(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体及びアタッチメントに選択的に取り付け可能な、該本体に対する可動域を持つキャリッジを有する産業車両であって、前記産業車両が、誘導パワー伝達ユニットにパワーを伝達するパワー源を有し、
(a)前記本体に取り付けられて、前記パワー源からパワー受信可能な第1の接続子を有するワイヤレスパワー送信器と、
(b)前記ワイヤレスパワー送信器から離間しているワイヤレスパワー受信器であって、前記ワイヤレスパワー送信器からワイヤレスパワーを受信可能であり、前記アタッチメントにパワー供給可能な接続子を有するワイヤレスパワー受信器を含み、
該ワイヤレスパワー受信器は前記キャリッジと共に移動自在であって、前記ワイヤレスパワー送信器から受信されるワイヤレスパワーが、前記キャリッジの可動する方向に沿って整列された前記ワイヤレスパワー送信器の寸法より大きな前記キャリッジの可動域に亘って減少しない産業車両。
前記ワイヤレスパワー受信器が、前記ワイヤレスパワー送信器と整列されていない場合に、該ワイヤレスパワー受信器が、前記アタッチメントへのパワーを供給することが可能である請求項1に記載の産業車両。
前記ワイヤレスパワー受信器が、前記アタッチメントのバッテリーに接続可能な第1の接続子と前記アタッチメントの負荷にパワーを供給可能な第2の接続子を有する請求項1に記載の産業車両。
前記ワイヤレスパワー受信器が、(a)前記ワイヤレスパワー受信器からのワイヤレスパワーを使用して、前記負荷にパワーを送ることと、(b)前記ワイヤレスパワー受信器からのワイヤレスパワーを使用して、前記バッテリーを再充電することと、(c)前記バッテリーからのパワーを使用して、前記負荷にパワーを送ることを可能にするコントローラを有する請求項6に記載の産業車両。
本体と、該本体のパワー源と、該本体に対する可動域を持つキャリッジを有する産業車両に選択的に取り付け可能なアタッチメントであって、前記アタッチメントが、誘導パワー伝達ユニットからのパワーを受信し、
(a)前記本体に取り付けられて、前記パワー源からパワー受信可能な第1の接続子を有するワイヤレスパワー送信器と、
(b)前記ワイヤレスパワー送信器から離間しているワイヤレスパワー受信器であって、前記ワイヤレスパワー送信器からワイヤレスパワーを受信可能であり、前記アタッチメントにパワー供給可能な接続子を有するワイヤレスパワー受信器を含み、
該ワイヤレスパワー受信器は前記キャリッジと共に移動自在であって、前記ワイヤレスパワー送信器から受信されるワイヤレスパワーが、前記キャリッジの可動する方向に沿って整列された前記ワイヤレスパワー送信器の寸法より大きな前記キャリッジの可動域に亘って減少しないアタッチメント。
前記ワイヤレスパワー受信器が、前記ワイヤレスパワー送信器と整列されていない場合に、該ワイヤレスパワー受信器が、前記アタッチメントへのパワーを供給することが可能である請求項8に記載のアタッチメント。
前記可動域が、前記ワイヤレスパワー受信器及び前記ワイヤレスパワー送信器のうちの少なくとも一つの寸法と少なくとも同じ大きさである請求項8に記載のアタッチメント。
前記ワイヤレスパワー受信器が、前記アタッチメントのバッテリーに接続可能な第1の接続子と前記アタッチメントの負荷にパワーを供給可能な第2の接続子を有する請求項8に記載のアタッチメント。
前記ワイヤレスパワー受信器が、(a)前記ワイヤレスパワー受信器からのワイヤレスパワーを使用して、前記負荷にパワーを送ることと、(b)前記ワイヤレスパワー受信器からのワイヤレスパワーを使用して、前記バッテリーを再充電することと、(c)前記バッテリーからのパワーを使用して、前記負荷にパワーを送ることを可能にするコントローラを有する請求項13に記載のアタッチメント。
【背景技術】
【0002】
このような産業機器の一例は、木箱やペーパーロール等の貨物を持ち上げて、あちらこちらへ移動させるアタッチメントに選択的に取り付け可能なリフトトラックキャリッジである。通常、アタッチメントは、パレットを持ち上げるフォーク、ペーパーロールを掴むクランプ等の積荷係合部材を含み、積荷の移動と同様に積荷係合部材の位置決めが、リフトトラックの貯蔵器から供給される流体を使用して液圧で行われる。リフトトラックとアタッチメントの間の加圧流体の移動は、通常、リフトトラックのマストを越えてアタッチメントまで延びる液圧ラインで起こる。
【0003】
例えば、
図1及び2は、液圧シリンダ16及び17によって作動する回転可能なピボットアームクランプ14を使用して、巨大なペーパーロール等の円筒形の物体をクランプやアンクランプするために使用されるロールクランプ12に取り付けられたリフトトラック10を表している。
図1では、シリンダ16及びシリンダ17が1つずつのみ図示されているが、ロールクランプ12は、シリンダ16及びシリンダ17を2つずつ含んでもよく、図示されていないシリンダは、図示されているシリンダ16及び17の後ろに位置する。クランプ14の回転は、ローテーター18によって行われ、双方向液圧モーター20に応答して、クランプを長手方向の軸周りに双方向に回転させる。ロールクランプ12は、それによりクランプアーム14が独立して作動される個別のシリンダ16及17を含んでいるが、あるロールクランプでは、一対のシリンダ16のみを有してクランプアーム14の一つを作動するけれども、シリンダ16によって作動されないクランプアーム14は、固定されている。
【0004】
図2に見られるように、貯蔵器24からの液圧流体が、リフトトラック10のマスト22を越えて延びる2つの液圧ライン26及び27を介して、リフトトラック10及びロールクランプ12間で交換される。リフトトラック10のハンドル28で、操作者は、シリンダ16及び17の作動を介して、クランプアーム14を交互に開いたり、閉じたりでき、並びに、回転子モーター30を介して、時計回り方向、又は反時計周り方向のいずれかの選択された方向で、クランプアーム14を回転させることもできる。ハンドル28上に位置するスイッチ32は、どちらの機能(回転、又はクランプ)がハンドル28によって制御されるかを決定するために使用される。スイッチ32は、ロールクランプ12において、対応するスイッチ38を有するワイヤレス受信器36と通信するワイヤレス送信器34に組み込まれている。そのようにして、例えば、操作者は、スイッチ38により、ばねで偏倚された電磁弁40を開位置と閉位置の間でワイヤレスで操作することが可能である。その他のリフトトラックでは一般的な機能の中で、クランプの開閉以外の、キャリッジを上げる、又は降ろす、キャリッジをサイドシフトする、若しくは、キャリッジをローリングするといった、多くのその他操作が、液圧式で可能になることを当業者は理解できるであろう。
【0005】
開位置(
図2に示す)では、加圧流体が、リフトトラック10の貯蔵器24から、ライン26、27を通って、マスト22を越えて流れ、ハンドル28の位置によって、例えば、ライン26、27を通る流れの方向を決定することによって、2つの回転方向の何れかで、回転子モーター30を作動する。反対に、操作者がスイッチ32を使用し、電磁弁40をワイヤレスで作動する場合、
図2に示すように、貯蔵器24からの流体が、パイロットライン42を通って流れて、セレクターコントロール弁44が、回転子モーター20からクランプシリンダ16及び17へと流体の方向を変える。この構成では、ハンドル28の操作で、ハンドル28の位置によって、例えば、ライン26、27を通る流れの方向を決定することによって、シリンダ16を交互に延ばしたり、引いたりする。例えば、ロールクランプフレームを側方向に延ばすといった第三の液圧機能も含まれる場合には、弁40及び44の組み合わせに似た第二のパイロット操作弁アセンブリが、34及び36のような第二の送信器/受信器セット、並びに、第二のオペレータ制御電気スイッチ32と共に、ピストンとシリンダアセンブリ17に似たアセンブリを使用して、側方向制御用に提供されるであろう。
【0006】
図2で示された弁40及び44のようなリモートアタッチメントに位置する液圧作動電磁スイッチは、操作をするためには相当程度のパワーを要し、通常、ワイヤレスの無線信号で実行可能に転送され得る以上のパワーを必要とする。そのような場合、1つまたは複数の電磁弁がアタッチメントに接続され、並びに、リフトトラックのマストを越えて、リフトトラックとアタッチメント間に張られた電線によって、操作者が、どちらのアタッチメント機能が一組の液圧ラインによって駆動されるかを電気的に選択できるように、沿革的に制御されている。しかしながら、マストは多くの場合、互いに摺動自在に係合する硬いメタルフレームを含んでおり、マストのための伸縮式延長部を提供するようになっている。可動フレームと電線の間にベアリングがあり、並びに、電線は、マスト動作を邪魔することなく、スライド式のメタルフレーム近くに配置する必要があるため、電線を有するマストの設計は、複雑な作業である。非常に慎重な設計でさえ、リフトトラックのマストを越えて移動可能なアタッチメントまで電線を張る際に、破損、短絡、腐食、及び、度重なる取替えや動作不能時間などのその他の問題の原因となる重大な危険、摩滅、劣化に、電線とそれらのコネクタをさらす必要がある。更に、リフトトラックの電気システムは、12ボルトから90ボルトまで及び、電磁弁用の様々な特殊コイルを必要とする。
【0007】
リフトトラックのマストを越えて延びる電線の必要性を取り除くために、いくつかのアタッチメントは、電磁弁を操作するバッテリーのような電源、又は、パワーを必要とする他の装置を、アタッチメント上に装備している。しかしながら、アタッチメント上のバッテリーは非常に早く消耗し、交換及び/又は頻繁に充電する必要がある。これは、とりわけ、各アタッチメントに複数のバッテリーを含むエネルギー集約型のアプリケーションでは、各バッテリーを週ごとに交換したり、再充電のための動作不能時間が必要となり、かなりの負担及び/又は非効率となり得る。
【0008】
バッテリー再充電のための動作不能時間を短縮するために使用される一つの技術は、バッテリーを再充電するために、アタッチメントにパワーを伝送するための誘導コイルを使用することである。そのようなシステムは、Tanakaの日本特許出願2001−245518号に開示されており、アタッチメントのバッテリーを再充電するために、パワーがホスト車両の電源から伝わるように、誘導パワー送信器がホスト車両に堅く取り付けられ、並びに、誘導パワー受信器がアタッチメントに取り付けられている。バッテリーは、順に、パワーをアタッチメントの電気コードリーダに供給する。しかしながら、アタッチメントおよび、それゆえ誘導パワー受信器もホスト車両のマストに沿って動くため、誘導パワー送信器及び誘導パワー受信器が互いに整列されている時のみ、誘導パワーはバッテリー再充電のため使用されうる。この調整で、アタッチメント作動中に、ホスト車両のマストを越えた電線を必要とせずに、バッテリーがいくらか再充電できるが、バッテリーの再充電能力は限られている。従って、Tanakaの誘導再充電システムは、例えば、Tanakaが開示する電気コードリーダのような小負荷に電力を送るバッテリーを再充電するためには効果的に使用されうるが、例えば、
図1及び2で示されたアタッチメントの電磁スイッチのような、より大きなエネルギーを消費する負荷を操作するために、アタッチメントがバッテリーからパワーを引き出す時、バッテリー交換の必要性(又は、再充電にかかる長い動作不能時間)を省くことはできないであろう。
【0009】
それゆえ、望まれることは、例えば、リフトトラック積荷ハンドラーのような、マストを越えた電線やハーネスを必要とせず、リモートアタッチメントで、電気機械装置を操作するための、電力を供給する改良されたシステム及び方法である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述の通り、産業車両のアタッチメント上の電気機械装置の操作の制御システムを設計することは、挑戦的であり、並びに、例えば、アタッチメント上のバッテリーを使用することで時間と共に劣化する傾向にある、マストを越えたワイヤー状の電気接続を省くといったバランス保持を、度々考慮するが、そのことは、残念なことに頻繁に再充電及び/又は取替えが必要となる。更に、いくつかの既存のシステムが、ホスト車両とアタッチメント間のワイヤレス誘導パワー伝達を使用することで、この問題に対処しようとしたが、これらの既存のシステムは、小負荷に動力を供給する時、最も効果的となる。この制限は、作動中、アタッチメントがホスト車両に関連して動く状況から起こる。誘導パワーは、アタッチメントが、使用中有するであろう幅広い位置範囲内で、ひとつの特定位置にある間のみ転送される。
【0018】
アタッチメントがホスト車両に対して動く間でさえ、ホスト車両の電源に取り付けられたパワー送信器とアタッチメントに電気接続されたパワー受信器間を中断せずに、ワイヤレスで、パワーを伝達できるひとつの新しいシステムが、ひとつの実施形態で開示されている。いくつかの実施形態では、バッテリーの充電に加えて、開示されたシステムが、ホスト車両のパワー送信器からパワー受信器に送られるワイヤレスパワーを使用又は可能にし、負荷にパワーを送るためにアタッチメントのバッテリーからパワーを使用することなく、アタッチメントの電気負荷に直接パワーを伝える。更に、いくつかの実施形態では、アタッチメントの負荷が、ホスト車両に対するアタッチメントの全可動域を越えて、パワー受信器からパワーを受信してもよい。例えば、パワー受信器は、作動中、ホスト車両に対するアタッチメントの位置にかかわらず、ホスト車両の負荷に直接パワーを送ることができる。
【0019】
図3を参照して、具体的には、新多機能ワイヤレスパワーコミュニケーション(WPC)ユニット110は、ホスト車両112と、ホスト車両のマスト116に沿って縦方向に摺動可能であるキャリッジ114に搭載された図示しないアタッチメントとの間でパワーを、ワイヤレスで送信できる。ホスト車両は、産業リフトトラックであり、若しくは、例えば、建設車両、又はアタッチメントが選択的に脱着できるその他の可動式産業機器であってもよい。WPCユニット110に開示された特徴は、産業リフトトラックとリフトトラックアタッチメント間の例示的相互作用を参照して、本明細書中に示されているが、WPCユニット110が、例えば、建設、マテアルハンドリング、ロボット工学等のその他多くの用途における使用で、容易に改作されることは当業者によって明らかである。
図3は、WPCパワー送信器118及びホスト車両112に搭載されたWPCパワー受信器120を示しているが、その他の実施形態では、用途及び/又は設計にとって適切な場合には、WPCパワー受信器120がアタッチメントに搭載される一方で、WPCパワー送信器をホスト車両
112に選択的に搭載してよいこともまた理解されるであろう。
【0020】
WPCユニット110の第一の機能は、キャリッジ114、又はホスト車両112のその他構成部材を介して、ホスト車両112の電源から、ホスト車両112に可動式に搭載されたアタッチメントまでパワーをワイヤレスで伝送することである。WPCユニット110は、例えば、ホスト車両112に固定されていると共に、ホスト車両のキャリッジ114に搭載されたWPCパワー受信器120へ誘導的にパワーを伝送可能なWPCパワー送信器118を含んでよい。パワーの用語「誘導的に伝送する」とは、互いに接触しない2つの物体間での誘導によって伝送されるパワーをいう。好ましくは、WPCパワー受信器120によって受信されたパワーは、アタッチメントの電気機械機能を発揮するために直接パワーを送るために使用されてもよい。その他の実施形態では、WPCパワー受信器120によって受信されたパワーが、アタッチメントの電気機械機能を発揮するために直接パワーを送ると共に、アタッチメントのバッテリーを再充電するために使用されてもよく、WPCパワー送信器118から受信されるパワーが、アタッチメントを完全に操作するには不適当である時間間隔の間に、このバッテリーはアタッチメントの電気機械機能を発揮するためにパワーを送るように使用できるようにしてもよい。例えば、
図3に見られるように、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120は、キャリッジ114がホスト車両に対して縦方向に摺動するため、誘導パワー伝送で常に整列されているとは限らない。その他のホスト車両、及び/又はアタッチメントを使用する他の実装品では、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120は、回転フェイスプレート、積荷移動面、又は、積荷プッシュプルアタッチメントにあるような水平方向移動フェースのために、整列されていなくてもよい。
【0021】
これら後者の実施形態では、アタッチメント上の電気機械的又は電気的装置を操作する必要がある時、バッテリーが、いくつかの例で、WPCパワー受信器120によって受信されたパワーを増大、若しくは、置換するために使用されてもよい。その他の例では、WPCユニット110は、アタッチメント上のバッテリーを再充電するために使用されてもよく、そうすることで、次に、アタッチメント上の全ての電気的および電気機械的装置にパワーを送ってもよい。いくつかの実施形態では、WPCパワー受信器120内、又はその他の場所のいずれかに位置されたパワー管理コントローラが、(1)WPCパワー送信器118からのみ、(2)アタッチメント上のバッテリーからのみ、並びに、(3)WPCパワー送信器118及びアタッチメント上のバッテリーから供給されることから、アタッチメント装置にシームレスな電源切替えを可能にすると共に、WPCパワー送信器118からのフルパワーがアタッチメント上の装置に直接パワーを送る必要がないとされた場合に、WPCパワー送信器118からのパワーを用いてアタッチメント上のバッテリーを再充電する。
【0022】
WPCユニット110の第二の機能は、ホスト車両112とアタッチメントの間でRF入力/出力
(RFI/O)信号を送信することである。
RFI/O通信チャネルは、ホスト車両112及びアタッチメント間の非接触の双方向信号方式、及び/又は、パワースイッチングを可能にし、それゆえ、信号を送る、又はセンサーやスイッチの状態に変更を起こすためだけに使用されるのではなく、出力として、好ましくは、ソレノイド、リレー、光デバイス、ホーン等の応答装置、若しくはその他の装置にパワーを直接供給するために使用されることも可能である。好ましくは、
RFI/Oチャネルは、WPCユニット110の電子回路内に供給される。一例として、
WPCパワー送信器118は、WPCパワー受信器120を介して、アタッチメントにスイッチング制御信号を伝えてもよく、そうすることで、次に、これらの信号が伝わり、アタッチメント上の夫々のソレノイドスイッチ/弁にパワーが送られる。もうひとつ別の例として、WPCパワー受信器120は、アタッチメントからWPCパワー送信器118へ、
RFI/O信号を通信してもよく、そうすることで、次に、それらの信号をホスト車両112へリレーする。アタッチメントからホスト車両に戻るこのような信号は、例えば、オペレーションが終了する時に、若しくは、アタッチメントが正しい位置にある時に、表示器を作動させたり、機能制御のためのソレノイドにパワーを送ったりすることによって操作者に知らせるのに有用であり得る。WPCユニット110は、ホスト車両
112及びアタッチメント間の所望の数の
RFI/Oチャネルを、各方向に提供しても良い。好適な実施形態では、WPCユニットは、パワー送信器118及びWPCパワー受信器120間に、2つのRF入力専用チャネル及び2つのRF出力専用チャネルを含む。チャネル数はそれぞれ、それぞれの方向で、アプリケーションに合うよう希望通りに変更されてよいことを理解されたい。
【0023】
WPCユニット110の第三の機能は、ホスト車両112及びアタッチメント間で、(コントローラエリアネットワーク用に)CANバス通信を送信することである。CANバス標準は、マイクロコントローラ及び装置が、ホストコンピュータ無しで、車両内で互いに通信することを可能にするように設計された双方向メッセージベースのプロトコルである。ホスト車両112及びアタッチメント間のCANバス通信は、例えば、アタッチメントからホスト車両112に戻るバーコード、センサデータ等を送信する目的で使用されてもよい。もうひとつ別の例として、WPCパワー受信器120は、アタッチメントからWPCパワー送信器118へアナログ信号を通信してもよく、そうすることで、次に、それらの信号をホスト車両112又は車載コントローラへリレーする。アタッチメントからホスト車両に戻るこのようなRF信号は、例えば、センサー読取りに基づく、適切な流体ライン圧力や流体の流量が、アタッチメント側で行われる時に有用であり得る。
【0024】
好ましくは、CANバス通信チャネルが、30フィート以上のWPCパワー送信器及びWPCパワー受信器間の連続伝送レンジを有する。CANバス通信チャネルは、好ましくは、ユーザ指定のアドレス又はアドレスレンジの選択的伝送を可能にして、パフォーマンスを最適化する。CAN通信の代わりに、若しくは、CAN通信に加えて、WPCユニット110が他のネットワークプロトコルを使用されうることを当業者は理解するであろう。例えば、WPCユニット110によって制御されるアプリケーションの複雑さに応じて、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)プロトコル、HTTP、SMS等のネットワークプロトコルが使用されてもよい。
【0025】
ホスト車両
112及びアタッチメント間のパワー信号、
RFI/O信号、並びに、CANバス信号の伝達を促進するために、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120が、コネクタ124と126をそれぞれ含む。例えば、WPCパワー送信器118は、好ましくは、ホスト車両112の電源に接続可能なパワーコネクタ124a、
RFI/Oコネクタ124b、及び、CANバスコネクタ124cを含む。同様に、WPCパワー受信器120は、好ましくは、アタッチメントのバッテリーに接続可能なパワーコネクタ126a、
RFI/Oコネクタ126b、及び、CANバスコネクタ126cを含む。これら接続子の各々については、本明細書で後に説明する。
【0026】
WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の各々が、好ましくは、ホスト車両
112及び/又は、アタッチメントの保護領域内で、各々を保護するよう設計された形状因子を有する。例えば、
図3に見られるように、ホスト車両112が、倉庫や貨物ドック等の産業環境に典型的な、狭い領域での物体間やその周りを移動する時、WPCユニット110に起こりそうなダメージを最小限にするために、WPCユニット110は、ホスト車両112の前輪122の上方に、並びに、WPCユニットが車輪を越えて側方向に延びないような位置に都合よく位置されてもよい。好適な実施形態では、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の各々が、概して、断面にて、直径およそ145mm、及び幅およそ37mmの円形である。その他の実施形態では、他の適切な形状及び/又は、大きさが使用されてもよいことが理解されよう。
【0027】
更に、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の大きさは、ホスト車両112、又は、アタッチメント上の夫々の位置づけと共に、好ましくは、実行可能になるように、ホスト車両112のキャリッジ114にできるだけ近くに置くため、アタッチメントによって運ばれる積荷をあまり阻害することはない。具体的に、ホスト車両のアタッチメントで貨物を運ぶ時、積荷の前後の重量分布は、ホスト車両112の平衡を失わせることなく、アタッチメントがどのくらいの重さを安全に運べるのかの制限要因である。そのため、
図3に示すように、ホスト車両のキャリッジの後ろに、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の両方を位置することは、有利であり、アタッチメントの載荷能力を減少させることはない。そうでなければ、例えば、WPCパワー受信器がキャリッジ14の上、又は前に、若しくは、アタッチメントの上に位置される場合であろう。
【0028】
図4は、概して、各々が筐体130及びカバー132を含んでいるWPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の夫々の構造を図示している。筐体及びカバーの各々が、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の誘導的伝送を阻害しない炭素繊維、又はその他の硬質プラスチックのような適切な材料でできていてもよい。電流を流す際にインダクタンスを提供するコイル導線134は、筐体130の中に入れ子状に収まっている。ある好適な実施形態では、コイル導線134は、
図4に示すように、一重の渦巻き状に巻かれている。別の実施形態では、必要なら、複数の渦巻きで導線を巻いてもよい。更に他の実施形態では、特に、WPCユニット110が円形の断面でない場合、コイル導線134は、正方形、六角形等の異なる図形の渦巻き状に巻かれてよい。
【0029】
CANバス信号を通信するための回路140、並びに、本明細書にて後ほど非常に詳細に説明されているパワー管理モジュール150を実装する回路と同様に、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の
RFI/O信号を通信するための回路138を含む回
路基盤136は、プラスチック隔離板142によって、コイル導線134から離間されている。
図4は、夫々CAN電気回路140、
RFI/O電気回路138、パワー管理モジュール150を模式的にのみ図示しており、特定の回路が、組合わされ、コンポーネントを共有してよいことが理解されよう。
【0030】
図5は、より詳細に、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の
RFI/O接続子124b及び126bの構成を、夫々図示している。具体的には、WPCパワー送信器118の
RFI/O接続子124bは、積荷を積載した外部トラック、又はトラックパワーで操作できるその他の装置に接続する12Vのコネクタと、ローカル装置からWPCパワー受信器120へ送られる信号を受信する2つのRF入力部、並びに、WPCパワー受信器120の信号入力部からの2つのRF出力部を含む。その他の実施形態では、より多くのRF入力部及び/又は出力部を設けてもよい。それに対するWPCパワー受信器120の
RFI/O接続子126bは、アタッチメント搭載装置に接続するための12V負荷ラインと、ローカル装置からWPCパワー送信器118へ送られる信号を受信する2つのRF入力部、並びに、WPCパワー送信器118の信号入力部からの2つのRF出力部を含む。その他の実施形態では、より多くのRF入力部及び/又は出力部を設けてもよい。CANバスコネクタ124c及び126cの各々が、CAN高低接続を含む。WPCパワー送信器118のパワー接続124aは、アース端子と共にホスト車両10によって供給されるパワーのための12V+端子を含み、並びに、WPCパワー受信器のパワー接続126aは、アタッチメントのバッテリーのプラス及びマイナス端子夫々への接続子を含む。
【0031】
誘導パワー伝送及び電力管理
すでに述べたように、WPCユニット110は、WPCパワー受信器120の同じようなコイル134に、誘導的に、すなわちワイヤレスにパワーを伝送することが可能なコイル134を有するWPCパワー送信器118を含む。好ましくは、WPCユニット110は、ホスト車両112のアタッチメントの装置に直接パワーを伝送することができるよう設計されており、つまり、アタッチメントに遠隔的に搭載されたバッテリーからのパワーを同時に使用することなく、ホスト車両
112のバッテリー、又はその他の電源から受信されるパワーを使用して、アタッチメントの装置が作動されうることを意味する。しかしながら、
図3に見られるように、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120は、十分なパワーを供給するために、必要であれば、常に整列された位置になくてもよく、若しくは、アタッチメントで瞬時に必要とされるパワーが、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の誘導リンクのパワー伝送能力を超えてもよい。そうした状況を提供するために、好適な実施形態では、ホスト車両112のアタッチメントのバッテリーは、アタッチメントの装置を作動するための十分なパワーを供給することもできる。
【0032】
図6は、WPCパワー送信器118及び、アタッチメントの装置を作動する1つまたは複数のバッテリー154の両方から供給されるパワーを管理するWPCパワー受信器120における回路の好適なシステムを図示し、(1)WPCパワー送信器118からのみ誘導的に供給されることから、(2)バッテリー154からのみ供給されることから、並びに、(3)WPCパワー送信器118及びバッテリー154から誘導的に供給されることから、アタッチメントの装置へ、パワー供給を切れ目なく切り替え、同時に、WPCパワー送信器118からのパワーが、アタッチメントの装置にパワーを送ることを直接必要とされない場合、バッテリー154を再充電するために、WPCパワー送信器118からの誘導パワーを使用する。
【0033】
具体的には、好ましくは、WPCパワー受信器120の受信器側回路基盤136は、WPCパワー受信器120において、回路基盤136の接続子152からコイル134への誘導パワーを受信してもよく、並びに、(
図3でも図示されているように)接続子126aを介して、一つの接続子からアタッチメン
トのバッテリー154へのパワーを受信してもよいパワー管理モジュール150を含んでもよい。バッテリー154への接続、及び、誘導コイル134からの接続152の両方は、アタッチメントの負荷158へのパワーを出力する制御装置156への入力部として提供されており、該負荷は、例えば、センサアレイ、バーコードリーダ等を含んでもよい。制御装置156は、また、GP出力チャネル164へパワーを供給し、例えば、ソレノイドアレイ、光デバイス、又はその他のデバイスに接続されてもよい。当業者は、いくつかの実施形態では、制御装置156が、パワー管理モジュール150に統合されてよいことがわかるであろう。
【0034】
好適な実施形態では、WPCパワー送信器118からWPCパワー受信器120に提供される最大誘導電流及びパワーは、夫々、およそ1アンペア及び12ワットである。
図7を参照し、供給される誘導パワーが、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の対向するサーフェス間のミスアライメント関数として減少する。例えば、WPCパワー受信器が、WPCパワー送信器に対して縦方向に摺動する
図3に示す例では、誘導パワー伝達は、徐々に、およそ12mmのミスアライメントに減少し(y原点にて、最大値から縦軸で表示)、その後、急激に降下する。同様に、WPCユニット110が、ホスト車両112、及び/又は、アタッチメン
トに搭載され、作動中、WPCパワー受信器120がWPCパワー送信器118から側方向に離れて移動する(例:プッシュプルアタッチメント)場合、パワー伝達は、およそ25mm分離までは、徐々に下がり、その後、急激に降下する。
図7は、例えば、回転用途で起こりうるように、どのように誘導パワーが、WPCユニット110の誘導サーフェス間の角度ミスアライメントの関数として減少するのかも図示している。
【0035】
例えば、WPCユニット110の誘導サーフェスが整列されていない時、若しくは、およそ1アンペア又は12ワットより大きなパワーが負荷158によって必要とされる時、WPCパワー送信器118から誘導的に供給されることができる以外に、負荷158によって、より多くのパワーが必要とされない限り、パワー管理モジュール150は、好ましくは、誘導パワー接続子152からのみ負荷158にパワーを供給する。そのような状況が起こる時、パワー管理モジュールは、バッテリー154から、シームレスに、追加のパワーを引き出し、負荷158の条件を満たす。或いは、負荷のパワー条件が、1アンペア及び12ワットより小さくて、並びに、WPCパワー送信器118からの誘導パワーが、負荷118を満たすため必要とされる量より大きい時、余剰パワーが、アタッチメントのバッテリー154を再充電するために使用される。
【0036】
CANバス通信
図6に見られるように、WPCパワー送信器118(図示しない)の回路基盤136が、CANモジュール160を含むように、WPCパワー受信器120の回路基盤136は、CANモジュール160を含み、CANコネクタ126c及び124cに、それぞれ接続されている。CANバス標準は、マイクロコントローラ及び装置が、ホストコンピュータ無しで、車両内で互いに通信できるよう設計された双方向メッセージベースのプロトコルである。CANは、ノードとしても知られる、エレクトロニックコントロールユニット(ECU)に接続するためのマリチマスターシリアルバス標準であり、ホスト車両
112、又は、アタッチメントの何れかに配置されたセンサー、アクチュエーター、制御装置のような装置であってもよい。CAN標準は、各ノードが、ホストプロセッサ、トランシーバ、及びCANコントローラを含んでいる必要がある。好ましくは、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の夫々の回路基盤136は、CANメッセージが、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間を、夫々に接続されたECUから、それら自身のCANコネクタ124c及び
126cを介して、シームレスに伝わるようにする回路を含む。ホスト車両及びアタッチメントの夫々のホストプロセッサ及びCANコントローラは、これらの構造の各々に、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の夫々の回路基盤136が、単にトランシーバ機能を提供する状態で、ローカルに備えられうる。
【0037】
ホスト車両112及びアタッチメント間のCANバス通信は、例えば、アタッチメント及びホスト車両112間のバーコード、センサデータ等を送信するために使用されてもよい。好ましくは、CANバス通信チャネルが、30フィート以上のWPCパワー送信器及びWPCパワー受信器間の連続伝送レンジを有する。
【0038】
多くの実施形態では、CAN通信ネットワークは、ホスト車両上及びアタッチメント上の両方で、非常に多くのコンポーネントの状況情報を表示するデータを含んでもよい。このCANトラフィックのほとんどは、通常、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の通信チャネルにあり、帯域幅を占有し、並びに、アタッチメントとホスト車両112を行き来する制御信号を潜在的に阻害するが、ホスト車両112及びアタッチメントの液圧制御に必要なアタッチメント間の通信信号に無関連であってもよい。それゆえ、好適な実施形態では、WPCユニット110は、アタッチメントの液圧制御に関連するCANアドレスのリストを含み、リストにないアドレスを起源とするCANトラフィックをフィルタで取り除き、パフォーマンスを最適化する。
【0039】
RF入力/出力通信
更に
図6を参照して、WPCパワー受信器120の回路基盤136は、好ましくは、WPCパワー受信器120が電気的に接続されるアタッチメント上で、ローカルセンサ、スイッチ、又は、同様の装置からのデータを受信する2つのRF入力部162を含む。WPCパワー受信器120の回路基盤は、好ましくは、WPCパワー送信器118からのRFデータを受信する2つのRF出力部164も含む。
図5も参照して、RF入力部162は、RFI/Oコネクタ126bの端末2及び5を介して、WPCパワー送信器118への通信のための適用可能なRFデータ源に、選択的に、夫々接続されてもよい。一方、RF出力部164は、RFI/Oコネクタ126bの端末3及び4を夫々介して、アタッチメントの所望の負荷に接続されてもよい。
【0040】
RF出力部164は、WPCパワー送信器118からの信号を受信し、1つまたは複数のソレノイドを作動させる時、例えば、パワー管理モジュールは、適用可能であれば、端末3及び/又は4を介して、ソレノイドへの切替信号でパワーを供給し、並びに、制御装置156から負荷端末1を介してパワーを供給し、切替信号によって指示通りにソレノイドを作動させる。好適な実施形態では、パワー管理モジュールは、制御装置156を介して、並びに、誘導パワー接続152及びバッテリー154を使用して、チャネルにつき最大3アンペア及び最大合計5アンペアのRF出力部チャネル162について総パワーを供給するように構成されている。WPCユニット110及びアタッチメント上のバッテリー154において、誘導チャネルから取得できるパワー量と同様に、要求される用途次第で、チャネル毎に、及び/又は、総計で、より多くのパワーが供給されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。
【0041】
図6は、WPCパワー受信器120でのRF回路を模式的に図示しているが、同様の回路が、WPCパワー送信器118に存在することを当業者は理解するであろう。つまり、WPCパワー送信器118は、WPCパワー受信器のRF出力部164と通信されることを目的とする制御信号を受信する2つのRF入力部を含んでもよく、そして、それにより、アタッチメント上の負荷又は、その他の装置を作動する。同様に、WPCパワー送信器118は、WPCパワー受信器120のRF入力部162からの信号を受信する2つのRF出力部を含んでもよい。
【0042】
図6から理解できる通り、WPCパワー受信器120のパワー出力は、好ましくは、アタッチメントの全範囲の作動条件のもとで、WPCパワー送信器118に対するWPCパワー受信器120の相対位置に関わらず、負荷158へパワーを供給できる。例えば、WPCパワー送信器118及び受信器120が、最適整列状態にある場合、最大で1アンペア及び12ワットのRFパワーが、誘導的に供給され、一方で、バッテリーも再充電することができる。WPCパワー送信器118及び受信器120が、最適整列状態にあり、もっと多くのRFパワーが必要とされる場合、パワー管理モジュール150は、バッテリーを利用してよく、各チャネルにつき最大3アンペア及び最大合計5アンペアまで(若しくは、用途次第で、その他の適用可能な制限)のパワーを供給できる。また、WPCパワー送信器118及び受信器120が、最適整列状態になく、更には、誘導的パワーがWPCパワー受信器120に供給されない場合でも、WPCパワー受信器は、それでもなお、各チャネルにつき最大3アンペア及び最大合計5アンペアを、負荷158へ供給してもよい。
【0043】
図3から6で図示されるように、WPCユニット110は、WPCパワー送信器118及び受信器120間で、同時に4つの独立したRFチャネルを、各方向で2つずつ供給できる。図8は、これら4つの独立したチャネルを使用できる別の実施形態の一例を図示し、アタッチメント、及び/又は、ホスト車両112上にありそうなより多くの装置を制御する。具体的には、ホスト車両は、アタッチメントに多くの独立したRF信号(図8で示す6つ)を送ることができ、各RF信号は、それら独自の周波数帯域を割り当てられる。いくつかの実施形態では、RF信号のそれぞれの帯域は、信号間の信号干渉を防ぐために、保護周波数帯によって分離されるようにしてもよい。各信号は、WPCパワー受信器に送られる2つの独立したRFチャネル172のうち選択されたひとつに出力されるようにしてもよい。信号170のうち3つ以上の信号を、利用可能な2つの独立したチャネルで、同時に送信しようとする場合、コントローラ(図示しない)は、衝突を避ける目的で、送信予定を組んでもよい。RFチャネル172に沿って、WPCパワー送信器118に伝わる信号は、WPCパワー受信器120にワイヤレスで送信され、順次、各信号が対応するRFチャネル174に沿って、マルチプレクサ176に伝えられる。マルチプレクサ176は、ひと続きのバンドパスフィルタ178のうちのそれぞれに各信号を送る。バンドパスフィルタ178のそれぞれが、特定のソレノイド、若しくは、それぞれの周波数帯域幅170を使用して制御されるその他のRF作動式装置に対応する周波数範囲を有する。基本的に、各バンドパスフィルタ178は、それが属する装置に対応する周波数を持たない信号を拒絶する。このようにして、所望の数の機能が、WPCパワー送信器118及び受信器120間のワイヤレスRF信号を介して、必要に応じて、独立したRFチャネル172及び174のひとつひとつを通して、それらの信号を順次送信することによって、実施されうる。
【0044】
スリープモード
いくつかの実施形態では、WPCパワー送信器118が、電源を切って、誘導パワー及び/又は信号を供給できない間は、WPCパワー受信器120からアタッチメント上のバッテリーから得られるパワーを減少することが望ましい場合もある。そのため、回路基盤136は、次の3点が可能な「スリープモード」回路を含んでもよい。すなわち、(1)送信器から誘導パワーが受信されず、また、切替信号が、WPCパワー送信器118から受信されない時間の間隔中に、WPCパワー受信器120からの全てのパワー出力を停止することと、(2)WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間のRFチャネルを定期的にサンプリングするために、低パワーをRF回路へ供給することと、(3)スリープモードからWPCパワー受信器120を目覚めさせ、アタッチメントに出力パワーを供給することである。いくつかの実施形態では、加速度計が、振動を検知するWPCパワー受信器120に含まれてもよく、そのことは、ホストトラックパワーがオンの状態にあり、そのため、WPCパワー送信器118が、誘導パワー及びRFデータ通信を提供することができること示す。
【0045】
例えば、いくつかの実施形態では、WPCパワー受信器は、次の3つのいずれかの時に、スリープモードから目覚めるように設定されるようにしてもよい。すなわち、(1)含まれた加速度計が、振動を検知する時、(2)誘導パワーが、WPCパワー送信器118から受信される時、又は、(3)WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間のRFチャネルをサンプリングすることによって、RF信号が検知される時である。それとは別に、誘導パワーも切替信号もWPCパワー送信器118から受信されない時に、スリープモードが作動されるようにしもよい。
【0046】
時間平均誘導パワー送信最大化
すでに述べたように、具体的に
図7を参照して、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の誘導パワー転送量は、これら2つのユニット間のアライメントに敏感である。
図9A〜9Cは、WPCパワー送信器118に対して、WPCパワー受信器120を同時に動かすことなく、
ホスト車両112のキャリッジ114が、予め選択された距離に亘り、ホスト車両
112に関連して移動できるようにする搭載機構の一つの実施形態を図示している。
【0047】
具体的には、WPCパワー送信器118は、WPCパワー送信器118の底面から平行に離れるように延在するトランスミッタブラケット186を使用して、ホスト車両112のフレームに搭載されるようにしてもよい。それに対して、WPCパワー受信器120は、スライディングレイル180、スリーブ190、及びブラケット188を含むアセンブリを使用して、ホスト車両112のキャリッジ114に搭載されるようにしてもよい。具体的には、ブラケット188は、WPCパワー受信器120の背面にしっかり固定された垂直部、及び、WPCパワー受信器120がその上に載る水平部を含む。スリーブ190は、レイル180に、摺動自在に係合し、並びに、ブラケット188の垂直部にしっかり固定されている。レイル180は、キャリッジ114に、順次、しっかり固定される。
【0048】
図9Aに図示された休止位置では、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120が、最適な整列状態にあり、並びに、キャリッジ114が最も低い位置にあるが、ブラケット188の水平部は、ブラケット186の上に載っており、WPCパワー受信器120が、WPCパワー送信器118に対して、下方向に動くことを防いでいる。
図9Bで図示されるようにキャリッジが上方向へ持ち上がると、レイル180は、WPCパワー受信器120が自身の重さのためにその場にとどまる間、スリーブ190内でスライドするようにしてもよい。しかしながら、ブロック184は、レイル180の底部に取り付けられているが、キャリッジが上方へ動き続けると、最終的にはブラケット188の突起部にぶつかり、そのため、
図9Cで図示するように、WPCパワー受信器120を持ち上げ、整列状態から外れる。反対に、キャリッジ114が
図9Aの静止位置に下がって戻るとき、WPCパワー受信器120の重さで、ブラケット188がブラケット186にぶつかるまで、下方軌道に沿って下がり続ける。
【0049】
図9A〜9Cで見られるように、この新しい装置は、WPCユニット110の直径、高さ、幅、又はその他適切な寸法よりも大きな距離、キャリッジ114をホスト車両のマストに対して移動できるが、一方、変わらず、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の誘導パワーを供給する。言い換えれば、開示された構造は、WPCパワー受信器120へ誘導パワーを送るWPCパワー送信器118の能力を減少、若しくは、阻害することなく、並びに、アタッチメント及び/又は、アタッチメントの装置を作動するバッテリーへの延長により、ホスト車両112のキャリッジ114を、可動域(縦、横、傾斜等)中の至る所に動くことができるようにする。
【0050】
好適な実施形態では、スライディングレイルの長さは、少なくとも12インチである。本発明者らは、この範囲で、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120は、例えば、Hi/Loカートンクランプ用途の通常のオペレーション時間の80%を越える時間、最適整列状態にあること、並びに、この構成がバッテリー交換の必要性を取り除くと決定づけた。しかしながら、その他の使用で異なる長さのレイルを必要とされることがあることが理解されよう。異なる構造が、最適整列からのWPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の相対的運動に対応することなく、ホスト車両
112のキャリッジの広可動域を可能にするときには、
図9Aから9Cの装置は例示のみであることもまた理解されよう。例えば、積荷を「直立」する時、キャリッジが、リフトトラックから角度を有して離れて傾く直立(アペンダ)用途では、
図9Aから9Cで図示されたものから縦軸に沿って90度回転した湾曲したレイル180が、より適していることもある。
【0051】
図9A〜9Cから理解できる通り、かつ、
図6及び先行する段落
0038から0042を参照すると、開示されたばかりの搭載機構と組み合わせた、開示WPCユニット110は、アタッチメント上の装置が、アタッチメントの全操作範囲の間、必要に応じ、阻害されることなく、パワーを受信できるようにする一方、アタッチメントのバッテリーの充電状態を非常に効果的に保持する。アタッチメントが使用されているかなりの時間の間、アタッチメント側の装置は、ホスト車両から直接受信する誘導パワーを使用して、パワーを送られるようにしてもよい。更に、WPCパワー受信器120を介してバッテリーパワーを送ることによって、パワー管理モジュール150は、誘導的に送ることができるよりも多くのパワーが必要であるため、若しくは、搭載機構がWPCユニット110に対して整列保持する範囲を超えてアタッチメントが移動する場合、WPCパワー受信器120が、WPCパワー送信器118ともはや整列しないため、のいずれかの理由で、誘導パワーが不十分なときはいつでも、アタッチメントのバッテリーも途切れることなく利用して、それらの装置にパワーを供給してもよい。
【0052】
言い換えれば、開示された搭載機構では、アタッチメント側の装置が、アタッチメントのバッテリーからパワーを利用することなく作動される時間を、非常に効果的に増加させる。更に、WPCパワー受信器120を介してアタッチメントのバッテリーからパワーを送ることによっても、パワー管理モジュール150は、WPCパワー送信器118からの誘導パワーが阻害される時でさえ、若しくは、負荷条件が、誘導的に供給されうるものを超えて増加する時でさえ、それらのアタッチメント側装置がパワーにおいてなんら支障を起こさないことを確保する。このような時間間隔のあいだ、パワー管理モジュール150は、WPCパワー送信器118から誘導パワーが送られるのと同じチャネルを介して、パワーが負荷に送られるため、アタッチメントのバッテリーからのパワーをシームレスに利用することができる。更に、WPCパワー受信器120がWPCパワー送信器118との整列位置に戻るような位置に、アタッチメントが移動される時、誘導パワーが再び使用され、途切れることなく、かつ中断することなく、アタッチメント側の装置に直接パワーを送り、アタッチメントのバッテリー利用が減少、又は、終了され、バッテリーが再充電されるようにする。
【0053】
キャリッジ、及び/又は、アタッチメントがホスト車両に対して移動するときに、WPCユニット110の開示された搭載機構がWPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の整列関係維持の利益をもたらすけれども、いくつかの実施形態では、例えば、誘導パワー/バッテリーパワー間のシームレス電力スイッチング等、WPCユニット110との関連した利益を維持する一方で、開示された搭載機構は、省略されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0054】
サイドシフティング・フォーク・ポジショナー用途
図10は、ホスト車両112に取り付けられたサイドシフティング・フォーク・ポジショナーアタッチメント210を概略的に図示している。ホスト車両112(リフトトラック)は、先に述べたように、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120を備えるWPCユニット110を含み、それは車両バッテリー154からのパワー、及び、マニュアルアクチュエーター214からのRF制御信号を、ソレノイド切替弁アレイ216へ伝えるよう使用される。ソレノイド切替弁アレイ216は、キャリッジに搭載されているように
図10に示してあるが、キャリッジの代わりにアタッチメントに搭載されてもよい。同様に、
図10では、WPCパワー受信器120が、キャリッジ
114上のソレノイド切替弁アレイ216に直接接続していることを示しているが、アタッチメント210に搭載されたコントローラがあるような他の実施例では、アタッチメントからソレノイド切替弁アレイ216への他の接続子(図示しない)と共に、WPCパワー受信器120からの出力接続子がアタッチメント
210に全て接続されるようにしてもよい。加圧流体が、2つの液圧ライン260、262(このうち1つのみ
図10で図示)を介して、ソレノイド切替弁アレイ216へ流れる。
【0055】
図11は、サイドシフティング・フォーク・ポジショナー210に任意で使用できるワイヤレス液圧制御システム例の回路概略図を示す。しかしながら、このタイプのシステムは、サイドシフティング積荷クランプ、とりわけ、平行なスライディングクランプアームを持つものに応用可能でもある。
図11で図示されているような液圧回路では、リフトトラック操作者が、サイドシフティング機能及びフォークポジショニング機能を、別々に制御できるようにするが、トラック本体にある、上に電気スイッチ264bを搭載したハンドル264aを有する単一制御弁264を利用する。液圧ライン260及び262の一対のみが、リフトトラック112及び上下移動可能な積荷ハンドラー210間で、リフトトラックのマスト116を越えて延びることで通信するが、リフトトラック本体に対して垂直となる積荷ハンドラーの様々な位置に適応するために、従来のホースリールのようなライン巻取装置を所用している。
【0056】
図11の回路では、リフトトラック112のエンジン駆動液圧ポンプ268が、貯蔵器270から加圧流体を汲み上げ、ライン272を通って操作者の制御弁264に送る。リリーフ弁274が、ライン272での過度な圧力に対する保護を提供する。操作者が、図11で見られるように、中央位置から下方へ、弁264のリールを手動で移動する場合、ライン272からの加圧流体が、図10に図示されるソレノイド切替弁アレイ216内で、ライン262を通って、積荷ハンドラーのソレノイド操作液圧切替弁276へと送られる。弁276のスプールが、図11で見られるように、上方へばね式で持ち上がることで、ライン262での流体が、第1の液圧アクチュエーター及び機能を操作し、該流体は、サイドシフティングピストン及びシリンダアセンブリ224の一端へ送られる。その結果、図11に見られるように、ピストンが左の方へ動き、一方で、ライン260及び弁264を通って、貯蔵器270へと、流体は、同時に送られる。若しくは、操作者が、反対方向にサイドシフトを望む場合、図11に見られるように、弁264のスプールを手動で上方へ移動することで、ライン272からの加圧流体がライン260へと送られ、ピストンは反対方向に動き、一方で、流体は、ライン262及び弁264を通って、貯蔵器270へと排出される。
【0057】
サイドシフティングピストン及びシリンダアセンブリ224を、一つ方向、又は他の方向で作動する代わりに、仮に、操作者が、フォークポジショニングシリンダ230及び232の形式で、第2の油圧アクチュエーターを操作することを望む場合、操作者は同じ弁264を使用して、積荷ハンドラーの第2の機能を制御し、一方で、例えばハンドル264aのボタンを押すことで、同時に手動で、スイッチ264bを閉じる。スイッチ264bを閉じることで、WPCパワー送信器118が、WPCパワー受信器120へRF信号を送信し、RFGP出力が、順次、WPCパワー受信器120にあるGPOスイッチ156へ信号を伝える。
【0058】
GPOスイッチ156は、機能切替弁276のソレノイド276aに通電することで、並びに、
図11に見られるように、バネ276bの力に抗して下方向に弁スプールを動かすことで、操作者がスイッチ264bを閉じることで起こるRF信号に応答する。弁276のこの動作は、液圧ライン282がライン262に連通するようにする。操作者が、弁264のスプールを下方向に動かした場合、ライン282は、ライン262からの加圧流体を受けることで、フォークポジショニングピストン並びにシリンダアセンブリ230及び232を引っ込める。このようにして、流体が、ピストン並びにシリンダアセンブリ230及び232から、ライン260及び弁264を通って、貯蔵器270へと排出される。ピストン並びにシリンダアセンブリ230及び232がこのように引くことで、フォーク間の分離、又は、フォークポジショニング積荷ハンドラー210が狭くなる。反対に、操作者がスイッチ264bを閉じたまま弁264のスプールを上方向に動かすと、加圧流体がライン260を通って流れ、ピストン並びにシリンダアセンブリ230及び232を拡張させて、フォーク間の分離を広くする。一方で、流体は、ライン282、弁276、ライン262、弁264を通って、貯蔵器270へと排出される。
【0059】
すでに述べたように、GPOスイッチ156に制御信号を送ると共に、ソレノイド276a及びGPOスイッチ156の操作が必要な時、WPCパワー受信器120は誘導パワーを受け取り、サイドシフティングフォークポジショナー上のバッテリー154によって増幅される。
【0060】
カートンクランプ用途
図12は、例えば、カートンクランプアタッチメント等でありうるアタッチメント310に接続されたホスト車両112を概略的に図示する。ホスト車両112(リフトトラック)は、先に述べたように、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120を備えるWPCユニット110を含み、また同じく先に述べたように、アタッチメント310上の装置にパワーを送るために必要とされるRF信号と共に、車両バッテリー312からのパワーを伝えるよう使用され、並びに、マニュアルアクチュエーター314を使用する。加圧流体が、2つの液圧ライン360、362(このうち1つのみ図12で図示)を介して、アタッチメント310へ流れる。
【0061】
加えて、ホスト車両112は、アタッチメント310上のセンサアレイ316からのデータに基づいて1つまたは複数の信号を受信するよう構成されており、ライン360、362で供給される圧力量を制御するために使用される。以下に更に詳細に述べるように、センサアレイ316から供給されるデータが、ホスト車両上のオプショナルドライバインターフェースコントローラ318に直接供給されてもよく、そこでは、適切なライン圧力を決定する目的で供給されたデータを使用するか、若しくは、センサアレイからのデータが、コントローラ320へ供給されるようにしてもよい。
【0062】
図13及び14は、
図12に図示されるシステムでアタッチメントとして使用されうるカートンクランプ310を示しているが、
図12で示すシステムに従って使用されるWPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120の有用性を説明する目的で、その機能性を背景として示す。具体的には、例示のカートンクランプ310は、従来の可倒式アップライト液圧動力の積荷リフティングマスト302に沿って直線的に選択的に往復動されるリフトトラックキャリッジ301(
図12に示す)の搭載に適応したフレーム311を有する液圧動力の摺動自在のアームクランプであってもよい。特に例示された、図示されている摺動可能な
カートンクランプ310は、カートンや
図14に示すパッケージ313等の多面的な物体を取り扱う目的で典型的に使用され、相応しい摺動可能なアームデザインとなりうる。クランプアーム315、317は、平面、又は、積荷係合面321、323に垂直方向に、互いに離れたり、又は、近づいたりして選択的に摺動可能であってもよい。液圧シリンダ326、328は、それぞれのクランプアーム
315、317を選択的に拡張したり、又は、収縮する。理解できるように、パッケージ313のようなカートンは、カートンクランプ310の摩擦で掴むのを防ぐために過度な締付を受ける場合、損傷しうる。
【0063】
液圧駆動カートンクランプ310が、例示の実施形態として、ここに説明されているが、その他の積荷クランプは、説明されたものと同様の特徴を持つ。例えば、液圧動力のピボットアームペーパーロールクランプは、本願の積荷クランプシステムに合わせて設定されうる。
【0064】
カートンクランプ310は、カートンクランプ310に配置された電子コードリーダ332のようなデータ受信機を含むでもよい。そのため、クランプされるアイテムは、コードラベル334にタグ付けされているのが有利である。コードラベル334は、好ましくは、以下に説明する通り、ラベル付きアイテムに対する適切な最大クランプ力の決定を裏付ける十分な情報を含んでよい。コードラベル334は、例えば、アイテムのLOADID、若しくは、直接的、間接的に特徴を識別する目印を含むデジタルデータストリングを伝えることもある。積荷が、1つまたは複数のラベル付きカートン、又は、パッケージ313を含み、そのため、個別のラベル付きアイテムに対する適切なクランプ力は、積荷全体で、適切であってもよく、又は、不適切であってもよい。本願システムの実施形態は、この決定をするために、後述のように、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間の通信チャネルを利用する。
【0065】
電子コードリーダ332は、コードラベル334を読込むために、荷役処理クランプ310に提供される積荷を構成する少なくとも一つのアイテムに位置される。電子コードリーダ332は、例えば、以下により詳細に説明されるように、クランプアームが開いている位置にある時はいつでも、又は、積荷がクランプアーム間で検知される時はいつでも、コードラベルを検索することで、自動的に作動するようにしてもよい。若しくは、電子コードリーダは、クランプ操作者によって手動で操作されるようにしてもよい。コードラベル334及び電子コードリーダ332は、それぞれに、バーコードとバーコードスキャナ、RFID(無線ID)タグとRFIDリーダ、又は、その他の機械読込可能ラベルと対応する読取器の組み合わせであってもよい。RFIDシステムの場合、クランプの
RFIDリーダが、クランプアーム315、317間に配置されるRFIDタグを検知することだけをするように制限されるようにしてもよい。若しくは、例えば、コードラベルがどうしても読込めないとされた時、又は、アイテムが誤ってラベル付けされた場合に、LOADID、又は、その他の積荷の目印を、クランプ操作者が入力するようにしてもよい。
【0066】
電子コードリーダ332は、コードラベル334から読込んだ情報をコントローラへ送信するが、そのコントローラは、
図12で示すシステムの構成によって、アタッチメント310(カートンクランプ)上の
図12で示すコントローラ320、又は、ホスト車両112上のコントローラ318であってもよいが、本明細書にて後ほど説明する。コントローラ320(又は318)は、情報を解析し、LOADID、又は、その他の識別目印を識別する。これは、本願システムが使用されている特定の実施形態の特定の実施によって必要とされるどんな手段においても、成し遂げられる。
【0067】
クランプアーム
315、317が、開位置にある時、アームは、3次元クランプ領域を部分的に画定する。積荷をクランプするために、積荷がクランプ領域内に配置されるように、クランプ操作者は、クランプアーム
315、317を位置決めする。積荷ジオメトリセンサー350は、コントローラ318、又は320とデータ通信する状態にあると共に、それぞれの積荷係合面321、323に配置されている。積荷ジオメトリセンサー350は、通常、対向する面321、323の方向で、内側に向いている。
【0068】
各積荷ジオメトリセンサー350は、該ジオメトリセンサーとコントローラ318又は320間の通信媒体の特徴を吸収し、吸収された刺激の関数として、動的に変調する。本願システムの特定の実施形態において、積荷ジオメトリセンサー350は、例えば、シャープ株式会社から商業的に入手可能なIRビームセンサー、GP2XXシリーズといった赤外線ビームセンサーであってもよい。
【0069】
このようなセンサーの一例は、エミッタコンポーネント、検知器コンポーネント、アナログ出力部、及び内部回路を含む。このセンサーは赤外(IR)線光を発生する。赤外線光は、例えば、積荷の衝突となる面、若しくは、積荷がない場合には、反対側の積荷係合面等の障害物にぶつかるまで、クランピング領域を伝わる。原則的ではないが、好ましくは、積荷の衝突面が、積荷係合面と平行であり、並びに、赤外線光は、積荷係合面に垂直の平面で発する。赤外(IR)線光は、該面に反射し、並びに、少なくとも検知器コンポーネントによって、部分的に吸収される。センサー内部では、内部回路が、センサーと吸収された赤外線光間の角度を測定し、三角法を介して、その角度を使い、更にセンサーと衝突面間の距離を計算し、更に、アナログ電圧として、その距離を表示する。センサーは、計算された距離情報を、アナログ出力部を介して、コントローラ40に通信する。
【0070】
図13を参照して、ひとつの図示された例示的実施形態では、積荷ジオメトリセンサー350は、行と列のグリッドアレイで配置されるようにしてもよい。クランプアーム
315、317間のスペースが空いている時、全てのセンサーによって出力された刺激は、クランプアーム間の距離に見合ったものとなる。しかしながら、積荷ジオメトリセンサー350の少なくとも一つからの信号は、アイテム313の一つの積荷が、クランプアーム
315、317の間に置かれる時には、変化する。その後、コントローラ318又は320は、積荷のおおよその容積を計算するようにしてもよい。積荷があることをその信号が示す積荷ジオメトリセンサーの行と列の数は、積荷の高さと奥行きにそれぞれに対応しており、更に、センサーが遮られていない間に発せられる信号に対する、遮られたセンサーからの信号における変化の大きさは、積荷の幅に対応する。それとは別に、積荷ジオメトリセンサー350は、その他適切な類のアレイで配置されるようにしてもよい。
【0071】
積荷ジオメトリセンサー350の少なくとも一つは、積荷近接センサーとして機能するようにしてもよい。以下に説明するように、クランピング操作中、本願システムは、クランプアーム及び積荷間の距離の機能として、液圧クランピング最大圧を好ましく調整し、所望の距離に、所望のクランピング圧が達するようにする。
【0072】
円筒形の物体をクランプする液圧作動ピボットアームクランプと共に使用される目的の実施形態のような本願システムのその他の実施形態(図示しない)は、積荷ジオメトリを測定するための異なるセンサーアレンジメントを活用してもよい。例えば、円筒形の積荷の直径及び高さは、上記と同じ方法で決定できる。若しくは、非限定の例として、円筒形の積荷(図示しない)の直径は、積荷をクランプする前に、クランプアームが積荷に接する時、液圧シリンダ(図示しない)のストロークを測定することで決定されるが、ストリングポテンショメータ(図示しない)、又はエッチングロッドと光学エンコーダー(図示しない)をその他のセンサーとの組み合わせで使用している。
【0073】
本願システムの例示的実施形態では、コントローラ318又は320は、様々な積荷タイプを掴み、持ち上げる時のクランプの好適な作動及び、それらの幾何学的構成に対応する情報であって、好ましくは、積荷カテゴリ及び積荷ジオメトリによって整理された参照テーブルに準備されている情報を含むメモリ(図示しない)へのアクセスを有している。この情報とは、積荷重量、積荷脆弱性、積荷梱包等の特徴であって、好ましくは、最適最大クランプ力又は、最適液圧クランピング最大圧に深く関連する特徴であってもよい。各積荷カテゴリでは、データは、好ましくは、検知された積荷カテゴリの見込みの幾何学的構成に応じて更に分類される。
【0074】
いくつかの実施形態では、データは、ある設備の中央管理システム又はオフサイトのデータベースといった、ホスト車両112、及び/又は、アタッチメント310から離れた位置に、統計的に保存され、内部の、及び/又は、外部のネットワーク、複数のネットワークで、コントローラ318又は320にアクセス可能にするようにしてもよい。積荷カテゴリや幾何学的構成等の関連する積荷の特徴を決定するとすぐに、コントローラは、外部ソースからメモリへ必要なデータをコピーするようにしてもよい。
【0075】
メモリのデータは、クランプが作動している設備でクランプが遭遇するであろう類の積荷や積荷ジオメトリに特定されるようにしてもよい。データは、例えば、積荷の新カテゴリが設備に導入される時、又は、現在のデータのアスペクトが、不十分であったり、不正確とみなされる時には、必要に応じてデータ受信器を介して更新されるようにしてもよい。
【0076】
上記の通り、本願システムは、積荷313が、積荷上のコードラベル334を読込むことでクランプされるように、LOADID、又は、その他の識別する目印を入手するようにしてもよい。若しくは、このようなLOADID、又は、その他の識別情報は、ワイヤレスネットワークインターフェースを介して、設備の中央管理システムから、又は、他の荷役処理クランプから、その他のタイプのデータ受信器によって、直接入手されうる。また、上記の通り、本願システムは、積荷ジオメトリセンサーを使用し、積荷のおおよその容積を計算する。両情報アイテムは、好ましくは、クランプアームが積荷をクランプする前に、クランプ操作者が入力する必要なく決定される。コントローラ318又は320は、決定されたLOADID及び積荷の形状プロファイルで、最適液圧クランピング最大圧を調べる。その後、この最適最大圧は、クランプ作動中、積荷に適用される。
【0077】
図15を参照して、液圧クランピングシリンダ326、328は、全体として、簡略された概略形式で370として示された液圧回路を介して制御されている。液圧クランピングシリンダ326、328は、リフトトラックの貯蔵器374から、ポンプ378及び供給導管382を介して、加圧流体を受け取る。システム内が高圧となりすぎる場合、安全リリーフ弁386が開き、流体を貯蔵器374に戻す。導管382での流れは、手動クランプ制御弁390と、該クランプ制御弁390に直列に配置されうる、リフト、傾斜、サイドシフト等を制御するような手動操作弁(図示しない)に供給される。クランプ制御弁390は操作者によって選択的に制御されて、シリンダ326、328が、クランプアームを開くか、若しくは、積荷アイテム313との最初の接触となるようにクランプアームを閉じるかの何れかになるようにする。
【0078】
クランプアーム315、317を開くために、制御弁390の概略で図示されたスプールが、図15で左に動き、ライン382からの加圧流体が、ライン394と分流/集流弁398を通って、シリンダ326、328のピストン端部に流れる。それにより、分流/集流弁398の流れ分配が等しいために、実質上同じ割合でシリンダ326及び328が拡張し、クランプアーム315、317が互いに離間するように動く。操作者操作チェック弁402は、パイロットライン406を介して通じているライン394でクランプが開くときの圧力によって、開かれ、シリンダ326、328が拡張する時、シリンダ326、328のロッド端部から、ライン410及び制御弁390を通って、貯蔵器374へと、流体を排出されるようにする。
【0079】
反対に、クランプアームを閉じて積荷アイテム313をクランプするために、制御弁390のスプールは、
図15で右に動き、ライン382からの加圧流体が、ライン410を通って、シリンダ326、328のロッド端部へ流れる。それにより、シリンダ326、328が引っ込まれて、クランプアーム313、317が互いに近づく方向に動く。この流体は、シリンダ326、328のピストン端部から、分流/集流弁398を通り、更にその後、制御弁390を介してライン394を通って、貯蔵器374へと、実質上同じ割合で排出される。シリンダ326、328が引っ込まれることで、クランプアーム313、317が閉じている間、ライン410の最大液圧は、好ましくは、1つまたは複数の圧力調整弁により制御される。例えば、このような圧力調整弁は、ライン410と平行するライン418の比例リリーフ弁414であり、このような最大液圧は、制御ライン422を介してコントローラ318又は320によって、実質上無限の様々な手段で自動的に選択可能な異なる設定に対応している。こうすることで、弁のソレノイド414aの可変制御によって、比例リリーフ弁414のリリーフ圧設定を電気的に調整する。若しくは、比例減圧弁が、ライン410に直列で配置されてもよく、ライン410の最大閉鎖液圧を規制する。更に他には、選択可能な複数の非比例リリーフ弁、又は、減圧弁を、この目的で使用することができる。必要であれば、コントローラ318又は320は、任意の圧力センサー430から閉鎖液圧によるクランプ力のフィードバックを受取ることもでき、前述の圧力調整弁を支援する。若しくは、このようなフィードバックは、適切に搭載されたクランプ力測定電気変換器(図示しない)から供給され得る。
【0080】
図12を再び参照して、WPCパワー送信器118及びWPCパワー受信器120間のRF及び/又はCANバス通信チャネルは、好ましくは、他の装置の中で、コードリーダ332、積荷ジオメトリセンサー350、圧力センサー430から受取るデータを使用して、カートンクランプ310のオペレーションを制御するために使用されてもよい。例えば、第1の実施形態では、ホスト車両112のコントローラ318は、CANバス通信チャネル124c、126c(図5に図示)を介して、センサー350からの積荷ジオメトリデータを受取り、並びに、CANバス通信チャネルからのコードリーダ332からもデータを受取る。そのため、ホスト車両のコントローラ318は、前述したように、その情報を使用して適切なクランプ圧を決定する。センサー及びLOADIDデータを通信するためにCANチャネルを使用することは、好ましくは、RFチャネルの使用で同時に、他のデータをホスト車両に送り戻す通信をできるようにする。こうすることは、例えば、操作が完了した時、又は、アタッチメントが正しい位置にある時に、表示器を作動する、又は、機能制御のためのソレノイドにパワーを送ることによって、操作者に警告をするのに便利である。
【0081】
別の実施形態では、アタッチメント310(カートンクランプ)は、積荷ジオメトリセンサー350とコードリーダ332からのデータを受取ると共に、該データを使用して、適切なクランピング圧を決定するコントローラ320を含んでもよい。その後、WPCパワー受信器120からWPCパワー送信器118まで、1つまたは複数のRF通信チャネル、若しくは、必要に応じて、CANチャネルを介して、ホスト車両112に通信する。例えば、可能なクランピング圧が、2つの別の圧力に制限される場合では、単一RFチャネルは、必要な圧力に連通するために使用されうる。若しくは、2つのRFチャネルは、最大で4つの可能な圧力のうちの一つに通じることができる。アプリケーションによるが、可能な圧力がさらに多くある場合、CAN通信チャネルを使用、又は、より多くのRFチャネルがWPCユニット110に統合されるか、若しくは、
図8で図示されているような多重システムが使用されてもよい。前述のように、CANチャネルを使用し、ホスト車両に情報を戻すことで、R
Fチャネルを介して、その他の情報を同時にホスト車両に送ることができるようになるであろう。
【0082】
WPCユニット110の可能な応用が、前述したように、RF
I/Oチャネルを介して、バイナリスイッチング操作よりももっと複雑なアナログ又はその他のフィードバックを使用することで、アタッチメントの比例制御で使用されるホスト車両へデータを送るアタッチメントにまで拡大するため、上記カートンクランプは、例示的目的のみに使用されていることが理解されるべきである。また、アタッチメント310からホスト車両112に通信されたデータは、適切なコントローラ318又は320を介して、アタッチメント310を自動的に制御するために使用されるようにしてもよく、若しくは、GUI、又はその他のディスプレイ、オーディオ装置等により、ユーザに情報を提供するようにしてもよいが、ユーザが、その後に、タッチスクリーン、キーボード、レバー、又はその他の入力装置等のインターフェースを介して、適切な応答を行い、WPCユニット110、及び/又は、液圧ライン360、362を通って、アタッチメントに同様に返信される新しいコマンドを出すことも理解されるべきである。
【0083】
当業者は、図12に概略的に図示された構成は、単なる説明的なものであり、必要に応じて変更可能であることをも理解するであろう。例えば、図12は、キャリッジ301に搭載されたフロー圧力弁アレイを示すが、フロー圧力弁アレイは、代りに、アタッチメントに搭載されるようにしてもよい。同様に、図12は、キャリッジ301の弁アレイに直接接続しているWPCパワー受信器120を示しているが、その他の実装品が、アタッチメント310の装置(例:バッテリー、コントローラ)に全て接続する、WPCパワー受信器120からの出力接続を有すると共に、このような装置からキャリッジ301の弁アレイへの他の接続(図示しない)を有するようにしてもよい。
【0084】
本願発明が説明された特定の実施形態に制限されないこと、並びに、添付の特許請求の範囲に定義された発明の範囲から逸脱することなく、均等論、又は、文言上の発明の範囲を超えて実施できる請求項の範囲を拡大するその他のいかなる原則を含む現行法の原則に従って解釈されるような、変更がなされうることが理解できるであろう。特に明示しない限り、請求項中の構成要素の例の数への言及は、1又は複数の例に言及していようとも、少なくとも構成要素の例の述べられた数を必要とするが、述べられている以上の多くの構成要素を持つ構成や方法を、請求項の範囲から除外することを意図したものでない。特許請求の範囲で使用される際、用語「含む」又は、その派生語は、請求された構造や方法でのその他の構成要素やステップの存在を除外することを意図するものではない非排他的意味で使用されている。