【実施例】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。
図1は本発明の吊り金具装置を含む自動ドア装置の構成図である。また、
図2は吊り金具装置の側面図、
図3は吊り金具装置の分解斜視図、
図4は吊り金具装置の正面図、
図5は吊り金具装置の背面図、
図6は吊り金具本体の図、
図7は調整金具本体、第一調整ボルト、及び第二調整ボルトの図である。
【0013】
<自動ドア装置21について>
図1において、自動ドア装置21は、図示しない駆動機構によりスライド開閉する自動ドア22と、この自動ドア22の組付枠としての上枠23(自動ドア組付枠)と、この上枠23内に設けられるハンガーレール24と、同じく上枠23内に設けられる本発明の吊り金具装置25とを備えて構成される。
【0014】
<ハンガーレール24について>
図1及び
図2において、ハンガーレール24は、上枠23内に固着されるベース部26と、このベース部26に一体化する補強部27及びレール部28とを有する。レール部28には、断面蒲鉾形状のレール本体29が形成される。尚、レール本体29の下面30は平坦な面に形成される。レール部28は、
図1及び
図2の紙面垂直方向に沿って真っ直ぐに形成される。
【0015】
<本発明の吊り金具装置25について>
図1ないし
図3において、吊り金具装置25は、自動ドア22を吊り下げた状態でスライド移動させることができるように、また、建付調整ができるように、さらには、脱輪を防止することができるように構成される。このような構成についてもう少し詳しく説明をすると、吊り金具装置25は、自動ドア22の上部に固定される吊り金具本体31と、ハンガーレール24に組み付けられるローラー部32と、このローラー部32をハンガーレール24のレール本体29に載せた状態で吊り金具本体31を上下方向の所定位置に仮配置するための建付調整手段33と、ローラー部32の脱輪を防止するための脱輪防止手段34とを備えて構成される。
【0016】
<吊り金具本体31について>
図2ないし
図6において、吊り金具本体31は、肉厚の金属板をプレス加工することにより図示形状に形成される。吊り金具本体31は、一対の金具固定ボルト35にて自動ドア22の上部に固定される底板部36と、この底板部36の長手方向の一側部から上方に立ち上がる背板部37とを有する。
【0017】
底板部36には、短手方向に長い長円形状の一対の位置調整固定穴38が形成される。この一対の位置調整穴38には、一対の金具固定ボルト35が挿通される。そして、締め付けにより吊り金具本体31は自動ドア22の上部に固定される。背板部37には、建付調整手段33及び脱輪防止手段34に係る後述の各部分が形成される。また、背板部37には、一対の部品固定部39が形成される。
【0018】
一対の部品固定部39は、レール本体29の延在方向に沿って突出するように、また、少なくともタイミングベルト(図示省略)の連結金具(図示省略)を組み付けることができるように形成される。一対の部品固定部39を有する背板部37は、正面視T字状に形成される。本実施例においては、一対の部品固定部39の各自由端部にストッパ部40が折り曲げ形成される。一対のストッパ部40は、自動ドア22を開いた状態で上枠23内の所定部分(図示省略)に当接する部分として形成される。尚、ストッパ部40の形成は任意であるものとする。
【0019】
背板部37の一方の面は、建付調整手段33及び脱輪防止手段34に係る後述の第一調整ナット50、第二調整ナット52、第三調整ナット62の締め付け面として、また、他方の面はローラー部32の組み付け面として形成される(後述する帯板部42が対向する面として形成される)。
【0020】
<ローラー部32について>
図2及び
図3において、ローラー部32は、レール本体29に対し転動自在になる一対のハンガーローラー41と、この一対のハンガーローラー41をレール本体29の延在方向に沿って所定の間隔で組み付けるための帯板部42とを備えて構成される。尚、一対のハンガーローラー41及びこの回転軸の機構は公知であり、ここでの説明は省略するものとする。帯板部42は、吊り金具本体31の板厚よりも若干薄い金属板を帯状に加工することにより形成される。このような帯板部42の中央位置には(一対のハンガーローラー41の各回転軸中間位置には)、建付調整手段33に係る後述の部分(円形のボルト貫通穴47)が形成される。帯板部42の一方の面は、背板部37に対向する面として、また、他方の面は一対のハンガーローラー41が回転自在になる面として形成される。
【0021】
<建付調整手段33について>
図2ないし
図5において、建付調整手段33は、上述の如く、ローラー部32をレール本体29に載せた状態で吊り金具本体31を上下方向の所定位置に仮配置するための手段であって、
図3に示すような、一対の第一調整穴43と、第二調整穴44と、背板側建付舌片部45と、建付ボルト46と、ボルト貫通穴47と、調整金具本体48と、一対の第一調整ボルト49と、一対の第一調整ナット50と、第二調整ボルト51と、第二調整ナット52と、調整金具側建付舌片部53とを備えて構成される。
【0022】
<一対の第一調整穴43について>
図3及び
図6において、一対の第一調整穴43は、背板部37の下部所定位置に配置形成される。一対の第一調整穴43は、上下方向に沿って長く貫通形成される。また、一対の第一調整穴43は、長円形状に形成される。一対の第一調整穴43は、ボルト軸部の挿通部分として形成される。また、一対の第一調整穴43は、ボルト軸部を上下方向に案内する部分として形成される。
【0023】
<第二調整穴44について>
図3及び
図6において、第二調整穴44は、背板部37の上部中央位置に配置形成される。第二調整穴44は、上下方向に沿って長く貫通形成される。また、第二調整穴44は、一対の第一調整穴43と同じサイズの長円形状に形成される。第二調整穴44は、ボルト軸部の挿通部分として形成される。また、第二調整穴44は、ボルト軸部を上下方向に案内する部分として形成される。
【0024】
<背板側建付舌片部45について>
図2、
図3、
図4、及び
図6において、背板側建付舌片部45は、背板部37の上端、且つ、中央位置よりも片側にずれた位置に配置形成される。背板側建付舌片部45は、舌片状の部分を背板部37の一方の面側に90度折り曲げて形成される。このような背板側建付舌片部45には、ネジ穴54が形成される。
【0025】
<建付ボルト46について>
図2ないし
図4において、建付ボルト46は、背板側建付舌片部37のネジ穴54に対しこの上方から下方に向けて組み付けられるボルトであって、ネジ穴54にねじ込まれるボルト軸部と、薄いボルト頭部とを有する。この薄いボルト頭部は、レンチ(スパナ)が係合する部分の他に、後述する調整金具側建付舌片部53が係合する部分としても用いられる。
【0026】
<ボルト貫通穴47について>
図3において、ボルト貫通穴47は、帯板部42の中央位置に配置形成される。ボルト貫通穴47は、円形に貫通するように形成される。また、ボルト貫通穴47は、後述する第二調整ボルト51の径よりも大きく開口するように形成される。また、後述するすべり軸受け58の径に合わせて形成される。ボルト貫通穴47は、この部分を中心にしてローラー部32が
図5の矢印のような揺動をするように形成される。
【0027】
<調整金具本体48について>
図3、
図5、及び
図7において、調整金具本体48は、吊り金具本体31と同じ肉厚の金属板をプレス加工することにより形成される。調整金具本体48は、帯板部42を跨ぐ状態で背板部37の他方の面に組み付けることができるように形成される。もう少し詳しく説明すると、帯板部42の一方の面を背板部37の他方の面に対向させた状態で一対のハンガーローラー41が存在する側である帯板部42の他方の面側から、この帯板部42を跨ぐ状態で背板部37の他方の面に対し組み付けることができるように形成される。
【0028】
調整金具本体48は、帯板部42を跨ぐ断面コ字状に形成され、且つ、一対のハンガーローラー41の間に位置するブリッジ部55と、このブリッジ部55の上端に連成される調整金具側建付舌片部53と、ブリッジ部55の下端に連成される固定板部56とを有して図示形状に形成される。
【0029】
<一対の第一調整ボルト49について>
図3及び
図7において、一対の第一調整ボルト49は、調整金具本体48の固定板部56の一方の面からボルト軸部が突出するように配設される。一対の第一調整ボルト49は、このボルト頭部が固定板部56に埋設され、且つ、溶接にて完全に動かないように固定される。一対の第一調整ボルト49は、背板部37の一対の第一調整穴43に挿通されるような長さ及び太さに形成される。
【0030】
<一対の第一調整ナット50について>
図3及び
図4において、一対の第一調整ナット50は、背板部37の一方の面から突出した後の一対の第一調整ボルト49に対し組み付けられるものであって、例えば図示のような形状のナットが採用される。
【0031】
<第二調整ボルト51について>
図3及び
図7において、第二調整ボルト51は、調整金具本体48の一方の面から(ブリッジ部55の凹面から)ボルト軸部が突出するように配設される。第二調整ボルト51は、このボルト頭部がブリッジ部55に埋設され、且つ、溶接にて完全に動かないように固定される。第二調整ボルト51は、帯板部42のボルト貫通穴47に挿通されるとともに背板部37の第二調整穴44に挿通されるような長さ及び太さに形成される。
【0032】
第二調整ボルト51には、
図3に示すようなワッシャ57と、すべり軸受け58とが挿通される。すべり軸受け58は、帯板部42のボルト貫通穴47に挿通される筒状に形成される。すべり軸受け58は、ローラー部32のスムーズな揺動を生じさせるために設けられる。
【0033】
<第二調整ナット52について>
図3及び
図4において、第二調整ナット52は、背板部37の一方の面から突出した後の第二調整ボルト51に対し組み付けられるものであって、例えば図示のような形状のナットが採用される(本実施例では第一調整ナット50と同じものが採用される)。
【0034】
<調整金具側建付舌片部53について>
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図7において、調整金具側建付舌片部53は、上述の如く、調整金具本体48の一部であって、調整金具本体48の一方の面側に90度折り曲げて形成される。調整金具側建付舌片部53は、背板側建付舌片部45に対向し、且つ、建付ボルト46の薄いボルト頭部が係合するような形状(例えばU字状の切り欠き部59と、この縁部に係合する)に形成される。
【0035】
調整金具側建付舌片部53には、シーソー状に揺動する帯板部42を当接させるための帯板当接部60が形成される。帯板当接部60は、上記揺動を適切な範囲で行えるように規制するための部分として形成される。
【0036】
<脱輪防止手段34について>
図2ないし
図5において、脱輪防止手段34は、上述の如くローラー部32の脱輪を防止するための手段であって、脱輪防止部61と、第三調整ナット62とを備えて構成される。脱輪防止部61は、ブロック状の部分である脱輪防止部本体63と、この脱輪防止部本体63から突出する第三調整ボルト64とを有する。
【0037】
脱輪防止部本体63は、断面楕円形状に形成される(円形状やその他形状であってもよいものとする)。このような形状の脱輪防止部本体63は、ハンガーレール24のレール本体29と、吊り金具本体31の底板部36との間に配設される。
【0038】
第三調整ボルト64は、背板部37の一対の第三調整穴65に挿通されるような長さ及び太さに形成される。尚、第三調整穴65は、背板部37の下端近傍位置に配置形成される。第三調整穴65は、上下方向に沿って長く貫通形成される。また、第三調整穴65は、長円形状に形成される。第三調整穴65は、第三調整ボルト64を上下方向に案内する部分として形成される。
【0039】
第三調整ボルト64の端部には、例えばマイナスドライバーを差し込んで脱輪防止部本体63の向きを変える溝部66が形成される。このような第三調整ボルト64には、背板部37の一方の面から突出した後に、第三調整ナット62が組み付けられる。
【0040】
<吊り金具装置25の組み付け作業、及び自動ドア22の建付調整作業について>
上記構成及び構造において、
図1ないし
図5を参照しながら吊り金具装置25の組み付け作業、及び建付調整作業について説明をする。
【0041】
先ず、吊り金具本体31に対しローラー部32、建付調整手段33、及び脱輪防止手段34を仮止め状態で組み付ける(吊り金具装置25を仮止め状態で組み付ける)。
【0042】
具体的には、(1)第二調整ボルト51にワッシャ57及びすべり軸受け58を挿通する。(2)ローラー部32における帯板部42のボルト貫通穴47に第二調整ボルト51を挿通し、そして、ボルト貫通穴47とすべり軸受け58とを係合させる。この時、調整金具本体48のブリッジ部55が帯板部42を跨いだような状態になる。(3)調整金具本体48を持ちながら、この調整金具本体48の一方の面を背板部37の他方の面に対向させる。そして、一対の第一調整ボルト49を背板部37の一対の第一調整穴43に挿通するとともに、第二調整ボルト51を背板部37の第二調整穴44に挿通する。(4)背板部37の一方の面から突出した後の一対の第一調整ボルト49に対し、一対の第一調整ナット50を仮止め状態で組み付けるとともに、同じく背板部37の一方の面から突出した後の第二調整ボルト51に対しても第二調整ナット52を仮止め状態で組み付ける。尚、ここでの仮止め状態とは、建付調整が可能な程度の緩いナット締め付けのことを言うものとする。
【0043】
(5)上下に対向した状態の調整金具側建付舌片部53及び背板側建付舌片部45に対し建付ボルト46を適当な位置に組み付ける。この時、調整金具側建付舌片部53と背板側建付舌片部45は、適当な間隔をあけて対向した状態になる(図示省略)。(6)脱輪防止部61の第三調整ボルト64を背板部37の一対の第三調整穴65に挿通するとともに、背板部37の一方の面から突出した後の第三調整ボルト64に第三調整ナット62を仮止め状態で組み付ける。
【0044】
次に、吊り金具本体31を自動ドア22の上部に仮止め状態で固定する(吊り金具装置25を仮止め状態で自動ドア22の上部に固定する)。
【0045】
具体的には、(7)一対の金具固定ボルト35を底板部36の一対の位置調整穴38に挿通するとともに、一対の金具固定ボルト35を自動ドア22の上部にねじ込んで吊り金具本体31が底板部36の短手方向に移動可能になるように仮止め状態で固定する。
【0046】
次に、自動ドア22を吊り下げた状態にする。具体的には、(8)ローラー部32の一対のハンガーローラー41をハンガーレール24のレール本体29に載せて自動ドア22を吊り金具装置25にて吊り下げた状態にする。
【0047】
次に、自動ドア22の建付調整を行う。具体的には、(9)建付ボルト46を上下動させて調整金具側建付舌片部53と背板側建付舌片部45との間隔を調整し、これにより自動ドア22の上下方向の位置を調整するとともに、一対の位置調整穴38に対し一対の金具固定ボルト35をスライドさせるようにして自動ドア22の上記短手方向の位置を調整する。(10)自動ドア22の位置を決めた状態で、一対の第一調整ナット50、第二調整ナット52、及び一対の金具固定ボルト35を完全に締め付けた状態にする。以上により各部が固定される。
【0048】
最後に、脱輪防止手段34の調整を行う。具体的には、(11)マイナスドライバーにて脱輪防止部本体63の向きを変えてハンガーレール24のレール本体29とのクリアランスを調整しつつ第三調整ナット62完全に締め付けた状態にする。以上により脱輪が防止される。
【0049】
<本発明の吊り金具装置25の効果について>
以上、
図1ないし
図7を参照しながら説明してきたように、本発明の吊り金具装置25によれば、特に建付調整手段33の構成及び構造に配慮し、帯板部42を直接、背板部37に対向させることから、従来用いていた中間板(
図8及び
図9に示す比較例の中間板10と同じ)を廃止するができるという効果を奏する。これにより、一対のハンガーローラー41の中心から背板部37の一方の面までのピッチP2を、
図8及び
図9に示す比較例のピッチP1よりも小さく(P2<P1)することができ、結果、小型化を図ることができるという効果を奏する。また、本発明の吊り金具装置25によれば、小型化により例えばメンテナンスの際の作業性を向上させることができるという効果も奏する。
【0050】
<比較例について>
図8は比較例としての吊り金具装置の斜視図である。また、
図9は
図8の吊り金具装置の平面図である。尚、比較例は、背景技術の欄で挙げた特許文献1(特開2011−169035号公報)に開示されたものと基本的に同じものである。すなわち、
図10と基本的に同じ構成及び構造のものである。
【0051】
図8及び
図9において、吊り金具装置1は、底板部5及び背板部6を有する吊り金具本体7と、一対のハンガーローラー11を有するローラー部9と、このローラー部9を背板部6に組み付けるための中間板10と、建付調整手段16とを備えて構成される。
【0052】
図9において、一対のハンガーローラー11の中心から背板部6の一方の面までのピッチは、ピッチP1で示される。ピッチP1は、中間板10の厚み分だけ上述のピッチP2(
図2参照)よりも大きくなってしまう。
【0053】
従って、比較例と比べて本発明の吊り金具装置25が有用であるのは勿論である。
【0054】
<特許請求の範囲に記載以外の特徴について>
尚、特許請求の範囲に記載された本発明は、吊り金具装置25として特徴づけられているが、これを自動ドア装置21の発明に書き換えれば次のような内容を特徴とする。
【0055】
すなわち、自動ドア装置21は、
「駆動機構によりスライド開閉する自動ドア22と、該自動ドア22の組付枠としての上枠23と、該上枠23内に設けられるハンガーレール24と、前記上枠23内に設けられる吊り金具装置25とを備える自動ドア装置21において、
前記吊り金具装置25は、
前記自動ドア22の上部に固定される吊り金具本体31と、
前記ハンガーレール24に組み付けられるローラー部32と、
該ローラー部32を前記ハンガーレール24のレール本体29に載せた状態で前記吊り金具本体31を上下方向の所定位置に仮配置するための建付調整手段33とを含んで構成され、
前記吊り金具本体31は、
前記自動ドア22に対する固定部分としての底板部36と、
該底板部36から上方に立ち上がる背板部37とを有し、
前記ローラー部32は、
前記レール本体29に対し転動自在になる一対のハンガーローラー41と、
該一対のハンガーローラー41を前記レール本体29の延在方向に沿って所定の間隔で組み付けるための帯板部42とを有し、
前記建付調整手段33は、
前記背板部37の所定位置を前記上下方向に沿って長く貫通形成される第一調整穴43及び第二調整穴44と、
前記背板部37の一方の面側に形成される背板側建付舌片部45と、
該背板側建付舌片部45のネジ穴54に対し前記上下方向に沿って組み付けられる建付ボルト46と、
前記一対のハンガーローラー41の各回転軸中間位置で前記帯板部42を円形に貫通して形成されるボルト貫通穴47と、
前記帯板部42の一方の面を前記背板部37の他方の面に対向させた状態で前記一対のハンガーローラー41が存在する側である前記帯板部42の他方の面側から該帯板部42を跨ぐ状態で前記背板部37の他方の面に対し組み付けられる調整金具本体48と、
前記第一調整穴43を貫通するように前記調整金具本体48の一方の面から突出する第一調整ボルト49と、
前記背板部37の一方の面から突出した後の前記第一調整ボルト49に対し組み付けられる第一調整ナット50と、
前記ボルト貫通穴47及び前記第二調整穴44を貫通するように前記調整金具本体48の一方の面から突出する第二調整ボルト51と、
前記背板部37の一方の面から突出した後の前記第二調整ボルト51に対し組み付けられる第二調整ナット52と、
前記調整金具本体48の一方の面側に形成されて前記背板側建付舌片部45に対向し且つ前記建付ボルト46のボルト頭部が係合する調整金具側建付舌片部53とを有する」ことを特徴とする。
【0056】
効果としては、吊り金具装置25の小型化を図ることができる、ということが挙げられる。
【0057】
この他、脱輪防止手段34を含めた吊り金具装置25として特徴づけてもよいものとする。
【0058】
具体的には、特許請求の範囲に記載された発明の構成に対し、「前記ローラー部32の脱輪を防止するための脱輪防止手段34を含む」こと、及び、
「前記脱輪防止手段34は、
前記背板部37の所定位置を前記上下方向に沿って長く貫通形成される第三調整穴65と、
前記レール本体29及び前記底板部36の間に配設されるブロック状の脱輪防止部本体63及び該脱輪防止部本体63から突出する第三調整ボルト64を含んで構成される脱輪防止部61と、
前記背板部37の一方の面から突出した後の前記第三調整ボルト64に対し組み付けられる第三調整ナット62とを有する」ことを付加して、脱輪防止手段34を含めた吊り金具装置25として特徴づけてもよいものとする。
【0059】
以上のような脱輪防止手段34を含めた吊り金具装置25の問題点としては、「従来、一対のハンガーローラーの中心から背板部までのピッチが大きくなってしまい、そのため脱輪を防止する手段のうちの、ブロック状の部分が長くなってしまい、結果、重量面やコスト面に影響を来している」ことが挙げられる。そこで、上記のような特徴にすれば、「ハンガーローラーの中心から背板部までのピッチを小さくして小型化を図ることができ、また、これに伴って脱輪を防止する手段も小型化することができ、結果、重量低減やコスト低減を図ることができる」という効果を奏する。
【0060】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。