(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647594
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】培地充填袋の封止折曲げ装置
(51)【国際特許分類】
A01G 18/30 20180101AFI20200203BHJP
B65B 7/08 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
A01G18/30
B65B7/08
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-173843(P2017-173843)
(22)【出願日】2017年9月11日
(65)【公開番号】特開2019-47751(P2019-47751A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2019年6月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年7月4日に株式会社かつらぎ産業群馬工場にて公開 平成29年8月1日に株式会社かつらぎ産業群馬工場にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391025589
【氏名又は名称】株式会社中村製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 智彰
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−211743(JP,A)
【文献】
特開昭63−307004(JP,A)
【文献】
特開平07−242205(JP,A)
【文献】
特開2016−203392(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0283152(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 18/00
B65B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地が充填されて加圧成形された培地充填袋が封止位置へ搬入され、袋開口部へ一対の挿入板を進退移動及び開閉移動可能に備える袋開閉部と、
前記一対の挿入板の前記袋開口部への進退動作及び開閉動作に伴って前記培地充填袋内のエア吸引を行って封止するエア吸引部と、
前記エア吸引部のエア吸引動作に伴って前記培地充填袋を介して各々対向配置された一対の押圧板を前記袋開口部の外側より押圧して挟み込む袋押圧部と、
前記一対の挿入板が前記袋開口部から退避し、封止された前記袋開口部が前記一対の押圧板により挟み込まれたまま前記培地充填袋を前記封止位置より押し出して前記袋開口部を一方向に折り曲げる袋押出し部と、を具備したことを特徴とする培地充填袋の封止折曲げ装置。
【請求項2】
前記袋開口部内に互いに近接した前記一対の挿入板が挿入され、当該一対の挿入板が互いに離間する開放動作に連動して前記エア吸引部によるエア吸引が開始され、前記一対の挿入板が互いに近接する閉止動作に連動してエア吸引が停止される請求項1記載の培地充填袋の封止折曲げ装置。
【請求項3】
前記一対の押圧板の対向面には柱状のガイド部材が各々一体に組み付けられ、前記ガイド部材により前記袋開口部が挟み込まれ、当該袋開口部が前記一対のガイド部材に挟み込まれたまま前記袋押出し部により前記封止位置より押し出されて前記袋開口部が一方向に折り曲げられる請求項1又は請求項2記載の培地充填袋の封止折曲げ装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記挿入板の下端部より前記押圧板の鉛直下方に配置されており、前記一対の挿入板が前記袋開口部内で互いに近接する閉止動作に連動して前記一対の押圧板が前記袋開口部を両側から押圧する請求項3記載の培地充填袋の封止折曲げ装置。
【請求項5】
培地充填後の前記培地充填袋を整列して前記封止位置へ搬入する袋搬入部と、
前記培地充填袋の袋開口部が封止され一方向に折り曲げられた当該培地充填袋を後工程へ搬出する袋搬出部を備えている請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の培地充填袋の封止折曲げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばフィルム状の袋に培地が充填された培地充填袋の袋開口部を封止して一方向に折り曲げる培地充填袋の封止折曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
椎茸や舞茸などの茸を栽培する方法として、フィルム状の袋に培地を充填した培地を殺菌してから種菌を植菌して袋に封をして温度湿度を管理して栽培することが行われている。
このとき、ガゼット状に折り畳まれたフィルム状の袋を自動機で1枚ずつピックアップして開口させ、培地を充填し、加圧するとともに種菌入植用の凹部を成形して取り出す茸栽培用ブロックの製造装置が提案されている(特許文献1:特許第2592784号公報)。
【0003】
上記装置は、フィルム状の袋を垂直姿勢で開口させたまま培地充填が行われて取り出されるため、後工程で袋の開口を閉じて殺菌工程に移行する必要がある。この作業を手作業で行うとすれば、培地充填工程から殺菌工程への移行が遅延して作業効率が低下するため、自動機により袋開口部を閉じることが望ましい。
例えば菌床栽培袋の開口を3か所の挟着具で狭着した後、水平折り曲げ機構により両側の狭着具を水平回転機構により120度回転させて三角形状に折り曲げると共に垂直折り曲げ機構により狭着具を上昇させながら垂直回転機構により垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変更させることで袋上部を水平方向に折り曲げ、両側の狭着具で挟まれている袋を溶着することで折り畳む菌床栽培袋の折り畳み装置が提案されている(特許文献2:特許第3512390号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2592784号公報
【特許文献2】特許第3512390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
種菌接種前の培地充填袋は、殺菌してから種菌を接種するまでの間に雑菌が混入しないように袋開口部を閉じておきたいというニーズがある。上述した菌床栽培袋の折り畳み装置は、培地に種菌接種後に袋開口部を折り畳む際の自動機であり、上記ニーズに応えるものではない。
また、上記折り畳み装置は、水平回転機構を備えた水平折り曲げ機構が垂直回転機構を備えた垂直折り曲げ機構に搭載されており両者の複合動作により袋口を水平方向に折り曲げるようになっている。このため、構造が複雑で重量物化して装置が大型化する。また、水平折り曲げ動作と垂直折り曲げ動作に要する装置の可動域が大きくなるため、接地面積を要すると共に生産効率が低下するおそれがある。更には、水平方向に折り曲げられた三角状の袋口を両側から溶着するので、コストがかさむという課題もあるうえに種菌接種後の最終工程で用いられるため用途も限られる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の実施例で述べる開示は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、培地充填袋の袋開口部を簡易な構成で迅速に封止すると共に一様に折り曲げた嵩張らない状態で後工程に迅速に受け渡すことが可能な培地充填袋の封止折曲げ装置を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため、以下の実施例に適用される開示は少なくとも次の構成を備える。
培地が充填されて加圧成形された培地充填袋が封止位置へ搬入され、袋開口部へ一対の挿入板を進退移動及び開閉移動可能に備える袋開閉部と、前記一対の挿入板の前記袋開口部への進退動作及び開閉動作に伴って前記培地充填袋内のエア吸引を行って封止するエア吸引部と、前記エア吸引部のエア吸引動作に伴って前記培地充填袋を介して各々対向配置された一対の押圧板を前記袋開口部の外側より押圧して挟み込む袋押圧部と、前記一対の挿入板が前記袋開口部から退避し、封止された前記袋開口部が前記一対の押圧板により挟み込まれたまま前記培地充填袋を前記封止位置より押し出して前記袋開口部を一方向に折り曲げる袋押出し部と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、袋開閉部は一対の挿入板を袋開口部へ挿入して開閉させることで袋開口部を開口させ、エア吸引部は開口した袋開口部よりエア吸引を行うので袋開口部を瞬時に封止することができる。また、一対の押圧板により袋開口部が挟み込まれたまま袋押出し部は培地充填袋を封止位置より押し出すことにより袋開口部を一方向に折り曲げた状態で嵩張らない状態で後工程に搬出することができる。よって、種菌接種前の培地充填袋を、殺菌してから種菌を接種するまでの間に雑菌が混入しないように袋開口部を閉じておくことができる。
【0009】
前記袋開口部内に互いに近接した前記一対の挿入板が挿入され、当該一対の挿入板が互いに離間する開放動作に連動して前記エア吸引部によるエア吸引が開始され、前記一対の挿入板が互いに近接する閉止動作に連動してエア吸引が停止されることが好ましい。
これにより、一対の挿入板を袋開口部内に挿入して開放することで袋開口部を確実に開口させることができ、かつこの開放動作に連動してエア吸引部によりエア吸引を行うことで袋開口部を瞬時に封止でき、一対の挿入板が互いに近接する閉止動作に連動してエア吸引が停止されるので、袋開口部を折り畳んだ状態で封止することができる。
【0010】
前記一対の押圧板の対向面には柱状のガイド部材が各々一体に組み付けられ、前記ガイド部材
により前記袋開口部が挟み込まれ、当該袋開口部が前記一対のガイド部材に挟み込まれたまま前記袋押出し部により前記封止位置より押し出されて前記袋開口部が一方向に折曲げられることが好ましい。
これにより、一対の押圧板が袋開口部を挟み込む際に対向面に設けられたガイド部材により袋開口部が挟み込まれる。袋開口部が一対のガイド部材に挟み込まれたまま袋押出し部により封止位置より押し出されるので、押圧板の板面で挟持される場合に比べて、袋開口部が一方向に折り曲げられる際に、袋が破損するのを防ぐことができる。また、袋開口部がガイド部材どうしで挟み込まれても一対の押圧板どうしの対向面には隙間があるため、一対の挿入板を一対の押圧板と干渉することなく袋開口部より抜き取ることができる。
【0011】
前記ガイド部材は、前記挿入板の下端部より前記押圧板の鉛直下方に配置されており、前記一対の挿入板が前記袋開口部内で互いに近接する閉止動作に連動して前記一対の押圧板が前記袋開口部を両側から押圧することが好ましい。
これにより、袋内に挿入された一対の挿入板と一対の押圧板が干渉することなく袋開口部の外側から挟み込むことができる。
【0012】
培地充填後の前記培地充填袋を整列して前記封止位置へ搬入する袋搬入部と、前記培地充填袋の袋開口部が封止され一方向に折り曲げられた当該培地充填袋を後工程へ搬出する袋搬出部を備えていることが好ましい。
これにより、培地充填袋への培地充填作業から袋開口部の封止及び袋開口部の一方向への折り曲げ動作を自動化して行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
上述した培地充填袋の封止折曲げ装置を用いれば、培地充填袋の袋開口部を簡易な構成で迅速に封止すると共に一様に折り曲げた嵩張らない状態で、後工程に迅速に受け渡すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】培地充填袋の封止折曲げ装置の袋搬出部の側面図である。
【
図2】培地充填袋の封止折曲げ装置の袋搬入部の側面図である。
【
図3】培地充填袋の封止折曲げ装置の平面透視レイアウト図である。
【
図4】培地充填袋の封止折曲げ工程を示す模式図である。
【
図5】
図4に続く培地充填袋の封止折曲げ工程を示す模式図である。
【
図6】
図5に続く培地充填袋の封止折曲げ工程を示す模式図である。
【
図7】
図6に続く培地充填袋の封止折曲げ工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る培地充填袋の折曲げ装置の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。培地充填袋Pとしては、例えば一端に開口を有しガゼット折りされたポリプロピレン製の袋等が用いられる。また、培地としては例えば椎茸や舞茸などの栽培用としておが粉等が用いられる。
【0016】
図3において、培地充填袋の封止折曲げ装置の概略構成について平面レイアウト図を参照して説明する。以下では、培地充填装置1によって培地充填袋Pに培地が充填された後の工程を中心に説明する。培地充填袋Pは、袋内底部側に培地が充填された培地充填部P1とその上方が空間部となっている袋開口部P2が形成されている。また、袋両側部にはガゼット折された折り目P3が形成されている(
図6E参照)。
搬入用コンベア装置2(袋搬入部)は、培地充填装置1によって培地充填後の培地充填袋Pが互いの折り目P3が搬送方向に沿って縦列状に並ぶように整列して封止折曲げ装置3の封止位置Qへ搬入される。搬入用コンベア装置2は搬入用モータ2aにより無端ベルト2bを周回して回転駆動するようになっている(
図2参照)。また、封止折曲げ装置3には、搬出用コンベア装置4(袋搬出部)が封止位置Qに接続するように設けられている。搬出用コンベア装置4は、培地充填袋Pの袋開口部P2が閉止された当該培地充填袋Pを培地殺菌工程等の後工程へ搬出する。搬出用コンベア装置4は搬出用モータ4aにより無端ベルト4bが周回して搬送されるようになっている(
図1参照)。
【0017】
次に封止折曲げ装置3の具体的な構成について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は
図3の右方から見た封止位置Qを含む断面説明図であり、
図2は
図3の下方から見た封止位置Qを含む断面説明図である。
図1において培地が充填されて加圧成形された培地充填袋Pが搬入用コンベア装置2によって整列しながら封止位置Qへ搬入される。
図2において搬入用コンベア装置2の長手方向左端側に培地充填装置1が設けられている。搬入用コンベア装置2の長手方向右端は封止折曲げ装置3の内部まで延設されており、この右端位置が封止位置Qとなる。
【0018】
封止位置Qの上方には、袋開閉部5が設けられている。袋開閉部5は、袋開口部P2より一対の挿入板を鉛直方向に進退移動かつ水平方向に開閉移動可能に備えている。具体的には、装置フレーム3a(天面部)には、上下動シリンダ5aが吊り下げ支持されている。この上下動シリンダ5aのシリンダロッド5bには可動ベース部5cが連結支持されている。可動ベース部5cには、一対の挿入板5dが開閉シリンダ5e(例えばロッドレスシリンダ等)により水平移動可能に設けられている。各挿入板5dはL字状をしており、可動ベース部5c内にスライド可能に支持される水平板部5d1と鉛直下方に垂下する垂下板部5d2を備えている。可動ベース部5cに組み付けられた開閉シリンダ5eを作動させることにより、垂下板部5d2どうしが近接した位置と垂下板部5d2どうしが離間した位置とで一対の挿入板5dを開閉動作させるようになっている。
【0019】
また、袋開閉部5にはエア吸引部6が接続されている。具体的には、一対の挿入板5dの水平移動動作に伴って培地充填袋Pの袋開口部P2内のエア吸引を行って封止する。装置フレーム3aの底部には、リングブロワ6aが設けられており、図示しない吸引ホースにより可動ベース部5cと連結されている。可動ベース部5cは、密閉された筐体状に形成されている。可動ベース部5cの側部には側部吸引口5fが開口している。また、一対の挿入板5dの水平板部5d1は、可動ベース部5cの底部に設けられた底部吸引口5gを開閉するようになっている(
図3参照)。
【0020】
袋押圧部7は封止位置Qに供給された培地充填袋Pの袋開口部P2の両側に配置されている。具体的には、一対の押圧板7aが押圧シリンダ7cのシリンダロッド7bに起立した状態で支持されている。一対の押圧板7aは、培地充填袋P内に挿入された一対の挿入板5dと培地充填袋Pを介して各々対向配置されている。押圧シリンダ7cを作動させると一対の押圧板7aを袋外より一対の挿入板5dに向かって培地充填袋Pの袋開口部P2を挟み込むように押動する。
一対の押圧板7aの対向面側の下端縁部には円柱状のガイド部材7dが各々一体に組み付けられている。一対の押圧板7aが近接するとガイド部材7d
により袋開口部P2が挟み込まれ、一対のガイド部材7dに挟み込まれたまま培地充填袋Pが後述する袋押出し部8により封止位置Qより押し出されると袋開口部P2が水平方向に折曲げられる。また、一対の押圧板7aの袋搬入方向上流側(
図4A左端)には押圧板7aどうしの間隔が漸進狭まるように逃げ部7eが形成されている。これにより、搬入用コンベア装置2によって封止位置Qへ搬入される培地充填袋Pの袋開口部P2が一対の押圧板7aと干渉しないように搬入される。
【0021】
袋押出し部8は、袋内のエアが吸引されて一対のガイド部材7dに袋開口部P2が挟み込まれた培地充填袋Pを搬入用コンベア装置2上の封止位置Qより搬出用コンベア装置4へ押し出す。
具体的には、装置フレーム3aには押出しシリンダ8cが水平姿勢で固定されている。押出シリンダ8cのシリンダロッド8bには押出板8aが垂直姿勢で設けられている。培地充填袋Pが封止位置Qで一対の押圧板7aにより押圧され、一対のガイド部材7dによって袋開口部P2が挟み込まれると、押出シリンダ8cが作動して押出板8aにより封止位置Qにある培地充填袋Pの培地充填部P1を搬出用コンベア装置4に向かって押し出す。
【0022】
培地充填袋Pの袋開口部P2内に互いに近接した一対の挿入板5dが挿入され、当該一対の挿入板5dが互いに離間する開放動作に連動してエア吸引部6によるエア吸引が開始され、一対の挿入板5dが互いに近接する閉止動作に連動してエア吸引が停止されるようになっている。
これにより、一対の挿入板5dを袋開口部P2内に挿入して開放することで袋開口部P2を確実に開口させることができ、かつこの開放動作に連動してエア吸引部6によりエア吸引を行い一対の挿入板5dが互いに近接する閉止動作に連動してエア吸引が停止されるので、袋内のエアを確実に吸引して袋開口部P2を封止することができる。
【0023】
図1に示すように、一対の押圧板7aの対向面には円柱状のガイド部材7dが各々一体に組み付けられている。このガイド部材7d
により袋開口部P2が挟み込まれ、当該袋開口部P2が一対のガイド部材7dに挟み込まれたまま袋押出し部8により封止位置Qより押し出されて袋開口部P2が一方向に折曲げられる。
これにより、一対の押圧板7aが袋開口部P2を挟み込む際に対向面に設けられたガイド部材7dにより袋開口部P2が挟み込まれる。袋開口部P2が一対のガイド部材7dに挟み込まれたまま袋押出し部8により封止位置Qより押し出されて袋開口部P2が一方向に折り曲げられる際に、押圧板7aの板面で挟持される場合に比べて、袋が破損するのを防ぐことができ、また、袋開口部P2がガイド部材7dどうしに挟み込まれても一対の押圧板7aどうしの対向面には隙間があるため、一対の挿入板5dを一対の押圧板7アと干渉することなく袋開口部P2より抜き取ることができる。
【0024】
ガイド部材7dは、挿入板5dの下端部より押圧板7aの鉛直下方に配置されている。一対の挿入板5dが袋開口部P2内で互いに近接する閉止動作に連動して一対の押圧板7aが袋開口部P2を両側から押圧することが好ましい。
これにより、一対の押圧板7aが袋内に挿入された一対の挿入板5dと干渉することなく袋開口部P2の外側から挟み込むことができる。
【0025】
図1に示すように、一対の挿入板5dは、エア吸引路を形成する可動ベース部5c内に水平方向に接離動可能に支持されている。一対の挿入板5dが互いに近接した位置で袋開口部P2に向かうエア吸引路が閉止され、互いに離間するとエア吸引路が開口するようになっている。これにより、一対の挿入板5dの開閉位置により培地充填袋P内のエア吸引動作のオンオフの切り替えが行えるので、培地充填袋Pの袋開口部P2の開閉を迅速に行うことができる。
【0026】
ここで、培地充填袋Pに対する封止折曲げ装置3の袋開口部P2の封止折り曲げ動作の一例について、
図4乃至
図7を参照して説明する。
図4A,B、
図5C,D,搬入用コンベア装置2の側方から見た封止折曲げ装置3の模式図、
図4A´,B´、
図5A´,B´、
図6E,F、
図7G,Hは、搬出用コンベア装置4の側方から見た封止折曲げ装置3の模式図である。
図4A、A´において、培地が充填された培地充填袋Pは、搬入用コンベア装置2により封止折曲げ装置3の封止位置Qへ搬送される。このとき、袋開閉部5の一対の挿入板5dは近接した状態で封止位置Qの上方に待機しており、袋押圧部6の一対の押圧板7aは両側に退避(離間した)位置にある。
【0027】
図4B,B´において、培地充填袋Pが封止位置Qまで搬送されると、搬入用コンベア装置2の搬送動作を停止させ、
図1に示す上下動シリンダ5aを作動させてシリンダロッド5bに支持された可動ベース部5c及び一対の挿入板5dを下降させる。
【0028】
図5C,C´において、一対の挿入板5dが培地充填袋Pの袋開口部P2内に挿入されると、開閉シリンダ5e(
図1参照)を作動させて一対の挿入板5dを袋内で両側に離間させて培地充填袋Pを大きく開口させる。また、エア吸引部6を作動させ、リングブロワ6aにより袋内のエア吸引動作を開始する。このとき、
図5D,D´に示すように、可動ベース部5c内でスライドする水平板部5d1により閉止されていた底部吸引口5gが開口するため、袋内のエアは底部吸引口5gより可動ベース部5c内を経て側部吸引口5fから図示しない吸引ホースを通じてリングブロワ6aに吸引される(
図2参照)。
【0029】
また、エア吸引部6のエア吸引動作を開始すると、開閉シリンダ5e(
図1参照)を作動させて一対の挿入板5dを袋内で近接する向きにスライドさせると共に、袋押圧部7を作動させる。即ち、
図5D,D´に示すように、押圧シリンダ7cを作動させて一対の押圧板7aにより袋外側を押圧する。
【0030】
図6Eに示すように、エア吸引部6によりエア吸引動作を開始すると、ガゼット折されていた培地充填袋Pは袋の折り目P3に沿って袋開口部P2が封止される。また、開閉シリンダ5e(
図1参照)を作動させて一対の挿入板5dを近接する向きに水平移動させる。更には押圧シリンダ7cにより一対の押圧板7aにより袋外側から押圧することで、培地充填袋Pの培地充填部P1の近傍をガイド部材7dに押し当てて袋開口部P2を挟み込む。ガイド部材7dは、円柱状をしているため、袋外面に沿って摺動しても袋が破損することはない。
【0031】
また、
図6Fに示すように、開閉シリンダ5eが一対の挿入板5dの垂直板部5d2が互いに近接すると、水平板部5d1が底部吸引口5gを閉じてエア吸引動作は終了する。また、一対の押圧板7aがガイド部材7dを通じて袋開口部P2を挟み込むと、上下動シリンダ5a(
図1参照)を作動させて一対の挿入板5dは可動ベース部5cと共に上昇し袋外へ移動する。一対の挿入板5dと袋開口部P2との間は大気圧に解放されるので、一対の挿入板5dを培地充填袋Pより抜き出すことができる。尚、一対の挿入板5dが上昇するタイミングは、水平板部5d1が底部吸引口5gを閉じた後であれば、一対の押圧板7dのガイド部材7dどうしが
袋開口部P2を挟み込むタイミングと同時であっても、
袋開口部P2を挟み込むタイミングの前後でもいずれでもよい。また、一対の挿入板5dが袋外に退避すると、袋押出し部8が作動する。
【0032】
図7Gに示すように、押出シリンダ8cが作動して押出板8aにより培地充填袋Pの培地充填部P1を袋外より押動することで、培地充填袋Pを封止位置Q(搬入用コンベア装置2)から搬出用コンベア装置4(
図3参照)へ押し出す。これにより、培地充填袋Pは、袋開口部P2が一対のガイド部材7d間に挟み込まれたまま袋開口部P2がガイド部材7dをガイドとして押出方向後方に折り曲げられる。また、一対の押圧板7aは、押圧シリンダ7cにより互いに離間する向きに移動する。
【0033】
図7Hは、袋押圧部7の一対の押圧板7aが離間して待機位置に戻り、袋押出し部8の押出板8aが押出シリンダ8cにより待機位置に戻った状態を示す。これにより搬入用コンベア装置2により搬入される次の培地充填袋Pを受け入れることができる。例えば、培地充填袋Pが搬入用コンベア装置2に縦列して搬送される場合、およそ培地充填装置1の培地充填工程と同期をとって6秒に1個の速さで培地充填袋Pに封止折曲げ作業を行って後工程に搬送することができる。
【0034】
上述した培地充填袋の封止折曲げ装置3を用いれば、袋開閉部5は一対の挿入板5dを袋開口部P2へ挿入して開閉させることで袋開口部P2を開口させ、エア吸引部6は開口した袋開口部P2よりエア吸引を行うので袋開口部P2を瞬時に封止することができる。また、一対の押圧板7aにより袋開口部P2が挟み込まれたまま袋押出し部8は培地充填袋Pを封止位置Qより押し出すことにより袋開口部P2を一方向に折り曲げた状態で嵩張らない状態で後工程に搬出することができる。よって、種菌接種前の培地充填袋Pを、殺菌してから種菌を接種するまでの間に雑菌が混入しないように袋開口部P2を閉じておくことができる。
【0035】
上記実施形態では、袋開閉部5、袋押圧部7、袋押出し部8の駆動源としてエアシリンダを用いたが、他の駆動源(モータ、ソレノイド等)であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 培地充填装置 P 培地充填袋 P1 培地充填部 P2 袋開口部 P3 折り目 2 搬入用コンベア装置 2a 搬入用モータ 2b 無端ベルト 3 封止折曲げ装置 3a 装置フレーム Q 封止位置 4 搬出用コンベア装置 4a 搬出用モータ 4b 無端ベルト 5 袋開閉部 5a 上下動シリンダ 5b シリンダロッド 5c 可動ベース部 5d 挿入板 5d1 水平板部 5d2 垂直板部 5e 開閉シリンダ 5f 側部吸引口 5g 底部吸引口 6 エア吸引部 6a リングブロワ 7 袋押圧部 7a 押圧板 7b シリンダロッド 7c 押圧シリンダ 7d ガイド部材 7e 逃げ部 8 袋押出し部 8a 押出板 8b シリンダロッド 8c 押出シリンダ