特許第6647869号(P6647869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647869
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20200203BHJP
   A01D 41/02 20060101ALI20200203BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A01D41/12 Z
   A01D41/02 E
   A01D67/00 Z
   A01D67/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-1027(P2016-1027)
(22)【出願日】2016年1月6日
(65)【公開番号】特開2017-121196(P2017-121196A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2018年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】阿川 陽一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 馨一
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−206463(JP,A)
【文献】 実開昭58−029227(JP,U)
【文献】 特開2013−021930(JP,A)
【文献】 特許第4220255(JP,B2)
【文献】 特開2000−209934(JP,A)
【文献】 米国特許第05913566(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 − 41/16
A01D 47/00
A01D 67/00 − 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に昇降自在に連結される前処理部の側部を着脱自在なサイドカバーで覆うコンバインであって、
前記前処理部の側部に配置されて前方を照らすライトを備え、
該ライトは、ステーを介して前処理部フレームに設けられていて、正面視で前記サイドカバーの外側方に前記サイドカバーの着脱空間を存して配置されるものであって、
前記ステーは、サイドカバーの後方を左右方向に横切る状態で前処理部フレームから左右方向外方に向けて延出したものがさらに前方に向けて折曲されたものであり、
ライトは、ステーの前方に向けて折曲された部位の前端部に設けられている
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
ステーの前方に向けて折曲された部位の前端部は、さらに下方に向けて折曲された部位を有し、ライトは、該下方に向けて折曲された部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記前処理部は、タイン縦回し駆動型強制分草装置を装着可能であり、
前記ライトは、正面視で最も外側に装着される前記タイン縦回し駆動型強制分草装置よりも外側方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
ライトが前記下方に向けて折曲された部位に設けられることで、
前記ステーは、左右方向に延びる部位と、該部位から前方に向けて折曲される部位とがライトよりも高位になる状態で平面視でL字形になっていてオイル容器を載置可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記ステーは、正面視又は背面視でコ字形状を有し、その両端が前記前処理部フレームに強固に固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前処理部の側部に前方を照らすライトを備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
前処理部の側部に前方を照らすライト(作業灯及び前照灯を含む)を備えるコンバインが知られている。例えば、特許文献1に記載されるコンバインでは、前処理部の側部を覆うサイドカバーに外側方に膨出する膨出部を形成し、該膨出部内にライトを配置するとともに、サイドカバーに形成される開口部を介してライトの光を前方に出射させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4220255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるライトの配置構成では、サイドカバーにライトを収容するための膨出部やライトの光を出射するための開口部を形成する必要があるので、サイドカバーの形状が複雑になり、コストアップを招来する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、走行機体の前部に昇降自在に連結される前処理部の側部を着脱自在なサイドカバーで覆うコンバインであって、前記前処理部の側部に配置されて前方を照らすライトを備え、該ライトは、ステーを介して前処理部フレームに設けられていて、正面視で前記サイドカバーの外側方に前記サイドカバーの着脱空間を存して配置されるものであって、前記ステーは、サイドカバーの後方を左右方向に横切る状態で前処理部フレームから左右方向外方に向けて延出したものがさらに前方に向けて折曲されたものであり、ライトは、ステーの前方に向けて折曲された部位の前端部に設けられていることを特徴とするコンバインである。
請求項2の発明は、ステーの前方に向けて折曲された部位の前端部は、さらに下方に向けて折曲された部位を有し、ライトは、該下方に向けて折曲された部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンバインである。
請求項3の発明は、前記前処理部は、タイン縦回し駆動型強制分草装置を装着可能であり、前記ライトは、正面視で最も外側に装着される前記タイン縦回し駆動型強制分草装置よりも外側方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバインである。
請求項4の発明は、ライトが前記下方に向けて折曲された部位に設けられることで、前記ステーは、左右方向に延びる部位と、該部位から前方に向けて折曲される部位とがライトよりも高位になる状態で平面視でL字形になっていてオイル容器を載置可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載のコンバインである。
請求項5の発明は、前記ステーは、正面視又は背面視でコ字形状を有し、その両端が前記前処理部フレームに強固に固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、前処理部の側部に配置されて前方を照らすライトが、正面視でサイドカバーの外側方に配置されているので、サイドカバー内にライトを配置する場合のように、サイドカバーに膨出部や開口部を形成する必要がなく、その結果、サイドカバーの形状を簡略化してコストダウンが可能となる。また、サイドカバーとライトの間には、サイドカバーの着脱空間が確保されているので、サイドカバーの着脱に際してライトが邪魔になることも回避できる。
また、請求項3の発明によれば、ライトは、正面視で最も外側に装着されるタイン縦回し駆動型強制分草装置よりも外側方に位置するので、タイン縦回し駆動型強制分草装置によってライトの前方が覆われてしまう場合のように、ライトを外側方に移設する必要がない。
また、請求項4の発明によれば、ライトのステーは、オイル容器を載置可能な形状を有するので、ステーをオイル容器の載置台に兼用できるだけでなく、集中注油オイルタンクへのオイル補充作業などが容易になる。
また、請求項5の発明によれば、ライトのステーは、正面視又は背面視でコ字形状を有し、その両端が前処理部フレームに強固に固定されるので、メンテナンス時などに掴まる取っ手や、前処理部を吊り上げる際の引掛け部として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るコンバインの正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るコンバインの右側面図である。
図3】本発明の実施形態に係るコンバインの平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る前処理部のフレーム構成及びライトの支持構造を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る前処理部のサイドカバー着脱構造を示す背面斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る前処理部のサイドカバーを取り外す手順を示す説明図であり、(A)はサイドカバー取付状態を示す正面図、(B)はサイドカバー傾倒状態を示す正面図、(C)はサイドカバー持ち上げ状態を示す正面図である。
図7】本発明の実施形態に係る前処理部にタイン縦回し駆動型強制分草装置を装着した状態を示す正面図である。
図8】本発明の実施形態に係るライトのステーにオイル容器を載置した状態を示す斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るライトの支持構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1図3において、1は自脱型のコンバインであって、該コンバイン1は、走行機体2と、走行機体2の前端部に昇降自在に連結される前処理部3とを備える。走行機体2には、前処理部3で刈り取った茎稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部4と、選別された穀粒を貯溜する穀粒タンク5と、穀粒タンク5内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ6と、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部7と、オペレータが乗車する操縦部8と、左右一対のクローラ走行装置9からなる走行部10とが設けられている。
【0009】
図1図4に示すように、前処理部3は、前端部に左右方向に所定の間隔を存して並ぶように配置され、未刈り茎稈を分草して複数の茎稈導入経路11に導く複数のデバイダ12と、前面部に左右方向に並ぶように立設され、茎稈導入経路11に導入された茎稈を引き起す複数の引起装置13と、茎稈の株元を刈り取る刈刃装置(図示せず)と、刈り取った茎稈を脱穀部4に向けて搬送する前処理搬送装置(図示せず)と、これらを支持する前処理部フレーム14とを備える。
【0010】
図4に示すように、前処理部フレーム14は、前処理部3の昇降動作の回動支点となる回動支点フレーム15と、回動支点フレーム15から前下方に延出するメインフレーム16と、メインフレーム16の前端から左右に延出する横フレーム17と、左右方向に所定の間隔を存して横フレーム17に立設される複数の縦フレーム18と、左右方向に所定の間隔を存して横フレーム17から前方に延出する複数のデバイダフレーム19(図5参照)とを備える。
【0011】
前処理部フレーム14を構成する各フレーム15〜19は、いずれもパイプ部材を用いて構成され、そのうちフレーム15〜18は、その内部に伝動軸(図示せず)を内装する伝動ケースに兼用されている。
【0012】
具体的に説明すると、回動支点フレーム15の一端部には、入力プーリPが設けられ、該入力プーリPに入力された前処理動力は、第1ギヤケース20を介してメインフレーム16内の第1伝動軸に伝動される。第1伝動軸に伝動された動力は、第2ギヤケース21を介して横フレーム17内の第2伝動軸に伝動される。第2伝動軸に伝動された動力は、第3〜第5ギヤケース22〜24を介して各縦フレーム18内の第3〜第5伝動軸に伝動されるとともに、第6及び第7ギヤケース25、26などを介して前処理搬送装置や刈刃装置に伝動される。第3〜第5伝動軸に伝動された動力は、各縦フレーム18の上端部に設けられる第8〜10ギヤケース27〜29を介して引起装置13の駆動スプロケット13aに伝動される。
【0013】
ちなみに、引起装置13は、図5に示すように、縦フレーム18の上端部とデバイダフレーム19の中間部との間に傾斜状に架設される引起ケース13bと、装置上端側に配置される駆動スプロケット13aと、装置下端側に配置されるガイドローラ(図示せず)と、所定の間隔を存して複数のタイン13cが起伏自在に枢着された引起チェーン(図示せず)と、引起装置13の前面を覆う引起カバー13dとを備え、駆動スプロケット13a及びガイドローラに巻回された引起チェーンの周回動作に応じてタイン13cで茎稈を引き起こすように構成されている。
【0014】
前処理部3の左右両側部は、着脱自在なサイドカバー30、31で覆われており、図5及び図6は、右側サイドカバー31(以下、単にサイドカバー31という)の着脱構造及び取り外し手順を示している。本実施形態のサイドカバー31は、側面視三角形状で、正面視で下端側が外側方に膨出した樹脂製カバーであり、引起装置13の上端から下端に亘って設けられており、サイドカバー31を取り外すことにより、引起装置13の側方全体が開放され、前処理部3の内部のメンテナンスが容易になる。そして、本実施形態のサイドカバー32は、下端部が前処理部3の右端に位置するデバイダフレーム19に係合状に保持され、上端側が前処理部3の右端に位置する引起ケース13bにノブボルト32を介して緊締状に固定される。
【0015】
つまり、前処理部3の右端に位置するデバイダフレーム19には、前後方向に沿う係合軸33が逆L字状のプレート部材34を介して設けられる一方、サイドカバー31の下端側には、係合軸33に上方から係合する係合溝35aを有した前後一対の係合片35が設けれている。また、引起ケース13bの上端側には、後方からノブボルト32がねじ込まれるプレート部材36が外側方に向けて突設される一方、サイドカバー31の上端側には、ノブボルト32のボルト軸に外側方から係合する係合溝37aを有した固定片37が設けられており、ノブボルト32とプレート部材36との間に固定片37が差し込まれた状態でノブボルト32を締め込むことにより、サイドカバー31の上端側が引起ケース13bに緊締状に固定される。
【0016】
図5及び図6に示すように、サイドカバー31を取り外す場合は、まず、ノブボルト32を緩め側に回し操作する。ノブボルト32を緩めると、固定片37の固定が解除され、サイドカバー31の上端側の取り外しが可能になる。このとき、サイドカバー31は、下端側の係合状態が維持されているので、係合軸33を支点とする外側方への傾倒操作が許容される(図5の仮想線及び図6の(B)参照)。つぎに、外側方へ傾倒させたサイドカバー31を上方へ持ち上げる(図6の(C)参照)。サイドカバー31を持ち上げると、係合片35が係合軸33から外れ、サイドカバー31の取り外しが可能になる。なお、サイドカバー31の取り付けは、取り外しと逆の手順で行われる。
【0017】
つぎに、本発明の要部であるライト40の配置構造について、図1図8を参照して説明する。
【0018】
図1図3に示すように、前処理部3の右側部には、前方を照らす前照灯及び/又は作業灯として機能するライト40が設けられている。図1に示すように、本発明の実施形態に係るライト40は、正面視でサイドカバー31の外側方に所定の間隔を存して配置されており、サイドカバー31においては、ライト40を収容するための膨出部や、ライト40の光を出射するための開口部が不要となっている。
【0019】
ライト40とサイドカバー31との間には、サイドカバー31の着脱空間が確保される。これにより、サイドカバー31の着脱に際してライト40が邪魔になることを回避できるが、さらに、本実施形態では、側面視でサイドカバー31とオーバーラップするようにライト40を配置することにより、サイドカバー31の着脱に際し、ライト40をサイドカバー31の倒れを防止部材や、サイドカバー31の着脱ガイド部材に兼用することを可能にしている。
【0020】
つまり、本実施形態のライト40は、図6の(B)、(C)に示すように、サイドカバー31の着脱に際し、サイドカバー31の外側面に当接することで、サイドカバー31の倒れを防止できるだけでなく、サイドカバー31の上げ下げをガイドすることが可能になる。
【0021】
また、本実施形態の前処理部3は、図7に示すように、タイン縦回し駆動型強制分草装置41を装着可能であるが、ライト40は、正面視で最も左側に装着されるタイン縦回し駆動型強制分草装置41よりも外側方に位置するように配置されている。これにより、タイン縦回し駆動型強制分草装置41でライト40の前方が覆われてしまう場合のように、ライト40を外側方に移設する必要がない。
【0022】
ちなみに、タイン縦回し駆動型強制分草装置41は、タイン横回し駆動型である引起装置13と略同様の構造を有し、タイン(図示せず)が前方に突出するように正面視でデバイダ12(本実施形態では、正面視で左端のデバイダ12、右端のデバイダ12及び中央のデバイダ12)の中心位置に立設されている。したがって、ライト40は、正面視で最も左側(外側)に位置するデバイダ12よりも左側(外側)に位置している。そして、タイン縦回し駆動型強制分草装置41は、引起装置13から取り出される動力で駆動し、該駆動に応じて上昇動作するタインによって茎稈を強制的に分草するが、タイン縦回し駆動型強制分草装置41自体の構成は従来通りである。
【0023】
ライト40は、ステー42を介して前処理部フレーム14に取り付けられている。本実施形態のステー42は、図5に示すように、背面視でコ字形状を有する金属部材であり、その両端が前処理部フレーム14に強固に固定される。例えば、本実施形態のステー42は、両端部にプレート部材43、44が一体的に溶着されており、下側のプレート部材43は、前処理部3の右端部に立設される縦フレーム18に溶着されたブラケット45にボルト固定される一方、上側のプレート部材44は、同じ縦フレーム18の上端部に設けられた第8ギヤケース27にボルト固定されている。このようなステー42によれば、メンテナンス時などに掴まる取っ手や、前処理部3を吊り上げる際の引掛け部として機能させることが可能になる。
前記ステー42は、具体的には、縦フレーム18に固定される基端部からサイドカバー31の後方を左右方向に横切る状態で左右方向外方に向けて延出した部位42aと、該部位42aの左右方向外端部からさらに前方に向けて折曲された部位42bとを備えて平面視でL字形状を有しており、かつ該前方に折曲された部位42bの前端部は、さらに下方に向けて折曲された部位42cを有している。そしてこの下方に向けて折曲された部位42cに前記ライト40が設けられているが、該ライト40は、前記L字形になった部位42a、42bよりも低位になるよう設けられており、これによって、前記L字形になった部位42a、42bは、ライト40よりも高位の状態になっていて、オイル容器46を載置できるよう構成されている。そしてステー42は、下方に向けて折曲された部位42cの下端部から、サイドカバー31の後方を左右方向に横切る状態で左右方向内方に向けて折曲され、該折曲された部位42dの左右方向内端部が前記縦フレーム18に固定されており、これによってステー42は、前述したように背面視したときにコ字形になっている。
【0024】
さらに、本実施形態のステー42は、図8に示すように、オイル容器46を載置可能な平面形状を有する。具体的に説明すると、本実施形態のステー42は、図3及び図4に示すように、平面視L字形状を有しており、曲げ部を挟む略直角な2辺によりオイル容器46を安定に支持することが可能となっている。そして、本実施形態の前処理部3は、図4及び図8に示すように、サイドカバー31の上側内部に集中注油オイルタンク47を備えるので、集中注油オイルタンク47にオイルを補充する際、ステー42をオイル容器46の載置台として利用することにより、オイル補充作業が容易になる。ちなみに、集中注油オイルタンク47は、図示しないポンプ(手動又は電動)及び配管を介して複数の注油箇所に接続されており、集中注油オイルタンク47内のオイルがポンプの駆動に応じて複数の注油箇所に注油される。
【0025】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、走行機体2の前部に昇降自在に連結される前処理部3の側部を着脱自在なサイドカバー31で覆うコンバイン1であって、前処理部3の側部に配置されて前方を照らすライト40を備え、該ライト40は、正面視でサイドカバー31の外側方に配置されているので、サイドカバー31内にライト40を配置する場合のように、サイドカバー31に膨出部や開口部を形成する必要がなく、その結果、サイドカバー31の形状を簡略化してコストダウンが可能となる。
【0026】
また、サイドカバー31とライト40の間には、サイドカバー31の着脱空間が確保されているので、サイドカバー31の着脱に際してライト40が邪魔になることも回避できる。
【0027】
また、ライト40は、側面視でサイドカバー31とオーバーラップするので、サイドカバー31の着脱に際し、ライト40を利用してサイドカバー31の倒れを防止できるだけでなく、ライト40をサイドカバー31の着脱ガイド部材に兼用することができる。
【0028】
また、前処理部3は、タイン縦回し駆動型強制分草装置41を装着可能であり、ライト40は、正面視で最も外側に装着されるタイン縦回し駆動型強制分草装置41よりも外側方に位置するので、タイン縦回し駆動型強制分草装置41によってライト40の前方が覆われてしまう場合のように、ライト40を外側方に移設する必要がない。
【0029】
また、ライト40は、ステー42を介して前処理部フレーム14に設けられ、ステー42は、オイル容器46を載置可能な形状を有するので、ステー42をオイル容器46の載置台に兼用できるだけでなく、集中注油オイルタンク47へのオイル補充作業などが容易になる。
【0030】
また、ライト40は、ステー42を介して前処理部フレーム14に設けられ、ステー42は、正面視又は背面視でコ字形状を有し、その両端が前処理部フレーム14に強固に固定されるので、メンテナンス時などに掴まる取っ手や、前処理部3を吊り上げる際の引掛け部として機能させることができる。
【0031】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0032】
例えば、前記実施形態のライト40は、ステー42の外端前側に取り付けられているが、図9に示すように、ステー42の外端内側に取り付けてもよい。このようにすると、ライト40がステー42で囲まれるので、障害物との接触によるライト40の破損や変形を防止することが可能になる。
【符号の説明】
【0033】
1 コンバイン
3 前処理部
12 デバイダ
13 引起装置
14 前処理部フレーム
31 サイドカバー
40 ライト
41 タイン縦回し駆動型強制分草装置
42 ステー
46 オイル容器
47 集中注油オイルタンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9