特許第6647782号(P6647782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647782
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】カテーテル挿入用のロボット補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/082 20060101AFI20200203BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A61M25/082 500
   A61M25/01
【請求項の数】26
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-237494(P2014-237494)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2015-100708(P2015-100708A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2017年9月29日
(31)【優先権主張番号】14/090,579
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/037506(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0123802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/082
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵襲性プローブの、前記プローブを格納したシースに対する運動を制御するための装置であって、
前記シースに連結するように構成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングの後端部に連結された駆動機構であって、
所定距離の並進運動を繰り返す方法で前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように構成された第1の群の構成部品と、
所定角度の回転運動を繰り返す方法で前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように構成された第2の群の構成部品と、を含む、駆動機構と、を備え、
前記外側ケーシングは円筒状であって、前記シースが患者に挿入されている際に、前記外側ケーシングは、縫合により患者に一時的に固定可能なように構成されており、
前記プローブは、前記駆動機構、及び、前記縫合により患者に一時的に固定されている前記外側ケーシングを通り、前記シースに入ることができる、装置。
【請求項2】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、第1及び第2の位置において前記プローブを解放可能に把持するように構成された、第1及び第2のグリッパーを含む共通の部分群を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のグリッパーが前記シースに対して固定され、前記第2のグリッパーが前記シースに対して可動である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のグリッパーが前記プローブを解放している間、かつ前記第1のグリッパーが前記プローブの並進及び回転の一方を実行している間に、前記第1のグリッパーが前記プローブを把持する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、液圧構成部品を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記液圧構成部品が、気体によって作動されるように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記液圧構成部品が、液体によって作動されるように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、電磁的構成部品を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
制御信号を受信すると前記電磁的構成部品に電流を供給するように構成された回路を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の群の構成部品が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前進及び後退の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記並進運動を繰り返す方法の並進及び前記回転運動を繰り返す方法の回転の一方を実行するように第1及び第2のグリッパーを交互に開閉するように構成されたソレノイドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の群の構成部品が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前記時計回りの回転及び前記反時計回りの回転の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プローブが被験者の心臓の侵襲性手術に使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記運動を制御することが、前記プローブに加えられる力を増幅させること、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記運動を制御することが、前記シースと前記プローブとの間の摩擦に打ち勝つこと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
侵襲性プローブを格納したシースに対する前記プローブの運動を制御するためのシステムであって、
前記プローブと、
前記シースと、
前記シースに連結された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングの後端部に連結された駆動機構と、を含み、
前記外側ケーシングは円筒状であって、前記シースが患者に挿入されている際に、前記外側ケーシングは、縫合により患者に一時的に固定可能なように構成されており、
前記プローブは、前記駆動機構、及び、前記縫合により患者に一時的に固定されている前記外側ケーシングを通り、前記シースに入ることができ、
所定距離の並進運動を繰り返す方法で前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように前記駆動機構内の第1の群の構成部品を作動させ、
所定角度の回転運動を繰り返す方法で前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように前記駆動機構内の第2の群の構成部品を作動させる、システム。
【請求項17】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、第1及び第2の位置において前記プローブを解放可能に把持する第1及び第2のグリッパーを含む共通の部分群を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のグリッパーが前記シースに対して固定され、前記第2のグリッパーが前記シースに対して可動である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2のグリッパーが前記プローブを解放している間、かつ前記第1のグリッパーが前記プローブの並進及び回転の一方を実行している間に、前記第1のグリッパーが前記プローブを把持する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、液圧構成部品を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の群の構成部品及び前記第2の群の構成部品が、電磁的構成部品を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
制御信号を受信すると前記電磁的構成部品に電流を供給する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の群の構成部品が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前進及び後退の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記並進運動を繰り返す方法の並進及び前記回転運動を繰り返す方法の回転の一方を実行するように第1及び第2のグリッパーを交互に開閉するようにソレノイドを構成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2の群の構成部品が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの時計回りの回転及び反時計回りの回転の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
前記プローブは、被験者の心臓の侵襲性手術に使用される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には侵襲性医療機器に関し、より詳細には診断又は治療目的のために、侵襲性プローブを操作及び操縦するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル用の各種のロボット操縦機構が当該技術分野で周知である。例えば、参照によりその開示内容を本明細書に援用するところの米国特許出願公開第2005/0203382号には、ユーザーによって手動で操作されるように設計された、カテーテルを操縦するためのロボットについて述べられている。カテーテルは、ユーザーが操作可能な制御ハンドル又は親指制御部を有し、ロボットは、外科医の手の動きを大まかに模倣することにより、カテーテルを保持し、操作する。
【0003】
別の例として、参照によりその開示内容を本明細書に援用するところの国際出願公開第WO 99/45994号には、可撓性の細長いプローブを患者の体内に制御可能に挿入する推進装置を含む、遠隔制御カテーテル法システムについて述べられている。制御コンソールは、推進装置と通信して、推進装置によるプローブの体内への挿入を制御するために、患者から遠隔したシステムのユーザーによって制御されるユーザー制御部を含む。
【0004】
参照により本特許出願に援用される文書は本出願の一部をなすものとみなされるべきであるが、これらの援用される文書において、いずれかの用語が、本明細書において明示的又は暗示的になされる定義と矛盾するように定義される限りは、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、侵襲性プローブを格納したシースに対するプローブの運動を制御するための装置であって、
前記シースに連結されるように構成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングに固定的に連結された駆動機構であって、
並進運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように構成された第1の群の構成部品と、
回転運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように構成された第2の群の構成部品と、を含む、駆動機構と、を備える、装置を提供するものである。
【0006】
一般的に、前記第1の群及び前記第2の群は、第1及び第2の位置において前記プローブを解放可能に把持するように構成された、第1及び第2のグリッパーを含む構成部品の共通の部分群を含む。前記第1のグリッパーは前記シースに対して固定され、前記第2のグリッパーは前記シースに対して可動である。一般的に、前記第2のグリッパーが前記プローブを解放している間、かつ前記第1のグリッパーが前記プローブの並進及び回転の一方を実行している間に、前記第1のグリッパーが前記プローブを把持する。
【0007】
開示された一実施形態では、構成部品は液圧構成部品を含む。液圧構成部品は、気体によって作動されるように構成することができる。また、液圧構成部品は、液体によって作動されるように構成することもできる。
【0008】
開示される更なる一実施形態では、構成部品は電磁的構成部品を含む。本装置は、制御信号を受信すると前記電磁的構成部品に電流を供給するように構成された回路を有することができる。
【0009】
なお更に開示された一実施形態では、前記第1の群は、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前進及び後退の一方を実行するように構成された磁石と、を含む。
【0010】
別の実施形態では、本装置は、前記並進運動の段階的な方法の並進及び前記回転運動の段階的な方法の回転の一方を実行するように第1及び第2のグリッパーを交互に開閉するように構成されたソレノイドを含む。
【0011】
更なる別の実施形態では、前記第2の群は、コイルと、コイルが励磁されるとプローブの時計回り及び反時計回りの回転の一方を実行するように構成された磁石とから構成される。
【0012】
一般的に、侵襲性プローブは、患者の心臓の侵襲性手術に使用される。
【0013】
なお更なる代替の実施形態では、前記運動を制御することは、侵襲性プローブに加えられる力を増幅させることを含む。
【0014】
これに代えて、又はこれに加えて、前記運動を制御することは、シースと侵襲性プローブとの間の摩擦に打ち勝つことを含む。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、侵襲性プローブを格納したシースに対するプローブの運動を制御するための方法であって、
外側ケーシングを前記シースに連結することと、
駆動機構を前記外側ケーシングに固定的に連結することと、
並進運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように前記駆動機構内の第1の群の構成部品を作動させることと、
回転運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように前記駆動機構内の第2の群の構成部品を作動させることと、を含む方法が更に提供される。
【0016】
以下の実施形態の詳細な説明を、以下の図面と併せ読むことによって、本開示のより深い理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に基づく、自動カテーテル運動補助装置を使用したカテーテル法システムの概略的な描図である。
図2】本発明の一実施形態に基づく、ロボット駆動部内に保持されたカテーテルを示す概略的な描図である。
図3】本発明の代替の一実施形態に基づく、組み付け状態の補助装置の概略図である。
図4】本発明の一実施形態による、補助装置の概略分解図である。
図5】本発明の一実施形態による、並進力及び回転力を与える補助装置の電磁的構成部品を示す概略分解図である。
図6】本発明の一実施形態による、シースに対するカテーテルの段階的な運動を実施する際の工程を示すフローチャートである。
図7】本発明の代替の一実施形態による、組み付け状態の代替の補助装置の概略図である。
図8】本発明の代替の一実施形態による、代替の補助装置の概略部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概要
本発明の一実施形態は、侵襲性プローブを格納したシースに対してプローブの運動を制御するための装置を提供するものである。一般的に、本装置は、プローブが、シースに対して並進運動又は回転運動の方法のいずれかによって動く際に通常存在する摩擦に打ち勝つために使用することができる。このようなプローブの運動は、プローブのロボット駆動によって開始することができる。
【0019】
装置は、シースに連結された外側ケーシングと、外側ケーシングに固定的に連結された駆動機構と、を有する。駆動機構は、並進運動の段階的な方法でシースに対してプローブを前進及び後退させるために、プローブの軸と平行な方向に沿ってプローブを並進させる第1の群の構成部品を含む。駆動機構はまた、回転運動の段階的な方法でシースに対してプローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、プローブの軸を中心としてプローブを回転させる、第2の群の構成部品も含む。
【0020】
一般的に、第1の群の構成部品と第2の群の構成部品とは、構成部品の共通の部分群を含む。共通の部分群には、第1及び第2の位置においてプローブを解放可能に把持するように構成された、プローブの第1のグリッパー及びプローブの第2のグリッパーが含まれる。段階的運動を実現するため、第2のグリッパーがプローブを解放している間、第1のグリッパーがプローブを把持し、これにより第1のグリッパーが並進又は回転運動を行うことが可能である。この後、第2のグリッパーがプローブを把持し、第1のグリッパーはプローブを解放してその初期位置に戻る。プローブを交互に把持及び解放し、第1のグリッパーがプローブを把持している間にプローブを動かすという動作は、必要に応じて反復的に繰り返すことができる。
【0021】
代替の一実施形態では、プローブとシースとの間の摩擦に打ち勝つように装置を構成する代わりに、プローブに作用する力を増幅させるように装置を構成することができる。
【0022】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態により、自動カテーテル運動補助装置22を使用したカテーテル法システム20の概略的な描図である。この例示した実施形態では、医師が、カテーテル案内シース24を被験者28の管腔26内に挿入している。管腔は、本明細書においてプローブ30とも呼ばれるカテーテル30を、被験者の心臓の室房などの体腔32内に入れることを可能とする。例えば、心臓への挿入の場合、管腔26は大腿静脈を含みうる。カテーテルの遠位先端部(挿入図に拡大表示される)は、一般的に、診断及び/又は治療目的のための機能要素40を有している。例えば、要素40は、組織の電気的検知及び/又は焼灼用の電極、又は心臓画像診断用の超音波トランスデューサーを含みうる。以下に述べる態様で駆動されうる他の種類の機能要素及び侵襲性プローブは、当業者には明らかであり、本発明の範囲に含まれるものとみなされる。
【0023】
この描図した実施形態では、カテーテル30は更に、先端部の位置座標の決定に使用するための位置トランスデューサー42をその遠位先端部の内部に有している。例えば、トランスデューサー42は、フィールドトランスデューサー44によって体外の既知の位置で発生させられる磁場を検出する磁場センサーを含みうる。この種の磁気位置検知システムは、例えばその開示内容を本明細書に参照により援用するところの米国特許第5,391,199号に述べられており、CARTO(商標)システム(バイオセンス・ウェブスター社(Biosense Webster Inc.)(カリフォルニア州、ダイアモンドバー)により製造されるもの)のような心臓内追跡システムにおいて使用されている。あるいは、トランスデューサー42が、トランスデューサー44によって検知される場を発生してもよい。更にこれに代えるか又はこれに加えて、トランスデューサー42は、インピーダンスに基づいた位置検知を目的とする電極、超音波トランスデューサー、又は身体の2次元又は3次元画像においてカテーテル先端部の位置を特定するための基準マークなどの当該技術分野において知られる他の任意の適当な種類の位置トランスデューサーを含みうる。
【0024】
位置検知モジュール50は、トランスデューサー42及び44と通信することによって患者の体内のカテーテル先端部の位置座標を決定する。制御ユニット52は、この座標を用いてロボット駆動部54(図2に関して下記により詳しく述べる)を制御することによりカテーテル30を体内の所望の位置に案内する。この点に関し、制御ユニット52は、所定のプログラム命令にしたがって自律的に動作してもよい。これに代えるか又はこれに加えて、制御ユニットは、人間の操作者(図に示されていない)によるカテーテルの制御を可能とするように、一般的に体腔32のマップ又は画像上に並んで配置されるディスプレイ60上にカテーテルの位置を表示することができる。制御ユニット52は、一般的に、所望の機能を実行するためにソフトウェアにプログラムされた汎用コンピュータプロセッサを含む。
【0025】
ロボット駆動部54は、人間の操作者が、制御ユニット52を使用してカテーテル30に自動的に調整を行うことを可能とする。こうした調整は、一般的に、カテーテルの軸に沿って管腔26内でカテーテルを前進及び後退させること、並びにカテーテルをその軸を中心として時計回り又は反時計回りに回転させることを含む。人間の操作者は、一般的には、制御ユニットに接続されたマウス又はジョイスティックのようなポインティング装置の操作によってカテーテルの所望の動きを入力し、制御ユニットは、ポインティング装置の操作を関連したロボット駆動部54への信号に変換する。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による、ロボット駆動部54内に保持されたカテーテル30を示す概略的な描図である。カテーテル30は、人間の操作者によって保持及び操作されるように設計されたハンドル70を有している。従来の使用においては、操作者はシース24を経皮的に管腔26に挿入し、カテーテルの遠位端をシースに挿入する。次いで、操作者は、カテーテルをシース24を通じて、その長手方向軸に沿って、体腔32内に前進させる。操作者は、カテーテルを後退及び前進させるためにハンドルを前後に動かし、かつカテーテル自体を回転させるために軸を中心としてハンドルを回転させることもできる。近位終端部72が、カテーテルを制御ユニット52に連結しているが、この終端部との連結は、図を簡潔にかつ明瞭にするために図2では省略している。
【0027】
しかしながら、本実施形態の各実施例では、駆動部54が人間の操作者の代わりにこれらの操作を行うことができる。ジグ74が、ハンドル70を保持している。ジグは、軸を中心としてハンドルを回転させるためのギア機構を有している。ジグ74は、カテーテルをその軸に沿って前進及び後退させるために、台座部82に対して並進運動することが可能なプラットフォーム80上に取り付けられている。ギア機構を回転させ、プラットフォーム46を台座部47に沿って並進運動させることにより、駆動モジュール88がトランスミッション90によってジグ74に連結されている。ジョイスティックのようなポインティング装置を制御ユニット52に接続し、システム20の操作者がこのポインティング装置を使用して制御ユニットに駆動モジュール88に適当な信号を発生させることができる。
【0028】
駆動部54と同様の駆動部のより詳細な説明が、本明細書に参照により援用するところの米国特許出願第12/539,707号に与えられている。
【0029】
図2に示されるように、カテーテル30はハンドル70から出て、補助装置22内に入る。補助装置22はシース24に連結され、カテーテル30は補助装置及びシースを通って体腔34内に入る。
【0030】
図3は、組み立てられた状態の補助装置22の概略図であり、図4は、本明細書の一実施形態による補助装置の概略分解図である。補助装置22は、カテーテル20が入る駆動モジュール100、及び、シース24への移行領域104に固定的に連結された円筒状の外側ケーシング102を有している。カテーテル30は、駆動モジュール100、外側ケージング102、及び移行領域104を通り、シース24に入る。モジュール100の各要素は、制御ユニット52からの制御信号に応じて必要な電流を発生する回路106、通常はASIC(特定用途向け集積回路)内に発生される電流によって駆動される。例として、回路106はケーシング内に設置されているものと仮定しているが、回路106は、制御ユニット52を含む他の任意の都合のよい場所に設置してもよく、ケーブルを介して被駆動要素に接続することによって必要な電流を供給することができる。
【0031】
駆動モジュール100は、固定ユニット110と可動ユニット112とを含む。下記により詳細に述べるように、可動ユニット112は、カテーテル30の軸によって規定される方向、及びこの軸を中心とした方向に動くことができ、いずれの運動も固定ユニット110に対するものである。前者の運動は、本明細書では平行運動又は並進運動とも呼ばれ、後者の運動は本明細書では回転運動とも呼ばれる。ユニット110は、ロックリング114によってケーシング102に対して固定され、したがってシース24に対して固定されうる。固定ユニット110は、固定ユニットの固定ユニット基部118と連結されたコレット116を有しており、ユニットはロックリングをコレット上に螺着することによってケーシング102に固定することができる。以下の説明文では、ユニット110がロックリング及びコレットによりケーシング102に固定されているものと仮定する。
【0032】
固定ユニット基部118は、作動時にカテーテル30を把持する固定グリッパー120を有している。グリッパー120は、基部118のそれぞれの保持格納要素124内に格納された1対の対向したソレノイド122を有している。それぞれのジョー126はソレノイド122によって保持され、ソレノイドが励磁されるとカテーテルと係合してこれを保持し、これによりカテーテルがシース24に対して固定される。ソレノイドが励磁されない場合、ジョー126はカテーテルと係合せず、したがってカテーテルはシースに対して自由に動くことができる。
【0033】
可動ユニット112は、互いに嵌合するとともに互いに対して限定的な摺動動作で平行な運動方向、すなわちカテーテル30によって規定される軸と平行に動くように構成された2つの小部分132及び134を含む。小部分134は、上記に述べたグリッパー120と概ね同様の可動グリッパー140を有している。したがって、グリッパー120は、小部分134のそれぞれの保持格納要素144内に格納された1対の対向したソレノイド142を有している。それぞれのジョー146は、ソレノイド142によって保持され、ソレノイドが励磁されるとカテーテルと係合してこれを保持し、これにより小部分134がカテーテルを保持する。ソレノイド142が励磁されない場合には、カテーテルは小部分134に対して自由に動くことができる。
【0034】
小部分132に対する小部分134の平行な摺動又は並進運動は、遠位及び近位方向の両方において限定されるように構成されている。したがって、例えば、小部分132の係止部152と接触する小部分134の表面150が、小部分134の遠位方向への運動を限定する。小部分134の並進運動の範囲、すなわち、遠位側の端点から近位側の端点までの一般的な範囲は、約2mmである。
【0035】
固定ユニット110と可動ユニット112とが互いに組み付けられると、固定ユニット110内の保持突起160が可動ユニット112内のスロット162と嵌合する。スロット162は、カテーテル30の周囲方向に測った場合に突起160よりも大きくなっており、このため、可動ユニット112は、回転方向、すなわちカテーテル30によって規定される軸を中心とした方向に回転することができる。この回転運動は、突起160とスロット162の寸法の差によって限定される。可動ユニットの回転運動の一般的な全体的範囲は、約5°である。
【0036】
カテーテル30を把持するために固定ユニット110及び可動ユニット112に含まれる上記に述べた電磁的構成部品以外に、ユニット110及び112は、上記で述べた並進運動及び回転運動に必要なそれぞれの力を与えるように構成された更なる電磁的構成部品を有している。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態による、並進力及び回転力を与える補助装置22の電磁的構成部品を示した概略分解図である。
【0038】
簡単及び分かりやすさのため、図5には、並進力及び回転力を与える、本明細書では力電磁的構成部品170とも呼ばれる、補助装置22の電磁的構成部品170、及びそれらの保持要素のみが示されている。補助装置22の並進力は、励磁されると永久磁石182と相互作用するコイル180によって与えられる。コイル180は小部分132内に保持され、磁石182は小部分134内に保持されている。補助装置22の回転力は、励磁されると永久磁石194と相互作用するコイル190及び192によって与えられる。コイル190及び192は固定ユニット基部118内に保持され、磁石194は小部分132内に保持されている。上記に述べた電磁的構成部品は、並進力と回転力とを互いに完全に独立して実施することを可能とする点は理解されるであろう。したがって、並進力のみ、又は直進力のみ、又は並進力及び直進力の両方を、電磁的構成部品170によって作用させることが可能であり、作用させる力の種類は、コイル180、190、及び/又は192のどれが励磁されるかによって決まる。
【0039】
本発明の実施形態では、上記に述べた電磁的構成部品を使用することによって、カテーテルをシースに対して、カテーテルによって規定される軸と平行な並進方向、又は軸を中心とした回転方向、又はその両方向のいずれかに動かすものである。これらの場合のいずれにおいても運動は段階的に実施される。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態による、シース24に対するカテーテル30の段階的な運動を実施する際の工程を示すフローチャート200である。例として、また簡単のため、フローチャートの説明は、カテーテルの遠位方向への並進運動が実施されるものと仮定している。同様の工程が、近位方向への並進運動、並びに時計回り及び反時計回りの回転運動にも当てはまり、当業者であれば、その説明に適宜変更を加えてこれらの他の運動に適合させることが可能であろう。
【0041】
準備工程202では、ハンドル70をロボット駆動部54に挿入する。更に、外側ケーシング102をシース24に連結し、シースを患者に挿入する。一般的に、シースを患者に挿入した時点で、外側ケーシングを縫合などにより患者に一時的に固定する。次いでプローブ30をプローブハンドルから駆動モジュール100内に送り込む。
【0042】
初期制御ユニット工程204では、システム20の操作者が制御ユニット52を作動させることにより、ユニットは、本明細書で、上記に説明したような、プローブの近位方向への並進運動を含むものと仮定される、所望の運動の信号を発生する。この信号がロボット駆動部54に伝達され、ロボット駆動部54がハンドルを近位方向に並進させる。この信号は駆動モジュール100を制御する回路106にも伝達され、これにより、モジュールは、後述する繰り返し工程206〜218を実行する。この繰り返しは、制御ユニット52が所望の運動の信号を発生しなくなるまで継続される。
【0043】
繰り返し工程206〜218は、ソレノイド122及び124の励磁及び消磁、並びにコイル180、190、及び/又は192の励磁及び消磁を必要とし、これらの動作はすべて順次行われる。これらの動作に必要な電流は回路106によって発生される。
【0044】
第1の繰り返し工程206では、回路がソレノイド122を励磁することによって固定グリッパー120を閉じ、これによりプローブが把持される。
【0045】
第2の繰り返し工程208では、回路がソレノイド142を消磁することによって可動グリッパー140を開き、これによりプローブは可動グリッパーによって把持されなくなる。
【0046】
第3の繰り返し工程210では、コイル180が励磁されることにより、可動グリッパー140がその並進運動の近位側の端点にまで、開いたままで動かされる。
【0047】
第4の繰り返し工程212では、プローブを把持するように、ソレノイド142を励磁させることにより可動グリッパーが閉じられる。
【0048】
第5の繰り返し工程214では、プローブをもはや把持しないように、ソレノイド122を消磁させることにより固定グリッパー120が開かれる。
【0049】
上記の繰り返し工程により、プローブが固定位置に維持されたまま、可動グリッパーがその求められる位置に動かされる。以下の繰り返し工程は、プローブの段階的な運動を述べるものである。
【0050】
第6の繰り返し工程216では、コイル180を励磁させることによって可動グリッパーがその並進運動の遠位側の端点までプローブを把持したまま動かされる。
【0051】
決定工程218では、回路106が、運動信号が制御ユニット52から依然受信されているか否かを確認する。信号が受信されている場合、工程206〜216が繰り返されることにより、駆動モジュール100によって発生される段階的運動が繰り返される。運動信号が受信されていない場合、駆動モジュールによって発生される段階的運動は終了し、フローチャートは終了する。
【0052】
図7は、組み立てられた状態の補助装置322の概略図であり、図8は、本明細書の代替の一実施形態による補助装置の概略部分分解図である。以下に述べる相違点を除き、補助装置322の動作は補助装置22の動作(図1〜5)と概ね同様であり、補助装置22及び322の双方において同じ参照符号によって示される要素は、構造及び動作において概ね同様である。
【0053】
そのグリッパーユニット並びにその並進力及び回転力発生装置に電磁的構成部品を使用する補助装置22と対照的に、補助装置322はこれらの要素として液圧構成部品を使用している。液圧構成部品を使用することにより、補助装置322ではいずれかの要素を補助装置22において使用されているような磁性材料で形成する必要がない。したがって、補助装置322は、MRI(磁気共鳴イメージング)環境で使用可能であるのに対して、こうした環境での補助装置22の使用には問題が生じうる。
【0054】
補助装置22と同様、補助装置322の駆動モジュール330は、図7に示されるように、互いに組み付けられる固定ユニット340と可動ユニット342とを含む。上記に述べたように補助装置322の各要素は、液圧流体352を用いたチューブ350によって駆動される液圧構成部品によって形成されている。一般的に、チューブ内に用いられる液圧流体は圧縮空気であり、一実施形態では、こうした圧縮空気は0.5MPa以上(5気圧以上)のオーダーの圧力にまで圧縮することができる。しかしながら、他の実施形態では、流体352は、0.1MPa(1気圧)よりも高いか又は低くてよい他の任意の都合のよい圧力で作動される空気又は別の気体とすることができる。また、液圧流体は、水などの液体からなるものでもよい。
【0055】
固定ユニット340では、固定ユニット基部348は、ロックリング114及びコレット116を用いてケーシング102に対して固定されている。部分348は、シリンダー362内で動くジョー付きピストン360と、対向するジョー364とから構成される固定グリッパー358を有している。ジョー付きピストン360は、シリンダー362に適用される流体352によって作動されるとシリンダー362内で動き、これにより、ピストンとその対向するジョーとがカテーテル30を把持する。
【0056】
可動ユニット342は可動ユニット基部370を有し、可動ユニット基部370は可動グリッパー372を有している。可動グリッパー372は、可動ジョー付きピストンを有するシリンダー374と、対向するジョー378とから構成されている。ジョー付きピストン376は、シリンダー374に適用される流体352によって作動されるとシリンダー374内で動き、これにより、ピストンとその対向するジョーとがカテーテル30を把持する。
【0057】
可動ユニット342は、遠位側並進係止部380及び近位側並進係止部382の2つの並進係止部を有している。可動ユニットはまた、第1の回転係止部390及び第2の回転係止部392の2つの回転係止部も有している。
【0058】
2つの並進係止部の一方又は他方に、2本のチューブ350が接続されたピストンホルダー402内で動く両頭ピストン400が係合することができる。ホルダー402は、固定ユニット基部348に固定されている。流体352をホルダーに接続された2本のチューブ350の一方に適用することにより、ピストン400は近位方向に能動的に動いて近位側係止部382と接触し、可動ユニット342を固定ユニット340に対して近位方向に動かす。また、流体352は、ホルダー402に接続された他方のチューブ350に適用されてもよく、これによりピストン400が遠位方向に能動的に動いて遠位側係止部380と接触し、可動ユニット342を固定ユニット340に対して遠位方向に動かす。
【0059】
第1の回転係止部390には、ピストン410が係合することができる。ピストン410は、シリンダー412に流体352が適用されると、シリンダー内で動く。シリンダー412はカラー420によって固定ユニット基部348に固定されているため、ピストン410が係止部390と係合すると、可動ユニット342は固定ユニット340に対して反時計回りの方向に回転する。
【0060】
第2の回転係止部392には、ピストン430が係合することができる。ピストン430は、シリンダー432に流体352が適用されると、シリンダー内で動く。シリンダー432はカラー440によって固定ユニット348に固定されている。このため、ピストン430が係止部392と係合すると、可動ユニット342は固定ユニット340に対して時計回りの方向に回転する。
【0061】
補助装置322の並進運動及び回転運動の全体の範囲は、補助装置22のそれぞれの範囲と通常はほぼ同じである。
【0062】
図6に戻ると、当業者であれば、フローチャート200の各工程の説明に、補助装置322に適合するように適宜変更を加えて改変することが可能であろう。
【0063】
上記に述べた、補助装置22及び322に代表されるような本発明の実施形態は、ロボット駆動部54を補助することにより、カテーテルのそのシースに対する運動を制御することによって、カテーテルとシースとの間の摩擦に打ち勝つものである。本発明の代替の一実施形態では、補助装置22又は補助装置322は力増幅装置として構成することができる。その場合、カテーテル30に並進及び/又は回転運動を加えるロボット駆動部54ではなく、ケーシング102が固定された状態で、人間の操作者がカテーテルに並進及び/又は回転運動を加える。人間の操作者は、補助装置を手動で作動させて、操作者によって加えられる運動にしたがって、運動に必要な力、すなわち近位若しくは遠位方向への並進運動、又は時計回り若しくは反時計回りの回転に必要とされる力を増幅させることができる。また、当業者には周知の方法により、補助装置を自動で作動させ、操作者によって加えられる運動にしたがって、上記に述べた並進運動又は回転運動の力増幅装置として機能させることも可能である。
【0064】
上述した実施形態は一例として述べたものであり、本発明は、本明細書において上記に詳細に図示及び説明した内容に限定されない点は認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲には、上記に述べた異なる特徴の組合わせ及び部分的な組合わせの両方、並びに、上記の説明文を読むことで当業者に想到され、従来技術では開示されていない、それらの変形例及び改変例が含まれる。
【0065】
〔実施の態様〕
(1) 侵襲性プローブの、前記プローブを格納したシースに対する運動を制御するための装置であって、
前記シースに連結するように構成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングに固定的に連結された駆動機構であって、
並進運動の段階的な方法で(in a translational stepwise manner)前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように構成された第1の群の構成部品と、
回転運動の段階的な方法で(in a rotational stepwise manner)前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように構成された第2の群の構成部品と、を含む、駆動機構と、を備える、装置。
(2) 前記第1の群及び前記第2の群が、第1及び第2の位置において前記プローブを解放可能に把持するように構成された、第1及び第2のグリッパーを含む構成部品の共通の部分群を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1のグリッパーが前記シースに対して固定され、前記第2のグリッパーが前記シースに対して可動である、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記第2のグリッパーが前記プローブを解放している間、かつ前記第1のグリッパーが前記プローブの並進及び回転の一方を実行している間に、前記第1のグリッパーが前記プローブを把持する、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記構成部品が、液圧構成部品を含む、実施態様1に記載の装置。
【0066】
(6) 前記液圧構成部品が、気体によって作動されるように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記液圧構成部品が、液体によって作動されるように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記構成部品が、電磁的構成部品を含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 制御信号を受信すると前記電磁的構成部品に電流を供給するように構成された回路を有する、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記第1の群が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前進及び後退の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、実施態様1に記載の装置。
【0067】
(11) 前記並進運動の段階的な方法の並進及び前記回転運動の段階的な方法の回転の一方を実行するように第1及び第2のグリッパーを交互に開閉するように構成されたソレノイドを含む、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記第2の群が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの時計回りの回転及び反時計回りの回転の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記侵襲性プローブが被験者の心臓の侵襲性手術に使用される、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記運動を制御することが、前記侵襲性プローブに加えられる力を増幅させること、を含む、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記運動を制御することが、前記シースと前記侵襲性プローブとの間の摩擦に打ち勝つこと、を含む、実施態様1に記載の装置。
【0068】
(16) 侵襲性プローブを格納したシースに対する前記プローブの運動を制御するための方法であって、
外側ケーシングを前記シースに連結することと、
駆動機構を前記外側ケーシングに固定的に連結することと、
並進運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを前進及び後退させるために、前記プローブの軸と平行な方向に沿って前記プローブを並進させるように前記駆動機構内の第1の群の構成部品を作動させることと、
回転運動の段階的な方法で前記シースに対して前記プローブを時計回り及び反時計回りに回転させるために、前記プローブの軸を中心として前記プローブを回転させるように前記駆動機構内の第2の群の構成部品を作動させることと、を含む方法。
(17) 前記第1の群及び前記第2の群が、第1及び第2の位置において前記プローブを解放可能に把持する第1及び第2のグリッパーを含む構成部品の共通の部分群を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第1のグリッパーが前記シースに対して固定され、前記第2のグリッパーが前記シースに対して可動である、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第2のグリッパーが前記プローブを解放している間、かつ前記第1のグリッパーが前記プローブの並進及び回転の一方を実行している間に、前記第1のグリッパーが前記プローブを把持する、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記構成部品が、液圧構成部品を含む、実施態様16に記載の方法。
【0069】
(21) 前記構成部品が、電磁的構成部品を含む、実施態様16に記載の方法。
(22) 制御信号を受信すると前記電磁的構成部品に電流を供給することを含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記第1の群が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの前進及び後退の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、実施態様16に記載の方法。
(24) 前記並進運動の段階的な方法の並進及び前記回転運動の段階的な方法の回転の一方を実行するように第1及び第2のグリッパーを交互に開閉するようにソレノイドを構成すること、を含む、実施態様16に記載の方法。
(25) 前記第2の群が、コイルと、前記コイルが励磁されると前記プローブの時計回りの回転及び反時計回りの回転の一方を実行するように構成された磁石と、を含む、実施態様16に記載の方法。
【0070】
(26) 前記侵襲性プローブを被験者の心臓の侵襲性手術に使用すること、を含む、実施態様16に記載の方法。
(27) 前記運動を制御することが、前記侵襲性プローブに加えられる力を増幅させること、を含む、実施態様16に記載の方法。
(28) 前記運動を制御することが、前記シースと前記侵襲性プローブとの間の摩擦に打ち勝つこと、を含む、実施態様16に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8