(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647265
(24)【登録日】2020年1月16日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】噴射ヘッドクリーニングモジュール
(51)【国際特許分類】
B29C 64/35 20170101AFI20200203BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20200203BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20200203BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20200203BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
B29C64/35
B05C11/10
B41J2/165 303
B41J2/165 101
B33Y30/00
B05C5/00 101
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-211944(P2017-211944)
(22)【出願日】2017年11月1日
(65)【公開番号】特開2018-176708(P2018-176708A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2018年6月19日
(31)【優先権主張番号】106127991
(32)【優先日】2017年8月17日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】106113535
(32)【優先日】2017年4月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514008930
【氏名又は名称】三緯國際立體列印科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYZprinting, Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】511262603
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】李洋得
(72)【発明者】
【氏名】莊家驛
(72)【発明者】
【氏名】謝易助
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−503342(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0042321(US,A1)
【文献】
特開2008−302701(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0079601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/35
B05C 5/00
B05C 11/10
B33Y 30/00
B41J 2/165
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射ヘッドクリーニングモジュールであって、
1組の水平支持面が一部に形成されたメインスロープが設けられたハウジングベースと、
前記ハウジングベース内に収容され、かつ上方向に凸出したスクレーパが設けられ、前記メインスロープに当接する1組のメインスライド突起が凸設され、かつサブスロープが設けられ、前記ハウジングベースに対向して前記メインスロープに沿って傾斜して昇降シフトして前記スクレーパを昇降作動させることが可能であり、前記組のメインスライド突起が前記メインスロープに位置するとき、前記組のメインスライド突起は前記メインスロープの前記スクレーパを昇降シフトする方向に沿って前記メインスロープと複数の接触点を有し、前記組のメインスライド突起が前記水平支持面に位置するとき、前記組のメインスライド突起は前記組の水平支持面と複数の接触点を有するメイン載置台と、
前記メイン載置台内に収容され、かつ前記メイン載置台が移動するときに同時に牽引され、上方向に凸出した保護カバーが設けられ、少なくとも一部は前記サブスロープに当接するサブ載置台と、
前記サブ載置台に対応して配置され、移動中の前記サブ載置台に当接するとき、前記サブ載置台が前記サブスローブに沿って前記メイン載置台に対向して移動するよう推動して前記保護カバーを上昇させることが可能であり、かつ前記組のメインスライド突起が前記組の水平支持面に移動して入るとき、前記組の水平支持面は前記組のメインスライド突起を支持して前記保護カバーを上昇した位置に維持する干渉構造と、を含む噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項2】
前記干渉構造は前記ハウジングベース内に設けられている請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項3】
駆動ユニットをさらに含み、前記駆動ユニットは前記メイン載置台に接続され、しかも前記メイン載置台を推動可能である請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項4】
前記駆動ユニットはモータおよび歯車群を含み、かつ前記歯車群は前記モータおよび前記メイン載置台をそれぞれ連動する請求項3に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項5】
前記メイン載置台はラックを有し、かつ前記ラックは前記歯車群に噛合している請求項4に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項6】
前記ラックは前記メインスロープに平行である請求項5に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項7】
前記メインスロープと前記サブスロープとは傾斜方向が逆である請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項8】
前記メインスロープの上端は前記干渉構造を向いて配置されている請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項9】
前記サブ載置台には前記サブスロープに当接するサブスライド突起が凸設されている請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項10】
前記スクレーパは昇降作動して前記ハウジングベースの頂面から凸出可能である請求項1記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項11】
前記保護カバーは昇降作動して前記ハウジングベースの頂面から凸出可能である請求項1記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項12】
前記組のメインスライド突起は複数の円柱状のメインスライド突起を含み、前記組の水平支持面は各前記メインスライド突起にそれぞれ対応する複数の水平支持面を含み、前記組のメインスライド突起が前記メインスロープに位置するとき、各前記メインスライド突起は前記メインスロープにそれぞれ接触し、前記組のメインスライド突起が前記水平支持面に位置するとき、各前記メインスライド突起は各前記水平支持面にそれぞれ接触する請求項1記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【請求項13】
前記組のメインスライド突起は単一の菱柱状のメインスライド突起を含み、かつ前記メインスライド突起は挟角配置された第1支持面および第2支持面を有し、前記組の水平支持面は前記メインスライド突起に対応する単一の水平支持面を含み、前記メインスライド突起が前記メインスロープに位置するとき、前記第1支持面は前記メインスロープに密着し、前記組のメインスライド突起が前記水平支持面に位置するとき、前記第2支持面は前記組の水平支持面に密着する請求項1に記載の噴射ヘッドクリーニングモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱溶解式3Dプリンタ装置の噴射ヘッドクリーニングモジュールに関し、特にコンシールド式の噴射ヘッドクリーニングモジュールである。
【背景技術】
【0002】
着色可能な3Dプリンタ装置は通常、溶融樹脂を押し出すための成形噴射ヘッド、およびインクを噴射して着色するための着色ヘッドを有している。従って、該3Dプリント装置には着色噴射ヘッドをクリーニングするためのクリーニングモジュール、および3Dプリント装置が遊休時に着色噴射ヘッドに蓋をしてインクが乾燥することを防ぐための1組の蓋板モジュールが設けられている。
【0003】
通常、クリーニングモジュールは成形平面に凸出したブラシヘッドを含み、着色噴射ヘッドがブラシヘッドまで移動してそれと摩擦することで着色噴射ヘッドを拭き払ってクリーニングする。蓋板モジュールは通常、昇降運動可能であり、少なくとも一部の機構は成形平面から凸出することで着色噴射ヘッドを推動させて蓋板を上昇させる。
【0004】
成形平面には上述の部材が少なくとも凸出され、プリント作業を行うときに成形噴射ヘッドまたは着色噴射ヘッドの作動範囲が前述の凸出部材を干渉することを防がなければならない。成形噴射ヘッドが成形平面の辺縁まで移動するとき、着色噴射ヘッドは成形平面の範囲を既に超えて、前述の凸出部材を干渉している可能性がある。従って、成形噴射ヘッドは特定方向のストロークにおいて、成形平面の辺縁に到達することが許容されない。成形平面の一部面積はプリント製品に用いることができず、プリント製品サイズが制限される。
【0005】
ブラシヘッドおよび蓋板は同期して作動するわけではないので、ブラシヘッドおよび蓋板を成形平面以下に収容するには、2組のモータおよび歯車群を設けてそれぞれ駆動する必要があり、装置の体積およびコストが増加する。
これに鑑み、本発明者は上述の既存技術について特に鋭意検討し、かつ学問上の理論の運用を踏まえ、上述の課題を解決すよう努力することが本発明者の改良の目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はコンシールド式の噴射ヘッドクリーニングモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は噴射ヘッドクリーニングモジュールを提供し、ハウジングベース、メイン載置台、サブ載置台、および干渉構造を含む。ハウジングベースにはメインスロープが設けられ、メインスロープの一部には1組の水平支持面が形成されている。
【0008】
メイン載置台はハウジングベース内に収容され、かつメイン載置台にはメイン載置台から上方向に凸出したスクレーパが設けられ、メイン載置台にはメインスロープに当接するメインスライド突起が凸設され、かつメイン載置台にはサブスロープが設けられ、メイン載置台はハウジングベースに対向してメインスロープに沿って傾斜して昇降シフトしてスクレーパを昇降作動させることが可能であり、メインスライド突起がメインスロープに位置するとき、メインスライド突起はメインスロープの
前記スクレーパを昇降シフトする方向に沿って、メインスロープと複数の接触点を有し、メインスライド突起が水平支持面に位置するとき、メインスライド突起は水平支持面と複数の接触点を有する。
【0009】
サブ載置台はメイン載置台内に収容され、かつメイン載置台が移動するときに同時に、サブ載置台を牽引し、サブ載置台にはサブ載置台から上方向に凸出した保護カバーが設けられ、サブ載置台の少なくとも一部はサブスロープに当接する。
【0010】
干渉構造はサブ載置台に対応して配置され、干渉構造が移動中のサブ載置台に当接するとき、サブ載置台がサブスロープに沿ってメイン載置台に対向して移動するよう推動して保護カバーを上昇させることが可能であり、メインスライド突起が水平支持面に移動して入るとき、水平支持面はメインスライド突起を支持して保護カバーを上昇した位置に維持する。
【0011】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、その干渉構造がハウジングベース内に設けられている。
【0012】
本発明の噴射クリーニングモジュールは、駆動ユニットをさらに含み、駆動ユニットはメイン載置台に接続され、しかもメイン載置台を推動可能である。その駆動ユニットはモータ、および歯車群を含み、かつ歯車群はモータおよびメイン載置台をそれぞれ連動する。メイン載置台にはラックを有し、かつラックは歯車群に噛合している。ラックはメインスロープに平行している。
【0013】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、そのメインスロープとサブスロープとの傾斜方向が逆である。メインスロープの上端は干渉構造に向いて配置されている。サブ載置台にはサブスロープに当接するサブスライド突起が凸設されている。スクレーパは昇降作動してハウジングベース頂面から凸出可能である。保護カバーは昇降作動してハウジングベースの頂面から凸出可能である。
【0014】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、複数の円柱状のメインスライド突起、およびそれぞれ各メインスライド突起に対応する複数の水平支持面を含んでもよく、メインスライド突起がメインスロープに位置するとき、各メインスライド突起はメインスロープにそれぞれ接触し、メインスライド突起が水平支持面に位置するとき、各メインスライド突起は各水平支持面にそれぞれ接触する。
【0015】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、単一の菱柱状のメインスライド突起、およびメインスライド突起に対応する単一の水平支持面を含んでもよく、かつメインスライド突起は挟角配置された第1支持面および第2支持面を有し、メインスライド突起がメインスロープに位置するとき、第1支持面はメインスロープに密着し、メインスライド突起が水平支持面に位置するとき、第2支持面は水平支持面に密着する。
【0016】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、メイン載置台が傾斜経路に沿って移動し、サブスロープおよび干渉構造が推進方向を変換する。従って、メイン載置台を移動するだけでスクレーパおよび保護カバーがそれぞれ垂直昇降作動するよう牽引可能である。しかもメイン載置台がストローク終点まで移動したとき、ハウジングベースのメインスロープにおける水平支持面がメイン載置台を支持可能であり、動力により駆動されない状態でメイン載置台がメインスロープに沿って滑り落ちないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの立体分解概略図である。
【
図2】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの立体分解概略図である。
【
図3】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの立体概略図である。
【
図4】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの作動状態の各位置の概略図である。
【
図5】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの作動状態の各位置の概略図である。
【
図6】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの作動状態の各位置の概略図である。
【
図7】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの作動状態の各位置の概略図である。
【
図8】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの作動状態の各位置の概略図である。
【
図9】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの他の形態の作動状態の各位置の概略図である。
【
図10】本発明の好適な実施例の噴射ヘッドクリーニングモジュールの他の形態の作動状態の各位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から
図4を参照すると、本発明の好適な実施例は、熱溶解型の3Dプリンタ装置(図示せず)に応用され、かつこの3Dプリンタ装置の成形平面10に対応して配置されている噴射ヘッドクリーニングモジュールを提供する。本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、ハウジングベース100、メイン載置台200、サブ載置台300、駆動ユニット400、および干渉構造120を含む。
【0019】
本実施例において、ハウジングベース100は中空ハウジングであるが、本発明は材質を限定しているわけではない。ハウジングベース100は前述の3Dプリンタ装置に固定され、しかも成形平面10の片側に配置されている。ハウジングベース100の頂面101には少なくとも1つの開口102を有し、かつハウジングベース100の頂面101は成形平面10を超えず、ハウジングベース100の頂面101は好適には、成形平面10と面一に配置されるが、ハウジングベース100の頂面101が成形平面10よりも低く配置されてもよい。
【0020】
ハウジングベース100内には少なくとも1つのメインスロープ110が設けられ、本実施例において、ハウジングベース100には構造機能が同一な1対のメインスロープ110が設けられ、各メインスロープ110の一部には1組の水平支持面111が形成され、該組の水平支持面111は単一または複数の水平支持面111(本実施例においては2つの水平支持面111である)を含み、以降の文ではそのうちの1つのメインスロープ110についてのみ説明する。
【0021】
メイン載置台200はハウジングベース100内に収容され、かつメイン載置台200にはメイン載置台200から上方向に凸出したスクレーパ230が設けられ、メイン載置台200内には少なくとも1つのサブスロープ220が設けられ、本実施例においては、メイン載置台200内には複数の同一のサブスロープ220が設けられ、かつ該それらのメインスロープ110と該それらのサブスロープ220とは傾斜方向が逆であり、メイン載置台200の外底面には傾斜して配置されたラック201が設けられ、かつラック201はメインスロープ110に平行して配置されている。
【0022】
メイン載置台200の外側面には少なくとも1組のメインスライド突起210が凸設され、本実施例において、メイン載置台200の外側面には前述の各メインスロープ110に対応して構造機能が同一な2組のメインスライド突起210が凸設されている。
【0023】
各組のメインスライド突起210は対応するメインスロープ110にそれぞれ当接し、各組のメインスライド突起210は単一、または複数のメインスライド突起210(本実施例においては2つのメインスライド突起210である)を含み、メインスライド突起210の数は水平支持面111の数に対応し、かつ各メインスライド突起210はそれぞれ支持面111に対応して作動する。
【0024】
以降の文ではそのうちの1組のメインスライド突起210についてのみ説明し、該組のメインスライド突起210が該メインスロープ110に位置するとき、該組のメインスライド突起210は該メインスロープ110の
スクレーパ230を昇降シフトする方向に沿って該メインスロープ110と複数の接触点を有し、複数のメインスライド突起210がメインスロープ110に支持されることでメイン載置台200がメインスロープ110に沿う過程において回転することを防いで同一姿勢を保つことを可能にする。
【0025】
該組のメインスライド突起210が該水平支持面111に位置するとき、該組のメインスライド突起210は該組の水平支持面111と複数の接触点を有し、複数のメインスライド突起210が水平支持面111に支持されることでメイン載置台200が水平支持面111に入った後に、回転することを防いで先と同一の姿勢を保つことを可能にする。
【0026】
メイン載置台200はハウジングベース100に対向してメインスロープ110に沿って傾斜して昇降シフトしてスクレーパ230を昇降作動させることが可能である。本実施例において、具体的には、該組のメインスライド突起210がメインスロープ110に位置するとき、各メインスライド突起210はメインスロープ110にそれぞれ接触し、メインスライド突起210が該水平支持面111に位置するとき、各メインスライド突起210は対応する各水平支持面111にそれぞれ接触する。
【0027】
サブ載置台300はメイン載置台200内に収容され、かつサブ載置台300にはサブ載置台300から上方向に凸出した保護カバー320が設けられ、サブ載置台300の少なくとも一部はサブスロープ220に当接する。サブ載置台300の外側には少なくとも1つのサブスライド突起310が凸設され、本実施例において、サブ載置台300の外側面には前述の各サブスロープ220に対応して構造機能が同一なサブスライド突起310がそれぞれ凸設されている。各サブスライド突起310は対応するサブスロープ220にそれぞれ当接し、以降の文ではそのうちの1つのサブスライド突起310についてのみ説明する。
【0028】
駆動ユニット400はメイン載置台200に接続され、しかもメイン載置台200がハウジングベース100に対向して傾斜して昇降移動するよう推動してスクレーパ230を昇降作動させることが可能であり、スクレーパ230は昇降作動し、開口102を通過してハウジングベース100の頂面101から凸出可能である。
【0029】
本実施例において、駆動ユニット400は、モータ410および歯車群420を含み、モータ410はハウジングベース100に固定され、歯車群420はモータ410およびメイン載置台200をそれぞれ連動する。
【0030】
具体的には、歯車群420はモータ410に接続され、しかもメイン載置台200のラック201に噛合し、従ってモータ410はメイン載置台200がメインスロープ110に沿って昇降移動するよう推動することが可能である。メイン載置台200が移動するとき同時に、その中に収容されたサブ載置台300を牽引する。
【0031】
干渉構造120はサブ載置台300に対応してハウジングベース100内に配置され、本実施例において、干渉構造120はハウジングベース100内に形成された凸ステップであり、前述メインスロープ110の上端は干渉構造に120に向いて配置されている。干渉構造120が移動中のサブ載置台300に当接するとき、サブ載置台300を阻止してサブ載置台300の水平位置を維持可能である。
【0032】
メイン載置台200が干渉構造120へ引き続き移動するとき、干渉構造120はサブ載置台300がサブスロープ220に沿ってメイン載置台200に対向して移動するよう推動して保護カバー320を昇降作動させることが可能であり、しかも保護カバー320は昇降作動して、開口102を通過してハウジングベース100の頂面101から凸出可能である。
【0033】
図3から
図5を参照すると、本実施例は、ハウジングベース100の頂面101が成形平面10と面一に配置されていることを例として説明し、3Dプリンタ装置が作動するとき、メイン載置台200はメインスロープ110の下端に位置し、スクレーパ230はハウジングベース100内に収容され、かつハウジングベース100の頂面101以下に位置する。
【0034】
サブ載置台300がサブスロープ220の下端に位置するとき、保護カバー320はメイン載置台200内に収容され、かつハウジングベース100の頂面101以下に位置する。従って、プリント作業を行うとき、着色噴射ヘッド20が移動して成形平面10を超えるよう許容可能であり、従って、成形平面10の使用可能空間がさらに広い。
【0035】
着色噴射ヘッド20をクリーニングするとき、モータ410によりメイン載置台200がメインスロープ110に沿って干渉構造120に向かって移動上昇するよう駆動し、スクレーパ230をハウジングベース100の頂面101から出させる。このとき、サブ載置台300は干渉構造120に触れておらず、保護カバー320は引き続きメイン載置台200内に収容され、かつハウジングベース100の頂面101以下に位置する。続いて着色噴射ヘッド20を移動させてスクレーパ230に接触させ、かつ着色噴射ヘッド20へ移動してクリーニングを行う。
【0036】
図6から
図8を参照すると、クリーニング完了後、着色噴射ヘッド20はスタンバイ位置まで移動し、スタンバイ位置は干渉構造120の位置に対応する。モータ410は引き続きメイン載置台200がメインスロープ110に沿って干渉構造120に向かって移動するよう駆動し、サブ載置台300が干渉構造120に接触すると、干渉構造120に阻止されて水平シフトを停止し、このとき、保護カバー320はスタンバイ位置に位置する。
【0037】
モータ410は引き続きメイン載置台200がメインスロープ110に沿って干渉構造120に向かって移動するよう駆動し、サブ載置台300は干渉構造120によりサブスロープ220の上端に押され、保護カバー320を垂直に上昇させ、しかも着色噴射ヘッド20を覆うようにする。かつ該組のメインスライド突起210が該組の水平支持面111に移動して入るとき、該組の水平支持面111は該組のメインスライド突起210を支持して保護カバー320を上昇した位置に維持する。
【0038】
本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは、モータ410によりメイン載置台200が傾斜経路に沿って移動するよう駆動する。傾斜経路の移動は水平および垂直方向の成分をそれぞれ発生させることが可能であるので、垂直成分はスクレーパ230が垂直昇降するよう駆動するとともに、干渉構造120およびサブスロープ220によりメイン載置台200の水平シフト成分を垂直成分に変換することで保護カバー320が垂直昇降するよう駆動する。
【0039】
従って、本発明の噴射ヘッドクリーニングモジュールは単一のモータ410のみでスクレーパ230および保護カバー320がそれぞれ垂直昇降作動するよう牽引可能である。しかもメイン載置台200がストローク終点まで移動したとき、ハウジングベース100のメインスロープ110における水平支持面111はメイン載置台200を支持可能であり、駆動力により駆動されない状態でメイン載置台200がメインスロープ110に沿って滑り落ちないようにする。
【0040】
図9および
図10を参照して、メインスライド突起の他の形態を以下に詳細に説明し、該組のメインスライド突起は単一の菱柱状のメインスライド突起210を含み、かつこのメインスライド突起には挟角配置された第1支持面211および第2支持面212が形成され、第1支持面211と第2支持面212との挟角度は、メインスロープ110と水平支持面111との挟角度と同一である。
【0041】
メインスロープ110の頂端には前述の単一のメインスライド突起210に対応して単一の水平支持面111が形成され、メインスライド突起210がメインスロープ110に位置するとき、第1支持面211はメインスロープ110に密着し、第1支持面211がメインスロープ110に支持されることでメイン載置台200がメインスロープ110に沿う過程で回転することを防いで同一姿勢を保つことを可能にする。
【0042】
メインスライド突起210が水平支持面111に位置するとき、第2支持面212は水平支持面111に密着し、第2支持面212が水平支持面111に支持されることでメイン載置台200が水平支持面111に入った後に、回転することを防いで先と同一の姿勢を保つことを可能にする。
【0043】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明の特許主旨を運用したその他の等価の変更はいずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0044】
10 成形平面
20 着色噴射ヘッド
100 ハウジングベース
101 頂面
102 開口
110 メインスロープ
111 水平支持面
120 干渉構造
200 メイン載置台
201 ラック
210 メインスライド突起
211 第1支持面
212 第2支持面
220 サブスロープ
230 スクレーパ
300 サブ載置台
310 サブスライド突起
320 保護カバー
400 駆動ユニット
410 モータ
420 歯車群