(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記番組特定処理において特定された前記番組の中に前記複数の識別コード共通番組が存在する場合、前記分析実施部は、前記第一実行モードにて前記第一の算出処理を実行する際に、前記分析対象期間内で放送された前記複数の識別コード共通番組のすべてについて前記比率を計算し、該比率の計算結果のうち、前記分析対象期間内での最高値を前記分析値として算出し、
前記番組特定処理において特定された前記番組の中に前記複数の識別コード共通番組が存在する場合、前記分析実施部は、前記第一実行モードにて前記第二の算出処理を実行する際に、前記分析対象期間内で放送された前記複数の識別コード共通番組のすべてについて前記比率を計算し、該比率の計算結果の前記分析対象期間内での平均値を前記分析値として算出することを特徴とする請求項1に記載の番組分析装置。
前記分析には、前記算出処理にて算出された前記分析値に基づいて前記番組に対して付与された順位を示す順位データを生成する順位データ生成処理が含まれていることを特徴する請求項1又は2に記載の番組分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態(以下では「本実施形態」と呼ぶ)について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0020】
なお、本明細書において「番組」とは、予め設定されたタイムスケジュールに従って放送される音声情報や映像情報のことであり、具体的には、テレビ番組、ラジオ番組、インターネット番組、スマートフォンやタブレット向けに放送される番組(以下、モバイル専用番組)、文字情報番組等が挙げられる。
【0021】
また、本明細書において「放送日時」とは、各番組が放送されていた放送日時(放送開始時点から放送終了時点までの期間)のことである。なお、通常の場合、放送日時は、予め設定された放送日時と一致するが、緊急の特別番組のように予定なく番組が追加された番組や、前に放送された番組の影響によって開始時刻が遅れた番組については、実際に放送された日時が放送日時となる。
【0022】
また、以下では、番組の一例としてテレビ番組を挙げ、テレビ番組の視聴者数に関する分析を行うケースを例に挙げて説明する。ただし、本発明は、ラジオ番組の聴取者数に関する分析を行うケース、インターネット番組やモバイル専用番組の視聴者数に関する分析を行うケース、及び、文字情報番組のように音声を伴わない番組の閲覧者数に関する分析を行うケースにも適用可能である。
【0023】
また、以下の説明では、説明を分かり易くする理由から、番組の放送局であるテレビ局の局数を実際の数よりも少なくし、3局としている。ただし、テレビ局の局数については任意の数に設定することが可能である。
【0024】
<本実施形態に係る番組分析装置を用いた番組分析について>
先ず、本実施形態に係る番組分析装置を用いて行われる番組分析について説明する。本実施形態に係る番組分析装置を用いて行われる番組分析は、分析対象期間中に放送される各テレビ番組の視聴者数に関する分析であり、より厳密には視聴率分析である。
【0025】
上記の番組分析は、例えば視聴率調査会社によって行われることになっている。この視聴率調査会社は、視聴率調査のために無作為に抽出した世帯の構成員(個人)を調査対象者とし、この調査対象者に対してテレビ番組の視聴状況に関する調査を依頼している。具体的に説明すると、視聴率調査会社は、抽出した世帯に対して測定ユニットを配布する。この測定ユニットは、抽出された世帯の自宅内(厳密にはテレビの設置箇所周辺)に配置され、上記世帯の構成員(すなわち調査対象者)のテレビ番組の視聴状況を測定するために使用される。なお、測定ユニットの構成については後述する。
【0026】
そして、番組分析では、各調査対象者の測定ユニットから分析対象期間中の視聴状況を示すデータを取得した上で、同期間中に放送された各テレビ番組について、それぞれ視聴率を算出する。ここで、視聴率とは、調査対象者の総数に対する視聴者数(実際にテレビ番組を視聴した調査対象者の人数)の比率である。
【0027】
ちなみに、本実施形態では、世帯の構成員(すなわち、個人)を調査対象者としたが、世帯自体を調査対象者として取り扱ってもよい。
【0028】
また、番組分析において、分析対象期間中に放送された各テレビ番組について視聴率を算出した後には、視聴率の算出結果から各テレビ番組の視聴率ランキングを決定する。視聴率ランキング(以下、単にランキングとも言う)は、本発明の「順位」に相当し、算出された視聴率に基づいて各テレビ番組に対して付与されるものであり、視聴率が高いほど高いランキングが付与される。
【0029】
視聴率ランキングの決定後には、ランキング上位N個(Nは任意の自然数)のテレビ番組が特定され、さらに、特定されたテレビ番組のランキング及び視聴率を記載した報告書(以下、分析結果報告シート)が作成されることになっている。分析結果報告シートについて
図2を参照しながら説明すると、特定されたランキング上位のテレビ番組(
図2に示す分析結果報告シートでは、1〜10位までのテレビ番組)に関する情報がランキング順に掲載されている。
【0030】
なお、
図2に示す例では、テレビ番組に関する情報として、番組名、放送局、放送日時及び曜日、放送開始時刻、放送分数並びに視聴率の算出結果が掲載されている。ただし、掲載情報については、上記の内容に限定されず、上記の内容以外の内容(例えば、出演者や番組ジャンル)が追加されてもよい。
【0031】
ちなみに、テレビ番組には、BSデジタル放送の番組、CSデジタル放送の番組、地上デジタルテレビジョン放送の番組、ビデオオンデマンド等のネット配信番組が含まれるが、番組分析は、放送形態別に行われてもよく、すべての放送形態を一括した形で行われてもよい。例えば、上述の視聴率ランキングに関して、地上デジタルテレビジョン放送番組である番組Aが、BSデジタル放送番組として再放送されると共にビデオオンデマンドにてネット配信された場合に、それぞれの放送形態(配信形態)別に視聴率ランキングを決めてもよく、あるいは、各放送形態(配信形態)で放送された番組Aの視聴率を集計等した結果に基づいて一つの視聴率ランキングを番組Aに対して決めてもよい。
【0032】
そして、分析結果報告シートが完成した時点で番組分析が終了し、分析結果報告シートは、視聴率調査会社から分析依頼者Cに提出される。分析依頼者Cは、分析結果報告シートを通じて、分析対象期間中に放送されたテレビ番組のうち、高視聴率番組(すなわち、ランキング上位のテレビ番組)を把握するようになる。これと共に、分析依頼者Cは、分析結果報告シートに掲載された各高視聴率番組の視聴率に基づき、各高視聴率番組の人気(注目度合い)を評価する。
【0033】
なお、分析結果報告シートについては、帳票等の書面として提出されてもよく、あるいは、電子ファイル形式のデータとして提出されてもよい。
【0034】
ところで、テレビ番組の中には、毎日放送されるニュース番組や毎週放送される連続ドラマの番組のように、各放送局において定期的に放送される番組(すなわち、定期的放送番組)が存在する。このような定期的放送番組に対して、例えば各回の放送分のそれぞれについて視聴率を算出して当該視聴率から視聴率ランキングを決めようとすると、
図2に示すように、放送日が異なる同番組名のテレビ番組(
図2では、『7時のニュース』や『連続ドラマ「XYZ」』)が複数、上位ランキングに入ってくる可能性がある。
【0035】
すなわち、定期的放送番組の各回放送分を分析対象として分析結果報告シートを作成すると、当該定期的放送番組の各回放送分に関する情報が分析結果報告シート中で頻出してしまう場合が起こり得る。かかる場合、ある定期的放送番組の各回放送分について人気(注目度合い)を評価することができる反面、分割結果報告シート中に分析結果が掲載される番組の種類(番組名)がより少なくなる。つまり、上記の状況では、人気評価の対象として含められる番組の種類(番組名)がより少なくなってしまう。
【0036】
一方、本実施形態では、番組分析において定期的放送番組を一番組としてまとめて取り扱うことが可能である。かかる内容が本実施形態の特徴であり、当該特徴により、分析結果報告シート中に含められる番組の種類(番組名)を増やし、より多くの種類の番組について人気評価(具体的には、視聴率の把握)を行うことが可能となる。以下、上記の特徴を含め、本実施形態に係る番組分析装置及び番組分析方法について詳しく説明することとする。
【0037】
<番組分析に関与する各種装置について>
次に、番組分析に関与する装置について説明する。本実施形態において、番組分析は、番組分析装置をはじめとする
図1に図示の装置の協働によって実現される。具体的に説明すると、番組分析には、本実施形態に係る番組分析装置(以下、本装置10)と、前述した測定ユニットと、番組データ提供端末5と、調査データ用サーバ20と、番組データ用サーバ30とが関与している。これらの装置は、システム(番組分析システム1)として互いに連携し合い、それぞれ番組分析に係るデータ処理を担っている。
【0038】
なお、本実施形態では、分析対象期間中に放送されたテレビ番組に関する番組分析を、当該分析対象期間後に実施することになっている。ここで、「分析対象期間」とは、例えば本装置10のユーザ(つまり、本装置10を用いて視聴率分析を行う者)によって予め定められた期間である。以下では、分析実施日の前日から1カ月間遡った期間を分析対象期間とするケースを例に挙げて説明することとする。ただし、分析対象期間については任意に設定可能であり、例えば、分析実施日の前日から1週間遡った期間、又は分析実施日の前日1日間であってもよく、あるいは分析実施日と同日の期間であって分析実施時刻の数時間前の期間を分析対象期間としてもよい。
【0039】
本装置10は、分析対象期間中に放送されたテレビ番組に関する番組分析、具体的には視聴率分析に係るデータ処理を実行するものであり、視聴率調査会社が管理するコンピュータによって構成されている。また、本実施形態において、本装置10は、分析対象期間中に放送された全てのテレビ番組(厳密には、指定された地域で放送されたテレビ番組)について視聴率分析を実施する。ただし、分析対象とする番組については、任意に決めることが可能であり、例えば、特定の番組(例えば、あるジャンルの番組等)のみに分析対象を限定してもよい。
【0040】
測定ユニットは、前述したように、調査対象者を構成員とする世帯に配布され、当該世帯が暮らす住宅内で利用される。測定ユニットの構成について
図1を参照しながら説明すると、測定ユニットは、チャンネルセンサ2と個人特定器3とオンラインメータ4とによって構成されている。チャンネルセンサ2は、その周辺に設置されたテレビが電源オン状態であるときに作動し、その時点で選択されているチャンネル(テレビ局)を特定する。個人特定器3は、テレビが電源オン状態であるときに、テレビを視聴している個人(調査対象者)を特定する。オンラインメータ4は、チャンネルセンサ2及び個人特定器3の各々の特定結果を入手し、これらの情報を示す調査データを生成する。
【0041】
ここで、調査データについて説明すると、どの調査対象者がどのテレビ番組(厳密には、どのテレビ局が放送しているテレビ番組)をいつ視聴したのかを示すデータである。換言すると、調査データは、調査対象者が視聴したテレビ番組を特定するためのデータであると言える。また、生成された調査データは、測定ユニット(厳密には、オンラインメータ4)から所定の送信先に向けて送信されることになっている。
【0042】
調査データについて
図4を参照しながらより詳しく説明すると、調査データには、調査対象者の名称及び属性(具体的には年齢や性別)と共に、調査年月日(分かり易くは調査データが生成された年月日)、調査時刻(分かり易くは調査データが生成された時刻)、及び、調査時刻に視聴していたテレビ番組(厳密には、視聴局)が収録されている。ただし、調査データの収録事項について特に制限はなく、上記の内容以外の内容が含まれていてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、個人特定器3が特定した調査対象者毎に調査データが生成されることになっている。例えば、三人家族の世帯で三人全員が同時にあるテレビ番組を視聴している場合には、個人特定器3が三人の調査対象者を特定し、この結果、三人分の調査データが生成されることになる。
【0044】
また、本実施形態において、調査データは、住宅内にあるテレビが電源オン状態である間に1分間隔で生成されることになっているが、これに限定されるものではなく、データ生成の間隔については任意の時間に設定することが可能である。
【0045】
調査データ用サーバ20は、各世帯の測定ユニットから1分毎に送信されてくる調査データを、通信ネットワークN1を介して受信して蓄積するものである。この調査データ用サーバ20は、データベースサーバによって構成されている。なお、調査データ用サーバ20は、本装置10と通信可能な状態で接続されている。本装置10は、視聴率分析に係るデータ処理を実行するに際して調査データ用サーバ20にアクセスし、同サーバに蓄積されている調査データのうち、分析に要する分のデータを抽出して、抽出した分のデータを取得する。
【0046】
番組データ提供端末5は、テレビ局各局が放送するテレビ番組に関する情報を示すデータ、すなわち番組データを提供するものである。この番組データ提供端末5は、例えば、テレビ局各局が保有するコンピュータによって構成されてもよく、あるいは、電子番組ガイドを配信する会社が保有するコンピュータによって構成されてもよい。
【0047】
番組データは、テレビ番組の放送日、番組名、放送局、放送開始時刻及び放送分数等を収録したデータである。また、番組データは、テレビ番組毎に作成され、通常、テレビ番組の放送日前に生成されて配信されることになっている。一方、緊急時の特別番組のように予定なく追加されたテレビ番組や、放送日時が当初の日時から変更されたテレビ番組については、番組放送終了後に番組データが生成されて配信されることになっている。
【0048】
番組データ用サーバ30は、番組データ提供端末5から配信される番組データを、通信ネットワークN2を介して受信して蓄積するものである。この番組データ用サーバ30は、データベースサーバによって構成されている。なお、番組データ用サーバ30は、本装置10と通信可能な状態で接続されている。本装置10は、視聴率分析に係るデータ処理を実行するに際して番組データ用サーバ30にアクセスし、同サーバに蓄積されている番組データのうち、分析に要する分のデータ、具体的には、分析対象期間に放送された各テレビ番組の番組データを抽出し、抽出した分のデータを取得する。
【0049】
<番組分析装置の詳細構成>
次に、本装置10の詳細構成について説明する。本装置10は、視聴率調査会社が管理しているコンピュータ(厳密にはパソコン)によって構成されており、CPU、ROMやROMからなるメモリ、ハードディスクドライブ、入力装置、出力装置及び通信用インタフェースを備えている。また、本装置10のハードディスクドライブには、コンピュータを番組分析装置として機能させるためのプログラム(以下、番組分析プログラム)が記憶されている。この番組分析プログラムが実行されることにより、本装置10が番組分析(視聴率分析)に係るデータ処理を実行するようになる。
【0050】
本装置10の構成を機能面から改めて説明すると、本装置10は、
図3に示すように、分析条件設定部11、調査データ取得部12、調査データ記憶部13、番組データ取得部14、番組データ記憶部15、識別コード表記憶部16及び分析実施部17を有する。これらの機能部は、本装置10を構成するハードウェア機器がソフトウェアとしての番組分析プログラムと協働することにより実現される。以下、各機能部について説明する。
【0051】
(分析条件設定部)
分析条件設定部11は、番組分析において採用する各種条件、すなわち、分析条件を設定するものである。具体的に説明すると、本装置10のユーザが番組分析を実施するに際し、本装置10の入力装置(不図示)を通じて分析条件を入力する。分析条件設定部11は、その入力操作を受け付けて、入力された内容を分析条件として設定する。
【0052】
なお、分析条件とは、各テレビ番組の視聴率を分析(調査)する際の前提条件に相当し、本実施形態では、分析対象期間や分析結果報告シートに含める番組数が分析条件として設定されることになっている。ただし、分析条件については、上記の内容に限定されず、分析対象とするテレビ番組に関する条件(例えば、番組のジャンル等)を更に加えてもよい。
【0053】
また、番組視聴者数を集計する際に集計対象となる視聴者(調査対象者)についての条件を分析条件として加えてもよい。具体的には、集計対象となる調査対象者の居住地域、年齢や職業等の属性を分析条件として加えてもよい。また、ある番組の視聴分数を分析条件として加えてもよく、かかる場合において、ある番組の視聴分数が所定分数以上である調査対象者を当該ある番組の視聴者として認定することとしてもよい。
【0054】
(調査データ取得部)
調査データ取得部12は、調査データ用サーバ20にアクセスし、調査データ用サーバ20に記憶されている調査データのうち、番組分析に要する分のデータを取得する。具体的に説明すると、調査データ取得部12は、分析条件設定部11により設定された分析条件を示すデータを調査データ用サーバ20に向けて送信する。調査データ用サーバ20は、上記のデータから分析条件を特定した上で、分析条件にヒットする調査データ、具体的には、分析対象期間中にテレビ番組を視聴した調査対象者に関する調査データを抽出する。そして、調査データ用サーバ20が抽出した調査データを送信すると、調査データ取得部12は、通信ネットワークN1を介して上記の調査データを受信(取得)する。
【0055】
(調査データ記憶部)
調査データ記憶部13は、調査データ取得部12が取得した調査データを調査対象者毎に記憶しておくものである。なお、本実施形態では、調査データが1分毎に生成されることになっているため、調査データ記憶部13は、調査対象者毎の調査データを1分毎に区分けして記憶することになっている。また、本実施形態では、番組分析が完了した時点で、調査データ記憶部13に記憶されている調査データが消去(クリア)されることになっている。ただし、これに限定されるものではなく、番組分析完了後にも調査データ記憶部13に記憶されている調査データがそのまま残存してもよい。
【0056】
(番組データ取得部)
番組データ取得部14は、番組データ用サーバ30にアクセスし、番組データ用サーバ30に記憶されている番組データのうち、番組分析に要する分のデータを取得する。具体的に説明すると、番組データ取得部14は、分析条件設定部11により設定された分析条件を示すデータを番組データ用サーバ30に向けて送信する。番組データ用サーバ30は、上記のデータから分析条件を特定した上で、分析条件にヒットする番組データ、具体的には、分析対象期間中に放送されたテレビ番組に関する番組データを抽出する。そして、番組データ用サーバ30が抽出した番組データを送信すると、調査データ記憶部13は、通信ネットワークN2を介して上記の番組データを受信(取得)する。
【0057】
(番組データ記憶部)
番組データ記憶部15は、番組データ取得部14が取得した番組データをテレビ番組毎に記憶しておくものである。なお、本実施形態では、番組分析が完了した時点で、番組データ記憶部15に記憶されている番組データが消去(クリア)されることになっている。ただし、これに限定されるものではなく、番組分析完了後にも番組データ記憶部15に記憶されている番組データがそのまま残存してもよい。
【0058】
(識別データ表記憶部)
識別コード表記憶部16は、各テレビ番組に対して付与される識別コードの一覧表を記憶しておくものである。識別コードとは、番組データ記憶部15に記憶された番組データが示す各テレビ番組に対して付与される番組識別用の情報(ID情報)であり、所定のルールに則って付与されるものである。
【0059】
また、識別コード表記憶部16は、各テレビ番組の識別コードを一覧表形式で記憶している。より詳しく説明すると、識別コード表記憶部16は、分析対象期間中の各日分の識別コード表を記憶している。識別コード表について
図5を参照しながら説明すると、各日分の識別コード表では、その日に放送された各テレビ番組に対して付与された識別コードが当該各テレビ番組の番組名、放送開始時刻と関連付けられた状態で規定されている。
【0060】
また、本実施形態では、定期的放送番組に対して同一の識別コードが付与されることになっている。
図5を参照しながら説明すると、テレビ局S1にて毎週月〜金曜日の19時から放送される『7時のニュース』、及びテレビ局S2にて毎週月曜日の21時から放送される『連続ドラマ「XYZ」』は、いずれも定期的放送番組に該当する。そして、番組『7時のニュース』の各放送回分に対しては、共通の識別コードである「A1900」が付与されており、『連続ドラマ「XYZ」』の各放送回分に対しては、共通の識別コードである「B2100」が付与されている。
【0061】
以上のように、本実施形態では、複数回に亘って放送される定期的放送番組の各放送回に対しては、同一の識別コードが付与されることになっている。換言すると、定期的放送番組の各放送分は、放送日時が互いに異なり、かつ、識別コードが互いに共通する複数の識別コード共通番組に該当することになる。
【0062】
ちなみに、本実施形態では、下記(1)〜(3)のテレビ番組を定期的放送番組として取り扱うことになっている。
(1)あるテレビ放送局が放送するテレビ番組のうち、同一タイトルの番組であって、原則として、毎日同じ時間帯に放送される番組。
(2)あるテレビ放送局が放送するテレビ番組のうち、同一タイトルの番組であって、原則として、毎週同じ曜日、かつ、同じ時間帯に放送される番組。
(3)あるテレビ放送局が放送するテレビ番組のうち、同一タイトルの番組であって、不定期ではあるものの、同じ時間帯に複数回に亘って放送される番組。
【0063】
なお、上記(1)、(2)の内容において、「原則として同じ時間帯に放送される」とは、当初の放送時間が同じ時間帯に放送される番組ではあるが、時間変更等により実際の放送日時が当初の放送時間とは異なる場合が起こり得る場合も含む。
【0064】
(分析実施部)
分析実施部17は、本装置10の中核的機能をなすものであり、調査データ取得部12が取得した調査データや番組データ取得部14が取得した番組データに基づいて番組分析、すなわち、視聴率分析を実施する。この分析実施部17は、視聴率分析において番組特定処理、識別コード特定処理、算出処理、及び順位データ生成処理を実行する。以下に各処理について個別に説明することとする。
【0065】
番組特定処理は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データと、番組データ記憶部15に記憶されている番組データと、に基づいて、分析対象期間中に調査対象者が視聴したテレビ番組を特定する処理である。番組特定処理の手順について説明すると、分析実施部17は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データを読み出す。調査データ記憶部13に記憶されている調査データは、前述したように、分析対象期間中に何れかのテレビ番組を視聴した調査対象者(視聴者)に関するデータである。
【0066】
そして、分析実施部17は、読み出した調査データからテレビ番組の視聴状況に関する情報、具体的には、当該テレビ番組の放送局と視聴時間を特定する。その後、分析実施部17は、特定した視聴状況に関する情報と、番組データ記憶部15に記憶された番組データと、を照合することにより、各視聴者が視聴したテレビ番組を特定する。
【0067】
以上の番組特定処理は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データすべてに対して実行される。一方、本実施形態では、前述したように調査データが1分間隔で生成されることになっている。これにより、分析対象期間に放送された各テレビ番組について、当該各番組を視聴した調査対象者(視聴者)が分単位で特定されるようになる。
【0068】
識別コード特定処理は、番組特定処理での特定結果と、識別コード表記憶部16に記憶されている識別コード表と、に基づいて、分析対象期間中に調査対象者が視聴したテレビ番組の識別コードを特定する処理である。識別コード特定処理の手順について説明すると、分析実施部17は、番組特定処理において特定したテレビ番組に関する情報、具体的には、当該テレビ番組の放送局、番組名、放送日及び放送開始時刻を特定する。
【0069】
その後、分析実施部17は、識別コード表記憶部16に記憶されている識別コード表のうち、特定したテレビ番組に関する情報(厳密には、当該テレビ番組が放送される日分の識別コード表)を読み出す。そして、分析実施部17は、読み出した識別コード表の中から、特定したテレビ番組に関する情報(具体的には、放送局、番組名及び放送開始時刻)に対応する識別コードを割り出す。これにより、各視聴者が視聴したテレビ番組の識別コードが判明する。
【0070】
以上の識別コード特定処理は、番組特定処理において特定されたテレビ番組すべてに対して実行される。つまり、分析対象期間中に調査対象者が視聴したテレビ番組のそれぞれについて、識別コードが特定されることになる。
【0071】
算出処理は、番組特定処理において特定された各テレビ番組について、その視聴者数(当該各テレビ番組を視聴した調査対象者の数)に関する分析値、具体的には視聴率を算出する処理である。具体的に説明すると、算出処理では、各テレビ番組について1分毎の視聴者数を集計し、各分の集計結果を調査対象者の総数にて除す。これにより、各テレビ番組について、その放送時間(すなわち、放送開始から放送終了まで期間)における1分毎の視聴率が割り出されることになる。
【0072】
なお、本実施形態では、分析実施部17が実行可能な算出処理として、複数種類の算出処理が用意されており、本実施形態では4つの算出処理が用意されている。本装置10のユーザは、4つの算出処理の中からいずれか一つを選定し、その選定結果を本装置10の入力装置(不図示)を通じて入力する。分析実施部17は、入力操作を受け付けると、ユーザが選定した種類の算出処理を特定し、当該算出処理を実行する。
【0073】
4つの算出処理について説明すると、一つ目の算出処理(以下、「第一の算出処理」という)では、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果における最高値を分析値として算出する。ここで、最高値とは、所定の期間中における視聴率の最高値であり、本実施形態では分析対象期間全体における最高値である。
【0074】
二つ目の算出処理(以下、「第二の算出処理」という)では、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果の平均値を分析値として算出する。ここで、平均値とは、所定の期間中における視聴率の相加平均値であり、本実施形態では分析対象期間全体に亘る平均値である。
【0075】
三つ目の算出処理(以下、「第三の算出処理」という)では、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果における曜日毎の最高値を分析値として算出する。この第三の算出処理は、定期的放送番組、より厳密には、異なる曜日に放送される定期的放送番組に対して実行可能であり、その放送曜日別に視聴率の最高値を算出する処理となっている。
【0076】
四つ目の算出処理(以下、「第四の算出処理」という)では、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果の曜日毎の平均値を分析値として算出する。この第四の算出処理は、第三の算出処理と同様、異なる曜日に放送される定期的放送番組に対して実行可能であり、その放送曜日別に視聴率の平均値を算出することになっている。
【0077】
順位データ生成処理は、番組特定処理において特定した各テレビ番組に対して、算定処理にて算出された分析値に基づいてランキング(視聴率ランキング)を付与し、そのランキングを示すデータ(順位データに相当)を生成する処理である。より具体的に説明すると、本処理では、算出処理で算出した分析値が高いほど高ランキングとなるように各テレビ番組に対して視聴率ランキングを付与し、高ランキングのテレビ番組から順に並べる。その後、上位N位までの各テレビ番組について番組名等の番組情報と分析値の算出結果とを表示する順位データとして、上述した分析結果報告シートの出力用データを生成する。
【0078】
ところで、本実施形態では、番組特定処理において特定されたテレビ番組の中に定期的放送番組(換言すると、分析対象期間中において互いに異なる日時に複数回放送され、且つ、識別コードが共通の番組)が存在する場合がある。かかる場合において、分析実施部17は、前述の算出処理において定期的放送番組を一番組として分析値を算出することが可能である。
【0079】
具体的に説明すると、番組特定処理において特定されたテレビ番組の中に定期的放送番組が存在するとき、分析実施部17は、複数の実行モードの中から選択した一つのモードにて算出処理を実行する。
【0080】
より詳しく説明すると、本実施形態では、2つの実行モードが用意されており、本装置10のユーザがいずれか一つのモードを選定し、その選定結果を本装置10の入力装置(不図示)を通じて入力する。分析実施部17は、入力操作を受け付けると、ユーザが選定した実行モードにて算出処理を実行するようになる。そして、当該算出処理において、分析実施部17は、ユーザが選択した実行モードにて、定期的放送番組についての分析値を算出する。
【0081】
2つの実行モードについて説明すると、一方のモード(以下、「第一実行モード」という)は、定期的放送番組を一番組として分析値を算出するモードである。この第一実行モードにて算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間中に複数回放送される定期的放送番組を一番組としてまとめて取り扱うこととし、分析値として複数の放送回を代表する総括的な分析値(代表値)を算出することになる。
【0082】
もう一方のモード(以下、「第二実行モード」という)は、定期的放送番組の各放送回分の分析値を放送回毎(番組毎)に算出するモードである。この第二実行モードにて算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間中に複数回放送される定期的放送番組の各放送回を個々の番組として取り扱うこととし、各放送回分の分析値を個別に算出することになる。
【0083】
以上のように、本実施形態では、番組特定処理において特定されたテレビ番組の中に上記の定期的放送番組が存在する場合、分析実施部17は、第一実行モード又は第二実行モードにて算出する。より詳しく説明すると、上記の場合において、分析実施部17は、いずれかの実行モードにて4つの算出処理のうちの一つを実行することになる。
【0084】
より具体的に説明すると、第一実行モードにて第一の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の放送回すべてについて1分毎の視聴率を計算する。そして、分析実施部17は、各放送回について計算した1分毎の視聴率のうち、分析対象期間内での最高値を算出する。かかる最高値は、定期的放送番組の分析値(換言すると、定期的放送番組の複数の放送回を代表する値)に相当する。
【0085】
同様に、第一実行モードにて第二の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の放送回すべてについて1分毎の視聴率を計算する。そして、分析実施部17は、各放送回について計算した1分毎の視聴率から分析対象期間内での平均値を算出する。かかる平均値は、定期的放送番組の分析値(換言すると、定期的放送番組の複数の放送回を代表する値)に相当する。
【0086】
一方で、第二実行モードにて第一の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の各放送回について1分毎の視聴率を計算し、各放送回について、それぞれ分析対象期間内での最高値を算出する。また、第二実行モードにて第二の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の各放送回について1分毎の視聴率を計算し、各放送回について、それぞれ分析対象期間内での平均値を算出する。
【0087】
また、4つの算出処理のうち、第三の算出処理及び第四の算出処理については、番組特定処理において特定されたテレビ番組の中に、分析対象期間内で異なる曜日に複数回放送される定期的放送番組が存在した場合において第一実行モードが選択されたときに実行可能となる。
【0088】
そして、第一実行モードにて第三の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の放送回すべてについて1分毎の視聴率を計算する。その後、分析実施部17は、各放送回について計算した1分毎の視聴率を曜日別に区分し、さらに、曜日別に区分した1分毎の視聴率から曜日毎の最高値を算出する。
【0089】
同様に、第一実行モードにて第四の算出処理を実行する際、分析実施部17は、分析対象期間内で複数回放送された定期的放送番組の放送回すべてについて1分毎の視聴率を計算する。その後、分析実施部17は、各放送回について計算した1分毎の視聴率を曜日別に区分し、さらに、曜日別に区分した1分毎の視聴率から曜日毎の平均値を算出する。
【0090】
<視聴率分析フローについて>
次に、本装置10による番組分析、すなわち、視聴率分析の流れ及び手順について
図6を参照しながら説明する。ちなみに、以下に説明する視聴率分析フローでは、本発明の番組分析方法が採用されている。すなわち、以下の説明は、本発明の番組分析方法に関する内容となっている。さらに付言しておくと、以下に説明する視聴率分析フローの各ステップは、本発明の番組分析方法の構成要素に相当する。
【0091】
視聴率分析フローは、本装置10を構成するコンピュータによって行われ、本実施形態では、分析対象期間の翌月の該当日(例えば、1日)に行われる。視聴率分析フローは、
図6に示すように、分析条件設定部11による分析条件設定処理から開始される(S001)。分析条件設定処理では、分析対象期間として設定する時期や分析結果報告シートに含める番組数が分析条件として設定される。
【0092】
分析条件設定処理の実行後には、データ取得・記憶処理が実行される(S002)。データ取得・記憶処理では、分析対象期間中にテレビ番組を視聴した調査対象者に関する調査データが、調査データ取得部12によって調査データ用サーバ20から取得される。取得された調査データについては、調査データ記憶部13に記憶されて蓄積される。データ取得・記憶処理では、また、分析対象期間中に放送されたテレビ番組に関する番組データが、番組データ取得部14によって番組データ用サーバ30から取得される。取得された番組データについては、番組データ記憶部15に記憶されて蓄積される。
【0093】
データ取得・記憶処理の実行後には、分析実施部17による各種のデータ処理が実行される。具体的に説明すると、分析実施部17は、番組特定処理から始める(S003)。番組特定処理では、調査データ記憶部13に記憶された調査データと、番組データ記憶部15に記憶された番組データとに基づいて、分析対象期間中に各調査対象者が視聴したテレビ番組を特定する。
【0094】
次に、分析実施部17は、識別コード特定処理を実行する(S004)。識別コード特定処理では、識別コード表記憶部16に記憶された識別コード表を参照し、番組特定処理において特定した各テレビ番組の識別コードを特定する。なお、識別コード表は、識別コード特定処理に際して予め登録されて識別コード表記憶部16に記憶されていることになっている。
【0095】
その後、分析実施部17は、番組特定処理において特定したテレビ番組、すなわち、分析対象期間中に調査対象者が視聴したテレビ番組の中に定期的放送番組が存在するかどうかを判定する(S005)。ここで、定期的放送番組について改めて説明しておくと、定期的放送番組は、分析対象期間中において異なる日時に複数回放送されたテレビ番組であって、共通の識別コードが付与された番組(複数の識別コード共通番組)である。
【0096】
そして、番組特定処理において特定したテレビ番組中に定期的放送番組が存在しなかった場合(S005でNo)、分析実施部17は、算出処理として第一の算出処理を実行する(S006)。すなわち、分析実施部17は、番組特定処理において特定した各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果のうち、分析対象期間中での最高値を分析値として算出する。
【0097】
他方、番組特定処理において特定したテレビ番組中に定期的放送番組が存在した場合(S005でYes)、分析実施部17は、第一実行モード及び第二実行モードのうち、ユーザにより選択された実行モードにて算出処理を実行する(S007)。具体的に説明すると、第一実行モードが選択された場合、分析実施部17は、4つの算出処理のうち、いずれかの処理を実行する(S008〜S015)。
【0098】
より詳しく説明すると、第一の算出処理を実行する場合(S008でYes)、分析実施部17は、第一実行モードにて第一の算出処理を実行することになる(S009)。第一の算出処理では、定期的放送番組を含む番組特定処理にて特定された各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算する。さらに、第一の算出処理では、各テレビ番組について、計算した1分毎の視聴率から分析対象期間中の最大値を分析値として算出する。この際、定期的放送番組については、複数の放送回を一番組として分析値を算出する。具体的には、定期的放送番組の各放送回について計算した1分毎の視聴率のうち、複数の放送回を通じて最も高い視聴率の値を分析値として算出する。
【0099】
また、第二の算出処理を実行する場合(S010でYes)、分析実施部17は、第一実行モードにて第二の算出処理を実行することになる(S011)。第二の算出処理では、定期的放送番組を含む番組特定処理にて特定された各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算する。さらに、第二の算出処理では、各テレビ番組について、計算した1分毎の視聴率の平均値を分析値として算出する。この際、定期的放送番組については、複数の放送回を一番組として分析値を算出する。具体的には、定期的放送番組のうち、分析対象期間中に放送された回の各々について計算した1分間毎の視聴率に基づき、定期的放送番組に対して一の平均値を分析値として算出する。
【0100】
また、第三の算出処理を実行する場合(S012でYes)、分析実施部17は、第一実行モードにて第三の算出処理を実行することになる(S013)。第三の算出処理では、定期的放送番組を含む番組特定処理にて特定された各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算する。その後、定期的放送番組を除くテレビ番組については、計算した1分毎の視聴率のうち、分析対象期間での最高値を分析値として算出する。同様に、単一の曜日にのみ放送される定期的放送番組については、各放送回別に計算した1分毎の視聴率のうちの最高値を分析値として算出する。他方、異なる曜日に放送される定期的放送番組については、曜日毎(厳密には、当該定期的放送番組が放送される曜日毎)の最高値を分析値として算出する。
【0101】
また、第四の算出処理を実行する場合(S014でYes)、分析実施部17は、第一実行モードにて第四の算出処理を実行することになる(S015)。第四の算出処理では、定期的放送番組を含む番組特定処理にて特定された各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算する。その後、定期的放送番組を除くテレビ番組については、計算した1分毎の視聴率の平均値を分析値として算出する。同様に、単一の曜日にのみ放送される定期的放送番組については、各放送回別に計算した1分毎の視聴率の平均値を分析値として算出する。他方、異なる曜日に放送される定期的放送番組については、曜日毎(厳密には、当該定期的放送番組が放送される曜日毎)の平均値を分析値として算出する。
【0102】
調査分析フローの流れに関してステップS007まで遡って説明すると、当該ステップS007において第二実行モードが選択された場合、分析実施部17は、第二実行モードにて第一の算出処理を実行する(S016)。すなわち、分析実施部17は、定期的放送番組を含む番組特定処理において特定した各テレビ番組について、1分毎の視聴率を計算し、その計算結果のうち、分析対象期間中での最高値を分析値として算出する。この際、定期的放送番組については、分析対象期間中の放送回の各々について視聴率の最高値が算出されることになっている。
【0103】
算出処理の実行後には、分析実施部17による順位データ生成処理が実行される(S017)。順位データ生成処理では、算出処理にて算出された分析値に基づいて分析対象期間中の各テレビ番組に対して視聴率ランキングが付与される。ここで、分析対象期間中のテレビ番組の中に定期的放送番組が含まれている場合、当該定期的放送番組に対しては、算出処理の実行時に選択された実行モード及び算出処理の種類に応じて視聴率ランキングが付与される。
【0104】
具体的に説明すると、第一実行モードにて第一の算出処理又は第二の算出処理を実行した場合、定期的放送番組に対して一つの視聴率ランキングが付与されることになる。また、第一実行モードにて第三の算出処理又は第四の算出処理を実行した場合、定期的放送番組に対して、当該定期的放送番組の放送曜日別に視聴率ランキングが付与されることになる。他方、第二実行モードにて第一の算出処理を実行した場合、定期的放送番組の各放送回に対してそれぞれ視聴率ランキングが付与されることになる。
【0105】
視聴率ランキングの付与が終了した後には、ランキング上位N個のテレビ番組が特定される。その上で、特定されたN個のテレビ番組について番組情報や算出処理で算出した分析値(具体的には、視聴率の最高値や平均値)を示すデータ、すなわち、分析結果報告シートのデータが生成される。
そして、生成されたデータに基づいて分析結果報告シートが出力された時点で視聴率分析フローが終了することになる。
【0106】
<分析結果の表示例について>
次に、上述した視聴率分析フローによって得られる分析結果の表示例、つまり、分析結果報告シートの記載例について
図2及び
図7〜10を参照しながら説明する。
図2及び
図7〜10は、分析結果のバリエーションを示す図である。具体的に説明すると、
図2は、第二実行モードにて第一の算出処理を実行したときの分析結果を示し、
図7は、第一実行モードにて第一の算出処理を実行したときの分析結果を示し、
図8は、第一実行モードにて第二の算出処理を実行したときの分析結果を示し、
図9は、第一実行モードにて第三の算出処理を実行したときの分析結果を示し、
図10は、第一実行モードにて第四の算出処理を実行したときの分析結果を示している。
【0107】
ちなみに、
図2及び
図7〜10は、いずれも、同じ分析条件下で視聴率分析を実施したときの分析結果を示しており、厳密には、分析対象期間を同一時期に設定して行ったときの視聴率分析の結果を示している。
【0108】
なお、
図2及び
図7〜10の各図に図示した分析結果報告シートは、あくまでも一例であり、当該分析結果報告シートのデザインや情報の掲載方式及び掲載情報の内容については特に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。
【0109】
また、以下では、『7時のニュース』という番組名のテレビ番組、及び、『連続ドラマ「XYZ」』という番組名のテレビ番組を定期的放送番組の一例として挙げて説明することとする。ちなみに、前者の番組は、テレビ局S1にて毎週月〜金曜日の19時から放送されるものであり、後者の番組は、テレビ局S2にて毎週月曜日の21時から放送されるものである。
【0110】
分析結果報告シートには、前述したように、視聴率分析フローの順位データ生成処理で特定したランキング上位N個のテレビ番組に関する情報がランキング順に掲載されている。一方、
図2及び
図7〜10に示すように、同じ分析条件下で行われた視聴率分析であったとしても、選択された実行モードや算出処理の種類に応じて、分析結果報告シートに情報が掲載されるテレビ番組が変わってくる。これは、順位データ生成処理において定期的放送番組に対するランキング付与の方法が実行モードや算出処理の種類の選択結果に応じて変わることを反映している。
【0111】
具体的に説明すると、第二実行モードにて第一の算出処理を実行した場合には、定期的放送番組の各放送回に対してそれぞれ視聴率ランキングが付与されることになる。そして、付与された視聴率ランキングが上位に入る場合には、分析結果報告シートに当該定期的放送番組に関する情報が掲載されることになる。この際、分析対象期間中における定期的放送番組の放送回のうち、上位ランキングとなる放送回が複数存在する場合には、
図2に示すように、定期的放送番組に関する情報が複数掲載されることになる。ちなみに、
図2に図示のケースでは、番組『7時のニュース』については5回分の情報が、番組『連続ドラマ「XYZ」』については3回分の情報が、それぞれ掲載されている。
【0112】
以上のケースでは、定期的放送番組の各放送回について個々に視聴率を確認することが可能となるため、各放送回の人気(注目度合い)を個別に評価することが可能となる。その一方で、定期的放送番組の視聴率が放送回別に掲載されると、当該定期的放送番組について、分析対象期間中の放送回すべてを通じて総括的に人気を評価することが難しくなる。
【0113】
これに対して、第一実行モードにて第一の算出処理を実行した場合には、定期的放送番組に対して一つの視聴率ランキングが付与されることになる。このため、付与された視聴率ランキングが上位に入ったとき、分析結果報告シートには、
図7に示すように、当該定期的放送番組に関する情報として一番組分の情報(厳密には、一行分の情報)が掲載されることになる。同様に、第一実行モードにて第二の算出処理を実行した場合にも定期的放送番組に対して一つの視聴率ランキングが付与されることになる。このため、付与された視聴率ランキングが上位に入ったとき、分析結果報告シートには、
図8に示すように、当該定期的放送番組に関する情報として一番組分の情報が掲載されることになる。
【0114】
以上のように定期的放送番組に関する情報を一番組分の情報にまとめた形で分析結果報告シートに掲載すれば、当該定期的放送番組について、分析対象期間中の全放送回を通じて総括的に人気を評価することが容易となる。
【0115】
なお、第一実行モードにて第一の算出処理を実行したときの分析結果報告シートには、
図7に示すように、分析値の算出結果として分析対象期間における視聴率の最高値(
図7中、最も右側の列に記載された数値)が掲載される。このように視聴率の最高値が掲載されることで、各テレビ番組の瞬間的な人気(注目度合い)を評価することが可能となる。
【0116】
一方、第一実行モードにて第二の算出処理を実行したときの分析結果報告シートには、
図8に示すように、分析値の算出結果として分析対象期間中の視聴率の平均値(
図8中、最も右側の列に記載された数値)が掲載される。このように視聴率の平均値が掲載されることで、各テレビ番組の放送時間帯における平均的な人気(注目度合い)を評価することができ、特に、定期的放送番組について、分析対象期間中の全放送回における平均的な人気を把握することが可能となる。
【0117】
分析結果報告シートのバリエーションについて更に説明すると、第一実行モードにて第三の算出処理を実行した場合、異なる曜日に複数回放送される定期的放送番組に対して曜日毎に視聴率ランキングが付与されることになる。このため、曜日毎に付与された視聴率ランキングが上位に複数入る可能性がある。かかる場合、分析結果報告シートには、
図9に示すように、当該定期的放送番組に関する情報として曜日別の情報が掲載されることになる。ちなみに、
図9に示すケースでは、番組『7時のニュース』について月〜金曜日の各曜日別の情報が掲載されている。
【0118】
同様に、第一実行モードにて第四の算出処理を実行した場合にも、異なる曜日に複数回放送される定期的放送番組に対して曜日毎に視聴率ランキングが付与されることになる。このため、曜日毎に付与された視聴率ランキングが上位に複数入る可能性があり、かかる場合には、
図10に示すように、分析結果報告シートに当該定期的放送番組に関する情報として曜日別の情報が掲載されることになる。ちなみに、
図10に示すケースでは、番組『7時のニュース』について月〜金曜日の各曜日別の情報が掲載されている。
【0119】
なお、第一実行モードにて第三の算出処理を実行したときの分析結果報告シートには、
図9に示すように、分析値の算出結果として曜日毎の視聴率の最高値(
図9中、最も右側の列に記載された数値)が掲載される。このように曜日毎の視聴率の最高値が掲載されることで、定期的放送番組の瞬間的な人気を曜日別に評価することが可能となる。
【0120】
また、第一実行モードにて第四の算出処理を実行したときの分析結果報告シートには、
図10に示すように、分析値の算出結果として曜日別の視聴率の平均値(
図10中、最も右側の列に記載された数値)が掲載される。このように曜日毎の視聴率の平均値が掲載されることで、定期的放送番組について曜日単位で求めた視聴率の平均値を確認し、かかる平均値から定期的放送番組の人気を曜日別に把握することが可能となる。
【0121】
<その他の実施形態>
以上までに本発明の番組分析装置及び番組分析方法について、一例を挙げて説明してきた。ただし、本発明については、上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられる。例えば、上記の実施形態では、番組視聴者(テレビ番組を視聴した調査対象者の数)に関する分析として視聴率(より厳密には、視聴率の最高値や平均値)を分析値として算出することとした。ただし、これに限定されるものではなく、視聴者数に関する分析値として視聴率以外の指標値、例えば、視聴者の年齢構成比、他の番組からの流入数、若しくは他の番組への流出数等を分析値として算出してもよい。
【0122】
また、上記の実施形態では、算出処理の種類が4種類であり、いずれかの算出処理を実行することとした。ただし、算出処理の種類については任意に設定することが可能であり、上記の実施形態に比べてより多くの種類(あるいは、より少ない種類)の算出処理が用意されてもよい。また、複数種類の算出処理の中から、2つ以上の種類の算出処理を選択し、選択した算出処理全てを実行してもよい。
【0123】
また、上記の実施形態では、定期的放送番組に対して共通の識別コードを設定することとした。ただし、共通の識別コードが設定される複数の番組(識別コード共通番組)については、定期的放送番組に限定されるものではなく、番組分析の実施時に一番組として総括的に分析すべき番組であればよく、例えば、出演者が共通(重複)する複数の番組に対して共通の識別コードを設定してもよい。あるいは、同じ映画を異なるテレビ局が放送する場合のように放送局及び放送日時が異なるものの番組内容が共通するケースに対して共通の識別コードを設定してもよい。
【0124】
また、上記の実施形態では、一台のコンピュータ(視聴率調査会社が保有するコンピュータ)が番組分析装置を構成することとした。すなわち、上記の実施形態では、分析条件設定部11、調査データ取得部12、調査データ記憶部13、番組データ取得部14、番組データ記憶部15、識別コード表記憶部16及び分析実施部17が一台のコンピュータによって実現されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、複数台のコンピュータによって番組分析装置が構成されてもよい。例えば、調査データ記憶部13や番組データ記憶部15を構成するコンピュータ(具体的には、データベースサーバ)が、それ以外の機能部を有するコンピュータとは別に設けられていてもよい。
【0125】
また、上記の実施形態では、調査データとして、調査対象者に配布された測定ユニットから送信されるデータを利用することとしたが、これに限定されるものではない。調査データとしては、所謂デバイスログを利用することが可能である。デバイスログとは、テレビ等のモニター搭載機器(デバイス)を通じた番組視聴の履歴を示すデータであり、デバイスの製造メーカがデバイス経由で取得したり、デバイス自体に記録されたりする。なお、デバイスログを調査データとして利用する場合には、当該デバイスログを調査データ用サーバ20に蓄積してもよく、あるいは、デバイスの製造メーカが管理するサーバやデバイス自体に一時的に記憶しておいてもよい。
【0126】
また、上記の実施形態では、測定ユニットから送信されるデータを調査データ用サーバ20に蓄積し、視聴率分析に際して本装置10が分析に要する分の調査データを調査データ用サーバ20から受信することとした。ただし、これに限定されるものではなく、調査データを取得する方法については、上記の方法以外にも考えられ、例えば、調査対象者にアンケート形式でいつ、どの番組を視聴していたか等の質問を行い、その回答結果を入力手段によって入力することで調査データを取得することとしてもよい。