【文献】
長森藤江,あなただけの人工知能をつくる Deep Learning画像認識システム,画像ラボ,日本,日本工業出版株式会社,2016年12月10日,第27巻,第12号,pp.31-35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から請求項7のいずれか1項記載の人工知能モジュール開発システムが直列及び/または並列に複数連結されたことを特徴とする多重型人工知能モジュール開発システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この開示された技術によると、機械学習モデルの作成に際し、解析目的を指定することがないため、解析目的に適合する機械学習モデルを得ることは困難で、また、結果として機械学習モデルの性能評価がなされるだけで、最適な機械学習モデルの選択がなされるものでもなく、解析目的に適合した機械学習モデル(人工知能モジュール)を自動的に、かつ、簡便に、高速で求めることが困難であるという問題点は解決されていない。
【0009】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、解析目的に最も適応した人工知能モジュール(ニューラルネットワークなど)を自ら選択し、自動学習によって信頼性の高い人工知能モジュールを簡単な操作で、速やかに生成できる人工知能モジュール開発システム及び人工知能モジュール開発統合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、
A)データが入力されるためのデータ入力インターフェースブロックと、
B)前記データ入力インターフェースブロックによって入力されるデータを解析に必要な形態に変換する前処理を行うための、データ前処理モジュールライブラリーとデータ前処理モジュールとを具備するデータ前処理ブロックと、
C)前記データ前処理ブロックで前処理されたデータを解析演算するための、
学習前ニューラルネットワークライブラリーと、
学習前ニューラルネットワーク設定モジュールと、
ニューラルネットワーク学習設定ライブラリーと、
ニューラルネットワーク学習実行モジュールと、
学習後ニューラルネットワーク設定モジュールと
を具備するニューラルネットワーク学習ブロックと、
D)前記ニューラルネットワーク学習ブロックによって出力される出力データを後処理するための、データ後処理モジュールライブラリーとデータ後処理モジュールとを具備するデータ後処理ブロックと、
E)人工知能モジュールを出力するための人工知能モジュール出力インターフェースブロックと
を具備する。
【0011】
このような構成によって、所望の人工知能モジュールが取得できる。
【0012】
なお、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記データ前処理モジュールは、解析目的別メニューから解析目的を選択させ、選択された解析目的を前記学習前ニューラルネットワーク設定モジュールへ転送してもよい。
【0013】
このようにすると、解析目的に適合するニューラルネットワークの選択が可能となる。
【0014】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記データ前処理モジュールは、前記データ入力インターフェースブロックを介して入力された学習用データを前処理し、前処理を施された該データを前記学習前ニューラルネットワーク設定モジュールに転送してもよい。
【0015】
このようにすると、適切に前処理されたデータを用いることで、学習前ニューラルネットワーク選択の精度が向上する。
【0016】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記学習前ニューラルネットワーク設定モジュールは、前記選択された解析目的によって、前記学習前ニューラルネットワークライブラリーから目的に適合する学習前ニューラルネットワーク及び学習方法を選択し、前記ニューラルネットワーク学習設定モジュールへ転送してもよい。
【0017】
このようにすると、解析目的に適合した、適切な学習前ニューラルネットワーク及び学習方法が選択されることになる。
【0018】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記ニューラルネットワーク学習設定モジュールは、前記選択された学習前ニューラルネットワークと、前記選択された学習方法と、前記データ前処理モジュールによって前処理された学習データとを用いて、学習を実行し、完了後、学習結果を、前記データ後処理モジュールに転送してもよい。
【0019】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記データ後処理モジュールは、前記データ後処理モジュールライブラリーから、判定式を含むデータ後処理アルゴリズムを選択し、前記学習結果を判定してもよい。
【0020】
このようにすると、学習結果の判定が適切に行われる。
【0021】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、更に、
前記人工知能モジュールは、前記データ前処理モジュールが前処理で用いるために選択するデータ前処理アルゴリズム、前記ニューラルネットワーク学習設定モジュールが出力する学習済みのニューラルネットワーク、及び前記データ後処理モジュールが用いるために選択するデータ後処理アルゴリズムを含んでもよい。
【0022】
このようにすると、求められた人工知能モジュールを適切に利用することができる。
【0023】
また、これまでに述べられた本発明に係る人工知能モジュール開発システムが直列及び/または並列に複数連結された多重型人工知能モジュール開発システムという態様であってもよい。
【0024】
このように、人工知能モジュール開発システムを直列及び/または並列に複数接続した多重型の人工知能モジュール開発システムとすることによって、単独の人工知能モジュール開発システムに比べて更に優れた人工知能モジュールを作り上げることが可能となる。
【0025】
また、これまでに述べられた本発明に係る人工知能モジュール開発システムと、前記人工知能モジュール開発システムによって得られた人工知能モジュールを他のプログラム言語に対応させるための翻訳ミドルウェアとを有する人工知能モジュール開発統合システムという態様であってもよい。
【0026】
このようにすると、他の装置で人工知能モジュールを容易に活用することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、解析目的に最も適応した人工知能モジュール(ニューラルネットワークなど)を自ら選択し、自動学習によって信頼性の高い人工知能モジュールを簡単な操作で、速やかに生成できる人工知能モジュール開発システム及び人工知能モジュール開発統合システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システム1のハードウエア構成図である。人工知能モジュール開発システムのハードウエア構成は、人工知能モジュール開発システムに関する制御及び演算を行う中央演算装置1001、人工知能モジュール開発システムに関わるデータやプログラムなどを記憶する記憶装置1002、人工知能モジュール開発システムへの情報や信号の入力を行う、キーボード、タッチパネル、マイク、スイッチ、センサーなどの入力装置1003、人工知能モジュール開発システムからの情報や信号の出力を行う、ディスプレイ、スクリーン、スピーカ、イヤホン、プリンタなどの出力装置1004、人工知能モジュール開発システムを外部機器やネットワークに接続するためのインターフェース装置1005などからなる。
【0031】
このような人工知能モジュール開発システムとしては、各種サーバのほか、PC、タブレットなど、上記の構成を含むものであればよいし、また、全ての機能を一体化したシステムでなくても、一部を外付けの機器としたシステムであってもよい。更に、それらの機能を、クラウドコンピューティングにより構成してもよい。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システムの機能構成図であり、
図1に示すようなハードウエア構成を用いて、このような機能が構成される。
【0033】
同図に示されるように、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システム1は、機能的には、データ入力インターフェースブロック10と、データ前処理ブロック20と、ニューラルネットワーク学習ブロック30と、データ後処理ブロック40と、人工知能モジュール出力インターフェースブロック50とを具備する。
【0034】
データ入力インターフェースブロック10は、外部からシステムに学習用データDを入力するためのインターフェースであり、ハードウエア構成上は、インターフェース装置1005を中央演算装置1001が制御することによりデータの入力のインターフェースを実現する。
【0035】
データ前処理ブロック20は、データ入力インターフェースブロック10によって入力されるデータを解析に必要な形態に変換する前処理を行うための、データ前処理モジュールライブラリー21とデータ前処理モジュール22とを具備している。
【0036】
データ前処理ブロック20については、ハードウエア構成上は、記憶装置1002に記憶されたデータ前処理モジュールライブラリー21と中央演算装置1001が実行するデータ前処理モジュール22によってこれらの機能が実現される。なお、以下の機能ブロックについても、同様にハードウエア構成によってその機能が実現されるので、説明を省略する。
【0037】
データ前処理モジュールライブラリー21は、解析目的、例えば、時系列データによる異常検知、振動による異常検知、などのリストを保有し、更に、例えば、平均化、FFT(フーリエ変換)、正規化、二値化、ラベル付けなどの前処理手段を備えている。なお、これらの手段の詳細については公知技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
データ前処理モジュール22は、解析目的を選択し、更に、入力されたデータに適合する前処理手段をデータ前処理モジュールライブラリー21から選択し、入力されたデータに前処理を行う。
【0039】
ニューラルネットワーク学習ブロック30は、データ前処理ブロック20で前処理されたデータを解析演算するための、学習前ニューラルネットワークライブラリー31と、学習前ニューラルネットワーク設定モジュール32と、ニューラルネットワーク学習方法設定ライブラリー33と、ニューラルネットワーク学習実行モジュール34と、学習後ニューラルネットワーク設定モジュール35とを具備している。
【0040】
学習前ニューラルネットワークライブラリー31は、例えば、AE(自己符号化器)、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)、LSTM(ディープラーニングの原理処理)、F−CNN(順伝番型ニューラルネットワーク)などの手段を備えている。なお、これらの手段の詳細については公知技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0041】
学習前ニューラルネットワーク設定モジュール32は、解析目的と前処理されたデータとに適合する手段を、学習前ニューラルネットワークライブラリー31から選択する。
【0042】
ニューラルネットワーク学習方法設定ライブラリー33は、例えば、学習回数、学習時間などの手段を備えている。
【0043】
ニューラルネットワーク学習実行モジュール34は、前処理された入力データを、ニューラルネットワーク学習方法設定ライブラリー33から選択された手段に従って、学習を実行する。
【0044】
学習後ニューラルネットワーク設定モジュール35は、学習の結果として得られたニューラルネットワークを設定し、データ後処理モジュール40に伝達する。
【0045】
データ後処理ブロック40は、ニューラルネットワーク学習ブロック30によって出力される出力データを後処理するための、データ後処理モジュールライブラリー41とデータ後処理モジュール42とを具備している。
【0046】
データ後処理モジュールライブラリー41は、例えば、K−means、フィルタリング、閾値設定、ラベル付け、クラス分け、I−FFT(高速フーリエ変換)などの手段を備えている。
【0047】
データ後処理モジュール42は、学習後ニューラルネットワーク設定モジュール35で設定され、データ後処理ブロック40に伝達された学習後のニューラルネットワークを、データ後処理モジュールライブラリー41から選択された手段によって後処理を行う。
【0048】
人工知能モジュール出力インターフェースブロック50は、人工知能モジュール51を外部に出力するためのインターフェースである。
【0049】
なお、本発明に係る人工知能モジュール開発システムの各ライブラリーに貯蔵されるべき機能は上述したものに限定されるものではなく、従来の技術において理論化又は実施されている論理機能であれば全て対応できることは言うまでもなく、これらは全て本願の技術思想に含まれるものである。
【0050】
次に、以上のように構成される本発明に係る人工知能モジュール開発システムの動作・作用について説明する。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システムの操作者側から見たフローチャートであり、
図4−
図9は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システムの操作者側から見た画面遷移図である。なお、
図4−
図8における細分化された図面については、同一画面であるものをスクロールなどの方法で表示していることを示すが、別画面に分けてもよい。
【0052】
ここでは、人工知能モジュールにより解析する目的が時系列の異常検知である場合について説明する。まず、解析目的を選択させる(ステップS01及び
図4(a))。具体的には、プロジェクトが新規なものであるか、既存のものであるかを選択させ、新規なものである場合は、新規作成か、外部からのインポートであるかを選択させる。ここでは、新規プロジェクトの新規作成が選択されたとする。
【0053】
このステップをハードウエア構成をもって説明すると、利用者に対して解析目的を規定するデータである解析目的情報の入力を促す第1の画面が出力装置1004のスクリーンに表示され該入力された解析目的情報を記憶装置1002に格納するように中央演算装置1001を動作させる第1画面生成部を有している。
【0054】
更に、解析目的が、異常検知のうち、時系列データか、振動か、トルクか、スペクトルかを選択する(
図4(b)−(c))。ここでは、時系列データ、すなわち、電流・電圧・温度など時系列に変化するデータの異常検知が選択されたとする。
【0055】
なお、解析目的としては、「時系列データの異常検知・予知保全」「モーターの振動の異常検知・予知保全」などのほか、「画像認識」、「異音に対応した異常検知・予知保全機能」などにも拡張可能である。
【0056】
次に、解析目的に必要な学習用データを登録させる(ステップS02及び
図5)。具体的には、CSV形式、AI UNIT、既存データの選択肢があり、CSV形式は一般的に外部からの学習用データであり、AI UNITは外部の別ユニットが保有する学習用データ、既存データはこれまでに蓄積された既存のデータである。ここではCSV形式が選択されたとする(
図5(a)−(b))。
【0057】
このステップをハードウエア構成に関連付けて説明すると、本発明の人工知能モジュール開発システムは、利用者に前記解析目的に必要な解析目的必要データの入力を促す第2の画面が出力装置1004のスクリーンに表示され該入力された解析目的必要データを記憶装置1002に格納するように中央演算装置1001を動作させる第2画面生成部を有している。
【0058】
すると、選択結果に応じて、必要なデータがアップロードされ、ディスプレイに表示される(
図5(c))。
【0059】
次に、解析目的を達成する目標を設定させる(ステップS03及び
図6)。具体的には、異常検知に関して、正常異常振り分けを行うのか、異常種別の判別を行うのかを選択させる。ここでは正常異常振り分けが選択されたとする(
図6(a))。
【0060】
更に、異常データの判定について、異常データをオペレータに指定させるのか、異常データを自動判定するのかを選択させる。ここでは、自動判定が選択されたとする(
図6(b))。
【0061】
このステップをハードウエア構成に関連付けて説明すると、本発明の人工知能モジュール開発システムは、利用者に解析目的を達成するにあたっての具体的な目標である解析目的達成目標を規定する解析目的達成目標データを設定させるための第3の画面が出力装置1004のスクリーンに表示され該入力された解析目的達成目標データを記憶装置1002に格納するように中央演算装置1001を動作させる第3画面生成部を有している。
【0062】
次に、登録されたデータを用いて解析目的及び目標に適合する学習の実行を指示させる(ステップS04及び
図7)。なお、異常検知のパターン数については、初期値では100パターンが指定されており、変更がなければ100パターンについて学習が実行される(
図7(a))。なお、オペレータによってパターン数を変更させることも可能である。
【0063】
学習中の進行状態は、
図7(a)のように示され、終了すると
図7(b)のように表示される。
【0064】
このステップをハードウエア構成に関連付けて説明すると、本発明の人工知能モジュール開発システムは、記憶装置1002に格納された解析目的必要データを用いて解析目的及び解析目的達成目標に適合する学習を中央演算装置1001に実行するように利用者が指示するのを受け付ける第4の画面が出力装置1004のスクリーンに表示されるように中央演算装置1001を動作させる第4画面生成部を有している。
【0065】
次に、学習が完了したら、学習の結果として求められた人工知能モジュールを確認させる(ステップS05及び
図8)。具体的には、検知パターンごとに示される異常検知率などの結果を表示して確認させ、最適なものを選択させる(
図8(a))。
【0066】
なお、詳細データを表示させ、異常値によって区切られたヒストグラムを表示させることもできる(
図8(b)−(c))。ここで、自動で定められている閾値(図中では異常値が0.04)をドラッグ&ドロップして変更することもできる。
【0067】
このステップをハードウエア構成に関連付けて説明すると、本発明の人工知能モジュール開発システムは、中央演算装置1001が学習を実行した結果である人工知能モジュールを出力装置1002のスクリーンに表示し利用者が人工知能モジュールに対して確認を行った結果である確認情報を入力するのを受け付ける第5の画面が出力装置1002のスクリーンに表示されるように中央演算装置1001を動作させる第5画面生成部を有している。
【0068】
最後に、選択された人工知能モジュールを含む学習結果を他の装置に組み込むことを指示させる(ステップ06及び
図9)。具体的には、装置を指定し、その装置に最適な学習結果などをインストールする。
【0069】
このステップをハードウエア構成に関連付けて説明すると、本発明の人工知能モジュール開発システムは、確認情報が入力された人工知能モジュールを含む学習の結果を他の装置に組み込むようにするための指示を利用者から受け付けるための第6の画面が出力装置1004のスクリーンに表示されるように中央演算装置1001を動作させる第6画面生成部を有している。
【0070】
次に、このような操作者側からのフローチャートに対応する人工知能モジュール開発システム側の動作を説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システム1の工程を示したタイミング・フローチャートである。
【0071】
まず、
図4に示すように新規プロジェクトで時系列データの異常検知であることを指示する信号(T1)の入力を受ける。
【0072】
すると、データ前処理モジュール22が、データ前処理モジュールライブラリー21から「時系列データの異常検知」であることを選択する。
【0073】
更に、その選択の結果は、ニューラルネットワーク学習ブロック30にも伝達され、学習前ニューラルネットワークライブラリー31からの適切な手段を選択するために用いられる。
【0074】
次に、
図5に示すように学習用の入力データDの登録をさせる信号(T2)、例えば、解析目的に必要なデータを、CSV形式を選択して登録させることを指示する信号を受けて、データ前処理モジュール22が、人工知能モジュール開発システム内の記憶部1002(DS1)又は外部装置の記憶部64(DS2)にデータのエクスポートを要求する信号(T3)を発し、学習用の入力データDが人工知能モジュール開発システム1にインポートされる。
【0075】
次に、
図6に示すように、解析目的を達成する目標として、異常検知に関して、正常異常振り分けを行う、更に、異常データの判定について自動判定することを指示する信号(T4)を受けて、データ前処理モジュール22が、その目標及びデータ前処理モジュールライブラリー21から選択した適切な前処理手段により、インポートされたデータの前処理を行う。
【0076】
引き続き、学習前ニューラルネットワーク設定モジュール32が、前処理されたデータと選択された解析目的及び目標に応じて、学習前ニューラルネットワークライブラリー31の中の、適切な学習前ニューラルネットワークを選択する。
【0077】
次に、
図7に示すように、パターン数などを指定しての学習を指示する信号(T5)を受けて、ニューラルネットワーク学習実行モジュール34が、選択された学習前ニューラルネットワークに関して、ニューラルネットワーク学習方法設定ライブラリー33から適切な学習方法を選択し、学習を実行し、各パターンでの学習結果をディスプレイに表示する。
【0078】
次に、
図8に示すように、表示された学習結果から、最適な学習済みニューラルネットワークの選択を指示する信号(T6)を受けて、学習後ニューラルネットワーク設定モジュール35が最適な学習後ニューラルネットワークを決定する。
【0079】
なお、必要があれば、データ後処理モジュール42が、学習結果を確認する信号(T7)を受けて、学習済みニューラルネットワークに関して、データ後処理モジュールライブラリー41から判定式(例:学習結果の良否、閾値)を選択することもできる。
【0080】
例えば、学習結果のヒストグラムのしきい値を画面上でドラッグ&ドロップして変更することで、正常・異常の判定基準を変更することができる(
図8(c))。
【0081】
次に、
図9に示すように、選択された人工知能モジュールを含む学習結果を外部の装置に組み込むことを指示する信号(T8)を受けて、外部装置60を指定し、その外部装置60に前処理方法、学習済みニューラルネットワーク、判定式を人工知能モジュール51として構成して組み込む。
【0082】
なお、一般的に、あらゆる製品に使用されている汎用マイコン(MCU)は、言語の違いから、そのままでは今回選択された人工知能モジュール51を読みこんで利用することができないので、当該人工知能モジュール51が使用している言語から汎用マイコンが読むことができる言語に変換(翻訳)するミドルウェアが必要である。
【0083】
図10に示すように、解析の対象となる外部機器には、この翻訳ミドルウェア61(翻訳器ともいう)を内包し提供することができ、このようにして、解析対象機器を含む人工知能モジュール開発統合システム2を実現することができる。
【0084】
後処理が完了し構成された人工知能モジュール51は解析目的対象の外部装置60に予め準備した翻訳ミドルウェア61へ輸送され解析目的対象内の制御器62(CPU等)で動作可能な形式に自動で変換され、翻訳済み人工知能モジュール65として制御器62に輸送される。制御器62に輸送された翻訳済み人工知能モジュール65は、解析目的対象に入力されるセンサーデータ63に対して前記の該前処理を行い、該学習済みニューラルネットワークにより識別・判別を行い、その結果に対して該判定式で判定を行うことが可能となる。
【0085】
図11は、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発統合システム2の翻訳環境のイメージを示した概念図である。アプリケーション71と人工知能モジュールを翻訳する翻訳ミドルウェア61とオペレーションシステム72はコンパイラ73によりコンパイルされる。そしてソフトウェアとして翻訳ミドルウェア61と共にアウトプットされ、汎用マイコン74等にポーティングされる。
【0086】
すなわち、人工知能モジュール51は、専用のプログラム言語で作成されているため、翻訳ミドルウェア61を評価対象のアプリケーションプログラム71と一緒にコンパイルし事前にマイコン74(MPU)にポーティングすることで、汎用通信等で送信されてきた人工知能モジュール51をMPU74に実装した際に、自動で言語変換され人工知能モジュール51を新たなアプリケーションとして使用する事が可能になる。
【0087】
次に、本発明の人工知能モジュール開発システム1の別の態様について説明する。
【0088】
図12は、本発明の別の態様の一実施例に係る、人工知能モジュール開発システムを直列に連結した多重型人工知能モジュール開発システムを示す概念図である。同図に示されるように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、人工知能モジュール開発システムを直列に複数連結した構成、すなわち、人工知能モジュール開発システムX231及び人工知能モジュール開発システムY232が直列に連接された構成をとることもでき、人工知能モジュール290が生成される。
【0089】
このような直列連接の例としては、前列で開発される人工知能モジュールが画像認識に関する人工知能モジュールであり、後列で開発される人工知能モジュールがマニピュレータ(ロボットアーム)の動作に関する人工知能開発モジュールであるような場合が想定される。
【0090】
この場合に、画像認識によって、対象の物体が何であり、どのような性状を有しているかを判断した後に、その結果を用いて、マニピュレータの動作に関する人工知能モジュールを開発することで、対象物体により適合した人工知能モジュールを実現することができる。
【0091】
図13は、本発明の別の態様の一実施例に係る、人工知能モジュール開発システムを直列に複数連結した多重型人工知能モジュール開発システムを示す概念図である。同図に示されるように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、人工知能モジュール開発システムを直列に複数連結した構成、すなわち、人工知能モジュール開発システムX2311及び人工知能モジュール開発システムY2321が直列に連接された列1と、人工知能モジュール開発システムX2312及び人工知能モジュール開発システムY2322が直列に連接された列2とが並列に連接された構成をとることもできる。列1においては、人工知能モジュール開発システムX2311は、学習用データ入力工程101から、学習用データ前処理工程102、学習用データを学習前ニューラルネットワークに入力する工程103、学習する工程104、学習済みニューラルネットワークが生成され出力する工程105、学習済みニューラルネットワークが出力する値に対し後処理を施す工程106までを含み、人工知能モジュール開発システムY2321は学習用データ入力工程101〜工程106に加えて人工知能モジュール開発システム23の出力工程107までを含んで構成される。直列前列の学習済みニューラルネットワークが出力する値に対し後処理を施す工程106のデータが直列後列の上記学習用データ入力工程101に入力されることが列1における特徴となっている。一方、列2においては、人工知能モジュール開発システムX2312は、学習用データ入力工程101〜工程105までを含み、人工知能モジュール開発システムY2321は学習用データ入力工程101〜出力工程107までを含んで構成される。直列前列の学習済みニューラルネットワークが生成され出力する工程105のデータが直列後列の上記学習用データ入力工程101に入力されることが列2における特徴となっている。
【0092】
ここで、列1と列2とは、列1では、人工知能モジュール開発システムX2311において学習済みニューラルネットワーク出力工程105後の後処理工程106までを含み、列2では、人工知能モジュール開発システムX2312は、学習済みニューラルネットワーク出力工程105までである点で相違している。これは、先に述べた例で示すと、前列の画像認識結果を後処理まで行ってから、後列のマニピュレータ動作の人工知能モジュール開発の入力として用いる場合と、後処理をしないで後列のマニピュレータ動作の人工知能モジュール開発の入力として用いる場合とに相当する。
【0093】
後処理まで行った方が後列の人工知能モジュール開発が容易になることもあるが、一方、後処理なしの方が後列の人工知能モジュール開発の自由度が増すことも考えられ、用途や必要な性能に応じて、いずれかを選択すればよい。
【0094】
図14は、本発明の別の態様の一実施例に係る、人工知能モジュール開発システムを並列に連結した多重型人工知能モジュール開発システムを示す概念図である。同図に示されるように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、人工知能モジュール開発システムを並列に連結した構成、すなわち、人工知能モジュール開発システムX231及び人工知能モジュール開発システムY232が並列に連接された構成をとることもでき、人工知能モジュール290が生成される。
【0095】
このような並列連接の例としては、人工知能モジュール開発システムX231で開発される人工知能モジュールが音声認識に関するものであり、知能モジュールであり、人工知能モジュール開発システムY232で開発される人工知能モジュールが画像認識に関するものであるような場合が想定される。
【0096】
この場合に、音声認識により機械操作などの指示を判別する際に、画像認識によりその発声源が指示元として適切であるかどうかを、並行して判断するような人工知能モジュールを開発することができ、信頼度の高い人工知能モジュールを実現することができる。
【0097】
図15は、本発明の別の態様の一実施例に係る、人工知能モジュール開発システムを並列に複数連結した多重型人工知能モジュール開発システムを示す概念図である。同図に示されるように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、人工知能モジュール開発システムを列1、列2、列3が並列に連結した構成をとる。列1においては、人工知能モジュール開発システムX2313は、学習用データ入力工程101〜出力工程107までを含み、列2においては、人工知能モジュール開発システムY2323は学習用データ入力工程101〜工程105までを含み、列3においては、人工知能モジュール開発システムZ2333は学習用データ入力工程101〜工程106までを含んで構成され、人工知能モジュール293が生成される。
【0098】
この図に示されるように、列2に係る人工知能モジュール開発システム2323の学習済みニューラルネットワークが生成され出力する工程105のデータが列1の人工知能モジュール開発システム2313の学習済みニューラルネットワークが出力する値に対し後処理を施す工程106に入力されること、及び列3に係る人工知能モジュール開発システム2333の学習済みニューラルネットワークが出力する値に対し後処理を施す工程106のデータが列1の人工知能モジュール開発システム2313の出力工程107に入力されることが特徴である。
【0099】
図16は、本発明の別の態様の一実施例に係る、人工知能モジュール開発システムを直列及び並列に複数連結した多重型人工知能モジュール開発システムを示す概念図である。同図に示されるように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、人工知能モジュール開発システムX2314及び人工知能モジュール開発システムY2324が直列に連結して構成される列1と、単独の人工知能モジュール開発システムZ2334にて構成される列2とが並列に連結した構成をとり、人工知能モジュール294が生成される。
【0100】
上述したように、
図12〜
図16に示した人工知能モジュール開発システムの別の態様のように、多重型人工知能モジュール開発システムでは、上記各ステップを経て得られた人工知能モジュールを直列/並列に単数/複数連結して全体として1の人工知能モジュールを形成することで、より精密な成果を得ることが可能となる。
【0101】
なお、これまでに述べた多重型人工知能モジュール開発システムにおいても、解析の対象となる外部機器60に翻訳ミドルウェア61を内包した、解析対象機器を含む人工知能モジュール開発統合システム2とすることも可能である。
【0102】
これまで例として述べてきた製造業向けの異常検知用の人工知能モジュール開発システム及び人工知能モジュール開発統合システムによって開発される人工知能モジュールは、豊富な学習前ニューラルネットワークを有していること、オンプレミスで人工知能モジュールが開発できること、学習と外部機器での識別・判断がシームレスに接続されていることが、大きな特徴である。
【0103】
また例えば、本発明の人工知能モジュール開発システムによって生成される人工知能モジュールは、製造業向け異常検知・予知保全用人工知能モジュール開発ツールとしてだけでなく、熟練者の技術を後継者に承継することを支援することもできる。
【0104】
更に、このような人工知能モジュール開発システムは、具体的課題に適合させて、製造業における工場自動化・異常検知・予知保全・自動運転・自動設計等、人事総務部門における最適チーム予測・人事評価・退職予測・退学予測・スキル予測等、製薬業界における創薬・医療画像診断・疾病予測等、教育業界における学習支援・自動翻訳等、法曹界における判例検索・分類等、地図案内業務における経路最適化・地形任意式・燃料最適化・地図作成等、セキュリティ分野における侵入検知・不正サイト診断・不正アクセス検査・監視カメラ等、エネルギー分野における電力最適消費・太陽光発電予測・リモートセンシング等、土木建築分野における自動設計・防災・減災(耐震・制震)等、金融証券関係における株価予測・与信・各種金融指標予測等、農業関係における生産工場・最適環境予測等、防衛関係、マーケティング関係における販売予測・ユーザー行動予測・商圏分析等、サービス業界におけるエンターテイメント応用・Web API等にも応用が可能である。
【0105】
以上のように本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システムの人工知能モジュール開発統合システムは、上記全行程を実現することができる人工知能の開発・運用を統合的にシームレスで行うことができる。つまり、ユーザー、解析目的対象、機能モジュールから生成される統合開発・運用システムである。
【0106】
これまで述べたように、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、特定のデータ解析のためのニューラルネットワークを比較・選択して構成することができる。複数のニューラルネットワークを選択することもできるため、目的とするデータ解析に最も必要な形態のニューラルネットワークをライブラリーの中から選択することができ、それによる機械学習を繰り返すことにより出力する人工知能モジュールの解析精度は飛躍的に向上する。
【0107】
また、本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、学習前ニューラルネットワークと、学習データを学習するための学習システムと、学習後ニューラルネットワークと、ニューラルネットワークによる出力データを順位・選択・設定等のアルゴリズムによって処理し且つ判定する人工知能モジュールとをシステム内に内包するものである。
【0108】
本発明に係る人工知能モジュール開発システムの人工知能モジュールは、各機械学習効果である出力結果を更に必要な後処理を実施し、且つ判定評価をし、結果を有効なものとして生成するように構成されている。また人工知能モジュールは、必要な前処理をデータに施すことも加味されている。本発明に係る人工知能モジュール開発システムの人工知能モジュールは、機械学習の全ての性能結果を集計して、性能比較統計を作成するように構成されている。人工知能モジュールによる判断・判定・結論の精度も飛躍的に向上させることができる。
【0109】
本発明に係る人工知能モジュール開発システムは、機械学習の究極形態であるディープラーニング(深層学習)を含む機械学習技術を活用することで、今までの技術では解決が困難であった様々な業種の課題を解決することができる。画像データ解析だけでなく、多種多様な時系列数値データ解析、振動センサー解析、音響データ解析、動画解析、各種データに関する解析ができる。これらの豊富な解析実績を元に、未知の課題に対しても、迅速に、優れた解決方法の提案が可能になる。
【0110】
以上に示すように、本発明の一実施形態に係る人工知能モジュール開発システムは、上記全工程を実現することができる人工知能の開発、統合をシームレスで行うことができる統合開発・運用システムとして実現されるものである。
【0111】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部である。