(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6647572
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】多機能下着
(51)【国際特許分類】
A41C 3/08 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
A41C3/08
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-162163(P2018-162163)
(22)【出願日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年4月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516384612
【氏名又は名称】有限会社モデリスト蓉子
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 蓉子
【審査官】
長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/176283(WO,A1)
【文献】
特開2008−266811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/06
A41C 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の上半身の前面を覆う前側被覆部及び背面を覆う後側被覆部を有する多機能下着において、
前記前側被覆部が、
a) 前記着用者の左側の乳房の下縁から左肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された左胸部被覆部と、前記着用者の右側の乳房の下縁から右肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された右胸部被覆部とを有する胸部被覆部と、
b) 着用者の左側の乳房の下縁及び前記着用者の右側の乳房の下縁から腹部に至る領域を覆う伸縮材から形成された、前記胸部被覆部とは別部材から成る腹部被覆部と、
c) 前記左胸部被覆部の裏側及び前記右胸部被覆部の裏側にそれぞれ取り付けられた、左カップ部及び右カップ部と、
d) 前記胸部被覆部の下縁から下方に延設された伸縮材から成る胸部延設部材と
を備え、
前記左カップ部及び前記右カップ部が、それぞれ上側部材と下側部材とから成り、
前記左カップ部の前記下側部材の下縁部及び前記右カップ部の前記下側部材の下縁部がそれぞれ前記左胸部被覆部の下縁部及び前記右胸部被覆部の下縁部に一体的に結合されているとともに、前記左カップ部の前記下側部材の右端部と前記右カップ部の前記下側部材の左端部とが連結されており、
前記胸部延設部材が、前記腹部被覆部の上縁よりも下側の箇所において該腹部被覆部材に縫着され、前記胸部被覆部の下縁と前記腹部被覆部の上縁とが遊離していることを特徴とする多機能下着。
【請求項2】
前記連結部が前記胸部被覆部から遊離していることを特徴とする請求項1に記載の多機能下着。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多機能下着において、
前記腹部被覆部が、その上縁に、前記左胸部被覆部の下縁及び前記右胸部被覆部の下縁の形状に沿った形状の左右の凹状部を有していることを特徴とする多機能下着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体型や姿勢を補整する機能を有する多機能下着に関する。
【背景技術】
【0002】
若く見せたい、美しく見せたいという女性の願望に応えるために、体型補整機能や姿勢補整機能を付加した下着(以下、多機能下着という。)が開発され、販売されている(特許文献1参照)。多機能下着は、主に着用者の上半身の体型・姿勢を補整するタイプ、主に着用者の下半身の体型・姿勢を補整するタイプに大別される。上半身用の多機能下着は着用者の首周りを除く上半身全体を覆うように構成されており、例えばボディシェイパーやボディスーツがある。
【0003】
上半身用の多機能下着は、左右の乳房を収容する左右のカップ部を備えた胸部被覆部と腹部被覆部とから成る前側部分と、背面及び臀部を覆う後側部分とから構成されている。多機能下着は全体的に伸縮性を有する生地から構成されており、さらに、前側部分及び後側部分のうち胸部の両脇部や背面部、腰部、臀部、腹部といった贅肉が付きやすい部位に伸縮部材から成る当て布を配置している(特許文献1)。腹部被覆部の上端、もしくは腹部被覆部の裏側に配置される伸縮性部材の上端には、左右のカップ部の下縁部の円弧形状に合わせて凹状に切り欠かれた凹状部が左右に離れて形成されており、これら左右の凹状部にそれぞれカップ部の下半部を配置して縫着することにより、左右のカップ部と腹部被覆部等を結合していている。このような構成により、多機能下着の各部の伸縮力によって着用者の身体の各部が締め付けられ、あるいは、所定の部位が持ち上げられて、体型や姿勢が補整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-266811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の多機能下着は、主に20歳代〜50歳代の女性を対象に開発されており、これらの年代の女性の理想的な体型に基づいて伸縮部材を配置する箇所は伸縮部材の伸縮力が設定されている。一方で、近年の高齢化に伴い、多機能下着の着用を望む60歳代以上の中高年期の女性が増えつつある。
【0006】
ところが、女性の体型は加齢により変化する。例えば、上半身においては、最初は前方に張り出した状態にあるバスト(乳房)の頂部付近が加齢とともに下がったり、左右に流れたりする変化がみられる。上述した多機能下着では、左右のカップ部がそれぞれ独立して腹部被覆部等の上縁に縫着されており、左右のカップ部の間に伸縮部材が介在する。このため、中高年期の女性が上記多機能下着を着用した場合に、着用者の上半身の体型によっては左右のカップ部の間に介在する伸縮部材が伸びて両カップ部が離間してしまう。この結果、加齢に伴い変化した体型(バストの形状)を補整することができないばかりか、見映えが悪くなるという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、加齢によりバストの形状が変化した女性が装着した場合でも外観を損なうことのない多機能下着を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明は、着用者の上半身の前面を覆う前側被覆部及び背面を覆う後側被覆部を有する多機能下着であって、
前記前側被覆部が、
a) 前記着用者の左側の乳房の下縁から左肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された左胸部被覆部と、前記着用者の右側の乳房の下縁から右肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された右胸部被覆部とを有する胸部被覆部と、
b) 着用者の左側の乳房の下縁及び前記着用者の右側の乳房の下縁から腹部に至る領域を覆う伸縮材から形成された腹部被覆部と
c) 前記左胸部被覆部の裏側及び前記右胸部被覆部の裏側にそれぞれ取り付けられた、左カップ部及び右カップ部と
を備え、
前記左カップ部の下縁部及び前記右カップ部の下縁部がそれぞれ前記左胸部被覆部の下縁部及び前記右胸部被覆部の下縁部に一体的に結合されているとともに、前記左カップ部の右端部と前記右カップ部の左端部が連結されていることを特徴とする。
【0009】
上記多機能下着は、ボディスーツ、ボディシェイパーに適用することができる。また、アウターとしても着用可能な下着、水着、レオタードに適用しても良い。
上記構成の多機能下着においては、左胸部被覆部及び右胸部被覆部の裏側に取り付けられた左カップ部の右端部と右カップ部の左端部が連結されているため、該左右のカップ部にそれぞれ収められた左右の乳房が左右に拡がることがない。したがって、着用者のバストの形状が加齢により変化していたとしても、その形状を補整してバストを美しく見せることができる。
【0010】
なお、左カップ部及び右カップ部は、通常、上側部材と下側部材を縫い合わせることで、乳房の形状に沿った立体形状となるように構成している。このように、上側部材と下側部材から左カップ部及び右カップ部が構成されている場合は、左カップ部の上側部材の右端部と右カップ部の上側部材の左端部を連結することが好ましい。この構成によれば、加齢により頂部付近が下がってきた乳房を左右のカップ部の下側部材に収めつつ、該乳房が左右に拡がることを防止できるため、乳房の形状を効果的に補整することができる。
【0011】
上記多機能下着においては、左右のカップ部の連結部が胸部被覆部から離間していることが好ましい。この構成では、左右のカップ部とは独立的に胸部被覆部の伸縮力による体型補整作用や姿勢補整作用を発揮することができる。
【0012】
上記多機能下着においては、さらに、前記胸部被覆部の下縁から下方に延設された伸縮材から成る胸部延設部材を備え、
前記腹部被覆部の上縁に、前記左胸部被覆部の下縁及び前記右胸部被覆部の下縁の形状に沿った形状の左右の凹状部を有しており、
前記胸部延設部材が、前記腹部被覆部の前記凹状部よりも下側の箇所において該腹部被覆部に縫着されていることが好ましい。
【0013】
上記多機能下着では、胸部被覆部と腹部被覆部は胸部延設部材を介して連結され、左胸部被覆部及び左カップ部の下縁、並びに右胸部被覆部及び右カップ部の下縁と、腹部被覆部の上縁が遊離している。このため、着用者の胸部と腹部の動きが互いに妨げられることがなく、左右のカップ部を連結したことによる窮屈さを軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る多機能下着によれば、加齢によりバストの形状が変化した女性が装着した場合でも、バストの形状を美しく見せることができ、しかも、バスト以外の上半身の体型や姿勢を十分に補整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る多機能下着の実施例であるボディスーツの正面図。
【
図3】胸部被覆部及び胸部延設部材を裏側から見た図(a)及び腹部被覆部の正面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る多機能下着の一実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1は多機能下着の一実施例であるボディスーツの正面図である。このボディスーツ1は、前側被覆部10と、後側被覆部20とを有する。
前側被覆部10は、着用者の左右の乳房の下縁から左肩及び右肩に至る領域であって首の周囲の逆三角形状の領域を除く部分覆う胸部被覆部11と、前記胸部被覆部11の下端に連なる、着用者の左右の乳房の下縁から脚の付け根付近までを覆う腹部被覆部12とを備える。
【0017】
胸部被覆部11は、左胸部被覆部111及び右胸部被覆部112を備えており、それぞれ着用者の左乳房の下半部の周縁に沿ったほぼ円弧状の下縁部及び右乳房の下半部の周縁に沿ったほぼ円弧状の下縁部を有している。
左胸部被覆部111は、左乳房の下半部を覆う左サポート部113と、左乳房の右側部から左肩に至る領域を覆う左肩掛部114とを縫い合わせて構成されている。右胸部被覆部112は、右乳房の下半部を覆う右サポート部115と、右乳房の左側部から右肩に至る領域を覆う右肩掛部116とを縫い合わせて構成されている。左胸部被覆部111及び右胸部被覆部112は全体として伸縮性を有する布材から形成されており、特に、左肩掛部114は、
図1に矢印A1で示す方向に大きく伸縮し、右肩掛部116は、
図1に矢印A2で示す方向に大きく伸縮する伸縮性布材から形成されている。なお、本明細書において、「所定の方向に大きく伸縮する伸縮性布材」とは、その所定の方向の伸縮率が、その他の方向の伸縮率に比べて大きい布材をいい、その他の方向に伸縮しない布材をいうわけではない。
【0018】
図3(a)に示すように、左胸部被覆部111のうち左の乳房に対応する部分の裏側には左カップ部117が、右胸部被覆部112のうち右乳房に対応する部分の裏側には右カップ部118が配置されている。ここで、左胸部被覆部111のうち左の乳房に対応する部分とは、左サポート部113と左肩掛部114のほぼ下半部とを合わせた部分を指し、右胸部被覆部112のうち右乳房に対応する部分とは、右サポート部115と右肩掛部116のほぼ下半部とを合わせた部分を指す。
【0019】
左カップ部117はクッション性布材から形成されており、左サポート部113に対応する下側部材117aの上縁と左肩掛部114のほぼ下半部に対応する上側部材117bの下縁を縫着してなる。また、右カップ部118はクッション性布材から形成されており、右サポート部115に対応する下側部材118aの上縁と右肩掛部116のほぼ下半部に対応する上側部材118bの下縁を縫着してなる。このような構成により、左右のカップ部117、118は、乳房の形状に沿う立体形状(お椀のような形状)を有している。なお、本実施例では、左右のカップ部117、118の上側部材と下側部材の縫着部、及び左右のカップ部117、118の下側部材の下縁にはそれぞれパイピングテープ119が縫い付けられている。
【0020】
左右のカップ部117、118の下側部材117a、118aの下縁は、それぞれ胸部被覆部11の下縁に縫着されている。また、左カップ部117の上側部材117bの左端部及び右カップ部118の上側部材118bの右端部はそれぞれ胸部被覆部11の左肩掛部114の下半部の左端部及び右肩掛部116の下半部の右端部に縫着されている。さらに、左カップ部117と右カップ部117は、上側部材117bの右端部と上側部材118bの左端部において連結されている。この左右のカップ部117、118の連結部Cは、胸部被覆部11に縫い付けられておらず、該胸部被覆部11から遊離している。
以上より、カップ部117、118は、下縁及び左端部及び右端部において胸部被覆部11に固定され、それ以外の部分は胸部被覆部11から遊離している。
【0021】
腹部被覆部12は、全体として伸縮性布材から形成されており、
図1及び
図3(b)に示すように、胸部被覆部11の下辺の中央から股部よりもやや上の箇所まで延びる中央被覆部120と、その左側から左脚の付け根に至る部分に位置する左側部124と、中央被覆部120の右側から右脚の付け根に至る部分に位置する右側部125とを互いに縫い合わせて構成されている。
【0022】
中央被覆部120は基材部121と、その上に重ね合わされた左装飾部122と右装飾部123とを有している。基材部121は中央被覆部120と同じ大きさを有しており、上下方向に大きく伸縮する伸縮性布材から形成されている。左装飾部122は基材部121の左上部と右下部を結ぶ斜め方向に延びる直線よりも下側の領域を覆う大きさを有しており、右装飾部123は基材部121の右上部と左下部を結ぶ斜め方向に延びる直線よりも下側の領域を覆う大きさを有している。左右の装飾部122、123は、右装飾部123の下部が左装飾部122の下部の上に重なった状態で、基材部121の周縁部に縫い付けられている。また、左装飾部122の右縁部及び右装飾部123の左縁部はそれぞれ基材部121に縫い付けられている。
【0023】
図3(a)に示すように、胸部被覆部11の下縁には、腹部被覆部12のうち中央被覆部120と左側部124の一部及び右側部125の一部の裏側を覆う胸部延設部材31が縫い付けられている。この胸部延設部材31は、上下方向に大きく伸縮する伸縮性布材であるメッシュ状のパワーネット(商品名)から形成されている。胸部延設部材31の上端部(つまり、胸部被覆部11の下縁)を除く周囲部は、腹部被覆部12に縫い付けられている。これにより、中央被覆部120と左側部124及び右側部125との境界が補強され、且つ中央被覆部120の通気性が高められる。
【0024】
図1及び
図3(b)に示すように、腹部被覆部12の上縁には、左胸部被覆部111及び右胸部被覆部112の下縁部に沿った形状の凹状部126、127が形成されており、この部分にパイピングテープ119が縫い付けられている。上述したように、胸部被覆部11の下縁は腹部被覆部12の上縁に縫い付けられておらず、該腹部被覆部12の上縁から遊離しているが、胸部被覆部11の下縁と腹部被覆部12の上縁は、正面視で略重なった状態にある。
【0025】
後側被覆部20は全体として伸縮性を有する布材から形成されており、
図2に示すように、左右の背中被覆部21、22と、該背中被覆部21、22の下縁から脚の付け根付近までを覆う腰臀部被覆部23とを備える。左右の背中被覆部21、22は、左右の胸部被覆部111、112とほぼ対応する形状を有している。
【0026】
腰臀部被覆部23は、左右の腰臀部被覆部231、232を縫い合わせて構成されている。左右の腰臀部被覆部231、232が着用者の臀部の形状に沿うように、それらの縫い合わせ部分をいせ込ませてギャザー300が形成されている。腹部被覆部12の下端部、及び左右の腰臀部被覆部231、232の境界部の下端部にはそれぞれ股部251、252が設けられている。股部251、252には、2組のホック253が取り付けられている。
【0027】
また、左腰臀部被覆部231の左脇部の裏側及び右腰臀部被覆部232の右脇部の裏側には、それぞれ左右方向に大きく伸縮する伸縮性布材から成るメッシュ状のパワーネット231A、232Aが縫い付けられている。これにより、腰臀部被覆部23が補強され、且つ、腰臀部被覆部23の通気性が高められる。
【0028】
上記構成のボディスーツ1は、2組のホック253を結合して、股部251、252を繋ぎ、これによりボディスーツ1の下部に形成される2個の開口にそれぞれ左右の脚部を入れ、ボディスーツ1を引き上げるようにして着用する。このとき、腰臀部被覆部23、腹部被覆部12の各部を着用者の対応する箇所に配置してフィットさせ、さらに、胸部被覆部11の左右のカップ部117、118に乳房を収めた後、左肩掛部114及び左背中被覆部21を左肩に、右肩掛部116及び右背中被覆部22を右肩に掛ける。以上の動作によりボディスーツ1が着用され、逆の動作によりボディスーツ1が脱着される。
【0029】
上記ボディスーツ1は、左右のカップ部117、118に着用者の左右の乳房が収まった状態で左胸部被覆部111と右胸部被覆部112が着用者の右胸部及び左胸部を被覆し、左背中被覆部21及び右背中被覆部22が着用者の背中を被覆する。このとき、左右のカップ部117、118の下縁が左胸部被覆部111及び右胸部被覆部112の下縁に縫着されているため、該左胸部被覆部111及び右胸部被覆部112の伸縮力によって着用者の左右の乳房が持ち上げられる。また、左右のカップ部117、118が、それらの上側部分の右端部と左端部において連結されており、左右に拡がらないため、着用者のバストの形状が加齢により変化していたとしても、左右の乳房は左右のカップ部117、118にそれぞれ収められた状態を維持できる。したがって、着用者のバストの形状を美しく見せることができる。このとき、左右のカップ部117、118の連結部は胸部被覆部11から離間しているため、胸部被覆部11は該カップ部117、118とは独立して補整効果を発揮できる。このため、胸部被覆部11の伸縮力によって胸部全体の体型をバランス良く補整することができる。
【0030】
また、左背中被覆部21及び右背中被覆部22が、着用者の背中(背面の上下中心よりも上部であって肩胛骨付近を除く領域)、つまり、左右の広背筋が位置する領域を被覆する。そして、左背中被覆部21及び右背中被覆部22の伸縮力によって着用者の背筋が伸ばされ、体型(姿勢)が補整される。
【0031】
また、中央被覆部120の基材部121によってボディスーツ1の着用者の腹部中央が押圧されつつ、腰臀部被覆部23によって臀部が持ち上げられる。また、左腰臀部被覆部231及び右腰臀部被覆部232の裏側のパワーネット231A、232Aによって着用者の左右の脇部が締め付けられる。さらに、中央被覆部120の表面が左右の装飾部122、123から構成されているため、着用者のウエストサイズに合わせて中央被覆部120による腹部の押圧力が調整される。これにより、着用者の左右の乳房よりも下の部分が適度な力で押圧されつつ、体型が補整される。
【0032】
さらに、上記ボディスーツ1は、腹部被覆部12の上縁と胸部被覆部11の下縁が遊離しているため、腹部被覆部12による腹部の体型補整効果と、胸部被覆部11による胸部の体型補整効果が、それぞれ独立して発揮される。したがって、左右のカップ部を連結したことによりバストの負担を軽減することができる。
【0033】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。
例えば、本発明は、ボディスーツに限らず、着用者の上半身の体型・姿勢を補整する機能を有する多機能下着全般に適用することができる。
上記実施例では、バスト(胸部)、背中、腹部、腰部、臀部の全ての体型を補整する機能を有するボディスーツを例に挙げて説明したが、バスト及び背中の体型・姿勢の補整機能を有していれば良い。
上記実施例では、左右のカップ部の連結部を胸部被覆部から遊離させたが、結合しても良い。また、胸部被覆部の下縁を腹部被覆部の上縁から遊離させたが、結合されていても良い。
例えば、ボディスーツの着用者が痩身である場合や比較的若齢である場合は、左右のカップ部の連結部と胸部被覆部が結合していても、また、胸部被覆部の下縁と腹部被覆部の上縁が結合していても、負担になる(窮屈になる)ことがない。
【符号の説明】
【0034】
1…ボディスーツ(多機能下着)
10…前側被覆部
11…胸部被覆部
111…左胸部被覆部
112…右胸部被覆部
12…腹部被覆部
120…中央被覆部
121…基材部
122…左装飾部
123…右装飾部
124…左側部
125…右側部
20…後側被覆部
21…左背中被覆部
22…右背中被覆部
23…腰臀部被覆部
231…左腰臀部被覆部
232…右腰臀部被覆部
251、252…股部
253…ホック
31…胸部延設部材
C…連結部
【要約】
【課題】加齢により体型が変化した女性が装着した場合でも外観を損なうことなく姿勢や体型を補整することができる多機能下着を提供する。
【解決手段】本発明は、着用者の上半身の前面を覆う前側被覆部10及び背面を覆う後側被覆部20を有する多機能下着1であって、前側被覆部10が、着用者の左側の乳房の下縁から左肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された左胸部被覆部111、右側の乳房の下縁から右肩に至る領域を覆う伸縮材から形成された右胸部被覆部112を有する胸部被覆部11と、着用者の左側の乳房の下縁及び右側の乳房の下縁から腹部に至る領域を覆う伸縮材から形成された腹部被覆部12と、左右の胸部被覆部111、112の裏側にそれぞれ取り付けられた、左右カップ部117、118とを備え、左右のカップ部117、118の下縁部がそれぞれ左右の胸部被覆部111、112の下縁部に一体的に結合されているとともに、左カップ部117の右端部と右カップ部118の左端部が連結されていることを特徴とする。
【選択図】
図3