特許第6647744号(P6647744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6647744
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】ハンカチ
(51)【国際特許分類】
   A41B 15/00 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   A41B15/00
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-229464(P2018-229464)
(22)【出願日】2018年11月20日
【審査請求日】2018年11月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518434980
【氏名又は名称】八釼 典子
(72)【発明者】
【氏名】八釼 典子
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−095111(JP,U)
【文献】 実開昭61−111903(JP,U)
【文献】 特開2018−084019(JP,A)
【文献】 実開平07−036885(JP,U)
【文献】 特開2005−219347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンカチの構造を三層構造とし、第一層は吸水・速乾性素材からなり、第三層は撥水性素材からなり、それらの間の第二層には透湿防水布を挟んで三層構造としたことを特徴とするハンカチ。
【請求項2】
請求項1記載の三層構造で形状を輪状にし、内側を第一層とし、外側を第三層とし、使用の際には内側の第一層を返して外側にして第三層を内側にすることを特徴とするハンカチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンカチの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンカチは使用前には衣服のポケットまたは鞄の中に収納しており、使用する機会となった時に取り出し使用して用途を終えたら元の場所に戻して収納するのである。使用したハンカチは水分を含んでおり使用する機会が増えればそれだけハンカチの水分が増すのである。水分を含んで濡れたハンカチは収納先の衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物に水分を移して濡らしてしまうことになる。
【0003】
収納先の衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物を濡らしてしまわないようにする為にハンカチケースや防水機能を持ったハンカチの提案がなされている。例えば特許文献1では内布と外布の二層構造のハンカチが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−82710
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ベビー小物用 透湿性防水シート」、株式会社KAWAGUCHI、作り方説明書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では吸収性の良い内布と一方の面に撥水または防水加工を施した外布からなる二層構造となっており、使用後は内布を内側にして折り畳むことで水分を吸収した内布は外布で包まれるので衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物を濡らさないのであるが、この機能では水分は内布にこもったままとなり蒸れるのである。また外布が抗菌加工を施す提案も同時になされてはいるが、蒸れた状態を解決するものではないのである。
【0007】
非特許文献1では透湿防水シートを使用して三層構造とした「スタイ(よだれかけ)」「おむつカバー」「トレパン」が掲載されているが、いずれも体に着用する衣類について応用例を示すのみである。外気に触れるような環境に用いる「ハンカチ」についての応用は実施されてはいない。
【0008】
本発明は使用後のハンカチを衣服のポケットや鞄自体または鞄の中の収納物を濡らさすことなく、且つハンカチの蒸れを解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ハンカチの構造を三層構造とする。第一層は吸収・速乾性素材からなり第三層は吸収・速乾性素材または撥水性素材からなり、その間の第二層には透湿防水布を挟むのである。第二層の透湿防水布は表面がポリエステル製、裏面は透湿ウレタン製で出来ており、吸収した水分の水は通さないが湿気は逃がすという性質で吸湿・放湿性を持った布である。
【0010】
更にハンカチを提供とする本発明は前記の三層構造で形状を輪状とし第一層を吸水・速乾性素材に第三層を吸収・速乾性素材または撥水性素材にすることで、より使い易くすることが出来る。
【発明の効果】
【0011】
構造を三層構造とすることで第一層が吸収した水分は第二層に届くが水は通さないで湿気のみを通し、その湿気のみが第三層に届く。第一層と第三層は吸水・速乾性素材からなるので吸収した水分と湿気はすぐに乾くのである。よって使用したハンカチを収納しても衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物を濡らさないだけではなく、湿ったハンカチの蒸れた状態を解決してより早く乾かし通気性を高めるのである。蒸れて湿った状態をより早く乾かして通気性を高めることで、雑菌の繁殖が活性化となる衛生環境の悪化を防ぐこととなる。
【0012】
ハンカチを輪状とすることで手を拭く面積を大きくすることが出来、ハンカチ使用後は使用面の第一層を内側に返して第三層を外側に出すことでそのまま簡単に収納することが出来、衣服のポケットや鞄自体または鞄の中の収納物に水分を濡らすことがないのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 本発明の平面状タイプハンカチの斜視図
図2図1のA−A´断面図
図3】 第二層の透湿防水布の断面図
図4】 第一層が水分を吸収した際の水と湿気の流れの説明図
図5】 第三層に撥水性素材使用時の水分が触れた際の説明図
図6】 縫製の説明図
図7】 本発明の平面状タイプハンカチの二つ折りの斜視図
図8】 本発明の輪状タイプハンカチの使用時の斜視図
図9】 本発明の輪状タイプハンカチの収納時の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示しているのは本発明である三層構造のハンカチの形状が平面状タイプのもので、第一層の吸水・速乾性素材を上部にして広げた状態の斜視図である。A−A´の断面は図2が示す三層構造となり第一層は吸収・速乾性素材とし第三層は吸水・速乾性素材または撥水性素材とし、その間の第二層には透湿防水布を挟んでいる。また、第二層の透湿防水布の詳細は図3に示しており表面はポリウレタン製・裏面は透湿ポリウレタン製で吸収した水分の水は通さないが湿気は逃がすという性質を持つ布である。この平面状タイプハンカチは二つ折りをする場所にはスムーズに二つ折りとなるような折り目が付いており、図1の状態の第一層で手を拭くまたは汗を拭う等を行うのであるが、その際には第一層を外側にして二つ折りにして行い、使用の後は第一層を内側にして第三層を外側にして二つ折りに折り畳んで収納する。
【0015】
図8に示しているのは本発明である三層構造のハンカチの形状が輪状タイプのもので。第一層の吸水・速乾性素材を外側にしている使用時の斜視図である。この第一層を外側にした状態で手を拭くまたは汗を拭う等を行うのである。輪状タイプは使用する際には外側全面が第一層の吸水・速乾性素材となり全面を使って手を拭くまたは汗を拭う等の使用が出来るのである。使用の後には第一層を内側に返して第三層を外側してから収納を行う。また、収納している輪状タイプを収納先から取り出して使用の際には外側となっている第三層を内側に返して第一層を外側に出してから使用するのである。
【実施例1】
【0016】
図1に示すような本発明の平面状タイプのハンカチの第一層(1)は吸収・速乾性素材とし第三層(3)は吸収・速乾性素材または撥水性素材からなり例えば綿のタオルやガーゼまたはポリエステルとナイロンの合成繊維を用い、その間の第二層(2)には透湿防水布を挟んで三層構造で構成されている。その三層構造の断面は図2に示される。第二層(2)の透湿防水布は図3に示すように表面がポリウレタン製(5)・裏面は透湿ポリウレタン製(6)となっている。第二層(2)の透湿防水布は株式会社KAWAGUCHIの透湿防水シート(製品名:ベビー小物用 透湿防水シート)を使用することが出来、表面(5)は第一層(1)に裏面(6)は第三層(3)に接するように挟み込むのである。また第一層(1)と第三層(3)は吸水・速乾性素材に加えて抗菌・防臭・消臭加工を施した素材を使用することもある。
【0017】
本発明の三層構造のハンカチを使用する際には第二層(2)の表面(5)と裏面(6)の機能が異なるので使用の際には第一層(1)と第三層(3)の区別をする必要があることから、第一層(1)と第三層(3)を色や絵柄を違える、または質感の異なる素材や形状を用いて手触り感を違うようにして区別するのである。また平面状タイプハンカチの場合は第一層(1)の二つ折りの折り目(4)を挟んで色や絵柄を違えることもある。
【0018】
図4に示すのは本発明の三層構造のハンカチで第一層(1)が水分を吸収した際の水と湿気の流れの説明図である。手を洗ったまたは汗を拭った等の水分(7)は第一層(1)の吸収・速乾性素材に接する。そうすると水分(7)は矢印(8)のように第一層(1)から第二層(2)へと流れるが、第二層(2)の透湿防水布は水分を通さずに湿気だけを通すので水分(7)は第二層(2)の透湿防水布は通らないで矢印(8)のようになる。また第二層(2)を通った水分(7)の湿気は矢印(9)のように第三層(3)を通って外に放湿する。
【0019】
図5に示すのは本発明の三層構造のハンカチで第三層(3)を撥水性素材使用時に水分が触れた際の説明図である。第三層(3)に手を洗ったまたは汗を拭った等の水分(7)は第三層(3)に接すると撥水性素材であることから矢印(8)のような水の流れとなり、水分(7)は第三層(3)を透過することはないのである。
【0020】
図6に示すのは本発明の三層構造のハンカチの周囲を縫製した実施例説明図である。第一層(1)と第二層(2)より一回り大きい第三層(3)の布三種を重ね、第三層(3)の周辺を内側に折り返して縫い合わせたものである。その際に縫い合わせた縫い目が縫い目(10)である。図7図6の方法で縫い合わせした図1の平面状タイプハンカチの第一層(1)を内側にして二つ折りした斜視図である。また図8図9図6の方法で縫い合わせた状態を示した輪状タイプハンカチである。
【実施例2】
【0021】
図8に示すのは本発明の三層構造の輪状タイプハンカチを使用時の斜視図である。輪状タイプハンカチとは第一層(1)の吸収・速乾性素材と第三層(3)の吸収・速乾性素材また撥水性素材の間に第二層(2)の透湿防水布を挟んで輪状に縫製したものである。外側の第一層で手を洗ったまたは汗を拭った等の水分(7)を拭くのであり、図8は輪状タイプハンカチを使用時の斜視図で、手を洗った後に輪状タイプハンカチを使用して拭いている手(11)を示している。使用の後には外側の第一層(1)を内側に返して内側の第三層(3)を外側にして図9のようにしてから収納を行う。また、使用の際には収納している輪状タイプハンカチを収納先から取り出して外側となっている第三層(3)を内側に返して内側の第一層(1)を外側に出して図8のような状態にしてから使用するのである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明はハンカチの構造を三層構造としたもので、使用後に衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物を濡らさないようにし、且つハンカチの蒸れを解決するものである。
【符号の説明】
【0023】
1 第一層:吸水・速乾性素材
2 第二層:透湿防水布
3 第三層:吸水・速乾性素材または撥水性素材
4 二つ折りの折り目
5 第二層の表面:ポリウレタン製
6 第二層の裏面:透湿ポリウレタン製
7 手を洗ったまたは汗を拭った等の水分
8 7の水の流れ
9 7の湿気の流れ
10 縫い目
11 拭いている手
【要約】
【課題】使用したハンカチは水分を吸収しており濡れているのである。水分を含んで濡れたハンカチは収納先の衣服のポケットや鞄自体また鞄の中の収納物に水分を移して濡らしてしまうこととなる。また濡れたハンカチは水分がこもったままとなり蒸れた状態となってしまうのである。
【解決手段】前項の課題はハンカチの構造を三層構造とし、第一層は吸収・速乾性素材からなり第三層は吸収・速乾性素材または撥水性素材からなり、それらの間の第二層には透湿防水布を挟むことにより解決される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9