(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記付属装置が前記本体に接続されていない場合、前記駆動源の最高回転数を第1回転数とし、前記付属装置が接続されている場合、前記最高回転数を前記第1回転数よりも低い第2回転数とすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の作業工具。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明による作業工具をコードレスタイプのハンマドリル1に適用した実施の形態について、
図1乃至
図9に基づき、以下に詳細に説明する。
【0038】
本実施の形態にかかるハンマドリル1は、その外郭をなす本体2を有する。
図1に示すように、ハンマドリル1の本体2の一端部(前端部)には、工具取付部10が設けられている。工具取付部10には、作業用途に応じて、ドリル刃等の先端工具14を取り付け可能である(
図2参照)。また、本体2の工具取付部10が設けられる一端部と反対側の他端部(後端部)には、作業者が把持するためのハンドル11が設けられており、ハンドル11には作業者が手動操作可能な操作部の一例としてのトリガスイッチ12が設けられている。なお、本体2には、作業用途に応じて、両手作業用にサイドハンドル(図示せず)を更に取り付けることも可能となっている。
【0039】
また、本体2には付属装置の一例としての集塵装置100が着脱自在に接続可能である(
図3参照)。つまり、ハンマドリル1は集塵装置100を本体2に接続した状態で使用することも、集塵装置100を本体2から取り外して、ハンマドリル1単体で使用することも可能な構成となっている。
【0040】
以下の説明において、
図1中の矢印で示された「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向と定義する。また、ハンマドリル1を後方から見た場合の左を左方向、右を右方向と定義する。
【0041】
図1に示すように、本体2のハンドル11の下部にはバッテリ装着部21が設けられている。バッテリ装着部21には、モータ3(後述)を駆動するための電源を供給するバッテリ15が着脱自在に装着される。具体的には、バッテリ15は、
図1において矢印Aで示されるように、本体2に対して前後方向においてバッテリ装着部21に対して着脱される。なお、本実施の形態においては、作業用途に応じて、出力18Vと36Vの2種類のバッテリ15をバッテリ装着部21に装着可能である。なお、本実施の形態において、バッテリ15は、複数の二次電池セルを有する電動工具用の電池パックである。
【0042】
作業者は、バッテリ15がバッテリ装着部21に装着された状態において、ハンドル11を把持し、工具取付部10に装着された先端工具14を被削材に当接させた状態でトリガスイッチ12を操作することで、ハンマドリル1をコードレスで駆動することができる。工具取付部10、および工具取付部10に装着された先端工具14は、本発明における「作業部」の一例である。
【0043】
本体2の左側面にはハンマドリル1の作業モードを切替える切替スイッチ13が設けられている。作業者が切替スイッチ13を操作することで、ハンマドリル1の動作モードを、回転打撃モード、打撃モード、回転モードのいずれかに切替えることが可能となっている。
【0044】
また、バッテリ装着部21は、電池接続端子部21A(
図6参照)を有している。電池接続端子部21Aは、本体2に対してバッテリ15が装着された状態で、バッテリ15と電気的に接続される図示せぬ複数の端子を有している。
【0045】
また、ハンドル11の内部には、トリガスイッチ12及び制御基板部7(後述)に電気的に接続されたスイッチ機構12Aが設けられている。スイッチ機構12Aは、トリガスイッチ12に対して引操作すなわち始動操作された場合(例えば、作業者の指によってトリガスイッチ12がハンドル11内に向けて押込まれた場合)、モータ3を始動させるための始動信号を制御基板部7に出力する。また、スイッチ機構12Aは、トリガスイッチ12に対する引操作が解除すなわち停止操作された場合(例えば、作業者がトリガスイッチ12から指を離して引操作を解除した場合)、始動信号の出力を停止する。
【0046】
図2に示すように、本体2の内部には、モータ3、スイッチング回路基板22、駆動伝達部4、打撃機構部5、往復運動変換部6、制御基板部7、照明部8、電力供給部9が収容されている。
【0047】
モータ3は駆動源の一例であり、本体2内の下部に収容されている。モータ3はハンマドリル1の駆動源としてのブラシレスモータであり、バッテリ装着部21に装着されたバッテリ15からの電力供給によって駆動可能に構成されている。モータ3は、その回転軸31が上下方向に延びるように配置されており、本体2に対して回転可能に支承されている。モータ3の回転軸31の上端部にはファン32が固定されている。
【0048】
スイッチング回路基板22は、底面視において円環形状をなす基板であって、モータ3を駆動するためのスイッチング回路22A(
図6参照)を有している。スイッチング回路基板22は、モータ3の下方に配置されており、底面視略中央に形成された上下方向に貫通する孔には、モータ3の回転軸31の下部が挿通されている。スイッチング回路22Aの詳細については、後述する。
【0049】
駆動伝達部4は、本体2内においてモータ3の上方に配置されている。駆動伝達部4は、前後方向に延在する中間軸41を有している。中間軸41は、本体2に対して回転可能に支承されている。中間軸41は複数のギアを介してモータ3の回転軸31と接続されており、モータ3の回転力を受けて回転可能である。
【0050】
打撃機構部5は、本体2内において駆動伝達部4の上方に配置されている。打撃機構部5は、シリンダ51と、ピストン52と、打撃子53と、中間子54とを有している。
【0051】
シリンダ51は、前後方向に延びる略円筒形状を有し、本体2の上部において、本体2に対して回転可能に支承されている。シリンダ51は、駆動伝達部4の中間軸41と係合可能であり、中間軸41と係合した場合に中間軸41の回転力を受けて回転可能に構成されている。シリンダ51の先端部(前端部)は、工具取付部10内に収容されている。
【0052】
ピストン52は、前後方向に延びる略円筒形状を有しており、シリンダ51内に摺動可能に配置されている。打撃子53は、ピストン52内に前後方向に摺動可能に配置されている。中間子54は、シリンダ51内において打撃子53の前方において前後方向に摺動可能に配置されている。打撃子53の前端は、中間子54の後端に当接可能であり、中間子54は、工具取付部10に取り付けられた先端工具14の後端に対して当接される。
【0053】
往復運動変換部6は、駆動伝達部4と打撃機構部5とを接続するように配置されている。往復運動変換部6は、アーム61を有している。アーム61は、中間軸41、シリンダ51と交差する方向に延びており、その上端部がピストン52の後端部と、その下端部が複数のボールを介して中間軸41の後方部分と接続されている。これにより、アーム61は、中間軸41を介して伝達されたモータ3の回転力を前後方向における直線的な往復運動に変換し、ピストン52へ伝達するよう構成されている。アーム61の往復運動によってピストン52がシリンダ51内において前後方向に往復運動する。ピストン52の往復運動によってシリンダ51内の空気が圧縮膨張されると、打撃子53が前後方向に往復運動する。打撃子53が往復運動すると、打撃子53の前端が中間子54の後端に当接し、中間子54を打撃する。中間子54が打撃されると、中間子54の前端が工具取付部10に取り付けられた先端工具14の後端を打撃する。このようにして、先端工具14に対して打撃力が付与される。
【0054】
モータ3の回転力(駆動力)は、駆動伝達部4と往復運動変換部6とが同時にあるいは選択的に駆動されることで、打撃機構部5に対して回転力、打撃力、あるいは回転打撃力として伝達される。これにより、ハンマドリル1の3つの動作モードが実現される。
【0055】
制御基板部7は、バッテリ装着部21の上方に配置されている。制御基板部7は、本体2の各種制御を行うよう構成された制御回路71(
図6参照)を有している。制御回路71は本発明の「制御部」の一例である。制御回路71の詳細については、後述する。
【0056】
照明部8は、本体2内においてモータ3の前下方に配置されている。照明部8の先端(前端部)は、本体2の前面から露出されるように配置される。本実施の形態においては、照明部8はLEDライトとして構成されている。照明部8は、制御基板部7と電気的に接続されており、制御基板部7によって点灯/消灯(作動/非作動)が制御される。照明部8は、点灯時、本体2に対して略前上方、つまり、先端工具14が被削材に対して作用する部分(作業箇所)に向けてLED光を照射可能に構成されている。照明部8は本発明の「補助手段」の一例であり、「照明手段」の一例である。
【0057】
本実施の形態において、ハンマドリル1が単独で用いられる場合、照明部8は制御基板部7によって点灯状態(作動状態)とされ、LED光が先端工具14の先端周辺の作業箇所に向けて照射される。これにより、作業者の作業時の視界が確保される。一方、本体2に対して集塵装置100が接続された状態においては、
図3に示されるように、集塵装置100は照明部8と先端工具14の間に位置する。つまり、接続された集塵装置100は照明部8のLED光の光路上、すなわちLED光を遮る位置に配置される。そのため、本実施の形態においては、本体2に集塵装置100が接続された場合、照明部8は制御基板部7によってLED光を照射しない消灯状態(非作動状態)となるよう制御される。詳細については、後述する。
【0058】
電力供給部9は、本体2内において照明部8の下方、本体2の前方下端部に設けられている。
図5に示されるように、電力供給部9は、本体側プラス端子91Aと、本体側マイナス端子91Bと、本体側信号端子91Cとを備えており、集塵装置100が本体2に接続された状態において、集塵装置100の集塵側端子部115(後述)と接続されるように構成されている。本体2の電力供給部9と集塵装置100の集塵側端子部115との接続により、電力供給部9を介した本体2からの集塵装置100への電力供給、及び、制御基板部7による集塵装置100に対する駆動制御が可能となる。
【0059】
また、本体2内には、加速度センサ23が設けられている(
図6参照)。加速度センサ23は、制御基板部7と電気的に接続されており、本体2の加速度を検出可能に構成されている。加速度センサ23は、本体2の加速度に応じた加速度信号を制御基板部7に出力する。
【0060】
図3に示されるように、集塵装置100は、上述の構成を有する本体2に着脱自在に接続される。集塵装置100は、ドリル刃等の先端工具14が被削材に対して回転・打撃を行うことで被削材から生じる粉塵を吸引し、収集するための装置である。集塵装置100を本体2に接続することで、ハンマドリル1による穿孔等の作業の作業効率の向上が見込まれる。なお、本実施の形態においては、集塵装置100は、ハンマドリル1の本体2に対して下方から接続される。
【0061】
次に、集塵装置100の構成について
図3乃至
図5を参照して説明する。
【0062】
図3及び
図4に示されるように、集塵装置100は、本体部110、スライダ部120、アダプタ部130を主に備えている。
【0063】
本体部110は、その外郭を形成するハウジング111を有している。ハウジング111内には、集塵装置100の駆動源である集塵用モータ112と、吸引した粉塵が回収される集塵ケース113とが収容されている。また、ハウジング111の後部には、集塵側端子部115が設けられている。
【0064】
集塵用モータ112は、ハウジング111の後部に配置されている。集塵用モータ112は、その回転軸112Aが前後方向に延びるように、ハウジング111に対して回転可能に支承されている。集塵用モータ112の回転軸112Aの前端部にはファン112Bが固定されている。集塵用モータ112が駆動され、ファン112Bが回転することで、集塵装置100の吸引力が生成される。集塵用モータ112は、本発明における「付属装置用モータ」の一例である。
【0065】
集塵側端子部115は、ハウジング111の後部において、その上面から上方に突出するように設けられている。
図5に示されているように、集塵側端子部115は、本体2の電力供給部9が有する3つの端子のそれぞれに対応する集塵側プラス端子116A、集塵側マイナス端子116B及び集塵側信号端子116Cを有している。
【0066】
集塵装置100がハンマドリル1の本体2に接続された時、集塵側プラス端子116Aは本体側プラス端子91Aに、集塵側マイナス端子116Bは本体側マイナス端子91Bに、集塵側信号端子116Cは本体側信号端子91Cに、受け入れられる。すなわち、集塵装置100が本体2に接続された状態において、集塵側プラス端子116Aと本体側プラス端子91Aとが接続され、集塵側マイナス端子116Bと本体側マイナス端子91Bとが接続され、集塵側信号端子116Cと本体側信号端子91Cとが接続され、本体2と集塵装置100とは電力供給部9及び集塵側端子部115を介して互いに電気的に接続される。
【0067】
集塵ケース113はハウジング111内において集塵用モータ112の前方に配置されている。集塵ケース113は本体部110(ハウジング111)に対して着脱可能であり、回収した粉塵が蓄積された段階でハウジング111から取り出すことで粉塵を廃棄することが可能となっている。集塵ケース113にはフィルタ114が設けられている。集塵ケース113が本体部110に対して装着された時、フィルタ114は集塵用モータ112の回転軸112Aの前端部に固定されたファン112Bと対向する位置に位置するよう構成されている。
【0068】
スライダ部120は、本体部110の前部において、前後方向にスライド移動可能に支持されている。スライダ部120の前後方向の移動は、ハウジング111の内部側壁に形成された図示されないガイド機構によってガイドされる。つまり、スライダ部120は、後方へ移動すると本体部110内に受け入れられ、前方へ移動すると本体部110から前方へ突出するよう構成されている。
図4に示すように、スライダ部120の内部は中空であり、その内部空間にはホース121が収容されている。ホース121はスライダ部120の前後方向のスライド移動に応じて前後方向に伸縮可能な構成である。ホース121の内部には、空間121aが画成されている。ホース121内の空間121aは、本体部110に装着された集塵ケース113の内部空間と連通している。
【0069】
アダプタ部130は、スライダ部120の前端部から上方へ延びるように設けられている。アダプタ部130は作業時に被削材に対して当接される部分である。アダプタ部130の先端には図示されない開口が形成されており、アダプタ部130内には当該開口と連通する空間130aが画成されている。空間130aは、スライダ部120のホース121内の空間121aと連通している。
【0070】
上記の構成の集塵装置100においては、アダプタ部130の先端に形成された図示されない開口から吸引された粉塵等は、アダプタ部130内の空間130a、スライダ部120のホース121内の空間121aを経由して、集塵ケース113まで運ばれ、集塵ケース113内に蓄積される。なお、集塵ケース113に設けられたフィルタ114が吸気中の粉塵を捕捉するため、吸引された粉塵は集塵用モータ112側へ移動することなく、確実に集塵ケース113内に蓄積される。フィルタ114により濾過された空気は、ファン112Bの近傍に形成される図示されない排気口から集塵装置100の外へ排出される。
【0071】
次に、
図6を参照しながら、ハンマドリル1及び集塵装置100の電気的構成について説明する。
図6は、ハンマドリル1及び集塵装置100の電気的構成を示すブロック図を含む回路図である。
【0072】
最初に、ハンマドリル1の電気的構成について説明する。
図6に示されているように、ハンマドリル1の本体2は、プラスライン24、GNDライン25、第1信号ライン26、及び、第2信号ライン27と、前述の電池接続端子部21A、電力供給部9、スイッチング回路22A、モータ3、制御回路71、スイッチ機構12A、加速度センサ23、及び、照明部8とを有している。
【0073】
プラスライン24、GNDライン25、及び、第1信号ライン26のそれぞれの一端は、電池接続端子部21Aと接続されており、それぞれの他端は、制御回路71に接続されている。バッテリ15がバッテリ装着部21に装着された状態において、プラスライン24とGNDライン25との間には、バッテリ15の電圧(本実施の形態においては、18V)が印加される。また、バッテリ15が電池保護信号を出力した場合、電池保護信号は第1信号ライン26を介して制御回路71に入力される。この場合、制御回路71は、モータ3を停止させる。
【0074】
第2信号ライン27は、電力供給部9の本体側信号端子91Cと制御回路71とを接続しており、本体側分圧抵抗27Aを有している。本体側分圧抵抗27Aは、第2信号ライン27上に設けられており、その一端は制御回路71に接続され、他端は本体側信号端子91Cに接続されている。また、第2信号ライン27上の本体側分圧抵抗27Aと本体側信号端子91Cとの間のノード27Bは、制御回路71に接続されている。第2信号ライン27は、本発明における「信号線」の一例である。また、本体側分圧抵抗27Aは、本発明における「本体側抵抗」の一例である。
【0075】
電力供給部9の本体側プラス端子91A、本体側マイナス端子91Bはそれぞれ、プラスライン24、GNDライン25に接続されている。
【0076】
スイッチング回路22Aは、バッテリ15の電力をモータ3に供給する回路であり、プラスライン24及びGNDライン25とモータ3との間に接続されている。スイッチング回路22Aは、図示せぬ6個のスイッチング素子を有している。本実施の形態において、6個のスイッチング素子は、6個のFETである。6個のFETは、3相ブリッジ形式に接続されており、各ゲートは制御回路71に接続され、各ドレイン又は各ソースは、モータ3に接続されている。6個のスイッチング素子FETは、制御回路71から出力される駆動信号(ゲート信号)に基づいて、モータ3の回転軸31を所定の回転方向に回転させるスイッチング動作を行う。
【0077】
制御回路71は、ハンマドリル1の本体制御を行う回路であり、本体制御に用いる処理プログラム、各種データに基づいて演算を行う中央処理装置(CPU)と、当該処理プログラム、各種データ、各種閾値等を記憶するための図示せぬROMと、データを一時記憶するための図示せぬRAMを有する記憶部と、時間を計測する計時部とを含んで構成されている。なお、本実施の形態において、制御回路71は、マイコンを含んで構成されている。
【0078】
制御回路71は、本体制御として、モータ3に対する駆動制御を行う。制御回路71は、モータ3に対する駆動制御において、図示せぬ回転位置検出回路から出力された回転位置信号に基づいて、6個のFETのうちの導通させるFETを交互に切換えるための駆動信号をスイッチング回路22Aに出力する。これにより、モータ3の回転軸31を所定の回転方向に回転させる。また、制御回路71は、モータ3に供給する電力を調整し、回転軸31の回転数を制御する。制御回路71は、回転数の制御として、モータ3の始動時から予め設定された所定の設定回転数となるまでの期間を制御し、且つ、当該所定の設定回転数となった後は当該所定の設定回転数を維持する定回転数制御を行う。なお、回転数の制御は、スイッチング回路22Aの所定の3個のFETを駆動するための(導通させるための)駆動信号をPWM駆動信号として出力することで行う(PWM制御)。さらに、制御回路71は、スイッチ機構12Aが出力する始動信号に基づいて、モータ3の始動/停止を制御する。
【0079】
また、制御回路71は、本体制御として、集塵装置100の本体2への接続の有無を検出(以下、接続検出と呼ぶ)し、当該検出結果に基づいて照明部8の作動/非作動(点灯/消灯)を制御する。接続検出の詳細については、後述する。さらに、制御回路71は、モータ3の駆動中に加速度センサ23により検出された本体2の加速度が所定の加速度閾値を超えた場合、モータ3の駆動を停止する。
【0080】
また、制御回路71は、集塵装置100が本体2に接続されている場合には、集塵用モータ112の駆動制御を行う。集塵用モータ112の駆動制御は、第2信号ライン27に集塵駆動信号を出力し、当該集塵駆動信号を本体側信号端子91C及び集塵側信号端子116Cを介して本体2に接続された集塵装置100に出力することで行う。集塵駆動信号は、本発明における「制御信号」の一例である。
【0081】
次に、集塵装置100の電気的構成について説明する。
図6に示されるように、集塵装置100は、前述した集塵用モータ112及び集塵側端子部115と、FET140と、集塵側分圧抵抗141とを有している。
【0082】
集塵用モータ112は、FET140を介して、集塵側端子部115の集塵側プラス端子116A及び集塵側マイナス端子116Bに接続されている。すなわち、集塵装置100が本体2に接続されている状態において、集塵用モータ112は、FET140を介して、本体2のプラスライン24及びGNDライン25に接続される。このため、FET140がON状態(集塵用モータ112への電力供給を許容する状態)となると、本体2に装着されたバッテリ15の電力が集塵用モータ112に供給され、集塵用モータ112が駆動される。一方、FET140がOFF状態(集塵用モータ112への電力供給を遮断する状態)となると、本体2に装着されたバッテリ15の電力が集塵用モータ112に供給されない状態となり、集塵用モータ112が停止する。FET140は、本発明における「スイッチ手段」の一例である。また、FET140のON状態は、本発明における「第1状態」の一例であり、OFF状態は、本発明における「第2状態」の一例である。
【0083】
また、FET140のゲートとソースとの間には、集塵側分圧抵抗141が接続されており、集塵側分圧抵抗141とFET140のゲートとの接続点142は、集塵側信号端子116Cに接続されている。すなわち、FET140のゲートは、集塵装置100が本体2に接続されている状態で、本体側信号端子91C及び集塵側信号端子116Cを介して制御回路71に接続される。本実施の形態においては、制御回路71が本体側信号端子91C及び集塵側信号端子116Cを介してFET140のゲートに集塵駆動信号を出力している間、FET140はON状態となり、集塵駆動信号が出力されていない間、OFF状態となる。集塵側分圧抵抗141は、本発明における「付属装置側抵抗」の一例である。
【0084】
ここで、制御回路71による接続検出について説明する。制御回路71は、第2信号ライン27上のノード27Bに現れる電圧(接続判定電圧)の値を用いて接続検出を行う。より詳細には、第2信号ライン27に集塵駆動信号を出力し、集塵駆動信号を出力している間のノード27Bに現れる電圧が所定の電圧閾値よりも高い場合には、本体2に集塵装置100が接続されていないと判断し、ノード27Bに現れる電圧が所定の電圧閾値よりも低い場合には、本体2に集塵装置100が接続されていると判断する。
【0085】
本実施の形態においては、集塵駆動信号は略5Vの電圧信号であり、本体2に集塵装置100が接続されていない状態において、集塵駆動信号(5V)が第2信号ライン27に出力された場合、ノード27Bに現れる電圧すなわち接続判定電圧は、略5Vである。一方、本体2に集塵装置100が接続された状態において、集塵駆動信号(5V)が第2信号ライン27に出力された場合、当該集塵駆動信号は、本体側分圧抵抗27Aと集塵側分圧抵抗141とによって分圧され、ノード27Bには、分圧電圧すなわち接続判定電圧として略4Vが現れるように、本体側分圧抵抗27Aと集塵側分圧抵抗141との抵抗比が設定されている。このため、本実施の形態においては、所定の電圧閾値として5Vと4Vとの間の値である4.5Vを用い、制御回路71は、集塵駆動信号を出力している間のノード27Bに現れる電圧が4.5V以上の場合には、本体2に集塵装置100が接続されていないと判断し、ノード27Bに現れる電圧が4.5Vよりも低い場合には、本体2に集塵装置100が接続されていると判断する。
【0086】
次に、制御回路71(制御基板部7)による本体制御について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
バッテリ装着部21にバッテリ15が装着されると、制御回路71に電力が供給され、制御回路71は本体制御を開始する。制御回路71は、本体制御を開始すると、トリガスイッチ12に対する始動操作(引操作)が行われたか否かを判断する(S101)。具体的には、制御回路71は、トリガスイッチ12に対して始動操作が行われたか否かを、スイッチ機構12Aからの始動信号の有無で判断する。
【0088】
制御回路71は、トリガスイッチ12に対して始動操作が行われていないと判断した場合(S101:NO)、再びS101の判断を行う。すなわち、制御回路71は、S101の判断を繰返しながら、トリガスイッチ12に対する始動操作が行われるまで待機する。一方、トリガスイッチ12に対して始動操作が行われたと判断した場合(S101:YES)、制御回路71は、集塵装置100を駆動するための集塵駆動信号を第2信号ライン27に出力する(S102)。
【0089】
次に、制御回路71は、第2信号ライン27上のノード27Bに現れる接続判定電圧を検出し(S103)、当該検出した接続判定電圧に基づいて集塵装置100が本体2に接続されているか否かを判断する(S104)。すなわち、制御回路71は、S103及びS104において、接続検出を行う。具体的には、制御回路71は、接続判定電圧の値が4.5V以上の場合、集塵装置100が本体2に接続されていないと判断し、接続判定電圧の値が4.5V未満の場合、集塵装置100が本体2に接続されていると判断する。なお、S103及びS104における接続検出の検出結果は、図示されない制御回路71の記憶部(RAM)に集塵装置100の接続の有無に関する接続検出情報として一次的に記憶される。
【0090】
制御回路71は、集塵装置100が本体2に接続されていないと判断すると(S104:NO)、集塵駆動信号の出力を停止する(S105)。すなわち、制御回路71は、接続検出のために集塵駆動信号を一旦出力し、集塵装置100が本体2に接続されていない場合は、集塵装置100を駆動するために集塵駆動信号の出力を継続する必要がないため、接続検出が終了した時点で、集塵駆動信号の出力を停止する。
【0091】
次に、制御回路71は、照明部8を点灯状態(作動状態)とする(S106)。照明部8のLEDライトが点灯すると、先端工具14によって作業が行われる作業箇所(先端工具の先端部近傍)がLED光で照らされる。
【0092】
照明部8を点灯状態とした後、制御回路71は、モータ3の駆動を開始する(S108)。
【0093】
一方、S104において、集塵装置100が本体2に接続されていると判断すると(S104:YES)、制御回路71は、S101においてトリガスイッチ12に対する始動操作が行われたと判断した時点(S101:YESの時点)から1秒が経過したか否かを判断する(S107)。
【0094】
トリガスイッチ12に対する始動操作時から1秒が経過していないと判断した場合(S107:NO)、再びS107の判断を行う。すなわち、制御回路71は、トリガスイッチ12に対する始動操作時から1秒が経過したと判断するまでS107の判断を繰返す。
【0095】
トリガスイッチ12に対する始動操作時から1秒が経過したと判断すると(S107:YES)、制御回路71は、モータ3の駆動を開始する(S108)。すなわち、制御回路71は、集塵装置100が本体2に接続されている場合には、接続されていない場合と比較して、モータ3の始動を1秒遅延させる処理を行うよう構成されている。これを始動遅延処理という。モータ3の駆動が開始されると先端工具14が駆動され、駆動状態の先端工具14が被削材に対して当接されることで、被削材に対する穿孔等の作業が実現される。
【0096】
モータ3の駆動開始後(S108)、制御回路71は、トリガスイッチ12に対する始動操作が解除されたか否かを判断する(S109)。始動操作の解除の判断は、スイッチ機構12Aからの始動信号の有無で判断する。具体的には、スイッチ機構12Aによる始動信号の出力が停止された時点で、制御回路71は、トリガスイッチ12に対する始動操作が解除されたと判断する。
【0097】
トリガスイッチ12に対する始動操作が解除されていないと判断した場合(S109:NO)、再びS109の判断を行う。すなわち、制御回路71は、S109の判断を繰返しながら、トリガスイッチ12に対する始動操作が解除されるまで、モータ3の駆動を継続させる。
【0098】
トリガスイッチ12に対する始動操作が解除されたと判断した場合(S109:YES)、制御回路71は、集塵装置100が本体2に接続されているか否かを判断する(S110)。つまり、S110において接続検出を行う。具体的には、S110で行われる接続検出にあたっては、S104において判定され、図示されない記憶部(RAM)に記憶されていた接続検出情報が参照される。つまり、制御回路71は、S104と同じ処理をS110において再び行うのではなく、S104において既に行われた接続検出結果を利用してS110において集塵装置100の接続の有無を判定する。
【0099】
集塵装置100が本体2に接続されていない場合(S110:NO)、制御回路71は、モータ3の駆動を停止させ(S111)、照明部8のLEDライトを消灯状態(非作動状態)とする(S112)。照明部8のLEDライトを消灯した後、制御回路71は、S101の判断を再び繰返しながら、作業者によるトリガスイッチ12に対する始動操作を待つ。
【0100】
一方、集塵装置100が本体2に接続されている場合(S110:YES)、制御回路71は、まず、S113においてモータ3の駆動を停止させる。
【0101】
モータ3の駆動を停止させた後、S114において、制御回路71は、S113においてモータ3の駆動が停止された時点から10秒が経過したか否かを判定する。制御回路71は、モータ3の駆動停止から10秒が経過していないと判断した場合(S114:NO)、10秒が経過するまでS114の判定を繰返す。
【0102】
モータ3の駆動停止から10秒が経過したと判断した場合(S114:YES)、S115において制御回路71は、S102以来出力を継続していた集塵駆動信号の出力を停止する。集塵駆動信号の出力が停止されると、集塵装置100のFET140がOFF状態となり、集塵用モータ112の駆動が停止される。こうして、集塵装置100の駆動が停止される。つまり、制御回路71は、本体2のモータ3の駆動を停止させた後に、集塵装置100の集塵用モータ112の駆動を停止させる処理を行うよう構成されている。これを、停止遅延処理という。集塵用モータ112の停止後、制御回路71は、S101の判断を再び繰返しながら、作業者によるトリガスイッチ12に対する始動操作を待つ。
【0103】
ここで、上述した制御回路71による本体制御におけるモータ3の駆動と各種信号との関係について、
図8、
図9のタイミングチャートを用いて説明する。
【0104】
まず、
図8を参照して、集塵装置100が本体2に接続されていない場合について説明する。
【0105】
時刻t1においてトリガスイッチ12に対する始動操作が行われると、モータ3の駆動が開始される。なお、時刻t1においては、制御回路71によって、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧(略5V)の検出、検出された接続判定電圧に基づく接続検出、集塵駆動信号の出力の停止が行われる。これは、
図7のフローチャートにおけるS101:YES〜S104:NO、S105、S108の処理に対応する。なお、時刻t1においては、照明部8のLEDライトも点灯状態とされる(
図7のフローチャートにおけるS106の処理に対応)。
【0106】
なお、本タイミングチャートにおいては、説明の便宜上、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧の検出、接続検出、集塵駆動信号の出力の停止、照明部8の点灯、モータ3の駆動がすべて時刻t1において行われるとしたが、実際の処理としては、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧の検出、接続検出、集塵駆動信号の出力の停止、照明部8の点灯、モータ3の駆動は、この順序で、ごく短い期間において行われる。
【0107】
時刻t1においてモータ3の駆動が開始されると、時刻t1から期間T1経過後の時刻t2でモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達する。
【0108】
このように、集塵装置100が本体2に接続されていない場合、制御回路71は、トリガスイッチ12に対する始動操作時から期間T1経過後にモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するようモータ3の駆動を制御する。言い換えれば、トリガスイッチ12に対する始動操作時からモータ3の回転数が設定回転数N1に到達するまでの所要期間(以下、到達所要期間と呼ぶ)は、期間T1である。
【0109】
時刻t2で回転数が所定の設定回転数N1に到達した後は、制御回路71による定回転数制御によって当該回転数が設定回転数N1に維持された状態で、モータ3の駆動が継続される。その後、トリガスイッチ12に対する始動操作の解除が時刻t3において行われると、この時点でモータ3の駆動が停止される。これは、
図7のフローチャートにおけるS109:YES、S110:NO、S111の処理に対応する。なお、照明部8のLEDライトも、トリガスイッチ12に対する始動操作が解除された時刻t3で消灯される(
図7のフローチャートにおけるS112に対応)。
【0110】
一方、
図9を参照して、集塵装置100が本体2に接続されている場合には、時刻t11においてトリガスイッチ12に対する始動操作が行われると、制御回路71によって集塵駆動信号が出力され、接続判定電圧として略4Vの電圧値が検出される。これは、
図7のフローチャートにおけるS101:YES〜S103の処理に対応する。
【0111】
集塵装置100が本体2に接続されているため、時刻t11から1秒後の時刻t12において、モータ3の駆動が開始される。これが、
図7のフローチャートにおけるS104:YES、S107、S108の処理に対応する。モータ3の駆動が開始されると、時刻t11から期間T2経過後の時刻t13でモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達する。
【0112】
このように、集塵装置100が本体2に接続されている場合、制御回路71は、トリガスイッチ12に対する始動操作時から期間T2経過後にモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するようモータ3の駆動を制御する。言い換えれば、集塵装置100が本体2に接続されている場合の到達所要期間は、期間T2である。
【0113】
なお、本実施の形態においては、モータ3の始動時からモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するまでの所要期間は、集塵装置100の本体2に対する接続の有無にかかわらず、同じである。つまり、
図8における所要期間(時刻t1から時刻t2までの期間)と
図9における所要期間(時刻t12から時刻t13までの期間)とは同じである。しかしながら、到達所要期間は、集塵装置100の本体2に対する接続の有無で異なる。これは、集塵装置100の接続時には始動遅延処理(S107)が行われるのに対し、非接続時には始動遅延処理が行われないためであり、始動遅延処理の行われる接続時の到達所要期間である期間T2は、非接続時の到達所要期間である期間T1よりも長い期間となる。期間T1は本発明における「第1期間」の一例であり、期間T2は本発明における「第2期間」の一例である。
【0114】
つまり、本実施の形態にかかる本体制御においては、モータ3始動後の制御はいずれの場合も同じように行われるが、トリガスイッチ12に対する始動操作が行われた時点を基準として捉えると、集塵装置100の接続時には、非接続時よりも遅れたタイミングでモータ3の回転数が設定回転数N1に到達されることになる。
【0115】
時刻t13でモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達した後、制御回路71による定回転数制御によって当該回転数が設定回転数N1に維持された状態で、モータ3の駆動が継続され、その後、時刻t14においてトリガスイッチ12に対する始動操作の解除が行われると、モータ3の駆動も停止される。これは、
図7のフローチャートにおけるS109:YES、S110:YES、S113の処理に対応する。
【0116】
時刻t14においてモータ3の駆動が停止された後も10秒間は集塵駆動信号が出力される(
図7のS114:NOの処理に対応)。つまり、時刻t14から10秒が経過した時刻t15において、集塵駆動信号の出力が停止される。これは、
図7のフローチャートにおけるS114:YES〜S115の停止遅延処理に対応する。なお、集塵駆動信号の出力停止に伴い、ノード27Bから制御回路71への接続判定電圧の出力も時刻t15において停止する。
【0117】
上述したように、本実施の形態にかかる本体制御においては、制御回路71は、接続判定電圧を参照して集塵装置100の本体2対する接続検出を行い、集塵装置100の接続の有無に応じて本体2の制御を変更可能に構成されている。つまり、本体2に集塵装置100が接続されている場合と接続されていない場合とで本体2の制御を適宜変更可能に構成されている。そのため、ハンマドリル1を単独で使用する場合、本体2に集塵装置100を接続して使用する場合、それぞれの場合に応じたハンマドリル1の好適な制御を実現することができ、作業効率の向上につながる。
【0118】
一般に、付属装置は軽量・安価且つ汎用的に開発されることが多い。そのため、付属装置に設定できる仕様にも制限があり、各作業工具に適応させるには限界がある。しかしながら、本実施の形態の本体制御によれば、集塵装置100が接続される本体2の制御回路71が行う本体制御を、集塵装置100の接続時と非接続時とで適宜変更可能に構成されているため、付属装置としての集塵装置100の構造上の汎用性を維持しつつ、集塵装置100が接続された状態におけるハンマドリル1の作業効率の向上を実現することができる。
【0119】
更に、本実施の形態においては、制御回路71は、集塵装置100の本体2に対する接続の有無に応じて、トリガスイッチ12に対する始動操作によって開始される作業において補助手段たる照明部8を作動状態とするか非作動状態とするかを制御する。つまり、当該作業中において、ハンマドリル1を単独で使用する場合、本体2に集塵装置100を接続して使用する場合、それぞれの場合に応じて、照明部8を作動させるか否かを適宜変更可能に構成されている。そのため、集塵装置100の接続の有無に応じて作業時の照明部8の作動状態を好適に制御することができ、作業効率を向上させることができる。
【0120】
具体的には、本実施の形態においては、制御回路71は、集塵装置100が本体2に接続されていない場合には照明部8を作業時において点灯状態(作動状態)とし、集塵装置100が本体2に接続されている場合には照明部8を作業時において消灯状態(非作動状態)とする。
【0121】
本実施の形態のように、本体2に接続された集塵装置100が作業部たる先端工具14の先端と照明部8との間に位置する構成の場合、集塵装置100が接続されている時に照明部8からLED光が照射されると、接続された集塵装置100によって当該LED光が遮られたり、意図されていない方向に反射されてしまう等、作業を行う上で不都合が生じることが考えられる。そこで、本実施の形態においては、集塵装置100を接続した状態での作業においては、作動させると作業効率を低下させてしまう可能性のある補助手段の一つである照明部8(照明手段)を消灯状態(非作動状態)とすることで、LED光に起因する不都合の発生を防止することができる。また、照明部8を消灯状態とすることで、電力消費量の抑制も実現される。
【0122】
また、ハンマドリル1単独での作業時には照明部8は点灯状態とされるため、作業者の作業時の視界を確保することができる。
【0123】
また、本実施の形態においては、制御回路71は、集塵装置100の本体2に対する接続の有無に応じて、モータ3に対する駆動制御も変更可能に構成されている。つまり、本体2に集塵装置100が接続されている場合と接続されていない場合とで、制御回路71は、モータ3に対する駆動制御を適宜変更することができる。
【0124】
そのため、ハンマドリル1を単独で使用する場合、本体2に集塵装置100を接続して使用する場合、それぞれの場合に応じた好適なモータ3の駆動制御を実現することができる。したがって、集塵装置100が本体2に接続された場合に集塵装置100と本体2とが好適に連携され、作業効率の向上につながる。
【0125】
なお、本発明における「本体の制御」とは、制御回路71(制御基板部7)によるモータ3の駆動制御だけでなく、上述のような補助手段の制御も含む概念である。
【0126】
更に、本実施の形態にかかる本体制御においては、制御回路71は、集塵装置100が接続されていない場合には、トリガスイッチ12に対する始動操作が行われた時から期間T1経過後にモータの回転数を設定回転数N1に到達させ、集塵装置100が接続されている場合には、トリガスイッチ12に対する始動操作時から期間T1よりも長い期間T2経過後に回転数を設定回転数N1に到達させる。
【0127】
付属装置として集塵装置が工具本体に接続される場合、通常、接続されてから集塵装置内に負圧が生成されるまでには多少のタイムラグが生じる。そのため、集塵装置の接続時と非接続時とでモータを同じように制御する構成の場合、集塵装置に十分な吸引力が生じる前にモータが始動され、作業が開始されてしまうことがある。しかしながら、本実施の形態においては、集塵装置100の接続時においてトリガスイッチ12に対する始動操作が行われてからモータ3の回転数が設定回転数N1に到達するまでにかかる期間T2が、集塵装置100の非接続時においてかかる期間T1よりも長くなるように設定されている。つまり、トリガスイッチ12に対する始動操作が行われた時点を基準とすると、集塵装置100の接続時には、非接続時よりも遅れて設定回転数N1に到達するよう構成されている。そのため、接続された集塵装置100が駆動され十分な負圧が生成されるタイミングとモータ3の回転数が設定回転数N1に到達するタイミングとを近づけることができる。そのため、集塵装置100が十分に駆動される前に本体2のモータ3が始動されてしまう事態の発生を抑えることができる。
【0128】
また、本実施の形態にかかる本体制御においては、トリガスイッチ12に対する始動操作が解除された場合、モータ3を停止させた後に集塵装置100を停止させるよう構成されている(停止遅延処理)。
【0129】
通常、モータ3により駆動される工具取付部10に支持される先端工具14は、モータ3が駆動停止された後も惰性によりしばらく駆動される。本実施の形態のように、本体2のモータ3が駆動停止した後に(本実施の形態では10秒後に)集塵装置100を停止させる構成とすることで、本体2に接続された集塵装置100は、モータ3の駆動が停止されてから先端工具14が完全に停止するまでの間に行われる作業によって生じる粉塵等も確実に処理することができる。
【0130】
また、モータ3と集塵装置100の集塵用モータ112とがほぼ同時に停止される構成の場合、吸引された粉塵等が集塵ケース113に回収される前に集塵装置100のホース121内の空間121aやアダプタ部130内の空間130a等に残存したままの状態で停止されてしまうことがある。しかしながら、本実施の形態のように、本体2のモータ3の駆動を停止した後に集塵装置100を停止させることで、集塵装置100内に残っていた粉塵までも確実に集塵ケース113内に回収することができる。
【0131】
更に、本実施の形態にかかるハンマドリル1は、本体2の加速度を検出する加速度センサ23を有し、制御回路71は、加速度センサ23により検出された加速度が所定の加速度閾値を超えた場合にモータ3の駆動を停止させるよう構成されている。
【0132】
このような構成によれば、モータ3により駆動される先端工具14が作業中にストールした等の理由により本体2の加速度が所定の加速度閾値を超えてしまった場合にモータ3の駆動が停止されるため、本体2に対して過重な負荷がかかることを抑制することができる。
【0133】
更に、本実施の形態においては、集塵装置100は、本体2と接続された状態で本体2からの電力供給により駆動する集塵用モータ112と、集塵用モータ112への電力供給を許容するON状態と電力供給を遮断するOFF状態との間で切替わるFET140と、を備え、本体2は集塵装置100と接続された状態でFET140と接続される第2信号ライン27を有し、制御回路71は、FET140をON状態とするための集塵駆動信号を第2信号ライン27を介してFET140に出力し、且つ、第2信号ライン27を用いて集塵装置100の本体2に対する接続検出を行う。
【0134】
つまり、FET140のON状態、OFF状態を切替える集塵駆動信号が出力される第2信号ライン27を集塵装置100の接続検出にも用いる構成であるため、当該接続検出のための信号線を第2信号ライン27以外に別途備える必要がない。このため、ハンマドリル1の製造に必要な部品点数を削減することができ、製造コストの抑制及び組立性の向上を図ることができる。
【0135】
更に、集塵装置100は、本体2と接続された状態で第2信号ライン27と接続される集塵側分圧抵抗141をさらに備えており、本体2の第2信号ライン27は、集塵装置100が本体2と接続された状態で、一端が制御回路71に接続され他端が集塵側分圧抵抗141に接続される本体側分圧抵抗27Aを有し、制御回路71は、集塵側分圧抵抗141と本体側分圧抵抗27Aとによって分圧された分圧値(ノード27Bに現れる電圧)を用いて、集塵装置100の本体2への接続検出を行う。
【0136】
このような構成によれば、簡易な回路構成によって、集塵装置100の本体2への接続の有無を検出するこができる。このため、製造コストの抑制及び組立性の向上をより図ることができる。
【0137】
また、本実施の形態においては、付属装置として、先端工具14によって作業が行われる作業箇所に負圧を生じさせる集塵装置100が本体2に対して着脱自在に接続される。
【0138】
このように付属装置として集塵装置100を接続することで、先端工具14による作業によって粉塵等が発生しても、集塵装置100が負圧を利用して生じた粉塵等を吸引・回収することができ、作業効率を向上させることできる。特に、作業工具が、本実施の形態のハンマドリル1のように先端工具14の作業によって粉塵等が多く発生する穿孔工具である場合、発生する粉塵等を吸引・回収可能な集塵装置100を付属装置として本体2に接続することで、特に作業効率を向上させることができる。
【0139】
以上、本実施の形態にかかる本体制御について説明したが、本発明の本体制御はこれに限定されない。次に、上記実施の形態の第1の変形例にかかる本体制御について、
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0140】
第1の変形例にかかる本体制御は、トリガスイッチ12に対する始動操作が行われてからモータ3を駆動させるまでの処理が上述した実施の形態にかかる本体制御とは異なる。
【0141】
具体的には、制御回路71は、本体制御を開始すると、まずトリガスイッチ12に対し始動操作が行われたか否かを判断する(S201)。トリガスイッチ12に対する始動操作が行われたと判断すると(S201:YES)、制御回路71は、第2信号ライン27に集塵駆動信号を出力し(S202)、接続判定電圧の検出を行う(S203)。次に、制御回路71は、S203で検出された接続判定電圧の値に基づき、集塵装置100の本体2に対する接続の有無を判断する接続検出を行う(S204)。ここまでのS201〜S204の処理は、上記実施の形態にかかる本体制御における
図7のフローチャートのS101〜S104までの処理と同じである。
【0142】
S204において集塵装置100が本体2に接続されていないと判断すると(S204:NO)、制御回路71は、集塵駆動信号の出力を停止する(S205)。
【0143】
次に、S206において、制御回路71は、モータ3の始動後、モータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するまでにかかる所要期間(設定回転数到達期間)を0.2秒に設定する。つまり、制御回路71は、モータ3の始動から0.2秒後にモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するよう、モータ3の駆動制御を行う。
【0144】
次に、制御回路71は照明部8を点灯状態とし(S207)、モータ3の駆動を開始する(S209)。本第1の変形例にかかる本体制御において、S209におけるモータ3の始動後に集塵装置100が接続されていない場合に行われるS210:YES、S211:NO〜S213の処理は、上記実施の形態にかかる本体制御における
図7のフローチャートのS109:YES、S110:NO〜S112までの処理と同じである。
【0145】
一方、制御回路71は、S204において集塵装置100が本体2に接続されていると判断すると(S204:YES)、モータ3の設定回転数到達期間を1秒に設定する(S208)。つまり、制御回路71は、モータ3の始動から1秒後にモータ3の回転数が所定の設定回転数N1に到達するよう、モータ3の駆動制御を行う。
【0146】
S208で設定回転数到達期間を1秒に設定した後、制御回路71は、モータ3の駆動を開始する(S209)。本第1の変形例にかかる本体制御において、S209におけるモータ3の始動後に集塵装置100が接続されている場合に行われるS210:YES、S211:YES〜S216の処理は、上記実施の形態にかかる本体制御における
図7のフローチャートのS109:YES、S110:YES〜S115までの処理と同じである。
【0147】
次に、集塵装置100が本体2に接続されている場合に、制御回路71によって行われる上述した本体制御におけるモータ3の駆動と各種信号との関係について、
図11のタイミングチャートを参照して説明する。
【0148】
時刻t21においてトリガスイッチ12に対し始動操作が行われると、モータ3の駆動が開始される。なお、時刻t21においては、制御回路71によって、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧(略4V)の検出、検出された接続判定電圧に基づく接続検出、モータ3の設定回転数到達期間(1秒)の設定が行われる。これが、
図10のフローチャートのS201:YES〜S204:YES、S208、S209の処理に対応する。この時、集塵装置100が接続されているため、照明部8のLEDライトは点灯されず、消灯状態のままである。
【0149】
なお、本タイミングチャートにおいても、説明の便宜上、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧の検出、接続検出、設定回転数到達期間の設定、モータ3の駆動がすべて時刻t21において行われるとしたが、実際の処理としては、集塵駆動信号の出力、接続判定電圧の検出、接続検出、設定回転数到達期間の設定、モータ3の駆動は、この順序で、ごく短い期間でおいて行われる。
【0150】
なお、第1の変形例にかかる本体制御においては、
図10のS208において設定された設定回転数到達期間に基づき、時刻t21から1秒後の時刻t22において、モータ3の回転数が設定回転数N1に到達する。つまり、本第1の変形例にかかる本体制御においては、集塵装置100が接続されている場合の到達所要期間(トリガスイッチ12に対する始動操作時からモータ3の回転数が設定回転数N1に到達するまでの期間)は、期間T3(時刻t21から時刻t22までの期間)である。
【0151】
第1の変形例にかかる本体制御においては、集塵装置100が本体2に接続されていない場合、モータ3の設定回転数到達期間は0.2秒に設定される(
図10:S206)。したがって、集塵装置100の接続時の到達所要期間である期間T3は、集塵装置100が接続されていない場合における到達所要期間よりも長くなる。つまり、本第1の変形例にかかる本体制御においても、集塵装置100が接続されている場合には、集塵装置100が接続されていない場合よりも遅延したタイミングで、モータ3の回転数が設定回転数N1に到達する。本第1の変形例における集塵装置100非接続時の到達所要期間は、本発明における「第1期間」の一例であり、期間T3は、本発明における「第2期間」の一例である。
【0152】
時刻t22で回転数が所定の設定回転数N1に到達した後は、制御回路71による定回転数制御によって当該回転数が設定回転数N1に維持された状態で、モータ3の駆動が継続される。
【0153】
その後、トリガスイッチ12に対する始動操作の解除が時刻t23において行われると、モータ3の駆動が停止される。これは、
図10のフローチャートにおけるS210:YES、S211:YES、S214の処理に対応する。
【0154】
時刻t23においてモータ3が駆動停止された後も、10秒間集塵駆動信号の出力が継続される(
図10のフローチャートのS215:NOの停止遅延処理に対応)。そして、モータ3が駆動停止された時刻t23から10秒後の時刻t24において、集塵駆動信号の出力が停止される。これは、
図10のフローチャートにおけるS215:YES〜S216の処理に対応する。集塵駆動信号の出力停止に伴い、ノード27Bからの接続判定電圧の出力も時刻t24において停止される。
【0155】
上述のように、第1の変形例にかかる本体制御においても、集塵装置100が接続されている場合にトリガスイッチ12に対する始動操作が行われてからモータ3の回転数が設定回転数N1になるまでにかかる到達所要期間である期間T3は、集塵装置100が接続されていない場合の到達所要期間より長くなる。そのため、接続された集塵装置100が十分に駆動されるタイミングとモータ3の回転数が設定回転数N1に到達するタイミングとを近づけることができる。したがって、集塵装置100が十分に駆動される前にモータ3が始動され作業が開始されてしまうことが抑制される。
【0156】
その他、上述した実施の形態にかかる本体制御と同じ作用効果が得られる。
【0157】
本発明による作業工具は、上述した実施の形態に限定されず、たとえば特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0158】
例えば、上述した実施の形態、第1の変形例、いずれの本体制御においても、モータ3の最高回転数は、集塵装置100の接続時も非接続時も同じ値、すなわち、設定回転数N1に設定されていた。しかしながら、集塵装置100の接続時、非接続時、それぞれの場合においてモータ3の最高回転数を異なるように構成してもよい。
【0159】
例えば、
図12は第2の変形例にかかる本体制御において、集塵装置100が本体2に接続されている場合に制御回路71によって行われる制御とモータ3の駆動との関係を示したタイミングチャートである。
【0160】
図12に示されるように、第2の変形例にかかる本体制御においては、集塵装置100が接続されている場合のモータ3の最高回転数は、設定回転数N1よりも低い設定回転数N2とされる。すなわち、集塵装置100接続時のモータ3の最高回転数は、集塵装置100非接続時のモータ3の最高回転数よりも低くなるように設定されてもよい。第2の変形例にかかる設定回転数N1は、本発明における「第1回転数」の一例であり、設定回転数N2は、本発明における「第2回転数」の一例である。
【0161】
このような構成によれば、先端工具14による作業によって発生する粉塵等の量を少なくすることができる。この構成は、作業時に多くの粉塵の発生が見込まれるような場合、あるいは付属装置として集塵装置100が本体2に接続される構成においては、特に有効である。言い換えれば、集塵装置100の集塵能力が同じでも、発生する粉塵等の量が少なくなることで集塵率を向上させることができる。
【0162】
なお、
図12は、第2の変形例にかかる本体制御を上述した実施の形態と組み合わせた場合を図示したものであるが、第2の変形例にかかる本体制御を第1の変形例にかかる本体制御と組み合わせてもよい。
【0163】
また、上述した実施の形態及び実施の形態にかかる第1の変形例においては、設定回転数は、予め設定された一つの値であったが、これに限られない。例えば、設定回転数を変更するためのダイヤルを備え、ダイヤルの操作量(操作位置)に対応した設定回転数が設定される構成であってもよい。さらに、当該ダイヤルの操作量に対応する設定回転数を、集塵装置100の接続時と非接続時とで異なる値としてもよい。例えば、集塵装置100の接続時における所定の操作量に対応する設定回転数を、非接続時における当該所定の操作量に対応する設定回転数よりも小さく設定してもよい。この場合、集塵装置100接続時のモータ3の最高回転数は、集塵装置100非接続時のモータ3の最高回転数よりも低くなるため、上述の第2の変形例における作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0164】
また、例えば、集塵装置100の非接続時には、設定回転数をダイヤルの操作量に比例させ操作量が最大の場合に設定回転数が最大となるように設定するが、集塵装置100の接続時には、ダイヤルの操作量が所定量以上の領域では設定回転数を増加させず一定とする構成であってもよい。この場合、ダイヤルの操作量が所定量以上の領域では、集塵装置100接続時のモータ3の最高回転数は、集塵装置100非接続時のモータ3の最高回転数よりも低くなるため、上述の第2の変形例における作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0165】
また、上述した実施の形態におけるスイッチ機構12Aは、トリガスイッチ12に対して始動操作が行われた場合、始動操作における引き量にかかわらず、制御回路71(制御基板部7)に一定の値の始動信号を出力したが、これに限られず、当該引き量に応じた値の始動信号を制御回路71に出力してもよい。この場合、制御回路71は、当該始動信号の値に応じて設定回転数を設定してもよい。
【0166】
また、上述した実施の形態においては、補助手段たる照明部8は、集塵装置100の接続時に消灯状態(非作動状態)とされ、集塵装置100の非接続時に点灯状態(作動状態)とされる構成であった。このように、付属装置の接続時に非作動状態とされ、非接続時に作動状態とされる補助手段としては、照明部8のような照明手段以外にも、例えば、本体2にかかる情報を表示するディスプレイも考えられる。
【0167】
また、上述の実施の形態とは逆に、補助手段は、付属装置の接続時には作動状態とされ、付属装置の非接続時には非作動状態とされてもよい。このような補助手段としては、例えば、付属装置の稼働状態や、メンテナンスの要否(集塵装置の場合は、集塵ケースが満杯状態にある、フィルタ交換の要否、等)を使用者に知らせる表示灯やディスプレイが工具本体に設けられる場合が考えられる。
【0168】
また、上述した実施の形態においては、補助手段たる照明部8は、集塵装置100の接続時に消灯状態(非作動状態)とされ、集塵装置100の非接続時に点灯状態(作動状態)とされる構成、すなわち、集塵装置100の接続/非接続に応じて、補助手段に供給する電力をオン/オフする構成であったが、これに限られない。例えば、集塵装置100の接続/非接続に応じて補助手段に供給する電力を変更する構成であってもよい。
【0169】
また、上述の実施の形態においては、照明部8(照明手段)は本体2にのみ設けられ、集塵装置100の接続時に消灯状態(非作動状態)とされたが、本体2だけでなく、本体2に接続される集塵装置100にも照明手段が設けられてもよい。この場合、集塵装置100が本体2に接続された時には集塵装置100の照明手段を点灯状態(作動状態)とし、且つ本体2の照明部8を消灯状態(非作動状態)とし、集塵装置100が接続されていない場合には本体2の照明部8のみを点灯状態(作動状態)とすればよい。
【0170】
なお、本実施の形態においては、ハンマドリル1を単独で使用する場合、トリガスイッチ12に対する始動操作に連動して照明部8のLEDライトが自動的に点灯される構成であったが、照明部8の点灯・消灯を作業者が適宜選択できる構成であってもよい。
【0171】
また、本実施の形態においては、集塵装置100の接続/非接続に応じて、モータ3、照明部8を例とする本体の制御が自動的に変更される構成であったが、ハンマドリル1の制御の変更の要否を作業者が適宜選択できる構成であってもよい。すなわち、作業者の選択によって、集塵装置100の接続時においても、ハンマドリル1を単独で使用する場合の挙動を維持することができる構成であってもよい。なお、この場合であっても、ハンマドリル1のトリガスイッチ12に連動して集塵装置100の駆動が開始される構成であるとよい。
【0172】
なお、本発明における照明手段の「消灯状態」とは、本実施の形態のように完全に消灯する場合と、完全に消灯はしないが、極小量の電力供給を受けて微かに点灯する場合の両方を含む。また、照明手段の「点灯状態」とは、本実施の形態のように点灯する場合と点滅する場合の両方を含む。
【0173】
また、上述した実施の形態においては、制御回路71は、加速度センサ23により検出された加速度が所定の加速度閾値を超えた場合にモータ3の駆動を停止させる構成であったが、制御回路71は、更に、集塵装置100の接続の有無に応じて当該加速度閾値を変更可能に構成されていてもよい。このように構成すれば、ハンマドリル1を単体で使用する場合、集塵装置100を本体2に接続して使用する場合、それぞれの場合に応じた好適な加速度閾値が設定されるため、本体2に対して過重な負荷がかかることをより好適に抑制することができる。
【0174】
また、本実施の形態においては、ハンマドリル1の電源としてバッテリ15(DC電源)が用いられたが、バッテリ15の代わりに、商用電源(AC電源)から電力供給を受ける構成であってもよい。
【0175】
また、本発明にかかる作業工具の本体に着脱自在に接続される付属装置は、本実施の形態のような被削材から発生した粉塵等を吸引する集塵装置に限定されない。例えば、被削材から発生した粉塵等を吹き飛ばす送風機能を有するブロワを付属装置として作業工具の本体に接続する構成でもよい。あるいは、ブロワ機能を有する集塵装置を付属装置として作業工具の本体に接続する構成でもよい。
【0176】
本実施の形態にかかるハンマドリル1は、先端工具14に打撃力と回転力を与えられるものであったが、打撃力だけを与えるものであってもよいし、回転力だけを与えるものであってもよい。また、先端工具14は、ねじ部材を締め付けるためのドライバビットでもよいし、コンクリート、石材等に穴あけ、ハツリを施すためのドリルビットでもよい。
【0177】
本実施の形態では作業工具としてハンマドリル1を例に説明したが、本発明はハンマドリル以外のモータで駆動される作業工具、例えば、電気ハンマ、電動ドリル、振動ドリル、ドライバドリル等の穿孔工具にも適用可能である。