(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細を説明する。
【0009】
1.防汚塗料組成物
本発明の防汚塗料組成物は、共重合体Aと、重合体Bと、可塑剤Cを含有する。
【0010】
1−1.共重合体A
共重合体Aは、単量体(a)と、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体である。共重合体Aは、単量体(a)〜(b)に由来する単量体単位を含む。
【0011】
<単量体(a)>
単量体(a)は、メタクリル酸トリオルガノシリル単量体であり、一般式(1)で表される。
【化1】
(式中、R
1はメチル基、R
2〜R
4はそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
【0012】
R
2〜R
4の炭素数3〜8の分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、テキシル基、シクロヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロヘキシルメチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。R2〜R4として好ましいものは、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、及び2−エチルヘキシル基である。特に好ましいものは、イソプロピル基、及び2−エチルヘキシル基である。
【0013】
単量体(a)としては、例えば、メタクリル酸トリイソプロピルシリル、メタクリル酸トリイソブチルシリル、メタクリル酸トリs−ブチルシリル、メタクリル酸トリイソペンチルシリル、メタクリル酸トリフェニルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルフェニルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルイソブチルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルs−ブチルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルイソペンチルシリル、メタクリル酸イソプロピルジイソブチルシリル、メタクリル酸イソプロピルジs−ブチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジイソプチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジイソペンチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルテキシルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルシクロヘキシルシリル、メタクリル酸トリシクロヘキシルシリル、メタクリル酸トリ1,1−ジメチルペンチルシリル、メタクリル酸トリ2,2−ジメチルプロピルシリル、メタクリル酸トリシクロヘキシルメチルシリル、メタクリル酸ジイソプロピルシクロヘキシルメチルシリル、メタクリル酸トリ2−エチルヘキシルシリル、メタクリル酸トリ2−プロピルペンチルシリル等が挙げられる。好ましくは、メタクリル酸トリイソプロピルシリル、メタクリル酸トリs−ブチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、メタクリル酸トリ2−エチルヘキシルシリル等が挙げられる。これらの単量体(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0014】
<単量体(b)>
単量体(b)は、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、芳香族化合物、二塩基酸のジアルキルエステル化合物等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又はメタアクリル酸エステルを意味する。
【0015】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸プロピレングリコールモノメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、及び(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
【0016】
ビニル化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等の官能基を有するビニル化合物が挙げられる。
【0017】
芳香族化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0018】
二塩基酸のジアルキルエステル化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル等が挙げられる。
【0019】
本発明においては、これら単量体(b)を単独又は二種以上で用いることができる。特に、単量体(b)としては、塗膜物性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に耐クラック性の観点から、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等がより好ましい。
【0020】
共重合体Aは、単量体(a)15〜35質量%及び単量体(b)65〜85質量%を共重合して得られるものであり、好ましくは単量体(a)が20質量%〜35質量%、更に好ましくは単量体(a)が25質量%〜35質量%である。単量体(a)の含有量は、具体的には例えば、15、20、25、30、35質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0021】
なお、単量体(b)には、単量体(a)以外のシリルエステル(アクリル酸シリルエステル、一般式(1)以外のメタクリル酸シリルエステル)が含まれていてもよい。その場合、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対する全シリルエステルの含有量は、例えば15〜50質量%であり、具体的には例えば、15、20、25、30、35、40、45、50質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、単量体(a)以外のシリルエステルの含有量は、単量体(a)の含有量よりも少ないことが好ましく、単量体(a)の含有量の1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。
【0022】
前記範囲内の共重合体Aを本発明の塗料組成物として使用した場合、特に低温海域での塗膜溶解性が良好となる。
【0023】
共重合体Aの重量平均分子量(Mw)は5000〜300000であることが望ましい。分子量が5000未満であれば、防汚塗料の塗膜が脆弱となり、剥離やクラックを起こし易く、また、300000を超えると、共重合体溶液の粘度が上昇し、取扱いが困難となるからである。このMwは、具体的には例えば、5000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0024】
Mwの測定方法としては、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)が挙げられる。
【0025】
共重合体Aは、単量体(a)と単量体(b)とのランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体のいずれの共重合体であってもよい。
【0026】
共重合体Aは、例えば、重合開始剤の存在下、単量体(a)及び単量体(b)を重合させることにより得ることができる。
【0027】
前記重合反応において使用される重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、ジベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオクトエート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。重合開始剤としては、特に、AIBN、ジベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオクトエート、及び、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ−トが好ましい。
重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、共重合体Aの分子量を調整することができる。
【0028】
重合方法としては、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、非水分散重合等が挙げられる。この中でも特に、簡便に、且つ、精度良く、共重合体Aを得ることができる点で、溶液重合、又は非水分散重合が好ましい。
【0029】
前記重合反応においては、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。この中でも特に、脂肪族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、ミネラルスピリット、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレンがより好ましい。これら溶媒については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0030】
重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜140℃であり、好ましくは80〜130℃である。
【0031】
重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
【0032】
1−2.重合体B
重合体Bは、共重合体A以外の(メタ)アクリル酸エステル重合体であり、重量平均分子量(Mw)が20000〜100000(GPC法)である。
【0033】
重合体Bは、1種類の単量体の単独重合体であってもよいが、複数種類の単量体の共重合体であることが好ましい。重合体Bを形成する単量体は、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸プロピレングリコールモノメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、及び(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
【0034】
この中でも特に、溶解性の観点からは、親水性官能基としてアルコキシ基、エポキシ基等のエーテル結合を含む、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が好ましい。
【0035】
また、上記単量体と重合可能な他の単量体は、ビニル化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。芳香族化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。二塩基酸のジアルキルエステル化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル等が挙げられる。また、その他のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレン、アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、製造コスト、原料入手容易性の観点から、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等が好ましい。
【0036】
重合方法、開始剤、溶媒、温度、その他の条件、Mwの測定方法等は、共重合体Aで既記の手法が適用できる。
【0037】
重合体Bの重量平均分子量は20000〜100000(GPC法)であり、好ましくは、20000〜60000(GPC法)であり、更に好ましくは20000〜50000(GPC法)である。このMwは、具体的には例えば、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0038】
重合体Bの重量平均分子量は、共重合体Aで既記のように、開始剤の種類や量、反応温度を適宜設定することにより調整可能である。
【0039】
重合体Bが前記範囲内、且つ共重合体Aと可塑剤を併用した場合、特に低温海域での耐クラック性、密着性が良好である。
【0040】
本発明の組成物中における重合体Bの含有量は特に制限されないが、共重合体Aとの含有割合が、固形分換算で、質量比(前記共重合体A/重合体B)、通常0.01〜15であり、好ましくは0.05〜10で、より好ましくは0.1〜5である。共重合体Aおよび重合体Bの含有量が前記範囲内にある時、本発明の塗料組成物からなる塗膜の低温海域での耐クラックと塗膜溶解性が良好となる効果が顕著に現れ、長期間、塗膜異常などを起こさず、安定した溶解性を発揮する塗膜を提供することができる。
【0041】
1−3.可塑剤C
可塑剤Cとして、例えば、
塩素化パラフィン、
亜麻仁油、エポキシ化亜麻仁油、大豆油、エポキシ化大豆油等の植物油系可塑剤、
フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソノニル、フタル酸ジイソデシル、2,5−フランジカルボン酸ジイソノニル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジ2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ2−エチルヘキシル等の芳香族ジエステル系、
トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル等の芳香族トリエステル系可塑剤、
ピロメリット酸テトラ2−エチルヘキシル等の芳香族テトラエステル系可塑剤、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジステアリル、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエポキシステアリル等の脂環式エステル系可塑剤、
コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ2−ブトキシエチル、アジピン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤、
クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ2−エチルヘキシル等のヒドロキシカルボン酸エステル系可塑剤、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジラウレート、モノオレイン、トリアセチン、トリブチリン、等の多価アルコールエーテル・エステル系可塑剤、
デカン酸デシル、酢酸ゲラニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソ吉草酸ベンジル、アセト酢酸ベンジル、n−オクタン酸 p−トリル、7,8−エポキシステアリン酸ベンジル、9,10−エポキシステアリン酸オクチル、ステアリン酸セチル、フェニル酢酸イソアミル、2−エチルヘキシルベンゾエート、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシラート、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールアセタート、テルピニルアセテート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、メンチルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルエチレート、イソボルニルステアレート、ジヒドロジャスモン酸メチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、フルフリルアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、エチル2−フランカルボキシレート、プロピオン酸テトラヒドロフルフリル、n−オクチル2−フランカルボキシレート、イソアミル2−フランカルボキシレート等のモノエステル系可塑剤、
リン酸トリメチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
ルトナールM40、ルトナールA25等のポリビニルアルキルエーテル系可塑剤、
ポリエステル系可塑剤、
樟脳、テルペンフェノール、t−ノニルペンタスルフィド等
が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
【0042】
この中でも、入手容易性の観点から塩素化パラフィン、植物油系、脂肪族エステル系、芳香族エステル系が好ましく、特に、低温海水中での耐クラック性の観点から、塩素化パラフィン、エポキシ化大豆油、フタル酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、テレフタル酸ジ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルがより好ましく、コストの点で、塩素化パラフィンが更に好ましい。
【0043】
本発明の組成物中における可塑剤の含有量は特に制限されないが、固形分換算で通常0.01質量%〜30質量%であり、塗料粘度及び塗膜硬度の観点から、好ましくは0.05質量%〜25質量%で、より好ましくは0.1質量%〜20質量%である。
【0044】
1−4.防汚薬剤
防汚薬剤としては、例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましく、亜酸化銅はグリセリン、ショ糖、ステアリン酸、ラウリン酸、リシチン、鉱物油などで表面処理されているものが、貯蔵時の長期安定性の点でより好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(一般名:Econea28)、4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(一般名:メデトミジン)等が挙げられる。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
【0045】
1−5.他の添加剤
さらに本発明の防汚塗料用樹脂には、必要に応じて、共重合体A及び重合体B以外の共重合体や樹脂成分、溶出調整剤、顔料、染料、消泡剤、脱水剤、揺変剤、有機溶剤等を添加して防汚塗料とすることができる
【0046】
共重合体A及び重合体B以外の共重合体や樹脂成分としては、例えば、共重合体A及び重合体B以外の(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、石油樹脂、金属含有樹脂、双極性イオン化合物含有樹脂、シリコーン樹脂、等が挙げられる。
溶出調整剤としては、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、シクロアルケニルカルボン酸、ビシクロアルケニルカルボン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、及びこれらの金属塩等の、モノカルボン酸及びその塩、又は前記脂環式炭化水素樹脂が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記ロジン誘導体としては、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等を例示できる。
前記脂環式炭化水素樹脂としては、市販品として、例えば、クイントン1500、1525L、1700(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
この中でもロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、又はこれらの金属塩が好ましい。
前記脱水剤としては、例えば、合成ゼオライト系吸着剤、オルソエステル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリケート類やイソシアネート類、カルボジイミド類、カルボジイミダゾール類等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
2.防汚塗料組成物の製造方法
本発明の防汚塗料組成物は、例えば、前記共重合体A、重合体B、可塑剤C及び他の添加剤等を含有する混合液を、分散機を用いて混合分散することにより製造できる。
前記混合液としては、共重合体及び防汚薬剤等の各種材料を溶媒に溶解または分散させたものであることが好ましい。
前記分散機としては、例えば、微粉砕機として使用できるものを好適に用いることができる。例えば、市販のホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等を使用することができる。また、撹拌機を備えた容器に混合分散用のガラスビーズ等を加えたものを用い、前記混合液を混合分散してもよい。
【0048】
3.防汚処理方法、防汚塗膜、および塗装物
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜700μm、好ましくは100〜600μmである。
【実施例】
【0049】
以下に、実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明は実施例等に限定されるものではない。
各製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。粘度は、25℃での測定値であり、B形粘度計により求めた値である。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム・・・ TSKgel SuperHZM−M 2本
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
溶離液・・・ THF
加熱残分は、JIS K 5601−1−2:1999(ISO 3251:1993)「塗料成分試験方法−加熱残分」に準拠して測定した値である。
【0050】
<共重合体溶液の製造例>
<製造例1(共重合体A溶液の製造_A−1)>
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えたフラスコに、キシレン260gを仕込み、窒素雰囲気下、85±5℃で攪拌しながら、メタクリル酸トリイソプロピルシリル175g、メタクリル酸メチル175g、アクリル酸n−ブチル25g、メタクリル酸イソブチル25g、アクリル酸2−メトキシエチル75g、メタクリル酸2−メトキシエチル25g、及び重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3gの混合液を2時間かけて滴下した。その後同温度で1時間攪拌を行った後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5gを1時間毎に5回添加して重合反応を完結した後、キシレン235gを添加し溶解させることにより、共重合体溶液A−1を得た。得られた共重合体溶液の粘度は560mPa・s(25℃)、加熱残分は49.6%、Mwは49,000であった。
【0051】
<製造例2〜8(共重合体A溶液の製造_A−2〜A−8)>
表1に示す有機溶剤、反応温度、単量体及び重合開始剤をそれぞれ記載量用いて、製造例1と同様の操作で重合を行い、共重合体溶液A−2〜A−8を得た。得られた各共重合体溶液の加熱残分、粘度、及び重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
<製造例9〜10(共重合体A及び重合体B以外の共重合体溶液の製造_E−1、E−2)>
表1に示す有機溶剤、反応温度、単量体及び重合開始剤をそれぞれ記載量用いて、製造例1と同様の操作で重合を行い、共重合体溶液E−1、E−2を得た。得られた各共重合体溶液の加熱残分、粘度、及び重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
<製造例11〜20(重合体B溶液の製造_B−1〜B−10)>
表2に示す有機溶剤、反応温度、単量体及び重合開始剤をそれぞれ記載量用いて、製造例1と同様の操作で重合を行い、重合体溶液B−1〜B−10を得た。得られた各重合体溶液の加熱残分、粘度、及び重量平均分子量を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
<製造例21(分散安定剤(シェル成分)の製造)>
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えたフラスコに、ミネラルスピリット450gを仕込み、窒素雰囲気下、95〜105℃で撹絆しながら、メタクリル酸n−ブチル500g、アクリル酸2−エチルヘキシル500g、及び重合開始剤であるt−ブチルパーオキシオクトエート3gの混合液を95〜105℃に保ちながら、3時間かけて滴下した。滴下後、95〜105℃に保ちながらt−ブチルパーオキシオクトエート2.5gを30分毎に2回添加後、更に2時間攪拌した後、ミネラルスピリット550gで希釈し、分散安定剤を得た。得られた重合体溶液の粘度は、660mPa・s(25℃)、加熱残分は50.2%、Mwは76,000であった。
【0056】
<製造例22(非水分散重合による重合体B溶液の製造_B−9)>
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えたフラスコに、分散安定剤(製造例21で製造したもの)133.4gを仕込み、窒素雰囲気下、100〜110℃で撹絆しながら、メタクリル酸メチル16g、アクリル酸エチル7.2g、メタクリル酸10.2g、及び重合開始剤であるナイパーBMT−K40(ベンゾイル/m−トルオイルパーオキサイドの40%キシレン溶液、日本油脂(株)製)
を0.8gの混合液を100〜110℃に保ちながら、3時間かけて滴下した。滴下後、100〜110℃に保ちながらナイパーBMT−K40を0.2g、30分毎に2回添加後、更に2時間攪拌した後、ミネラルスピリット32gで希釈し、B−9を得た。得られた重合体溶液の粘度は、980mPa・s(25℃)、加熱残分は50.4%、Mwは68,000であった。
【0057】
<製造例23(共重合体A及び重合体B以外の共重合体溶液の製造_E−3)>
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えたフラスコに、キシレン500gを仕込み、窒素雰囲気下、125〜130℃で撹絆しながら、メタクリル酸メチル50g、アクリル酸n−ブチル120g、アクリル酸2一メトキシエチルアクリレート330g、及び重合開始剤であるt−ブチルパーオキシオクトエート15g、連鎖移動剤であるノフマーMSD(日本油脂(株)製)1gの混合液を125〜130℃に保ちながら滴下した。滴下後、125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオキシオクトエート1gを1時間毎に3回添加後、更に2時間攪拌しE−3を得た。得られた共重合体溶液の粘度は、60mPa・s(25℃)、加熱残分は52.4%、Mwは9,500であった。
【0058】
<製造例24(ロジン亜鉛塩溶液の製造)>
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、中国産ガムロジン(WW)240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、固形分50%)を得た。得られた溶液の加熱残分は、50.4%であった。
【0059】
<製造例25(トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸溶液の製造)>
温度計、還流冷却器、及び撹拌機を備えたフラスコに、アロオシメン320g、メタクリル酸175g及びMEHQ0.17gを入れ、35〜45℃で24時間加熱攪拌した。その後、減圧下で未反応の原料を留去し、褐色粘調性のトリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸73gを得た。これにキシレンを加え、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸溶液(固形分50%)とした。
【0060】
<実施例1〜44及び比較例1〜8(塗料組成物の製造)>
表3〜表9に示す成分をこれらの表に示す割合(質量%)で配合し、直径1.5〜2.5mmのガラスビーズと混合分散することにより塗料組成物を製造した。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
実施例・比較例の塗料組成物について、以下に示す試験を行った。
【0069】
<試験例1(ロータリー試験)>
水槽の中央に直径515mm及び高さ440mmの回転ドラムを取付け、これをモーターで回転できるようにした。また、海水の温度を一定に保つための冷却装置、及び海水のpHを一定に保つためのpH自動コントローラーを取付けた。
試験板を下記の方法に従って作製した。
まず、チタン板(71×100×0.5mm)上に、防錆塗料(エポキシビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約100μmとなるよう塗布し乾燥させることにより防錆塗膜を形成した。その後、実施例及び比較例で得られた塗料組成物を、それぞれ前記防錆塗膜の上に、乾燥後の厚みが約500μmとなるよう塗布した。得られた塗布物を40℃で3日間乾燥させることにより、厚みが約500μmの乾燥塗膜を有する試験板を作製した。
作製した試験板のうちの一枚を上記装置の回転装置の回転ドラムに海水と接触するように固定して、20ノットの速度で回転ドラムを回転させた。その間、海水の温度を15℃、pHを8.0〜8.2に保ち、一週間毎に海水を入れ換えた。
各試験板の初期の膜厚と毎6ケ月後の残存膜厚をレーザーフォーカス変位計で測定し、その差から溶解した塗膜厚を計算することにより塗膜溶解量を求めた。塗膜溶解量は、1ヶ月あたりの塗膜溶解量(μm/月)で表した。
【0070】
<試験例2(塗膜物性試験>
ロータリー試験の12ヶ月後、24ヶ月後の試験板を乾燥後、各塗膜表面を肉眼観察し、塗膜の状態を評価した。評価は以下の方法で行った。
【0071】
◎ :全く異常のない場合
○ :塗膜表面全面積の1割未満、ヘアークラックが見られるもの
△ :塗膜表面全面積の1〜3割に、ヘアークラックが見られるもの
× :塗膜表面全面積の3割以上に、ヘアークラックが見られるもの
××:大きなクラック、ブリスター又はハガレ(塗膜の表面のみや端の一部が剥がれる事)、剥離(塗膜全体が剥がれて、試験塗膜が残っていない状態)などの塗膜に異常が見られるもの
【0072】
<試験結果>
試験例1および2により、共重合体A、重合体B、可塑剤Cの三つの成分を含有する防汚塗膜が、15℃の海水中で、24ヶ月塗膜異常などを起こすことなく、良好な塗膜溶解性を示す事が明らかになった(実施例1等より)。この効果は本特許の必須三成分の内、いずれの成分が欠けても失われ、塗膜溶解量が減少し、24ヶ月後には、大きなクラックやハガレなどの塗膜異常が起こった(比較例1〜3より)。
また、共重合体A中のトリオルガノシリル単量体成分割合が本発明の範囲を超えて、過剰に含まれた場合、共重合体Aと類似の構造であっても、溶解性が著しく低下することが判明した(比較例4、5より)。加えて、共重合体A中のトリオルガノシリル単量体成分割合が、本発明の範囲内であっても、メタクリル酸トリオルガノシリルの代替として、アクリル酸トリオルガノシリルを用いた場合、溶解性はあるものの、溶解安定性と耐クラック性が失われた(比較例6、7)。さらに、重合体Bと類似の(メタ)アクリルエステル共重合体であっても、Mwが小さい共重合体を重合体Bの代わりに使用した場合は、防汚塗膜が剥離するという不具合が発生した(比較例8)。
本発明の範囲内であれば、共重合体A、及び重合体Bは多様なモノマー組成が適用でき(表5及び表6)、また可塑剤についても種々の可塑剤が使用可能である事が分かる(表3より)。
また、共重合体A、重合体B、及び可塑剤を適切な量含有すれば、防汚薬剤や顔料成分、溶質調整剤成分などの配合量や種類を変更しても本効果を発揮できる事を見出した(表7〜表9より)。
【0073】
表3〜表9中の各成分の詳細は以下の通りである。
【0074】
<可塑剤>
塩素化パラフィン:商品名「Paraffin Chlorinated (Cl:40%)」(和光純薬工業(株)製)
トヨパラックスA50:商品名「トヨパラックスA50」(東ソー(株)製)
E−2000H:エポキシ化大豆油:商品名「サンソサイザー E−2000H」(新日本理化(株)製)
ルトナールA25:商品名「Lutonal(登録商標) A25」(BASF社製)
DINP:フタル酸ジイソノニル:商品名「フタル酸ジイソノニル」(和光純薬工業(株)製)
DINCH:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル:商品名「HEXAMOLL(登録商標) DINCH(登録商標)」(BASF社製)
DEHT:テレフタル酸ジ2−エチルヘキシル:商品名「Bis(2−ethylhexyl) terephthalate」(SIGMA−ALDRICH社製)
TOTM:トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル:商品名「Tris(2−ethylhexyl) Trimellitate」(東京化成(株)製)
ATBC:アセチルクエン酸トリブチル:商品名「Tributyl O−Acetylcitrate」(東京化成(株)製)
【0075】
<防汚薬剤>
亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ(株)製)
ロダン銅:商品名「チオシアン酸銅(I)」(SIGMA−ALDRICH製)
銅ピリチオン:商品名「カッパーオマジン」(アーチケミカル(株)製)
亜鉛ピリチオン:商品名「ジンクオマジン」(アーチケミカル(株)製)
Zineb:商品名「ジネブ」(SIGMA−ALDRICH製)
SeaNine:商品名「Sea Nine211」4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)イソチアゾリン(固形分30%キシレン溶液、ロームアンドハース社製)
Econia:商品名「Econea 028」2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(ヤンセンPMP製)
medetomidine:商品名「4−(1−(2,3−Dimethylphenyl)ethyl)−1H−imidazole」(和光純薬工業(株) 製)
【0076】
<溶出調整剤>
ロジン亜鉛塩溶液:製造例24で製造したものを使用
水添ロジン溶液:商品名「ハイペールCH」(荒川化学工業(株)製)の固形分50%キシレン溶液。
ロジン溶液:中国産ガムロジン(WW)の固形分50%キシレン溶液
NT−RMZ:水添ロジン亜鉛塩溶液:商品名「NT−RMZ」(日東化成(株)製)を使用。固形分65%。
トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸溶液:製造例25で製造したものを使用。
【0077】
<他の添加剤、溶剤>
ベンガラ:商品名「TODA COLOR EP−13D」(戸田ピグメント(株)製)
タルク:商品名「クラウンタルク3S」(松村産業(株)製)
酸化亜鉛:商品名「酸化亜鉛2」(正同化学(株)製)
酸化チタン:商品名「FR−41」(古河機械金属(株)製)
テトラエトキシシラン:商品名「Tetraethyl Orthosilicate」(東京化成(株)製)
無水石膏:商品名「D−1」(ノリタケカンパニーリミテド(株)製)
脂肪族アマイド系揺変剤:商品名「ディスパロンA603−20X」(楠本化成(株)製)
変性アルコール:商品名「クリンエース・ハイ」(今津薬品工業(株)製)
本発明によれば、共重合体Aと、重合体Bと、可塑剤Cを含有する防汚塗料組成物であって、前記共重合体Aは、単量体(a)と、前記単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体であり、前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、前記単量体(a)の含有量は、前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して15〜35質量%であり、前記重合体Bは、前記共重合体A以外の(メタ)アクリル酸エステル重合体であって、重量平均分子量が20000〜100000である、防汚塗料組成物が提供される。