(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
球形タンクの球殻体を支持する既設の支柱間に設けられているX字状に交差する既設のタイロッドブレースの全体にわたってその外表面から間隙を設けて、長手方向に沿って複数に分割した新規の半割り円筒管同士の長手継手部に帯板状の裏当板を設けて溶接し、かつ前記新規の半割り円筒管の円周方向に沿った周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接して一体形成した新規の円筒ブレースにて被覆形成し、前記新規の円筒ブレースは、少なくとも前記球形タンクの既設のタイロッドブレースの交差箇所を被覆する交差部と、前記球形タンクの支柱のガセットプレートに差込みかつ前記新規の円筒ブレースの中心が支柱の中心と同じとなる位置に差込溝を設けた支柱取付部とで構成することを特徴とする球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
前記新規の円筒ブレースは、地震時に前記新規の円筒ブレースの断面に発生する応力が耐震設計基準に適合する材質、外径及び肉厚を有する鋼管材で形成するとともに、当該脚部耐震補強構造の耐震設計評価は前記新規の円筒ブレースのみで評価することを特徴とする請求項1記載の球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
前記新規の円筒ブレースの交差部は、該交差部の一方向の新規の円筒ブレースの中央に前記既設のタイロッドブレースを挿通する切り欠きを設け、交差する他の二方向の新規の円筒ブレースを前記一方向の新規の円筒ブレースの中央部に溶接で接続し一体化して形成することを特徴とする請求項1又は2記載の球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
前記既設のタイロッドブレースと前記新規の円筒ブレースとの間隙に、該間隙の間隔を保持し組立精度を向上させる半円又は略半円板状のガイドプレートを設け、該ガイドプレートは相互を突き合わせて円板状にした際に前記既設のタイロッドブレースを挿通する穴を形成し、当該穴は、前記新規の円筒ブレース内の前記既設のタイロッドブレースの水平及び鉛直方向の中心位置からの離隔距離及び撓みの距離を超える間隙を有し、前記既設のタイロッドブレースを前記新規の円筒ブレースで被覆形成した際に前記ガイドプレートと前記既設のタイロッドブレースが干渉しないように形成することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
前記ガイドプレートは、前記新規の円筒ブレース内の長手方向の取付位置毎に前記穴の位置を変更し、当該ガイドプレートの穴は、前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ前記ガイドプレートの中心部から鉛直方向離れた位置に設けることを特徴とする請求項4記載の球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
前記新規の円筒ブレース内に、前記既設のタイロッドブレースを固定するUボルトと該Uボルトを取付ける取付材を設け、当該Uボルトの取付材は前記既設のタイロッドブレースの外表面と一部が接触する位置に設けるとともにUボルト取付用の長穴を備え、前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ前記新規の円筒ブレース中心部から鉛直方向離れた位置で前記UボルトとUボルト取付材で前記既設のタイロッドブレースを固定することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図14のタイロッドブレース7を有する球形タンク1を補強して耐震性を高めることを目的として、新規のタイロッドブレースに交換する耐震補強工事が行われることがあるが、最新の耐震設計基準を満足するために、より太径のタイロッドブレースを使用して断面性能を向上するか、より強度の高い鋼材によるタイロッドブレースを使用するか、或いは同じ支柱間に複数のタイロッドブレースを設置する必要が生じることがあり、材料の調達や施工に手間を要していた。
既設のタイロッドブレース7を撤去して新規のタイロッドブレースに交換する耐震補強工事では、既設のタイロッドブレース7を撤去した脚部構造2の耐震強度が低下するため、既設のタイロッブレース7の撤去中に地震が発生した場合には、支持構造部が損傷し、球形タンクが倒壊するリスクが高かった。また、既設のタイロッドブレース7を撤去する工程に労力と時間を要していた。
タイロッドブレース7の交差部は、強風に伴う振動による摩擦や衝突で摩耗や損傷が進み、強度の低下や外観の悪化を招く恐れがあった。
【0009】
特許文献1の特許第5164012号「球形タンクの脚部耐震補強構造」の発明は、球形タンクの既設ブレースを新規の半割り円筒管で被覆し、新規の円筒ブレースと既設のパイプブレースとの間に間隔を保持する半割りのガイドリングを設ける耐震補強構造であるが、タイロッドブレースを新規の半割り円筒管で被覆する構造ではなく、ガイドリングの構造もタイロッドブレースの取付位置や撓みを考慮したものではない。
【0010】
特許文献2の特開2014−61921号「球面タンクの耐震補強方法及び耐震補強構造」の発明は、交差ブレースの圧縮荷重に対する強度を向上させるために交差ブレースを縦割り鋼管で被覆し、相互の間隙にコンクリート又はモルタルを充填するパイプブレースの構造に関するものであり、タイロッドブレースに縦割り鋼管を被覆する場合のパイプブレース交差部の耐震補強構造やガイドプレートの構造に関するものではない。
【0011】
特許文献3の特開2013−154932号「球形タンク脚部のパイプブレース交差部の構造」の発明は、球形タンク脚部のパイプブレース交差部の耐震強度を増す構造に関するものであるが、八角形の補強用接続プレートを新規の中空のパイプブレース交差部に差し込む構造であり、タイロッドブレースの上から被覆したパイプブレースの交差部を補強する構造ではない。
【0012】
特許文献4の特開平10−299174号「ブレーシング」の発明は、タイロッドブレース相互が地震や強風等により摩擦や衝突等しないようにする構造であるが、タイロッドブレースの交差部又は全周に合成ゴム材や合成樹脂材等で形成された緩衝材を設ける構造であり、タイロッドブレースに強度部材である半割りパイプ材を被覆する耐震補強構造に関するものではない。
【0013】
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タイロッドブレースを有する球形タンク支持構造物の耐震補強において、工事中に既存の耐震強度を低下させることのない球形タンクの脚部耐震補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する既設の支柱間に設けられているX字状に交差する
既設のタイロッドブレースの全体にわたってその外表面から間隙を設けて、長手方向に沿って複数に分割した
新規の半割り円筒管同士の長手継手部に帯板状の裏当板を設けて溶接し、かつ前記新規の半割り円筒
管の円周方向に沿った周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接して一体形成した
新規の円筒ブレースにて被覆形成し、
前記新規の円筒ブレースは、少なくとも
前記球形タンクの
既設のタイロッドブレースの交差箇所を被覆する交差部と、
前記球形タンクの支柱のガセットプレートに差込みかつ
前記新規の円筒ブレースの中心が支柱の中心と同じとなる位置に差込溝を設けた支柱取付部とで構成することを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1記載の
新規の円筒ブレースを、地震時に
前記新規の円筒ブレースの断面に発生する応力が耐震設計基準に適合する材質、外径及び肉厚を有す
る鋼管材で形成するとともに、当該脚部耐震補強構造の耐震設計評価は
前記新規の円筒ブレースのみで評価することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1
又は2記載の新規の円筒ブレースの交差部において、該交差部の一方向の新規の円筒ブレースの中央に前記既設のタイロッドブレースを挿通する切り欠きを設け、交差する他の二方向の新規の円筒ブレースを前記一方向の新規の円筒ブレースの中央部に溶接で接続し一体化して形成することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3
いずれか一項に記載の既設のタイロッドブレースと前記新規の円筒ブレースとの間隙に、該間隙の間隔を保持し組立精度を向上させる半円又は略半円板状のガイドプレートを設け、該ガイドプレートは相互を突き合わせて円板状にした際に前記既設のタイロッドブレースを挿通する穴を形成し、当該穴は、前記新規の円筒ブレース内の前記既設のタイロッドブレースの水平及び鉛直方向の中心位置からの離隔距離及び撓みの距離を超える間隙を有し、前記既設のタイロッドブレースを前記新規の円筒ブレースで被覆形成した際に前記ガイドプレートと前記既設のタイロッドブレースが干渉しないように形成することを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項
4記載のガイドプレートにおいて、
前記新規の円筒ブレース内の長手方向の取付位置毎に
前記穴の位置を変更し、当該ガイドプレートの穴は、
前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ
前記ガイド
プレートの中心部から鉛直方向離れた位置に設けることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3
いずれか一項に記載の新規の円筒ブレース内に、前記既設のタイロッドブレースを固定するUボルトと該Uボルトを取付ける取付材を設け、当該Uボルトの取付材は前記既設のタイロッドブレースの外表面と一部が接触する位置に設けるとともにUボルト取付用の長穴を備え、前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ前記新規の円筒ブレース中心部から鉛直方向離れた位置で前記UボルトとUボルト取付材で前記既設のタイロッドブレースを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する既設の支柱間に設けられているX字状に交差する
既設のタイロッドブレースの全体にわたってその外表面から間隙を設けて、長手方向に沿って複数に分割した
新規の半割り円筒管同士の長手継手部に帯板状の裏当板を設けて溶接し、かつ前記新規の半割り円筒
管の円周方向に沿った周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接して一体形成した
新規の円筒ブレースにて被覆形成し、
前記新規の円筒ブレースは、少なくとも
前記球形タンクの
既設のタイロッドブレースの交差箇所を被覆する交差部と、
前記球形タンクの支柱のガセットプレートに差込みかつ
前記新規の円筒ブレースの中心が支柱の中心と同じとなる位置に差込溝を設けた支柱取付部とで構成するので、
この
新規の円筒ブレースは、複数の構成部材に分割することにより、重量と長さが低減され、現場での調整や組立てが容易となり、かつ複数箇所での施工が可能であって、現場施工の効率化が図れる。また、複数の構成部材に分割することにより、地震時に各構成部材に作用する応力に応じて、各構成部材毎に適切な鋼管材を使用して補強することが可能となり、鋼材費をコストダウンすることが可能となる。
既設のタイロッドブレースを撤去することなく、
既設のタイロッドブレースの上から
新規の円筒ブレースを被覆して耐震補強する構造であることから、撤去工事に掛かる費用や労力が削減でき、工期を短縮することが可能である。また、
既設のタイロッドブレースを撤去しないので、工事施工中であっても既存の耐震強度を維持することが可能であり、万が一施工中に地震が発生した場合にあっても球形タンクが損傷するリスクを抑えることができる。
既設のタイロッドブレースは、球形タンクの支柱間において2本のブレースがX字状に交差している構造であり、当該
既設のタイロッドブレースを
新規の円筒ブレースで被覆することにより、強風により
既設のタイロッドブレース交差部近傍が当接し擦れることによる摩耗等を抑制することが可能となる。
新規の円筒ブレースの支柱取付部は、取付時に
新規の円筒ブレースと支柱の中心が一致するように差込溝を設けているので、既設の支柱に対して中心がずれることなく
新規の円筒ブレースを設けることが可能である。
【0021】
請求項2の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1記載の
新規の円筒ブレースを、地震時に
前記新規の円筒ブレースの断面に発生する応力が耐震設計基準に適合する材質、外径及び肉厚を有す
る鋼管材で形成するとともに、当該脚部耐震補強構造の耐震設計評価は
前記新規の円筒ブレースのみで評価するので、
新規の円筒ブレースを被覆した球形タンクの脚部構造は、
新規の円筒ブレースの強度に当該
新規の円筒ブレース内の
既設のタイロッドブレースの強度が付加されるため、従来の脚部構造と比較して地震動が作用した場合の損傷や破壊等のリスクが低くなり、球形タンクが倒壊することを抑制することが可能となる。
【0022】
請求項3の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1
又は2記載の新規の円筒ブレースの交差部において、該交差部の一方向の新規の円筒ブレースの中央に前記既設のタイロッドブレースを挿通する切り欠きを設け、交差する他の二方向の新規の円筒ブレースを前記一方向の新規の円筒ブレースの中央部に溶接で接続し一体化して形成するので、
従来の円筒ブレースの交差部と異なり、一方向の新規の円筒ブレースの中央部に他の二方向の新規の円筒ブレースを挿入するための大口径の穴を設ける必要がなく、一方向の新規の円筒ブレースの加工が既設のタイロッドブレースを挿通するための小さい切り欠きを設ける程度で済むため、新規の円筒ブレース交差部の製作に掛かる時間やコストを削減することが可能である。
【0023】
請求項4の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3
いずれか一項に記載の既設のタイロッドブレースと前記新規の円筒ブレースとの間隙に、該間隙の間隔を保持し組立精度を向上させる半円又は略半円板状のガイドプレートを設け、該ガイドプレートは相互を突き合わせて円板状にした際に前記既設のタイロッドブレースを挿通する穴を形成し、当該穴は、前記新規の円筒ブレース内の前記既設のタイロッドブレースの水平及び鉛直方向の中心位置からの離隔距離及び撓みの距離を超える間隙を有し、前記既設のタイロッドブレースを前記新規の円筒ブレースで被覆形成した際に前記ガイドプレートと前記既設のタイロッドブレースが干渉しないように形成するので、
新規の円筒ブレースを既設のタイロッドブレースに被覆する際の位置合わせが容易となり、新規の円筒ブレースを支柱の中心に合わせて取付けることが可能となる。現場で既設のブレースの形状に沿わせて前記新規の半割り円筒部材を取付ける際に、既設部材に合わせ易く中心がずれることなく組立てが容易にできるため、作業効率良く耐震補強工事を行うことが可能である。
また、前記ガイドプレートは、工場で予め新規の円筒ブレースの各半割り円筒部材に取付けることにより、捩れの防止が図られ正確な半割り円筒形状を確保し、運送時や組立時に形状維持をすることが可能である。
さらに、ガイドプレートは、片方のガイドプレートの略半円板を新規の円筒ブレースの半割り管の周継手の端部より突出させ、片方のガイドプレートの略半円板を新規の円筒ブレースの半割り管の周継手の端部より埋没させて、相互を凹凸関係とすることにより、既設のタイロッドブレースを被覆する新規の円筒ブレースの半割り管相互の位置合わせや仮組みが容易となる。
【0024】
請求項5の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項
4記載のガイドプレートにおいて、
前記新規の円筒ブレース内の長手方向の取付位置毎に
前記穴の位置を変更し、当該ガイドプレートの穴は、
前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ
前記ガイド
プレートの中心部から鉛直方向離れた位置に設けるので、
既設のタイロッドブレースをガイドプレートと干渉させることなく、
新規の円筒ブレースで被覆することが可能である。
【0025】
請求項6の発明に係る球形タンクの円筒ブレースとタイロッドブレースからなる脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3
いずれか一項に記載の新規の円筒ブレース内に、前記既設のタイロッドブレースを固定するUボルトと該Uボルトを取付ける取付材を設け、当該Uボルトの取付材は前記既設のタイロッドブレースの外表面と一部が接触する位置に設けるとともにUボルト取付用の長穴を備え、前記既設のタイロッドブレースの撓み分だけ前記新規の円筒ブレース中心部から鉛直方向離れた位置で前記UボルトとUボルト取付材で前記既設のタイロッドブレースを固定するので、
新規の円筒ブレースを既設のタイロッドブレースに被覆する際の位置合わせが容易となり、新規の円筒ブレースを球形タンクの支柱上下部に中心がずれることなく取付けることが可能となり、作業効率良く耐震補強工事を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明に係る球形タンク脚部の耐震補強構造の実施形態について、
図1乃至
図13を参照しながら説明する。
図1乃至
図13にわたって同一の用語には同一の符号を使用し、各符号の説明は一部を省略している。この実施形態は、タイロッドブレースを有する球形タンクの脚部の耐震補強に適用する。
球殻体3を接続部4で支持する支柱6の数は、球形タンク1の規模に応じて増設する。
本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の構成要素の省略または付加、構成要素の形状等の実施形態の変更を加えることが出来るのはもちろんである。なお、図は概略を示すもので、一部のみを描き詳細構造は省略した。
【0028】
図1は、この発明に係る球形タンク脚部の耐震補強構造の実施形態として球形タンクの
既設のタイロッドブレースに
新規の円筒ブレースを被覆する事例を示す。
球形タンク1は、球殻体3を脚部構造2で支持している。
この脚部構造2は、基礎5と、この基礎5に立設して球殻体3を支持する地面に対して垂直な支柱6と、この支柱6を球殻体3に接続する接続部4と、支柱6、6の相互間に傾斜しX字状に交差させて設けたタイロッドブレース7とで形成されている。
この
既設のタイロッドブレース7の全体を覆う形で新規の円筒ブレース8を被覆し溶接で一体形成し、耐震補強構造とする。
【0029】
図2は、
図1の球形タンク脚部の耐震補強構造の詳細構造を示す説明図である。
新規の円筒ブレース8を
既設のタイロッドブレース7の全体に被覆し溶接で一体形成し、耐震補強構造とする。
この新規の円筒ブレース8は、
図2に示す通り、8a、8b、8cのように複数に分割することにより、重量と長さが低減され、現場での調整が容易や組立てが容易となり、かつ複数箇所での施工が可能であって、現場施工の効率化が図れる。また、複数の構成部材に分割することにより、地震時に各構成部材に作用する応力に応じて、各構成部材毎に適切な肉厚の鋼管材を使用して補強することが可能となり、
新規の円筒ブレース8全体を、地震時に引張力と圧縮力が同時に作用して最大応力が生ずる交差部の必要な肉厚に合わせた均一な肉厚で補強する場合と比較し、鋼材費をコストダウンすることが可能となる。
既設のタイロッドブレース7を撤去しないので、工事施工中の既存の耐震強度を維持することが可能であり、万が一施工中に地震が発生した場合にあっても球形タンク1が損傷するリスクを抑えることができる。また、
既設のタイロッドブレース7を撤去することなく、
既設のタイロッドブレース7の上から
新規の円筒ブレース8を被覆して耐震補強する構造であることから、撤去工事に掛かる費用や労力が削減でき、工期を短縮することが可能である。
また、既設のタイロッドブレース7は、球形タンク1の支柱6、6間において2本のブレースがX字状に交差している構造であり、当該
既設のタイロッドブレース7を
新規の円筒ブレース8で被覆することにより、強風に伴う振動で
既設のタイロッドブレース交差部近傍が当接し擦れることによる摩耗等を抑制することが可能となる。
【0030】
図3は、
新規の円筒ブレース8の構成部材と各構成部材を
既設のタイロッドブレース7へ被覆する手順の事例を示す説明図である。
図3は、
新規の円筒ブレース8を、球形タンク1の
既設のタイロッドブレース7の中心部を被覆する交差部8aと、支柱6上下部を被覆する支柱取付部8c及び当該交差部8aと支柱取付部8cの間に位置する中間取付部8bとで構成した事例を示す。なお、
新規の円筒ブレース8は、全体の長さに応じて、
前記中間取付部8bを複数設けるか、或いは省略して
前記交差部8aと支柱取付部8cのみで形成しても良い。
図3の事例では、球形タンク1の
既設のタイロッドブレース7の交差部に
新規の円筒ブレース8の交差部8aを被覆した(ステップ1)のち、球形タンク1の支柱6上下部に支柱取付部8cを被覆する(ステップ2)。そのあと、交差部8a端部と支柱取付部8c端部間の距離を測定し、その距離に合わせて中間取付部8bを切断及び開先加工して長さ及び形状を調整し、当該中間取付部8bを交差部8a端部と支柱取付部8c端部間に取付ける(ステップ3)。
【0031】
図4は、
新規の円筒ブレース8の交差部8aの詳細構造の事例を示す説明図であり、下図は交差部8aの正面図、上図はC-Cの断面図である。
図4の交差部8aは、球形タンク1の
既設のタイロッドブレース7の交差部を被覆する半割り鋼管で構成し、溶接17で相互を接合して円筒形状とする。当該交差部8aは、傾斜する一方向の
新規の円筒ブレース8a1に対して、交差して接続する他の二方向の
新規の円筒ブレース8a2、8a2の端縁を溶接17で固着して剛性を高め、一体化構造とする。
【0032】
図5は、
新規の円筒ブレース8の支柱取付部8cの詳細構造の事例を示す説明図であり、下図は支柱取付部8cの正面図、中央図は支柱取付部8cの平面図、上図はD-Dの断面図である。
図5の支柱取付部8cは、球形タンク1の支柱6のガセットプレート19へ取付ける半割り短管で構成し、溶接17で相互を接合して円筒形状とする。当該支柱取付部8cは、施工時に支柱6と
新規の円筒ブレース8の中心が一致するように、
新規の円筒ブレース8の支柱取付部8cに差込溝12を開口しておき、この差込溝12をガセットプレート19に差込んで先端縁を支柱6の側面に溶着し、この差込み部の周縁を溶接し、球形タンク1の支柱6へ取付ける。
新規の円筒ブレース8の支柱取付部8cの差込溝12を支柱6のガセットプレート19に差込んで周縁を溶接しているため、十分な接続強度を有しており、支柱6との溶着部やその近傍の破損を抑制することが可能である。
【0033】
図6は、
新規の円筒ブレース8の中間取付部8bの詳細構造の事例を示す説明図であり、下図は中間取付部8bの平面図、上図はE-Eの断面図である。
前記中間取付部8bは、半割り短管で構成し、溶接17で相互を接合して円筒形状とする。当該中間取付部8bは、
前記の交差部8a端部と支柱取付部8c端部との間に設け、溶接で一体形成することにより、
既設のタイロッドブレース7を被覆する。また、9,9は半割りの円板リング状のガイドプレートを示しており、裏当板14,14が当る部位に切り欠き部を有し、
既設のタイロッドブレース7を挿通する部分に穴10を有している。なお、
図6の中間取付部8bは、
新規の円筒ブレース8の全体の長さに応じて、単数或いは複数設けることができ、省略することも可能である。
【0034】
図7は、
新規の円筒ブレースの長手方向及び周方向の継手部及びガイドプレートの構造の事例であり、
図2のB部を示す分解斜視説明図である。
図4から
図7に示すように、半割り円筒の長手方向に沿った縦継手部に帯板状の裏当板14、14を設け、半割り円筒の両端縁の円周方向に沿った周継手部に半短管状の裏当リング13、13を設ける。
また、
既設のタイロッドブレース7と
新規の円筒ブレース8との間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させるガイドプレート9と
既設のタイロッドブレース7を挿通する穴10を設ける。
【0035】
このように、半割り円筒の長手継手部に帯板状の裏当板14,14を設け、半割り円筒の円周継手部に半短管状の裏当リング13,13を設けることにより、
新規の円筒ブレース8の継手部は、位置合せが適正となり確りした溶接17を行うことができる。
また、これらの裏当リング13や裏当板14は、予め工場で
新規の円筒ブレース8の継手部に取付けることにより、現場での組立て時に仮組みが容易となり、継手部の確実な位置合わせを行うことができる。
このように、裏当リング13や裏当板14を設けることにより、継手部の寸法設定と精度が向上し完全な溶接ができるため適正な接続構造が得られる。
【0036】
図8は、
既設のタイロッドブレースと
新規の円筒ブレースとの間隙に設けるガイドプレートの実施形態例であり、
図2のA-A断面を示す説明図である。
図8は、
新規の円筒ブレース8と
既設のタイロッドブレース7との間に施工時の組立精度や間隔を保持するためのガイドプレート9を設ける事例を示している。当該ガイドプレート9は、半円板状9a又は略半円板状9bとし、当該2つのガイドプレート9、9を突き合せた際に、
既設のタイロッドブレース7を挿通する穴10を有するように形成する。
新規の円筒ブレース8と
既設のタイロッドブレース7との間隙に設けるガイドプレート9の穴10の大きさや形状、位置等は、
新規の円筒ブレース8内の各ガイドプレート9を取付ける位置や
既設のタイロッドブレース7の外径や撓みの程度等に応じて調整する。
図8の(a)〜(e)は、ガイドプレート9及び穴10の構造と組合せの事例を示している。
(a)は、半円板状のガイドプレート9a、9aの内、片方のガイドプレート9aのみに半楕円状の穴10aを設ける事例である。この(a)の構造は、例えば
既設のタイロッドブレース7の取付位置が明確であり、撓みがほとんどない場合に採用する。
(b)は、半円板状のガイドプレート9a、9aの内、片方のガイドプレート9aのみに半径が
既設のタイロッドブレース7より大きい半円状の穴10bを設ける事例である。この(b)の構造は、例えば
既設のタイロッドブレース7の水平方向の取付位置は明確であるが、
既設のタイロッドブレース7に撓んでいる箇所があり、当該
既設のタイロッドブレース7の撓んでいる箇所とガイドプレート9aとの干渉を避けるために、穴10bの鉛直方向に間隙を設ける必要がある場合に採用する。
(c)は、半円板状のガイドプレート9a、9aの両方に切り欠きを設け、ガイドプレート9a、9a相互を突き合わせた際にガイドプレート9の中央部に楕円状の長穴10cが形成されるようにする事例である。この(c)の構造は、例えば
既設のタイロッドブレース7の水平方向の取付位置が明確でなく、既設
のタイロッドブレース7に撓んでいる箇所がほとんどない場合に、当該
既設のタイロッドブレース7とガイドプレート9aとの干渉を避けるために、穴10cの水平方向に間隙を設ける必要がある場合に採用する。
(d)は、半円板状のガイドプレート9a、9aの両方に切り欠きを設け、ガイドプレート9a、9a相互を突き合わせた際にガイドプレート9の中央部に大きい円状の穴10dが形成されるようにする。この(d)の構造は、例えば
既設のタイロッドブレース7の鉛直及び水平方向の取付位置が明確でなく、
既設のタイロッドブレース7に撓んでいる箇所がある場合に、当該
既設のタイロッドブレース7の撓んでいる箇所とガイドプレート9aとの干渉を避けるために、穴10dの水平及び鉛直方向に間隙を設ける必要がある場合に採用する。
(e)は、異なる形状の略半円板状のガイドプレート9b、9bの内、片方のガイドプレート9bのみに半楕円状の穴10aを設ける事例である。この(e)の構造は、例えば
既設のタイロッドブレース7の水平方向の取付位置が明確でなく、
既設のタイロッドブレース7に撓んでいる箇所がない場合に、
既設のタイロッドブレース7とガイドプレート9bとの干渉を避けるために、穴10aの水平方向に若干の間隙を設ける必要がある場合に採用する。
また、この(e)のガイドプレート9b、9bは、片方のガイドプレート9bの略半円板を
新規の円筒ブレース8の半割り管の周継手の端部より突出させ、もう片方のガイドプレート9bの略半円板を
新規の円筒ブレース8の半割り管の周継手の端部より埋没させて、相互を凹凸関係とすることにより、
既設のタイロッドブレース7を被覆する
新規の円筒ブレース8の半割り管相互の位置合わせや仮組みが容易となる。
【0037】
既設のタイロッドブレース7は、支柱6に設けられたガセットプレート19にピン構造の取付具を設けて連結されており、
図8に示すガイドプレート9と穴10の構造を採用することにより、
新規の円筒ブレース8を
既設のタイロッドブレース7に被覆する際の位置合わせが容易で、
新規の円筒ブレース8を支柱6の中心に合わせて取付けることが可能となる。
既設のタイロッドブレース7と
新規の円筒ブレース8との間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させる半円板状又は略半円板状のガイドプレート9を設けるので、現場で既設のブレースの形状に沿わせて
前記新規の半割り円筒部材を取付ける際に、既設部材に合わせ易く中心がずれることなく組立てが容易にできるため、作業効率良く耐震補強工事を行うことが可能である。
また、このガイドプレート9は、工場で予め
新規の円筒ブレース8の各半割り円筒部材に取付けることにより、捩れの防止が図られ正確な半割り円筒形状を確保し、運送時や組立時に形状維持をすることが可能である。
【0038】
図9は、
既設のタイロッドブレース7と
新規の円筒ブレース8との間隙に設けるガイドプレート9の第2実施形態例であり、
図2のA-A断面を示す説明図である。 球形タンク1の
既設のタイロッドブレース7の撓みが生じている箇所とガイドプレート9との干渉を避けるため、
新規の円筒ブレース8内の
既設のタイロッドブレース7の撓みがない部分に設けるガイドプレート9については、穴10を鉛直中心部に開け、撓みが大きい位置に設けるガイドプレート9については、その撓み量に応じて穴10の鉛直方向の位置を変更する。
既設のタイロッドブレース7の撓み量は、現場での計測や撓みの計算等によって算出する。なお、
図9は、半円板状のガイドプレート9aが半楕円状の穴10aを有す事例を示している。
図9は、
既設のタイロッドブレース7の撓みがブレースの交差部近傍で最大となっている事例を示している。
図9の(イ)、(ロ)は、
図2に示す球形タンク1の
新規の円筒ブレース8内に設けるガイドプレート9の構造の事例を示している。(ロ)の位置の
既設のタイロッドブレース7は、(イ)の位置と比べて撓み量δが大きいため、それに伴ってガイドプレート9の穴10をその撓み量δ分中心から離隔した位置とする。
【0039】
図8のガイドプレート9の穴10の形状の変更、或いは
図9のガイドプレート9の穴10の位置の変更は、
既設のタイロッドブレースの取付位置や撓みの状況等に応じて、どちらか一方或いは両方を採用する。
【0040】
図10は、
既設のタイロッドブレース7と
新規の円筒ブレース8との間隙に設けるUボルト15とUボルト取付材16の実施形態例であり、
図2のA-A断面を示す説明図である。
図10の(f)又は(g)は、片方の半割り管にUボルト15の取付板16a又は形鋼材16bを溶接等で固定し、
既設のタイロッドブレース7を
前記取付材16に沿わせて設置したのち、Uボルト15で
既設のタイロッドブレース7を取付材16に固定する。
前記の取付板16aは、
新規の円筒ブレース8の内径と同等の幅を有す板とし、その厚さと長さについては特に規定しないが、
新規の円筒ブレース8の中間取付部8b等の各構成部材の長さと同等の長さを有す板を各構成部材毎に設けるか、或いは短い取付板16aを
新規の円筒ブレース8内にガイドプレート9のように一定の間隔で設けるようにしても良い。また、形鋼材16bの形状については特に規定しないが、
新規の円筒ブレース8の内径と同等の長さを有す形鋼材を使用する。
図10のUボルト15の取付穴11の形状や大きさは、
新規の円筒ブレース8内の
既設のタイロッドブレース7の鉛直及び水平方向の取付位置や
既設のタイロッドブレース7の緊張状態に応じて固定位置を調整することが可能な長穴等とし、Uボルト15の固定位置を調整可能とする。
前記のUボルト15やUボルト取付材16を使用することにより、
新規の円筒ブレース8を
既設のタイロッドブレース7に被覆する際の位置合わせが容易となり、
新規の円筒ブレース8を球形タンク1の支柱6上下部に中心がずれることなく取付けることが可能となり、作業効率良く耐震補強工事を行うことが可能である。
【0041】
図11は、
新規の円筒ブレースの交差部と交差部以外の
新規の円筒ブレースの断面の寸法の事例を示す説明図である。(a)は
新規の円筒ブレース8の交差部8aの断面図、(b)は交差部8a以外の
新規の円筒ブレース8b、8cの断面図を示す。
新規の円筒ブレース8a(8b,8c)の鋼管材については、地震時に
新規の円筒ブレース8a(8b,8c)の断面に作用する応力が耐震設計基準に適合する材質、外径D1(D2)及び肉厚t1(t2)のものを選定し、使用する。また、
新規の円筒ブレース8と
既設のタイロッドブレース7からなる脚部耐震補強構造の耐震設計評価に
既設のタイロッドブレース7は含めず、
新規の円筒ブレース8のみで評価する。
新規の円筒ブレース8a(8b,8c)は、
既設のタイロッドブレース7の強度を含めない条件で耐震設計基準の評価を行い、その評価を満足する鋼管材を選定して使用するが、
新規の円筒ブレース8を
既設のタイロッドブレース7に被覆した球形タンク1の脚部構造2は、
新規の円筒ブレース8の強度に
新規の円筒ブレース8内の
既設のタイロッドブレース7の強度が付加されるため、従来の脚部構造2と比較して地震動が作用した場合の損傷や破壊等のリスクが低くなり、球形タンク1が倒壊することを抑制することが可能となる。
【0042】
図11の
前記交差部8aは、(a)に示すように、交差部8aの肉厚t1を他の
新規の円筒ブレース8b、8cの肉厚t2と比較して大きい値とする。
新規の円筒ブレース8は、複数の構成部材に分割しているので、
新規の円筒ブレース8の全体を、地震時に引張力と圧縮力が同時に作用して最大応力が生ずる交差部8aの必要な肉厚t1に合わせた均一な肉厚の鋼管材で施工する必要がなく、
新規の円筒ブレース8全体の内、交差部8aのみを厚肉化して補強することが可能となり、
新規の円筒ブレース8全体を均一に厚肉化して補強する場合と比較して鋼材費をコストダウンすることが可能となる。
交差部8aを
前記構造とすることにより、該交差部8aの耐震強度が向上し、地震の横揺れに対して強い球形タンク1の脚部耐震補強構造が得られる。
前記の交差部8aの補強構造は、従来の貫通部を設けて補強用プレートを差し込む場合や鋼管材の中空内部に補強円板を設けて耐震補強する場合等と異なり、
既設のタイロッドブレース7を撤去せずに施工することが可能であり、従来の交差部8aの補強構造と比較して簡単な構造や施工により、最新の耐震設計基準に適合した構造とすることが可能である。
図11は、
新規の円筒ブレース8の交差部8aと該交差部8a以外の
新規の円筒ブレース8b、8cの外径D1とD2を一致させる事例を示しているが、内径d1とd2を一致させて施工することも可能である。
また、交差部8aを更に補強する場合は、この交差部8aの各外周コーナー部4箇所にガセットと呼ばれる三角形のプレート(図示せず)を設け、交差部8aの各管壁の表面へ溶接固着し、耐震補強することが可能である。
【0043】
図12は、
新規の円筒ブレースの交差部の構造の事例を示す分解斜視説明図を示し、
図13はその組立後の詳細構造の事例を示す説明図である。
交差部8aは、傾斜する一方向の半割り管状の
新規の円筒ブレース8a1と他の二方向の半割り管状の
新規の円筒ブレース8a2, 8a2で構成され、各半割り管の突合せ部分を溶接17で接合する。
前記交差部8aは、傾斜する一方向の
新規の円筒ブレース8a1の中央部に他の二方向の
新規の円筒ブレース8a2, 8a2端部を溶接固着17し、形成する。
また、
前記一方向の
新規の円筒ブレース8a1の中央に
既設のタイロッドブレース7を挿通する切り欠き18を設ける。
また、
前記一方向の
新規の円筒ブレース8a1及び他の二方向の
新規の円筒ブレース8a2, 8a2の各半割り管内面には、
既設のタイロッドブレース7を挿通する穴を有すガイドプレート9を取付ける。
【0044】
図12、13の交差部8aの構造は、従来の円筒ブレースの交差部の構造と異なり、一方向の
新規の円筒ブレース8a1の中央部に他の二方向の
新規の円筒ブレース8a2,8a2を挿入する大口径の穴を設ける必要がなく、一方向の
新規の円筒ブレース8a1の加工が
既設のタイロッドブレース7を挿通するための小さい切り欠き18を設ける程度で済むため、交差部8aの製作に掛かる時間やコストを削減することが可能である。
【0045】
なお、上記で示した新規の円筒ブレース8の構造や施工手順は事例であり、種々の構造や方法を採用することが可能である。