(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記格納部に格納されたセンシングデータの少なくとも一部を送信する通信部を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の頭部センシング装置。
頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサが取得したセンシングデータを取得する取得部と、
前記取得部が取得したセンシングデータを参照して、ユーザへのアドバイスを示すアドバイス情報を生成するアドバイス生成部と、
前記アドバイス生成部が生成したアドバイス情報を表示する表示部と、
を備え、
前記第2のセンサは、前記第1のセンサと同時に、頭部の略同じ領域の前記センシングデータを取得することを特徴とする情報処理装置。
頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサによって頭部を測定してセンシングデータを取得する取得ステップと、
取得したセンシングデータを、前記頭部センシング装置に搭載された格納部に格納する格納ステップと、
を含み、
前記第2のセンサは、前記第1のセンサと同時に、前記頭部の略同じ領域の前記センシングデータを取得することを特徴とする頭部測定方法。
頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサによって頭部を測定してセンシングデータを取得する取得ステップと、
取得したセンシングデータを参照して、ユーザへのアドバイスを示すアドバイス情報を生成するアドバイス生成ステップと、
生成したアドバイス情報を表示するステップと、
を含み、
前記第2のセンサは、前記第1のセンサと同時に、前記頭部の略同じ領域の前記センシングデータを取得することを特徴とする情報処理方法。
請求項6に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記取得部、前記アドバイス生成部、および前記表示部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0018】
図1の(a)は、本発明の実施形態に係る頭部センシング装置に備えられるセンサシステム1の構成を模式的に示したブロック図である。
図1の(b)は、センサシステム1にて測定されたセンシングデータからアドバイス情報を生成するアドバイス生成装置30の構成を模式的に示したブロック図である。
図6は、本発明の実施形態に係るアドバイスを生成する方法を示すフローチャートである。
【0019】
(センサシステムの構成)
センサシステム1は、1又は複数のセンサ2と、当該センサ2から取得したセンシングデータを計測する計測部3と、当該計測されたデータに基づいて装置を制御する出力部4とを有する。センサシステム1は更に、電源部5を備えることが好ましい。
【0020】
計測部3は、センサ2から取得したセンシングデータを格納する格納部31と、センサ2から取得したセンシングデータに基づいて装置を制御する信号を生成する制御部32と、センサ2がセンシングデータを取得した時間を計測する計時部33とを有する。
【0021】
図2は、センサシステム1を実装することができるヘッドギア200の一例を模式的に示した概略斜視図である。
図3は、ヘッドギア200に搭載するセンサの実装例を模式的に示した概略側面図である。
図4は、センサシステム1を実装することができる種々のヘアブラシ400の例を模式的に示した概略斜視図である。
図5は、ヘアブラシ400に搭載するセンサの実装例を模式的に示した概略側面図である。
【0022】
ヘッドギア200、ヘアブラシ400などの頭部センシング装置に、後述する第1の高さの柱状突起の先端に第1のセンサを備えた1つ以上の第1の柱状突起と、第1の高さより低い第2の高さの柱状突起の先端に第2のセンサを備えた1つ以上の第2の柱状突起と、第1のセンサおよび第2のセンサから取得したセンシングデータの少なくとも1つを格納する格納部とを備えることができる。
【0023】
(ヘッドギアの構成例)
センサシステム1を実装することができるヘッドギア200は、
図2に示したような3次元座標空間に配置される。xy平面は頭部水平方向に配置され、xy平面に対する法線方向のうち天頂へ向かう方向をz軸負方向と定める。
【0024】
図2に示したヘッドギア200は、複数の部材を組み合わせて構成される。ヘッドバンド部201は、xy平面に平行な面において環状に構成されており、z軸方向に所定の幅を有する帯状の部材である。z軸方向の所定の幅は任意の長さであってよいが、1cm〜3cm程度であることが好ましい。
【0025】
ヘッドギア200は更に、ヘッドバンド部201の前頭部領域から後頭部領域にわたってz軸負方向にアーチ状に構成された帯状の前後方向部材202、203、204を備える。
図2には、3つの前後方向部材202、203、204を例示的に示したが、前後方向部材の数は3つに限定されるものではなく、任意の数の前後方向部材を備えてよい。帯状の前後方向部材、前後方向部材の帯状の幅の長さは、1cm〜3cm程度であることが好ましい。
【0026】
図2に示した前後方向部材の例では、後頭部領域は、ヘッドバンド部201との交点まで延びた前後方向部材を示しているが、ヘッドバンド部201との交点を超えて更にz軸正方向に延びた前後方向部材であってもよい。かかる構成により、ヘッドバンド部201よりもz軸正方向の後頭部領域をカバーする前後方向部材とすることができる。
【0027】
ヘッドギア200は更に、ヘッドバンド部201の左右側頭部領域にわたってz軸負方向にアーチ状に構成された帯状の左右方向部材205、206、207を備える。前後方向部材同様に、
図2には、3つの左右方向部材205、206、207を例示的に示したが、左右方向部材の数も3つに限定されるものではなく、任意の数の左右方向部材を備えてよい。
【0028】
ヘッドギア200は更に顎紐208を備えることが好ましい。顎紐208をユーザの側頭部から顎に渡って設定することにより、ヘッドギア200をユーザの頭部に正確に配置することができる。
図2には、顎紐208はヘッドバンド部201に接続された態様を示しているが、顎紐208は任意の構成とすることができ、ヘッドバンド部201に接続された態様に限定されない。
【0029】
図2に示したヘッドギア200は、模式的に複数のパーツから構成された構成例を例示しているが、ヘルメットのような一体型の態様であってもよい。また
図2に示したヘッドギア200は、部分的または全体的に伸縮性部材または非伸縮性部材で構成されることが好ましい。
【0030】
図2に示したヘッドギア200は、頭部全体を覆う全頭用のヘッドギア200の例を示しているが、頭部を部分的に覆う部分用のヘッドギア200であってもよい。他の実施形態では、ヘッドギア200は、前後方向部材及び/又は左右方向部材を備えないヘッドバンドであってもよい。更に別の実施形態では、ヘッドギア200は、ヘッドフォン、帽子、ウイッグ、ヘッドドレスなどであってもよい。
【0031】
(ヘッドギアへのセンサの実装例)
ヘッドギア200の任意の領域にセンサ23,24を搭載することができる。
図3は、センサの実装例を模式的に示した概略図である。
図3(a)では、ユーザの頭部301と、センサとの配置関係を概略的に示す。基材300は、ヘッドギア200のヘッドバンド部201、任意の前後方向部材、任意の左右方向部材の内側(ユーザの頭部301に面した側)に配置されることができる。基材300は、ヘッドバンド部201、前後方向部材、左右方向部材自体であってもよい。すなわち、基材300は、頭部の少なくとも一部を覆うヘッドギアの少なくとも一部を構成することができる。
【0032】
例えば、基材300が前後方向部材203であった場合、
図3の領域Bは頭頂部であり、領域Aは前額上部に相当し、領域Cはゴールデンポイント付近の領域に相当する。本明細書において、ユーザの顎先から左右の耳片の上部を通る線と、前後方向部材203との交点をゴールデンポイントと称する。
【0033】
基材300は、第1の柱状突起343と当該第1の柱状突起343よりも高さが低い第2の柱状突起344を備える。
図3(a)では、領域Aの第1の柱状突起を343aと記し、第2の柱状突起を344aと記した。同様に領域Bの第1の柱状突起を343bと記し、第2の柱状突起を344bと記し、領域Cの第1の柱状突起を343cと記し、第2の柱状突起を344cと記した。
図3(a)の領域A乃至Cの例のように、第1の柱状突起343と第2の柱状突起344との配置関係、個数は任意に設定することができる。以下、領域Cに示したような、1つの第1の柱状突起343cと1つの第2の柱状突起344cとが配置されている関係を例にとって説明する。
【0034】
図3(b)は、第1の柱状突起343と第2の柱状突起344との関係を示す。
図3(b)示すように、第1の柱状突起343の先端にはセンサ23が配置され、第2の柱状突起344の先端にはセンサ24が配置されている。それぞれの柱状突起のセンサが配置されている端の反対側の端は、基材300と接合されている。柱状突起の形状は、
図3(b)に示すように、それぞれの端における、長手方向に垂直な方向の断面積の形状、大きさが同じ柱状であってよい。柱状突起は、当該断面積の形状が円形の円柱に限定されず、当該断面積の形状が多角形の多角柱であってもよい。
【0035】
図3(c)は、別の実施形態にかかる第1の柱状突起343’と第2の柱状突起344’との関係を示す。
図3(c)に示すように、第1の柱状突起343’の先端にはセンサ23が配置され、第2の柱状突起344’の先端にはセンサ24が配置されている。それぞれの柱状突起のセンサが配置されている端の反対側の端は、基材300と接合されている。柱状突起の形状は、
図3(c)に示すように、截頭錐体であってよい。截頭錐体の形状は、截頭錐体の長手方向に垂直な方向の断面積の形状が円形である截頭円錐体に限定されず、断面積の形状が多角形の截頭多角錐体であってもよい。
【0036】
(ヘアブラシの構成例)
センサシステム1を実装することができるヘアブラシ400は、
図4に示したような3次元座標空間に配置される。ヘアブラシ400は、ヘッド部41と、当該ヘッド部41と接続する把持部42とを備える。ヘッド部41の主面を構成する平面と平行な平面をxy平面とし、xy平面に対する法線方向のうち、ブリッスル43,44が伸びる方向をz軸正方向と定める。ヘッド部41から把持部42に渡る長手方向をx軸方向とし、把持部42側をx軸負方向と定める。x軸およびz軸にそれぞれ直交する方向をy軸方向と定める。
【0037】
かかる態様により、第1の柱状突起の先端と反対側の端部、および、第2の柱状突起の先端と反対側の端部が、ヘアブラシのヘッド部に配置され、第1の柱状突起および第2の柱状突起がヘアブラシのブリッスルを構成することができる。
【0038】
図4(a)は、いわゆる櫛のように1列のブリッスルラインを備えたヘッド部41aと当該ヘッド部41aに接続された把持部42aとから構成されるヘアブラシ400aの概略斜視図である。
図4(a)に示すように、1列のブリッスルラインは、第1の柱状突起43aと当該第1の柱状突起43aの高さよりも低い高さの第2の柱状突起44aとから構成される。
図4(a)に示した1列のブリッスルラインは、第1の柱状突起43aと第2の柱状突起44aとが交互に配置された例を示しているが、このように交互に配置された構成に限定されるものではない。
【0039】
図4(b)は、
図4(a)と同様の3次元座標空間に配置されたヘアブラシ400bの概略斜視図である。ヘアブラシ400bは、ヘッド部41bと当該ヘッド部41bに接続された把持部42bとから構成される。ヘッド部41bの主面には、
図4(a)に示したx軸方向に配列されたブリッスルラインが2列平行に配置されている。
図4(b)では、それぞれのブリッスルラインは、第1の柱状突起43bと第2の柱状突起44bとが交互に配置された例を示しているが、このように交互に配置された構成に限定されるものではない。
【0040】
図4(c)は、
図4(a)と同様の3次元座標空間に配置されたヘアブラシ400cの概略斜視図である。ヘアブラシ400cは、ヘッド部41cと当該ヘッド部41cに接続された把持部42cとから構成される。ヘッド部41cの主面には、
図4(a)に示したx軸方向に配列されたブリッスルラインが3列平行に配置されている。
図4(c)では、それぞれのブリッスルラインは、第1の柱状突起43cと第2の柱状突起44cとが交互に配置された例を示しているが、このように交互に配置された構成に限定されるものではない。
【0041】
図4(a)乃至
図4(c)に例示したように、x軸方向に配列されたブリッスルラインの列の数は、1列乃至3列に限定されるものではなく、任意の配列による構成とすることができる。
【0042】
図4(d)は、
図4(a)と同様の3次元座標空間に配置されたヘアブラシ400dの概略斜視図である。ヘアブラシ400dは、ヘッド部41dと当該ヘッド部41dに接続された把持部42dとから構成される。ヘッド部41dの主面には、x軸方向に配列されたブリッスルラインが5列平行に配置されている。本実施形態では、y方向の値が小さいブリッスルラインから順に、第1列乃至第5列のブリッスルラインと称する。第1列、第2列、第4列および第5列のブリッスルラインは、第1の高さの第1の柱状突起43dが配列されたブリッスルラインから構成される。第3列のブリッスルラインは、第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起44dが配列されたブリッスルラインから構成される。好ましい実施形態では、第1列および第5列のブリッスルラインは、後述するセンサを搭載しない構成とすることができる。
【0043】
図5(a)は、第1の柱状突起43と第2の柱状突起44との関係を示す。
図5(a)に示すように、第1の柱状突起43の先端にはセンサ23が配置され、第2の柱状突起44の先端にはセンサ24が配置されている。それぞれの柱状突起のセンサが配置されている端の反対側の端は、ヘッド部41の主面と接合されている。柱状突起の形状は、
図5(a)に示すように、それぞれの端における、長手方向に垂直な方向の断面積の形状、大きさが同じ柱状であってよい。柱状突起は、当該断面積の形状が円形の円柱に限定されず、当該断面積の形状が多角形の多角柱であってよい。
【0044】
図5(b)は、別の実施形態にかかる第1の柱状突起43’と第2の柱状突起44’との関係を示す。
図5(b)に示すように、第1の柱状突起43’の先端にはセンサ23が配置され、第2の柱状突起44’の先端にはセンサ24が配置されている。それぞれの柱状突起のセンサが配置されている端の反対側の端は、ヘッド部41の主面と接合されている。柱状突起の形状は、
図5(b)に示すように、截頭錐体であってもよい。截頭錐体の形状は、截頭錐体の長手方向に垂直な方向の断面積の形状が円形である截頭円錐体に限定されず、断面積の形状が多角形の截頭多角錐体であってもよい。
【0045】
(センサの組み合わせ)
図3乃至
図5にて例示して説明したように、第1のセンサ23は、ヘッドギア200では第1の柱状突起343,343’の先端に配置され、ヘアブラシ400では第1の柱状突起43,43’の先端に配置される。一方、第2のセンサ24は、ヘッドギア200では第2の柱状突起344,344’の先端に配置され、ヘアブラシ400では第2の柱状突起44,44’の先端に配置される。
【0046】
図3(a)に示すように、ヘッドギア200をユーザが頭部に装着した場合、第1の柱状突起の先端に配置された第1のセンサ23がユーザの頭部に接触する。
図4に示したヘアブラシ400の把持部42をユーザが把持し、ヘアブラシ400をユーザの頭部に使用した場合、第1の柱状突起の先端に配置された第1のセンサ23がユーザの頭部に接触する。一方、ヘッドギア200およびヘアブラシ400の第2の柱状突起の先端に配置された第2のセンサ24は、ユーザの頭部には直接接触しない。
【0047】
このようにユーザの頭部に直接接触する第1のセンサ23と、ユーザの頭部には直接接触しない第2のセンサ24とを組み合わせて、ユーザの頭部を同時にセンシングすることができる。
【0048】
以下、
図1のブロック図に示したセンサ2の具体的な構成について説明し、各センサ2が第1のセンサ23として機能する態様、第2のセンサ24として機能する態様について詳細に説明する。
【0049】
(センサ)
センサ2は、生体情報センサおよび環境情報センサの少なくとも一方のセンサであることが好ましい。生体情報センサは、温度測定センサ、皮脂測定センサ、湿度測定センサ、肌水分量測定センサ、pH測定センサ、静電気測定センサ、臭気センサ、及び血流量センサの少なくとも何れかであることが好ましい。環境情報センサは、位置情報取得センサ、及び光センサの少なくとも何れかであることが好ましい。
【0050】
少なくとも、生体情報センサは、第1のセンサ23として機能することが好ましい。具体的な適用事例については以下に詳述する。
【0051】
(温度測定センサ)
温度測定センサは、頭皮の温度を直接測定する接触タイプ(第1のセンサ23)に限定されず、非接触タイプ(第2のセンサ24)の温度センサを用いてもよい。ゼーベック効果を利用した温度センサなど、低消費電力で温度測定が可能なセンサが好ましい。電気式センサに限定されず、例えば光学式センサ(第2のセンサ24)であってもよい。測定対象は、頭皮の温度に限定されず、頭部センシング装置と頭皮の間の利用環境温度または頭部センシング装置の外側の外部環境温度を測定(第2のセンサ24による測定)することも可能である。
【0052】
好ましい実施形態では、
図3(a)に示した領域A乃至Cのような複数の領域に温度センサ(第1のセンサ23)を配置し、測定部位による温度の差異を測定することができる。取得した温度情報が予め設定した基準値を下回った場合や、他の部位と比較して特に温度が低い部位については、血行不良の可能性などが推認され、温度が低い部位についてのケアを促すアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。他の好ましい実施形態では、温度センサによるセンシングデータを利用して血行不良の傾向を算出することにより、温度センサを血流量センサとして用いることができる。
【0053】
別の好ましい実施形態では、
図4に示した第1の柱状突起43の先端に温度センサ(第1のセンサ23)を配置し、ヘアブラシを使用した際に温度センサ(第1のセンサ23)が接触した頭部の温度を測定することができる。
【0054】
(皮脂測定センサ)
皮脂測定センサは、頭皮の電気的特性を測定するタイプに限定されず、光学特性を測定するタイプのセンサであってもよい。特定の領域の皮脂の量に応じた、透過率変化及び/又は屈折率変化を利用して測定するセンサが好ましい。必ずしも皮脂の量の絶対値を測定する必要はなく、測定部位毎の継時変化など相対値をデータ収集してもよい。
【0055】
皮脂が少ない場合は頭皮の乾燥が推認され、一方、皮脂が多い場合は頭皮トラブルが推認され、種々のトラブルに応じたアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。
【0056】
(肌水分量測定センサ・湿度測定センサ)
肌水分量測定センサ・湿度測定センサは、頭皮の肌水分量だけでなく、ヘッドギア200、ヘアブラシ400などの頭部センシング装置(以下、単に「頭部センシング装置」とも称する。)と頭皮の間の利用環境湿度または頭部センシング装置の外側の外部環境湿度を測定することも可能である。特に、頭部センシング装置と頭皮の間の利用環境湿度は、蒸れ具合を数値化する基礎データとなる。肌水分量のセンシングは、電極を頭皮に接触させ、インピーダンス測定、高周波電気伝導度測定、または静電容量を測定することが好ましい。特に電気容量測定の場合には、高周波コンダクタンスの変化量を測定することにより高精度に測定することが好ましい。水分量が多い場合は湿気による影響が推認され、一方、水分量が少ない場合は、乾燥によるトラブルが推認され、種々のトラブルに応じたアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。
【0057】
(pH測定センサ)
pH測定センサは、電極を用いて電位差を測定し、水素イオン濃度を測定する方法に限定されず、ISFET(Ion Sensitive Field Effect Transistor;イオン感応性電界効果トランジスタ)のような半導体センサを用いてもよい。頭皮のpH測定により得られたpHセンシングデータにより、頭皮のアルカリ傾向が把握でき、皮脂の変質が推認され、シャンプーの見直しなどのアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。
【0058】
(静電気測定センサ)
静電気測定センサは、頭皮の表面電位だけでなく、頭部センシング装置の表面電位も測定することが好ましい。表面電位の測定は非接触式で測定することが好ましいが、測定と同時に静電気を除去することを目的とする場合には、接触式で測定することができる。静電気発生量に応じて頭皮の乾燥による影響が推認され、種々のトラブルに応じたアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。
【0059】
(臭気センサ)
臭気センサは、金属酸化物半導体のような酸化物半導体式または有機半導体式による半導体式のセンサであることが好ましい。ユーザの臭度タイプによって、膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor:MSS)やFETバイオセンサなど他のタイプのセンサを用いてもよい。臭気発生量に応じてにおいによる不快さが推認され、種々のトラブルに応じたアドバイス情報を生成するための基礎データとなる。
【0060】
(その他の生体情報センサ)
上述のとおり、生体情報センサとして種々の具体例を記載したが、本発明において採用することができる生体情報センサは、上述したセンサに限定されない。例えば、頭皮の粘弾性(張り)や硬さをセンシングするセンサを採用してもよい。具体的には、MEMSのような振動子組み込みデバイスによるインピーダンス測定をすることができる。
【0061】
(3次元位置情報取得センサ)
また、環境情報センサとして、3次元位置情報取得センサを頭部センシング装置の任意の領域に搭載することができる。本実施形態では、特にヘアブラシ400の第2の柱状突起の先端(第2のセンサ24)だけでなく、把持部42に搭載してもよい。ユーザがヘアブラシ400の把持部42を把持し、ヘアブラシ400をユーザの頭部にて使用した際に、3次元位置情報取得センサは、ヘアブラシ400がどのような3次元位置、角度にて移動したのか測定することができる。
【0062】
3次元位置情報取得センサは任意のセンサを利用することができるが、例えば磁気式のトラッキングセンサを利用することが好ましい。別の実施形態ではMEMSタイプの加速度計などと組み合わせることにより、より高精度にユーザが使用するヘアブラシ400の3次元位置情報を取得することができる。
【0063】
上述の生体情報センサにより取得されたセンシングデータと、当該3次元位置情報取得センサにより取得した位置情報とを対応付けて格納部31に格納することが好ましい。
【0064】
(撮像素子(光センサ))
撮像素子は、検出した光の量を信号に変える光センサであればよく、低電力で作動することが好ましい。少なくとも可視光領域の波長の光を検出する半導体素子を用いたセンサが好ましい。
【0065】
また、第2のセンサ24として撮像素子を搭載した場合、当該撮像素子を、上述の皮脂測定センサ、肌水分量測定センサ、または、血流量センサとして利用することができる。撮像素子により撮影された複数の画像情報を比較することにより、皮脂の量や、肌水分量、血流量の相対的な値を測定することができる。
【0066】
(電源)
電源5は、センサ2と同様にヘッドギア200またはヘアブラシ400の任意の領域に搭載することが好ましい。好ましい実施形態では、ヘッドギア200のヘッドバンド部201、または、ヘアブラシ400の把持部42に搭載されることが好ましい。センサ2は、頭部の情報をセンシングするためヘッドギア200またはヘアブラシ400に直接搭載される必要があるが、電源5が高出力電源の場合はケーブルなどを介してヘッドギア200またはヘアブラシ400外に搭載されてもよい。
【0067】
電源5は、非充電式のバッテリであってもよいが、充電式のバッテリであるのが好ましい。頭部センシング装置を利用していない時間帯に定期的に充電できることが好ましい。
【0068】
別の好ましい実施形態では、電源5は自己発電する熱電素子であることが好ましい。例えば、ゼーベック効果を利用したシリコンベースの半導体からなる熱電素子であって、体温と大気温度との温度差で発電する熱電素子を採用してもよい。
【0069】
電源5は、上述した充電バッテリと自己発電する熱電素子とを組み合わせた電源としてもよい。
【0070】
電源5によりセンサ2および格納部31は電力が供給され、センシングデータを取得することができ、センシングデータを格納することができる。電源5により計時部33は電力が供給され、センサ2によるセンシング時間を併せて格納することができる。このように連続した安定した電力供給により、頭部環境のデータを経時的に得ることができる。
【0071】
(センシングデータの読み取り)
図6に示すフローチャートに従い、以下、各ステップについて詳細に説明する。
【0072】
ステップS31では、計測部3は、第1の柱状突起の先端に設置された第1のセンサ23により、ユーザの頭部を測定する。同時に、ステップS41では、ユーザ頭部の略同じ領域に対して、計測部3は、第2の柱状突起の先端に設置された第2のセンサ24により、ユーザの頭部を測定する。例えば、ユーザ頭部のある領域について温度センサである第1のセンサ23によって頭部表面の温度を測定し、同時に撮像素子である第2のセンサ24により、同じ領域の画像を撮像する。
【0073】
ステップS32では、計測部3は、第1のセンサ23により測定されたセンシングデータを格納部31に格納する。ステップS42では、計測部3は、第2のセンサ24により測定されたセンシングデータを格納部31に格納する。
【0074】
各センサによって取得したセンシングデータを格納した格納部31は、頭部センシング装置から取り外し可能な記憶装置であることが好ましい。好ましい実施形態では、記憶装置は、フラッシュ・メモリのような半導体メモリから構成されるコンピュータで読み取り可能な記憶媒体である。
【0075】
ステップS33では、読取部34は、格納部31に格納された第1のセンサ23によるセンシングデータを読み取る。ステップS43では、読取部34は、格納部31に格納された第2のセンサ24によるセンシングデータを読み取る。
【0076】
好ましい実施形態では、アドバイス生成装置30にてセンシングデータを読み取る。
図1の(b)に示した構成例では、アドバイス生成装置30は、読取部34と、制御部35と、格納部38と、表示部39とを包含する。制御部35は更に、解析部36とアドバイス生成部37とを備える。読取部34にて読み取ったセンシングデータを格納部38に逐次格納することが好ましい。
【0077】
(アドバイス生成)
次いで、ステップS34では、解析部36は、読取部34にて読み取られた第1のセンサ23によるセンシングデータを解析する。ステップS44では、解析部36は、読取部34にて読み取られた第2のセンサ24によるセンシングデータを解析する。解析部36における解析には、例えば、センシングした対象に関して予め定めた閾値との対比などを実行することも含む。
【0078】
センシングデータの解析に基づきアドバイス生成部37にてアドバイス情報を生成する(S55)。そして、制御部35は、生成されたアドバイス情報を表示部39にて表示させる(S56)。これにより
図6に示すフローチャートの処理が終了する。
【0079】
格納部38は、データベースを備えてもよく、アドバイス生成部37は、当該データベースを参照してセンシングデータに基づいてアドバイス情報を生成することができる。ここで、アドバイス情報とは、アドバイスそのものを示すデータ(テキストデータ、図像のデータ)であってもよいし、予め用意された複数のアドバイス候補の何れかを選択するためのデータでもよい。
【0080】
アドバイス生成装置30が、店頭に設置されているパーソナルコンピュータにより構成される場合には、撮像素子にて撮像した画像情報を3次元的に表示させることが好ましい。画像情報によりセンシング領域を示しつつ、当該センシング領域におけるアドバイスについて、テキストデータを多く表示させることにより詳細なアドバイスを表示させることができる。
【0081】
アドバイス生成装置30が、タブレットやスマートフォンなどの携帯情報端末により構成される場合、アイコンなど図像により所定のアドバイスを表示させることも可能である。
【0082】
(機械学習を利用したアドバイス生成)
画像データは情報量が多いため、AI等の機械学習を用いてアドバイスを生成することも有用である。
【0083】
格納部31に格納された画像データを含むセンシングデータを参照した、解析部36及びアドバイス生成部37によるデータ解析及びアドバイスの生成処理についての具体的手法は本実施形態を限定するものではなく、例えば以下のような機械学習的手法の何れかまたはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0084】
・サポートベクターマシン(SVM: Support Vector Machine)
・クラスタリング(Clustering)
・帰納論理プログラミング(ILP: Inductive Logic Programming)
・遺伝的アルゴリズム(GP: Genetic Programming)
・ベイジアンネットワーク(BN: Bayesian Network)
・ニューラルネットワーク(NN: Neural Network)
ニューラルネットワークを用いる場合、入力されるセンシングデータをニューラルネットワークへのインプット用に予め加工して用いるとよい。このような加工には、データの1次元的配列化、または多次元的配列化に加え、例えば、データオーギュメンテーション(Data Augmentation)等の手法を用いることができる。
【0085】
また、ニューラルネットワークを用いる場合、畳み込み処理を含む畳み込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)を用いてもよいし、再帰的処理を含むリカレントニューラルネットワーク(RNN: Recurrent Neural Network)を用いてもよい。CNNを用いる場合、より具体的には、ニューラルネットワークに含まれる1又は複数の層(レイヤ)として、畳み込み演算を行う畳み込み層を設け、当該層に入力される入力データに対してフィルタ演算(積和演算)を行う構成としてもよい。またフィルタ演算を行う際には、パディング等の処理を併用したり、適宜設定されたストライド幅を採用したりしてもよい。
【0086】
また、ニューラルネットワークとして、数十〜数千層に至る多層型又は超多層型のニューラルネットワークを用いてもよい。
【0087】
また、センシングデータのデータ処理に用いられる機械学習は、教師あり学習であってもよいし、教師なし学習であってもよい。
【0088】
データ処理に用いられるプログラムおよび/またはデータは、アドバイス生成装置30の格納部38に格納されることが好ましいが、外部の記憶手段に格納されてもよい。
【0089】
上述した機械学習的手法により解析部36は、皮脂の量、肌水分量、血流量などを評価することができる。
【0090】
(複数のセンシング情報に基づくアドバイス生成)
上述したアドバイス生成部37によるアドバイス生成は、複数の種類のセンサを組み合わせることにより、アドバイス生成部37は、より複雑なアドバイス生成をすることができる。
【0091】
第2のセンサ24が撮像素子の場合、上述したように当該撮像素子は、第1のセンサ23によって直接センシングした領域に対して同時に頭皮環境を画像データとして取得することができる。取得したセンシングデータとしての画像データから、解析部36は、頭皮の赤み、発疹など被写体情報から頭皮のトラブル情報を直接確認できる。更には、頭髪表面のキューティクルの状態などから頭髪のトラブル情報を直接確認できる。
【0092】
それらに加え、画像データから、皮脂の量、肌水分量、血流量などを分析することができるため、当該撮像素子は、皮脂測定センサ、肌水分量測定センサ、血流量センサとしても利用することができる。このように、画像データを利用した解析部36による皮脂の量、肌水分量、血流量の解析と組み合わせることにより、アドバイス生成部37は、より総合的なアドバイス情報を生成することができる。
【0093】
図7乃至
図14は、アドバイス生成装置30にて生成されるアドバイス情報を規定するデータフォーマットの一例を示す図である。
図7乃至
図14に示したデータフォーマットは、可変長テキストフォーマットの例であるが、他の好ましい実施形態では、バイナリフォーマットによって構成してもよい。
【0094】
(温度測定データに基づくアドバイス)
図7は、第1のセンサ23が、複数の温度測定センサであり、複数の領域(例えば、領域A乃至C)において異なる温度データを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図7に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0095】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が温度であると特定した場合、
図7に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「温度」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。ここで、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0096】
第2のセンサ24が撮像素子であり、温度測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、頭皮表面に赤みや発疹などが確認できない場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「部分的差異」と特定し、「推察される問題要素」に「血行不良個所の特定」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、頭皮に関するアドバイスとして頭皮の温度に部分的差異が生じている旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「特に温度が低い箇所のケアを重点的に」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図7に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。表示部39では、頭皮の画像情報と併せて上記アドバイス情報を表示させる。
【0097】
(皮脂測定データに基づくアドバイス)
第1のセンサ23が皮脂測定センサであり、第2のセンサ24が撮像素子であり、これら2種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングする。この場合、第1のセンサ23により取得されたセンシングデータが皮脂量情報であり、第2のセンサ24により取得されたセンシングデータが第1のセンサ23により測定された箇所を含む領域の画像情報となる。皮脂量情報が予め設定した基準値を下回った場合、且つ、画像情報から頭皮の乾燥状態が検出できた場合、アドバイス生成部37が、頭皮乾燥のケアを促すアドバイス情報を生成することができる。以下、具体例を詳述する。
【0098】
図8は、第1のセンサ23が、皮脂測定センサであり、当該皮脂測定センサにおいて皮脂の量が少ないことを示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図8に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0099】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が皮脂量であると特定した場合、
図8に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「皮脂」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0100】
第2のセンサ24が撮像素子であり、皮脂測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から頭皮の乾燥が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「少ない場合」と特定し、「推察される問題要素」に「頭皮の乾燥」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、皮脂不足によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪に関するコメントとして「髪のパサつきに注意、保湿系のシャンプー類の使用を推奨」というアドバイスを生成する。また、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「乾燥系のフケに注意、保湿系のシャンプー類使用を推奨」というアドバイスを生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「静電気発生の可能性、人工毛の場合、その保護のため、帯電防止などの準備を」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図8に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0101】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の乾燥状態情報を取得し、取得した乾燥状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0102】
図9は、第1のセンサ23が、皮脂測定センサであり、当該皮脂測定センサにおいて皮脂の量が多いことを示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図9に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0103】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が皮脂量であると特定した場合、
図9に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「皮脂」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。
図8の場合と同様に、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0104】
第2のセンサ24が撮像素子であり、皮脂測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から皮脂による毛穴の目詰まりが確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「多い場合」と特定し、「推察される問題要素」に「頭皮トラブル」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、皮脂多量によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪に関するコメントとして「皮脂の影響により髪のべたつきが発生する可能性がある」というアドバイスを生成する。また、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「毛穴の目詰まりや皮脂変質によるにおいの発生や炎症が懸念」というアドバイスが生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「ウイッグの洗浄時期に注意」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図9に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0105】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の皮脂状態情報を取得し、取得した皮脂状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0106】
(湿度測定データに基づくアドバイス)
第1のセンサ23が湿度測定センサ(肌水分量測定センサ)であり、第2のセンサ24が撮像素子であり、これら2種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングする。この場合、第1のセンサ23により取得されたセンシングデータが肌水分量情報であり、第2のセンサ24により取得されたセンシングデータが第1のセンサ23により測定された箇所を含む領域の画像情報となる。肌水分量情報が予め設定した基準値を下回った場合、且つ、画像情報から頭皮の乾燥状態が検出できた場合、アドバイス生成部37が、頭皮乾燥のケアを促すアドバイス情報を生成することができる。以下、具体例を詳述する。
【0107】
図10は、第1のセンサ23が、湿度測定センサであり、当該湿度測定センサにおいて水分量が少ないことを示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図10に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0108】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が湿度(水分量)であると特定した場合、
図10に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「湿度(水分)」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0109】
第2のセンサ24が撮像素子であり、皮脂測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から頭皮の乾燥が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「少ない場合」と特定し、「推察される問題要素」に「乾燥」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、水分不足によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、アドバイス生成部37は、髪に関するコメントとして「髪のパサつきに注意、保湿系のシャンプー類の使用を推奨」というアドバイスを生成する。また、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「乾燥系のフケに注意、保湿系のシャンプー類使用を推奨」というアドバイスを生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「静電気発生の可能性、人工毛の場合その保護のため、帯電防止などの準備を」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図10に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0110】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の乾燥状態情報を取得し、取得した乾燥状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0111】
図11は、第1のセンサ23が、湿度測定センサであり、当該湿度測定センサにおいて水分量が多いことを示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図11に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0112】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が湿度(水分量)であると特定した場合、
図11に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「湿度(水分)」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。ここで、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0113】
第2のセンサ24が撮像素子であり、湿度測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から頭皮の水分多寡が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「多い場合」と特定し、「推察される問題要素」に「汗による影響」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、水分多量によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪に関するコメントとして「湿気でのヘアスタイルの崩れに注意」というアドバイスを生成する。また、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「汗とともに皮脂の影響に注意」というアドバイスが生成される。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「湿気によるヘアスタイルの崩れに懸念、ウイッグのケアをこまめに」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図11に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0114】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の湿度状態情報を取得し、取得した湿度状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0115】
(静電気測定データに基づくアドバイス)
上述した肌水分量のセンシングの例では、第1のセンサ23が湿度測定センサ(肌水分量測定センサ)であり、第2のセンサ24が撮像素子から構成される組み合わせを例示した。好ましい実施形態では、第2のセンサ24として静電気測定センサを利用することができる。組み合わせの態様としては、第2のセンサとして撮像素子を搭載する第2の柱状突起と、第2のセンサとして静電気測定センサを搭載する第2の柱状突起とを、第1のセンサを搭載する第1の柱状突起と組み合わせて配置することができる。これら3種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングすることができる。
【0116】
別の好ましい実施形態では、撮像素子の代わりに第2のセンサとして静電気測定センサを利用することができる。この場合、第1のセンサを搭載する第1の柱状突起と、第2のセンサとして静電気測定センサを搭載する第2の柱状突起とを組み合わせて配置することができる。この場合、2種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングすることができる。
【0117】
図12は、第2のセンサ24が、静電気測定センサであり、当該静電気測定センサにおいて静電気発生度を示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図12に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0118】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が静電気であると特定した場合、
図12に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「静電気」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。ここで、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0119】
第2のセンサ24が静電気測定センサであり、湿度測定センサである第1のセンサ23による測定領域を測定し、測定データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、測定情報から静電気の発生が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「発生度」と特定し、「推察される問題要素」に「乾燥」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、静電気によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪に関するコメントとして「髪のパサつきに注意、ドライヤーによる乾かしすぎなども要観察、保湿系シャンプーの使用を推奨」というアドバイスを生成する。また、アドバイス生成部37は、頭皮に関するコメントとして「乾燥系のフケに注意、保湿系のシャンプー類使用を推奨」というアドバイスを生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「人工毛の場合その保護のため、帯電防止などの準備を」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図12に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0120】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の静電気発生情報を取得し、取得した静電気発生情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0121】
(pH測定データに基づくアドバイス)
第1のセンサ23がpH測定センサであり、第2のセンサ24が撮像素子であり、これら2種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングする。この場合、第1のセンサ23により取得されたセンシングデータがpH情報であり、第2のセンサ24により取得されたセンシングデータが第1のセンサ23により測定された箇所を含む領域の画像情報となる。pH情報が予め設定したアルカリ性基準値を上回った場合、且つ、画像情報から頭髪のキューティクルが開いている状態が確認できた場合、アドバイス生成部37が、頭皮トラブルのケアを促すアドバイス情報を生成することができる。以下、具体例を詳述する。
【0122】
図13は、第1のセンサ23が、pH測定センサであり、当該pH測定センサにおいてアルカリ性の傾向を示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図13に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0123】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象がpHであると特定した場合、
図13に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「pH」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。ここで、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0124】
第2のセンサ24が撮像素子であり、pH測定センサである第1のセンサ23による測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から頭髪のキューティクルが開いている状態が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「アルカリ傾向」と特定し、「推察される問題要素」に「皮脂の変質」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、アルカリ性によるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪および頭皮に関するコメントとして「頭皮トラブル発生の懸念、シャンプー方法の見直し、弱酸性シャンプーの使用を推奨」というアドバイスを生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「ウイッグへの負担増(アルカリによる浸食)の可能性、頭皮のシャンプー見直しとウイッグもこまめなケアを推奨」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図13に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0125】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部のpH情報を取得し、取得したpH情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0126】
(臭気測定データに基づくアドバイス)
第1のセンサ23または第2のセンサ24が臭気測定センサであり、第2のセンサ24が撮像素子であり、これら2種類のセンサを同時に頭部センシング装置に搭載してユーザの頭部をセンシングする。この場合、臭気測定センサにより取得されたセンシングデータが臭気情報であり、撮像素子により取得されたセンシングデータが臭気測定センサにより測定された箇所を含む領域の画像情報となる。臭気情報が予め設定した基準値を上回った場合、且つ、画像情報から不純物が確認できた場合、アドバイス生成部37が、頭皮清浄ケアを促すアドバイス情報を生成することができる。以下、具体例を詳述する。
【0127】
図14は、第1のセンサ23または第2のセンサ24が、臭気測定センサであり、当該臭気測定センサにおいて臭気の発生度を示すデータを含むセンシングデータがアドバイス生成装置30に取り込まれた場合に、アドバイス生成装置30が生成する管理情報の一例を示している。
図14に示す管理情報は、一例として可変長テキストフォーマットとしてアドバイス生成装置30にて管理される。
【0128】
解析部36は、センシングデータに基づいて測定対象が臭気であると特定した場合、
図14に示すように、管理情報内の「測定項目」のフィールドに「におい」とエントリさせる。測定結果が存在する場合、解析部36は、「測定結果」のフィールドに「1」とエントリさせる。ここで、測定結果フィールドが「1」であることは、測定結果が存在していることを示している。
【0129】
第2のセンサ24が撮像素子であり、臭気測定センサによる測定領域を撮像し、画像データがアドバイス生成装置30に取り込まれ、解析部36にて解析される。その結果、画像情報から皮脂やよごれなどの不純物が確認できた場合、解析部36は、センシングデータに基づいて、問題となる現象を「発生度」と特定し、「推察される問題要素」に「不快」とエントリさせる。このような解析部36による解析情報に基づいて、アドバイス生成部37は、においによるトラブルが生じ得る旨のアドバイスを生成することができる。例えば、アドバイス生成部37は、髪および頭皮に関するコメントとして「シャンプーの見直し(洗い方、銘柄、頻度)を推奨」というアドバイスを生成する。更に、アドバイス生成部37は、ウイッグ利用者に対するコメントとして「ウイッグの洗浄時期に注意」というアドバイスを生成し、好ましい実施形態では、
図14に示したデータフォーマットを表示部39に渡す。
【0130】
このように同じ領域を複数のセンサを介してセンシングすることにより、頭部センシング装置を使用する頭部の臭気情報を取得し、取得した臭気情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0131】
(エッジコンピューティングによるアドバイス生成)
なお、上記の例では、センサシステム1とは別体のアドバイス生成装置30においてアドバイスを生成する例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0132】
アドバイス生成装置30が備える制御部35の一部又は全部を、センサシステム1が実装する態様とし、頭部センシング装置上でアドバイス生成を行う構成としてもよい。この場合、一例として、生成したアドバイスを読取部34が読み取り、表示部39が当該アドバイスを表示する。
【0133】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0134】
(携帯情報端末の構成)
本実施形態の頭部センシング装置に搭載されるセンサシステム10は、格納部31に格納されたセンシングデータの少なくとも一部を送信する第1の通信部6を更に備える。制御部32は、頭部センシング装置を使用する頭部のセンシングデータを第1の通信部6を介して外部に送信させることができ、格納部31を有効に利用することができる。
【0135】
図15は、本実施形態に係る通信システムの構成例の概略を示す。
図15は、送信機側であるセンサシステム10から送信されたセンシングデータを受信する受信機として第2の通信部15を備えた情報携帯端末の一例であるスマートフォン11を例示する。受信機としての情報携帯端末は、スマートフォンに限定されず、受信機能を備えたタブレット、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスであっても良い。
【0136】
(携帯情報端末との通信)
ユーザが使用する頭部センシング装置とユーザが携帯する情報携帯端末との距離は、数メートル以内であることに鑑みて、第1の通信部6および第2の通信部15は、近距離無線通信のプロトコルに対応したネットワークインターフェースであることが好ましい。例えば、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、ZigBee(登録商標)(IEEE 802.15.4)、UWB(Ultra-Wide Band)など低消費電力で作動する無線接続仕様を採用することができるが、これらの仕様に限定されない。
【0137】
(携帯情報端末におけるデータ処理)
センサシステム10を構成する構成要素のうち少なくともセンサ2および出力部4は、頭部センシング装置の任意の領域に直接搭載することが好ましい。第1の通信部6もセンサ2と同様に頭部センシング装置の任意の領域に直接搭載することが好ましいが、ケーブルなどを介して頭部センシング装置外に装着保持してもよい。
【0138】
第1の通信部6から送信されたセンシングデータを受信するスマートフォン11は、入力部12、表示部13、第1の演算部14、第2の通信部15、格納部16、電源部17、制御部18および第3の通信部19を包含する。スマートフォン11の各構成要素は、電源部17から供給された電力により作動する。
【0139】
図16は、本発明の実施形態2に係るアドバイスを生成する方法を示すフローチャートである。
【0140】
図16のステップS31〜S32およびステップS41〜S42は、実施形態1にて説明した
図6のステップS31〜S32およびステップS41〜S42と同様である。ステップS61,62では、制御部32により、格納されたセンシングデータを第1の通信部6を介して送信する。当該送信されたセンシングデータを、スマートフォン11の制御部18によって第2の通信部15を介して受信する(S63)。受信したセンシングデータは逐次格納部16に格納されることが好ましい。
【0141】
解析部181は、当該受信したセンシングデータを解析し(S64)、当該解析されたデータに基づいて、アドバイス生成部182はアドバイス情報を生成する(S65)。制御部18は、生成されたアドバイス情報を表示部39にて表示させる(S66)。これにより
図16に示すフローチャートの処理が終了する。
【0142】
別の好ましい実施形態では、格納部16には、アドバイス情報のデータベースが構築されていることが好ましい。また格納部16には、上述した温度情報に関する閾値や光量情報に関する閾値を格納することができる。当該閾値を予め設定する場合、ユーザは入力部12を介して入力することができる。入力部12はタッチパネルを兼ねた表示部13により実現することも可能である。
【0143】
制御部18は、入力部12を介して入力された閾値に関する情報を、第2の通信部15を介して送信し、制御部32は、第1の通信部6を介して受信させ、格納部31に格納させることも可能である。この場合、センサシステム10の制御部32は、格納部31に格納された閾値情報に基づいて、出力部4に接続された制御デバイスを制御することができる。
【0144】
制御部18は、受信したセンシングデータを参照してアドバイス情報を生成するアドバイス生成部182を包含する。好ましい実施形態では、解析部181は、受信したセンシングデータを解析し、アドバイス生成部182は、当該解析されたデータとアドバイス情報のデータベースとを参照してアドバイス情報を生成する。制御部18は、当該生成されたアドバイス情報を表示部13に表示させる。スマートフォン11の表示部13が備える画面は表示領域が限られているため、アイコンなどの図像情報としてのアドバイス情報を表示させることが好ましい。
【0145】
アドバイス情報の生成の具体例について、本実施形態では詳細に言及しないが、上述した実施形態1において説明した解析部36及びアドバイス生成部37による処理と同様であってよい。
【0146】
第3の通信部19は、3G通信以降のLTE通信などの広域無線通信22のプロトコルに対応したネットワークインターフェースであることが好ましい。好ましい実施形態では、IEEE 802.11に対応したネットワークインターフェースであってもよいが、これらの通信仕様に限定されない。スマートフォン11は、第3の通信部19を介して種々の情報を取得することができる。例えば、天気予報を含む気象情報を取得することができる。
【0147】
センサ2が位置情報センサの場合、アドバイス生成部182は、頭部センシング装置利用者の位置情報と、気象情報とを参照してアドバイス情報を生成することができる。例えば、降雨予報が得られている場合には、アドバイス生成部182は、頭部センシング装置が雨に濡れないようなアドバイス情報を生成し、表示部13に表示させることができる。
【0148】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0149】
(システム構成)
図17は、本実施形態に係る通信システムの構成例の概略を示す。
図17に示したネットワーク構成例では、頭部センシング装置に搭載されたセンサシステム10から送信されたセンシングデータを受信したスマートフォン11と、コンピュータシステム21とが広域無線通信22によってネットワーク接続されている。コンピュータシステム21は、少なくとも実施形態1のアドバイス生成装置30と共通する構成要素である制御部35と、格納部38と、表示部39とを備える。コンピュータシステム21は更に、第4の通信部51を備える。第4の通信部51を介して、スマートフォン11と通信22が確立されることが好ましい。
【0150】
コンピュータシステム21は、複数のセンサシステム10から送信されたセンシングデータを受信することができ、複数の頭部センシング装置ユーザの利用状態を管理する。好ましい実施形態では、ネットワーク52を介して管理者端末53はコンピュータシステム21を参照することができる。
【0151】
図18は、本発明の実施形態3に係るアドバイスを生成する方法を示すフローチャートである。
【0152】
図18のステップS31〜S62は、実施形態2にて説明した
図16のステップS31〜S62と同様である。ステップS63では、センシングデータを第2の通信部を介して受信する。次いで、スマートフォン11の制御部18により、格納されたセンシングデータを第3の通信部19を介して送信する(S72)。当該送信されたセンシングデータを、コンピュータシステム21の制御部35によって第4の通信部51を介して受信する(S73)。受信したセンシングデータはコンピュータシステム21の格納部38に逐次格納されることが好ましい。
【0153】
解析部36は、当該受信したセンシングデータを解析し(S74)、当該解析されたデータに基づいて、アドバイス生成部37はアドバイス情報を生成する(S75)。制御部35は、生成されたアドバイス情報を表示部39にて表示させる(S76)。これにより
図18に示すフローチャートの処理が終了する。
【0154】
アドバイス情報の生成の具体例について、本実施形態では詳細に言及しないが、上述した実施形態1において説明した解析部36及びアドバイス生成部37による処理と同様であってよい。
【0155】
(ネットワーク構成)
第1の通信部6が、近距離無線通信のプロトコルに対応したネットワークインターフェースの場合は、スマートフォン11を介してコンピュータシステム21と広域無線通信接続されることが好ましい。一方、第1の通信部6が低電力で稼働するLTE Cat.M1のようなLPWA(Low Power Wide Area)などに対応したネットワークインターフェースの場合、スマートフォン11を介さずに直接コンピュータシステム21と広域無線通信接続することができる。
【0156】
いずれの態様であっても、コンピュータシステム21は、複数の頭部センシング装置に搭載されたセンサシステム10から送信されたセンシングデータを受信し、種々の環境におけるセンシングデータをデータベースに格納することができる。
【0157】
特定の湿度環境や温度環境において特定の頭部センシング装置ユーザのセンサシステム10の特定のセンサが稼働しない状況が発生した場合、制御部35は、第4の通信部51を介して他の頭部センシング装置ユーザに当該情報を送信することができる。
【0158】
〔ソフトウェアによる実現例〕
センサシステム1の制御ブロック(特に計測部3および制御部35)、情報処理装置であるスマートフォン11の制御ブロック(特に第1の演算部14および制御部18)、及び、情報処理装置であるコンピュータシステム21の制御ブロック(特に制御部35)のうちの少なくとも1つは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0159】
後者の場合、情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0160】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る頭部センシング装置は、第1の高さの柱状突起の先端に第1のセンサを備えた1つ以上の第1の柱状突起と、前記第1の高さより低い第2の高さの柱状突起の先端に第2のセンサを備えた1つ以上の第2の柱状突起と、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサから取得したセンシングデータの少なくとも1つを格納する格納部と、を備える構成である。
【0161】
上記の構成によれば、2種類の異なる高さの柱状突起に搭載したセンサにより取得された頭部環境のデータを頭部センシング装置に備えられた格納部に格納することができる。
【0162】
本発明の態様2に係る頭部センシング装置は、上記の態様1において、前記第1の柱状突起の先端と反対側の端部、および、前記第2の柱状突起の先端と反対側の端部が固着された基材が、頭部の少なくとも一部を覆うヘッドギアの少なくとも一部を構成する構成としてもよい。
【0163】
上記の構成によれば、頭部環境のデータをヘッドギアに実装した2種類の異なる高さの柱状突起に搭載したセンサによって得ることができる。
【0164】
本発明の態様3に係る頭部センシング装置は、上記の態様1において、前記第1の柱状突起の先端と反対側の端部、および、前記第2の柱状突起の先端と反対側の端部が、ヘアブラシのヘッド部に配置され、前記第1の柱状突起および前記第2の柱状突起がヘアブラシのブリッスルを構成する構成としてもよい。
【0165】
上記の構成によれば、頭部環境のデータをヘアブラシに実装した2種類の異なる高さの柱状突起に搭載したセンサによって得ることができる。
【0166】
本発明の態様4に係る頭部センシング装置は、上記の態様1から3のいずれか一項において、前記第1のセンサは、頭皮に接触することにより頭皮の表面状態をセンシングする生体情報センサであり、前記第2のセンサは、頭皮から離れて頭部をセンシングするセンサである構成としてもよい。
【0167】
上記の構成によれば、頭皮の特定の領域について異なる2つの高さから同時にセンシングすることにより、異なる情報を同時に取得することができる。
【0168】
本発明の態様5に係る頭部センシング装置は、上記の態様1から4のいずれか一項において、前記格納部に格納されたセンシングデータの少なくとも一部を送信する通信部を更に備える構成としてもよい。
【0169】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部のセンシングデータを外部に送信することができ、格納部を有効に利用することができる。
【0170】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサが取得したセンシングデータを取得する取得部と、前記取得部が取得したセンシングデータを参照して、ユーザへのアドバイスを示すアドバイス情報を生成するアドバイス生成部と、前記アドバイス生成部が生成したアドバイス情報を表示する表示部と、を備えている構成である。
【0171】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部のセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータに基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0172】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記の態様6において、前記第1のセンサが皮脂測定センサであり、前記第1のセンサにより取得されたセンシングデータが皮脂量情報であり、前記第2のセンサが撮像素子であり、前記第2のセンサにより取得されたセンシングデータが前記第1のセンサにより測定された箇所の画像情報であり、前記皮脂量情報が予め設定した基準値を下回った場合、且つ、前記画像情報から頭皮の乾燥状態が検出できた場合、前記アドバイス生成部が、頭皮乾燥のケアを促すアドバイス情報を生成する構成としてもよい。
【0173】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部の乾燥状態情報を取得し、取得した乾燥状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0174】
本発明の態様8に係る情報処理装置は、上記の態様6において、前記第1のセンサが肌水分量測定センサであり、前記第1のセンサにより取得されたセンシングデータが肌水分量情報であり、前記第2のセンサが撮像素子であり、前記第2のセンサにより取得されたセンシングデータが前記第1のセンサにより測定された箇所の画像情報であり、前記肌水分量情報が予め設定した基準値を下回った場合、且つ、前記画像情報から頭皮の乾燥状態が検出できた場合、前記アドバイス生成部が、頭皮乾燥のケアを促すアドバイス情報を生成する構成としてもよい。
【0175】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部の乾燥状態情報を取得し、取得した乾燥状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0176】
本発明の態様9に係る情報処理装置は、上記の態様6において、前記第1のセンサがpH測定センサであり、前記第1のセンサにより取得されたセンシングデータがpH情報であり、前記第2のセンサが撮像素子であり、前記第2のセンサにより取得されたセンシングデータが前記第1のセンサにより測定された箇所の画像情報であり、前記pH情報が予め設定したアルカリ性基準値を上回った場合、且つ、前記画像情報から頭髪のキューティクルが開いている状態が確認できた場合、前記アドバイス生成部が、頭皮トラブルのケアを促すアドバイス情報を生成する構成としてもよい。
【0177】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部の乾燥状態情報を取得し、取得した乾燥状態情報に基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0178】
本発明の態様10に係る頭部測定方法は、頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサによって頭部を測定してセンシングデータを取得する取得ステップと、前記取得したセンシングデータを、前記頭部センシング装置に搭載された格納部に格納する格納ステップと、を含んでいる方法である。
【0179】
上記の構成によれば、2種類の異なる高さの柱状突起に搭載したセンサにより取得された頭部環境のデータを頭部センシング装置に備えられた格納部に格納することができる。
【0180】
本発明の態様11に係る情報処理方法は、頭部センシング装置に配置された、第1の高さの第1の柱状突起、および、前記第1の高さより低い第2の高さの第2の柱状突起のぞれぞれの先端に搭載された第1のセンサ、および、第2のセンサによって頭部を測定してセンシングデータを取得する取得ステップと、前記取得したセンシングデータを参照して、ユーザへのアドバイスを示すアドバイス情報を生成するアドバイス生成ステップと、前記生成したアドバイス情報を表示するステップと、を含んでいる方法である。
【0181】
上記の構成によれば、頭部センシング装置を使用する頭部のセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータに基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0182】
本発明の態様12に係る情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記取得部、前記アドバイス生成部、および前記表示部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラムは、上記の態様6において、前記取得部、前記アドバイス生成部、および前記表示部としてコンピュータを機能させる構成としてもよい。
【0183】
上記の構成によれば、コンピュータプログラムによって、頭部センシング装置を使用する頭部のセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータに基づいてアドバイスを生成し表示することができる。
【0184】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【解決手段】第1の高さの柱状突起の先端に第1のセンサ2を備えた1つ以上の第1の柱状突起と、前記第1の高さより低い第2の高さの柱状突起の先端に第2のセンサ2を備えた1つ以上の第2の柱状突起と、前記第1のセンサ2および前記第2のセンサ2から取得したセンシングデータの少なくとも1つを格納する格納部31と、を備える。