(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二制御手段は、前記第一制御手段によって前記回転手段の前記第一位置及び前記第二位置のいずれかから前記第三位置への回転が開始されてから前記回転手段の前記第三位置への回転が完了されるまでの間に、前記可動手段の前記離間位置から前記近接位置へ向けた移動を開始することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
前記第二制御手段は、前記第一制御手段によって前記回転手段の前記第一位置及び前記第二位置のいずれかから前記第三位置への回転が完了されたときに、前記可動手段の前記離間位置から前記近接位置への移動を完了させることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
前記第二制御手段は、前記第一制御手段によって前記回転手段の前記第一位置及び前記第二位置のいずれかから前記第三位置への回転が完了された後に、前記可動手段を前記離間位置から前記近接位置へ向けて移動させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
【0016】
図1及び
図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(
図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(
図13参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右側には、遊技球の発射強度を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0017】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。
【0018】
センター飾り8は、表示装置28、ワープ通路81、ステージ82、電飾体80、大入賞口16を主に備える。表示装置28は、センター飾り8の上部の略中央において、遊技盤2の後側に配置されている。詳細は後述するが、本実施形態の表示装置28は、左右方向に延びる軸心(後述する回転軸285)を中心に回転する。表示装置28は、複数の表示面を備えており、
図2では、複数の表示面のうち第一表示面90Aが正面に向くように配置されている。このように、第一表示面90Aが正面に向くように配置されるときの表示装置28の位置を、以下では第一位置という。
【0019】
第一表示面90Aには、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93が、左側から順に左右方向に並べて配置されている。左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93は、7セグメントディスプレイにおける各セグメントの配置方式と同様にレンズが配置された表示部である。左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93は、各セグメント部が点灯、消灯及び点滅等されることで、様々な数字、文字及び模様からなる絵柄を表示可能である。第一表示面90Aの表示する絵柄には、特に、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための演出用の図柄である演出図柄が含まれる。パチンコ機1は、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93による3つの演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行する。パチンコ機1は、報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0020】
ワープ通路81は、センター飾り8において表示装置28の左下方に設けられる。ワープ通路81は、センター飾り8の左側を流下する遊技球の一部を、センター飾り8の外側から内側へ案内するための通路である。ワープ通路81は、ワープ入口811と通路部812とワープ出口813とを備える。ワープ入口811は、センター飾り8の左側の略中央に設けられ、遊技球をワープ通路81へ受け入れ可能である。通路部812は、ワープ入口811から右下方に傾斜しながら延設され、ワープ入口811から進入した遊技球の通路をなす。ワープ出口813は、通路部812においてワープ入口811が設けられる端部とは反対側の端部に設けられ、通路部812を通過した遊技球を、後述のステージ82の上部又はステージ82の前方へ向けて排出する。
【0021】
ステージ82は、ワープ出口813の右側において略前後方向に延びる面部であり、ワープ出口813から排出された遊技球を左右方向に転動可能である。ワープ出口813からステージ82の上部に排出された遊技球は、ステージ82の上部を左右方向に転動した後、ステージ82の前方へ排出される。
【0022】
電飾体80は、センター飾り8の略中央に配置された、数字の「8」を模った電飾部材である。電飾体80は、その内部にLEDが搭載された電飾基板33(
図13参照)を配置しており、遊技状態等に応じてLEDが点灯又は点滅することで、光って見える。電飾体80の右側の略中央には、第一変動表示部802及び第二変動表示部803が設けられている。第一変動表示部802は、第一大当たり判定の結果を報知する報知演出の実行中に点滅する。第二変動表示部803は、第二大当たり判定の結果を報知する報知演出の実行中に点滅する。これにより、第一表示面90A等において実行されている報知演出が、第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれに基づく報知演出であるかが、遊技者に示される。電飾体80の上側部分の内側には開口部801が設けられている。遊技盤2の開口部801に対応する部分は、前後方向に貫通して開口している。このため、表示装置28の複数の表示面が、開口部801を介して遊技盤2の前面側に露出される。電飾体80の下側部分は、ステージ82及び大入賞口16等を取り囲むように設けられる。
【0023】
大入賞口16は、センター飾り8において表示装置28の右下方に設けられる。大入賞口16は、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材161を備える。開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ大入賞口16の入口が開放され、遊技球は大入賞口16に入賞できる。大入賞口16の内部には、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材(図示せず)を備える特定領域162が設けられており、開閉部材が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は特定領域162を通過できる。大入賞口16に入賞した遊技球は、特定領域162又は大入賞口16の内部に設けられた非特定領域(図示せず)を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0024】
遊技領域4のうち、電飾体80の下側部分に囲まれた領域の略中央に、第一始動口14が設けられる。第一始動口14の下方であって、電飾体80の下側部分に囲まれた領域の下端部の左右両側に、左アウト口84及び右アウト口85が設けられている。第一始動口14には、ワープ通路81を介してセンター飾り8の内側に案内された遊技球の一部が入賞できる。第一始動口14に入賞せずに電飾体80の下側部分に囲まれた領域を流下する遊技球は、左アウト口84又は右アウト口85を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0025】
センター飾り8の右下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の左斜め下方に、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)としての開閉部材151を備えている。開閉部材151が開放された開放状態の場合にのみ第二始動口15の入口が開放され、遊技球は第二始動口15に入賞できる。開閉部材151は、ソレノイドによって電気的に開閉される。なお、第二始動口15は、開閉部材151が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材151が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
【0026】
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口86、各種の電飾ランプ、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。センター飾り8の外側を流下する遊技球のうち、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口86を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0027】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。
【0028】
本実施形態では、第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定では、大当たり及びはずれのいずれであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、大入賞口16の開閉部材161が所定回数開放される大当たり遊技が実行される。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が大入賞口16の内部の特定領域162を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。確率変動状態とは、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が通常よりも高くなる状態である。本実施形態では、生起された確率変動状態は、確率変動状態における大当たり判定の実行回数が所定の回数に達することで、いわゆる回数切り確変機能の作動によって終了する。
【0029】
普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、第二始動口15の開閉部材151が開放される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当り判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、上記と同様の大当たり遊技が実行される。なお、サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動に同期して、演出図柄の図柄変動を実行する。
【0030】
図3を参照して、駆動ユニット300の構成について説明する。駆動ユニット300は、ケース体26、ベース部27、表示装置28、回転灯装置30を備えている。ケース体26は、前面が開口する合成樹脂製の箱状であり、ケース体26の前面側に遊技盤2(
図2参照)が設けられる。ベース部27は、ケース体26の内側を左右方向に延びる樹脂部材である。ベース部27は、表示装置28を回転可能に支持するとともに、回転灯装置30を昇降可能に支持する。表示装置28及び回転灯装置30は、ベース部27を介してケース体26の内側に配置される。ケース体26の外縁部が、遊技盤2の後方側から所定のねじ(図示せず)等によって固定されることで、表示装置28及び回転灯装置30が遊技盤2(
図2参照)の後方に配置される。回転灯装置30は、パトランプ等の回転灯を模した演出装置である。
【0031】
図3を参照して、ベース部27の構造を説明する。ベース部27は、ケース体26の後面261に対して一段前方においてケース体26の内側を左右に略垂直に延びた状態で配置される。ベース部27には、第一ギヤ保持部290、第二ギヤ保持部310及び左軸保持部271等が設けられている。
【0032】
第一ギヤ保持部290は、ベース部27の右下部の前面から前方に延びるように設けられ、正面視で上下方向に長い略箱状に形成される。第一ギヤ保持部290の内側には、第一ギヤ機構29(
図4参照)が保持される。第一ギヤ保持部290の内側には、第一センサ292が設けられている。第一センサ292は周知のフォトセンサであり、第一ギヤ機構29の直上に配置される。第一センサ292は、第一ギヤ機構29の第二ギヤ294に固定された検出板294Aを検出することで、第二ギヤ294の位置を検出する。第一センサ292は、検出板294Aを検出した場合、ON信号を出力し、検出板294Aを検出しない場合、OFF信号を出力する。出力された検出信号は、ランプドライバ基板46を介してサブ制御基板58に送信される。サブ制御基板58は、受信した検出信号に基づいて、表示装置28が第一位置にあるか否かを判断できる。第一ギヤ保持部290の右面には、第一モータ291が固定されている。パチンコ機1において、第一モータ291はステッピングモータである。第一モータ291の出力軸291A(
図4参照)は、左方に向けて略水平に延び、第一ギヤ機構29と接続する。また、第一モータ291は、図示しない配線を介してランプドライバ基板46に接続される。第一ギヤ保持部290の左部には、当接部290A,290Bが設けられている。表示装置28が第一位置から後述する第二位置及び第三位置に向けて回転すると、表示装置28の右軸部281に設けられた突出部281Bの上下の端部が当接部290A,290Bのそれぞれに当接する。これにより、表示装置28が第二位置及び第三位置を超えて回転することが規制される。
【0033】
第二ギヤ保持部310は、ベース部27の左部に設けられている。図示しないが、第二ギヤ保持部310は、前面が開口する略箱状に形成されている。第二ギヤ保持部310の内側には、第二ギヤ機構31(
図4参照)が保持される。第二ギヤ保持部310の前面には、板状のカバー部310Aが固定されており、第二ギヤ保持部310の開口を塞いでいる。第二ギヤ保持部310の右側には、第二センサ312(
図7参照)が設けられている。第二センサ312は周知のフォトセンサであり、回転灯装置30の本体部32(
図4参照)後側に設けられた検出板(図示せず)を検出することで、回転灯装置30の位置を検出する。第二センサ312は、検出板を検出した場合、ON信号を出力し、検出板を検出しない場合、OFF信号を出力する。出力された検出信号は、ランプドライバ基板46を介してサブ制御基板58に送信される。サブ制御基板58は、受信した検出信号に基づいて、回転灯装置30が後述する離間位置にあるか否かを判断できる。第二ギヤ保持部310の後面には、第二モータ311が固定されている。パチンコ機1において、第二モータ311はステッピングモータである。第二モータ311の出力軸311A(
図4参照)は、前方に向けて略水平に延び、第二ギヤ機構31と接続する。また、第二モータ311は、図示しない配線を介してランプドライバ基板46に接続される。
【0034】
左軸保持部271は、第二ギヤ保持部310の下側に設けられている。左軸保持部271は、表示装置28の左軸部282の左端を、ベース部27に対して上側から回動可能に固定する。
【0035】
図4を参照して、第一ギヤ機構29の構成について説明する、第一ギヤ機構29は、第一モータ291の駆動力を、表示装置28を回転させる動力に変換する。第一ギヤ機構29は、第一ギヤ293、第二ギヤ294を備える。第一ギヤ293は、第一モータ291の左方に延びる出力軸291Aに固定され、出力軸291Aと一体に回転する。第二ギヤ294は、第一ギヤ293の上側に回転可能に支持され、第一ギヤ293の左右方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第二ギヤ294は、第一ギヤ293と噛み合う。このため、第二ギヤ294は、第一ギヤ293の回転に伴って回転する。第二ギヤ294の軸孔294Bには、左右方向に延びる表示装置28の回転軸285(
図9参照)が挿入固定される。このため、表示装置28は、第二ギヤ294の回転に伴って、第二ギヤ294と同方向に回転する。
【0036】
図4を参照して、第二ギヤ機構31の構成について説明する。第二ギヤ機構31は、第二モータ311(
図4参照)の駆動力を、回転灯装置30を昇降させる動力に変換する。第二ギヤ機構31は、第三ギヤ313、第四ギヤ314、連結部315等を備える。第三ギヤ313は、第二モータ311の前方に延びる出力軸311Aに固定され、出力軸311Aと一体に回転する。第四ギヤ314は、第三ギヤ313の右斜め下側に回転可能に支持され、第三ギヤ313の前後方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第四ギヤ314は、第三ギヤ313と噛み合う。このため、第四ギヤ314は、第三ギヤ313の回転に伴って回転する。第四ギヤ314の外端縁の前面側には、摺動部材314Aが設けられている。摺動部材314Aは、前方に延びる軸部材である。第四ギヤ314が回転する場合、摺動部材314Aは、第四ギヤ314の軸心を中心に回転移動する。
【0037】
連結部315は、第三ギヤ313及び第四ギヤ314の前方に設けられ、前後方向に厚みを有する長尺状である。連結部315の左端部は、軸部316を中心に第二ギヤ保持部310に対して回動可能に支持される。回転灯装置30の後述する本体部32の左部における前面側には、前方に延びる軸部321Aが設けられている。連結部315の右端部には、連結部315を前後方向に貫通して長手方向に延びる長孔315Aが設けられている。軸部321Aは、長孔315Aに摺動可能に嵌まる。連結部315の中央部には、連結部315を前後方向に貫通して、長孔315Aよりも長さを有する長孔315Bが設けられている。摺動部材314Aは、長孔315Bに摺動可能に嵌まる。第四ギヤ314の回転に伴い、摺動部材314Aが第四ギヤ314の軸心を中心に回転移動する。このとき、摺動部材314Aが長孔315Bの内側を摺動しながら移動するので、第四ギヤ314の回転に連動して、連結部315の右端部が軸部316を中心にして上下に移動する。連結部315の右端部が上下に移動することに伴い、長孔315Aの内側が軸部321Aを上下に移動させる。このため、回転灯装置30は、第四ギヤ314の回転に伴って、離間位置と近接位置との間を昇降できる。離間位置は、回転灯装置30が原点位置にある状態の位置であり、表示装置28から最も上方に離間した回転灯装置30の位置である。近接位置は、回転灯装置30が離間位置から表示装置28に向けて下降して、表示装置28に最も近接した位置である。
【0038】
図3から
図6及び
図9から
図11を参照して、表示装置28の構造について説明する。
図3に示すように、表示装置28は、ベース部27の下部の前面側に固定される。表示装置28は、回転軸285の延びる方向を回転中心にして、回転軸285の軸線周りにあたる外周部において、第一表示面90Aと第二表示面100Aとを周方向に並べて備えている。また、表示装置28は、外周部の他、その内側に第三表示面110A(
図6参照)を備えている。後述するが、第二表示面100Aには、「FIRE」の文字を模る絵柄を表示する文字絵柄表示部101が設けられている(
図5参照)。また、第三表示面110Aには、上向きの矢印を模る絵柄を表示する矢印絵柄表示部111が設けられている(
図6参照)。
【0039】
表示装置28は、
図4に示す前述の第一位置と、
図5に示す第二位置と、
図6に示す第三位置とに相互に切り替え可能である。第一位置は、表示装置28が原点位置にある状態の位置である。第一位置では、表示装置28の第一表示面90Aが正面に向くように配置される。
図4に示すように、表示装置28が第一位置にある場合、第二ギヤ294の検出板294Aが第一センサ292の検出位置に配置される。第二位置及び第三位置は、表示装置28が第一位置から可動した後の位置である。
図5に示すように、第二位置は、第一位置に対して表示装置28が回転軸285(
図9参照)を中心に右側面視で時計回りに略90度回転し、表示装置28の第二表示面100Aが正面に向くように配置される位置である。
図6に示すように、第三位置は、表示装置28が第一位置に対して回転軸285を中心に右側面視で反時計回りに略90度回転し、表示装置28の第三表示面110Aが正面に向くように配置される位置である。なお、「90度」は、表示装置28の公差等を含むことで90度前後の所定範囲の値となってもよい。表示装置28は、パチンコ機1の遊技状態に応じて、第一位置と第二位置と第三位置とを、相互に切り替える。表示装置28が第一位置から第二位置又は第三位置まで回転したか否かは、表示装置28が原点位置である第一位置にある状態から、第一モータ291が駆動したステップ数によって判断される。
【0040】
表示装置28は、左右方向に長い樹脂部材である。表示装置28の中央部は、正面視で略矩形状に形成されている(
図3参照)。また、表示装置28の中央部は、側面視で略L字型に形成されている(
図4参照)。
【0041】
図4及び
図5に示すように、表示装置28は、その外周に、第一表示面90Aと第二表示面100Aとをそれぞれ外側にして周方向に並べている。第一表示面90Aと第二表示面100Aとは略直交するように配置されており、表示装置28は、側面視で略L字型をなす。第二表示面100Aは、第一位置に配置された表示装置28における第一表示面90Aの下端から後方に向けて延設されている。第一表示面90Aは、表示装置28の回転中心から径方向外側に向けて演出図柄を表示する。第二表示面100Aは、表示装置28の回転中心から径方向外側に向けて文字絵柄を表示する。また、表示装置28は、第一表示面90A及び第二表示面100Aよりも回転軸285に近接する位置において、第二表示面100Aに対して背中合わせの状態で平行になるように、第三表示面110Aを配置している。第三表示面110Aは、回転軸285に対して矢印絵柄表示部111を向け、第二表示面100Aに対して略平行に延びている。また、第三表示面110Aは、第一表示面90Aに対して略直交に延びている。表示装置28は、第一表示部材90、第二表示部材100、第三表示部材110、カバー部120、右軸部281、左軸部282、回転軸285等を備える。
【0042】
第一表示部材90は、略平面状の板部材であって、その外面に第一表示面90Aを備える。
図4に示すように、第一表示部材90は、第一位置にある表示装置28の前面側に固定される。第一表示面90Aに配置される左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93は、それぞれ透光性を有する樹脂で形成されている。また、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93のそれぞれの内側に配置される6個のレンズ部99も、透光性を有する樹脂で形成されている。第一表示部材90は、第一表示面90Aを外側に向けてカバー部120に対してねじ止めによって固定される。
【0043】
図9に示すように、第一表示部材90と後述のカバー部120との間には、電飾基板331が配置される。電飾基板331において左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93のそれぞれに重なる位置には、複数のLED331Aが配置されている。また、電飾基板331において6個のレンズ部99のそれぞれに重なる位置には、6個の7セグメントLED331Bが配置されている。サブ制御基板58からの指示に応じて複数のLED331A及び6個の7セグメントLED331Bが点灯又は点滅することで、第一表示面90Aに演出図柄が表示される。
【0044】
第二表示部材100は、外方に向けて凸状に膨出するように湾曲する板部材であって、その外面に第二表示面100Aを備える。
図5に示すように、第二表示部材100は、第二位置にある表示装置28の前面側に固定される。第二表示面100Aの略中央には、文字絵柄表示部101が設けられている。第一表示部材90と第二表示部100部材とは、第一表示面90Aの延びる方向と、第二表示面100Aのうち文字絵柄表示部101が設けられている平面部分の延びる方向とが直交するように組み合わされている。文字絵柄表示部101は、「FIRE」の文字を模る赤色の透光性を有する樹脂で形成されている。第二表示面100Aのうち文字絵柄表示部101が設けられている部分は平面状に形成されている。第二表示面100Aのうち文字絵柄表示部101の上側及び下側の部分は、表示装置28の内側に向けて湾曲する曲面に形成されている。すなわち、表示装置28において、文字絵柄表示部101が外方に膨出している。このため、パチンコ機1は、表示装置28を第一位置から第二位置に向けて回転させることで、第二表示面100Aが前方にせり出してきたような迫力のある演出を実行できる。第二表示部材100は、第二表示面100Aを外側に向けて第三表示部材110に対してねじ止めによって固定される。
【0045】
図10に示すように、第二表示部材100と第三表示部材110との間には、電飾基板332が配置されている。電飾基板332は、第一面332Aと第二面332B(
図11参照)とを備える。第一面332Aは、第二位置において前方を向く面である。第二面332Bは、第三位置において前方を向く面である。第一面332Aにおいて文字絵柄表示部101と重なる位置には、複数のLED332Cが配置されている。サブ制御基板58からの指示に応じて複数のLED332Cが点灯又は点滅することで、第二表示面100Aに文字絵柄が表示される。文字絵柄は、演出図柄の図柄変動とは異なる表示である。パチンコ機1は、表示装置28を第一位置から第二位置に向けて回転させることで、演出図柄の図柄変動による演出に替えて、文字絵柄表示部101による文字絵柄を用いた演出を実行できる。
【0046】
第三表示部材110は、略平面状の板部材であって、その外面に第三表示面110Aを備える。
図6に示すように、第三表示部材110は、第三位置にある表示装置28において、カバー部120の後端から上方に延びるように設けられる。第三表示面110Aは、第二表示面100Aに対して反対の方向を向くように配置される。表示装置28は、第三表示部材110をこのような位置に配置することで、第二表示面100Aの反対側の面である表示装置28の内側にも、絵柄の表示面を設けている。表示装置28が第三位置にあるとき、第一表示面90Aが下方に向くように配置されるとともに、第二表示面100Aが後方を向くように配置される。このように、第一表示面90A及び第二表示面100Aが前方から視認できない態様において、第三表示面110Aが前方に向けて配置されるので、第三位置にある表示装置28は、遊技者に第三表示面110Aに注目させることができる。また、表示装置28は、このような第三表示部材110の配置の工夫によって、表示装置28が第三位置に配置されたときに、第三表示面110Aの前側且つカバー部120の上側の部分に所定の空間を設けることができる。
【0047】
矢印絵柄表示部111は、第三表示部材110を前後方向に貫通する複数の丸孔を、上向きの矢印の形に並べた部分である。
図6における第三表示部材110の後面側には、電飾基板332の第二面332Bが配置される。
図11に示すように、第二面332Bにおいて矢印絵柄表示部111と重なる位置には、複数のLED332Dが配置されている。サブ制御基板58からの指示に応じて複数のLED332Dが点灯又は点滅することで、第三表示面110Aに絵柄が表示される。パチンコ機1は、表示装置28を第一位置から第二位置に向けて回転させることで、演出図柄による演出に替えて、矢印絵柄表示部111による絵柄を用いた演出を実行できる。なお、
図6では、第三表示面110Aを外側から覆う樹脂製のシート部材の図示を省略している。
【0048】
カバー部120は、電飾基板331を第一表示面90Aとは反対側から覆い、表示装置28が第三位置に配置されたときに、第三表示面110Aの下部前面から前方に向けて略水平に延びる板部材である。カバー部120に設けられている多数の孔部121は、表示装置28の通気孔として機能する。第三表示部材110とカバー部120とが前後方向に重なる位置において第三表示部材110に設けられている係合部に対して、カバー部120の最奥側の縁が係合される。これにより、第一表示部材90及びカバー部120と、第二表示部材100及び第三表示部材110とが、第一表示面90A及び第二表示面100Aを外側にして、略L字型に組み合わされる。
【0049】
右軸部281は、第一表示部材90及びカバー部120と、第二表示部材100及び第三表示部材110とが組み合わされた部分から所定の太さを有して右方に延びる軸状部である。回転軸285は、右軸部281の右端から右方に延びるように設けられ、第一ギヤ保持部290を介して第一ギヤ機構29に接続する。
【0050】
左軸部282は、第一表示部材90及びカバー部120と、第二表示部材100及び第三表示部材110とが組み合わされた部分から所定の太さを有して左方に延びる軸状部である。左軸部282の左端は、右軸部281と同じ高さで、左軸保持部271によってベース部27に対して支持される。これにより、表示装置28は、遊技盤2の盤面に対して平行に延びる回転軸285を中心に、右軸部281及び左軸部282によって回転可能に支持される。なお、右軸部281及び左軸部282に設けられているフランジ状部281A,282Aは、第一表示部材90及びカバー部120と、第二表示部材100及び第三表示部材110とが互いに組み合わされた部分に対して、それぞれねじ止めされる。これにより、第一表示部材90及びカバー部120と、第二表示部材100及び第三表示部材110とが略L字型に組み合わされた形状が安定する。
図3に示すように、表示装置28が第一位置にある場合における左軸部282の略下半分を占める領域には、左軸部282を前後方向に貫く孔部282Bが設けられている。
【0051】
図3、
図4、
図7、
図8及び
図12を参照して、回転灯装置30の構造について説明する。回転灯装置30は、
図4に示す離間位置と、
図7に示す近接位置とに相互に切り替え可能である。回転灯装置30が原点位置である離間位置にある場合、パチンコ機1を前から見たときに、回転灯34は、開口部801を介して遊技盤2の前面側に露出されない。表示装置28が第三位置にある場合、第三表示面110Aの前側且つカバー部120の上側の部分に所定の空間が設けられる。この所定の空間は、回転灯34を配置させるために必要な領域を確保している。このため、表示装置28が第三位置にある場合に、回転灯装置30は、回転灯34が所定の空間に回転灯34が配置されるように離間位置から下降することで、回転灯装置30が近接位置に配置される。
【0052】
回転灯装置30は、本体部32、回転灯34等を備えている。本体部32は、前後方向に所定の厚みを有して左右方向に延びるとともに、左部が下方向に延びる形状を有する樹脂部材である。この左部の延伸部321の後面側には、スライドレール39が設けられている。スライドレール39は、第一レール391、第二レール392及び第三レール393を備えている。第一レール391は延伸部321の上下方向の長さと略同じ長さに上下方向に延びる板状部材であり、延伸部321の後面に固定されている。第二レール392は、上下方向に長い板状部材であり、第一レール391に嵌め込まれて上下動可能に設けられている。第三レール393は、上下方向に長い板状部材であり、ベース部27に対して上下方向に沿って固定されている。第二レール392は、第三レール393にも上下動可能に嵌めこまれている。延伸部321の上部には、前述の軸部321Aが設けられている。軸部321Aは、第二ギヤ機構31に接続する。このため、延伸部321は、第二モータ311の駆動に応じて、スライドレール39に沿って上下動可能である。なお、第一レール391と第三レール393との間に第二レール392を設けることで、延伸部321が円滑に上下動できる。
【0053】
図3に示すように、ベース部27と本体部32の右部とが左右方向において重なる位置には、ガイド部272が設けられている。ガイド部272は、ベース部27を前後方向に貫通して上下方向に延びる長い孔部である。本体部32の右部後面側には、ガイド部272に摺動可能に嵌まる摺動部材(図示せず)が設けられている。このため、第二モータ311の駆動に応じて、延伸部321がスライドレール39に沿って上下動するとき、本体部32の右部は、ガイド部272に沿って上下動する。これにより、回転灯装置30全体が、第二モータ311の駆動に応じて上下動する。
【0054】
図6に示すように、表示装置28が第三位置にあるとき、左軸部282の孔部282Bは、左軸部282の略後半分を占める領域において左軸部282を上下方向に貫いている。
図7に示すように、回転灯装置30が離間位置から近接位置に移動すると、スライドレール39は下方に延び、スライドレール39に沿って延伸部321が下方に移動する。このとき、延伸部321が孔部282Bを貫通して下方に移動するので、回転灯装置30は、近接位置まで下方に移動できる。
【0055】
なお、
図5に示すように、表示装置28が第二位置にあるときには、左軸部282の孔部282Bは、左軸部282の略前半分を占める領域において左軸部282を上下方向に貫いている。仮にこの状態で回転灯装置30が近接位置に向けて移動しようとしても、延伸部321が孔部282Bよりも後方の左軸部282の部分に当接するため、回転灯装置30は離間位置から下降できない。このような孔部282Bの配置の工夫により、回転灯装置30の誤作動が防止されている。
【0056】
回転灯34は、本体部32の左右方向略中央部に固定されている。回転灯34は、回転灯装置30の発光部をなす。回転灯34は、レンズ部341、裏カバー部342等を備える。レンズ部341は、正面視半円状の、赤色の樹脂製レンズ部材であり、回転灯34の前面を構成する。裏カバー部342は、回転灯34の後面を構成する樹脂部材である。裏カバー部342の表面には、めっきによるミラー加工が施されている。
図12に示すように、レンズ部341と裏カバー部342との間には、ギヤ352,353,354、リフレクタ358、電飾基板333が配置されている。ギヤ352,353,354のそれぞれの軸心は、回転灯34の内部に固定されており、ギヤ352とギヤ353、ギヤ353とギヤ354とがそれぞれ噛み合う。ギヤ352の下側には、第三モータ351が固定されている。第三モータ351の出力軸(図示せず)は、上方に向けて略垂直に伸び、ギヤ352の軸孔352Aに挿入される。このため、ギヤ353,354は、ギヤ352の回転に伴って回転する。
【0057】
リフレクタ358は、
図12に示す原点位置において、後方に略半球状に湾曲する樹脂部材であり、めっきによるミラー加工が表面に施されている。リフレクタ358は、ギヤ354の下側に固定されており、ギヤ354と一体に回転可能である。このため、ギヤ352が第三モータ351の駆動力を受けて回転することで、リフレクタ358がギヤ354の軸心を中心にして回転する。電飾基板333は、リフレクタ358の回転中心において、上下方向に細く延びている。電飾基板333は、表面に複数のLED333Aを配置している。LED333Aが点灯又は点滅しているときにリフレクタが358が回転することで、赤色の光が回転するように回転灯34を発光させることができる。
【0058】
本実施形態は、表示装置28の回転動作と回転灯装置30の昇降動作の組合せパターンである第一駆動パターン及び第二駆動パターンを備える。第一駆動パターンは、表示装置28が第一位置(
図4参照)又は第二位置(
図5参照)から第三位置への回転動作を完了する前に、回転灯装置30が離間位置から近接位置へ向けた下降動作を開始するパターンである。
図8は、第一駆動パターンによって表示装置28及び回転灯装置30が駆動されており、第三位置への回転動作完了前の表示装置28が、回転灯装置30の延伸部321の下端を孔部282Bに受け入れつつ、回転動作を継続している様子を示している。第一駆動パターンによって表示装置28及び回転灯装置30が駆動されることで、表示装置28が第三位置へ向けた回転動作を開始してから、回転灯装置30が近接位置まで下降動作を完了するまでの時間が短くされる。パチンコ機1は、第一駆動パターンによって表示装置28及び回転灯装置30が駆動することで、表示装置28が第一位置又は第二位置にあり、演出図柄又は絵柄を用いた演出が実行されている状態から、回転灯装置30が近接位置まで突然に下降したかのように演出を変化させる。これにより、パチンコ機1は、遊技者をおおいに驚かせることができる。
【0059】
第二駆動パターンは、表示装置28が第一位置(
図4参照)又は第二位置(
図5参照)から第三位置への回転動作を完了した後に、回転灯装置30が離間位置から近接位置へ向けた下降動作を開始するパターンである。第二駆動パターンによって表示装置28及び回転灯装置30が駆動されるとき、第三位置への回転動作を完了した表示装置28は、第三表示面110Aを前方に向けており、回転灯装置30は、まだ離間位置にある。このため、パチンコ機1を前側から見た遊技者は、回転灯34等に遮られることなく第三表示面110Aの全体を視認できる。このとき、LED332D(
図11参照)が点灯等されて、矢印絵柄表示部111による絵柄が表示されることで、絵柄の模る矢印の示す先である第三表示面110Aの上方を遊技者に意識させることができる。その後に回転灯装置30の下降動作によって回転灯34が第三表示面110Aの上方から下側に向けて下降されることで、パチンコ機1は、遊技者の興趣を向上できる。
【0060】
図13を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
【0061】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72及び第二始動口スイッチ73に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
【0062】
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、第一モータ291、第二モータ311、第三モータ351、第一センサ292、第二センサ312、電飾基板33に接続している。電飾基板33は、前述の電飾基板331,332,333を含む。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板33に設けられているLED等の各種電飾ランプの動作等を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
【0063】
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、特定領域開閉ソレノイド71、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77及び図柄表示部24に接続している。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材161を開閉する。特定領域開閉ソレノイド71は、大当たり遊技の最終ラウンドにおいて大入賞口16内の特定領域162の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、特定領域162を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、非特定領域を通過した遊技球を検出する。
【0064】
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0065】
図7から
図21を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理と、本実施形態において実行される駆動演出について説明する。駆動演出は、表示装置28及び回転灯装置30が所定のパターンで駆動することによって行われる演出である。サブ制御基板58のCPU581は、主基板41から送信される各種コマンドに従って、センター飾り8、表示装置28、回転灯装置30、スピーカ48等による演出を制御するサブ制御基板処理を実行する。サブ制御基板処理は、パチンコ機1の電源がONされたことを契機として、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581が実行する
【0066】
図14に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、CPU581は、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかを判断する(S21)。変動パターン指定コマンドは、大当たり判定の判定結果に応じた演出図柄の変動パターンを指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドが受信されていない場合(S21:NO)、CPU581は、処理をS23の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S21:YES)、CPU581は、報知演出開始処理を実行し(S22)、処理をS23の判断へ移行する。
【0067】
図15を参照して、報知演出開始処理(S22、
図14参照)について詳細に説明する。報知演出開始処理では、報知演出の制御が開始される。報知演出開始処理が開始されると、CPU581は、主基板41から受信した変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンを取得する。CPU581は、取得した変動パターンをRAM582に記憶する(S41)。
【0068】
次いで、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S42)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S42:NO)、CPU581は、表示装置28が原点位置である第一位置に復帰するようにさせる動作である原点復帰動作を実行する(S43)。CPU581は、第一モータ291に、所定のステップ数の駆動を行う指示を送信する。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S42及びS43の処理を繰り返す。これらの処理によって、
図18(A)に示すように、表示装置28が第一位置に配置される。
【0069】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S42:YES)、CPU581は、演出図柄の変動を開始する(S44)。CPU581は、電飾基板331のLED331A及び7セグメントLED331Bに、所定のパターンで点灯等を行う指示を送信する。これにより、
図18(A)に示すように、第一位置にある表示装置28は、第一表示面90Aを、電飾体80の開口部801から遊技盤2の前面側に露出させた状態で、演出図柄を変動させる。なお、
図18及び
図19において、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93における所定の斜線は、LED331Aが発光することで演出図柄が変動している様子を示している。
【0070】
CPU581は、報知演出が第一大当たり判定の結果を報知するものであるか、又は第二大当たり判定の結果を報知するものであるかに応じて、第一変動表示部802又は第二変動表示部803の点滅動作を開始する(S45)。報知演出が第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれの結果を報知するものであるかの判断は、S41の処理でRAM582に記憶された変動パターンに応じて行われる。次いで、CPU581は、報知演出実行中フラグを「ON」にする(S46)。報知演出実行中フラグは、RAM582に記憶されるフラグであり、報知演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」となり、報知演出が実行中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になることで、報知演出が実行中であることを示す。その後、CPU581は、処理をサブ制御基板処理(
図14参照)へ戻す。
【0071】
図14の説明に戻る。次いで、CPU581は、報知演出が実行中であるかを判断する(S23)。この判断は、報知演出実行中フラグの状態に応じて行われる。報知演出が実行中でない場合(S23:NO)、CPU581は、処理をS25の 判断へ移行する。報知演出が実行中の場合(S23:YES)、CPU581は、駆動制御処理を開始し(S24)、処理をS25の 判断へ移行する。
【0072】
図16を参照して、駆動制御処理について詳細に説明する。駆動制御処理は、CPU581によって、サブ制御基板処理に並行して実行される処理である。駆動制御処理は、駆動演出に必要な表示装置28及び回転灯装置30の動作を制御するための処理である。駆動制御処理が開始されると、CPU581は、S41(
図15参照)の処理においてRAM582に記憶されている変動パターンが、駆動演出を伴う所定の変動パターンであるかを判断する(S51)。変動パターンが駆動演出を伴う所定の変動パターン以外である場合(S51:NO)、CPU581は、変動パターンに応じて、表示装置28の回転動作及び各表示面における発光動作、回転灯装置30の昇降動作及び回転灯34の発光動作等を制御する(S68)。その後、CPU581は、駆動制御処理を終了する。
【0073】
変動パターンが駆動演出を伴う所定の変動パターンの場合(S51:YES)、CPU581は、第一切替タイミングが到来しているかを判断する(S52)。第一切替タイミングは、駆動演出において表示装置28を第一位置から第二位置へ回転移動させるタイミングである。第一切替タイミングは、例えば、第一位置において演出図柄による演出を行っている状態の表示装置28が、第二位置に回転移動し、演出図柄による演出に替えて文字絵柄による演出を実行する場合等に到来する。第一切替タイミングが到来している場合(S52:YES)、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S53)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S53:NO)、CPU581は、表示装置28の原点復帰動作を実行する(S54)。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S53及びS54の処理を繰り返すことで、原点復帰動作の実行を継続する。
【0074】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S53:YES)、CPU581は、第一モータ291に、表示装置28が第一位置から第二位置に回転移動するために必要な第一所定ステップ数の駆動を行う指示を送信する(S55)。第一モータ291は、第二ギヤ294が右側面視で時計回りに90度回転するように第一所定ステップ数の駆動を実行する。これに伴い、表示装置28が第一位置から第二位置への回転移動を開始する。このとき、表示装置28は、
図18(B)に示すように、第一表示面90Aを開口部801よりも上方に移動させるとともに、第二表示面100Aを開口部801の下側から上側に移動させて開口部801から徐々に露出させる。表示装置28に、第一表示面90Aと第二表示面100Aとが、回転軸285を中心とした周方向に隣接配置されているので、表示装置28が第一位置から第二位置へ回転移動することで、演出図柄による表示から文字絵柄による表示に連続的に表示内容が変化する。
【0075】
CPU581は、第二表示面100Aの文字絵柄表示部101による文字絵柄の表示を開始する(S56)。CPU581は、電飾基板332の第一面332Aに設けられているLED332Cに所定の発光動作を開始させることで、第二表示面100Aにおける文字絵柄の表示を開始する。その後、表示装置28は、第一モータ291が第一所定ステップ数の駆動を完了することで、第一位置から第二位置への回転移動を終了する(
図19(C)参照)。CPU581は、駆動制御処理を終了する。なお、
図18及び
図19において、文字絵柄表示部101における所定の斜線は、LED332Cが発光することで、文字絵柄が表示されている様子を示している。また、本実施形態では、表示装置28が第二位置にあるときにも、CPU581は、S44(
図15参照)の処理で開始した第一表示面90Aにおける演出図柄の変動を継続しているとする。ただし、CPU581は、表示装置28が第一位置以外の位置にある場合に、第一表示面90Aにおける演出図柄の変動を中断してもよい。
【0076】
第一切替タイミングが到来していない場合(S52:NO)、CPU581は、第二切替タイミングが到来しているかを判断する(S61)。第二切替タイミングは、駆動演出において表示装置28を第二位置から第一位置へ回転移動させるタイミングである。第二切替タイミングは、例えば、第二位置において文字絵柄による演出を行っている状態の表示装置28が、第一位置に回転移動し、文字絵柄による演出に替えて演出図柄による演出を再開する場合等に到来する。
【0077】
第二切替タイミングが到来している場合(S61:YES)、CPU581は、表示装置28の原点復帰動作を実行する(S61)。この処理において、CPU581は、第二ギヤ294が右側面視で反時計回りに90度回転するように、第一モータ291に第一所定ステップの駆動を実行させる。このとき、表示装置28が第二位置から第一位置に向けて回転移動を開始する。CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S63)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S63:NO)、CPU581は、処理をS62に戻す。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S62及びS63の処理を繰り返すことで、原点復帰動作を継続する。これに伴い、電飾体80の開口部801から第二表示面100Aが露出された状態(
図19(C)参照)から、
図18(B)に示す状態を経て、第一表示面90Aが露出された状態(
図18(A)参照)に、表示装置28による表示内容が切り替わる。
【0078】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S63:YES)、CPU581は、第二表示面100Aの文字絵柄表示部101による文字絵柄の表示を終了する(S64)。これにより、表示装置28が第二位置から第一位置への回転移動を完了することに伴い、第二表示面100Aにおける文字絵柄表示部101の発光動作も終了される。このとき、第一表示面90Aでは、演出図柄の変動表示が継続されているので、表示装置28が第二位置から第一位置へ回転移動することで、文字絵柄による演出に替えて演出図柄による演出が再開される。その後、CPU581は、駆動制御処理を終了する。
【0079】
第二切替タイミングが到来していない場合(S61:NO)、
図17に示すように、CPU581は、第三切替タイミングが到来しているかを判断する(S71)。第三切替タイミングは、駆動演出において表示装置28を第一位置から第三位置へ回転移動させるタイミングである。第三切替タイミングは、例えば、第一位置において演出図柄による演出を行っている状態の表示装置28が、第三位置に回転移動し、演出図柄による演出に替えて、矢印絵柄及び回転灯34の発光動作による演出を実行する場合等に到来する。第三切替タイミングが到来している場合(S71:YES)、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S72)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S72:NO)、CPU581は、表示装置28の原点復帰動作を実行する(S73)。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S72及びS73の処理を繰り返すことで、表示装置28の原点復帰動作の実行を継続する。
【0080】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S72:YES)、CPU581は、第一モータ291に、表示装置28が第一位置から第三位置に回転移動するために必要な第二所定ステップ数の駆動を行う指示を送信する(S74)。第一モータ291は、第二ギヤ294が右側面視で反時計回りに90度回転するように第二所定ステップ数の駆動を実行する。これに伴い、表示装置28が第一位置から第三位置に回転移動する。なお、本実施形態では、表示装置28が第二位置及び第三位置の双方が、回転方向は異なるが第一位置に対して90度回転移動した位置に相当する。このため、第一所定ステップ数と第二所定ステップ数とは、同じステップ数である。なお、第三位置の配置に応じて、第二所定ステップ数が第一所定ステップ数とは異なるステップ数であってもよい。第一モータ291は、第二ギヤ294が右側面視で反時計回りに90度回転するように第二所定ステップ数の駆動を実行する。このとき、表示装置28は、
図19(D)に示すように、第一表示面90Aを開口部801よりも下方に移動させるとともに、第三表示面110Aを開口部801の上側から下側に移動させて開口部801から徐々に露出させる。
【0081】
第三表示面110Aは、表示装置28の内側に配置されているので、第一表示面90A及び第二表示面100Aを用いた表示演出が行われている間、第三表示面110Aが遊技者の視界に入ることがない。例えば、表示装置28が第一位置又は第二位置から第三位置に回転動作される頻度が比較的少ない場合等には、表示装置28の内側に第三表示面110Aが設けられていることが遊技者に更に意識されにくくなる。このような状況下で、表示装置28が第三位置に回転動作すると、表示装置28の内側から、突然に、更なる表示面が出現したような印象が遊技者に与えられる。
【0082】
CPU581は、電飾基板332の第二面332Bに設けられているLED332Dに所定の発光動作を開始させることで、第三表示面110Aにおける矢印絵柄の表示を開始する(S75)。なお、
図20及び
図21において、矢印絵柄表示部111を黒色で示すことで、矢印絵柄が表示されていることを模式的に示す。本実施形態では、表示装置28が第三位置にある場合には、回転灯装置30を近接位置に配置することができる。回転灯装置30が近接位置に配置される前の時点に、矢印絵柄表示部111による絵柄を用いた演出を実行することで、パチンコ機1は、回転灯34が第三表示面110Aの前方に出現することを示唆することができる。なお、このとき、矢印絵柄表示部111の全体が一様に点灯している必要はなく、矢印絵柄表示部111の全体又は一部分が点滅されたり、矢印絵柄表示部111において異なる色の光を組み合わせたりすることで、矢印絵柄が表示されてもよい。
【0083】
CPU581は、実行する駆動演出が第一駆動パターンによるものかを判断する(S81)。CPU581は、実行する駆動演出が第一駆動パターン及び第二駆動パターンのいずれによるものであるかを、例えば、RAM582に記憶されている変動パターンに基づいて判断する。実行する駆動演出が第一駆動パターンによるものである場合(S81:YES)、CPU581は、第二モータ311に駆動を開始する指示を送信することで、離間位置から近接位置に向けた回転灯装置30の下降動作を開始する(S83)。ここでは、CPU581は、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了させるよりも前の時点に、回転灯装置30の下降動作を開始する。これにより、表示装置28が第一位置から第三位置へ向けて回転移動を行っている最中に、回転灯装置30の下降動作が開始される(
図20(E)参照)。このため、
図20(E)に示すように、第一位置から第三位置へ向けて回転移動する表示装置28とともに、回転灯34が開口部801の上側から露出され始める。第一駆動パターンによる駆動演出では、第一位置から第三位置へ回転移動する表示装置28の動作及び表示装置が第三位置へ回転移動を開始することに伴う回転灯装置30の下降動作が、第二駆動パターンよりも素早く行われる。これにより、遊技者に視認される駆動演出の内容が、スピーディー且つ迫力あるものにされる。また、本実施形態では、第一駆動パターンにおいて、表示装置28が第一位置から第三位置への回転移動を完了するときに、回転灯装置30の下降動作が完了するように、回転灯装置30の下降動作の開始タイミングが調整されている。これにより、パチンコ機1は、表示装置28の内側に回転灯34が予め配置されていたかのような印象を、遊技者に与えることができる。
【0084】
一方、実行する駆動演出が第二駆動パターンによるものである場合(S81:NO)、CPU581は、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了したかを判断する(S82)。CPU581は、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了していない場合(S82:NO)、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了するまで、S82の処理を繰り返す。なお、
図20(F)は、表示装置28が第三位置への回転移動が完了し、開口部801から露出された第三表示面110Aに、矢印絵柄が表示されている様子を示す。第二駆動パターンによる駆動演出では、このように第三表示面110Aの全体が視認可能に表示されるので、矢印絵柄を用いた演出を効果的に実行できる。
【0085】
第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了している場合(S82:YES)、CPU581は、第二モータ311に駆動を開始する指示を送信することで、離間位置から近接位置に向けた回転灯装置30の下降動作を開始する(S83)。これにより、CPU581は、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了させた後の時点に、回転灯装置30の下降動作を開始する。
【0086】
CPU581は、電飾基板333に設けられているLED333Aに所定の発光動作を開始させることで、回転灯34の発光動作を開始する(S84)。また、CPU581は、第三モータ351に駆動を開始する指示を送信する(S85)。これにより、回転灯34内部のリフレクタ358が回転動作を行うので、回転灯34は赤色の光が回転するように発光する。
図21(G)は、近接位置への下降動作を完了した回転灯装置30の回転灯34が、第三表示面110Aよりも前側に配置されて、発光動作を行っている様子を示す。回転灯34の内部に示す矢印は、回転灯34がパトランプのように、光が回転するように発光している様子を模式的に示している。このような回転灯34の発光動作によって、遊技者の期待感を大いに高めることができる。パチンコ機1は、第一駆動パターン及び第二駆動パターンによる表示装置28の動作及び回転灯装置30の組合せ動作を実行することで、遊技者が予想困難な、従来にない演出を実行できる。その後、CPU581は、駆動制御処理を終了する。
【0087】
第三切替タイミングが到来していない場合(S71:NO)、CPU581は、第四切替タイミングが到来しているかを判断する(S91)。第四切替タイミングは、駆動演出において表示装置28を第三位置から第一位置へ回転移動させるタイミングである。第四切替タイミングは、例えば、第三位置において矢印絵柄及び回転灯34の発光動作による演出を行っている状態の表示装置28が、第一位置に回転移動し、演出図柄による演出を再開する場合等に到来する。
【0088】
第四切替タイミングが到来している場合(S91:YES)、CPU581は、第二モータ311に駆動を開始する指示を送信することで、近接位置から離間位置に向けた回転灯装置30の上昇動作を開始する(S92)。CPU581は、第二センサ312からON信号が出力されているかを判断する(S93)。第二センサ312からON信号が出力されていない場合(S93:NO)、CPU581は、第二センサ312からON信号が出力されるまで、S93の処理を繰り返す。回転灯装置30が離間位置への上昇動作を終了すると、
図20(F)に示すように、回転灯34が開口部801から視認できない状態になる。
【0089】
第二センサ312からON信号が出力されている場合(S93:YES)、CPU581は、回転灯34の発光動作を終了する(S94)。また、CPU581は、第三モータ351に駆動を停止する指示を送信する(S95)。これにより、回転灯34内部のリフレクタ358の回転動作が終了する。
【0090】
CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S96)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S96:NO)、CPU581は、表示装置28の原点復帰動作を実行する(S98)。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S96及びS98の処理を繰り返すことで、表示装置28の原点復帰動作の実行を継続する。これに伴い、開口部801から第三表示面110Aが露出された状態(
図20(F)参照)から、
図19(D)に示す状態を経て、第一表示面90Aが露出された状態(
図18(A)参照)に、表示装置28による表示内容が切り替わる。
【0091】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S96:YES)、CPU581は、第三表示面110Aの矢印絵柄表示部111による矢印絵柄の表示を終了する(S99)。これにより、表示装置28が第三位置から第一位置への回転移動を完了することに伴い、第三表示面110Aにおける矢印絵柄表示部111の発光動作も終了される。このとき、第一表示面90Aでは、演出図柄の変動表示が継続されているので、表示装置28が第三位置から第一位置へ回転移動することで、矢印絵柄による演出に替えて演出図柄による演出が再開される。その後、CPU581は、駆動制御処理を終了する。
【0092】
図14の説明に戻る。次いで、CPU581は、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信しているかを判断する(S25)。特別図柄停止コマンドは、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止を通知するコマンドである。特別図柄停止コマンドが受信されていない場合(S25:NO)、CPU581は、処理をS31の判断へ移行する。
【0093】
特別図柄停止コマンドが受信された場合(S25:YES)、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されているかを判断する(S26)。第一センサ292からON信号が出力されていない場合(S26:NO)、CPU581は、表示装置28の原点復帰動作を実行する(S27)。その後、CPU581は、第一センサ292からON信号が出力されるまで、S26及びS27の処理を繰り返すことで、原点復帰動作の実行を継続する。
【0094】
第一センサ292からON信号が出力されている場合(S26:YES)、CPU581は、図柄変動を終了し、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する(S28)。CPU581は、電飾基板331のLED331Aに、大当たり判定の結果に対応するパターンで点灯等を行う指示を送信する。また、CPU581は、第一変動表示部802又は第二変動表示部803の点滅動作を停止して、第一変動表示部802又は第二変動表示部803を所定のパターンで点灯又は消灯する(S29)。CPU581は、報知演出実行中フラグを「OFF」にする(S30)。CPU581は、処理をS31の判断へ移行する。
【0095】
次いで、CPU581は、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信しているかを判断する(S31)。大当たり遊技開始コマンドは、大当たり遊技が開始されることを通知するコマンドである。大当たり遊技開始コマンドが受信されていない場合(S31:NO)、CPU581は、処理をS21の判断へ戻す。大当たり遊技開始コマンドが受信された場合(S31:YES)、大当たり遊技中の演出である大当たり遊技演出が実行される(S32)。CPU581は、処理をS21の判断へ戻す。
【0096】
表示装置28は、回転軸285を中心に回転し、その外周部に第一表示面90A及び第二表示面100Aを周方向に並べて備えている。これにより、表示装置28が第一位置から第二位置へ回転移動することで、演出図柄による表示から文字絵柄による表示に連続的に表示内容が変化する。また、表示装置28は、第一表示面90A及び第二表示面100Aよりも回転軸285に近接する位置において、第三表示面110Aを配置している。このような位置に配置された第三表示面110Aは、表示装置28が第一位置又は第二位置にある場合には、パチンコ機1を前方から見る遊技者に視認され難い。サブ制御基板58のCPU581は、第一モータ291を駆動させることで、表示装置28を第一位置、第二位置及び第三位置のそれぞれに回転移動させて、第一表示面90A、第二表示面100A及び第三表示面110Aのそれぞれが前方に向くようにできる。これにより、パチンコ機1は、演出図柄、文字絵柄及び矢印絵柄を適宜切替える演出を実行できる。パチンコ機は、回転灯装置30を更に備えている。回転灯装置30は、回転灯装置30が原点位置にある状態の位置であり表示装置28から最も上方に離間した離間位置と、回転灯装置30が離間位置から表示装置28に向けて下降して、表示装置28に最も近接した近接位置との間を昇降可能である。回転灯装置30が離間位置にある場合、回転灯34は開口部801を介して遊技盤2の前面側に露出されない。回転灯装置30が近接位置にある場合、回転灯34が開口部801の上側から露出される。第三位置にある表示装置28は、第三表示面110Aの前側且つカバー部120の上側の部分に所定の空間を設けているので、表示装置28が第三位置にある場合に、回転灯装置30は離間位置から近接位置に下降動作できる。すなわち、表示装置28が第一位置及び第二位置にある場合には遊技者から視認されにくい第三表示面110Aが前方に向くことに伴い、回転灯装置30が下降動作を実行できる。したがって、パチンコ機1は、表示装置28の第三位置への回転動作と回転灯装置30の近接位置への下降動作とを連動するといった、遊技者に予想困難な動作を用いた駆動演出を実行することで、遊技の興趣をおおいに向上できる。
【0097】
パチンコ機1は、表示装置28の回転動作と回転灯装置30の昇降動作の組合せパターンである第一駆動パターン及び第二駆動パターンを備える。第一駆動パターンでは、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了させるよりも前の時点に、回転灯装置30の下降動作が開始される(S83)。したがって、表示装置28が第一位置から第三位置まで回転移動する時間が短い場合であっても、回転灯装置30を迅速に近接位置に向けて移動させることができる。
【0098】
パチンコ機1では、第一駆動パターンにおいて、表示装置28が第一位置から第三位置への回転移動を完了するときに、回転灯装置30の下降動作が完了するように、回転灯装置30の下降動作の開始タイミングが調整されている。これにより、パチンコ機1は、表示装置28の内側に回転灯34が予め配置されていたかのような印象を、遊技者に与えることができる。
【0099】
CPU581は、実行する駆動演出が第二駆動パターンによるものである場合(S81:NO)、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了したかを判断する(S82)。第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了している場合(S82:YES)、CPU581は、第二モータ311に駆動を開始する指示を送信することで、離間位置から近接位置に向けた回転灯装置30の下降動作を開始する(S83)。第二駆動パターンでは、第一モータ291が第二所定ステップ数の駆動を完了させた後の時点に、回転灯装置30の下降動作が開始される。すなわち、第二駆動パターンによる駆動演出では、第三表示面110Aの全体が視認可能に表示された後に、回転灯装置30が近接位置に下降する。このため、パチンコ機1は、矢印絵柄を用いた演出と、回転灯34を用いた演出とを、段階を追って、遊技者の期待感を効果的に向上できる。
【0100】
前記遊技機は、前記第一表示面の前記第一絵柄、前記第二表示面の前記第二絵柄及び前記第三表示面の前記第三絵柄の表示制御を行う第三制御手段を備えてもよい。前記第三制御手段は、前記第一制御手段によって前記回転手段が前記第一位置及び前記第二位置のいずれかから前記第三位置に回転されるのに伴って、前記第三絵柄として特定の絵柄を前記第三表示面に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。この場合、遊技機は、第三表示面を前面にすることで第三絵柄を遊技者に視認させるときに、特定の絵柄によって遊技者の興趣を向上できる。また、遊技機は、特定の絵柄による演出と、近接位置に配置された可動手段による演出との双方を行うことで、特定の絵柄による演出の効果と可動手段による演出の効果とを相乗的に高めることができる。
【0101】
前記可動手段は、発光手段によって発光する発光部と、前記発光部を発光させる第四制御手段を備えてもよい。前記第四制御手段は、前記第一制御手段によって前記回転手段が前記第一位置及び前記第二位置のいずれかから前記第三位置に回転されるのに伴って、前記発光手段を発光させてもよい。この場合、遊技機は、可動手段の発光部を発光させることができるので、可動手段を用いた演出の効果を向上できる。また、可動手段の発光部は、回転手段が第三位置に回転されるのに伴って発光されるので、遊技機は、第三表示面の第三絵柄による演出の効果と、可動手段の発光部の発光による演出の効果とを相乗的に高めることができる。
【0102】
本実施形態において、第一モータ291が、本発明の「第一駆動手段」に相当する。回転軸285が、本発明の「回転中心」に相当する。表示装置28が、本発明の「回転手段」に相当する。第一表示面90Aが、本発明の「第一表示面」に相当する。第二表示面100Aが、本発明の「第二表示面」に相当する。第三表示面110Aが、本発明の「第三表示面」に相当する。
図14のS27、
図15のS43、
図16のS54、S55、S62、
図17のS73、S74、S98のそれぞれにおいて、第一モータ291の駆動を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一制御手段」として機能する。第二モータ311が、本発明の「第二駆動手段」に相当する。回転灯装置30が、本発明の「可動手段」に相当する。
図14のS27、
図15のS43、
図16のS54、S55、S62、
図17のS73、S74、S98のそれぞれにおいて、第一モータ291の駆動を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二制御手段」として機能する。
【0103】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、表示装置28の第一表示面Aは、7セグメントディスプレイ方式の左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93によって演出図柄の図柄変動を実行するが、演出図柄の図柄変動を実行する構成はこれに限られない。例えば、第一表示面90Aが、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93と同様の大きさの7セグメントディスプレイを配置し、この7セグメントディスプレイによって演出図柄の図柄変動が実行されてもよい。また、第一表示面90Aが、個々に発光可能なLEDを二次元配列状に並べて構成されたドットマトリクスディスプレイを用いて演出図柄の図柄変動を実行してもよい。また、第一表示面90Aが、各種の映像を表示可能なLCD、有機ELディスプレイ等によって構成されており、第一表示面90Aにおいて演出図柄の図柄変動が実行される構成であってもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、表示装置28は、回転軸285の軸線周りに第一表示面90A及び第二表示面100Aを並べて配置しているが、表示装置28は、その外周部に3つ以上の表示面を並べて配置してもよい。すなわち、表示装置28は、右側面視において略L字型をなしているが、例えば、表示装置28の外周部に3つの表示面が並べて配置されることで、表示装置28が略コの字型に形成されていてもよい。また、上記実施形態では、第一表示面90Aと第二表示面100Aとは略直交するように配置されているが、表示装置28の外周部において隣接配置される二つの表示面のなす角度は、90度未満であってもよいし、90度よりも大きくてもよい。また、表示装置28の備える複数の表示面に、演出図柄の図柄変動を表示する表示面が、複数含まれていてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、表示装置28は、第一表示面90A及び第二表示面100Aよりも回転軸285に近接する内側の位置において、第二表示面100Aに平行に第三表示面110Aを配置しているが、これに限られない。例えば、第一表示面90Aに対して背中合わせになる位置である、カバー部120が配置されている位置に、第三表示面110Aが配置されてもよい。また、上記実施形態の表示装置28の構成に加えて、カバー部120が配置されている位置に、表示装置28の回転軸285に向けて絵柄を表示する他の表示面が更に配置されていてもよい。また、第二表示面100Aは、第一表示面90A又は第二表示面100Aに平行に配置されていなくてもよい。例えば、第一表示面90A及び第二表示面100Aが互いに離間する側の端部をつなぐようにして第三表示面110Aが配置されていてもよい。
【0106】
上記実施形態では、第二表示面100Aの文字絵柄表示部101及び第三表示面110Aの矢印絵柄表示部111は、ともに電飾基板332に設けられているLED332C,332Dの発光動作によって発光する発光部である。例えば、これらの表示面に表示される文字絵柄表示部101及び矢印絵柄表示部111は、必ずしも発光部で構成されていなくてもよい。表示装置28が第一位置から第二位置又は第三位置に回転移動することで、演出図柄とは異なる絵柄が表示されることで、十分に遊技者の興趣が向上されるためである。
【0107】
上記実施形態では、表示装置28は、第一位置を原点にして後方に向けて90度回転することで第二位置へ、第一位置を原点にして前方に向けて90度回転することで第三位置へ、それぞれ回転する。表示装置28の回転動作態様はこれに限られず、例えば、表示装置28は、第一位置を原点にして360度回転可能に、ベース部27に対して支持されていてもよい。
【0108】
上記実施形態では、第一位置から第二位置又は第三位置に向けて回転を開始した表示装置28は、必ず第二位置又は第三位置まで回転移動を完了させている。例えば、第一位置から第二位置へ向かう途中の位置まで回転移動した後、第二位置まで回転移動することなく第一位置に戻るような動作を、表示装置28が行ってもよい。第一位置から第二位置へ向かう途中の位置、又は第一位置から第三位置へ向かう途中の位置において、表示装置28が前後に揺動するような動作が行われてもよい。また、他の例では、第二位置から第三位置まで、一度に回転する動作を、表示装置28が行ってもよい。このような表示装置28の動作を設けることで、表示装置28の実行する演出の幅が広がり、遊技者の興趣を大いに向上できる。
【0109】
上記実施形態では、表示装置28が第一位置から第三位置に移動することに伴い、回転灯装置30が離間位置から近接位置への下降動作を行うが、例えば、下降動作が行われない場合が設けられていてもよい。また、回転灯装置30が近接位置に配置された後に、回転灯34の発光が行われない場合があってもよい。また、回転灯34の発光動作において、回転灯34の内部のリフレクタ358が回転される場合と回転されない場合との双方が設けられていてもよい。このような回転灯装置30の動作にバリエーションを設けることで、駆動演出がさらに多様化する。
【0110】
上記実施形態の駆動演出が実行されるタイミングは、報知演出実行中に限られず、例えば、大当たり遊技演出の実行中に駆動演出が実行されてもよい。
【0111】
上記実施形態では、第一変動表示部802及び第二変動表示部803が、表示装置28とは異なる位置である、電飾体80の右側の略中央に設けられている。例えば、第一変動表示部802及び第二変動表示部803は、センター飾り8以外の部分に設けられていてもよい。また、第一変動表示部802及び第二変動表示部803が、表示装置28の第一表示面90A等の表示面の一部に設けられていてもよい。
【0112】
上記実施形態では、第一表示面90Aは、左図柄表示部91、中図柄表示部92及び右図柄表示部93によって演出図柄の図柄変動を表示する。また、第二表示面100A及び第三表示面110Aは、演出図柄とは異なる文字絵柄及び矢印絵柄をそれぞれ表示する。例えば、第一表示面90Aも、演出図柄とは異なる所定の絵柄を表示してもよい。すなわち、表示装置28に、演出図柄の図柄変動を表示する表示面が含まれていなくてもよい。
【0113】
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示手段、可動手段、対応画像等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。