第2出水口E3との間において、第1壁部81の上端81aから、第2壁部82と、第2ケースガイド壁部19bと、第2カバーガイド壁部27bとによって、第1入水口E1から第2出水口E3へ水が流れる分岐流路R3が形成される。このため、第1入水口E1から本体20の本体内部空間19に浸入した水は、電磁ソレノイド30のフレーム32の上端に沿って移動した後、ガイド部80の第2壁部82に沿って横方向Xへ移動し、その後、第2ケースガイド壁部19bおよび第2カバーガイド壁部27bに沿って上方から下方に移動し、第2出水口E3を通して本体内部空間19から排出される。
【0068】
また、本体20は、第2入水口である溝37と第2出水口E3との間において、本体第2側壁部20dと、ケース底壁部12bとによって、溝37から第2出水口E3へ水が流れる第2流路R2が形成される。このため、溝37から本体20の本体内部空間19に浸入した水は、他方の側壁(本体第2側壁部20d)およびケース底壁部12bに沿って移動した後、第2出水口E3を通して本体内部空間19から排出される。
【0069】
第2入水口である溝37、第2出水口E3は、本体20の本体内部空間19の横方向Xの他方側(前後方向における前方側)に配置してある。
【0070】
ケース底壁部12bは、横方向Xにおいて、第1出水口E2と第2出水口E3との間に、補助出水口E4を有しているため、第1入水口E1から本体内部空間19へ浸入した水の一部は、補助出水口E4から本体内部空間19の外部へ排出される。
【0071】
その後、第1出水口E2、第2出水口E3、および補助出水口E4を通じてダンパー内部空間23aに浸入した水は、円筒状のダンパー本体部23bの周面に沿って移動し、ダンパー出水口13g、前方開口13e、および後方開口13fを通じてダンパー内部空間23aから外部へ排出される。
【0072】
この施錠装置10によれば、本体20の本体内部空間19には、マイクロスイッチ60の上方に位置する第1入水口E1と、第1入水口E1の下方に位置する第1出水口E2と、第1入水口E1と第1出水口E2との間に位置する第1壁部81とを配置してあり、電磁ソレノイド30は、防滴性を有するとともに、第1入水口E1に浸入した水が第1出水口E2へ流れる第1流路R1の途中に配置してあり、電磁ソレノイド30および第1壁部81は、第1流路R1の一部を形成するものであり、マイクロスイッチ60は第1流路R1から外れた位置に配置してあるため、マイクロスイッチ60に水がかかることを抑えることができ、これによって、マイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0073】
本体20は、扉3が閉まるとき、扉3に当接するダンパー23を有するため、ダンパー23に扉3が当接すると、扉3の速度が減少して音が小さくなる。また、ダンパー23は、本体20の本体内部空間19の下方であって、第1流路R1の下方において第1出水口E2に隣接するように配置してあるため、ダンパー内部空間23aから、ダンパー23を伝って前方開口13e、後方開口13f、およびダンパー出水口13gから水が外部へ排出され、これにより、本体内部空間19の水捌けが向上する。
【0074】
さらに、第2壁部82の一部がマイクロスイッチ60の上方域に位置するとともに、第1壁部81および第2壁部82の一部が上方域の横方向Xの両側に位置し、かつ、第2壁部82と第2出水口E3とによって流路から分岐する分岐流路R3が形成されるため、本体内部空間19に水が溜まるのを防止することができるとともに、マイクロスイッチ60が分岐流路R3から外れた位置に配置されるため、マイクロスイッチ60に水がかかるのを抑えてマイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0075】
加えて、本体20は、本体内部空間19の下方に位置する底壁(ケース底壁部12b)と、縦方向Yにおいて、マイクロスイッチ60とケース底壁部12bとの間に位置するスペーサ29とを有するため、マイクロスイッチ60に水がかかることを抑えてマイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0076】
さらに、マイクロスイッチ60は、横方向Xにおいて、補助出水口E4と第2出水口E3との間に配置してあるため、マイクロスイッチ60に水がかかることを抑えてマイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0077】
加えて、導線口E5から水を出すことによって、本体内部空間19に水が溜まるのを防止し、マイクロスイッチ60に水がかかることを抑えてマイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0078】
さらに、ストライカ70が進退する溝37が本体20の第2入水口であり、第2入水口である溝37と第2出水口E3とによって第2流路R2が形成され、マイクロスイッチ60は、第2流路R2から外れた位置に配置してあるため、マイクロスイッチ60に水がかかることを抑えてマイクロスイッチ60が故障するのを抑えることができる。
【0079】
加えて、筐体18には、電磁ソレノイド30に隣接する一方の側壁(本体第1側壁部20c)に、第1入水口E1および導線口38bが配置されているため、電磁ソレノイド30に対する電圧の印加と、電圧の印加の解除とを繰り返すことによって電磁ソレノイド30が発熱しても、電磁ソレノイド30の発熱を第1入水口E1および導線口38bからその発熱を逃がすことができる。
【0080】
なお、上記した施錠装置10では、ロッカー本体2に、施錠装置10の本体20を取り付ける一方、扉3にストライカ70を取り付けるもので説明した。しかし、この発明は、ロッカー本体2にストライカ70を取り付ける一方、扉3に施錠装置10の本体20を取り付けてもよい。
【0081】
ダンパー23の周面と、ダンパー保持部13を構成する、ケース底壁部12bと、ダンパー底壁部13bと、ダンパー第1側壁部13cと、ダンパー第2側壁部13dとの間には、隙間を有するように、ダンパー保持部13とダンパー23とを配置させ、水捌けを向上させてもよい。それぞれが矩形状である第1開口17a、第2開口17b、第3開口17c、およびダンパー出水口13gの一部または全部に凹部を形成し、その凹部を通して水が流れれば、本体内部空間19およびダンパー内部空間23aの水捌けを向上することができる。
【0082】
なお、上述した実施形態には、ケース11およびカバー21の2つの部品を組み立てることによって筐体18が画成される施錠装置10を説明した。しかし、本発明はそれに限られず、1つの部品によって筐体18を画成してもよいし、3つ以上の部品を組み立てることによって筐体18を画成してもよい。
【0083】
さらに、上述した実施形態では、ラチェット40と本体20との間に位置し、ラチェット40を
図5中、時計回り方向へ旋回するように付勢する第1弾性部材として第1トーションバネ49を用いる施錠装置10を説明した。しかし、この発明はそれに限られず、第1トーションバネ49の代わりに他の第1弾性部材を用いてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、ラッチ50と本体20との間に位置し、ラッチ50を
図5中、時計回り方向へ旋回するように付勢する第2弾性部材として第2トーションバネ59を用いる施錠装置10を説明した。しかし、この発明はそれに限られず、第2トーションバネ59の代わりに他の第2弾性部材を用いてもよい。
【0085】
さらに、上述した実施形態では、ガイド部80をカバー21に配置する例で説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ガイド部80をケース11に配置してもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、電気部品としてマイクロスイッチ60を使用する例で説明した。しかし、この発明はそれに限られず、電気部品として他の部品を使用してもよい。
【0087】
さらに、上述した実施形態では、横方向Xおよび縦方向Yにおいて、ケース11のケース凹部11aの位置と、カバー21のカバー凹部21aの位置とが同一である施錠装置10を説明した。しかし、この発明はそれに限られず、横方向Xおよび縦方向Yにおいて、ケース11のケース凹部11aの位置と、カバー21のカバー凹部21aの位置とが異なってもよい。この場合、フレーム凸部32aの位置を、ケース11に対向する側とカバー21に対向する側とで異なるように配置しなければならないが、電磁ソレノイド30の表裏を間違えることを防止することができる。
【0088】
施錠装置を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」、「第2」および「第3」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
【0089】
これまでに説明した本発明は、少なくとも以下のように整理することができる。ソレノイド本体31に対して進退可能なプランジャ33を有する本体20を備え、プランジャ33の進退によって扉3の開閉を制御する電磁ソレノイド30を備える施錠装置10において、本体20は、マイクロスイッチ60を配置する本体内部空間19を有し、本体内部空間19には、マイクロスイッチ60の上方に位置する第1入水口E1と、第1入水口E1の下方に位置する第1出水口E2と、第1入水口E1と第1出水口E2との間に位置する第1壁部81とを配置してあり、電磁ソレノイド30は、防滴性を有するとともに、第1入水口E1に浸入した水が第1出水口E2へ流れる第1流路R1の途中に配置してあり、電磁ソレノイド30および第1壁部は、第1流路R1の一部を形成するものであり、マイクロスイッチ60は、第1流路R1から外れた位置に配置してあることを特徴とする。
【0090】
また、本発明には、少なくとも以下の実施態様がある。
(1)本体20は、扉3が閉まるとき、扉3に当接するダンパー23を有し、ダンパー23は、本体内部空間19の下方であって、第1流路R1の下方において第1出水口E2に隣接するように配置してある。
(2)第1入水口E1、第1出水口E2、および第1流路R1は、本体内部空間19の横方向Xの一方に配置してあり、本体20は、横方向Xの他方に、第1入水口の下方に位置する第2出水口E3と、縦方向Yにおいて、第1入水口E1と第2出水口E3との間に位置する第2壁部82とを有し、第2壁部82と第2出水口E3とによって、第1流路R1から分岐する分岐流路R3が形成され、第2壁部82はマイクロスイッチ60の上方域に位置するとともに、第1壁部81および第2壁部82の一部は上方域の横方向Xの両側に位置し、マイクロスイッチ60は分岐流路R3から外れた位置に配置してある。
(3)本体は、本体内部空間19の下方に位置するケース底壁部12b(底壁)と、縦方向Yにおいて、マイクロスイッチ60とケース底壁部(底壁)12bとの間に位置するスペーサ29とを有する。
(4)横方向Xにおいて、第1出水口E2と第2出水口E3との間には、本体20に浸入した水が本体内部空間19から出る補助出水口E4を配置してあり、マイクロスイッチ60は、横方向Xにおいて、補助出水口E4と第2出水口E3との間に配置してある。
(5)本体20は、電磁ソレノイド30の導線34aおよびマイクロスイッチ60の導線61aを通す導線口E5と第1入水口E1と有し、横方向Xの一方に位置する本体第1側壁部(側壁部)20cを有し、本体第1側壁部(側壁部)20cは、電磁ソレノイド30に隣接するように配置してある。
(6)本体20は、ストライカ70に係合するラッチ50と、ラッチ50の回転を規制するラチェット40とを有し、本体内部空間19は、第2出水口E3の上方であって、横方向Xの他方に位置する第2入水口を有するとともに、第2入水口に浸入した水が第2出水口E3へ流れる第2流路R2を有し、第2入水口は、ストライカ70が進退する本体20の溝37であり、マイクロスイッチ60は、第2流路R2から外れた位置に配置してある。