(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記段階と、前記段階に関するトークスクリプトとが関連付けて格納された第1記憶部を参照し、前記段階推定部により推定された段階に関連付けられたトークスクリプトを取得するトークスクリプト取得部と、を備え、
前記提示部は、
前記トークスクリプト取得部で取得された前記トークスクリプトを提示することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
前記第1話者の感情と、前記第1話者への対応に関する情報とが関連付けて格納された第4記憶部を参照し、前記感情解析部での解析結果に応じて前記第1話者への対応に関する情報を取得する対応情報取得部、を備え、
前記提示部は、
前記対応情報取得部で取得された前記第1話者への対応に関する情報を提示することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、本発明をコールセンタに適用した例について説明しているが、本発明は、コールセンタに限られず適用可能である。
【0010】
[実施形態]
(情報処理システム1の構成)
図1に示すように、実施形態の情報処理システム1は、顧客CS(第1話者)の通話端末2Aから公衆網7を介して接続されるIP−PBX(Internet Protocol−Private Branch eXchange、IP回線対応構内交換機)装置6(以下、PBX装置6ともいう)がネットワーク8を介して、オペレータOP(第2話者)の通話端末2Bと接続し通話をする構成を有する。また、ネットワーク8には、オペレータ用端末3(以下、OP端末3ともいう)、スーパーバイザー用端末4(以下、SV端末4ともいう)及びサーバ5(情報処理装置)が通信可能に接続されている。なお、情報処理システム1が具備する通話端末2A,2B、OP端末3、SV端末4、サーバ5及びPBX装置6の数は任意である。
【0011】
(OP端末3の構成)
OP端末3は、オペレータOPが利用する端末であり、例えば、デスクトップ型PCやノート型PCなどである。
図2(a)に示すように、OP端末3は、通信IF300A、記憶装置300B、入力装置300C、表示装置300D及びCPU300Eを備える。
【0012】
通信IF300Aは、他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0013】
記憶装置300Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD(Solid State Drive))であり、例えば、情報処理プログラムや端末IDなどが記憶されている。なお、端末IDは、OP端末3を識別するための識別子である。OP端末3から送信する情報に端末IDを付与することで、サーバ5は、受信した情報がどのOP端末3から送信されたものであるかを判定することができる。なお、端末IDは、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなどを利用してもよく、サーバ5がOP端末3に対して付与するようにしてもよい。
【0014】
入力装置300Cは、例えば、キーボード、マウスなどの入力デバイスであるが、入力可能であれば、他の装置や機器(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0015】
表示装置300Dは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであるが、表示可能であれば他の装置や機器(例えば、CRT:Cathode Ray Tube)であってもよい。
【0016】
CPU300Eは、OP端末3を制御する。CPU300Eは、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0017】
本実施形態では、OP端末3が記憶装置300Bを備える構成となっているが、ネットワーク8を介して接続された他の装置(例えば、サーバ)が記憶装置300Bの全部又はその一部を備える構成であってもよい。この場合、OP端末3は、他の装置が備える記憶装置300Bを参照する。また、ネットワーク8を介して接続された他の装置から情報処理プログラムをダウンロード可能に構成されていてもよい。
【0018】
(OP端末3の機能構成)
図2(b)に示すように、OP端末3は、受信部301、記憶装置制御部302、入力受付部303、表示装置制御部304及び送信部305などの機能を有する。
【0019】
受信部301は、サーバ5から送信される情報を受信する。
【0020】
記憶装置制御部302は、記憶装置300Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部302は、記憶装置300Bを制御して情報の書き込みや読み出しを行う。
【0021】
入力受付部303は、オペレータOPによる入力装置300Cからの入力操作を受け付ける。
【0022】
表示装置制御部304は、表示装置300Dを制御する。
【0023】
送信部305は、入力受付部303で受け付けた入力操作の情報をサーバ5へと送信する。
【0024】
(SV端末4の構成)
SV端末4は、オペレータOPの管理者であるスーパーバイザーSVが利用する端末であり、携帯可能なタブレット型PCなどであることが好ましい。SV端末4を携帯可能なタブレット型PCとすることにより、スーパーバイザーSVは、SV端末4を持ち歩いてコールセンタ内を巡回することができ利便性に優れる。なお、SV端末4は、携帯可能であれば、タブレット型PC以外のデバイスであってもよい。
【0025】
図3(a)に示すように、SV端末4は、通信IF400A、記憶装置400B、入力装置400C、表示装置400D及びCPU400Eを備える。
【0026】
通信IF400Aは、他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0027】
記憶装置400Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD(Solid State Drive))であり、例えば、情報処理プログラムや端末IDなどが記憶されている。なお、端末IDは、SV端末4を識別するための識別子である。SV端末4から送信する情報に端末IDを付与することで、サーバ5は、受信した情報がどのSV端末4から送信されたものであるかを判定することができる。なお、端末IDは、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなどを利用してもよく、サーバ5がSV端末4に対して付与するようにしてもよい。
【0028】
入力装置400Cは、例えば、タッチパネルなどの入力デバイスであるが、入力可能であれば、他の装置や機器(例えば、キーボード)であってもよい。
【0029】
表示装置400Dは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであるが、表示可能であれば他の装置や機器であってもよい。
【0030】
CPU400Eは、SV端末4を制御する。CPU400Eは、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0031】
本実施形態では、SV端末4が記憶装置400Bを備える構成となっているが、ネットワーク8を介して接続された他の装置(例えば、サーバ)が記憶装置400Bの全部又はその一部を備える構成であってもよい。この場合、SV端末4は、他のサーバが備える記憶装置400Bを参照する。また、ネットワーク8を介して接続された他のサーバから情報処理プログラムをダウンロード可能に構成されていてもよい。
【0032】
(SV端末4の機能構成)
図3(b)に示すように、SV端末4は、受信部401、記憶装置制御部402、入力受付部403、表示装置制御部404及び送信部405などの機能を有する。
【0033】
受信部401は、サーバ5から送信される情報を受信する。
【0034】
記憶装置制御部402は、記憶装置400Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部302は、記憶装置400Bを制御して情報の書き込みや読み出しを行う。
【0035】
入力受付部403は、入力装置400Cによる入力操作を受け付ける。
【0036】
表示装置制御部404は、表示装置400Dを制御する。
【0037】
送信部405は、入力受付部403で受け付けた入力操作の情報をサーバ5へと送信する。
【0038】
(サーバ5の構成)
図4(a)に示すように、サーバ5は、通信IF500A、記憶装置500B、CPU500Cを備える。
【0039】
通信IF500Aは、他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0040】
記憶装置500Bは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD(Solid State Drive))であり、各種データベース(以下、DBともいう)や情報処理プログラムなどが記憶されている。なお、記憶装置500Bは、情報(データ)の書き込み、読み出しが可能であれば、他の装置や機器であってもよい。なお、本実施形態では、サーバ5が記憶装置500Bを備えているが、コンピュータ読み取り可能な外部記憶媒体(例えば、USBメモリや外付けHDD)に格納されていてもよいし、ネットワーク8を介して他のコンピュータやサーバなどから読出可能及び/又は書込可能に構成されていてもよい。
【0041】
(記憶装置)
記憶装置500Bには、第1DBから第6DBが格納されている。以下、各DBに記憶されている情報について説明する。なお、本実施形態では、記憶装置500Bに第1DBから第6DBが格納された構成となっているが、必ずしもDB構造として記憶装置500Bに格納されている必要はない。
【0042】
(第1DB(第1記憶部))
第1DBには、オペレータOPによる顧客CSへの対応の段階(トークフェーズ、例えば、セールス、オープニング、オファー、リバトル、クロージングなど)と、該段階に関するトークスクリプトとが関連付けて格納されている。ここで、トークスクリプトは、コールセンタでのアウトバウンド営業やインバウンド営業において商品や契約内容についての説明文言であり、段階(トークフェース)ごとに説明文言が関連付けて記憶されている。
【0043】
(第2DB)
第2DB(第2記憶部)には、オペレータOPへの助言が格納されている。本実施形態では、助言は事例集として、第2DBに格納されており、事例(例えば、顧客が怒っている、クレームを延々と話す、など)ごとに顧客CSへの対応方法が助言として対応づけて第2DBに格納されている。なお、助言は、テキストに限らず、画像や動画などとして第2DBに格納されていてもよい。
【0044】
(第3DB)
第3DB(第3記憶部)には、後述の受信部501(第1受付部)で受け付けられた資料の情報が、顧客CSの識別情報(ID)に関連付けて格納されている。ここで、資料は、顧客CSへの対応に必要となる資料であり、例えば、商品の仕様書などである。なお、第3DBに格納された資料は必要に応じて読み出し、OP端末3の表示装置300Dに表示することができる。
【0045】
(第4DB)
第4DBには、オペレータOPと感情を解析するための情報が格納されている。具体的には、第4DBには、感情(例えば、「平常」「喜び」「怒り」)ごとの音響特性(声の高低、話す速さ、声の大小、抑揚などの特性)を学習したモデルが格納されている。なお、上記「平常」「喜び」「怒り」だけに限られず、「哀しみ」「楽しみ」などの感情を加えても良いし、さらに細分化して「信頼」「心配」「驚き」「嫌悪感」「関心」などの感情を加え、音響特性と対応づけて第4DBに格納するようにしてもよい。細かな感情の機微にも対応することができ、より精度の高い解析を行うことができる。このように感情ごとの音響特性を学習したモデルを第4DBに格納することにより、第4DBを参照することで、オペレータOP及び顧客CSの両者がどのような感情であるかを解析することができる。
【0046】
(第5DB)
第5DBには、音声信号の波形から音声をテキスト化するための情報が格納されている。具体的には、第5DBには、音声信号の波形と周波数特性といった音響特徴量と言葉とが対応付けて格納されている。第5DBを参照することにより、音声信号の波形と周波数特性といった音響特徴量から音声をテキスト化することができる。
【0047】
(第6DB)
第6DBには、オペレータOP及び顧客CSの感情の共感度の推移パタン(以下、単に感情の推移パタンともいう)が格納されている。例えば、成約率が所定値(例えば、平均値)よりも高い、クロージングまでの時間が所定時間よりも短い、冒頭突破率が所定値(例えば、平均値)よりも高い、などである。また、感情の共感度とは、オペレータOP及び顧客CSの感情がどれだけ一致しているか(一致率)を示す指標であり、オペレータOP及び顧客CSの感情(例えば、喜怒哀楽など)が一致(シンクロ)しているかにより共感度が決定される。オペレータOP及び顧客CSの感情(例えば、喜怒哀楽など)が一致している割合が高いほど感情の共感度が高く、オペレータOP及び顧客CSの感情が一致している割合が低いほど感情の共感度が低い。ここで、第6DBには、段階(トークフェーズ、例えば、セールス、オープニング、オファー、リバトル、クロージングなど)に応じてオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンが格納されている。これにより、後述の評価部512において、オペレータOPによる顧客CSへの対応の評価を、段階に応じて異なる基準で行うことができ、精度の高い適切な評価を行うことができる。
【0048】
CPU500Cは、サーバ5を制御する。CPU500Cは、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。
【0049】
(サーバ5の機能構成)
図4(b)に示すように、サーバ5は、受信部501(第1,第2受付部)、音声情報取得部502、音響特徴抽出部503、感情解析部504、テキスト生成部505、段階推定部506、感情パタン特定部507、トークスクリプト取得部508、会話速度計測部509、状況判定部510、助言取得部511、評価部512、記憶装置制御部513、提示部514、送信部515などの機能を有する。
【0050】
受信部501は、通話端末2Bから送信される情報(例えば、オペレータOPの音声信号など)、SV端末4から送信される情報及びPBX装置6を介して通話端末2Aから送信される情報(例えば、顧客CSの音声信号など)を受信する。また、受信部501は、SV端末4から送信されたオペレータOPの評価に関する情報を受信する(受け付ける)。また、受信部501は、顧客CSへの対応に必要となる資料の格納操作を受信する(受け付ける)。
【0051】
音声情報取得部502は、通話端末2A及び通話端末2Bから送信される顧客CS及びオペレータOPの音声信号を取得する。
【0052】
音響特徴抽出部503は、音声情報取得部502で取得された音声信号からオペレータOP及び顧客CSの音響特徴を抽出する。ここで、音響特徴とは、例えば、音声の高さ(音声の周波数)、大きさ(音声の振幅)、波形などである。音響特徴抽出部503は、通話端末2Aと通話端末2Bとの通話状態が継続する間、オペレータOP及び顧客CSそれぞれの音声信号から音響特徴を抽出する。
【0053】
感情解析部504は、音響特徴抽出部503により抽出されたオペレータOPの音響特徴からオペレータOPの感情を解析する。また、感情解析部504は、音響特徴抽出部503により抽出された顧客CSの音響特徴から顧客CSの感情を解析する。具体的には、感情解析部504は、第4DBに格納されている音響特徴と感情との関係を参照することで、オペレータOP及び顧客CSの感情を解析する。なお、本実施形態では、感情解析部504は、オペレータOP及び顧客CSの感情を感情値(推定された感情の度合い(大きさ)を表す数値)として算出する。つまり、感情値の時系列のデータが感情の推移パタンとなる。換言すると、感情値は、感情の推移パタンの一部であり、感情の推移パタンからある一時点の値を抽出したものが感情値となる。また、感情解析部504は、解析したオペレータOP及び顧客CSの感情から両者の感情の共感度を算出する。
【0054】
テキスト生成部505は、第5DBを参照し、オペレータOP及び顧客CSの音声信号から会話内容をテキスト化する。
【0055】
段階推定部506は、テキスト生成部505で生成されたテキストデータに含まれるキーワードに基づいて、オペレータOPによる顧客CSへの対応がどの段階(トークフェーズ、例えば、セールス、オープニング、オファー、リバトル、クロージングなど)にあるかを推定する。例えば、段階推定部506は、テキスト生成部505で生成されたテキストデータに対して形態素解析を行い、テキストデータに含まれるキーワードを抽出する。そして、抽出したキーワードがどの段階に対応づけられているかに基づいて、オペレータOPによる顧客CSへの対応がどの段階(トークフェーズ)であるかを推定する。このように、抽出したキーワードがどの段階に対応づけられているかに基づいて、オペレータOPによる顧客CSへの対応がどの段階(トークフェーズ)であるかを推定する場合、キーワードと段階とを対応付けたデータベースを備えるようにしてもよいし、前記データベースを参照するようにしてもよい。
【0056】
感情パタン特定部507は、第6DBに格納されている1以上の感情の推移パタンのうち、どの感情の推移パタンと比較するかを特定する。具体的には、感情パタン特定部507は、第6DBに格納されている1以上の感情の推移パタンのうち、段階推定部506で推定された段階に応じて第6DBに格納されているオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを比較対象として特定する。
【0057】
本実施形態では、段階推定部506で推定された段階に応じて、オペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを第6DBに格納しているが、オペレータOPの分類結果(カテゴリ)、顧客CSの分類結果(カテゴリ)、会話日、会話時間帯、電話回数、進捗状況、などのさらに細分化されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを第6DBに格納するようにしてもよい。この場合、感情パタン特定部507は、感情解析部504で感情を解析しているオペレータOPの分類結果(カテゴリ)、顧客CSの分類結果(カテゴリ)、会話日、会話時間帯、電話回数、進捗状況、などが一致又は類似する感情の推移パタンを特定する。
【0058】
なお、最も類似する感情の推移パタンを特定する場合、どのようにして最も類似する感情の推移パタンを特定するかは任意である。例えば、オペレータOP及び顧客CSそれぞれに対して、カテゴリ、会話日、会話時間帯、電話回数、進捗状況などの各項目をデータとしたクラスタ分析を行い、各クラスタ間の距離として類似度を算出し、最も類似度の値の高い感情の推移パタンを比較用の感情の推移パタンとしてもよい。
【0059】
ここで、ある項目が特定のクラスタ内に含まれることを「属性一致」と呼ぶ。属性一致しない場合は、クラスタの中心からの距離を類似度(ここでは「属性類似度」と呼ぶ)として算出する。それぞれのデータ(オペレータOP、顧客CSのカテゴリ、会話日、会話時間帯、電話回数、進捗状況など)がそれぞれのクラスタすべてで一致した場合を「一致」するとし、一つでも一致しないクラスタがあった場合は、属性一致していないクラスタの属性類似度が最大となるクラスタを「最も類似する」とする。なお、それぞれのクラスタの距離の判定の際に重み付けを設定し、属性類似度を調整しても良い。また、属性クラスクラスタ分析は、種々の既知の手法、短距離法、群平均法などを利用し、クラスタとの距離は種々の既知の手法を利用して算出することができる。例えば、ユークリッド距離、コサイン距離、ハミング距離などを利用することができる。
【0060】
トークスクリプト取得部508は、第1DBを参照し、段階推定部506により推定された段階に関連付けられたトークスクリプトを取得する。
【0061】
会話速度計測部509は、音声情報取得部502で取得される顧客CSの音声信号に基づいて、顧客CSの会話速度を計測する。
【0062】
状況判定部510は、顧客CSとオペレータOPとの会話内容から、オペレータOPと顧客CSとの状況がどのような状態であるかを判定する。より具体的には、状況判定部510は、テキスト生成部505でテキスト化された会話内容に基づいて、オペレータOPと顧客CSとの状況が、第2DBに格納されている事例のいずれかに該当するか否かを判定する。例えば、状況判定部510は、テキスト生成部505で生成されたテキストデータに対して形態素解析を行い、第2DBに格納されている事例に含まれるキーワードがテキストデータに出現する回数(以下、出現回数ともいう)により、オペレータOPと顧客CSとの状況が、第2DBに格納されている事例のいずれかに該当するか否かを判定するようにしてもよい。具体例として、状況判定部510は、第2DBに格納されている事例に含まれるキーワード(例えば、返金、返品、賠償、損害など)の出現回数により、オペレータOPと顧客CSとの状況が、第2DBに格納されている事例(例えば、顧客CSがクレームを延々と話す)に該当するか否かを判定するようにしてもよい。なお、状況は、上記具体例だけに限られないのはもちろんである。
【0063】
助言取得部511は、第2DBを参照し、状況判定部510での判定結果に応じてオペレータOPへの助言を取得する。具体的には、助言取得部511は、状況判定部510で判定された事例に応じた助言を取得する。
【0064】
評価部512は、感情パタン特定部507により特定された感情の推移パタンと、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンとを比較して、オペレータOPによる顧客CSへの対応を評価(良い、悪いなど)する。例えば、評価部512は、感情パタン特定部507により特定された感情の推移パタンと、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンとの乖離が所定未満である場合、評価を「良(GOOD)」とし、乖離が所定以上である場合、評価を「悪(BAD)」としてもよい。なお、推移パタンの乖離による評価は、あくまで一例であり、評価部512での評価手法については、他の評価手法を採用してもよい。
【0065】
記憶装置制御部513は、記憶装置500Bを制御する。具体的には、記憶装置制御部513は、記憶装置500Bを制御して記憶装置500Bに格納されている第1DB〜第6DBの情報の書き込みや読み出しを行う。
【0066】
提示部514は、評価部512での評価結果を提示する。具体的には、提示部514は、以下の情報をOP端末3やSV端末4へ提示する。
(1)評価部512での評価結果の情報
(2)評価部512での評価結果に応じて文字情報及び/又は評価結果に応じて表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像の情報
(3)受信部501で受け付けられたスーパーバイザーSVによるオペレータOPの評価(例えば、助言や感想など)に関する情報
(4)段階推定部506で推定されたオペレータOPによる顧客CSへの対応の段階(トークフェーズ:セールス、オープニング、オファー、リバトル、クロージングなど)の情報
(5)トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報
(6)助言取得部511で取得された助言の情報
【0067】
送信部515は、提示部514の指示に基づいて、上記(1)から(6)の情報をOP端末3及び/又はSV端末4へ送信する。なお、本実施形態の「提示」には、上記(1)から(6)の情報がOP端末3及び/又はSV端末4の表示装置300D,400Dに表示されるだけでなく、上記(1)から(6)の情報をサーバ5から送信することも含まれるものとする。
【0068】
PBX装置6は、ネットワーク8と公衆網7のプロトコル変換、発着信の呼制御など実行する。
【0069】
(OP端末3の表示装置300Dに表示される画面)
図5は、OP端末3の表示装置300Dに表示される表示画面の一例である。
図5に示すように、OP端末3の表示装置300Dには、評価部512での評価結果に応じて表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像601が表示される。なお、キャラクタ画像601に替えて、評価部512での評価結果に応じて文字情報をOP端末3の表示装置300Dに表示するようにしてもよいし、キャラクタ画像601及び文字情報の両方を表示装置300Dに表示するようにしてもよい。
【0070】
また、OP端末3の表示装置300Dには、段階推定部506で推定された段階(トークフェーズ)602が表示される。
図5に示す例では、トークフェーズは、第1段階から第5段階まで存在し、段階推定部506で推定された現在の段階が第2段階であることがハッチングにより示されている。ここで、例えば、第1段階は「セールス」、第2段階は「オープニング」、第3段階は「オファー」、第4段階は「リバトル」、第5段階は「クロージング」などであるが、これに限られるものではない。また、本実施形態におけるトークフェーズは、5段階に限られず、トークフェーズを何段階とするかは任意である。また、段階推定部506で推定された現在の段階がどの段階であるかを示すのにハッチング以外の表示態様(例えば、背景色の違い)により示すようにしてもよい。
【0071】
また、OP端末3の表示装置300Dには、トークスクリプト取得部508により取得されたトークスクリプトが表示枠603内に表示される。表示枠603内に表示されたトークスクリプトは、会話速度計測部509で計測された会話速度に応じて朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)で表示される。なお、朗読箇所が理解できれば、他の表示態様であってもよく、例えば、トークスクリプトが左右又は上下にスクロールすることで朗読箇所が理解できる態様としてもよい。また、トークスクリプトが左右又は上下にスクロールすることで朗読箇所が理解できる態様と、朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)と組み合わせるようにしてもよい。
【0072】
さらに、OP端末3の表示装置300Dには、SV端末4から送信され受信部501で受信されたオペレータOPの評価に関する情報604、助言取得部511で取得された助言605などが表示される。なお、SV端末4から送信され受信部501で受信されたオペレータOPの評価に関する情報604は、スーパーバイザーSVがSV端末4の入力装置400Cを操作して入力したコメント(文字情報)でもよいし、スーパーバイザーSVによるオペレータOPへの評価を表した画像(例えば、トロフィーの画像)などであってもよく、さらに、上記コメント(文字情報)及び上記画像を組み合わせたものであってもよい。また、上記コメント(文字情報)及び上記画像の少なくとも一方をOP端末3の表示装置300Dに複数表示可能に構成してもよい。
【0073】
なお、
図5に示す表示画面は、OP端末3の表示装置300Dに表示される画面の一例であり、上述した各項目(キャラクタ画像601、段階(トークフェーズ)602、トークスクリプトの表示枠603、オペレータOPの評価に関する情報604、助言605、顧客CSへの対応に関する情報606)を表示装置300Dの画面のどの位置に提示するかは任意である。
【0074】
(情報処理システムによる処理)
図6から
図11は、情報処理システム1による処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図6から
図11を参照して、情報処理システム1による処理について説明する。
【0075】
(メイン処理)
図6は、情報処理システム1によるメイン処理を示す図である。以下、
図6を参照して情報処理システム1のメイン処理について説明する。
【0076】
(ステップS101)
サーバ5の音声情報取得部502は、通話端末2A及び通話端末2Bから送信される顧客CS及びオペレータOPの音声信号を取得する。
【0077】
(ステップS102)
サーバ5の音響特徴抽出部503は、音声情報取得部502で取得された音声信号からオペレータOP及び顧客CSの音響特徴を抽出する。音響特徴抽出部503は、通話端末2A及び通話端末2B間の通話が継続する間、オペレータOP及び顧客CSそれぞれの音声信号から音響特徴を抽出する。
【0078】
(ステップS103)
サーバ5の感情解析部504は、感情解析処理を実行する。感情解析処理の詳細は後述する。
【0079】
(ステップS104)
サーバ5は、評価提示処理を実行する。評価提示処理の詳細は後述する。
【0080】
(ステップS105)
サーバ5は、トークスクリプト提示処理を実行する。トークスクリプト提示処理の詳細は後述する。
【0081】
(ステップS106)
サーバ5は、助言提示処理を実行する。助言提示処理の詳細は後述する。
【0082】
(ステップS107)
サーバ5は、具体的には、通話端末2A及び通話端末2B間の通話が継続しているか否かを判定する。オペレータOP及び顧客CSの会話が継続している場合(ステップS107のYES)、サーバ5は、ステップS101からS106の処理を継続する。換言すると、サーバ5は、通話端末2A及び通話端末2B間の通話が継続する間、ステップS101からS106の処理を継続する。また、オペレータOP及び顧客CSの会話が継続していない場合(ステップS107のNO)、サーバ5は、評価処理を終了する。なお、評価処理の終了の判定は、通話端末2A及び通話端末2Bとの通話が遮断されたか否かに基づいて判定すればよい。
【0083】
なお、サーバ5の記憶装置制御部513は、サーバ5で取得・抽出される各種情報、例えば、音声情報取得部502で取得されたオペレータOP及び顧客CSの音声信号、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の解析結果、テキスト生成部505で生成されたオペレータOP及び顧客CSの会話のテキストデータなど、をオペレータOP及び顧客CSの識別子(ID)に関連付けて記憶装置500Bへ格納する。なお、個別の会話を特定可能なように、オペレータOP及び顧客CSのIDに加えて、個別の会話ごとに識別子(会話ID)をテキストデータに関連付けて記憶装置500Bへ格納するようにしてもよい。
【0084】
(感情解析処理)
図7は、情報処理システム1による感情解析処理を示す図である。以下、
図7を参照して情報処理システム1による感情解析処理について説明する。
【0085】
(ステップS201)
感情解析部504は、第4DBに格納されている学習済みのモデルのうち、第1モデル(例えば、「平常」の学習モデル)の音響特性を読み込む。
【0086】
(ステップS202)
感情解析部504は、音響特徴抽出部503で抽出されたオペレータOP及び顧客CSの音響特徴を、それぞれ、読み込んだ第1モデルの音響特性と比較して類似度を算出する。なお、類似度は、種々の既知の手法を利用して算出することができる。例えば、ユークリッド距離、ピアソンの積率相関係数、Jaccard係数などを利用して、音響特徴抽出部503で抽出されたオペレータOP及び顧客CSの音響特徴と、第1モデルの音響特性との類似度を算出することができる。
【0087】
(ステップS203)
感情解析部504は、第4DBに格納されている学習済みのモデルのうち、第2モデル(例えば、「喜び」の学習モデル)の音響特性を読み込む。
【0088】
(ステップS204)
感情解析部504は、音響特徴抽出部503で抽出されたオペレータOP及び顧客CSの音響特徴を、それぞれ、読み込んだ第2モデルの音響特性と比較して類似度を算出する。なお、類似度の算出については、ステップS202と同じ手法を利用することができる。
【0089】
(ステップS205)
感情解析部504は、第4DBに格納されている学習済みのモデルのうち、第3モデル(例えば、「怒り」の学習モデル)の音響特性を読み込む。
【0090】
(ステップS206)
感情解析部504は、音響特徴抽出部503で抽出されたオペレータOP及び顧客CSの音響特徴を、それぞれ、読み込んだ第3モデルの音響特性と比較して類似度を算出する。なお、類似度の算出については、ステップS202と同じ手法を利用することができる。
【0091】
(ステップS207)
感情解析部504は、第1〜第3モデルと比較した類似度にそれぞれ重みづけなどを行い、類似度を調整する。
【0092】
(ステップS208)
感情解析部504は、調整された各第1〜第3モデルとの類似度に基づいて、オペレータOP及び顧客CSの感情を推定する。より具体的には、感情解析部504は、オペレータOP及び顧客CSの音響特徴が、第1から第3のどのモデルにどれだけ近いかにより、オペレータOP及び顧客CSの感情をそれぞれ推定する。なお、オペレータOP及び顧客CSの音響特徴が、第1から第3のどのモデルにどれだけ近いかの算出は、ステップS202と同じ手法を利用することができる。
【0093】
(ステップS209)
感情解析部504は、解析したオペレータOP及び顧客CSの感情から両者の感情の共感度、換言すると、オペレータOP及び顧客CSの感情の一致率(共感度)を算出する。ここで、共感度は、時系列データであり、感情解析部504は、オペレータOP及び顧客CSの発話毎の感情値の特徴的なパタンを元に感情の一致率(共感度)を計算する。感情の一致率(共感度)は、主に顧客CSの「平常」以外の感情値の生起するタイミング、感情値の変化量などを特徴量とし、その特徴量の変化に対するオペレータOPの発話タイミング、感情値、および感情値の変化量をパラメータとして算出する。なお、感情の一致率(共感度)は、種々の既知の手法を組み合わせて算出することができる。例えば、感情の一致率(共感度)の時系列データの特徴を抽出するために機械学習を用いてもよい。
【0094】
なお、上記感情解析処理(
図7)では、第1〜第3モデルの3つモデルとの類似度に基づいて、オペレータOP及び顧客CSの感情を推定しているが、学習済みのモデルは、3つ(例えば、「平常」「喜び」「怒り」)だけに限られず任意であり、「哀しみ」「楽しみ」などの学習済みのモデルとの類似度を加えても良いし、さらに細分化して「信頼」「心配」「驚き」「嫌悪感」「関心」などの学習済みのモデルとの類似度を加えてもよい。
【0095】
(評価提示処理)
図8は、情報処理システム1による評価提示処理を示す図である。以下、
図8を参照して情報処理システム1による評価提示処理について説明する。
【0096】
(ステップS301)
サーバ5の段階推定部506は、テキスト生成部505で生成されたテキストデータに含まれるキーワードに基づいて、オペレータOPによる顧客CSへの対応がどの段階にあるかを推定する。
【0097】
(ステップS302)
サーバ5の感情パタン特定部507は、第6DBに格納されている1以上の感情の推移パタンのうち、どの感情の推移パタンと比較するかを特定する。具体的には、感情パタン特定部507は、第6DBに格納されている1以上の感情の推移パタンのうち、段階推定部506で推定された段階に応じて第6DBに格納されているオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを比較対象として特定する。
【0098】
(ステップS303)
サーバ5の評価部512は、感情パタン特定部507により特定された感情の推移パタンと、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンとを比較して、オペレータOPによる顧客CSへの対応を評価する。なお、上述したように評価部512は、感情パタン特定部507により特定された感情の推移パタンと、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンとの乖離が所定未満である場合、評価を「良(GOOD)」とし、乖離が所定以上である場合、評価を「悪(BAD)」としてもよいし、他の評価手法を採用してもよい。
【0099】
(ステップS304)
サーバ5の提示部514は、評価部512での評価結果を提示する。具体的には、提示部514は、評価部512での評価結果の情報を、評価を行ったオペレータOPのOP端末3へと送信するよう送信部515へ指示する。また、提示部514は、評価部512での評価結果の情報を、評価を行ったオペレータOPの管理者であるスーパーバイザーSVのSV端末4へと送信するよう送信部515へ指示する。送信部515は、提示部514の指示に基づいて、評価部512での評価結果の情報をOP端末3及びSV端末4へと送信する。送信部515から送信された情報は、OP端末3の受信部301及びSV端末4の受信部401でそれぞれ受信され、OP端末3の表示装置制御部304及びSV端末4の表示装置制御部404によりそれぞれ表示装置300D及び表示装置400Dに提示される。なお、表示装置300Dでは、
図5で説明したように、評価部512での評価結果に応じて文字情報及び/又は評価結果に応じて表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像として提示される。
【0100】
(トークスクリプト提示処理)
図9は、情報処理システム1によるトークスクリプト提示処理を示す図である。以下、
図9を参照して情報処理システム1によるトークスクリプト提示処理について説明する。
【0101】
(ステップS401)
サーバ5の段階推定部506は、テキスト生成部505で生成されたテキストデータに含まれるキーワードに基づいて、オペレータOPによる顧客CSへの対応がどの段階にあるかを推定する。
【0102】
(ステップS402)
サーバ5のトークスクリプト取得部508は、第1DBを参照し、段階推定部506により推定された話題に関連付けられたトークスクリプトを取得する。
【0103】
(ステップS403)
サーバ5の会話速度計測部509は、音声情報取得部502で取得される顧客CSの音声信号に基づいて、顧客CSの会話速度を計測する。
【0104】
(ステップS404)
サーバ5の提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報を提示する。この際、提示部514は、会話速度計測部509で計測された会話速度に応じて朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)で表示されるようにトークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報を提示する。なお、
図5で説明したように、朗読箇所が理解できれば他の表示態様であってもよく、例えば、トークスクリプトが左右又は上下にスクロールすることで朗読箇所が理解できる態様としてもよい。また、トークスクリプトが左右又は上下にスクロールすることで朗読箇所が理解できる態様と、朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)と組み合わせるようにしてもよい。具体的には、提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報をオペレータOPのOP端末3へと送信するよう送信部515へ指示する。送信部515は、提示部514の指示に基づいて、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報をOP端末3へ送信する。送信部515から送信された情報は、OP端末3の受信部301で受信されたのち、OP端末3の表示装置制御部304に表示される。
【0105】
(助言提示処理)
図10は、情報処理システム1による助言提示処理を示す図である。以下、
図10を参照して情報処理システム1による助言提示処理について説明する。
【0106】
(ステップS501)
状況判定部510は、顧客CSとオペレータOPとの会話内容からオペレータOPと顧客CSとの状況が、第2DBに格納されている事例のいずれかに該当するか否かを判定する。状況判定部510は、該当する事例がある場合(YES)、ステップS502の処理へ移行する。また、状況判定部510は、該当する事例がない場合(NO)、助言提示処理を終了する。
【0107】
(ステップS502)
助言取得部511は、第2DBを参照し、状況判定部510での判定結果に応じてオペレータOPへの助言を取得する。具体的には、助言取得部511は、状況判定部510で判定された事例に応じた助言を取得する。
【0108】
(ステップS503)
サーバ5の提示部514は、助言取得部511で取得された助言を提示する。具体的には、提示部514は、助言取得部511で取得された助言の情報をオペレータOPのOP端末3へと送信するよう送信部515へ指示する。送信部515は、提示部514の指示に基づいて、助言取得部511で取得された助言の情報をOP端末3へ送信する。送信部515から送信された情報は、OP端末3の受信部301で受信されたのち、OP端末3の表示装置制御部304に表示される。
【0109】
(SV提示処理)
図11は、情報処理システム1によるスーパーバイザーSVからの評価を提示するSV提示処理を示す図である。以下、
図11を参照して情報処理システム1によるSV提示処理について説明する。
【0110】
(ステップS601)
SV端末4の入力受付部403は、スーパーバイザーSVが入力装置400Cを操作して入力したオペレータOPの評価(例えば、助言や感想など)に関する情報を受け付ける。
【0111】
(ステップS602)
SV端末4の送信部405は、入力受付部403で受け付けられた情報をサーバ5へ送信する。
【0112】
(ステップS603)
サーバ5の受信部501は、SV端末4から送信された情報を受信する。サーバ5の提示部514は、受信部501で受信したオペレータOPの評価に関する情報を提示する。具体的には、提示部514は、受信部501で受信したオペレータOPの評価に関する情報をオペレータOPのOP端末3へと送信するよう送信部515へ指示する。送信部515は、提示部514の指示に基づいて、受信部501で受信したオペレータOPの評価に関する情報をOP端末3へ送信する。送信部515から送信された情報は、OP端末3の受信部301で受信されたのち、OP端末3の表示装置制御部304に表示される。なお、サーバ5を介さずに、SV端末4からOP端末3へネットワーク8を介して直接オペレータOPの評価に関する情報を送信できる構成としてもよい。
【0113】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1のサーバ5は、顧客CS(第1話者)及び顧客CSと会話するオペレータOP(第2話者)の音声情報を取得する音声情報取得部502と、音声情報取得部502で取得された音声情報から顧客CS及びオペレータOPの感情を解析する感情解析部504と、感情解析部504での解析結果に応じてオペレータOPによる顧客CSへの対応を評価する評価部512と、評価部512での評価結果を提示する提示部514と、を備えている。
このため、オペレータOPによる顧客CSへの対応の評価を、オペレータOP自身やスーパーバイザーSVにフィードバックすることができ、顧客CSがオペレータOPの対応に不満を持ったりする苦情状態となることを未然に抑制することができ、利便性に優れる。また、本実施形態では、顧客CS及びオペレータOPの感情をリアルタイムに解析するので、即座にフィードバックを得ることができ、直ぐにオペレータOPの対応を改善するなどの対応をとることができ、利便性に優れる。
【0114】
また、サーバ5の提示部514は、評価結果に応じて文字情報及び/又は評価結果に応じて表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像を提示する。
評価結果に応じて文字情報や表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像がOP端末に提示されるので、オペレータOPは、顧客CSと会話していてもフィードバックを得ることができ利便性に優れる。また、表情及び動作の少なくとも一方が変化するキャラクタ画像を提示する場合、間接的に指摘される形となるため、オペレータOPも評価結果を素直に受け入れて自身の対応に反映しやすくなる。
【0115】
また、サーバ5の提示部514は、オペレータOP(第2話者)の管理者であるスーパーバイザーSV(管理者)のSV端末4に対して評価部512での評価結果を提示する。スーパーバイザーSVのSV端末4にもオペレータOPの評価が提示されるので、スーパーバイザーSVは、オペレータOPの顧客CSへの対応状況を知ることができ、利便性に優れる。
【0116】
また、サーバ5は、SV端末4から送信されたオペレータOPの評価に関する情報を受け付ける受信部501(第2受付部)を備え、提示部514は、受信部501(第2受付部)で受け付けられたオペレータOPの評価に関する情報をオペレータOPのOP端末3へ提示する。
オペレータOPは、顧客CSへの対応の評価を確認したスーパーバイザーSVからのフィードバックを受けることができ、利便性に優れる。また、スーパーバイザーSVもSV端末4からオペレータOPへフィードバックを送ることができるため、利便性に優れる。
【0117】
また、サーバ5の提示部は、オペレータOPによる顧客CSへの対応の段階(トークフェーズ。例えば、セールス、オープニング、オファー、リバトル、クロージングなど)を提示する。このため、オペレータOPは、現状の会話が商品説明や契約内容説明において、どの段階にあるのかを把握することができ、利便性に優れる。
【0118】
また、サーバ5の評価部512は、オペレータOPによる顧客CSへの対応を段階に応じて異なる基準で評価する。
このように、段階に応じて異なる基準でオペレータOPによる顧客CSへの対応を評価することで、より精度の高い評価を行うことができ、利便性に優れる。
【0119】
また、サーバ5は、顧客CS及びオペレータOPの会話内容から段階を推定する段階推定部506を備える。そして、サーバ5の提示部514は、段階推定部506で推定された段階を提示する。
このため、オペレータOPは、自身で、顧客CSとの会話がどの段階にあるかを把握する必要がなく、顧客CSとの会話に集中することができ、利便性に優れる。また、オペレータOPは、顧客CSとの会話に集中することができるので、アウトバウンド営業やインバウンド営業の成績が向上することが期待できる。
【0120】
また、サーバ5は、段階と、段階に関するトークスクリプトとが関連付けて格納された第1DB(第1記憶部)を参照し、段階推定部506により推定された段階に関連付けられたトークスクリプトを取得するトークスクリプト取得部508と、を備える。そして、サーバ5の提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトを提示する。
このように、自動で段階(トークフェーズ)に沿ったトークスクリプトが取得され、オペレータOPに提示されるので、オペレータOPの顧客CSとの会話の負担が大幅に低減されることが期待でき、利便性に優れる。
【0121】
また、サーバ5は、顧客CSの会話速度を計測する会話速度計測部509を備える。そして、サーバ5の提示部514は、トークスクリプトを、会話速度計測部509で計測された会話速度に応じて提示する。
このように、顧客CSの会話速度に合わせてトークスクリプトが提示されるため、オペレータOPは、トークスクリプトをどのように読めばよいか迷うことがなく、オペレータOPの顧客CSとの会話の負担が大幅に低減されることが期待でき、利便性に優れる。
【0122】
また、サーバ5は、顧客CSとオペレータOPとの会話内容から、オペレータOPと顧客CSとの状況を判定する状況判定部510と、オペレータOPへの助言に関する情報が格納された第2DB(第2記憶部)を参照し、状況判定部510での判定結果に応じてオペレータOPへの助言を取得する助言取得部511とを備える。そして、サーバ5の提示部514は、助言取得部511で取得された助言を提示する。
このため、顧客CSとオペレータOPとの会話内容から、オペレータOPと顧客CSと状況を判定し、状況判定部510での判定結果に応じてオペレータOPへの助言を取得するので、オペレータOPは助言に従うことで、アウトバウンド営業やインバウンド営業の成績が向上することが期待できる。
【0123】
また、サーバ5は、顧客CSへの対応に必要となる資料の格納を受け付ける受信部501(第1受付部)と、受信部501(第1受付部)で受け付けられた資料を、顧客CSの識別情報に関連付けて第3DB(第3記憶部)へ格納する記憶装置制御部513(記憶制御部)と、を備える。
このため、オペレータOPは、以前顧客CSへ提示した資料を確認することができ、利便性に優れる。また、直ぐに資料を確認することができるので、顧客CSの満足度が向上することが期待できる。
【0124】
[実施形態の変形例1]
図12は、実施形態の変形例1にサーバ5の機能構成の一例を示す図である。また、
図13は、実施形態の変形例1に係る情報処理システム1による対応情報提示処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図12及び
図13を参照して、実施形態の変形例1に係る情報処理システム1について説明するが、
図1から
図11を参照して説明した実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成については、同一の符号を付して異なる構成について説明し、重複する説明を省略する。
【0125】
実施形態の変形例1にサーバ5の記憶装置500Bは、第7DB(第4記憶部)を有する。第7DBには、顧客CSの感情と、顧客CSへの対応に関する情報とが関連付けて格納されている。感情は、感情解析部504により解析される顧客CSの感情である。また、対応に関する情報は、例えば、顧客CSの感情が怒りである場合は、ゆっくり話す、など顧客CSの感情状態に応じた対応方法である。
【0126】
図12に示すように、変形例1に係るサーバ5は、受信部501(第1,第2受付部)、音声情報取得部502、音響特徴抽出部503、感情解析部504、テキスト生成部505、段階推定部506、感情パタン特定部507、トークスクリプト取得部508、会話速度計測部509、状況判定部510、助言取得部511、評価部512、記憶装置制御部513、提示部514、送信部515、対応情報取得部516などの機能を有する。
【0127】
対応情報取得部517は、第7DBを参照し、感情解析部504での顧客CSの感情の解析結果に応じて顧客CSへの対応に関する情報を取得する。また、対応情報取得部517により取得された顧客CSへの対応に関する情報は、提示部514によりOP端末3へ提示される。
【0128】
(対応情報提示処理)
図13は、変形例1に係る情報処理システム1による対応情報提示処理を示す図である。以下、
図13を参照して情報処理システム1による対応情報提示処理について説明する。
【0129】
(ステップS701)
変形例1に係るサーバ5(情報処理装置)の対応情報取得部517は、第7DBを参照し、感情解析部504での顧客CSの感情の解析結果に応じて顧客CSへの対応に関する情報を取得する。なお、感情解析部504による顧客CSの感情の解析方法については、
図7を参照して説明したので重複する説明を省略する。
【0130】
(ステップS702)
変形例1に係るサーバ5の提示部514は、対応情報取得部517で取得された顧客CSへの対応に関する情報を提示する。具体的には、提示部514は、対応情報取得部517で取得された顧客CSへの対応に関する情報をオペレータOPのOP端末3へと送信するよう送信部515へ指示する。送信部515は、提示部514の指示に基づいて、対応情報取得部517で取得された顧客CSへの対応に関する情報をOP端末3へ送信する。送信部515から送信された情報は、OP端末3の受信部301で受信されたのち、OP端末3の表示装置制御部304に表示される。
【0131】
このように、実施形態の変形例1に係るサーバ5は、顧客CSの感情と、顧客CSへの対応に関する情報とが関連付けて格納された第7DBを参照し、感情解析部504での解析結果に応じて顧客CSへの対応に関する情報を取得する対応情報取得部517を備えている。そして、サーバ5の提示部514は、対応情報取得部517で取得された顧客CSへの対応に関する情報を提示する。このため、顧客CSの感情に応じて直ぐに対応を変えるなどすることができ、利便性に優れる。
【0132】
[実施形態の変形例2]
なお、上記実施形態及び変形例1では、サーバ5の会話速度計測部509は、顧客CSの会話速度を計測し、サーバ5の提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報を、会話速度計測部509で計測された顧客CSの会話速度に応じて朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)でOP端末3の表示装置300Dに表示されるように提示している。
【0133】
しかしながら、サーバ5の会話速度計測部509は、音声情報取得部502で取得されるオペレータOPの音声信号に基づいて、オペレータOPの会話速度を計測し、サーバ5の提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報を、会話速度計測部509で計測されたオペレータOPの会話速度に応じて朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)でOP端末3の表示装置300Dに提示するように構成してもよい。このように、会話速度計測部509で計測されたオペレータOPの会話速度に応じてトークスクリプトを提示することで、オペレータOPは、無理に読み上げ速度を速めたり遅くしたりする必要がなく自然な感じでトークスクリプトを読むことができ、顧客CSに好印象を与えることが期待できる。
【0134】
また、サーバ5の会話速度計測部509は、音声情報取得部502で取得される顧客CS及びオペレータOPの音声信号に基づいて、顧客CS及びオペレータOPの会話速度を計測し、サーバ5の提示部514は、トークスクリプト取得部508で取得されたトークスクリプトの情報を、会話速度計測部509で計測された顧客CS及びオペレータOPの会話速度に応じて朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)でOP端末3の表示装置300Dに提示するように構成してもよい。この場合、顧客CSの会話速度と、オペレータOPの会話速度の平均値を、会話速度としてもよいし、顧客CSの会話速度とオペレータOPの会話速度とにそれぞれ重みづけをして会話速度を算出するようにしてもよい。顧客CS及びオペレータOPの両者の会話速度を考慮することにより、より効果的にトークスクリプトを読み上げることができることが期待できる。
【0135】
なお、
図5で説明したように、朗読箇所が理解できれば他の表示態様であってもよく、例えば、トークスクリプトが左右又は上下にスクロールすることで朗読箇所が理解できる態様としてもよいし、朗読箇所の文字が異なる態様(例えば、文字の色が変化する)と組み合わせるようにしてもよい。
【0136】
[実施形態の変形例3]
なお、上記実施形態及び変形例1,2では、第6DBに、オペレータOP及び顧客CSの感情の共感度の推移パタンが段階ごとに格納されていたが、オペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを、顧客CSのカテゴリ、オペレータOPのカテゴリ、会話日、会話時間帯、電話回数、進捗状況の組み合わせごとに、第6DBに格納するようにしてもよい。この場合、感情解析部504で解析されるオペレータOP及び顧客CSのそれぞれの感情の推移パタンを、感情パタン特定部507により特定された第6DBに格納されているオペレータOP及び顧客CSのそれぞれの感情の推移パタンと比較して助言取得部511が助言を抽出し、提示部514が提示するようにしてもよい。
【0137】
[実施形態の変形例4]
また、上記実施形態及び変形例1〜3では、オペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンが予め第6DBに格納されていたが、サーバ5に、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンをオペレータOPごとに学習する学習部を備え、第6DBに格納されているオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンを学習部で学習結果に応じて更新するようにしてもよい。このようにすることで、感情解析部504で解析されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移を、第6DBに格納されたオペレータOP及び顧客CSの感情の推移パタンと画一的に比較して助言を提示するだけでなく、各オペレータOPの個性や特徴(例えば、営業スタイルなど)に合わせて、助言を提示することができ、より効果的に営業を支援することができる。
【0138】
[実施形態の変形例5]
また、上記実施形態及び変形例1〜4では、オペレータOPが通話端末2Bから顧客CSの通話端末2Aへ架電する形態となっているが、サーバ5及び/又はOP端末3から顧客CSの通話端末2Aへ架電する構成を除外するものではなく、サーバ5及び/又はOP端末3から顧客CSの通話端末2Aへ架電可能な構成としてもよい。
【0139】
[実施形態の変形例6]
また、上記実施形態及び変形例1〜5では、
図1に示すように、情報処理システム1は、PBX装置6がネットワーク8を介して、オペレータOP(第1話者)の通話端末2Bと接続し通話をする構成を有し、ネットワーク8には、OP端末3、SV端末4及びサーバ5(情報処理装置)が通信可能に接続されているが、以下のように構成されていてもよい。
(1)PBX装置6が公衆網7に接続され、ネットワーク8がPBX装置6を介さずに公衆網7に接続されており、ネットワーク8に通話端末2B、サーバ5(情報処理装置)、OP端末3及びSV端末4が通信可能に接続された構成。
(2)PBX装置6及びサーバ5(情報処理装置)が公衆網7に接続され、ネットワーク8がPBX装置6を介さずに公衆網7に接続されており、ネットワーク8に通話端末2B、OP端末3及びSV端末4が通信可能に接続された構成。
【0140】
なお、サーバ5の感情解析部504は、オペレータOP及び顧客CS(両話者)の発話内容を考慮して両話者各々の感情を解析するようにしてもよい。このように、発話内容を考慮して感情を解析することで、精度よくオペレータOP及び顧客CS(両話者)の感情を解析することができる。結果、より効果的な営業支援を行うことができる。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置5(サーバ)のCPU500Cは、第1話者及び第1話者と会話する第2話者の音声情報を取得する音声情報取得部と、音声情報取得部で取得された音声情報から第1話者及び第2話者の感情を解析する感情解析部と、感情解析部での解析結果に応じて第2話者による第1話者への対応を評価する評価部と、評価部での評価結果を提示する提示部と、を備える。