特許第6647501号(P6647501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6647501
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】算数教育用器具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/02 20060101AFI20200203BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   G09B19/02 A
   A63H33/00 A
   A63H33/00 302D
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-93658(P2019-93658)
(22)【出願日】2019年5月17日
【審査請求日】2019年5月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511034240
【氏名又は名称】株式会社TOEZ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高久 京子
【審査官】 西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5249473(JP,B1)
【文献】 特開2013−156396(JP,A)
【文献】 特開2007−212552(JP,A)
【文献】 実開昭60−16171(JP,U)
【文献】 実公昭59−21410(JP,Y2)
【文献】 実開昭57−98281(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0028229(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H1/00−37/00,
G09B1/00−21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口し、第1から第4の側壁を有する箱状の容器と、
前記容器に収容される複数の球と、
前記容器の一部あるいは全部を隠す左右両端が開口したカバーと、
前記容器の第1の側壁に当接し、他方が前記容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、前記容器の第3の側壁とで第1の領域を形成する第1の隔壁と、
前記容器の第1の側壁に当接し、他方が前記容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、前記第1の隔壁とで第2の領域を形成すると共に、前記容器の第4の側壁とで第3の領域を形成する第2の隔壁とを有し、
前記第1の隔壁と前記第2の隔壁は、前記第1の領域から前記第3の領域に、前記球が2つ並ぶように配置されており、
前記第1の隔壁は、前記第1の領域と前記第2の領域の間を前記球が移動可能なように第1の連絡経路を形成し、
前記第2の隔壁は、前記第2の領域と前記第3の領域の間を前記球が移動可能なように第2の連絡経路を形成し、
前記容器の前記第1の側壁は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に対応した第1の溝と、前記第2の領域と前記第3の領域の境界に対応した第2の溝を有し、
前記容器の前記第2の側壁は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に対応した第3の溝と、前記第2の領域と前記第3の領域の境界に対応した第4の溝を有し、
前記第1の溝および前記第3の溝に着脱自在に嵌合し、前記第1の領域と前記第2の領域を分断する第1の可動式仕切り板と、
前記第2の溝および前記第4の溝に着脱自在に嵌合し、前記第2の領域と前記第3の領域を分断する第2の可動式仕切り板とを有することを特徴とする算数教育用器具。
【請求項2】
請求項記載の算数教育用器具において、
前記容器、前記第1と前記第2の隔壁、及び前記第1と前記第2の可動式仕切り板は木材により構成されており、
前記容器、及び前記第1と第2の隔壁の厚さは同じサイズとし、
前記第1と第2の可動式仕切り板は、前記容器の厚さより薄くしたことを特徴とする算数教育用器具。
【請求項3】
上部が開口し、第1から第4の側壁を有する箱状の容器と、
前記容器に収容される複数の球と、
前記容器の一部あるいは全部を隠す左右両端が開口したカバーと、
前記容器の第1の側壁に当接し、他方が前記容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、前記容器の第3の側壁とで第1の領域を形成し、前記容器の前記第1から4の側壁と同じ厚さを有する第1の隔壁と、
前記容器の第1の側壁に当接し、他方が前記容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、前記第1の隔壁とで第2の領域を形成すると共に、前記容器の第4の側壁とで第3の領域を形成し、前記容器の前記第1から4の側壁と同じ厚さを有する第2の隔壁とを有し、
前記第1の隔壁と前記第2の隔壁は、前記第1の領域から前記第3の領域に、前記球が2つ並ぶように配置されており、
前記第1の隔壁は、前記第1の領域と前記第2の領域間を前記球が移動可能なように第1の連絡経路を形成し、
前記第2の隔壁は、前記第2の領域と前記第3の領域間を前記球が移動可能なように第2の連絡経路を形成し、
前記容器の前記第1の側壁は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に対応した第1の溝と、前記第2の領域と前記第3の領域の境界に対応した第2の溝を有し、
前記容器の前記第2の側壁は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に対応した第3の溝と、前記第2の領域と前記第3の領域の境界に対応した第4の溝を有し、
前記第1の溝および前記第3の溝に着脱自在に嵌合し、前記第1の領域と前記第2の領域を分断する第1の可動式仕切り板と、
前記第2の溝および前記第4の溝に着脱自在に嵌合し、前記第2の領域と前記第3の領域を分断する第2の可動式仕切り板とを有することを特徴とする算数教育用器具。
【請求項4】
請求項に記載の算数教育用器具において、
前記複数の球は、貫通穴を有し、赤色に着色されていることを特徴とする算数教育用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算数教育用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
幼児や小学校低学年の児童に、数の認識や加減計算を教育する際に用いる教具の一例として、例えば特許文献1に開示された算数教育用教具がある。
【0003】
この算数教育用教具は、球体を2つの領域の間に移動させ、又は球体を領域に入れたり取り出したりして、領域内の球体の数や配置を変更することで、幼児や児童に数の認識や数の計算を教えることができるように構成されている。この球体は、互いに連結された5個の球体を含み、5個の球体を一挙に移動させることで、球体の移動に時間と手間を省き、教育をより効率的に行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5249473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1によれば、一つの領域に球体を5個並べられるように構成されている。容器内には全部で20個までの球体が横方向に5個、縦方向(横方向に直行する方向)に4個、収容できる。この球体を仕切板で仕切られた2つの領域間で移動させ、各領域の球体を児童に見せることで、5個や10個を基準にした、数や計算に関する教育を行うことができる。しかしながら、数字の概念が未発達の幼児に数についての教育を行うには、5個や10個を基準にした教育が効率的でない場合がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、数字の概念が未発達の幼児に対して、効率的に数字の概念を教育することが可能な算数教育用器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の算数教育用器具の一態様は、上部が開口し、第1から第4の側壁を有する箱状の容器と、容器に収容される複数の球と、容器の一部あるいは全部を隠す左右両端が開口したカバーと、容器の第1の側壁に当接し、他方が容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、容器の第3の側壁とで第1の領域を形成する第1の隔壁と、容器の第1の側壁に当接し、他方が容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、第1の隔壁とで第2の領域を形成すると共に、容器の第4の側壁とで第3の領域を形成する第2の隔壁とを有し、第1の隔壁と第2の隔壁は、第1の領域から第3の領域に、球が2つ並ぶように配置されており、第1の隔壁は、第1の領域と第2の領域の間を球が移動可能なように第1の連絡経路を形成し、第2の隔壁は、第2の領域と第3の領域の間を球が移動可能なように第2の連絡経路を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、数字の概念が未発達の幼児に対して、効率的に数字の概念や算数を教育することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の算数教育用器具の斜視図である。
図2】実施例の算数教育用器具の容器を示す図である。
図3】実施例の算数教育用器具の容器に可動式仕切り板が嵌め合わされた状態を示す図である。
図4】実施例の算数教育用器具のカバーを示す図である。
図5】実施例の算数教育用器具を用いた第1段階の教育を示した図である。
図6】実施例の算数教育用器具を用いた第2段階の教育を示した図である。
図7】実施例の算数教育用器具を用いた第3段階の教育を示した図である。
図8】実施例の算数教育用器具を用いた第4段階の教育を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
尚、なお、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。
図面は、発明を分かりやすく説明するため、各部の大きさは、実際のサイズとは異なる。
【実施例】
【0011】
図1は、幼児に数字の概念や算数を教育するための算数教育用器具の斜視図である。幼児とは、2歳半から6歳の子供を対象とする。算数教育用器具100は、複数の球10、容器20、カバー30から構成される。
【0012】
図2は、算数教育用器具100の容器20の斜視図である。容器20は、上部が開口した箱状の部材である。容器20は、横方向に3つの領域に仕切るための隔壁21a、21bが設けられている。隔壁21の一端は、容器の横方向の一方の壁(第1の側壁)27aに当接する。隔壁21は容器20の横方向に直角に設けられ、容器20を3つの領域に仕切る壁を形成する。
【0013】
隔壁21によって形成される各領域23には、複数の球10が収容される。各領域23には、横方向に2つの球10が入るよう隔壁21によって仕切られる。隔壁21aと容器の縦方向の壁(第3の側壁)27cによって領域23aを、隔壁21aと隔壁21bによって領域23bを、隔壁21bと容器の縦方向のもう一方の壁(第4の側壁)27dによって領域23cが形成される。尚、隔壁21aと隔壁21bによって形成される各領域には、球10が10個程度入るよう、隔壁21は縦方向の長さを有する。
【0014】
隔壁21の他端は、容器の壁(第2の側壁)27bから離れた位置で終端する。隔壁21aは、容器20の壁との間に、球10が領域間を移動するための連絡通路24aを形成し、隔壁21bは、容器20の壁との間に連絡通路24bを形成する。連絡通路24は、球10が二つ同時に移動できるように形成される。
【0015】
領域23aは、第1の側壁27a、隔壁21a、第3の側壁27cによって形成され、領域23bは、第1の側壁27a、隔壁21a、隔壁21bによって形成され、領域23cは、第1の側壁27a、側壁21b、第4の側壁27dによって形成されているということもできる。
【0016】
尚、容器の第1の側壁27aには、領域23aと領域23bの境界に対応した溝26aと、領域23bと領域23cの境界に対応した溝26bが設けられている。また、容器の第2の側壁27bには、領域23aと領域23bの境界に対応した溝25aと、領域23bと領域23cの境界に対応した溝25bが設けられている。これら溝によって、可動式仕切り板22が着脱可能に嵌合して、容器20に装着される。
【0017】
算数教育器具は読み運びにしやすい大きさが好ましいため、容器20のサイズは、例えば、外寸が縦166×横166×高さ32mm、内寸が縦150×横150×高さ26mmとする。また、隔壁21の内寸は、縦112×横8×高さ25mmとする。
【0018】
球10は、視認性を上げ、幼児の興味を引く赤色に着色されていることが望ましく、そのサイズは直径20mmとする。球10には、幼児が誤飲した場合にも気道を確保するため、直径2−3mmの貫通穴を設けるようにしても良い。
【0019】
また、溝のサイズは、例えば、縦4×横4×高さ26mmとする。また、各領域のサイズは、例えば、縦110×横42×高さ26mmとする。ここで、サイズを示す縦、横は、図2の縦方向、横方向の寸法に該当し、高さは、図2の奥行方向の寸法を表す。
【0020】
容器20と隔壁21の厚さは、同じサイズ、例えば同じ8mmで、可動式仕切り板22の厚さは、容器の厚さとは異なるサイズ、例えば3mmである。容器20を球10が移動する際の耐久性の他に、発生する音色を、容器20と隔壁21とで同じようにするためである。また、可動式仕切り板22は、球が激しく当たることがないため、着脱性も考慮して容器や隔壁に比較してその厚さを薄くしている。
【0021】
また、幼児の興味を引く音を出すと共に、耐久性を考慮して、球10と容器20、隔壁21、可動式仕切り板22は木材を使用する。カバー30は、紙や樹脂を使用する。
【0022】
図3は、容器20に可動式仕切り板22が嵌め合わされた状態を示す図である。
可動式仕切り板22aは、隔壁21aの右側に隔壁21aと平行して設けられ、好ましくは隔壁21aに当接する。可動式仕切り板23bは、隔壁21bの右側に隔壁21bと平行して設けられ、好ましくは隔壁21bに当接する。
【0023】
可動式仕切り板22a、22bは、容器20に対して独立して着脱自在に、容器に設けられた溝と嵌合する。可動式仕切り板22aは容器の溝と嵌合して装着されると、領域23aと領域23bは分断され、球10は領域23aと領域23b間を移動することができない。
可動式仕切り板22bは容器の溝と嵌合して装着されるとすると、領域23bと領域23cは分断され、球10は領域23bと領域23c間を移動することができない。
【0024】
このように、可動式仕切り板22は、容器に対して着脱自在に装着されると、各領域を分断し、球10の移動を制限する。
【0025】
領域23a、領域23b、領域23cの横方向の長さは42mmであり、この領域23aの横方向の長さは容器の第3の側壁27cと隔壁21aとの距離に相当し、領域23bの横方向の長さは隔壁21aと隔壁21bとの距離に相当し、領域23cの横方向の長さは隔壁21bと容器の第4の側壁27dとの距離に相当する。各領域23において球10を横方向に最大2つ並べるようにするためである。数字の概念の身についていない幼児の認識能力、特に、飽きを生じることなく数を認識することができる数の限度が2つであるため、2つセットを一括りに認識させるようにするためである。この2個という数字を用いて後述する訓練や数字遊びにより、幼児は足し算、引き算、掛け算、割り算からなる四則計算を理解し、その能力を身につけることができる。
また、上述したサイズとすることで、算数教育用器具100を運ぶ際に、球10により必要以上の大きな音を出さないようにすることができる。
【0026】
図3では、可動式仕切り板22aと可動式仕切り板22bは、それぞれ隔壁21a、隔壁21bの右側に設けるよう構成されているが、可動式仕切り板22aと可動式仕切り板22bを隔壁21aと隔壁21bの左側に設けても良い。この場合、各領域23の横方向の長さは、球10が二つ分入る大きさとし、例えば、球の直径が20mmの時、42mm程度とする。
【0027】
また、可動式仕切り板22のサイズは、例えば、縦156×横3×25mmとする。
【0028】
図4は、算数教育用器具のカバーを示した図である。カバー30は、横方向の両端面31が開口しており、左右両方から容器20を収容できる。このカバー30は、容器20に対して左右(横方向)に摺動することで、容器20の領域23の一部あるいは全部を隠すことができる。
【0029】
次に、算数教育用器具を用いた数字の概念を教育の一例を以下に示す。
以下の例では、本実施例の算数教育用器具の構成により、幼児が球の数を数えることによって、複数の段階で四則演算を効率よく教育できることを説明したものである。
【0030】
<第1段階:1つの領域を用いて球1個−10個の数当て>
図5は、算数教育用器具を用いた第1段階の教育を示した図である。図5のように、カバー30により、容器20の領域23b、23cを隠し、領域23aのみを幼児に見せるようにしている。また、可動式仕切り板22aを容器20に装着し、領域23aから球が移動できない状態とし、領域23aに球を入れ、幼児に入れた球の数を答えさせる。可動式仕切り板22aにより、領域23aの球の数を固定できる。幼児は、2個までなら球を容易に認識できるので、球10が横に2個だけ並ぶ領域23aの球10の数を容易に認識することができ、数字の概念を身につけることができる。
【0031】
尚、第1段階で見せる領域は、23cであっても構わない。
第1段階で使用しない球は、領域23bや領域23cに収容するように、可動式仕切り板22を装着しておくようにすれば、使用しない球の紛失を防止することができる。
【0032】
<第2段階:2つの領域による足し算(球の合計20個まで)>
図6は、算数教育用器具を用いた第2段階の教育を示した図である。図6のように、カバー30により、領域23cを隠し、2つの領域23a、23bを幼児に見せるようにしている。幼児は、2つの領域23a、23bに収容される球10の数を数えることにより、2つの領域の球の足し算を学習することができる。変形例として、領域23aの2つの球を見せておき、カバー30を移動させて領域23bの3つの球を見せ、全部でいくつになるかを答えさせることで、2つの領域にある球の数、即ち、2+3=5という2つの数を足し合わせることについて学ぶことができる。
【0033】
可動式仕切り板22aを取り除き、5個の球を用いて、連絡通路24aを通して2つの領域23a、23b間で球を移動させることで、いろいろな組み合わせの足し算を学習することができる。
【0034】
尚、領域23aと領域23bに収容される球の合計数が合計5個までを第2段階の初期として、合計6個から20個までを第2段階後期とする。徐々に球の数を増やすことで、幼児の興味を維持させることができる。また、第2段階で見せる領域は、23b、23cであっても構わない。
【0035】
第2段階で使用しない球は、領域23cに収容するように、可動式仕切り板22bを装着しておくようにすれば、使用しない球の紛失を防止することができる。
尚、第2段階で使用する領域は、領域23bと領域23cであっても良い。
【0036】
<第3段階:2つの領域による引き算(球の合計20個まで)>
図7は、算数教育用器具を用いた第3段階の教育を示した図である。図7のように、カバー30により、領域23cを隠し、2つの領域23a、23bを幼児に見せるようにしている。最初領域23aに球10を5個だけ入れた状態から、2つの球を領域23bに移動させると、領域23aに残る球が何個となるかを幼児に答えさせる。これにより、5−2=3といった引き算の概念を理解させる。この際、可動式仕切り板22bは、容器20に装着しておくと、球10が領域23cに入ることを防止できるので、幼児を混乱させることなく、引き算の概念を教育することができる。
【0037】
また、変形例として、領域23bに全ての球(5個)を入れたのち、カバー30を移動して領域23aのみ見える状態にする。この状態で、球を2個だけ領域23aに移動させて、領域23bに残る球を幼児に答えさせ、引き算の概念を教育することもできる。この場合も可動式仕切り板22bは、容器20に装着され、領域23cに球が移動することがないようにできる。
【0038】
第3段階では、球の数が5個までを第3段階初期、6個から20個までを第3段階後期とする。
尚、第3段階で使用しない球は、領域23cに収容するように、可動式仕切り板22bを装着しておくようにすれば、使用しない球の紛失を防止することができる。
【0039】
<第4段階:3つの領域による足し算>
図8に、算数教育用器具を用いた第4段階の教育を示した図である。図8のように、カバー30を取り外し、全ての領域が幼児に見えるようにしている。
【0040】
可動式仕切り板は容器20から取り外され、領域間で球10が移動できるようにする。図8に示す状態で領域23a、領域23b、領域23cの球を全て数えることにより、2+3+2=7個という3つの足し算を学習させることができる。合計10個までを第4段階初期、合計11個から20個までを第4段階後期とし、幼児の興味を維持する。
【0041】
<第5段階:3つの領域による足し算と引き算>
まず、可動式仕切り板を容器からの取り除き、領域間を球が移動できる状態とする。この状態で、一つの領域、例えば領域23aに7個の球を入れておき、その後、球10を各領域に分散させる。分散させた状態が図8とする。
【0042】
この状態でカバー30により領域23cを隠し、領域23aと領域23bのみを幼児に見せ、見えない領域23cの球の数を答えさせる。幼児は、7−(2+3)=2といった足し算と引き算を同時に行って答えを導く、つまり、足し算と引き算を同時に行なえるようになる。このように、着脱可能な可動式仕切り板22を取り外することで、領域間の球の移動を自由させ、カバー30を摺動させて領域の一部を隠すことができるので、足し算と引き算を同時に行わなければ答えが出ない状況を容易に作り出すことができる。
尚、球の数が10個までを第5段階初期、11個から20個まで第5段階後期とし、幼児の興味を維持する。
【0043】
<第6段階:2つの領域による掛け算>
第5段階まで進むと、幼児は、足し算と引き算を理解できるので、その先の掛け算の考え方を理解させるのが第6段階である。
例えば、領域23aと領域23bの両方に球10を2個ずつ入れておく。カバー30で領域23aのみ幼児に見せ、これと同じ数の球が23bにあると、全部でいくつかと質問する。カバー30を移動させて、領域23aと領域23bを見せ、球の数を数えさせる。
【0044】
このように、同じ数の球が2つの領域に入っている場合、2×2=4となることを、幼児に容易に理解させ、掛け算の概念を教育することができる。特に、2の段を教育することができる。第6段階では、可動式仕切り板22bで領域23cには球が移動してしないようにしておくとよい。
【0045】
<第7段階:3つの領域による掛け算>
第6段階では、2つの領域を用いた掛け算の訓練であったが、第7段階では、3つの領域を用いて、同じ数だけ球を入れ、例えば、2個ずつ入れ、2×3=6となることを、幼児に容易に理解させ、掛け算の概念を教育することができる。特に、簡単な3の段を教育することができる。
【0046】
<第8段階;2つの領域による割り算>
第8段階では、2つの領域を使って割り算の概念を教育する。一つの領域、例えば、領域23aに球を6つ入れておき、これを二つの領域23a、23bに同じだけ入るように分けると一つの領域には何個の球になるかを答えさせる。つまり、6÷2=3の割り算を教育する。実際に、領域23aの球を3つ領域23bに移動し、各領域の球の数を3個となることを確認できるので、幼児は割り算の概念を学ぶことができる。
可動式仕切り板22bで領域23cには球が移動してしないようにしておくとよい。
第8段階で使用しない球は、領域23cに収容するように、可動式仕切り板22bを装着しておくようにすれば、使用しない球の紛失を防止することができる。
【0047】
<第9段階:3つの領域の割り算>
第9段階では、3つの領域を使って割り算の概念を教育する。一つの領域、例えば、領域23aに球を9つ入れて置き、これを二つの領域23a、23b、23cに同じだけ入るように分けると一つの領域には何個の球になるかを答えさせる。つまり、9÷3=3の割り算を教育する。実際に、領域23aから3つ球を領域23bに移動し、3つの球を領域23cに移動する。各領域の球の数を3個となることを確認できるので、幼児は割り算の概念を学ぶことができる。
【0048】
以上の通り、本発明の算数教育用器具によると、幼児の認識率の高い数といわれる“2”を基礎として足し算、引き算、掛け算、引き算の四則演算の概念を、幼児に興味を持たせたまま効率的に教育することができる。
【0049】
また、隔壁に加え、領域間を球が移動しないように可動式仕切り板を設けることで、教育に使用する領域間のみで球を移動させることができる。また、可動式仕切り板とカバーにより教育に使用しない領域に、使用しない球を収容させておくことができ、球の紛失防止が可能となる。
【0050】
また、3つの領域を用いて、3つの数の足し算、引き算、或いは、足し算と引き算の組合せを効率よく教育することができる。
【0051】
また、2つの領域と3つの領域を使うことにより、掛け算、割り算の概念を効率よく教育することができる。
【符号の説明】
【0052】
10:球、
20:容器、
21:隔壁、
22:可動式仕切り板、
23:領域
24:連絡通路、
30:カバー。
【要約】      (修正有)
【課題】数字の概念を教育する算数教育用器具を提供する。
【解決手段】上部が開口し、第1から第4の側壁を有する箱状の容器20と、容器に収容される複数の球10と、容器の一部あるいは全部を隠す左右両端が開口したカバー30と、容器の第1の側壁に当接し、他方が容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、容器の第3の側壁とで第1の領域を形成する第1の隔壁と、容器の第1の側壁に当接し、他方が容器の第2の側壁から離れた位置で終端し、第1の隔壁とで第2の領域を形成すると共に、容器の第4の側壁とで第3の領域を形成する第2の隔壁とを有し、第1の隔壁と第2の隔壁は、第1の領域から第3の領域に、球が2つ並ぶように配置されており、第1の隔壁は、第1の領域と第2の領域の間を球が移動可能なように第1の連絡経路を形成し、第2の隔壁は、第2の領域と第3の領域の間を球が移動可能なように第2の連絡経路を形成した算数教育用器具。
【選択図】図1
図1
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図8