【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年11月17日 http://www.dreamgate.gr.jp/news/4119を通じて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年2月18日 https://frontier.bizreach.jp/health−care/dricos/を通じて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年3月30日 http://j−net21.smr j.go.jp/establish/entrepreneur/detail/20.htmlを通じて発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態によるサプリメント配合支援方法、サプリメント供給システム、およびサプリメント供給装置の具体例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1に示される本実施形態のサプリメント供給システム1は、ユーザがサプリメント供給装置400からサプリメントの供給を受けるために動作するシステムである。サプリメント供給システム1は、ハードウェア構成として、管理サーバ装置100、ユーザ装置200、ウェアラブル装置300、およびサプリメント供給装置400を備える。管理サーバ装置100およびユーザ装置200は、ネットワーク2を通じて相互に接続される。また、ユーザ装置200およびウェアラブル装置300、並びに、ユーザ装置200およびサプリメント供給装置400もそれぞれネットワーク3,4を通じて相互に接続される。ネットワーク2は、インターネットや、無線基地局(非図示)によって構築される無線ネットワーク(例えばWiFi)を含んでもよい。また、ネットワーク3,4は、Bluetooth(より詳細には、BLE;Bluetooth Low Energy)等による近距離無線通信ネットワークとしてもよい。但し、ネットワーク3については、例えばユーザ端末200がスマートフォンである場合に、イヤホンジャックを用いて有線でウェアラブル装置300と接続可能とする態様でもよい。なお、管理サーバ装置100とサプリメント供給装置400は、これに限定されないが、必ずしもネットワークを通じて直接接続されなくてもよい。この場合、サプリメント供給装置400でオフラインのスタンドアロン端末として作動するものとなる(後述)。
【0015】
管理サーバ装置100は、システム管理者等がサプリメント供給サービスを維持管理する際に利用する情報処理装置である。例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとするのがよい。管理サーバ装置100は、サプリメント供給サービスに関するサービス基本情報、マスタ情報および管理情報を維持し、ユーザ装置200に対し、供給すべきサプリメントを決定する際の各種情報を提供する。管理サーバ装置100は、ハードウェア構成として、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信インタフェース13,および入出力インタフェース14等を備える。これらはバスを通じて電気的に相互に接続される。
【0016】
プロセッサ10は例えばCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行することで、必要な処理が実現される。メモリ11は例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶装置であり、また、ストレージ12は例えばHDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置である。ストレージ12には、ユーザの認証プログラムやサプリメント配合支援プログラム等が格納される他、後述するテーブル群500乃至590のようなデータベースが構築されてもよい。入出力インタフェース14の例はマウスやキーボード等の情報入力機器や液晶ディスプレイ等である。
【0017】
ユーザ装置200は、サプリメント配合支援機能により、ユーザが摂取すべきサプリメント情報を計算により決定して、ユーザに提示する情報処理装置である。また、サプリメント供給装置400にサプリメント供給指示を通知するように構成される。ユーザ装置200は、ユーザが使用する装置であれば任意の形態のものでもよい。例えば、これに限定されないが、スマートフォンやフィーチャーフォン、PDA、タブレット型コンピュータ等のユーザによって持ち運び可能な移動体装置とするのがよい。代替として、後述するサプリメント供給装置400の近傍に固定的に設置される装置としてもよい。ユーザ装置200は、ハードウェア構成として、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信インタフェース23、入出力インタフェース24、タッチパネル25、およびセンサ部26等を備える。これらはバスを通じて電気的に相互に接続される。プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、入出力インタフェース24については管理サーバ装置100におけるものと同様としてよい。通信インタフェース23は、ネットワーク2を通じて管理サーバ100と通信することに加え、ネットワーク3,4を通じてウェアラブル装置300やサプリメント供給装置400とも通信する。タッチパネル25は、タッチパッドのような入力部251と液晶ディスプレイのような表示部252を組み合わせた電子部品である。入力部251はユーザの作用(主に、タッチ操作等の物理的接触操作)が入力された画面位置の情報を検知して外部へ信号出力する機能を備える。タッチパネル25は、静電容量方式や抵抗膜方式等、いずれの方式を採用したものであってもよい。センサ部26は、内蔵型センサとして、これに限定されないが、加速度センサ、振動センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、近接センサ、照度センサ、圧力センサ、GPS等を含み、一例としては、ユーザの歩数や移動距離を測定する活動量計として機能する。
【0018】
ウェアラブル装置300は、ユーザの身体に装着され、各種生体情報を取得して、ユーザが摂取するサプリメントを決定する際に、入力データとしてユーザ装置200に提供する情報処理装置である。ハードウェア構成としては、ユーザ装置200と同様のものを備える(非図示)。更にセンサ部36として、ユーザ装置200のセンサ部26と同様のみならず、ECG(electrocardiogram)センサや筋電センサのような生体情報を取得可能な生体センサや、それ以外にも気象センサ等も含むのがよい。
【0019】
サプリメント供給装置400は、ユーザ装置200からサプリメント供給指示を受け、指示されたサプリメント種別や量に基づいてサプリメントの配合を行い、それを吐き出すことでユーザに供給する装置である。サプリメント供給装置400は
図5に示すような外観を備える(後述)。ハードウェア構成として、これに限定されないが、プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インタフェース43、入出力インタフェース44、タッチパネル45、センサ部46、配合部47、および吐出部48を備える。これらはバスを通じて電気的に相互に接続される。プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インタフェース43、入出力インタフェース44、タッチパネル45についてはユーザ装置200(または管理サーバ装置100)におけるものと同様としてよい。センサ部46として、ウェアラブル装置300と同様に、ECGセンサや筋電センサのような生体センサおよび気象センサ等を含むのがよい。なお、本明細書において、生体センサとは、特に注記するものを除き、センサ部26,36,46で実装される各センサを総称するものであり、当該生体センサから取得される各種情報のことを生体情報と総称している。配合部47は、サプリメント供給指示に応じて駆動する駆動部(モータ)を備える。駆動部の駆動により、
図6に示すような搭載済みカートリッジを回転させて、該カートリッジに収容されたサプリメントを指示量だけ抽出し、それらが配合される。吐出部48は、配合されたサプリメントを外部に吐き出して出力するように構成される。
【0020】
図2は、管理サーバ装置100に実装される主要な機能ブロックの例を示す。機能ブロックは、インタフェース部120、管理部140、およびサプリメント配合支援部160を含む。インタフェース部120は、入出力部122および送受信部124を含む。管理部140は、ユーザの基本情報を管理するユーザ情報管理部141、ユーザによる利用履歴を管理するユーザ履歴管理部142、サプリメント供給装置400の配置場所やステータス等を管理するサプリメント供給装置管理部143、カートリッジの製造番号やサプリメント情報を管理するカートリッジ管理部144、サプリメント配合支援を実施するのに必要な各種情報を管理するサプリメント配合支援管理部145、および、サプリメントの基本情報調整用の係数を管理する係数管理部146、サプリメントの耐容上限量を管理する耐容上限量管理部147等を含む。管理部140は、各管理部での処理に必要となる基本情報の管理を行う。サプリメント配合支援部160(点線部)については
図3を参照して後述する。
【0021】
図3は、ユーザ装置200に実装される主要な機能ブロックの例を示す。機能ブロックは、インタフェース部220、認証部240、およびサプリメント配合支援部260を含む。インタフェース部220は、入出力部222および送受信部224に加え、サプリメント供給装置400に供給指示を送るための命令部226、およびユーザ利用履歴を登録する利用履歴登録部228を含む。認証部240は、管理サーバ装置100との間でユーザID/パスワードによるログイン認証を実施するユーザ認証部242、サプリメント供給装置400との間でBLEによるペアリングを実施するサプリメント供給装置認証部244、およびウェアラブル装置300との間でBLEによるペアリングを実施するウェアラブル装置認証部246を含む。なお、各認証部242,244,246における認証方式は上記に限定されず、任意のものでよいことが理解される。
【0022】
サプリメント配合支援部260は、インタフェース部220を通じて装置の内外から各種データを取得する取得部261、および格納された各種テーブルを参照して情報処理を行う参照部265を含む。取得部261は、ユーザのスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部262、各生体センサから生体情報を取得する生体情報取得部263、および、サプリメント供給装置400に具備された各カートリッジに関するサプリメント供給可能情報をサプリメント供給装置400から受けるサプリメント供給可能情報取得部264を含む。また、参照部265は、複数の行動情報を決定するユーザ行動情報決定部266、サプリメント基準情報を決定するサプリメント基準情報決定部267、サプリメント基準情報が利用可能かを判定する判定部268、および、配合すべきサプリメントを決定するサプリメント決定部269を含む。
【0023】
図4は、サプリメント供給装置400に実装される主要な機能ブロックの例を示す。機能ブロックは、インタフェース部420、サプリメントを供給するための動作を行う供給部440、サプリメント配合支援部460を含む。インタフェース部420は、入出力部422および送受信部424に加え、ユーザ装置200からの供給指示に応じて供給部440に供給命令を発する命令部426、ネットワークを通じて管理サーバ装置100やユーザ装置200に利用履歴を送信する利用履歴送信部428、および、サプリメント供給装置400をオフラインで利用する際に必要となるユーザ特定部430を含む。
【0024】
供給部440は、サプリメントを収容したカートリッジを搭載するスロット部441、および、カートリッジからサプリメントを抽出および配合して、外部に供給するサプリメント出力部445を含む。スロット部441は、搭載されたカートリッジに関し、カートリッジ関連情報を読み取るカートリッジ情報読取部(リーダ部)443、およびカートリッジ内に収容されるサプリメントの残量を特定するサプリメント残量特定部444を含む。また、サプリメント出力部445は、命令部426からの命令に応じて、所定量のサプリメントを抽出するためにモータを駆動してカートリッジを回転させる駆動部447、および抽出したサプリメントを実際に配合して外部に吐き出すよう作動する吐出処理部448を備える。サプリメント配合支援部460(点線部)は、
図3のサプリメント配合支援部260と同様である。
【0025】
なお、本実施形態におけるサプリメント供給システム1において、ユーザが摂取すべきサプリメントを決定するサプリメント配合支援ロジックを実行するコンピュータは、上述の管理サーバ装置100、ユーザ装置200、およびサプリメント供給装置400を含む情報処理装置等から任意に選択され得る点に留意すべきである。つまり、サプリメント配合支援部160,260,460を機能させるプログラム・モジュールのセットは、上記のいずれの要素にも格納でき、それぞれのプロセッサにより実行可能である。また、当該プログラム・モジュールのセットの全部を上記の何れかに集中配置させてもよいし、一部を分散配置させてもよい。一例としては、ユーザ装置200にプログラム・モジュールのセットの主要部分を配置して、管理サーバ装置100およびサプリメント供給装置400と対話しながら、供給すべきサプリメントを決定することができる。他の例としては、サプリメント供給装置400にプログラム・モジュールの全部を集中配置させてもよく、この場合、サプリメント供給装置400はスタンドアロンの装置としてオフラインで機能することになる。
【0026】
図5および
図6を参照して、サプリメント供給装置400に対応する、実際の筐体の構造例を示す。
図5は、サプリメント供給装置400の筐体の一例の外観を示す。この筐体例では、外観上、上部3分の1が配合部47、真ん中部分が表示部452、および下3分の1の空間部分が吐出部48とされる。また真ん中部分には、プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インタフェース43等が内蔵されると共に、表面部にセンサ部46(いずれも非図示)が搭載される。センサ部46は、例えばセンサ電極として設けられ、ユーザと接触することで心拍数等の生体情報を取得することができる。吐出部48には、正面から見て凹み部分が設けられており、ユーザはその中にコップ等の容器をセットすることで、上部に設けられた吐出口から配合済みのサプリメントの出力を受けることができる。
【0027】
図6は、
図5の配合部47の内部の概要構造である。配合部47には、取り外し可能なカートリッジ50が搭載されるスロット部441、およびサプリメント供給指示に応じて駆動する駆動部(モータ)447を備える。各カートリッジ500のカートリッジ側面にはICチップ51およびサプリメント排出用の排出孔が背後に設けられる(非図示)。モータによってカートリッジが回転されて、回転量に応じたサプリメント量が排出孔を通じて排出される。ICチップ51に対し、スロット部のカートリッジ情報読取部443はリーダとして機能して、カートリッジ50から各種情報を読み出すことが可能である。具体的には、各カートリッジには1つ以上のID(例えば、カートリッジIDや収容サプリメントID)、収容サプリメント初期量、およびサプリメント排出量等が記憶部に格納され、カートリッジ情報読取部443によってこれら情報を読み取り可能である。また、スロット部のサプリメント残量特定部444はスロット個所に応じて、カートリッジ内の残量を特定可能である。一例として、これに限定されないが、カートリッジ内の残量は、駆動部447のモータ回転数に関連づけることができ、累積モータ回転数をICチップの記憶部に格納しておく。そして、カートリッジ挿入後、当該累積モータ回転数、即ちモータが何回転したかを読み出し、サプリメント初期量に対応する最大回転可能数と比べることで残余回転可能数を特定することにより、その時のサプリメント残量が特定される。なお、
図5および
図6に示した上記筐体はあくまでも例示に過ぎず、これに限定されない。例えば、変形態様として、上記配合部47を多段構成にしてもよい。
【0028】
次に、
図7乃至
図16を参照して、ユーザが摂取すべきサプリメント情報を決定するサプリメント配合支援処理において参照されるテーブル群について説明する。テーブル群の例には、
図7のユーザ情報テーブル500、
図8のユーザ履歴テーブル510、
図9のサプリメント供給装置管理テーブル520、
図10のカートリッジ管理テーブル530、
図11のサプリメント管理テーブル540、
図12の行動情報管理テーブル550、
図13のサプリメント基準情報テーブル560、
図14(a)の活動係数テーブル570、
図14(b)の供給頻度係数テーブル、
図15の属性係数テーブル580、
図16のサプリメント耐容上限量テーブル590が含まれる。これらのテーブル群は、主に管理サーバ装置100のメモリ11やストレージ12において管理される。加えて、ユーザ装置200やサプリメント供給装置400においても管理サーバ装置100と同期しながら格納するのがよい。つまり、テーブル群は上記のいずれの要素にも格納でき、それぞれのプロセッサによりローカルおよび/またはグローバルに参照可能とするのがよい。また、当該テーブル群のセットを部分的に任意に分散配置させてもよい。なお、
図7乃至
図16のテーブル群はあくまで例示に過ぎず、本発明は、ここに挙げたテーブルの構成、種類、項目、データ内容やデータ型等に限定されるべきではないことが当業者によって理解されて然るべきである。
【0029】
図7および
図8に例示するユーザ関連の各テーブル500,510では、主にユーザ(サプリメント供給サービス利用者、即ちサプリメント摂取を希望する利用者)に関連する情報が管理される。
図7のユーザ情報テーブル500では、ユーザ情報管理部141によってユーザの基本情報が管理される。ユーザの基本情報は、ユーザがサービスに申し込む際に初期登録される。例えば、ユーザID、メールアドレスおよびパスワードは、ユーザ認証時に用いられる基本情報であり、また、性別、生年月日(年齢)、喫煙の有無、妊娠の有無、身長および体重は、摂取すべきサプリメント量を調整する際に用いられる基本情報である。
【0030】
図8のユーザ履歴テーブル510では、ユーザ履歴管理部142によって、ユーザがサプリメントの供給を受ける都度、レコード追加して履歴情報が格納および更新される。ユーザIDにはサービス利用情報が関連づけられる。サービス利用情報には、例えば、利用したサプリメント供給装置ID、利用日、利用時刻、摂取したサプリメント情報、および供給結果等が含まれる。摂取したサプリメント情報は、サプリメント種別および抽出量のセットが1つ以上を含む。供給結果は、成功、失敗、仕掛かり中などのステータスを含む。また、サービス利用時にユーザが入力した過去および未来のスケジュール情報を(識別番号として)含んでもよい。ユーザ履歴テーブル510に格納された情報、特に摂取したサプリメント情報は、同一の暦日にユーザが更にサプリメント摂取を希望する際のサプリメント調整処理で用いられる情報である。サプリメント情報の内、サプリメント種別は別テーブルを設けて一意に識別するコードでマスタ管理してもよい(非図示)。
【0031】
図9乃至
図11に例示する各テーブル520乃至540では、サプリメント供給サービス事業者によるサービス提供に必要なマスタ情報や基本情報が管理される。
図9のサプリメント供給装置管理テーブル520では、サプリメント供給装置管理部143によって、ユーザ宅やスポーツジム等に設置されることになるサプリメント供給装置400の設置情報が管理される。即ち、サプリメント供給装置に割り当てられる一意のサプリメント供給装置IDに対し、例えば、サプリメント供給装置の設置場所、設置施設、並びに設置開始日および設置終了日(継続使用中の場合はNULL)等が関連づけられる。
【0032】
図10のカートリッジ管理テーブル530では、カートリッジ管理部144によって、サプリメント供給装置400に搭載可能なカートリッジの情報が管理される。カートリッジに割り当てられる一意のカートリッジIDに対し、カートリッジ内部に収容されるサプリメントの収容サプリメントIDやカートリッジの製造年月日、消費期限年月日が関連づけられる。収容されるサプリメントの初期量を関連づけて管理してもよい(非図示)。なお、カートリッジIDと収容サプリメントIDは別個のものでなくてもよい。例えば、図示の例のように、カートリッジIDの下4桁(001A)をカートリッジIDとして割り当てるようにしてもよい。カートリッジは、ドラッグストア、コンビニエンスストアやインターネットを通じて配布され、または特定の業者から契約先に直接配達されて、サプリメント供給装置400に搭載される。この点、サプリメント供給装置400を維持管理する者の好みに応じて、任意のサプリメントを収容したカートリッジが取り付け可能である。つまり、設置されたサプリメント供給装置400において、スロット部441のどのスロット(例えば、一番端のスロット)にどのサプリメント(カートリッジ)が取り付けられているかについては、サプリメント供給装置400の維持管理者によって任意選択可能である。この意味では、上記のような情報をサプリメント供給サービス事業者は何ら把握する必要はない。
【0033】
図11のサプリメント管理テーブル540では、サプリメント配合支援管理部145によって、サプリメントを一意に特定するサプリメントIDに関連づけられるサプリメント種別が管理される。例えば、「サプリメントID:001A」に対しては、「サプリメント種別:ビタミンC」が関連づけられる。また、当該サプリメント種別のカートリッジ1回転あたりの抽出量も併せて規定される。これは、サプリメントごとに紛体密度が異なり、サプリメント種別毎に回転数と抽出量(mg)を関連づける必要があるからである。カートリッジに具備されたICチップ(
図6)を通じてカートリッジIDが読み取られると、サプリメント供給装置400(またはユーザ装置200や管理サーバ装置100)がカートリッジ管理テーブル530およびサプリメント管理テーブル540を参照することにより、スロット部441に搭載されたカートリッジが特定される。
【0034】
図12乃至
図16に例示する各テーブル550乃至590は、ユーザが摂取するサプリメントを決定するサプリメント配合支援処理において、サプリメント配合支援部260(または360,460)によって参照される。
図12の行動情報決定テーブル550は、スケジュール情報に基づいて行動情報に決定するのに用いられる。図示されるように、例えば「仕事」「イベント」「ライフワーク」「運動」の各項目に対し、それぞれ「内容」および「行動情報」が規定される。例えば、「仕事」の「内容」が“デスクワーク”であれば、「行動情報」として“座位:中”と“目:中”の2つに変換される。「仕事」「イベント」「ライフワーク」「運動」の各項目、および対応するそれぞれの「内容」が、スケジュール情報の項目に相当する。当該スケジュール情報の項目は、別途のテーブルを用いて、一意に特定可能なコードを関連づけてマスタ管理してもよい(非図示/例えば、「仕事」の「デスクワーク」が“030”、「ライフワーク」の「就寝」が“400”等)。各「行動情報」が、変換される行動情報に相当する。なお、行動情報は、これに限定されないが、1つのスケジュール情報に対し、“座位:中”と“目:中”のように2つ以上のものを規定するのが好ましい。
【0035】
図13のサプリメント基準情報テーブル560は、
図12の行動情報決定テーブル550で決定された行動情報に基づいてサプリメント基準情報を決定するのに用いられる。サプリメント基準情報テーブル560では、「個体情報」「サプリメント種別」、および「弱」「中」「強」に分類される「行動強度」が規定される。「個体情報」は「個体行動体勢」「個体行動部位」「個体行動内容」に分類され、それぞれに対し、例えば「個体行動部位」であれば頭脳、目、口等の詳細情報が規定される。当該詳細情報は、
図12の行動情報決定テーブル550の「行動情報」に対応する。
【0036】
即ち、先ほど行動情報決定テーブル550に関して挙げた例で、「行動情報」の1つとして“目:中”とあり、この内の“目”はサプリメント基準情報テーブル560の「個体行動部位」の「目」に対応し、“中”は「行動強度」の分類「中」に対応する。よって、この場合のサプリメント基準情報は(ビタミンB2,***mg)のセットということになる。なお、テーブル中の「***」の標記は、具体的な数字を伏字したものである点に留意されたい(以下のテーブルでも同様である。)。同様に、「行動情報」の他の1つとして、“座位:中”とあり、この内の“座位”はサプリメント基準情報テーブル560の「個体行動体勢」の「座位」に対応し、“中”は「行動強度」の分類「中」に対応する。この場合のサプリメント基準情報は(ビタミンC,25mg)のセットということになる。このようにして、行動情報決定テーブル550で決定した行動情報は、
図13のサプリメント基準情報テーブル560において、「サプリメント種別」および「行動強度」から特定されるサプリメント基準量を含むサプリメント基準情報に変換される。
【0037】
図14の活動係数テーブル570および供給頻度係数テーブル575、並びに
図15の属性係数テーブル580は、
図13のサプリメント基準情報テーブル560で決定されたサプリメント基準情報を加重により調整するのに用いられる。これらは係数管理部146によって管理される。
図14(a)の活動係数テーブル570では、生体情報が活動係数に変換され、スコア化される。
図14(a)の例では、ユーザ装置200やウェアラブル装置300に搭載した加速度センサや振動センサで決定される“歩数”が、その値に応じて0.8,1.0,1.2のいずれかの活動係数にスコア化される。
図14(b)の供給頻度係数テーブルでは、一日(暦日)あたりのユーザのサプリメント供給頻度が、0.8,1.0,1.2のいずれかの供給頻度係数に変換され、スコア化される。これら分類された値は、サプリメント基準量に乗算することでサプリメント量が調整される。
【0038】
また、
図15の属性係数テーブル580では、サプリメント基準情報のサプリメント種別毎に、ユーザのユーザ情報に応じた属性係数が特定される。
図15の属性係数テーブル580では、サプリメント種別に対し、ユーザの属性に応じてサプリメント基準情報を加重する属性係数が決定される。
図15の例では、サプリメント種別がビタミンB1である場合に、ユーザの年齢および性別に応じて各属性係数の値が規定される。例えば、8歳の男性であれば、ビタミンB1の属性係数が“0.91”という具合である。属性係数の値は、サプリメント基準量に乗算することでサプリメント量が調整される。なお、
図14(a)(b)および
図15の例では、サプリメント基準量に乗算して加重する値を規定して
いるが、これに限定されず、サプリメント基準量に加算(または減算)するための付加量(または削除量)として規定してもよいことが理解されて然るべきである。
【0039】
図16のサプリメント耐容上限量テーブル590は、サプリメント種別に対し、ユーザの利用履歴に基づいて一日の上限摂取量に達していないかを判定するのに用いられる。サプリメント耐容上限量テーブル590は耐容上限量管理部147によって管理される。サプリメントの中には、厚生労働省によって規定される食事栄養摂取基準に従って耐容上限量が規定されるものもあり、これは遵守すべきである。またこのような基準が無い場合であっても、サービス提供事業者は独自の基準で上限量を設定可能とするのがよい。
図16の例では、サプリメント種別がビタミンB6である場合に、ユーザの年齢および性別に応じた上限量の値が規定される。例えば、8歳の男性であれば、ビタミンB6の上限摂取量は“24mg”という具合である。なお、
図15の属性係数テーブル580および
図16のサプリメント耐容上限量テーブル590は、別個のテーブルとしてではなく、サプリメント管理テーブル540に関連づけて(サプリメント管理テーブル540内で)規定してもよい。
【0040】
図17は、一実施形態により、ユーザが摂取するサプリメントを決定するサプリメント配合支援処理を、ユーザ装置200によって実行する場合の画面遷移例を示す。例えば、ユーザ装置200がスマートフォンやタブレット端末である場合は、Webサーバたる管理サーバ100からインターネットを通じて配布され、ユーザが操作するスマートフォン・アプリケーションの画面遷移である。ユーザは画面へのタッチ操作(タップ)で画面を遷移させることができる。利用シーンとして、ユーザは、ユーザ装置200として自身のスマートフォンを携行し、サプリメント供給装置400の利用の都度、アプリケーションに起動して、スポーツジム等に設置されたサプリメント供給装置400と相互作用してもよい。代替として、スポーツジム等の維持管理者がサプリメント供給装置400と共にその近傍にタブレット端末を固定的に設置し、サプリメント供給装置400のユーザ利用の都度、ユーザ装置200として当該タブレット端末をユーザに操作させて、相互作用させてもよい。
【0041】
最初にユーザは、(a)のようにメールアドレス(またはログインID)およびパスワードを用いて管理サーバ装置に対してログイン認証を行う。そして、ユーザ位置の近辺にサプリメント供給装置が存在する場合は、(b)のようにユーザ装置はサプリメント供給装置を検出し、接続可能である旨を提示する。なお、ユーザ装置とサプリメント供給装置は、これに限定されないが、BLE通信可能なようペアリング・モードに設定しておくのがよい。ユーザ装置で「開始」ボタンが押下されると、サプリメント供給装置(“healthServer”)とのペアリングが実施される。引き続き(c)乃至(e)のように、ユーザ(“ジョン・スミス”)は自らのスケジュール情報を入力する。ここでは、過去のスケジュール情報「これまでのあなた」に対して“立ち仕事”が入力され、未来のスケジュール情報「これからのあなた」に対して“就寝”が入力される。これらのスケジュール入力は、ユーザの手入力によるリスト選択としてもよいし、スケジュール管理アプリケーションと連携してスケジュール情報をインポートするように構成してもよい。
【0042】
スケジュール情報の入力が完了すると、ユーザ装置はユーザに必要なサプリメント情報が決定されて、(e)のように画面表示を行う。ここでは、“ビタミンA”が“100mg”、“ビタミンX”が“0.2mg”、“プロテイン”が“1mg”、そして“葉酸”が“0.4mg”とメニュー表示されている。ユーザが「メニューを決定」ボタンを押下して当該メニューの摂取を決定すると、(f)のようにサプリメント供給装置へのコップ設置を促すガイド画面が表示される。そして“抽出開始”ボタンが押下されると、(g)乃至(i)のようにサプリメント供給装置での抽出処理状態が表示される。即ち、(g)では“通信中”である旨、(h)では“サプリメント抽出中”である旨、そして(i)では“抽出が完了”した旨がユーザに提示される。このように、(a)でのユーザ・ログインから(i)でのサプリメント抽出完了までが一連の基本画面遷移となる。
【0043】
図18乃至
図21を参照して、一実施形態により、先に説明してきたブロック図、テーブル構成、およびユーザ装置の画面遷移として実装され、ユーザが摂取すべきサプリメントを決定するサプリメント配合支援処理に関連した全体処理を、フローチャートを用いて説明する。
図18は、ユーザ装置がアプリケーションを起動してから、サプリメント供給装置とペアリングしてサプリメント供給可能情報を受信するまでの一連の情報処理のフローチャートを示す。
図19は、ユーザ装置において、各入力を受け、配合すべきサプリメント情報を決定および出力するまでの一連のサプリメント配合支援処理のフローチャートを示す。
図20は、
図19におけるサプリメント基本情報を調整する処理を詳細化したフローチャートを示す。
図21は、ユーザ装置でのサプリメント情報の決定後、サプリメント供給装置にサプリメントを実際に供給して利用履歴を登録する一連の情報処理のフローチャートを示す。これらの詳細について以下に説明する。なお、各フローチャートは例示にすぎず、本発明は、ここに示す処理内容や処理順序に限定されないことが当業者にとって理解されるべきである。
【0044】
図18において、最初にユーザ装置によってアプリケーションが起動され(S201)、ユーザ認証部242によってユーザ情報テーブル500を参照して、管理サーバ装置のユーザ情報管理部141との間でログイン処理を実施する(S101,S202/
図17(a))。ログイン完了後、サプリメント供給装置認証部244によって、例えばBLE通信を通じてサプリメント供給装置を特定し接続を要求する(S203/
図17(b))。そして、サプリメント供給装置との間でペアリング処理を実施する(S204,S401)。ペアリングが成功した後、サプリメント供給装置は、サプリメントを収容する複数のカートリッジが具備するICチップと近距離通信を行う。そして、カートリッジ情報読取部443によって、各カートリッジに関連づけられる、カートリッジIDおよび収容サプリメントIDを含むカートリッジ関連情報を読み取る(S402)。当該カートリッジ関連情報からは、収容されたサプリメント種別が特定可能である。そして、サプリメント残量特定部444によって、当該カートリッジ関連情報に関連づけられる、収容サプリメント残量が特定される(S403)。送受信部424によって、これらの情報をサプリメント供給可能情報としてユーザ装置に通知する(S404)。即ち、サプリメント供給可能情報は、スロット部441に搭載された各カートリッジ内に収容された、供給可能サプリメントのサプリメント種別およびサプリメント残量を含む。ユーザ装置では、送受信部224およびサプリメント供給可能情報取得部264によって、当該サプリメント供給装置からのサプリメント供給可能情報を受けることで取得する(S205)。
【0045】
図19では、最初に、ユーザ装置のインタフェース部220が各種情報の入力を受ける。具体的には、上記サプリメント供給装置からのサプリメント供給可能情報(S205)に加え、スケジュール情報取得部262によるスケジュール情報の入力(S211/
図17(c)乃至(e))、および生体情報取得部263による生体情報の入力(S212)とするのがよい。なお、スケジュール情報の入力は、ユーザによる手入力でも、他のスケジュール管理アプリケーションと連携したインポートでも、
図12の行動情報決定テーブル550における情報項目に区分して入力されるものであれば何れでもよい。また、生体情報の取得は、ユーザ装置200、ウェアラブル装置300、および/またはサプリメント供給装置400のいずれか1つ以上に設けた任意の1つ以上の生体センサからの入力や、他のヘルスケア・アプリケーションと連携したインポートとするのがよい。
【0046】
S211で抽出したスケジュール情報に基づいて、ユーザ行動情報決定部266によって行動情報決定テーブル550を参照して、スケジュール情報に基づいて複数の行動情報を変換により決定する(S213)。先に説明した例のように、スケジュール情報として「仕事」の「内容」が“デスクワーク”であれば、「行動情報」として“座位:中”と“目:中”の2つに変換される。なお、スケジュール情報は、過去のスケジュール情報および未来のスケジュール情報の両方を含み、対応する行動情報も、過去のスケジュール情報に対応する行動情報、および未来のスケジュール情報に対応する行動情報を含むのがよい。判定部268によって、過去のスケジュール情報および未来のスケジュール情報の両方が入力され、行動情報に変換されたかについて判定し(S214)、YESの場合のみ次のステップに進む。
【0047】
次いで、過去と未来のスケジュール情報に対応する各行動情報に基づいて、サプリメント基準情報決定部267によってサプリメント基準情報テーブル560を参照して、行動情報に基づいてサプリメント基準情報を決定する(S215)。サプリメント基準情報テーブル560に規定されるように、行動情報は、個体行動部位、および個体行動部位の行動強度を少なくとも含む。この場合のサプリメント基準情報は、個体行動部位に応じたサプリメント種別、および個体行動部位の行動強度に応じたサプリメント基準量を含む(先の例では、“目:中”に対し(ビタミンB2,***mg)が決定される。)。また、行動情報は、個体行動体勢、および個体行動体勢の行動強度を少なくとも含み、この場合のサプリメント基準情報は、個体行動体勢に応じたサプリメント種別、および個体行動体勢の行動強度に応じたサプリメント基準量を含む(先の例では、“座位:中”に対し(ビタミンC,25mg)が決定される。)。更に、行動情報は、個体行動内容、および個体行動内容の行動強度を少なくとも含み、この場合のサプリメント基準情報は、個体行動内容に応じたサプリメント種別、および個体行動内容の行動強度に応じたサプリメント基準量を含む(例えば、
図13の「個体行動内容」に関する例では、“飲酒:中”に対し(ビタミンB1,***mg)が決定される。)。
【0048】
上記S211乃至S215の処理が、テーブル参照を通じてサプリメント基準情報を「決定」するためのものであるのに対し、次のS216乃至S218の処理はサプリメント基準情報を加重等により「調整」するためのものである。
【0049】
具体的には、先ず、生体情報および/またはユーザ情報に基づいて、サプリメント基準情報を調整する(S216)。ここでは、サプリメント決定部269によってユーザ情報関連テーブル500,510等を参照してユーザ情報を取得し、該ユーザ情報に基づいてサプリメント基準情報を調整して、サプリメント供給装置が配合すべきサプリメント情報として決定する(詳細は後述)。そして、判定部268によってサプリメント基準情報が利用可能かを判定する(S217)。ここでは上記S205で受け取ったサプリメント供給可能情報と比較するのがよい。先に説明したように、サプリメント供給装置にどのカートリッジが搭載されているかは維持管理者の自由に委ねられ、任意選択である。この点、実際に供給可能なカートリッジ内のサプリメントが、決定済みのサプリメント基準情報に必ずしも対応しない場合がある。例えば、サプリメント種別に対応するカートリッジが搭載されていない場合や、搭載されていたとしても残量が不足する場合、特にカートリッジが空の場合である。このため、当該S217の判定処理が必要となる。なお、「NO」の場合は、スケジュール情報を再入力するか、または再度サプリメント基準情報を決定し直すのがよい。代替として、特にカートリッジが空の場合は、該当のサプリメントを供給しないよう設定してもよい。他方、「YES」の場合には、決定した配合すべきサプリメント情報をユーザ装置の表示部に表示して、最後にユーザに提示する(S218/
図17(e))。
【0050】
図20を参照して、上記S216において、サプリメント決定部269によりサプリメント基準情報を調整するステップについて更に詳細に説明する。最初に、上記S212での生体情報取得部263による生体情報の入力がある場合は、活動係数テーブル570を参照し、受け取った生体情報に基づく活動係数を決定する(S2161)。生体情報の受け取りは、生体センサや活動量計から直接実施してもよく、またはユーザ端末内にインストールされたヘルスケア・アプリケーションからインポートすることで実施してもよい。活動係数の一例として、取得した生体情報が歩数であり、その値が“9500歩”であった場合は、活動係数は“1.2”とスコア化される。当該スコアは、上記S215で決定したサプリメント基準情報が有する全てのサプリメント種別のサプリメント基準量に共通して乗算するのがよい。なお、本活動係数の決定ステップは必ずしも必須ではなく、任意の処理とすることができる。
【0051】
併せて、ユーザ情報テーブル500および属性係数テーブル580を参照して、サプリメント種別ごとに、予め登録されているユーザ情報に基づいて属性係数を決定する(S2162)。ユーザ情報は、ユーザ情報テーブル500で特定されるユーザの年齢および性別を含むのがよい。一例として、サプリメント種別がビタミンB1である場合に、ユーザが8歳の男性であれば、ビタミンB1の属性係数が“0.91”とスコア化される。当該スコアは、上記S215で決定したサプリメント基準情報が有する全てのサプリメント種別ごとに、個別に乗算するのがよい。更に、ユーザ履歴テーブル510および供給頻度係数テーブル575を参照して、ユーザ履歴テーブル510でカウントされる一日の供給回数を、供給頻度係数テーブル575を用いて履歴係数として決定する(S2163)。一例として、ユーザ履歴テーブル510を用いてカウントした結果、一日のサプリメント供給回数が4回(本日5回目)であった場合は、供給頻度係数テーブル575から履歴係数は“0.8”とスコア化される。当該スコアは、上記活動係数と同様に、上記S215で決定したサプリメント基準情報が有する全てのサプリメント種別のサプリメント基準量に共通して乗算するのがよい。
【0052】
上記でスコア化した活動係数、属性係数、および履歴係数を、サプリメント基準情報におけるサプリメント種別のサプリメント基準量に乗算することにより、サプリメント取得調整量が決定される。具体的には、サプリメント種別ごとに、
サプリメント取得調整量 = サプリメント基準量× 活動係数 × 属性係数 × 履歴係数の数式で計算することになる。以下にその具体例を示す。
【0053】
〔データ例〕
・ユーザ情報…年齢:39歳、性別:男性
・スケジュール情報…過去のスケジュール情報:デスクワーク、未来のスケジュール情報:筋トレ
・ユーザ履歴情報…本日5回目
・(生体情報:計測せず)
【0054】
上記のスケジュール情報の例では、過去のスケジュール“デスクワーク”は(座位:中、目:中)と変換され、そこから更に{(ビタミンC:25mg、ビタミンB2:0.3mg)と決定される。同様に、未来のスケジュール“筋トレ”は(成長・発育:強、筋力・瞬発力系:中)と変換され、そこから更に{(葉酸:0.09mg、ビタミンB6:0.5mg)}とサプリメント基準情報が決定される。また、上記のユーザ情報の39歳、男性の場合は、ビタミンC、ビタミンB2、葉酸、ビタミンB6に対応する属性係数は、それぞれ1.0、1.33、1.0、1.17である。更に、一日の供給回数が4回のときの履歴係数は“0.8”であるとする。
【0055】
〔サプリメント取得調整量の計算例〕
サプリメント取得調整量 ={ビタミンC:25mg×1.0×0.8、ビタミンB2:
0.3mg×1.33×0.8、葉酸:0.09mg×1.0×0.8、ビタミンB6:0.5mg×1.17×0.8}
と計算され、最終的に、サプリメント取得調整量として、{ビタミンC:20mg、ビタミンB2:0.32mg、葉酸:0.07mg、ビタミンB6:0.47mg}が決定される。
【0056】
図20に戻り、上記S2164でサプリメント取得調整量を決定した後、サプリメント耐容上限量テーブル590を更に参照して、サプリメント種別ごとに、そのユーザの一日の耐容許容量を決定する(S2165)。一例として、サプリメント種別がビタミンB6である場合に、ユーザが8歳の男性であれば、ビタミンB6の耐容許容量が“24mg”と決定される。引き続き、ユーザ履歴テーブル510を参照し、また、上記S2164で計算したサプリメント取得調整量を用いて、一日のサプリメント取得調整量の合計が当該耐容許容量(上限)を超過していないかについて判定する(S2166)。サプリメント種別ごとに、ユーザ履歴テーブル510からその日の摂取量を取り出して合算し、更に、上記S2164で計算したサプリメント取得調整量を加えることにより、一日のサプリメント取得調整量の合計を計算するのがよい。
【0057】
上記S2166の判定の結果がNOである場合、即ち、一日のサプリメント取得調整量が耐容許容量を超過することになる場合は、超過分を差し引いて、一日のサプリメント取得調整量=耐容許容量となるように、サプリメント取得調整量を減算により調整する(S2167)。そして、減算したサプリメント取得調整量を、配合すべきサプリメント情報における実際のサプリメント供給量として最終決定する(S2168)。他方、上記S2166の判定の結果がYESである場合は、計算したサプリメント取得調整量をそのまま、配合すべきサプリメント情報における実際のサプリメント供給量として最終決定する(S2168)。
【0058】
図21を参照して、配合すべきサプリメント情報の決定後におけるサプリメント供給のための処理について説明する。最初にユーザ装置のインタフェース部220は、ユーザのタッチ操作によるサプリメント供給指示を受ける(S221/
図17(f))。当該サプリメント供給指示に応じて、ユーザ装置の命令部226によって、サプリメント種別およびそのサプリメントの供給量を、サプリメント供給指示と共にサプリメント供給装置に命令する(S222)。この際、サプリメント種別は、カートリッジIDまたはサプリメントID等の識別コード(ID)を特定して、当該IDをサプリメント供給装置に戻すのがよい。また、サプリメントの供給量は、サプリメント供給装置の駆動部447におけるモータ回転数として算出した上で、サプリメント供給装置に指示するのがよい。
【0059】
サプリメント供給装置400は、ユーザ装置からサプリメント供給指示を受けると(S421)、それに応答して、命令部426によって、指示されたスロット部のカートリッジに対し、抽出・配合および供給処理の命令を発出する。これに応答して、サプリメント出力部445の駆動部447はモータを駆動させ、即ち、スロット部の識別コード(ID)に関連付けられたカートリッジを指示された回転数だけ回転させて、各カートリッジから、指示された量のサプリメントを抽出する(S422)。抽出されたサプリメントはそのまま配合される。そして、配合されたサプリメントは、サプリメント出力部445の吐出処理部448によって、吐出部48の上部に設けられた吐出口から出力され、外部の容器に供給される(S423)。
【0060】
供給が完了すると、サプリメント供給装置の利用履歴送信部428によって供給完了報告がユーザ装置に報告され、フィードバックされる(S424)。供給完了報告をユーザ装置200が受信すると(S223)、ユーザ装置の利用履歴登録部228によって、ユーザ利用履歴テーブル510にレコードが追加され、併せて、管理サーバ装置100にも利用履歴登録指示を行う(S224)。即ち、管理サーバ装置との間で当該利用履歴の同期を行う。これに応答して、管理サーバ装置のユーザ履歴管理部142は、管理サーバ装置内のユーザ利用履歴テーブル510にユーザ利用履歴を登録する(S121)。
【0061】
他の実施形態(スタンドアロン型サプリメント供給装置)
これまで説明してきた実施形態は、ユーザが摂取すべきサプリメントを決定するサプリメント配合支援処理を、ユーザ装置200を中心に、管理サーバ装置100やサプリメント供給装置400との相互対話を通じて実施するものであった。即ち、サプリメント配合支援ロジックを有するサプリメント配合支援部260がユーザ装置200に配置されることを想定したものである。先に説明したとおり、サプリメント配合支援部は、サーバ装置100に配置されて機能しても(160)、サプリメント供給装置400に配置されて機能して(460)もよい。
【0062】
特に、サプリメント供給装置400内でサプリメント配合支援部460が機能する場合は、ユーザ装置200がサプリメント供給装置400内に具備される実施形態となる。この点、サプリメント供給装置400はスタンドアロン装置として単体でオフライン利用可能となる。具体的には、サプリメント供給装置のインタフェース部が有するユーザ特定部430がユーザを特定さえできれば、あとは、ユーザ装置200で実施されるステップS205、S211乃至S218(S2161乃至S2168も含む。)、およびS221乃至S224をサプリメント供給装置400内で実施可能となる。(なお、ユーザの特定は、インタフェース部のユーザ特定部430によって実施可能である。)
【0063】
但し、オフラインでサプリメント供給装置400を使用する場合は、オンラインでなければ実施不可能な管理サーバ100への利用履歴登録ステップ(S224)が問題となる。当該問題に対しては、次のように対処するのがよい。
つまり、あるユーザがオフラインでサプリメント供給装置400を使用し、サプリメントを外部容器に吐き出した後、サプリメント供給装置400内にローカルにユーザ利用履歴を一時的に格納しておく。そして、その後に、サプリメント供給装置400が何れかのユーザ端末を通じてオンライン状態になった場合に、そのタイミングで、利用履歴送信部428によって、ネットワークを介してユーザ利用履歴を管理サーバ装置100に送信するのがよい。ここで、サプリメント供給装置400がオンライン状態になるとは、任意のユーザ端末200がサプリメント供給装置400と接続されることを意味する。つまり、任意のユーザ端末200であればよく、先にサプリメント供給装置400を利用して、供給を受けたユーザのユーザ端末である必要はない点に留意されたい。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施形態によるサプリメント配合支援方法、サプリメント供給システム、およびサプリメント供給装置によれば、ユーザ利用性の高い新たなサプリメント供給サービスを実現することができる。また、多種サプリメントを搭載したサプリメント供給装置に対し、ユーザに応じて栄養学的に裏付けられた適切なサプリメント配合を指示可能な配合ロジックを提供することができる。
【0065】
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。