(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上部側ステーションと下部側ステーションがあり、前記上部側ステーションは下部側ステーションの上にあって上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域は、一部又は全部が重なり、上部側ステーションと下部側ステーションの間を上下に移動する載置台を有する昇降装置において、
載置台を2台有し、当該載置台が昇降する際、前記上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で前記載置台の一部又は全部が前記投影領域を外れ、2台の載置台が昇降する際に2台の載置台が前記中間高さの位置で行き違い、
上下方向に設置された誘導ガイド部材と、当該誘導ガイド部材と係合するフォロー部材を有し、誘導ガイド部材は、中間部に曲路を有し、フォロー部材が曲路を通過することによって載置台が横方向に移動することを特徴とする昇降装置。
上下方向に設置された昇降ガイド部材を有し、前記昇降部材は、縦棹部材を有し、縦棹部材の高さの異なる位置に、複数のガイド係合部材があり、ガイド係合部材が昇降ガイド部材と係合していることを特徴とする請求項2に記載の昇降装置。
前記昇降部材を2台有し、前記昇降部材は上下方向に移動可能であり、前記2台の載置台はそれぞれ1台の昇降部材に設置されており、前記2台の載置台はいずれも前記昇降部材に対して横方向に出没方向に移動可能であり、
2台の昇降部材は、いずれもその一部が上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域とが重なる重複領域にあり、且つ2台の昇降部材の投影領域同士は重ならず、
2台の昇降部材は、垂直方向に移動し、2台の昇降部材が中間高さの位置にあるときに載置台が昇降台側に引き込み、昇降部材が上部側ステーションまたは下部側ステーションにあるときに昇降部材に対して突出することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の昇降装置。
上部側ステーションまたは下部側ステーションの少なくとも一方の高さの位置であって、前記一対の側壁部によって挟まれる領域の一部に他のコンベア装置が設けられており、昇降台が上部側ステーションまたは下部側ステーションにあるときには他のコンベア装置が設けられた領域から退避することを特徴とする請求項5に記載の昇降装置。
一方の載置台が上部側ステーション又は下部側ステーションにあるとき、他方の載置台は下部側ステーションにあり、一方の載置台が上部側ステーションと下部側ステーションの間にあるとき、他方の載置台についても上部側ステーションと下部側ステーションの間にある様に電気的及び/又は機構的に制御されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の昇降装置。
載置台が昇降する際、双方の高さが一致する位置で、双方の載置台の一部が前記投影領域を外れて一時的に上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域とが重なる重複領域に二つの載置台が存在する状態ではなくなり2台の載置台が行き違うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の昇降装置。
載置台が昇降する際、前記上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で一方の載置台の全部が前記投影領域を外れ、2台の載置台が昇降する際に2台の載置台が前記中間高さの位置で行き違うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の昇降装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の昇降装置は、下部側のステーションと上部側のステーションを有し、この間を一つの昇降台等が往復するものであると言える。そのため従来技術の昇降装置は、搬送効率が悪いという欠点がある。
即ち従来技術の昇降装置では、下部に設置されたコンベアから上部に設置されたコンベアに搬送物を載せ変える際には、下部側のコンベアから昇降装置の下部側のステーションに搬送物を搬入する。そして昇降台等を上昇させて搬送物を上部側のステーションに移動させる。その後に、上部側のステーションから上部側のコンベアに搬送物を搬出する。
【0006】
そのため昇降台等が昇降装置の上部側のステーションにあるときは、下部側のステーションには昇降台等が無く、昇降装置に搬送物を搬入することができない。そのため従来技術の昇降装置では、昇降台等の到着を待つため、昇降装置の前で搬送物を待機させる必要がある。
井戸の釣瓶のごとく、二つの昇降台を滑車で連結した構造を採用すれば、一方の昇降台が上部側のステーションにあるときに他方の昇降台は下部側のステーションにあり、下部側のステーションに搬送物を導入することができるから搬送効率は向上する。
しかしながら、二つの搬送台を滑車で連結した構造の搬送装置は、装置自体の占有床面積が大きく、場所を取るという欠点がある。
【0007】
そこで本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、搬送効率が高く、且つ占有床面積が小さい昇降装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための態様は、上部側ステーションと下部側ステーションがあり、前記上部側ステーションは下部側ステーションの上にあって上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域は、一部又は全部が重なり、上部側ステーションと下部側ステーションの間を上下に移動する載置台を有する昇降装置において、載置台を2台有し、当該載置台が昇降する際、前記上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で前記載置台の一部又は全部が前記投影領域を外れ、2台の載置台が昇降する際に2台の載置台が前記中間高さの位置で行き違
い、上下方向に設置された誘導ガイド部材と、当該誘導ガイド部材と係合するフォロー部材を有し、誘導ガイド部材は、中間部に曲路を有し、フォロー部材が曲路を通過することによって載置台が横方向に移動することを特徴とする昇降装置である。
【0009】
本態様の昇降装置では、載置台を2台有している。そのため一方の載置台が上部側ステーションにあるときに他方の昇降装置を下部側ステーションに留め置くことができる。同様に、載置台が下部側ステーションにあるときに他方の昇降装置を上部側ステーションに留め置くことができる。そのため、例えば上部側ステーションの搬送物を昇降装置から排出している最中に下部側ステーションの載置台に搬送物を搬入することができる。
また本発明の昇降装置では、載置台が昇降する際における移動軌跡が特異であり、上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で上部側ステーションと下部側ステーションの投影領域を一部または全部外れて移動する。そのため二つの昇降台を中間高さの位置で行き違わせることができる。
そのため本発明の昇降装置は、専有する床面積が小さくて足る。
【0010】
本態様の昇降装置では、誘導ガイド部材及びこれと係合するフォロー部材を有している。そのため、載置台が昇降する際にフォロー部材が移動する。また本態様の昇降装置では誘導ガイド部材の中間部に曲路がある。そのため載置台が昇降する際に、フォロー部材は曲路に沿って水平成分を有して移動することとなる。
そしてこの水平方向成分によって載置台が横方向に移動する。
【0011】
さらに推奨される態様は、昇降部材を有し、前記昇降部材は上下方向に移動可能であり、載置台は昇降部材に設置されていると共に前記昇降部材に対して横方向に移動可能であり、
前記フォロー部材には自由回転可能な回転体が設けられ、昇降部材と載置台にはそれぞれ前記回転体と係合する係合部材が設けられ、
前記フォロー部材が誘導ガイド部材の曲路を通過する際に
自由回転可能な前記回転体が横行し、昇降部材側の係合部材と係合することによって
自由回転可能な前記回転体が回転し、さらに
自由回転可能な前記回転体の回転によって載置台側の係合部材が横行し、載置台が横行することを特徴とする請求項
1に記載の昇降装置である。
【0012】
本態様によると、載置台の横方向移動距離を誘導ガイド部材の水平方向移動成分よりも大きくすることができる。
【0013】
推奨され
る態様は、
上下方向に設置された昇降ガイド部材を有し、前記昇降部材は、縦棹部材を有し、縦棹部材の高さの異なる位置に、複数のガイド係合部材があり、ガイド係合部材が昇降ガイド部材と係合していることを特徴の一つとする昇降装置である。
【0014】
本態様では、上下方向に設置された昇降ガイド部材を有し、昇降部材を昇降ガイド部材に沿って上下に移動させる。
また本態様では、昇降部材が縦棹部材を有し、縦棹部材の高さの異なる位置に、複数のガイド係合部材が設けられている。本態様では、縦棹部材に複数のガイド係合部材を設けることによって、昇降部材に生じるモーメントに抗している。
【0015】
前記昇降部材には駆動源が搭載され、当該駆動源によって回転する回転体を有し、
駆動源によって回転する前記回転体と係合すると共に天地方向に延びる固定係合部が
前記昇降ガイド部材に固定されており、
駆動源によって前記回転体を回転することによって昇降部材が昇降することが望ましい。
【0016】
駆動源としてはギャードモータや、減速機とモータとの組み合わせ等が採用可能である。回転体としてはピニオンギア、スプロケット、歯付きベルト用プーリ、摩擦車等が採用可能である。固定係合部としてはラック、チェーン、歯付きベルト、レール等が採用可能である。
本態様によると、載置台を円滑に昇降することができる。
【0017】
前記昇降部材には、略水平姿勢の状態で昇降する一対の側壁部があり、載置台は、搬送物を載置可能な領域の70パーセント以上が前記一対の側壁部で囲まれた領域に納まっている状態と、搬送物を載置可能な領域が前記一対の側壁部で囲まれた領域からより多く突出する状態とをとることが可能であることが望ましい。
【0018】
本態様によると、載置台が昇降部材から片持ち状に張り出すこととなる。
【0019】
前記昇降部材を2台有し、前記昇降部材は上下方向に移動可能であり、前記2台の載置台はそれぞれ1台の昇降部材に設置されており、前記2台の載置台はいずれも
前記昇降部材に対して横方向に出没方向に移動可能であり、2台の昇降部材は、いずれもその一部が上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域とが重なる重複領域にあり、且つ2台の昇降部材の投影領域同士は重ならず、2台の昇降部材は、垂直方向に移動し、2台の昇降部材が中間高さの位置にあるときに載置台が昇降台側に引き込み、昇降部材が上部側ステーションまたは下部側ステーションにあるときに昇降部材に対して突出することが望ましい。
【0020】
本態様によると、2台の載置台を衝突させずに上下に行き違わせることができる。
【0021】
上部側ステーションまたは下部側ステーションの少なくとも一方の高さの位置であって、前記一対の側壁部によって挟まれる領域の一部に他のコンベア装置が設けられており、昇降台が上部側ステーションまたは下部側ステーションにあるときには他のコンベア装置が設けられた領域から退避することが望ましい。
【0022】
本態様によると、昇降部材と他のコンベアとの間で搬送物を円滑に受け渡すことができる。
【0023】
同一平面であって上下方向に設置された一対の
前記誘導ガイド部材と、前記誘導ガイド部材の外側に設置された一対の
前記昇降ガイド部材があり、
前記昇降部材を2台有し、前記昇降部材は一方の昇降ガイド部材に沿って上下方向に直線的に移動可能であり、載置台は誘導ガイド部材から力を受けて横方向に移動することが望ましい。
【0024】
一方の載置台が上部側ステーション又は下部側ステーションにあるとき、他方の載置台は下部側ステーションにあり、一方の載置台が上部側ステーションと下部側ステーションの間にあるとき、他方の載置台についても上部側ステーションと下部側ステーションの間にある様に電気的及び/又は機構的に制御されていることが望ましい。
【0025】
前記誘導ガイド部材は水平方向成分を有し、移動量増幅機構を有し、
前記フォロー部材の水平方向の移動量が増幅されて載置台が横方向に移動することが望ましい。
【0026】
移動量増幅機構としては、前記した様な、自由回転可能な回転体と、昇降部材と載置台に設けられた係合部材との組み合わせがある。
【0027】
載置台が昇降する際、双方の高さが一致する位置で、双方の載置台の一部が前記投影領域を外れて一時的に上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域とが重なる重複領域に二つの載置台が存在する状態ではなくなり2台の載置台が行き違うこと望ましい。
【0028】
本態様によると、2台の載置台を衝突させずに上下に行き違わせることができる。
【0029】
載置台が昇降する際、前記上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で一方の載置台の全部が前記投影領域を外れ、2台の載置台が昇降する際に2台の載置台が前記中間高さの位置で行き違わせるものであってもよい。
【0030】
本態様によると、2台の載置台を衝突させずに上下に行き違わせることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の昇降装置は、上下にステーションを持ち、一方のステーションで搬送物を昇降装置から排出している最中に他方のステーションの載置台に搬送物を搬入することができる。そのため、本発明の昇降装置は、搬送効率が高い。
また本発明の昇降装置は、載置台を行き違わせて昇降させるので、専有する床面積が小さくて足る。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の昇降装置1は、
図1の様な形状である。本実施形態の昇降装置1は、
図2の様に上下に直線水平コンベア装置100,101,103,105が配された搬送システム5の一部に採用される。
昇降装置1は、
図1、
図2、
図3の様に、4本の昇降ガイド6a,6b,6c,6dと、4本の誘導ガイド7a,7b,7c,7d及び2台の昇降台8a,8bによって構成されている。また昇降台8a,8bに搬送物を載置する載置台13がある。
昇降装置1は、下部側に設置された直線水平コンベア装置100から上部側に配された直線水平コンベア装置105に搬送物を受け渡す装置であり、下部側ステーション2と、上部側ステーション3を有している。
上部側ステーション3は、
図1、
図2の様に下部側ステーション2の真上の位置にあり、上部側ステーション3と下部側ステーション2は、平面領域が重なる。
【0034】
昇降ガイド6は、
図3、
図4の様に断面形状が「コ」の字状の直線部材である。即ち昇降ガイド6には、一面側にガイド溝10が設けられている。
昇降ガイド6のガイド溝10は、左右の側壁61,62と、奥壁63を有し、一方の側壁にラック60が設けられている。ラック60は相当に長く、その全長は、前記した下部側ステーション2の高さ近くから上部側ステーション3の高さ近くに至る。
ラック60は、天地方向の延びるものであり、固定係合部として機能する。
また各昇降ガイド6の上下端には、滑車68が設けられている。
【0035】
誘導ガイド7は、帯状の部材であり、いずれの位置においても幅は一定である。誘導ガイド7は、
図3の様に一部が湾曲している。即ち誘導ガイド7は、断面形状がいずれも四角形であるが、正面形状は、
図3の様に湾曲している。より詳細に説明すると、誘導ガイド7は、両端に直線部65,66があり、中央部に曲路11がある。
誘導ガイド7は、曲路11を有しているので水平方向成分を有している。
誘導ガイド7は、
図3の様に2本並べて縦姿勢で配置されるが、その際、隣接する誘導ガイド7の曲路11は、互いに外側に向かって膨出する。
誘導ガイド7は、縦姿勢で配置されるので垂直方向成分を有したガイドである。また誘導ガイド7は、曲路11を有しているので水平方向成分も有するガイドである。
【0036】
図3の各誘導ガイド7を仮に左奥誘導ガイド7a、右奥誘導ガイド7b、左前誘導ガイド7c、右前誘導ガイド7dと名付ける。
各誘導ガイド7は、
図1,
図3、
図4の様に縦姿勢で配置されるが、左奥誘導ガイド7aと右奥誘導ガイド7bが同一の取り付け板67aにネジ止めされていて同一平面を形成する様に配置されている。また左前誘導ガイド7c、右前誘導ガイド7dについても同一の取り付け板67bにネジ止めされていて同一平面を形成する様に配置されている。
上記した様に左奥誘導ガイド7aと右奥誘導ガイド7bは、昇降装置1に組み込まれた状態においては、
図3の様に同一平面を形成する。
図面奥側に配された左奥誘導ガイド7aと右奥誘導ガイド7bは、曲路11a,11bが外側に向かって膨出する様に配置されている。
また図面手前側に配された左前誘導ガイド7cと右前誘導ガイド7dは、曲路11c,11dが外側に向かって膨出する様に配置されている。
【0037】
次に昇降台8a、8bについて説明する。
図3の図面右側の昇降台8bと、図面左側の昇降台8aとは左右の勝手が違うだけで基本構成は同一構造であるから、代表して図面右側(右下側)の昇降台8bの構造を説明する。
昇降台8bは、
図7の様に、昇降部材12と載置台13を有している。また昇降台8bには、フォロー部材32が含まれる。
【0038】
昇降部材12は、
図7の様に本体部15と、縦棹部材18a,18bによって構成されている。
昇降部材12の本体部15は、一枚の金属板を曲げ加工して作られたものであり、対向する側壁部17a,17bと、当該側壁部17a,17bを繋ぐ底板部16を有している。
側壁部17a,17bは平行に対向し、上辺に補強リブ70が形成されている。側壁部17a,17b同士の間隔は、前記した直線水平コンベア装置100,101,103,105の幅よりも広い。
底板部16は、側壁部17a,17bの一部同士を繋ぐものであり、図面右半分の領域には存在しない。従って昇降部材12の半分の領域は枠状であって、側壁部17a,17bだけが存在し、空間42となっている。
【0039】
この空間42は、直線水平コンベア装置105の一部が入り込む領域であり、後記する様に昇降台が上部側ステーションまたは下部側ステーションにあるときには載置台13は、この空間42の領域から退避する。
【0040】
側壁部17a,7bには、表裏面を貫通するスリット30a,30bが設けられている。スリット30a,30bは、側壁部17a,7bの一端側に寄った位置にあり、側壁部17a,7bの長手方向にのびている。
側壁部17a,7bの内側(平面側)には、コロ33a,33bと、ガイドレール20a,20bが設けられている。
コロ33a,33bは、側壁部17a,7bの長手方向の一端側にある。より詳細には、空間42に対して反対側の位置にある。またコロ33a,33bは、側壁部17a,7bの高さ方向には上部側にある。
【0041】
ガイドレール20a,20bは、断面形状が「凹」状であり、ガイド溝21a,21bを有している。
ガイドレール20a,20bの位置は、側壁部17a,17bの中央から他端側に至る位置である。より詳細には、ガイドレール20a,20bは、空間42側にある。
またガイドレール20a,20bの高さ方向の位置は、側壁部17a,7bの高さ方向には下部側である。
【0042】
昇降部材12の、底板部16には、昇降台側ラック37a,37bが設けられている。昇降台側ラック37a,37bの位置は、側壁部17a,7bの近傍であって、取り付け姿勢は、側壁部17a,7bの長手方向に沿い、歯面を上に向けて設置されている。
昇降台側ラック37a,37bの位置は、側壁部17a,7bに設けられたスリット30a,30bの近傍でもある。
【0043】
縦棹部材18a,18bは、側壁部17a,17bの外側に取り付けられている。縦棹部材18a,18bの取り付け姿勢は、側壁部17a,17bに対して90度に交差する方向である。従って昇降部材12を側面側から観察すると、
図7の様に、十字状を呈している。
縦棹部材18a,18bは、モーメントに耐える様に、両側面に補強リブ31が設けられ、補強リブ31の一辺が縦棹部材18a,18bの本体部に溶接されている。
縦棹部材18a,18bは、外側の面の上下に、ガイド係合ユニット(ガイド係合部材)22a,22b,22c,22dを有している。また縦棹部材18a,18bには、ギャードモータ28a,28bが取り付けられていて、当該ギャードモータ28a,28bに駆動ピニオン27が設けられている。
【0044】
縦棹部材18a,18bのガイド係合ユニット22a,22b,22c,22dは、
図5(b)、
図7、
図8の様に挿入板23と、2個の横ガイドコロ25a,25b及び一つの縦ガイドコロ26が組み合わされたものである。
【0045】
挿入板23は、縦棹部材18a,18bの両端にあって、縦棹部材18a,18bに対して垂直方向に取り付けられた板である。挿入板23は、一部が前記した昇降ガイド6のガイド10に挿入されるものであり、図の様な「凸」字状をしている。
横ガイドコロ25a,25bは、縦棹部材18a,18bの外側の面にあり、縦棹部材18a,18bの側面を接線とするコロである。横ガイドコロ25a,25bの回転軸は、縦棹部材18a,18bの平面に対して垂直である。
縦ガイドコロ26は、縦棹部材18a,18bの外側の面にあり、水平の回転軸を持つコロである。
【0046】
また縦棹部材18a,18bの内側の面に前記したギャードモータ28a,28bが取り付けられており、ギャードモータ28a,28bの回転軸は、縦棹部材18a,18bの表裏を貫通して縦棹部材18a,18bの外側の面に突出している。そして当該回転軸に駆動ピニオン27が装着されている。
【0047】
次に昇降台8bの載置台13について説明する。載置台13は、
図7に示すようにそれ自体が小型コンベアであり、横行フレーム35にモータ内蔵ローラ50と、従動ローラ51が取り付けられたものである。また横行フレーム35には、コロ38a,38bと、ガイドレール40a,40bと、載置台側ラック41a,41bが設けられている。
【0048】
横行フレーム35は、一枚の金属板を曲げ加工して作られた部材であり、対向する側壁部36a,36bと、当該側壁部36a,36bを繋ぐ底板部39を有している。横行フレーム35の全長は前記した昇降部材12の全長と略等しい。
これに対して横行フレーム35の幅は、前記した昇降部材12の幅よりも狭い。
そして対向する側壁部36a,36bの間にモータ内蔵ローラ50と、従動ローラ51が取り付けられている。
モータ内蔵ローラ50は、ローラ本体内にモータ(図示せず)と減速機(図示せず)が内蔵されたものであり、内部のモータに通電することによってローラ本体が回転する。
従動ローラ51は、自由回転するローラである。
モータ内蔵ローラ50と従動ローラ51との間、及び従動ローラ51同士の間には、ベルト71が懸架されており、モータ内蔵ローラ50が回転すると、他の従動ローラ51が従属して回転する。
【0049】
また横行フレーム35の側壁部36a,36bの外側部分に、コロ38a,38bと、ガイドレール40a,40b及び載置台側ラック41a,41bが設けられている。
【0050】
載置台13の横行フレーム35に設けられたコロ38a,38bは、前記した昇降部材12のガイドレール20a,20bと係合する部材である。また載置台13の横行フレーム35に設けられたガイドレール40a,40bは、前記した昇降部材12のコロ33a,33bと係合する部材である。
即ち載置台13に設けられたコロ38a,38bは、前記した昇降部材12のガイドレール20a,20bと係合するものであり、載置台13に設けられたコロ38a,38bは、前記した昇降部材12のガイドレール20a,20bに対応する位置にある。
一方、載置台13のガイドレール40a,40bは、前記した昇降部材12のコロ33a,33bと係合するものであり、載置台13に設けられたガイドレール40a,40bは、前記した昇降部材12のコロ33a,33bに対応する位置にある。
【0051】
従って、載置台13に設けられたコロ38a,38b及びガイドレール40a,40bの位置関係は、昇降部材12のコロ33a,33b及びガイドレール20a,20bとは逆となり、載置台13のガイドレール40a,40bは、側壁部36a,36bの中央から一端側に至る位置にある。載置台13のガイドレール40a,40bは、側壁部36a,36bの高さ方向には上部側にある。
載置台13の横行フレーム35に設けられたガイドレール40a,40bは、断面形状が「凹」状であり、ガイド溝43a,43bを有している。
【0052】
載置台13の横行フレーム35に設けられたコロ38a,38bの位置は、側壁部36a,36bの一端にある。またコロ38a,38bの高さ方向の位置は、側壁部36a,36bよりも下の位置にある。
【0053】
載置台13の側壁部36a,36bの近傍には、さらに載置台側ラック41a,41bが設けられている。
載置台側ラック41a,41bの取り付け姿勢は、側壁部36a,36bの長手方向に沿い、歯面を下に向けて設置されている。
【0054】
フォロー部材32は、
図7、
図8の様に係合ユニット52a,52bと、シャフト53及びピニオン55a,55bによって構成されている。
係合ユニット52a,52bは、前記した誘導ガイド7a,7cと係合するものであり、ベース板56にそれぞれコロ57が4個取り付けられたものである。コロ57は、フランジ付きのコロであり、外周部は溝状となっている。
4個のコロ57は、いずれも回転軸がベース板56a,56bに対して垂直方向にあり、ベース板56a,56bの外側面に回転可能に取り付けられている。
【0055】
シャフト53は、二つの係合ユニット52a,52bを結合するものであり、両端が図示しないベアリングを介して係合ユニット52a,52bに取り付けられている。
またシャフト53には、ピニオン55a,55bが取り付けられている。前記した様にシャフト53は、図示しないベアリングを介して係合ユニット52a,52bに取り付けられているから、二つのピニオン55a,55bは、いずれも二つの係合ユニット52a,52bに対して相対回転可能である。即ち二つのピニオン55a,55bは、自由回転可能な回転体である。
その一方で、二つのピニオン55a,55bは、二つの係合ユニット52a,52bに対して相対移動をすることはできない。即ち係合ユニット52aが横方向に移動すると、二つのピニオン55a,55bも横方向に移動する。
【0056】
次に昇降台8bの各部材間の関係について説明する。前記した様に昇降台8bは、昇降部材12と載置台13とフォロー部材32によって構成されている。そして載置台13は、昇降部材12に嵌まり込んでいる。
即ち載置台13の幅は昇降部材12の幅よりも狭く、昇降部材12の側壁部17a,17bと底板部16によって形成される凹部内に、載置台13が嵌まり込んでいる。
また載置台13の横行フレーム35の外側に設けられたコロ38a,38bが、昇降部材12の側壁部17a,7bの内側に設けられたガイドレール20a,20bのガイド溝21a,21bに係合している。
また載置台13の横行フレーム35の外側に設けられたガイドレール40a,40bのガイド溝43a,43bには、昇降部材12の内側に設けられたコロ33a,33bが係合している。
【0057】
そのため載置台13の横行フレーム35は、昇降台8bの昇降部材12に対して水平方向に移動可能である。また載置台13のガイドレール40a,40b及び昇降部材12のガイドレール20a,20bの長さは、共に載置台13及び昇降部材12の全長の半分程度の長さを持つ。さらに載置台13のコロ38a,38b及び昇降部材12のコロ33a,33bは、共に載置台13及び昇降部材12の長手方向の端部にある。
【0058】
そのため載置台13は、
図5の様に、載置台13が昇降部材12の側壁部17a,17b内に納まっている状態から、
図6の様に、載置台13の先端(図面左側)の約半分の長さが昇降部材12から左側に突出した状態まで変化することができる。即ち載置台13は、そのコロ38a,38bと、昇降部材12のガイドレール20a,20bとの係合、及びガイドレール40a,40bと昇降部材12のコロ33a,33bとが係合することによってスムーズに横方向に移動する。
【0059】
本実施形態では、載置台13が昇降部材12の側壁部17a,17b内に納まっている状態においては、載置台13の大半が側壁部17a,17b内に納まっているが、納まり量については限定されるものではない。載置台13の70パーセント以上の領域が、昇降部材12の側壁部17a,17b内に納まっていることが望ましい。
また
図6の様に、載置台13の先端(図面左側)が昇降部材12から左側に突出しても、載置台13の横行フレーム35に設けられたコロ38a,38bと、昇降部材12のガイドレール20a,20bとの係合が維持される。また載置台13の横行フレーム35に設けられたコガイドレール40a,40bと昇降部材12のコロ33a,33bとの係合も維持される。
さらに載置台13側と昇降部材12は、一方のコロが一方のガイドレールと係合する関係となるから、係合部においては、載置台13側と昇降部材12が上下に離反することが阻止される。そして載置台13側と昇降部材12の係合点は、載置台13側と昇降部材12の長手方向に離れた位置に2点づつ存在する。そのため載置台13の先端(図面左側)が昇降部材12から突出しても、載置台13は長手方向に離れた位置で両側面部が保持され、且つ当該部位が上下に離反することが規制されているから、載置台13は水平姿勢が維持される。
【0060】
載置台13が昇降部材12に装着された状態においては、
図8の様に載置台側ラック41a,41bと昇降台側ラック37a,37bが対向する。即ち載置台側ラック41a,41bの歯面は下方向に向き、昇降台側ラック37a,37bの歯面は上方を向いているので、両者の歯面同士が上下に対向している。
そして載置台側ラック41a,41bと昇降台側ラック37a,37bの双方に、フォロー部材32のピニオン(回転体)55a,55bが係合している。
即ちフォロー部材32のシャフト53が、昇降部材12のスリット30に挿通され、昇降部材12の側壁部17a,17b同士の間に、自由回転可能なピニオン55a,55bが配されている。そして一方のピニオン55aが、載置台側ラック41aとこれに対向する昇降台側ラック37aの双方と係合している。また他方のピニオン55bは、載置台側ラック41bとこれに対向する昇降台側ラック37bの双方と係合している。
【0061】
以上、
図3の図面右側(右下側)の昇降台8bの構造を説明したが、
図3の図面左側(左上側)の昇降台8bについても基本構造は同じである。ただし、図面左側の昇降台8bは、図面右側の昇降台8bとは勝手違いであり、右側の昇降台8bの載置台13が、
図6の様に、昇降部材12から左側に突出するのに対し、図面左側の昇降台8bは、載置台13が反対側に突出する。
【0062】
次に、昇降ガイド6a,6b,6c,6dと誘導ガイド7a,7b,7c,7d及び昇降台8a,8bの関係について説明する。
以下、説明の便宜上、搬送物は、矢印の様に直線水平コンベア装置100側から搬送されることとし、昇降装置1の直線水平コンベア装置100,103側を導入側エリアAと称し、昇降装置1の直線水平コンベア装置101,105側を排出側エリアBと称することとする。より厳格に規定すると、縦姿勢で設置された4本の昇降ガイド6a,6b,6c,6dで囲まれた四角形の投影領域X(
図1)を想定し、領域Xの中心ラインCLよりも直線水平コンベア装置101側の領域を導入側エリアAと称する。また投影領域Xの中心ラインCLよりも直線水平コンベア装置103側の領域を排出側エリアBと称する。
【0063】
本実施形態では、下部側ステーション2と上部側ステーション3は、共に投影領域Xにある。即ち下部側ステーション2は、投影領域Xであって下部側に配された直線水平コンベア装置100,101と同じ高さの空間領域である。また上部側ステーション3は投影領域Xであって上部側に配された直線水平コンベア装置103,105と同じ高さの空間領域である。
【0064】
また説明の便宜上、
図1の姿勢を基準とし、幅方向の奥側の面を奥側面Cとし、図面手前側の面を手前面Dと称する。
また
図1に示す様に昇降装置1を平面的に4区画のエリアに分け、例えば図面奥側の導入側エリアAを奥側導入側エリアaと称する、同様に
図1の様に他の領域を奥側排出側エリアb、手前導入側エリアc、手前排出側エリアdと称する。
【0065】
まず昇降ガイド6a,6b,6c,6dと誘導ガイド7a,7b,7c,7dの位置関係について説明する。
本実施形態では、昇降装置1の奥側面Cに、直線状の昇降ガイド6a,6bと、曲線状の誘導ガイド7a,7bが設置されている。昇降装置1の手前面Dに、直線状の昇降ガイド6c,6dと、曲線状の誘導ガイド7c,7dが設置されている。
奥側面Cの誘導ガイド7a,7bは搬送物の搬送方向の中央に立設され、その両側に昇降ガイド6a,6bが立設されている。手前面Dについても同様であり、誘導ガイド7c,7dが中央に立設され、その両側に昇降ガイド6c,6dが立設されている。
また前記した様に、奥側面Cの左奥誘導ガイド7aと右奥誘導ガイド7bは、曲路11a,11bが外側に向かって突出する様に配置されている。即ち手前導入側エリアaに設置された左奥誘導ガイド7aの曲路11aは、隣に立設された昇降ガイド6a側に膨出する。
一方、奥側排出側エリアbに設置された右奥誘導ガイド7bの曲路11bは、隣に立設された昇降ガイド6b側に膨出する。
【0066】
手前面Dについても同様であり、手前面Dの左手前誘導ガイド7cと右手前誘導ガイド7dは、曲路11c,11dがそれぞれ隣の昇降ガイド6c、6d側に向かって膨出する様に配置される。即ち曲路11c,11dは外側に向かって膨出する様に配置されている。
【0067】
そして奥側面Cに設けられた各ガイドは、手前面Dに設けられた各ガイドと対向する位置にある。
即ち奥側面Cに設けられた昇降ガイド6a,6bに対向する手前面Dの位置に昇降ガイド6c,6dがあり、奥側面Cに設けられた誘導ガイド7a,7bに対向する手前面Dの位置に誘導ガイド7a,7bが設置されている。
【0068】
また搬送装置1を平面的に4区画に分けたエリアとの関係を見ると、各エリアに、それぞれ一本ずつ昇降ガイド6と誘導ガイド7が設けられている。
即ち奥導入側エリアaに昇降ガイド6aと誘導ガイド7aがあり、奥排出側エリアbに昇降ガイド6bと誘導ガイド7bがあり、手前導入側エリアcに昇降ガイド6cと誘導ガイド7cがあり、手前排出側エリアdに昇降ガイド6dと誘導ガイド7dがある。
【0069】
そして一方の昇降台(左側昇降台)8aは、導入側エリアA(奥導入側エリアaと手前導入側エリアc)に設けられた各ガイド6a,6c,7a,7cと係合している。当該昇降台8aは、排出側エリアB側のガイドとは係合しない。
また他方の昇降台(右側昇降台)8bは、排出側エリアB(奥排出側エリアb及び手前排出側エリアd)に設けられた各ガイド6b,6d,7b,7dと係合している。当該昇降台8bは、導入側エリアA側のガイドとは係合しない。
【0070】
昇降台(左側昇降台)8aは、具体的には、奥導入側エリアaの昇降ガイド6aと、手前導入側エリアcの昇降ガイド6c、奥導入側エリアaの誘導ガイド7a、手前導入側エリアcの誘導ガイド7cと係合している。即ち昇降台(左側昇降台)8aは、奥・手前一対の昇降ガイド6a,6cと、奥・手前一対の誘導ガイド7a,7cと係合しており、他のガイドとは係合していない。
また昇降台(右側昇降台)8bは、奥排出側エリアbの昇降ガイド6bと、手前排出側エリアdの昇降ガイド6d、奥排出側エリアbの誘導ガイド7b、手前排出側エリアdの誘導ガイド7dと係合している。即ち昇降台(右側昇降台)8bは、奥・手前一対の昇降ガイド6b,6cと、奥・手前一対の誘導ガイド7c,7dと係合しており、他のガイドとは係合していない。
【0071】
昇降台(右側昇降台)8bのガイドとの係合状態を
図8を参照しつつ説明すると、本体部15に設けられた縦棹部材18a,18bのガイド係合ユニット(ガイド係合部材)22a,22b,22c,22dが、奥・手前一対の昇降ガイド6b,6dと係合している。
より具体的には、昇降台(右側昇降台)8bの本体部15の一方の側壁部17aに設けられた縦棹部材18aには、上下二箇所にガイド係合ユニット22a,22bがある。
そして上方のガイド係合ユニット22cの挿入板23が、
図8の様に昇降ガイド6dのガイド溝10に入り、2個の横ガイドコロ25a,25bが、ガイド溝10の側壁61,62と係合する。またガイド係合ユニット22aの縦ガイドコロ26が、ガイド溝10の奥壁63と係合する。
同様に下方のガイド係合ユニット22dの挿入板23が、昇降ガイド6dのガイド溝10に入り、2個の横ガイドコロ25a,25bが、ガイド溝10の内側面と係合する。またガイド係合ユニット22dの縦ガイドコロ26が、ガイド溝10の奥面と係合する。
【0072】
また
図8の様に、縦棹部材18bに設けられた駆動ピニオン27が、ラック60と係合している。前記した様に駆動ピニオン27はギャードモータ28bに取り付けられている。
昇降台側ラック37の他方の側壁部17aに設けられた縦棹部材18aについても同様であり、上下二箇所にガイド係合ユニット22a,22bがあり、それぞれの挿入板23が、昇降ガイド6bのガイド溝10に入り、2個の横ガイドコロ25a,25bが、ガイド溝10の内側面と係合し、縦ガイドコロ26が、ガイド溝10の奥面と係合する。
【0073】
また昇降台(右側昇降台)8bに設けられた係合ユニット52a,52bが、奥・手前一対の誘導ガイド7b,7dと係合している。
より具体的には、
図7、
図8の様に昇降台(右側昇降台)8bの一方の側壁部17bには、係合ユニット52bがある。
そして
図8の様に、係合ユニット52bのベース板56bに設けられた4個のコロ57が誘導ガイド7dの側面と係合する。即ち4個のコロ57の内の2個のコロ57が、誘導ガイド7dの一方の側面と係合する。より具体的には、2個のコロ57に設けられた環状溝が、
図8の様に誘導ガイド7dの一方の側面と係合する。
また残る2個のコロ57が、誘導ガイド7dの他方の側面と係合する。
【0074】
他方の昇降台(左側昇降台)8aは、導入側エリアAの昇降ガイド6a、昇降ガイド6c及び誘導ガイド7a、誘導ガイド7cと係合している。
昇降台(左側昇降台)8aと各ガイドとの係合状態は、昇降台(右側昇降台)8bと同様である。
【0075】
また昇降台(左側昇降台)8aと昇降台(右側昇降台)8bは、2本のワイヤー72で上方側と下方側が結合され、当該ワイヤー72は、昇降ガイド6の上下端に設けられた滑車68と係合している。ワイヤー72と昇降台(左側昇降台)8aと昇降台(右側昇降台)8bとの接合部分については図示を省略する。
【0076】
次に昇降装置1の動作、特に昇降台8a,8bの動作について
図9乃至
図15を参照して説明する。
昇降台8a,8bの動作を大まかに説明すると、昇降台8a,8bの昇降部材12は、垂直方向にのみ移動し、その間に載置台13が昇降部材12から出没して水平方向に移動する。また左側の昇降台8bでは、載置台13が昇降部材12の右側にのみ突出可能であり、右側の昇降台8aは、載置台13が昇降部材12の左側にのみ突出可能である。即ちいずれの昇降台8a,8bについても、載置台13は昇降装置1の中央方向にのみ突出可能である。
【0077】
なお二つの昇降部材12のレイアウトを平面的に観察すると、二つの昇降部材12は、いずれもその半分が、下部側ステーション2と上部側ステーション3の投影領域Xにある。言い換えると、二つの昇降部材12は、いずれもその半分が、上部側ステーションの投影領域と下部側ステーションの投影領域とが重なる重複領域にある。しかしながら、2台の昇降部材12の投影領域同士は重なっていない。
【0078】
本実施形態では、二つの昇降部材12に設けられた28a,28bが電気的に制御され、二つの昇降台8a,8bのいずれかが、上端部にあるときは、載置台13が昇降装置1の中央方向に突出して上部側ステーション3に入る。また二つの昇降台8a,8bのいずれかが、下端部にあるときは、載置台13が昇降装置1の中央方向に突出して下部側ステーション2に入る。
二つの昇降台8a,8bが中間高さの位置にあるとき、それぞれの昇降台8a,8bの載置台13は、昇降部材12の中に引き込み、二つの昇降台8a,8bを上下に行き違わせることができる。
【0079】
以下、説明する。
一方の昇降台(右側昇降台)8bに注目すると、前記した様に、昇降部材12の両側壁部17a,17bにある縦棹部材18a,18bに設けられた各ガイド係合ユニット(ガイド係合部材)22a,22b,22c,22dが、奥・手前一対の昇降ガイド6b,6dと係合している。
従って昇降台(右側昇降台)8bの昇降部材12は、昇降ガイド6b,6dに沿って昇降可能である。即ち縦棹部材18aに設けられたギャードモータ28を回転することにより、駆動ピニオン27が回転し、昇降ガイド6のガイド溝10に設けられたラック60との作用によって昇降部材12が昇降する。ここで昇降ガイド6b,6dは直線状であるから、各ガイド係合ユニット(ガイド係合部材)22a,22b,22c,22dは、上下方向にしか自由度を持たず、昇降台(右側昇降台)8bの昇降部材12は、
図9,10,11,15の様に、垂直方向に昇降する。
【0080】
これに対して、誘導ガイド7b,7dと係合する係合ユニット52a,52bは、上下方向だけでなく、水平成分を持った動きをする。即ち誘導ガイド7b,7dは曲線状であるから、これに係合する係合ユニット52a,52bは曲線的な動きをする。
また二つの係合ユニット52a,52bは、シャフト53で結合されており、当該シャフト53は、昇降部材12の側壁部17a,7bに設けられたスリット30に挿通されている。そのためシャフト53及びこの両端の係合ユニット52a,52bは、昇降部材12に対して横方向の自由度を持つ。
そのため昇降部材12自体は、昇降ガイド6に誘導されて上下方向にのみ移動するが、昇降部材12の両端から突出した係合ユニット52a,52bは、
図9,10,11,15の様に横方向にも移動する。
【0081】
そして係合ユニット52a,52bが横方向に移動すると、係合ユニット52a,52bを繋ぐシャフト53が、昇降部材12に対して横方向に移動し、シャフト53に取り付けられた回転体たるピニオン55a,55bが横方向に移動する。ここでピニオン55a,55bは、昇降部材12に固定された昇降台側ラック37a,37bと係合している。そのため、ピニオン55a,55bが横方向に移動と、昇降台側ラック37a,37bとの関係でピニオン55a,55bが回転する。
一方、ピニオン55a,55bは、載置台側ラック41a,41bとも係合しているから、ピニオン55a,55bが回転することにより、載置台側ラック41a,41bを軸方向に押圧する。そして載置台側ラック41a,41bが取り付けられた載置台(横行部)13は、昇降部材12に対して水平方向に移動可能であるから、載置台側ラック41a,41bが横方向に移動する。
【0082】
ここで載置台側ラック41a,41bの移動量は、係合ユニット52a,52bの横方向移動量よりも大きい。即ちピニオン55a,55bは、載置台側ラック41a,41bと係合しているから、ピニオン55a,55bの横方向の移動量に応じた距離、載置台側ラック41a,41bが横方向に移動する。さらにピニオン55a,55bの回転による載置台側ラック41a,41bの移動量があり、前記した載置台側ラック41a,41bの移動量にピニオン55a,55bの回転による移動量が加算され、載置台側ラック41a,41bが
図10,15の様に横方向に大きく移動する。その結果、載置台13が横方向に大きく移動する。
【0083】
昇降台(右側昇降台)8bの上下移動と合わせて説明すると、ギャードモータ28を回転することにより、昇降台(右側昇降台)8bが
図9,10,11,15の様に、上下方向に移動する。ここで昇降台(右側昇降台)8bの昇降部材12に限っては、直線状の昇降ガイド6b,6dに沿って昇降するから、上下方向にのみ移動する。
図9,10,11,15の様に、昇降台(右側昇降台)8bを上下移動させても昇降部材12は横方向には移動しない。
しかしながら、昇降部材12が昇降することによって
図15の様に係合ユニット52a,52bと誘導ガイド7b,7dとの係合位置が上下方向に変化する。そして誘導ガイド7b,7dは、曲線状であり中央部に曲路11がある。そのため昇降部材12が曲路11に至ると係合ユニット52a,52bが横方向に移動し、ピニオン55a,55bが回転して載置台(横行部)13が横方向に大きく移動する。
【0084】
即ち昇降部材12は上下するだけであるが、昇降部材12に設置された載置台13は、その位置(高さ)に応じて横方向に移動する。
より具体的には、昇降台(右側昇降台)8bが
図9の様に上端部にある場合は、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7b,7dの上端の直線部65と係合しており、載置台13は昇降部材12から図面左側に突出している。
ここで昇降ガイド6b,6dは、昇降装置1の前記した投影領域X(
図1)の端部にあり、昇降装置1の中心部よりも排出側(図面右側)に寄った位置にある。従って昇降部材12は、昇降装置1の中心部よりも排出側(図面右側)に寄った位置にあり、当該位置で昇降する。即ち昇降部材12は、その約半分が投影領域Xにあり、残る部分が投影領域Xから外れた位置にあって上下にのみ移動する。
これに対して昇降台(右側昇降台)8bが
図9の様に上端部にある場合は、載置台13は昇降部材12から図面左側に突出し、載置台13は昇降装置1の中心部に至る。即ち昇降台(右側昇降台)8bが
図9の様に上端部にある場合は、載置台13は左側に突出して昇降装置1の中心に至る。その結果、載置台13はその大部分が投影領域X(
図1)の中に入り、上部側ステーション3に位置することとなる。
【0085】
なお昇降部材12は上端部にあるとき、その高さは上部側の直線水平コンベア装置105と重なる。そして昇降部材12の一部は、投影領域Xから外れた位置にある。しかしながら、昇降部材12の半分の領域は枠状であって、側壁部17a,17bだけが存在し、空間42がある。また側壁部17a,17bの間隔は、直線水平コンベア装置105の幅よりも広いから、
図9に示す様に、直線水平コンベア装置105は、昇降部材12の枠内に入り、昇降部材12と直線水平コンベア装置105とが干渉することはない。
【0086】
昇降台(右側昇降台)8bが
図10の様に中間の高さにあるときは、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7の中央部の曲路11と係合しており、載置台13は曲路11の突出側に移動して、昇降部材12の側壁部17a,17b中に納まる。前記した様に、昇降部材12は、昇降装置1の中心部よりも導入側(図面右側)に寄った位置にあり、当該位置で昇降するから、載置台13は導入側(図面右側)に寄った位置に引き込まれる。即ち載置台13はその半分が、投影領域Xから外れる。
上部側ステーション3と下部側ステーション2を中心として説明すると、昇降台(右側昇降台)8bが
図10の様に中間の高さにあるときは、載置台13が水平に移動してその半分が上部側ステーション3の投影領域と下部側ステーション2の投影領域を外れて外側に逃げる。
【0087】
昇降台(右側昇降台)8bが
図11の様に下端部にある場合は、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7の下端の直線部66と係合しており、載置台13は昇降部材12から図面左側に突出する。即ち昇降台(右側昇降台)8bが
図11の様に下部にある場合は、載置台13は突出して昇降装置1の中心に至り、下部側ステーション2に入る。この場合についても、直線水平コンベア装置101は、昇降部材12の枠内に入り、昇降部材12と直線水平コンベア装置101が干渉することはない。
【0088】
以上、一方の昇降台(右側昇降台)8bの動作を説明したが、他方の昇降台(左側昇降台)8aについても同様であり、昇降台(左側昇降台)8aが
図12の様に上端部(上部側ステーション)にある場合は、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7a,7cの上端の直線部65と係合しており、載置台13は昇降部材12から図面右側に突出している。
昇降台(左側昇降台)8aが
図13の様に中間の高さにあるときは、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7の中央部の曲路11と係合しており、載置台13は曲路11の突出側に移動して、昇降部材12の中に納まる。
昇降台(左側昇降台)8aが
図14の様に下端部にある場合は、係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7a,7cの下部の直線部66と係合しており、載置台13は昇降部材12から図面右側に突出する。
【0089】
また一方の昇降台(左側昇降台)8aと他方の昇降台(右側昇降台)8bは、ワイヤーで接続されており、一方が上端部にある場合は、他方は下部部にあり、一方が中間高さの位置にある場合には、他方も中間高さの位置にある様に機構的に制御されている。
【0090】
図16,17,18を参照しつつ説明すると、昇降台(左側昇降台)8aが
図16の様に上端部にある場合は、他方の昇降台(右側昇降台)8bは下端部に下がっている。
そして上部にある昇降台(左側昇降台)8aの載置台13は、昇降部材12から図面右側に突出し、昇降装置1の中央に移動して、その大半が投影領域Xに入る。即ち昇降台(左側昇降台)8aが上端部にあるときは、載置台13が昇降部材12から図面右側に突出して上部側ステーション3に入る。
【0091】
他方の昇降台(右側昇降台)8bは下端部にあり、
図16の様に載置台13が、昇降部材12から図面左側に突出し、昇降装置1の中央に来る。そして載置台13の大半が投影領域Xに入る。即ち昇降台(右側昇降台)8bが下端部にあるときは、載置台13が昇降部材12から図面左側に突出してその大半が投影領域Xに入る。即ち即ち昇降台(右側昇降台)8bが下部にあるときは、載置台13が下部側ステーション2に入る。
【0092】
昇降台(左側昇降台)8aが
図17の様に中間高さの位置にある場合は、他方の昇降台(右側昇降台)8bについても中間高さの位置にある。
二つの昇降台8a,8bの係合ユニット52a,52bは、誘導ガイド7の中間部の曲路11と係合しており、載置台13は共に曲路11の突出側に移動して、昇降部材12の中に納まる。
ここで、一方の昇降台(左側昇降台)8aの昇降部材12は、昇降装置1の導入側エリアAを昇降し、他方の昇降台(右側昇降台)8bの昇降部材12は、昇降装置1の排出側エリアBを昇降する。
そのため二つの昇降台8a,8bは、
図17の様に、衝突することなく入れ違う。
【0093】
昇降台(左側昇降台)8aが
図18の様に下端部にある場合は、他方の昇降台(右側昇降台)8bは上端部にある。
そして昇降台(左側昇降台)8aの載置台13は、昇降部材12から図面右側に突出し、昇降装置1の大半が投影領域Xに入る。即ち即ち昇降台(左側昇降台)8aが下端部にあるときは、載置台13が下部側ステーション2に入る。
【0094】
他方の昇降台(右側昇降台)8aについても、載置台13は、昇降部材12から図面左側に突出し、昇降装置1の中央に至り、上部側ステーション3に入る。
【0095】
この様に本実施形態の昇降装置1では、いずれか一方の昇降台8が、上端部にあるとき、載置台13が昇降部材12から昇降装置1の中央側に突出して上部側ステーション3に入る。
またこのとき、他方の昇降台8は、下端部にあって載置台13が昇降部材12から昇降装置1の中央側に突出して下部側ステーション2に入る。
そのため一方のステーションから搬送物を搬出するのと同時に、他方のステーションに搬送物を搬入することができる。
実施形態に則して説明すると、上部側ステーション3から、直線水平コンベア装置105に搬送物を排出する作業を行っているとき、他方の昇降台8は、下部側ステーション2にとどまっている。そのため新たな搬送物を下部側ステーション2に導入することができる。あるいは下部側ステーション2においては、載置台13のモータ内蔵ローラ50を回転させ、搬送物を通過させることができる。即ち載置台13を単なるコンベアとして機能させ、コンベア装置100から、下流側のコンベア装置101に搬送物を送り出してもよい。
そのため本実施形態の昇降装置1は、搬送効率が高い。
また昇降装置1が専有する床面積は小さい。そのため昇降装置1は場所を取らない。
【0096】
以上説明した実施形態では、誘導ガイド7a,7b,7c,7dは、対象形または同一形状であり、二つの載置台13の移動量は同一である。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、誘導ガイド7a,7b,7c,7dの形状が互いに異なっていても構わない。また一方の載置台だけが横方向に移動するものであってもかまわない。
【0097】
即ち載置台13が昇降する際に上部側ステーションと下部側ステーションの中間高さの位置で一方の載置台の全部が投影領域Xを外れ、2台の載置台が昇降する際に2台の載置台が行き違う構成てあってもよい。
【0098】
以上説明した実施形態では、自由回転する回転体としてピニオン55a,55bを採用したが、これに代わって摩擦車やスプロケットを採用することもできる。
【0099】
上記した実施形態では、一つの昇降台8に対して2本の昇降ガイド6を設置し、2本の昇降ガイド6に沿って昇降台8を昇降させた。また昇降台8に掛かるモーメントに耐える様に、縦棹部材18a,18bを設け、上下に離れた位置にガイド係合ユニット(ガイド係合部材)22を配置した。この構成を採用することにより、昇降装置1を小型化することができる。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、より多くの昇降ガイド6で昇降台8を支持してもよい。
【0100】
また上記した実施形態では、ピニオン55a,55bと、載置台側ラック41a,41bと、昇降台側ラック37a,37bとの組み合わせによって移動量増幅機構が形成されており、フォロー部材32の水平方向の移動量が増幅されて載置台13が横方向に移動する。
しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、移動量増幅機構を省略してもよい。