【文献】
農林水産省農村振興局農村環境課鳥獣対策室,捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況,2018年 9月,検索日 2019年11月26日,URL,aichi-gibier.com/4_oshirase/2018/2018.09.28/2018.9.28_izumi.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記滑車は、中心軸が、前記ワイヤーを掛けた状態で前記回動ブームの軸線方向および前記固定ブームの軸線方向の両方に対して0°より大きく90°以下である角度をなす傾斜配置をとれるように前記固定ブームに取付けられていること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のと体処理車両。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係ると体処理車両1の例を示す斜視図(概略図)である。また、
図2は、と体処理車両1の構成および動作を説明するための斜視図(概略図)である。また、
図3は、と体処理車両1において内部構造の例を示す斜視図(概略図)である。また、
図4は、と体処理車両1において内部構造の他の例を示す斜視図(概略図)である。ここで、図中において、と体を符号Cで示す。なお、説明の便宜上、
図1において矢印によりと体処理車両1の上下、左右、前後の方向を示している。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0013】
このと体処理車両1は、路上を走行可能な車両であって、獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所まで走行して移動し、その場所において捕殺された獣類のと体を受け入れて、状態に応じた食肉処理の前処理(代表的なものとして、土、葉、虫等の払い落とし、水による洗体、劣化防止の保冷、等が挙げられる)、および搬送を行うものである。一例として、ベース車両には日本の道路運送車両法で定める軽自動車(全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高2.00m以下、排気量0.66リットル以下、貨物積載量350kg以下、等と規定)のトラック(ガソリンエンジン駆動)を用いている。ただし、排気量、エンジン(動力源)、最大積載量、車両形態等は上記に限定されるものではない。他の例として、バッテリで駆動されるモータを備えたいわゆる電気自動車等を用いてもよい。また、タイヤ走行でなく、クローラ走行の車両を用いてもよい。
【0014】
上記のように、例えば軽自動車規格の車両を用いることによって、食肉処理まで実施可能な移動式解体処理車両(例えば最大積載量2トンのトラック等で構成される)が進入不可能な道幅の狭い場所や道路が未整備の場所等へも進入することが可能となる。したがって、従来の人手によって搬送を行っていた方法と比べて、搬送労力が大幅に軽減されるのみならず、搬送時のと体の外的損傷を防止することができる。また、搬送時間が大幅に短縮され、搬送環境も良好なため、食肉品質の劣化を防止することができる。
【0015】
先ず、と体処理車両1の車体2の構成について説明する。
図1〜
図4に示すように車体2は、前方から後方に向かって、運転席3と、と体Cを収容する収容室4とを備えて構成されている。捕殺された獣類のと体Cは、一例として引上げ装置10(詳細は後述)を用いて収容室4内に収容される。なお、本実施形態においては、運転席3と収容室4との間に、機器搭載等に活用される補助室5を備えているが、当該機器を床下等に配置することで、補助室5を省略する変形例も考えられる。
【0016】
本実施形態に係る収容室4は、一例として、と体Cの引上げを行う引上げ装置10と、と体Cの洗浄を行う洗体機構12と、と体Cの懸吊を行う懸吊機構14と、と体Cの保冷を行う保冷機構16とを備えている。したがって、収容室4内に収容したと体Cの洗浄(および必要に応じて内臓の摘出)を行うことができると共に、保冷環境下で搬送を行うことができる。なお、変形例として、上記の各構成(引上げ装置10、洗体機構12、懸吊機構14、保冷機構16)は、求められる仕様に応じて、適宜、省略することも考えられる。
【0017】
ここで、収容室4は、と体Cの汚染・劣化防止や保冷等の観点から、密閉可能に構成されている。一例として、収容室4には、後部の開閉を行う後部扉22、側部の開閉を行う側部扉26、上部に設置される上部パネル24、前部に設置される前部パネル28、および床部30が設けられて、密閉可能な室内空間が構成される。
【0018】
本実施形態において、後部扉22は、観音開き状に開閉する2枚の扉(左側の第1後部扉22A、および右側の第2後部扉22B)を備えて構成されている。
【0019】
また、側部扉26は、車体2の左右それぞれの側部2a、2bに上下動可能に配設される2枚の扉(左側の第1側部扉26A、および右側の第2側部扉26B)を備えて構成されている。ここで、第1側部扉26Aおよび第2側部扉26Bを上下動可能に支持する跳ね上げ機構42(一例として、スプリングおよびダンパ等を備えて構成される)が設けられている。なお、変形例として、側部扉26は、上下動しない固定式の構成としても良い(不図示)。
【0020】
また、上部パネル24は、収容室4の上部を覆う固定式の構成となっている。なお、変形例として、側部扉26は、車体2の前後方向にスライド移動可能な構成としても良い(不図示)。当該変形例の場合、上部パネル24を前方へ移動させることで、収容室4の上部後方が開かれた状態とすることができる。
【0021】
次に、本実施形態に係る引上げ装置10について説明する。ここで、引上げ装置10の構成および動作の説明図として、
図5に斜視図を、
図6に側面図を、
図7に背面図を、
図8に平面図をそれぞれ示す。また、
図9は、
図5におけるA部拡大図である。なお、特に明示はしないが、主要構成材料として一般的な金属構造材料が用いられる。
【0022】
引上げ装置10は、収容室4内における後部の右端(左端でもよい)に立設されて、回動により先端が収容室4の内部と外部との間を移動可能(
図8参照)である回動ブーム32を備えている。回動ブーム32は、一例として、縦ブーム32Aと横ブーム32Bとが角度可変に連結されたL字状に構成されている。これによれば、油圧シリンダ64を動作させることで、縦ブーム32Aに対する横ブーム32Bの角度を変えることができる。なお、油圧シリンダ64を駆動する油圧ポンプ(不図示)は、一例として収容室4内に設けているが、補助室5内や床下等に設けてもよい。
【0023】
また、回動ブーム32の先端には、鉛直方向の下方に向けて垂下する部位を有する固定ブーム34が設けられている。固定ブーム34は、一例として、縦ブーム34Aと横ブーム34Bとが角度90度で連結されたL字状に構成されている。なお、本実施形態においては、固定ブーム34(具体的には、横ブーム34B)は、回動ブーム32(具体的には、横ブーム32B)に対して着脱可能に取付けられている。一例として、相互に外形寸法の異なる角型鋼管を用いて、固定ブーム34(横ブーム34B)を回動ブーム32(横ブーム32B)に差込んでボルトを用いて固定する構成となっている。
【0024】
また、固定ブーム34(具体的には、縦ブーム34A)には、その下端位置において、上下方向にスライド移動可能なように可動ブーム36が取付けられている。さらに、可動ブーム36の下端には、と体Cの載置が可能な所定面積を有するプラットフォーム38が設けられている。一例として、金属材料を用いた板状に構成されているが、網状等のように構成してもよい。
【0025】
ここで、回動ブーム32(具体的には、横ブーム32B)には、電気モータで駆動されてワイヤー66aの巻取り、引出しを行うウインチ66が取付けられている。なお、ウインチ66は、その他の位置(縦ブーム32A、車体2(収容室4内部)等)に取付けてもよい。また、ウインチ66の電気モータを駆動するバッテリ(不図示)は、一例として車体2の床下に設けているが、収容室4内や補助室5内等に設けてもよい(不図示)。
【0026】
また、ウインチ66のワイヤー66aを掛ける滑車68が、固定ブーム34(具体的には、横ブーム34B)に設けられている。なお、横ブーム34Bの長さが短い場合等においては、滑車68を回動ブーム32(具体的には、横ブーム32B)の先端部等に設けてもよい(不図示)。
【0027】
さらに、ウインチ66のワイヤー66aの先端に設けられるフック66bを係止させる係止部70が、可動ブーム36における縦ブーム34Aに対向する側に設けられている。一例として、係止部70は、金属の板材にフック66bの先端が進入・係止可能な貫通孔が設けられた構成となっている。
【0028】
上記の引上げ装置10によれば、ウインチ66のフック66bを可動ブーム36の係止部70に係止させた状態として、ウインチ66を駆動させてワイヤー66aの巻取り・引出しを行うことによって、可動ブーム36を上昇・降下させる上下方向のスライド移動が可能となる。その結果、可動ブーム36に取付けられたプラットフォーム38を上昇・降下させる上下方向のスライド移動が可能となる(
図6、7参照)。
【0029】
したがって、プラットフォーム38を地面に接地する位置(
図6、7において実線で表示)まで降下させることができ、その位置でと体Cを転がすだけでプラットフォーム38上に載置することができるため、当該載置作業が極めて容易になる。また、ウインチ66の駆動力によって、プラットフォーム38を収容室4の床部30の高さよりも若干(数センチ程度)高い位置(
図6、7において二点鎖線で表示)まで上昇させることができ、その位置で回動ブーム32を回動させてプラットフォーム38を収容室4内に進入させることができるため(
図8参照)、と体Cを収容室4内に収容する(引上げる)作業が極めて容易になる。さらに、プラットフォーム38上からと体Cを転がすだけで床部30上に載置することができるため、当該載置作業が極めて容易になる。
【0030】
特に、本実施形態に係るプラットフォーム38は、可動ブーム36に対して所定角度、水平面内で回動可能に取付けられている。一例として、
図8に示すように、中央の固定位置(
図8において実線で表示)から時計方向・反時計方向の両方向にそれぞれ90度の位置(
図8において一点鎖線で表示)まで回動可能な構成となっている。なお、必要に応じて、固定ピン72とピン孔74とを用いて所望の角度で固定することが可能な構成となっている(
図9参照)。これによれば、地面上からプラットフォーム38上にと体Cを載置する際、およびプラットフォーム38上から床部30上にと体Cを載置する際に、プラットフォーム38が最適な向きとなるように回動させることが可能となるため、載置作業がより一層容易になる。
【0031】
一方、ウインチ66のフック66bを可動ブーム36の係止部70から取外した状態とすることにより、引上げ装置10を牽引装置として作動させることが可能な構成となっている。
【0032】
そのための構成として、滑車68は、回転の中心軸68aが、ワイヤー66aを掛けた状態で回動ブーム32の長手方向に沿う軸線方向および固定ブーム34の長手方向に沿う軸線方向の両方に対して、挟角が0°より大きく90°以下の範囲となる角度をなす傾斜配置をとれるように固定ブーム34に取付けられている。これによれば、滑車68に掛けたワイヤー66aを、固定ブーム34を回避させて引出すことが可能となるため、牽引装置としての使用が可能となる。なお、ウインチ66の例として、クラッチ付ウインチを用いれば、ワイヤー66aの引き出しを速やかに行うことができるため、作業の効率化が可能となる。
【0033】
また、前述の通り、本実施形態に係る引上げ装置10は、固定ブーム34が、回動ブーム32に対して着脱可能な構成となっている。すなわち、固定ブーム34を回動ブーム32から取外した状態とすることにより、引上げ装置10をクレーン装置として作動させることが可能な構成となっている。
【0034】
そのための構成として、固定ブーム34に取付けられる滑車68は、ワイヤー66aの係脱が可能となっている。すなわち、固定ブーム34を回動ブーム32に取付けて用いる場合には、ワイヤー66aを滑車68に掛けることができ、固定ブーム34を回動ブーム32から取外して用いる場合には、ワイヤー66aを滑車68から外すことができる構成となっている。
【0035】
次に、本実施形態に係る洗体機構12について説明する。洗体機構12は、収容室4内において、清水を吐出する吐出ノズル44と、床部30に配設されたシンク46とを備えて構成されている。本実施形態においては、収容室4内の床部30の全部(ほぼ全部)がシンク46として構成されている(ただし、床部30の全部ではなく一部をシンク46として構成してもよい)。なお、清水を貯留する清水タンク(一例として総容量50リットルのタンク)や、送水用ポンプ(もしくは送水用エアコンプレッサ)は、補助室5の内部や車体2の床下等に配設されている(不図示)。
【0036】
吐出ノズル44の例として、可動式ホースに接続された散水ノズル(シャワーノズル)が収容室4内に配設されている(なお、固定式としてもよい)。これによれば、収容室4内に収容したと体Cに対して清水をかけて、と体Cに付着した土や葉等を洗い流すことができる。
【0037】
また、シンク46は、床部30において、吐出ノズル44から吐出された清水(と体Cの洗浄に用いられた清水(汚水)、および、と体Cにかかることなく直接床面に到達した清水)が落下する(し得る)床面の所定領域(本実施形態においては、全部(ほぼ全部)の領域)が傾斜面46aとして形成されると共に、傾斜面46aの最下部に配設される排水口46bを備えて構成されている。本実施形態においては、床部30の前部から後部に至る傾斜面としている。これによれば、収容室4内に収容したと体Cの洗浄に用いた清水(汚水)を集水して、排水することができるため、床部30(床面)に汚水が残留してしまうことがなく、内部を清潔に保つことができる。なお、排水口46bに連通して汚水を貯留する汚水タンク(一例として総容量55リットルのタンク)は、車体2の床下等に配設されている(不図示)。
【0038】
このように、上記の洗体機構12によれば、収容室4内に収容したと体Cに対し、食肉処理の前処理として洗浄処理を行うことができる。なお、自治体の条例等に応じて、収容室4内に収容したと体Cに対し、食肉処理の前処理としてと体Cの内臓摘出処理を行う場合も想定し得る。その場合には、収容室4内にと体Cの内臓を収納する汚物入れ(不図示)を配設することが好適である。
【0039】
次に、本実施形態に係る懸吊機構14について説明する。懸吊機構14は、収容室4内において、一方の側部2aの内側に複数の第1フック50を備え、他方の側部2bの内側に複数の第2フック52を備えて構成されている。なお、第1フック50および第2フック52の構成は特に限定されるものではなく、金属材料からなるコ字状、U字状、リング状、鉤状、あるいは、金属、樹脂等の材料からなるロープ、ワイヤー等を用いたリング状等、種々の構成が考えらえる。
【0040】
これによれば、一例として、収容室4の前部側の第1フック50と第2フック52との間に架け渡したワイヤー等でと体Cの前足(もしくは後足)の懸吊を行い、収容室4の後部側の第1フック50と第2フック52の間に架け渡したワイヤー等でと体Cの後足(もしくは前足)の懸吊を行うことができる(
図3参照)。なお、他の例として、と体Cが小型である場合等においては、第1フック50によって、と体Cの前足(もしくは後足)の懸吊を行い、第2フック52によって、と体Cの後足(もしくは前足)の懸吊を行うこともできる(不図示)。
【0041】
このように、上記の懸吊機構14によれば、床部30を含む収容室4の内壁部分に対してと体Cを一切接触させることなく、懸吊した状態で搬送を行うことが可能となる。
【0042】
一方、変形例として、と体Cを床部30上に載置して搬送を行う構成としてもよい(
図4参照)。より具体的には、収容室4の床部30に、と体Cを載置させるエアマット84が配設された構成としている。このエアマット84は、ポンプ(不図示)から供給される高圧空気が導入されることによってクッション性を発生させることができる。なお、高圧空気に関しては、使用の都度導入する構成に限らず、製造時に導入されて密封された構成であってもよい。
【0043】
これによれば、と体Cを懸吊機構14によって懸吊せずに、床部30のエアマット84上に載置した状態で搬送を行うことが可能となる。したがって、懸吊機構14によってと体Cを懸吊して走行を行うと、と体Cが振り子のように揺動して走行姿勢が安定しない場合も生じ得るが、そのような問題の解決が可能となる。また、と体Cを床部30(一例として、金属板)にそのまま載置して搬送を行う場合と比較して、走行振動によると体Cの傷みの進行を防止することが可能となる。
【0044】
ここで、エアマット84は防水カバー(不図示)で被覆されている構成が好適である。当該防水カバーは、エアマット84の表面素材として一体に形成されている構成であってもよく、あるいは、別体に形成されて、内部にエアマット84を収納する構成であってもよい。これによれば、床部30にシンク46が設けられる構成の場合にも、エアマット84を使用することができる。また、と体Cの搬送が終了した後にエアマット84(ここでは、被覆されている防水カバー)の洗浄を容易に行うことができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る保冷機構16について説明する。保冷機構16は、収容室4内から補助室5内にかけて配置されて、冷気を送出する室内機(エバポレータ)54を備え、車体2の床下に配置されて、冷気生成のための空気凝縮等を行う室外機(コンデンサ)56を備え、それらが配管接続されて構成されている。一例として、室内機54は、上部パネル24に近接する上部位置に配設されており、冷気の送出口54aが複数設けられている。なお、保冷性能としては、収容室4内を温度5度以下に保持可能であり、必要に応じて温度0度以下の冷凍能力を備える仕様としてもよい。
【0046】
このように、上記の保冷機構16によれば、食肉処理の前処理として、と体Cを保冷し、その状態で搬送を行うことができる。したがって、食肉品質の劣化を防止することができる。
【0047】
しかしながら、本実施形態に係ると体処理車両1は、一例として軽自動車を用いることが想定されており、搭載重量、搭載スペースの都合により、冷却(冷凍)能力の高い大型の室外機(コンデンサ)を車体2に搭載することが困難となることも想定される。室外機(コンデンサ)の冷却(冷凍)能力が低いと、収容室4内の全体をと体Cの搬送に最適な温度に保持することが困難となり、搬送中にと体Cの傷みが進行して、商品価値の低下あるいは商品として活用できない場合も生じ得る。
【0048】
これに対して、
図3、4に示すように、複数の送出口54aのうちの一部(全部でもよい)に、と体Cに向けて冷気を導く蛇腹状であって向きが可変のダクト55を取付ける構成とする例が考えられる。これによれば、ダクト55の先端をと体Cに向けることによって、と体Cに直接冷気を当てることができるため、と体Cを最適な保冷状態に保つことが可能となり、上記の問題の解決が可能となる。
【0049】
次に、本実施形態に係る補助室5について説明する。補助室5は、内部の構成例として、収容室4内から連続する配置で、上部の中央位置に室内機(エバポレータ)54が設けられ、その下に清水タンク(不図示)が設けられている。
【0050】
また、補助室5内部の左側位置において、開閉扉58を備えた空間が設けられており、当該空間には手洗い水栓と、水受けのシンクとが配設されている(いずれも不図示)。これによれば、と体Cの処理等で汚れた手を洗うことが可能となる。わざわざ、収容室4内に入って吐出ノズル44を用いて手を洗う必要がなくなるため、作業性が大幅に向上する。
【0051】
一方、補助室5内部の右側位置において、施錠可能な開閉扉62を備えた鉛直方向に長い空間が設けられており、当該空間は猟銃の保管庫60として構成されている。さらに、当該保管庫60の内部には一丁もしくは複数丁の猟銃を長手方向が鉛直方向となるように立てた状態で固定する固定具(不図示)が設けられている。これによれば、開閉扉62を施錠して猟銃を安全に管理することができると共に、猟銃を取出す動作も簡易且つ迅速に行うことが可能となる。
【0052】
なお、運転席3のその他機構、あるいは、走行のための機構(エンジン、駆動機構、灯火類等)については、公知の車両(ここでは、軽トラック)と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
以上、説明した通り、本発明によれば、食肉処理の前処理および搬送を行うために必要な最小限の構成を備えたコンパクトなと体処理車両を実現することができる。したがって、獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所が、道路の整備が不十分で道幅が狭いような場所であったとしても、自走して進入することが可能となり、その場所において獣類のと体を受け入れて、必要に応じた食肉処理の前処理を行うこと、および移動式解体処理車両あるいは食肉処理施設まで搬送を行うことが可能となる。
【0054】
特に、鹿、猪等の野生獣類は山間部で捕殺される場合がほとんどであり、従来は人手によって搬送を行っていたため、食肉処理施設への搬入に時間を要して食肉としての利用が困難となる、あるいは狩猟者の高齢化によって搬送自体が困難となるといった課題があった。しかし、本発明に係ると体処理車両によれば、コンパクトな車体を備えて進入可能なエリアを拡大することができるため、と体の利活用率を向上させることができる。さらに、受け入れたと体の洗浄、保冷、搬送を迅速に行うことができるため、特に夏場のようにと体の腐敗が進行し易い季節においても、利活用率を向上させることができる。
【0055】
このように、本発明に係ると体処理車両によれば、搬送労力が大幅に軽減されるのみならず、搬送時のと体の外的損傷を防止することができ、また、短時間で且つ良好な保冷環境下で搬送できるため、食肉品質の劣化を防止して鮮度を高く保つことができるため、肉質の改善、安定化、ブランド力の向上も可能となる。
【0056】
また、と体の洗浄処理等で発生する汚水は、現地で放出することなく全て持ち帰って所定の処理施設等で適切に処理することができるため、環境に対する負荷を与えることもない。
【0057】
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、鹿、猪等の野生獣類を例に挙げて説明を行ったが、豚、牛、羊等の家畜獣類に対しても同様に適用できることは言うまでもない。
【課題】道幅が狭いような獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所であっても、自走して進入することが可能であり、その場所において車体に捕殺された獣類のと体を受け入れて、食肉処理の前処理および搬送を行うことが可能なと体処理車両を提供する。
【解決手段】本発明に係ると体処理車両1は、収容室4と引上げ装置10とを備え、引上げ装置10は、回動可能な回動ブーム32と、回動ブーム32に設けられて下方に垂下する固定ブーム34と、固定ブーム34に設けられて上下に移動可能な可動ブーム36と、可動ブーム36に設けられてと体を載置させるプラットフォーム38と、回動ブーム32に設けられるウインチ66と、固定ブーム34に設けられる滑車68とを有し、可動ブーム36はワイヤー66a先端のフック66bを係止させる係止部70を有し、プラットフォーム38はウインチ66を駆動させて可動ブーム36に伴って上下に移動する構成である。