(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る電気的接続装置及び検査方法の主たる実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)実施形態の構成
【0012】
図1は、本願発明の実施形態(以下「本実施形態」と呼ぶ。)に係る電気的接続装置の構成を示す模式図である。
【0013】
図1において、本実施形態に係る電気的接続装置100は、制御部1、記憶部2、電気容量測定部としての電気容量計3、絶縁抵抗測定部としての絶縁抵抗計4、接触子駆動部としてのプローブ駆動部5、切替部としての切替器6−1及び6−2、プローバ7−1及び7−2、プローブ8−1及び8−2を有する。
【0014】
電気的接続装置100は、被検査体10に形成された配線パターン間(配線パターン11−1と配線パターン11−2との間)の絶縁抵抗を測定する。また、電気的接続装置100は、配線パターン11−1及び11−2間の絶縁抵抗測定前に、電気接触子としてのプローブ8−1及び8−2が、被検査体10の配線端子(以下、「端子」と呼ぶ。)12−1及び12−2に、電気的な接触をしているか否かを判断する。
【0015】
被検査体10は、例えば、プリント配線基板や集積回路等の半導体デバイスである。すなわち、被検査体10は、電気回路としての配線パターン11−1及び11−2を有する。被検査体10の構造は、特に限定されない。本実施形態では、被検査体10が、絶縁性の材料からなる基板本体の内部に、複数の配線パターンが層状に配線されている多層配線構造である場合を例示する。被検査体10の基板本体は、例えば、セラミックス、ポリイミド等の材料から形成される。なお、
図1では、説明を容易にするために、配線パターンの層数が2層の配列構造である場合を例示するが、配線パターン11−1及び11−2の層数は特に限定されるものではなく、例えば、3層以上でも良い。
【0016】
図1に例示すように、被検査体10は、第1層の配線パターン11−1と、第1層よりも下層に設けられた第2層の配線パターン11−2とを有する。配線パターン11−1は、被検査体10の表面上のバンプ電極(以下、「パッド電極」とも呼ぶ。)としての端子12−1と接続しており、また配線パターン11−2も、被検査体10の表面上のバンプ電極としての端子12−2と接続している。
【0017】
電極13−1は、配線パターン11−1に対して垂直な方向に形成され、電極13−2は、配線パターン11−2に対して垂直な方向に形成されている。また、被検査体10の表面に形成された端子12−1は、電極13−1と接続され、端子12−2は、電極13−2と接続されている。電極13−1及び13−2は、導電性の材料からなり、例えば、銅、アルミニウム、銀、金等の金属からなる。また、電極13−1及び13−2の形状は、例えば、棒状、ライン状、板状等であってもよい。
【0018】
端子12−1及び12−2は、被検査体10の表面に配列されている。この端子12−1及び12−2は、被検査体10の下面、又は被検査体10の側面に配列されても良い。また、端子12−1及び12−2は、被検査体10の表面の任意の位置、に形成されても良い。例えば、端子12−1及び12−2は、一列に配列されても良いし、複数に配列されても良いし、又はマトリックス状に配列されても良い。
【0019】
配線パターン11−1及び11−2は、所定の微細加工が施されて形成されている。また、被検査体10の表面に形成された端子12−1及び12−2も所定の微細加工(以下、「微細化」と呼ぶ。)が施されて形成されている。微細化による配線パターン11−1及び11−2の幅長や、端子12−1及び12−2の幅長は、微細加工技術に応じて特に限定されない。例えば、この実施形態では、端子12−1及び12−2の幅長は、数十nm〜数十μm程度であり、一例として例えば約30μm程度とする。また、配線間のピッチ幅長は、数十nm〜数十μm程度であり、一例として例えば50μm程度とする。
【0020】
制御部1は、電気的接続装置100による被検査体10の電気的特性の測定、及びプローブ8−1及び8−2の接続状態を検査するための制御を行う。制御部1は、記憶部2、プローブ駆動部5、絶縁抵抗計4、及び電気容量計3と接続しており、これらの構成要素を制御する。
【0021】
記憶部2は、各種処理プログラム、及び処理に必要なデータなどを記憶する記憶領域である。制御部1は、記憶部2に記憶されている各種処理プログラムを実行することにより各種機能を実現、及び各構成要素を制御する。
【0022】
記憶部2には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を適用できる。記憶部2に記憶される処理プログラムとしては、例えば、駆動切替プログラムと、判断プログラム(検査プログラム)と、処理プログラムとがある。
【0023】
駆動切替プログラムは、制御部1(プローブ駆動部5)が、プローバ7−1及び7−2を駆動させ、端子(12−1及び12−2)に対するプローブ(8−1及び8−2)の電気的な接続状態の切替を制御するためのプログラムである
【0024】
判断プログラム(検査プログラム)は、制御部1が、プローブ8−1及び8−2の端子12−1及び12−2への接触状態を判断するためのプログラムである。
【0025】
測定プログラムは、制御部1が、被検査体10の絶縁抵抗測定に係る全般の処理を行うためのプログラムである。
【0026】
なお、記憶部2は、外部記憶装置であっても良い。この場合、制御部1は、外部記憶装置に記憶されている各種処理プログラムを実行することにより各種機能を実行させる。
【0027】
電気容量計3は、プローブ8−1及び8−2の端子12−1及び12−2への電気的接触を判断するために、端子12−1及び12−2を介した配線パターン11−1と11−2との間の電気容量(静電容量)を測定する。
【0028】
制御部1は、被検査体10に形成された、絶縁抵抗の測定に関連する全てのペア端子と、プローブとの電気的な接触状態を判断する。本実施形態では被検査体10の表面に設けられた複数の端子のうち、2個の端子を1ペアとする。本実施形態では、2本のプローブ(プローブ8−1及び8−2)と電気的に接触させるペアの組み合わせを変えて(すなわち、プローブ8−1及び8−2と、電気的に接触させる端子のペアを変えて)、全ての端子間(配線パターン間)の電気容量を測定する。電気容量計3は、プローブ8−1及び8−2と接触する端子間で測定された電気容量を、ペア毎に制御部1に通知する。制御部1は、通知されたペア毎の静電容量(以下、「ペア静電容量」と呼ぶ。)をペア毎に記憶する。
【0029】
絶縁抵抗計4は、端子12−1及び12−2を介した、配線パターン11−1と11−2との間の絶縁抵抗を測定する。絶縁抵抗計4による配線パターン間の絶縁抵抗の測定方法は、特に限定されなく、種々の方法を適用することができる。例えば、絶縁抵抗の測定方法としては、プローブ8−1及び8−2から、端子12−1及び12−2を介して、配線パターン11−1及び11−2に直流電圧を印加して、配線パターン間で得られる電気的特性に基づいて絶縁性を測定する方法を適用できる。
【0030】
なお、絶縁抵抗の測定の際、端子12−1及び12−2に確実に接触しているプローブ8−1及び8−2をそのまま用いて行うことができる。これにより、端子12−1及び12−2に確実に接触していることが判断されたプローブ8−1及び8−2を用いて、配線パターン11−1及び11−2の断線等を検査するために、連続して絶縁抵抗の測定を行うことができる。
【0031】
プローブ駆動部5は、制御部1の制御を受けて、プローバ7−1及び7−2を駆動する。例えば、プローブ駆動部5は、制御部1の指示を受けて、プローバ7−1及び7−2をXYZ方向に移動させて、被検査体10の表面上の端子12‐1及び12−2の位置にプローブ8−1及び8−2を配設させる。つまり、プローブ駆動部5は、プローブ8−1及び8−2を端子12−1及び12−2に電気的に接触させるように移動する。
【0032】
切替器6−1及び6−2は、電気容量計3と、絶縁抵抗計4と、プローバ7−1及び7−2と接続している。切替器6−1及び6−2は、制御部1の制御を受けて、被検査体10の端子12−1及び12−2のそれぞれと、プローブ8−1及び8−2のそれぞれとの間の電気的な接続状態を切り替える。
【0033】
プローバ7−1は、端子12−1にプローブ8−1電気的に接続させ、端子12−2にプローブ8−2を電気的に接続させて、被検査体10の電気的特性を検査、測定、試験、及び評価する。プローバ7−1及び7−2は、1又は複数のプローブ8−1及び8−2を有する。なお、プローバ7−1及び7−2は、例えばプローブカード等のように、被検査体10に形成された複数の端子のそれぞれに対して電気的な接触を行う複数(3個以上)のプローブを有しても良い。
【0034】
プローブ8−1及び8−2は、端子12−1及び12−2と電気的に接触する電気接触子である。ここで、プローブ8−1及び8−2は、導電性を有する部材であり、プローブ8−1及び8−2の先端部が、端子12−1及び12−2と電気的に接触する。なお、プローブ8−1及び8−2の構造は、特に限定されるものではない。また、プローブ8−1及びプローブ8−2の構造は、それぞれ異なる構造であっても良い。
【0035】
ここで、本実施形態では、絶縁抵抗を測定する前に、制御部1がプローブ駆動部5を駆動制御することにより、プローブ8−1を端子12−1、プローブ8−2を端子12−2の位置に配設させる。その後、電気容量計3が、プローブ8−1及び8−2を介して、端子12−1及び12−2に直流電圧を印加し、端子12−1及び12−2からの電流を所定時間毎に測定する。これにより、端子12−1及び12−2を介した配線パターン11−1と配線パターン11−2との間の電気容量を測定する。
【0036】
本実施形態は、制御部1は、電気容量計31測定した、配線パターン11−1と配線パターン11−2との間の電気容量に基づいて、プローブ8−1と端子12−1との間、及びプローブ8−2と端子12−2との間の電気的な接触状態を判断する。本実施形態では、端子12−1及び12−2のそれぞれに、1個のプローブ8−1或いは8−2を接触させる。そのため、
図2に示す従来の測定装置のように、本実施形態では、1個の端子12−1に対して、2個のプローブ8−1及び8−2を接触させる必要はない。
【0037】
つまり、本実施形態では、1個の端子(端子12−1及び12−2のうちの何れかの端子)に対して1個のプローブ(プローブ8−1及び8−2のうちの何れかのプローブ)のみを電気的に接触させることで、端子12−1及び12−2へのプローブの電気的な接触を判断できる。
【0038】
(A−2)実施形態の動作
次に、本実施形態に係る電気的接続装置100における端子へのプローブの電気的接触の判断処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
図3は、本実施形態に係る電気的接続装置100における端子へのプローブの電気的接触の判断処理を示すフローチャートである。
【0040】
上述したが、制御部1は、各種プログラムを実行することにより、各構成要素(電気容量計3、絶縁抵抗計4、及びプローブ駆動部5等)を制御する。従って、下記のフローチャートでは、説明の簡単化のため、制御部1が処理の主体となり、各処理を行うこととして説明することがある。
【0041】
電気的接続装置100では、制御部1が記憶部2から処理プログラムを読み出し、制御部1が処理プログラムを実行する。制御部1は、配線パターン(11−1及び11−2)間の絶縁抵抗の測定前に、端子(12−1及び12−2)に対するプローブ(8−1及び8−2)の電気的な接触状態を判断する処理プログラム(検査プログラム)を実行する。
【0042】
制御部1は、被測定対象とする2個の端子のペアに関する情報を全て記憶部2に記憶する(S101)。すなわち、制御部1は、被検査体10の表面上に配列される端子のうち、配線パターン間の絶縁抵抗の測定に関連する全てのペアの組み合わせに関する情報(以下「組み合わせ情報」と呼ぶ。)として記憶する。S101の処理工程について、
図4を参照して説明する。
【0043】
図4は、実施形態に係る被検査体10の表面上に配列される端子の分布例を示す図である。
【0044】
図4では、被検査体10が、半導体ウェハ上に形成される半導体デバイスとする場合を示している。
図4に示す黒丸は、被検査体10の表面上に配列される端子A〜Lを示す。
図4では、被検査体10に12個の端子A〜端子Lが形成されている場合を例示し、各端子A〜Lに対して識別情報(例えば、番号等)が付されている。
【0045】
この端子A〜Lの識別情報の付与方法は、種々の方法を広く適用することができる。例えば、CCDカメラ等の撮像装置により被検査体10の表面が撮像され、その画像から検出された端子に画像処理を施すことで実現しても良い。
【0046】
図5は、本実施形態に係る記憶部2に記憶される端子のペア情報(組み合わせ情報)を説明する説明図である。
図5は、
図4に例示する被検査体10の表面に形成された複数の端子のうち、配線パターン間の絶縁抵抗の測定に関連する全てのペアを示す。また、
図5は、プローブを接触させるペアの順番を示す。つまり、本実施形態では上の端子ペアから順番にプローブを接触させる。
【0047】
なお、
図4に示す点線矢印は、
図5の被測定対象とする端子のペアを示す。
図5に示すように、記憶部2に記憶される端子のペアは、(A,B)、(C,D)、(C,E)、(G,F)、(G,L)、(I,H)、(I,J)、(H,J)、及び(H,K)等のように、2個の端子の識別情報を対応付けた情報である。なお、本実施形態では、括弧内の左側の要素は、プローブ8−1が接触する端子を示している。また、括弧内の右側の要素は、プローブ8−2が接触する端子を示している。
【0048】
制御部1は、記憶部2に記憶した端子のペア情報に基づいて、プローブ8−1及び8−2のそれぞれを、端子12−1或いは12−2の位置に向けて移動させる(S102)。ここでは、例えば、記憶部2に記憶されている端子のペア情報の初期値が、(A,B)であるため、制御部1は、プローブ8−1を端子Aの位置に向けて移動させ、プローブ8−2を端子Bの位置に向けて移動させる。
【0049】
ここで、電気的接続装置100における絶縁抵抗測定に係る処理時間の短縮化、及び効果的な測定処理を図るために、プローブ8−1及び8−2の移動を最短距離とすることが望ましい。例えば、
図5に例示する端子のペアの順序を決定する際に、2個のプローブ8−1及び8−2の移動距離が、最短距離となるよう制御される。この被測定対象とする端子のペアの順序の決定方法は、例えば、既存のプローブ駆動制御プログラム等のようなソフトウェアを用いて決定することができる。
【0050】
例えば、
図5の端子のペアを参照すると、制御部1は、プローブ8−1については、「端子A」→「端子C」→「端子G」→「端子I」→「端子H」の順に移動する。一方、プローブ8−2については、制御部1は、「端子B」→「端子D」→「端子E」→「端子F」→「端子L」→「端子H」→「端子J」→「端子K」の順に移動する。このとき、例えば、プローブ8−1が「端子C」に接触し、プローブ8−2が「端子D」に接触している場合、プローブ8−1の無駄な移動を少なくするため、プローブ8−1の「端子C」への電気的接触を保持した状態で、プローブ8−2のみを「端子D」から「端子E」に移動させる。これにより、プローブ8−1及び8−2の移動距離を最短にすることにより、プローブ8−1及び8−2の移動に係る時間を軽減させ、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0051】
制御部1は、プローブ8−1を端子Aに移動、及びプローブ8−2を端子Bに移動させ、プローブ8−1を端子Aに、プローブ8−2を端子Bに向けて降下させる(S103)。そして、制御部1は、電気容量計3に電気容量の測定を行わせる(S103)。
【0052】
図6は、実施形態に係るプローブの端子へのコンタクトの様子を説明する説明図である。
【0053】
図6では、端子を端子12と表現し、プローブをプローブ8と記載している。例えば、
図6に示すように、端子12の幅長Aは15μm程度であり、プローブ8の先端部の直径Bは10μm程度である。端子12の位置まで移動したプローブ8が降下することで、プローブ8の先端部が端子12と電気的に接触する。制御部1は、通知されたペア毎の静電容量(以下、「ペア静電容量」と呼ぶ。)をペア毎に記憶する。
【0054】
電気容量計3は、測定した電気容量を制御部1に通知する(S103)。制御部1は、通知されたペア静電容量をペア毎に記憶する。
【0055】
制御部1は、電気容量計3から通知されたペア電気容量と、予め設定した閾値との比較を行う(S104)。通知されたペア電気容量が閾値より大きい場合(S104:Yes)、制御部1は、S104の処理を行う。また、通知されたペア電気容量が閾値以下の場合(S104:No)、制御部1は、S105の処理を行う。
【0056】
ここで、閾値は、予め設定した値を用いるようにしても良い。閾値は、適宜設定することができるが、例えば、1pF〜3pF程度とすることができる。
【0057】
閾値は、端子のペア毎に異なる値を設定しても良い。これは、被検査体10に形成される配線パターンの特徴が、異なる場合があるからである。
【0058】
ここで、配線パターンの特徴とは、例えば、配線パターン同士が近接して並行に配線されている距離長等、特徴的な物理的な配置、及び/又は物理的な量を示す。配線パターン同士が近接しており、かつ、並行に配列されている配線の距離長が長いほど、静電容量(電気容量)は大きくなる。このような場合、閾値を高く設定することが好ましい。従って、配線パターンの特徴に応じて、エリア毎に閾値を設定しても良い。
【0059】
測定した電気容量が閾値以下の場合(S104:No)、制御部1は、当該端子のペアに関する情報をエラーとして判断し、その端子のペアに関する情報を、記憶部2に記憶する。つまり、この場合、測定した電気容量が閾値以下の場合、プローブ8−1及び8−2と端子12−1及び12−2との間の電気的接触が確実になされていないと判断できる。なお、エラーと判断したペアについては、当該ペアの配線パターンをリペア対象とするために、記憶部2に記憶される。
【0060】
制御部1は、記憶部2に記憶されている端子のペア情報を参照して、次のペアの端子に向けてプローブ8−1及び8−2を移動させる(S106)。その後、制御部1は、S103の処理を行う(つまり、制御部1は、次の端子のペアの電気容量を測定する)。
【0061】
測定した電気容量が閾値より大きい場合(S104:Yes)、制御部1は、プローブ8−1の端子A、及びプローブ8−2の端子Bへの電気的な接触が確実になされていると判断する。
【0062】
従って、配線パターン間の絶縁抵抗の測定するため、制御部1は、絶縁抵抗計4に絶縁抵抗を測定させる指示を行い、絶縁抵抗計4が、端子Aと端子Bとの間(つまり、配線パターン間)の絶縁抵抗を測定する。絶縁抵抗計4による絶縁抵抗の測定後、制御部1は、プローブ8−1及び8−2を上昇させて、プローブ8−1を端子Aから、及びプローブ8−2を端子Bから離す。
【0063】
制御部1は、記憶部2に記憶されている端子のペア情報を参照して、全端子の検査が終了したか否かを判断する(S108)。全端子の検査が終了している場合(S108:Yes)、制御部1は、処理を終了させる。一方、全端子の検査が終了していない場合(S108:No)、制御部1は、S109の処理を行う。
【0064】
制御部1は、S109の処理において、記憶部2に記憶されている端子のペア情報を参照して、次のペアの端子に向けてプローブ8−1及び8−2を移動させる。その後、制御部1は、S103の処理を行う。
【0065】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、プローブ8−1が端子12−1に、及びプローブ8−2が端子12−2に電気的に接触しているか否かを(つまり、プローブのコンタクト状態)、配線パターン間の絶縁抵抗を測定する前に判断することができる。
【0066】
本実施形態によれば、配線パターンの微細化に伴い、端子へのプローブの電気的な接触技術が高度化しているが、電気的に接触させるプローブの数を減らすことができるため、プローブの端子への確実な接触を実現できる。
【0067】
また、本実施形態によれば、1個の端子に接触させるプローブが1個であるため、端子の表面に残る痕(パッド痕)が1個となり(つまり、端子に対するプローブの接触回数が減少するため)端子が傷まずに済む。さらに、1個の端子に接触させるプローブが1個であるため、電気的接続装置100の装置構成を簡単にすることができ、且つ、製造コストを抑えることができる。
【0068】
(B)他の実施形態
(B−1)上述した実施形態では、2個の端子を介して配線パターン間の電気容量を測定することで、2個の端子のそれぞれへのプローブの電気的な接触を判断する場合を例示した。つまり、端子間の電気容量を測定する場合を例示した。しかし、電気容量計3は、グランド接続していることを鑑みると、グランド接続(図示せず)と、1個のプローブが接続する1個の端子との間の電気容量を測定することも可能である。この場合でも、制御部1は、配線パターンとグランドとの間の電気容量と、閾値との比較結果に基づいて、当該プローブの端子への電気的な接触状態を判断することができる。
【0069】
(B−2)上述した実施形態では、電気的接続装置が複数のプローバを備え、それぞれのプローバが有する1個のプローブを、1個の端子に電気的に接触させる場合を例示した。
【0070】
しかし、プローバが、複数のプローブを有しており、この複数のプローブのそれぞれを、複数の端子のそれぞれに、同時に接触させることもできる。この場合も、切替器が、プローブを切り替えることができるので、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
(B−3)上述した実施形態では、電気的接続装置が絶縁抵抗測定装置である場合を例示した。しかし、電気的接続装置は、絶縁抵抗測定装置に限定されるものではなく、被検査体の電気的特性を検査、測定、試験、及び評価等を行なう検査装置に広く適用することができる。