(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の確定処理部は、使用されるセーブデータが前記交換後第1セーブデータであることを示すデータを、前記交換結果を確定するデータとして前記第1の記憶部に記憶させ、
前記第2の確定処理部は、使用されるセーブデータが前記交換後第2セーブデータであることを示すデータを、前記交換結果を確定するデータとして前記第2の記憶部に記憶させる、請求項2記載のデータ交換システム。
前記第2の記憶部は、不揮発性記憶媒体であり、前記第2の交換対象データを含む交換前セーブデータに加えて、前記一時交換処理部によって受信させた前記第1の交換対象データを含む交換後セーブデータを記憶し、
前記確定処理部は、使用されるセーブデータが前記交換後セーブデータであることを示すデータを、前記交換結果を確定するデータとして前記第2の記憶部に記憶させる、請求項9記載の情報処理装置。
第1の記憶装置に第1の交換対象データを記憶する他の機器との間でデータを交換し、第2の記憶装置を備え、当該第2の記憶装置に第2の交換対象データを記憶するコンピュータで実行されるデータ交換プログラムであって、
前記コンピュータを、
双方の前記交換対象データに基づいて、前記第1の交換対象データの貴重度が前記第2の交換対象データの貴重度よりも高い第1の状態か、前記第2の交換対象データの前記貴重度が前記第1の交換対象データの前記貴重度よりも高い第2の状態かを判定する判定部と、
前記第2の交換対象データを前記他の機器に送信し、かつ前記他の機器から前記第1の交換対象データを受信する一時交換処理部と、
前記第1の状態において、前記他の機器から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを前記第2の記憶装置に記憶させ、前記第2の状態において、前記他の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信するとともに、交換結果を確定するデータを前記第2の記憶装置に記憶させる確定処理部として機能させる、データ交換プログラム。
前記第2の記憶装置は、不揮発性記憶媒体であり、前記第2の交換対象データを含む交換前セーブデータに加えて、前記一時交換処理部において受信した前記第1の交換対象データを含む交換後セーブデータを記憶し、
前記確定処理部は、使用されるセーブデータが前記交換後セーブデータであることを示すデータを、前記交換結果を確定するデータとして前記第2の記憶装置に記憶させる、請求項11記載のデータ交換プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のゲームシステムでは、たとえば、第1ゲーム機は、第2ゲーム機よりも第1書き込み処理を後に完了すると、第1書き込み処理を完了した時点で第2書き込み処理を開始することになる。一方、第2ゲーム機は、第1書き込み処理を完了すると、第1ゲーム機が第1書き込み処理を完了するまで待機し、第1ゲーム機からの第1書き込み完了通知を受信した後に、第2書き込みを開始する。このため、たとえば、第1ゲーム機が第1書き込み完了通知を第2ゲーム機に送信してから第2書き込み処理を終了するまでの間(第1期間)に、第1ゲーム機の電源を切断すると、第1ゲーム機ではゲームデータは更新されずに、第2ゲーム機ではゲームデータが更新される。したがって、この場合には、第1ゲーム機が第2ゲーム機に送信したキャラクタが複製される。また、第2ゲーム機が第1書き込み完了通知を第1ゲーム機に送信し、この第1書き込み完了通知を第1ゲーム機が受信してから第2書き込み処理を終了するまでの間(第2期間)に、第2ゲーム機の電源を切断すると、第2ゲーム機ではゲームデータは更新されずに、第1ゲーム機ではゲームデータが更新される。したがって、この場合には、第2ゲーム機が第1ゲーム機に送信したキャラクタが複製される。
【0005】
第2期間は、第2ゲーム機が第1書き込み完了通知を第1ゲーム機に送信してからこの通知を第1ゲーム機が受信するまでの時間だけ第1期間よりも長いため、たとえば、第2ゲーム機から送信するキャラクタを第1ゲーム機から送信するキャラクタよりも貴重な(レアな)キャラクタに設定しておけば、貴重なキャラクタを複製できる可能性が高い。たとえば、第1ゲーム機と第2ゲーム機がインターネットを介して通信する場合には、第2期間はさらに長くなり、貴重なキャラクタを複製できる可能性がさらに高くなると考えられる。このような複製はゲームの開発者および販売者が意図した処理ではないため、キャラクタなどのデータを交換する処理においては、改善の余地がある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、データ交換システム、情報処理装置、データ交換プログラムおよびデータ交換方法を提供することである。
【0007】
また、この発明の他の目的は、貴重なデータの不正な複製を抑制できる、データ交換システム、情報処理装置、データ交換プログラムおよびデータ交換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、第1の機器と、第2の機器との間でデータを交換するデータ交換システムである。第1の機器は、第1の記憶部を備え、当該第1の記憶部に第1の交換対象データを記憶する。第2の機器は、第2の記憶部を備え、当該第2の記憶部に第2の交換対象データを記憶する。判定部は、双方の交換対象データに基づいて、第1の交換対象データの貴重度が第2の交換対象データの貴重度よりも高い第1の状態か、第2の交換対象データの貴重度が第1の交換対象データの貴重度よりも高い第2の状態かを判定する。第1の一時交換処理部は、第1の機器に、第1の交換対象データを第2の機器に送信させ、かつ第2の機器から第2の交換対象データを受信させる。第2の一時交換処理部は、第2の機器に、第2の交換対象データを第1の機器に送信させ、かつ第1の機器から第1の交換対象データを受信させる。第1の確定処理部は、第1の機器に、第1の状態において、第2の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信させるとともに、交換結果を確定するデータを第1の記憶部に記憶させ、第2の状態において、第2の機器から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを第1の記憶部に記憶させる。第2の確定処理部は、第2の機器に、第2の状態において、第1の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信させるとともに、交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させ、第1の状態において、第1の機器から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させる。
【0009】
第1の発明によれば、貴重度の高いデータを送信する側の機器が他方の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信するので、貴重度の高いデータが不正に複製される期間を出来る限り短くすることができる。つまり、貴重度の高いデータが不正に複製されるのを抑制することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1の記憶部および第2の記憶部は不揮発性記憶媒体である。第1の記憶部は、第1の交換対象データを含む交換前第1セーブデータに加えて、第1の一時交換処理部によって受信させた第2の交換対象データを含む交換後第1セーブデータを記憶する。第2の記憶部は、第2の交換対象データを含む交換前第2セーブデータに加えて、第2の一時交換処理部によって受信させた第1の交換対象データを含む交換後第2セーブデータを記憶する。
【0011】
第2の発明によれば、交換対象データの交換前のセーブデータと交換対象データの交換後のセーブデータを不揮発性記憶媒体に記憶するので、たとえば、交換後のセーブデータを記憶するときに不具合が発生してもすべてのセーブデータが失われるのを防止することができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明に従属し、第1の確定処理部は、使用されるセーブデータが交換後第1セーブデータであることを示すデータを、交換結果を確定するデータとして第1の記憶部に記憶させる。また、第2の確定処理部は、使用されるセーブデータが交換後第2セーブデータであることを示すデータを、交換結果を確定するデータとして第2の記憶部に記憶させる。
【0013】
第3の発明によれば、交換後のセーブデータが使用されることを示すデータを記憶部に記憶させるだけで交換結果が確定されるので、比較的短い時間で交換結果が確定されるので、そのような短い時間に機器の電源がオフされるのを出来る限り防止することができ、したがって、交換対象データが不正に複製される可能性を出来る限り少なくすることができる。
【0014】
第4の発明は、第2または第3の発明に従属し、第1の状態において、第1の一時交換処理部は、第2の交換対象データを受信した後に、交換後第1セーブデータへの書換えの準備が完了したことを通知する第1の準備完了通知を第2の機器に送信する。また、第1の状態において、第2の一時交換処理部は、第1の交換対象データを受信するとともに、第1の準備完了通知を受信した後に、交換後第2セーブデータへの書換え準備が完了したことを通知する第2の準備完了通知を第1の機器に送信する。さらに、第1の状態において、第1の確定処理部は、第2の準備完了通知を受信した後に、第2の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信する。
【0015】
一方、第2の状態において、第2の一時交換処理部は、第1の交換対象データを受信した後に、交換後第1セーブデータへの書換えの準備が完了したことを通知する第2の準備完了通知を第1の機器に送信する。また、第2の状態において、第1の一時交換処理部は、第2の交換対象データを受信するとともに、第2の準備完了通知を受信した後に、交換後第2セーブデータへの書換え準備が完了したことを通知する第1の
準備完了通知を第2の機器に送信する。さらに、第2の状態において、第2の確定処理部は、第1の準備完了通知を受信した後に、第1の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信する。
【0016】
第4の発明によれば、交換対象データを含む交換後のセーブデータを不揮発性記憶媒体に記憶したときに、書換え準備が完了するので、交換結果を確定する処理を比較的短くすることができる。したがって、不正なデータの複製が可能な期間を出来る限り短くすることができる。
【0017】
第5の発明は、第4の発明に従属し、第1の機器は、揮発性記憶媒体である第1の一時記憶部をさらに備える。第1の一時交換処理部は、第2の交換対象データを第1の一時記憶部に記憶させ、交換後第1セーブデータを第1の記憶部に書き込んだときに、第1の準備完了通知を第2の機器に送信する。
【0018】
一方、第2の機器は、揮発性記憶媒体である第2の一時記憶部をさらに備える。第2の一時交換処理部は、第1の交換対象データを第2の一時記憶部に記憶させ、交換後第2セーブデータを第2の記憶部に書き込んだときに、第2の準備完了通知を第1の機器に送信する。
【0019】
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかに従属し、第1の交換対象データは、当該第1の交換対象データの貴重度を示す第1貴重度データを含み、第2の交換対象データは、当該第2の交換対象データの貴重度を示す第2貴重データを含む。たとえば、貴重度データは、交換対象データに含まれる一部のデータである。ただし、貴重度データは、交換対象データに対応して記述されるデータであってもよい。
【0020】
第7の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかに従属し、第1の機器は無線通信を行う第1の無線通信部をさらに備える。また、第2の機器は無線通信を行う第2の無線通信部をさらに備える。第1の機器と第2の機器は、無線通信を行う。たとえば、電波または赤外線により、近距離無線通信を行うことができる。
【0021】
第8の発明は、第1ないし第7の発明のいずれかに従属し、第1の機器はインターネット通信を行う第3の無線通信部をさらに備える。また、第2の機器はインターネット通信を行う第4の無線通信部をさらに備える。したがって、第1の機器と第2の機器は、インターネットを介して通信を行う。
【0022】
第8の発明によれば、近距離無線通信またはインターネット通信を選択的に行うことができる。
【0023】
第9の発明は、第1の記憶部に第1の交換対象データを記憶する他の機器との間でデータを交換する情報処理装置であって、第2の記憶部を備え、当該第2の記憶部に第2の交換対象データを記憶し、双方の交換対象データに基づいて、第1の交換対象データの貴重度が第2の交換対象データの貴重度よりも高い第1の状態か、第2の交換対象データの貴重度が第1の交換対象データの貴重度よりも高い第2の状態かを判定する判定部と、第2の交換対象データを他の機器に送信し、かつ他の機器から第1の交換対象データを受信する一時交換処理部と、第1の状態において、他の機器から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させ、第2の状態において、他の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信するとともに、交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させる確定処理部を備える、情報処理装置である。
【0024】
第9の発明においても、第1の発明と同様に、貴重なデータの不正な複製を抑制できる。
【0025】
第10の発明は、第9の発明に従属し、第2の記憶部は、不揮発性記憶媒体であり、第2の交換対象データを含む交換前セーブデータに加えて、一時交換処理部によって受信させた第1の交換対象データを含む交換後セーブデータを記憶する。確定処理部は、使用されるセーブデータが交換後セーブデータであることを示すデータを、交換結果を確定するデータとして第2の記憶部に記憶させる。
【0026】
第10の発明においても、第3の発明と同様に、交換対象データが不正に複製される可能性を出来る限り少なくすることができる。
【0027】
第11の発明は、第1の記憶部に第1の交換対象データを記憶する他の機器との間でデータを交換し、第2の記憶部を備え、当該第2の記憶部に第2の交換対象データを記憶するコンピュータで実行されるデータ交換プログラムであって、コンピュータを、双方の交換対象データに基づいて、第1の交換対象データの貴重度が第2の交換対象データの貴重度よりも高い第1の状態か、第2の交換対象データの貴重度が第1の交換対象データの貴重度よりも高い第2の状態かを判定する判定部と、第2の交換対象データを他の機器に送信し、かつ他の機器から第1の交換対象データを受信する一時交換処理部と、第1の状態において、他の機器から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させ、第2の状態において、他の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信するとともに、交換結果を確定するデータを第2の記憶部に記憶させる確定処理部として機能させる、データ交換プログラムである。
【0028】
第11の発明においても、第1の発明と同様に、貴重なデータの不正な複製を抑制できる。
【0029】
第12の発明は、第11の発明に従属し、第2の記憶装置は、不揮発性記憶媒体であり、第2の交換対象データを含む交換前セーブデータに加えて、一時交換処理部において受信した第1の交換対象データを含む交換後セーブデータを記憶する。確定処理部は、使用されるセーブデータが交換後セーブデータであることを示すデータを、交換結果を確定するデータとして第2の記憶装置に記憶させる。
【0030】
第12の発明においても、第3の発明と同様に、交換対象データが不正に複製される可能性を出来る限り少なくすることができる。
【0031】
第13の発明は、交換対象データを記憶する記憶部をそれぞれ備える親機と子機の間でデータを交換するデータ交換方法であって、双方の交換対象データに基づいて、
親機の記憶部に記憶された交換対象データの貴重度が
子機の記憶部に記憶された交換対象データの貴重度よりも高い所定の状態であるかどうかを判定させ、親機および子機に、交換対象データを相手に送信させ、かつ相手の交換対象データを受信させ、所定の状態であることが判定された場合には、親機に、子機に対して交換結果を確定させる指示を送信させるとともに、交換結果を確定するデータを自身の記憶部に記憶させ、子機に、親機から交換結果を確定させる指示を受信したことに応じて交換結果を確定するデータを自身の記憶部に記憶させ、所定の状態でないことが判定された場合には、所定の状態であることが判定された場合における親機にさせる処理を子機にさせ、子機にさせる処理を親機にさせる、データ交換方法である。
【0032】
第13の発明においても、第1の発明と同様に、貴重なデータの不正な複製を抑制できる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、貴重度の高いデータを送信する側の機器が他方の機器に対して交換結果を確定させる指示を送信するので、貴重度の高いデータが不正に複製される期間を出来る限り短くすることができる。つまり、貴重度の高いデータが不正に複製されるのを抑制することができる。
【0034】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照して、この発明の一実施例である通信ゲームシステム10は、情報処理装置ないし電子機器の一例であるゲーム装置12を含む。このゲーム装置12は、後述するように、他のゲーム装置12との間で、データを交換(送受信)するデータ交換装置としても機能する。したがって、通信ゲームシステム10は、データ交換システムと呼ぶこともできる。
【0037】
また、
図1からも分かるように、通信ゲームシステム10は、少なくとも2台のゲーム装置12によって構成され、2台のゲーム装置12はそれぞれ異なるユーザないしプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という。)によって所持または使用される。たとえば、ゲーム装置12は、携帯型(可搬型)のゲーム装置である。
【0038】
なお、
図1に示す通信ゲームシステム10では、2台のゲーム装置12を示すが、3台以上のゲーム装置12が含まれてもよい。また、
図1では、2台のゲーム装置12が直接無線通信するように示してあるが、これらのゲーム装置12は、インターネットのようなネットワークを介して通信可能に接続されてもよい。また、通信ゲームシステム10に、各ゲーム装置12と直接またはネットワークを介して通信可能なサーバを設け、通信接続する2台のゲーム装置12をこのサーバがマッチング(決定)するようにしてよい。
【0039】
図2は、
図1に示すゲーム装置12の電気的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲーム装置12は、CPU20を含み、CPU20には、RAM22、フラッシュメモリ24、第1通信モジュール26、第2通信モジュール28、入力装置30、表示ドライバ32およびD/A変換器34が接続される。また、表示ドライバ32には、表示装置36が接続され、D/A変換器34には、スピーカ38が接続される。
【0040】
CPU20は、ゲーム装置12の全体制御を司る。RAM22は、揮発性記憶媒体であり、CPU20のワークメモリやバッファメモリとして使用される。フラッシュメモリ24は、不揮発性記憶媒体であり、ゲームのようなアプリケーションのプログラムを記憶したり、各種のデータを記憶(セーブ)したりするために使用される。
【0041】
ただし、アプリケーションは、ゲームのアプリケーションに限定される必要は無く、文書作成アプリケーション、電子メールアプリケーション、お絵描きアプリケーション、文字練習用アプリケーション、語学トレーニングアプリケーション、学習アプリケーションなどの様々なアプリケーションが該当する。
【0042】
第1通信モジュール26は、たとえばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。したがって、たとえば、CPU20は、第1通信モジュール26を用いて、アクセスポイントおよびインターネット(ネットワーク)を介して他の機器(コンピュータや他のゲーム装置12など)との間でデータを送受信する。ただし、第1通信モジュール26を用いて、他の機器との間で直接データを送受信することもできる。
【0043】
第2通信モジュール28は、近距離無線通信を行う機能を有する。具体的には、第2通信モジュール28は、所定の通信方式(たとえば、赤外線方式)により、他の機器(他のゲーム装置など)との間で赤外線信号の送受信を行う機能、および所定の通信プロトコル(たとえば、マルチリンクプロトコル)に従って、同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。したがって、たとえば、CPU20は、第2通信モジュール28を用いて、同種の他のゲーム装置との間でデータを直接送受信することもできる。ただし、赤外線方式の近距離無線通信に代えて、Bluetooth(登録商標)のような他の無線通信規格に従う近距離無線通信を行うようにしてもよい。
【0044】
入力装置30は、たとえば、ゲーム装置12に設けられる各種の押しボタンないしスイッチであり、ユーザによって、メニュー選択やゲーム操作などの各種の操作に用いられる。ただし、入力装置30としては、タッチパネルなどのポインティングデバイス、マイクおよびカメラなどの入力手段が、押しボタンないしスイッチに代えて、または、押しボタンないしスイッチとともに設けられてもよい。また、タッチパネルは、後述する表示装置36に組み込まれる場合もある。この場合の表示装置36は、タッチパネル一体型表示装置である。
【0045】
表示ドライバ32は、CPU20の指示の下、表示装置36にゲーム画像などの各種画像を表示するために使用される。図示は省略するが、表示ドライバ32は、ビデオRAM(VRAM)を内蔵している。
【0046】
D/A変換器34は、CPU20から与えられる音声データをアナログのゲーム音声に変換し、スピーカ38に出力する。ただし、ゲーム音声は、ゲームのキャラクタないしオブジェクトの擬制音、効果音、音楽(BGM)のようなゲームに必要な音を意味する。
【0047】
なお、
図2に示すゲーム装置12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0048】
このようなゲーム装置12では、プレイヤキャラクタが冒険の旅に出るゲームをプレイすることができる。たとえば、このゲームでは、プレイヤの操作に従って、プレイヤキャラクタは、仮想空間に構築されたゲーム世界を移動したり、ゲーム世界に存在する野生のモンスターキャラクタを捕獲したり、捕獲した(所有する)モンスターキャラクタをノンプレイヤキャラクタ(図示せず)が所有するモンスターキャラクタや野生のモンスターキャラクタと戦わせたりする。また、プレイヤキャラクタは、プレイヤの操作に従って、所定のアイテム(図示せず)を取得したり、使用したりする。
【0049】
また、プレイヤは、ゲーム装置12で他のゲーム装置12のプレイヤと通信することにより、所有するモンスターキャラクタ(以下、単に「キャラクタ」と呼ぶ)を交換することができる。
【0050】
図3はゲーム装置12に設けられる表示装置36に表示されるキャラクタ選択画面100の一例を示す図解図である。たとえば、ゲームのアプリケーションの実行中に、プレイヤがキャラクタを交換することを選択(指示)すると、キャラクタを交換する相手のプレイヤに提供する(交換に出す)キャラクタを選択する場合に、このキャラクタ選択画面100が表示装置36に表示される。
【0051】
詳細な説明は省略するが、上述したように、この実施例のゲーム装置12は、(1)第1通信モジュール26を用いて、インターネットを介して他のゲーム装置12と通信したり、(2)第1通信モジュール26を用いて、他のゲーム装置12と直接通信したり、(3)第2通信モジュール28を用いて、他のゲーム装置12と直接通信したりすることができる。したがって、プレイヤは、(1)〜(3)の方法からいずれか1つの方法を選択することにより、どのような場所に存在する他のゲーム装置12との間でキャラクタを交換するかを事前に決定することが可能である。または、キャラクタを交換する特定の他のゲーム装置12が存在する場所に応じて、(1)〜(3)の方法からいずれか1つの方法を選択することも可能である。
【0052】
たとえば、(1)の方法が選択された場合には、インターネットに接続中の他のゲーム装置12との間でキャラクタを交換することができる。したがって、遠隔地に存在する他のプレイヤとの間でもキャラクタを交換することができる。(2)の方法が選択された場合には、ゲーム装置12から電波の届く範囲に存在する他のゲーム装置12との間でキャラクタを交換することができる。つまり、プレイヤの周囲に存在する他のプレイヤとキャラクタを交換することができる。(3)の方法が選択された場合には、ゲーム装置12から赤外線の届く範囲であり、赤外線を送受信可能な向きに置かれた他のゲーム装置12との間でキャラクタを交換することができる。したがって、プレイヤの近くに存在する知り合いの(他の)プレイヤとの間でキャラクタを交換することができる。
【0053】
図3に戻って、キャラクタ選択画面100には、複数(たとえば、3体)のキャラクタ102a、102b、102cが並んで表示される。また、キャラクタ選択画面100には、キャラクタ102a〜102cの上方に、交換に出すキャラクタを選択するべき旨のメッセージが表示される。たとえば、キャラクタ102a〜102cは、交換に出しても良いキャラクタ(交換対象のキャラクタの候補)であり、プレイヤによって、プレイヤないしプレイヤキャラクタが所有する複数のキャラクタ(仲間キャラクタ)の中から事前に選択(決定)される。
図3に示すキャラクタ選択画面100では、3体のキャラクタ102a〜102cが交換対象のキャラクタの候補として選択された場合について示してあるが、これは一例であり、その数は限定される必要はない。
【0054】
たとえば、プレイヤは、キャラクタ選択画面100において、交換に出すキャラクタ102a、102bまたは102cを、入力装置30を用いて選択する。キャラクタを交換する2台のゲーム装置12(双方のゲーム装置12)において、交換に出すキャラクタがそれぞれ選択されると、各ゲーム装置12には、
図4に示すような交換確認画面200が表示装置36に表示される。
【0055】
図4に示すように、交換確認画面200には、キャラクタを実際に交換するかどうかを確認するための画面であり、アイコン202およびアイコン204が配置される。アイコン202は、キャラクタを交換することを確定するために設けられる。アイコン204は、キャラクタの交換を止めることを決定するために設けられる。また、交換確認画面200には、キャラクタを交換するかどうかを確認するためのメッセージが表示される。
図4に示す例では、「キャラクタXとキャラクタYを交換しますか」というメッセージが表示される。
【0056】
ただし、この明細書においては、キャラクタXは、親機として機能するゲーム装置12のプレイヤないしプレイヤキャラクタが所有し、交換に出すことを決定したキャラクタ(または、キャラクタの名称)である。また、キャラクタYは、子機として機能するゲーム装置12のプレイヤないしプレイヤキャラクタが所有し、交換に出すことを決定したキャラクタ(または、キャラクタの名称)である。
【0057】
双方のゲーム装置12において、交換確認画面200のアイコン202が選択(オン)されると、つまり、キャラクタを交換することが確認されると、キャラクタXとキャラクタYを交換する処理(交換処理)が実行される。交換処理の大まかな流れを、
図5に従って説明する。
図5では、キャラクタを交換する2台のゲーム装置12のうち、一方のゲーム装置12を「ゲーム装置A」と呼び、他方のゲーム装置12を「ゲーム装置B」と呼ぶ。また、ここでは、ゲーム装置Aが親機として機能し、ゲーム装置Bが子機として機能する。ただし、ゲーム装置Aおよびゲーム装置Bを区別する必要がない場合には、単に「ゲーム装置12」と呼ぶことにする。
【0058】
図5に示すように、キャラクタの交換処理が開始されると、まず、ゲーム装置AはキャラクタXのデータ(キャラクタデータ)をゲーム装置Bに送信する。ここで、キャラクタデータは、
図6に示すように、キャラクタ名、レベル、能力値およびレア値など、キャラクタに関する情報を意味する。キャラクタ名は、当該キャラクタデータに対応するキャラクタに付された名称(識別情報)である。レベルは、当該キャラクタデータに対応するキャラクタのレベル(ゲームにおけるレベル)を示す数値である。能力値は、当該キャラクタデータに対応するキャラクタ攻撃および防御のそれぞれについての能力の度合いを示す数値である。レア値は、当該キャラクタデータに対応するキャラクタがゲームにおいて出現する頻度(確率)を示す数値である。この実施例では、レア値が小さい程、出現する頻度が低く、レア度が高いことを意味する。
【0059】
ただし、キャラクタデータには、ゲームに必要な他の情報も含まれる。また、
図6に示すキャラクタデータは、キャラクタXおよびキャラクタYのみならず、これら以外のキャラクタについても同じである。
【0060】
また、この実施例では、レア値が小さい程、レア度が高くされるが、レア値が大きい程、レア度が高くされるようにしてもよい。
【0061】
図5に戻って、ゲーム装置Bは、キャラクタXのキャラクタデータを受信すると、キャラクタYのキャラクタデータをゲーム装置Aに送信する。そして、ゲーム装置Aは、キャラクタYのキャラクタデータを受信する。
図5では省略するが、ゲーム装置Aでは、キャラクタYのキャラクタデータを含むゲームデータ(セーブデータ)がフラッシュメモリ24に書き込まれ、ゲーム装置Bでは、キャラクタXのキャラクタデータを含むゲームデータ(セーブデータ)がフラッシュメモリ24に書き込まれる。各ゲーム装置12は、フラッシュメモリ24へのゲームデータ(セーブデータ)の書き込みを完了すると、セーブデータの書換え準備が完了したと判断し、そのことを通信相手(キャラクタの交換相手)のゲーム装置12に通知する。
【0062】
この実施例では、
図5に示すように、ゲーム装置Aは、書換え準備完が完了したことをゲーム装置Bに通知する。ゲーム装置Bは、ゲーム装置Aからの書換え準備完了の通知を受信すると、セーブデータの書換え準備を完了したときに、書換え準備が完了したことをゲーム装置Aに通知する。ただし、ゲーム装置Bは、ゲーム装置Aからの書換え準備が完了したことの通知を受信したときに、既にセーブデータの書換え準備を完了していれば、ゲーム装置Aからの通知に応じて、直ぐに、書換え準備が完了したことをゲーム装置Aに通知する。
【0063】
ゲーム装置Aは、ゲーム装置Bから書換え準備が完了したことの通知を受信すると、書込み開始をゲーム装置Bに通知するとともに、交換結果を確定するデータをフラッシュメモリ24に書き込むセーブ書込みを実行する。
図5では、書込み開始を通知した後にセーブ書込みを開始するように記載してあるが、これらはほぼ同時に実行される。セーブ書込みでは、フラッシュメモリ24に複数(この実施例では、2つ)記憶されているセーブデータのうち、いずれのセーブデータが使用されるかを示す(識別する)ための識別情報のデータ(使用識別データ402a(
図8参照))がフラッシュメモリ24に記憶(更新)される。つまり、セーブデータの書換えが完了される。ただし、使用識別データ402aが交換結果を確定するデータに相当する。一方、ゲーム装置Bは、ゲーム装置Aから書込み開始の通知を受信して、セーブ書込みを実行する。セーブ書込みを正しく終了すると、キャラクタYを、ゲーム装置Aのプレイヤないしプレイヤキャラクタが所有し、キャラクタXを、ゲーム装置Bのプレイヤないしプレイヤキャラクタが所有する。
【0064】
このようにして、2つのゲーム装置12間でキャラクタを交換することができる。しかし、この交換処理では、書換え準備が完了した段階で、各ゲーム装置12のフラッシュメモリ24には、交換したキャラクタのキャラクタデータを含むセーブデータが記憶されている。
【0065】
したがって、
図5に示すように、ゲーム装置Aでは、ゲーム装置Aがゲーム装置Bに書き込み開始を通知してからセーブ書込みを終了するまでの期間(第1期間)T1において、このゲーム装置Aのみの電源をオフすれば、ゲーム装置A側では、セーブ書込みが完了しないため、使用識別データ402aが更新されず、更新前(交換前)のセーブデータが使用されるセーブデータのままである。一方、ゲーム装置B側では、セーブ書込みが完了し、使用識別データ402aが更新されるため、更新後(交換後)のセーブデータが使用されるセーブデータに変更される。つまり、キャラクタXが複製される。
【0066】
また、
図5に示すように、ゲーム装置Bでは、ゲーム装置Aがゲーム装置Bに書き込み開始を通知してからセーブ書込みを終了するまでの期間(第2期間)T2において、このゲーム装置Bのみの電源をオフすれば、ゲーム装置B側では、セーブ書込みが完了しないため、使用識別データ402aが更新されず、更新前(交換前)のセーブデータが使用されるセーブデータのままである。一方、ゲーム装置A側では、セーブ書込みが完了し、使用識別データ402aが更新されるため、更新後(交換後)のセーブデータが使用されるセーブデータに変更される。つまり、キャラクタYが複製される。
【0067】
このような複製は、いずれも開発者および販売者等が意図したものではなく、不正に行われる可能性がある。ただし、第1期間T1はセーブ書込みに係る時間と同程度であり、上述したように、セーブ書込みでは、使用識別データを書き換えるだけであるため、比較的短い時間である。一方、第2期間T2はセーブ書込みに係る時間に、他方のゲーム装置12から書込み開始の通知を受信するまでの時間が加算されるため、通信に係る時間の分だけ第1期間T1よりも長くなる。
【0068】
したがって、たとえば、子機として機能するゲーム装置Bにおいて、レアなキャラクタYを交換に出すように設定しておけば、第1期間T1よりも長い第2期間T2において、ゲーム装置Bのみの電源をオフすれば、レアなキャラクタYを比較的簡単に複製することができる。この複製の難易度は、2台のゲーム装置12がインターネットを介して通信を行う場合には、2台のゲーム装置12が直接通信を行う場合よりも通信にかかる時間が長いため、低下すると考えられる。
【0069】
したがって、この実施例では、キャラクタデータに含まれるレア値(レア度)を比較することにより、キャラクタYがキャラクタXよりもレア度が高い場合には、ゲーム装置Bからゲーム装置Aに書込み開始を通知することにより、上記のような不正な複製が実現可能な期間を出来る限り短くするようにしてある。つまり、
図5に示した書込み開始を通知する処理以降の処理が親機と子機とで逆になる。言い換えると、親機にさせる処理を子機にさせる。これにより、不正な複製が抑制される。
【0070】
図7は
図2に示したゲーム装置12のRAM22のメモリマップ300の一例を示す図解図である。親機と子機はキャラクタを交換する度に決定されるため、ゲーム装置12は親機または子機として動作可能に制御される。したがって、RAM22に記憶されるプログラムおよびデータは、親機または子機として動作可能なプログラムおよびデータである。
【0071】
図7に示すように、RAM22は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、この実施例のゲームのアプリケーションプログラムのような情報処理プログラムが記憶され、情報処理プログラムは、メイン処理プログラム302a、画像生成プログラム302b、画像表示プログラム302c、通信プログラム302dおよび交換処理プログラム302eなどを含む。
【0072】
メイン処理プログラム302aは、この実施例のゲーム処理のメインルーチンを処理するためのプログラムである。画像生成プログラム302bは、画像生成用データ304cを用いてゲーム画像(キャラクタ選択画面100、交換確認画面200など)のデータ(ゲーム画像データ)を生成するためのプログラムである。画像表示プログラム302cは、画像生成プログラム302bに従って生成されたゲーム画像データを表示装置36に出力するためのプログラムである。したがって、ゲーム画像データに対応するゲーム画像が表示装置36に表示される。
【0073】
通信プログラム302dは、直接またはネットワークを介して、他のゲーム装置12と通信するためのプログラムである。上述したように、通信方法は、3つの方法のうちのいずれか1つの方法が選択され、選択された方法で通信処理が実行される。
【0074】
交換処理プログラム302eは、他のゲーム装置12(プレイヤ)との間で、キャラクタを交換するためのプログラムである。ただし、上述したように、交換処理プログラム302eは、ゲーム装置12が親機として機能する場合と子機として機能する場合とで一部の処理内容が異なる。詳細については、
図9−
図12に示すフロー図を用いて後で説明する。
【0075】
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、ゲームデータ(セーブデータ)をフラッシュメモリ24にセーブ(保存)するためのプログラム、ゲームに必要な音を生成および出力するための音出力プログラムなどの他のプログラムも記憶される。
【0076】
データ記憶領域304には、送受信データバッファ304aおよび操作入力データバッファ304bが設けられる。また、データ記憶領域304には、画像生成用データ304cおよびゲームデータ304dなどのデータが記憶される。
【0077】
送受信データバッファ304aは、他のゲーム装置12との間で送受信されるデータを一時記憶するための領域である。キャラクタを交換する場合には、送受信データバッファ304aには、交換するキャラクタに対応するキャラクタデータおよび交換処理における通知に対応するデータが記憶される。操作入力データバッファ304bは、入力装置30からの操作データを一時記憶するための領域である。
【0078】
画像生成用データ304cは、ゲーム画像データを生成するためのポリゴンデータ、テクスチャデータおよびキャラクタ画像データなどのデータを含む。ただし、キャラクタ画像データは、ゲームに登場(出現)する各種のキャラクタについての画像データであり、キャラクタ名(識別情報)に対応して(関連付けて)記憶される。
【0079】
ゲームデータ304dは、この実施例のゲームについての途中データまたは結果データであり、所有キャラクタデータ3040および交換可能キャラクタデータ3042などを含む。図示は省略するが、ゲームデータ304dには、プレイヤないしプレイヤキャラクタのレベル、ゲームの進行状況(クリアしたステージなど)、プレイヤキャラクタの残基数などの情報も含まれる。
【0080】
所有キャラクタデータ3040は、プレイヤまたはプレイヤキャラクタがゲームの進行中に取得(捕獲)した1または複数のキャラクタについてのキャラクタデータである。交換可能キャラクタデータ3042は、プレイヤの操作またはゲームの進行に従って、交換に出すことを許容(許可)されたキャラクタについてのキャラクタデータである。ただし、交換可能キャラクタデータ3042としては、キャラクタの識別情報(キャラクタ名)のデータだけを記憶しておき、キャラクタの交換時に、識別情報が示すキャラクタデータを所有キャラクタデータ3040から取得するようにしてもよい。ただし、キャラクタデータは、
図6を用いて説明したとおりである。
【0081】
図示は省略するが、データ記憶領域には、他のデータが記憶されたり、ゲーム処理(情報処理)に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)が設けられたりする。
【0082】
図8はフラッシュメモリ24のメモリマップ400の一例を示す図解図である。フラッシュメモリ24は、セーブデータ記憶領域402などの記憶領域を含む。セーブデータ記憶領域402には、使用識別データ402a、第1セーブデータ402bおよび第2セーブデータ402cが記憶される。
【0083】
使用識別データ402aは、第1セーブデータ402bおよび第2セーブデータ402cのいずれのセーブデータが使用されるかを示す(識別する)ための識別情報についてのデータである。たとえば、使用識別データ402aは、1ビットのレジスタで構成され、第1セーブデータ402bが使用される場合に、レジスタの値が「0」に設定され、第2セーブデータ402cが使用される場合に、レジスタの値が「1」に設定される。ただし、レジスタの値は、交換処理プログラム302eに従ってキャラクタの交換処理が実行された場合に更新される。
【0084】
第1セーブデータ402bは、使用されることが識別されたセーブデータまたは一世代前のセーブデータである。同様に、第2セーブデータ402cは、使用されることが識別されたセーブデータまたは一世代前のセーブデータである。ただし、使用されることが識別されたセーブデータは、キャラクタを交換した後のセーブデータ(交換後セーブデータ)である。一方、一世代前のセーブデータは、キャラクタを交換する前のセーブデータ(交換前セーブデータ)である。
【0085】
この実施例では、セーブデータは、第1セーブデータ402bおよび第2セーブデータ402cに交互に上書きされ、使用されるセーブデータは、上記の使用識別データ402aで確定(決定)される。
【0086】
たとえば、第1セーブデータ402bおよび第2セーブデータ402cを記憶しておくことにより、セーブ書込みに失敗するなどの不具合が発生した場合であっても、一世代前のセーブデータが残されているため、セーブデータのすべてが失われるのを防止することができる。
【0087】
また、セーブ書込みが正しく行われた場合には、上記の使用識別データ402aは、使用されるセーブデータが、交換前のセーブデータでは無く、交換後のセーブデータであることを示す。
【0088】
なお、フラッシュメモリ24には、この実施例のゲームのセーブデータ以外にも、ゲームプログラムおよび他のアプリケーションプログラムが記憶されたり、他のアプリケーションのセーブデータなども記憶されたりする。
【0089】
図9および
図10は、親機として機能するゲーム装置12のCPU20の交換処理の一例を示すフロー図である。また、
図11および
図12は、子機として機能するゲーム装置12のCPU20の交換処理の一例を示すフロー図である。
【0090】
なお、図示は省略するが、2台のゲーム装置12間でキャラクタの交換が行われる前提として、各ゲーム装置12では、たとえば、メニュー画面において、プレイヤの操作に従ってキャラクタを交換することが選択され、これに応じて、各ゲーム装置12は、通信相手である他のプレイヤのゲーム装置12を探索し、探索した通信相手のゲーム装置12との間で通信状態を確立する。そして、双方のゲーム装置12のプレイヤが、上述したキャラクタ選択画面100において、交換対象のキャラクタを選択すると、キャラクタの交換処理(
図9および
図10、
図11および
図12)が開始される。また、通信相手を探索したとき、または、通信状態を確立するときに、一方のゲーム装置12が親機として機能することが決定され、他方のゲーム装置12が子機として機能することが決定される。親機および子機の決定方法としては、周知の手法を採用することができる。ただし、この決定方法は、本願の本質的な内容では無いため、その説明は省略する。
【0091】
図9に示すように、親機(
図5のゲーム装置Aに相当)のCPU20は、交換処理を開始すると、ステップS1で、キャラクタXのキャラクタデータを通信相手である他のゲーム装置12(子機)に送信する。詳細な説明は省略するが、送信するデータは送受信データバッファ304aに一旦記憶され、通信プログラム302dに従う通信処理に従って送信される。
【0092】
なお、通信プログラム302dに従う通信処理は、交換処理と並行して実行され、送受信データバッファ304aに記憶されたデータを通信相手のゲーム装置12に送信したり、通信相手から送信されたデータを受信して、送受信データバッファ304aに記憶したりする。
【0093】
続くステップS3では、子機(
図5のゲーム装置Bに相当)から送信されたキャラクタYのキャラクタデータを受信したかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、送受信データバッファ304aに、受信したキャラクタデータが記憶されているかどうかを判断する。
【0094】
ステップS3で“NO”であれば、つまり、キャラクタYのキャラクタデータを受信していなければ、そのままステップS3に戻る。なお、この実施例では、キャラクタデータを受信しない場合には、同じステップS3に戻って、キャラクタデータの受信を待機するようにしてあるが、これに限定される必要はない。たとえば、ステップS1の処理を終了してから、所定時間(たとえば、30秒)経過しても、キャラクタデータを受信しない場合には、通信エラーが発生していると判断して、交換処理を強制的に終了するようにしてもよい。このことは、他のゲーム装置12からの通知のデータを受信しない場合についても同様である。
【0095】
一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、キャラクタYのキャラクタデータを受信すれば、ステップS5で、
図4に示したような交換確認画面200を表示装置36に表示する。次のステップS7では、交換を止めるかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、交換確認画面200において、アイコン204が選択(オン)されたかどうかを判断する。
【0096】
ステップS7で“YES”であれば、つまり、交換を止める場合には、
図10に示すように、交換処理を終了する。したがって、子機では、親機との間の通信が切断され、通信エラーの発生により、交換処理が終了される。ただし、親機が交換処理を終了する前に、交換を止めることを子機に通知するようにしてもよい。かかる場合には、子機のCPU20は、交換を止めることの通知を受信して、交換処理を終了する。なお、子機側で交換を止めることが選択された場合には、親機において、交換処理が終了される。
【0097】
一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり、交換を止めることが選択されていなければ、ステップS9で、交換するかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、交換確認画面200において、アイコン202が選択(オン)されたかどうかを判断する。
【0098】
ステップS9で“NO”であれば、つまり、交換することも選択されていなければ、そのままステップS5に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、交換する場合には、ステップS11で、レア度を比較する。ここでは、CPU20は、キャラクタXのキャラクタデータに含まれるレア値RxとキャラクタYのキャラクタデータに含まれるレア値Ryを比較する。図示および説明は省略したが、比較結果は、データ記憶領域304に一時記憶される。
【0099】
次のステップS13では、セーブデータの書き換えを準備する。ここでは、CPU20は、フラッシュメモリ24のセーブデータ記憶領域402に前々回記憶されたセーブデータを、交換後のキャラクタデータを含むセーブデータ(交換後セーブデータ)に更新する。そして、ステップS15で、書換え準備を完了したかどうかを判断する。つまり、CPU20は、上記のセーブデータの更新を終了したかどうかを判断する。
【0100】
ステップS15で“NO”であれば、つまり、書換え準備を完了していなければ、ステップS13に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり、書換え準備を完了すれば、
図10に示すステップS17で、準備完了を子機に通知し、ステップS19で、子機から準備完了の通知を受信したかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、送受信データバッファ304aに子機からの準備完了の通知のデータが記憶されているかどうかを判断する。
【0101】
ステップS19で“NO”であれば、つまり、準備完了の通知を受信していなければ、そのままステップS19に戻る。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり、準備完了の通知を受信すれば、ステップS21で、キャラクタXのレア値RxがキャラクタYのレア値Ry以下であるかどうかを判断する。ここでは、CPU20は、ステップS11の比較結果に基づいてレア値Rxとレア値Ryの大小を判断する。
【0102】
ステップS21で“YES”であれば、つまり、レア値Rxがレア値Ry以下である場合には、キャラクタXのレア度は、キャラクタYのレア度と同じ、または、キャラクタYのレア度よりも高いと判断し、ステップS23で、子機に書込み開始を通知し、ステップS27に進む。一方、ステップS21で“NO”であれば、つまり、レア値Rxがレア値Ryよりも大きい場合には、キャラクタXのレア度はキャラクタYのレア度よりも低いと判断して、ステップS25で、子機から書込み開始の通知を受信したかどうかを判断する。
【0103】
ステップS25で“NO”であれば、つまり、子機から書込み開始の通知を受信していなければ、そのままステップS25に戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、子機から書込み開始の通知を受信すれば、ステップS27に進む。
【0104】
ステップS27では、セーブ書込みを行い、交換処理を終了する。ステップS27では、CPU20は、ステップS13で更新したセーブデータが使用されるセーブデータであることを識別可能にするように、使用識別データ402aを更新する。
【0105】
次に、
図11および
図12を用いて、子機のCPU20の交換処理について説明するが、親機の交換処理(
図9および
図10)で説明した処理と同じ処理については簡単に説明することにする。
【0106】
図11に示すように、子機のCPU20が交換処理を開始すると、ステップS51で、親機から送信されたキャラクタXのキャラクタデータを受信したかどうかを判断する。ステップS51で“NO”であれば、そのままステップS51に戻る。一方、ステップS51で“YES”であれば、ステップS53で、キャラクタYのキャラクタデータを親機に送信する。
【0107】
続くステップS55では、
図4に示したような交換確認画面200を表示装置36に表示する。そして、ステップS57で、交換を止めるかどうかを判断する。ステップS57で“YES”であれば、
図12に示すように、交換処理を終了する。一方、ステップS57で“NO”であれば、ステップS59で、交換するかどうかを判断する。ステップS59で“NO”であれば、ステップS55に戻る。一方、ステップS59で“YES”であれば、ステップS61で、キャラクタXとキャラクタYのレア度を比較する。
【0108】
続くステップS63では、親機から準備完了の通知を受信したかどうかを判断する。ステップS63で“NO”であれば、そのままステップS63に戻る。一方、ステップS63で“YES”であれば、
図12に示すように、ステップS65で、セーブデータの書換えを準備する。そして、ステップS67で、書換え準備を完了したかどうかを判断する。
【0109】
ステップS67で“NO”であれば、そのままステップS65に戻る。一方、ステップS67で“YES”であれば、ステップS69で、準備完了を親機に通知する。続いて、ステップS71では、レア値Ryがレア値Rxよりも小さいかどうかを判断する。ステップS71で“YES”であれば、つまり、レア値Ryがレア値Rxよりも小さい場合には、キャラクタYのレア度はキャラクタXのレア度よりも高いと判断し、ステップS73で、親機に書込み開始を通知し、ステップS77に進む。一方、ステップS71で“NO”であれば、レア値Ryがレア値Rx以上であれば、キャラクタYのレア度は、キャラクタXのレア度と同じ、または、キャラクタXのレア度よりも低いと判断して、ステップS75で、親機から書込み開始の通知を受信したかどうかを判断する。
【0110】
ステップS75で“NO”であれば、つまり、親機から書込み開始の通知を受信していなければ、そのままステップS75に戻る。一方、ステップS75で“YES”であれば、ステップS77で、セーブ書込みを実行して、交換処理を終了する。
【0111】
この実施例によれば、レア度が高いキャラクタのキャラクタデータを送信する側のゲーム装置が通信相手のゲーム装置にセーブデータの書込みを指示するので、レア度が高いキャラクタのキャラクタデータを送信する側のゲーム装置において、セーブデータを書換え可能な状態になってからセーブデータの書換えを終了するまでの時間を出来る限り短くすることができる。したがって、キャラクタデータの不正な複製を抑制することができる。
【0112】
なお、この実施例では、キャラクタを交換するため、キャラクタの出現確率に応じて決定されたレア度(レア値)に基づいて、親機または子機が書込み開始を他方の機器に通知するようにした。このレア度をプレイヤ側の視点で考えると、プレイヤが取得し難い、または、プレイヤにとって価値のあるキャラクタと言うことができる。したがって、レア度は、貴重度ということもできる。
【0113】
また、この実施例では、キャラクタに設定されたレア度の高さに応じて、書込み開始を通知する処理を実行するゲーム装置を親機と子機の間で入れ替えるようにしたが、レア値以外のパラメータに応じて、書込み開始を通知する処理を実行するゲーム装置を親機と子機の間で入れ替えるようにしてもよい。
【0114】
たとえば、テーマパーク、映画館、イベント会場などで特別に配信(配布)されたキャラクタについては、特別に配布されたことを示すパラメータをキャラクタデータに含めることにより、特別に配布されたキャラクタ以外のキャラクタよりもレア度または貴重度が高いと判定されてもよい。また、課金することにより入手したキャラクタについては、課金により入手されたことを示すパラメータをキャラクタデータに含めることにより、課金せずにゲーム世界に出現するキャラクタよりもレア度または貴重度が高いと判定されてもよい。したがって、単にゲーム世界に出現する頻度(確率)が低いのみならず、テーマパーク等に出向いて入手したキャラクタまたは/および課金して入手したキャラクタについても、不正に複製されるのを抑制することができる。また、レア値とレア値以外のパラメータとの両方を用いて、交換するキャラクタのレア度または貴重度の高さを判定するようにしてもよい。
【0115】
さらに、この実施例では、レア値Rxとレア値Ryが等しい場合についても、親機から子機に書き込み開始を通知するようにしてあるが、かかる場合には、子機から親機に書き込み開始を通知するようにしてもよい。
【0116】
さらにまた、この実施例では、プレイヤないしプレイヤキャラクタが所有するキャラクタについてのキャラクタデータを交換するようにしたが、キャラクタデータは、プレイヤないしプレイヤキャラクタが所有する武器、道具、食料などのアイテムについてのデータであってもよい。
【0117】
また、この実施例では、ゲームについてのキャラクタを交換するようにしてあるが、ゲーム以外のアプリケーションでは、当該アプリケーションで使用されるツールなどについてのデータを交換するようにしてもよい。
【0118】
さらに、この実施例では、キャラクタデータにレア値を含めるようにしたが、これに限定される必要はない。各キャラクタのキャラクタデータに含まれるデータ(たとえば、キャラクタ名)に対応してレア値が記述されたテーブルを記憶しておき、このテーブルから読み出すようにしてもよい。
【0119】
さらにまた、この実施例では、親機から子機にキャラクタデータを送信した後に、子機から親機にキャラクタデータを送信したり、親機から子機に書換え準備が完了したことを通知した後に、子機から親機に書換え準備が完了したことを通知したりするようにしてが、これに限定される必要はない。子機から親機にキャラクタデータを送信した後に、親機から子機にキャラクタデータを送信したり、子機から親機に書換え準備が完了したことを通知した後に、親機から子機に書換え準備が完了したことを通知したりしてもよい。また、キャラクタデータの送受信を終了した後に、親機と子機のそれぞれで書換え準備を行うようにすれば、書換え準備を終えた時点で、その通知を他方の機器に送信することもできる。
【0120】
なお、この実施例では、携帯型のゲーム装置を用いた場合について説明したが、据置型のゲーム装置、デスクトップPCやアーケードゲーム装置のような他の機器にも適用できることは言うまでもない。また、ノートPC、PDA、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPCなどの他の携帯型の機器にも適用することができる。
【0121】
また、この実施例で示した具体的数値は単なる例示であり、限定されるべきでなく、実際の製品に応じて適宜変更可能である。
【0122】
さらに、同じ効果(結果)が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。たとえば、ステップS11は、ステップS9よりも後であり、ステップS21よりも前に実行されればよい。同様に、ステップS61は、ステップS59よりも後であり、ステップS71よりも前に実行されればよい。