特許第6647876号(P6647876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特許6647876-什器 図000002
  • 特許6647876-什器 図000003
  • 特許6647876-什器 図000004
  • 特許6647876-什器 図000005
  • 特許6647876-什器 図000006
  • 特許6647876-什器 図000007
  • 特許6647876-什器 図000008
  • 特許6647876-什器 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647876
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20200203BHJP
   A47B 9/00 20060101ALI20200203BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A47B13/00 Z
   A47B9/00 Z
   A47B13/08 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-6571(P2016-6571)
(22)【出願日】2016年1月15日
(65)【公開番号】特開2017-124117(P2017-124117A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 佳伸
(72)【発明者】
【氏名】村野 祐子
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−163640(JP,U)
【文献】 特開2007−089872(JP,A)
【文献】 特開2008−079777(JP,A)
【文献】 特開2011−103919(JP,A)
【文献】 実開昭63−163638(JP,U)
【文献】 特開2000−189254(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1581833(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 9/00
A47B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、前記天板の下面に幅方向に延びて設けられた補強部材と、を有する上部構造体と、
床面上に設置され、前記上部構造体を支持する下部構造体と、
を備え、
前記下部構造体は、
前記床面上に前記幅方向に間隔を空けて配置された一対の脚体と、
前記一対の脚体の上端部にそれぞれ設けられ、前記上部構造体を支持する一対の上部支持体と、
を有し、
前記一対の上部支持体はそれぞれ、前記幅方向に張り出して形成された接続部を有し、
前記補強部材の前記幅方向の両端部と前記一対の上部支持体の前記接続部とは、それぞれ固定され
前記補強部材は、前記幅方向から見て平らな下面を有する略U字状の断面形状を有し、
前記接続部は、前記幅方向から見て平らな上面を有する略逆U字状の断面形状を有し、
前記補強部材の前記下面と前記接続部の前記上面とは、互いに当接して固定されている
什器。
【請求項2】
請求項1記載の什器であって、
前記一対の脚体は、前記上部構造体を昇降させるために伸縮可能な昇降ユニットを有する
什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や配送センター、オフィスなどでは、各種作業を行うことのできる天板を備えたデスクやテーブル、作業台、実験台などの什器が用いられている。これらの什器において、使用者の姿勢や体格、性別、好みなどによって、作業のしやすい天板の高さは個々に異なっている。天板の高さが一定である什器ではこのような実情に対応できないため、天板の高さを上下方向に変更可能な天板昇降式什器が広く用いられている。こうした什器を用いることによって、使用者に対して作業性の良い環境を提供することができ、作業効率を向上させるとともに、使用者の体への負担を低減することができる。
【0003】
特許文献1には、天板と、天板を昇降可能に支持する左右一対の脚体と、を備えるテーブルが開示されている。一対の脚体の上部には、前後に延びるアームがそれぞれ設けられている。左右のアームは、前後に並設された2本の連結杆により互いに連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−103919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたテーブルでは、左右のアームを連結する連結杆を設けることによりテーブルの強度を高めている。しかしながら、製造コストの低減を考慮すると、連結杆を無くすことが好ましい。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、製造コストを抑えつつ、什器の強度を高めることが可能な什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、什器は、天板と、前記天板の下面に幅方向に延びて設けられた補強部材と、を有する上部構造体と、床面上に設置され、前記上部構造体を支持する下部構造体と、を備える。前記下部構造体は、前記床面上に前記幅方向に間隔を空けて配置された一対の脚体と、前記一対の脚体の上端部にそれぞれ設けられ、前記上部構造体を支持する一対の上部支持体と、を有する。前記一対の上部支持体はそれぞれ、前記幅方向に張り出して形成された接続部を有する。前記補強部材の前記幅方向の両端部と前記一対の上部支持体の前記接続部とは、それぞれ固定され、前記補強部材は、前記幅方向から見て平らな下面を有する略U字状の断面形状を有し、前記接続部は、前記幅方向から見て平らな上面を有する略逆U字状の断面形状を有し、前記補強部材の前記下面と前記接続部の前記上面とは、互いに当接して固定されている。
【0008】
このような什器によれば、天板の下面に幅方向に延びて設けられた補強部材の両端部において、幅方向に張り出して形成された一対の上部支持体の接続部がそれぞれ固定されている。これにより、幅方向のぐらつきなどに対して什器の強度を高めることができる。また、接続部は、一対の脚体間を連結する連結杆よりも短い寸法で構成できるので、製造コストを抑えることができる。
【0012】
また、補強部材の下面と接続部の上面とが面接触した状態で固定されているので、什器の強度をより高めることができる。
【0013】
上記の什器において、前記一対の脚体は、前記上部構造体を昇降させるために伸縮可能な昇降ユニットを有していてもよい。
【0014】
このような什器によれば、一対の脚体が昇降ユニットを有するので、上部構造体の天板を昇降可能とすることができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
上記の什器によれば、製造コストを抑えつつ、什器の強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る天板昇降式什器を示す斜視図である。
図2】前記天板昇降式什器を斜め下方から見た斜視図である。
図3】前記天板昇降式什器の上部を示す側面図である。
図4】前記天板昇降式什器の上部支持体を斜め下方から見た斜視図である。
図5】前記上部支持体における配線の状態を示す図である。
図6】前記天板昇降式什器の配線収容部材を示す図である。
図7】前記配線収容部材が前記天板昇降式什器の上部構造体から吊り下げられた状態を示す図である。
図8】前記配線収容部材が前記上部構造体から吊り下げられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る天板昇降式什器(什器)1を示す斜視図である。図2は、天板昇降式什器1を斜め下方から見た斜視図である。図3は、天板昇降式什器1の上部を示す側面図である。
【0019】
図1から図3に示すように、天板昇降式什器1は、天板21を有する上部構造体20と、床面F上に設置され、上部構造体20を支持する下部構造体10と、を備える。
【0020】
下部構造体10は、床面F上に、天板21の長辺方向(以下、この方向を幅方向と適宜称する。)に間隔を空けて配置された一対の脚部材11、11と、一対の脚部材11、11の間に設けられた配線収容部材18と、を有する。各脚部材11は、下部支持体12と、昇降ユニット(脚体)13と、上部支持体14と、を有する。
【0021】
下部支持体12は、床面F上に配置され、天板21の短辺方向(以下、この方向を前後方向と適宜称する。)に延びている。下部支持体12の下面には、下部支持体12の高さおよびレベルの調整を行うアジャスター12aが設けられている。
【0022】
昇降ユニット13は、上下方向に延びて形成され、下部支持体12と上部支持体14とを連結するように設けられている。また、昇降ユニット13は、上下方向に伸縮可能に構成されている。具体的には、昇降ユニット13は、下部筒状体13aと、中間筒状体13bと、上部筒状体13cと、を有する。下部筒状体13a、中間筒状体13b、および上部筒状体13cは、それぞれ上下方向に延びる四角形筒状に形成されている。下部筒状体13aの内部に中間筒状体13bが収納され、中間筒状体13bの内部に上部筒状体13cが収納されている。昇降ユニット13が有する図示しない駆動機構により、下部筒状体13aに対して中間筒状体13bおよび上部筒状体13cをそれぞれ上下方向に移動させることで、昇降ユニット13を上下方向に伸縮させることができる。これにより、下部構造体10は、上部構造体20を昇降可能に支持している。
【0023】
両昇降ユニット13、13の伸縮動作を制御する制御ユニット13dは、配線収容部材18に配置されている。昇降ユニット13、13と制御ユニット13dとは、ケーブル13mにより互いに電気的に接続されている。また、昇降ユニット13の伸縮動作させるための操作入力を行う操作部13eは、天板21の前端部21fの下面21uに設けられている。操作部13eは、ケーブル13nにより制御ユニット13dに電気的に接続されている。
【0024】
使用者が操作部13eに対して所定の操作を入力すると、ケーブル13nを介して、操作部13eから制御ユニット13dに操作信号が送信される。制御ユニット13dは、操作部13eから操作信号を受信すると、受信した信号に基づいて昇降ユニット13、13に昇降動作を実行させる指令信号を出力する。昇降ユニット13、13は、指令信号を受け取ると、その指令信号に応じて伸縮動作する。これにより、天板21の高さの調整が行われる。
【0025】
図4は、上部支持体14を斜め下方から見た斜視図である。図4に示すように、上部支持体14は、昇降ユニット13の上端部13tに設けられ、上部構造体20を支持している。上部支持体14は、支持部15と、接続部16と、一対のアーム部17、17と、を有する。支持部15は、昇降ユニット13の上端部13tにボルトなどの固定手段により固定されている。接続部16は、幅方向に張り出して形成されており、支持部15から幅方向の内側に延びている。一対のアーム部17、17は、支持部15から前後方向の両側に延びて形成されている。
【0026】
支持部15は、上部構造体20と昇降ユニット13との間に内部空間15Sを有するように構成されており、例えば箱状に形成されている。支持部15は、第一開口15aと、第二開口15bと、一対の第三開口15cと、を有する。
【0027】
第一開口15aは、内部空間15Sと連通し、昇降ユニット13の上端部13tと対向するように形成されている。本実施形態では、第一開口15aは、支持部15の下面15uに形成されている。第二開口15bは、内部空間15Sと連通し、幅方向に開口するように形成されている。本実施形態では、第二開口15bは、支持部15の幅方向内側の側面15wに形成されている。一対の第三開口15c、15cは、内部空間15Sと連通し、前後方向に内部空間15Sを挟むように形成されている。本実施形態では、一対の第三開口15c、15cは、支持部15の前面15fおよび後面15rにそれぞれ形成されている。
【0028】
第一開口15a、第二開口15b、および第三開口15c、15cには、ケーブル13mやケーブル13nなどの配線Wを挿通させている。このため、第一開口15a、第二開口15b、および第三開口15c、15cは、配線Wを挿通可能な開口寸法を有する。
【0029】
接続部16は、幅方向から見て平らな上面16aを有する略逆U字状の断面形状を有する。本実施形態では、接続部16は、第二開口15bを囲むように、支持部15の側面15wから幅方向内側に延びて形成されている。接続部16は、上面16aを有する平板状の上壁部16tと、上壁部16tの前後方向の両端部からそれぞれ下方に延びて形成された前壁部16fおよび後壁部16rと、を有する。上壁部16tには、接続部16と補強部材22とを固定する固定手段であるボルト16cを挿通するための貫通孔16bが形成されている。ボルト16cにより、接続部16と補強部材22とを固定することで、接続部16は上部構造体20と固定される。また、前壁部16fおよび後壁部16rには、貫通孔16hが形成されている。接続部16には、配線収容部材18がボルト18hにより貫通孔16hを介して着脱可能に締結されている。
【0030】
一対のアーム部17、17は、一対の第三開口15c、15cを囲むように前後方向に延びて形成されている。本実施形態では、アーム部17、17は、前後方向から見て第三開口15c、15cを囲むように略逆U字状の断面を有する。一方のアーム部17は、支持部15の前面15fから前方に延びて形成され、他方のアーム部17は支持部15の後面15rから後方に延びて形成されている。各アーム部17は、第三開口15cの上側に設けられた上壁部17tと、上壁部17tの幅方向の両端部からそれぞれ下方に延びて形成された外壁部17aおよび内壁部17bと、を有する。
【0031】
一対のアーム部17、17の上壁部17tにはボルトなどの固定手段を挿通するための貫通孔が形成されており、この固定手段によりアーム部17、17は上部構造体20に固定されている。アーム部17、17において幅方向外側の壁部である外壁部17aは、支持部15から離間するにつれて前後方向の寸法が小さくなるように形成されている。アーム部17、17において幅方向内側の壁部である内壁部17bは、下端部が折り曲げられ、幅方向外側に延びる延出片17cが形成されている。アーム部17、17の内壁部17bにおいて支持部15とは反対側の端部17dの近傍には、ケーブル13nなどの配線Wを挿通するための挿通孔17hが形成されている。また、アーム部17、17の端部17dには、前後方向から見て外壁部17aおよび内壁部17bの端部と第三開口15cとを覆うように、板状の端部片17eが形成されている。
【0032】
図5は、上部支持体14における配線の状態を示す図である。上部支持体14の支持部15は、内部空間15Sと連通する第一開口15aおよび第二開口15bを有するので、図5に示すように、昇降ユニット13と制御ユニット13dとを接続するケーブル13mを第一開口15aから第二開口15bに支持部15の内部を挿通させることができる。
【0033】
また、上部支持体14の支持部15は、内部空間15Sと連通する第二開口15bおよび第三開口15c、15cを有するので、図4に示すように、操作部13eと制御ユニット13dとを接続するケーブル13nを、内壁部17bの挿通孔17hを介して、第三開口15cから第二開口15bに支持部15の内部を挿通させることができる。さらに、必要に応じて、例えば床面Fから上方に延びる任意の配線Wを、後側の第三開口15cから第二開口15bに支持部15の内部を挿通させるようにしてもよい。
【0034】
上部支持体14は、例えば金属板を折り曲げて形成することができる。
【0035】
図6は、配線収容部材18を示す図である。図7および図8は、配線収容部材18が上部構造体20から吊り下げられた状態を示す図である。図7は、配線収容部材18を前方から見た図であり、図8は、配線収容部材18を後方から見た図である。
【0036】
図6から図8に示すように、配線収容部材18は、一対の脚部材11、11の上部支持体14、14の間を延びて設けられ、配線Wや制御ユニット13dなどの物品を載置可能な載置部18aを有する。
【0037】
載置部18aは、幅方向に延びる長板状に形成されている。載置部18aにおいて幅方向の両端部18b、18bを除く部分には、載置部18aから天板21の下面21uに沿う方向のうち後方に延びて形成された延出部18cが設けられている。この延出部18c上にも、物品を載置することができる。載置部18aと延出部18cとは、段部18dにより連結されている。段部18dにより、延出部18cは、載置部18aよりも上方に配置されている。これにより、段部18dは、載置部18aに載置された物品が延出部18cに移動することを防止している。また、延出部18cには、延出部18cの後縁部を斜め上方に折り曲げることにより、突出片18eが形成されている。これにより、突出片18eは、延出部18cに載置された物品が延出部18cから落下することを防止している。
【0038】
配線収容部材18は、上部構造体20に吊り下げ可能に取り付けられている。配線収容部材18の載置部18aにおいて延出部18cが設けられた側と前後方向の反対側には、載置部18aから上方に延びる前壁部18fが形成されている。前壁部18fの上端部18tには、上端部18tから載置部18aに向かって斜め下方に延びて形成された係合爪部18gが互いに離間して複数配置されている。係合爪部18gは、後述する上部構造体20の係合孔22hに係合することで、配線収容部材18を上部構造体20から吊り下がるように支持することが可能である。
【0039】
また、配線収容部材18の両端部18b、18bはそれぞれ、ボルト18hにより上部支持体14、14に着脱可能に締結されている。配線収容部材18の載置部18aにおいて延出部18cが設けられた側の両端部18b、18bには、載置部18aから上方に延びる後壁部18r、18rが形成されている。各後壁部18rには、複数の貫通孔18iが形成されるとともに、後壁部18rの内側の面には貫通孔18iと同軸にボルト18hに螺合するナット18jが固定されている。図2に示すように、配線収容部材18の両端部18b、18bが上部支持体14、14に締結された状態では、後壁部18r、18rは上部支持体14、14の接続部16、16の内側に入り込んでいる。この状態で、ボルト18hは、接続部16の貫通孔16hおよび後壁部18rの貫通孔18iを挿通してナット18jと螺合している。これにより、配線収容部材18は上部支持体14、14に締結されている。また、ボルト18hをナット18jから取り外すことで、配線収容部材18と上部支持体14、14との締結を解除することができ、図7および図8に示すように、配線収容部材18を上部構造体20から吊り下がった状態にすることができる。
【0040】
使用者は、配線収容部材18が上部構造体20から吊り下がった状態において、容易に配線Wや制御ユニット13dなどの物品を配線収容部材18の載置部18aに載置することができる。また、載置部18aにおいて係合爪部18gが設けられた前壁部18fとは反対側には段部18dが設けられているため、配線収容部材18が上部構造体20から吊り下がった状態でも、載置部18aに載置された物品が載置部18aから落下することが防止されている。
【0041】
図1から図3に示すように、上部構造体20は、平面視で長方形の板状に形成された天板21と、天板21の下面21uに幅方向に延びて設けられた補強部材22と、を有する。天板21は、上面に作業面21tを有する。補強部材22は、天板21の下面21uに溶接などにより固定されている。
【0042】
補強部材22は、天板21の幅方向のほぼ全長に渡って延びて設けられており、幅方向から見て平らな下面22uを有する略U字状の断面形状を有する。すなわち、補強部材22は、下面22uを含む平板状の下壁部22cと、下壁部22cの前後方向の両端部からそれぞれ上方に延びて形成された前壁部22dおよび後壁部22eと、を有する。また、本実施形態では、補強部材22は、幅方向から見ていわゆるハット型の断面形状を有する。すなわち、補強部材22は、前壁部22dの上端部から前方に延びて形成された平板状の前端部22fと、後壁部22eの上端部から後方に延びて形成された平板状の後端部22rと、をさらに有する。補強部材22は、例えば平板上の前端部22fや後端部22rが天板21の下面21uに所定間隔をあけてスポット溶接されることにより、天板21の下面21uに固定されている。このようにして、補強部材22は、天板21と一体に構成されている。また、天板21の下面21uおよび補強部材22の下面22uは、ほぼ平坦に形成されている。補強部材22を設けることにより、天板21の撓みや捩れを抑制することができる。
【0043】
一対の上部支持体14、14の接続部16、16は、補強部材22の幅方向の両端部22b、22bの下側に配置されており、補強部材22の下面22uと接続部16の上面16aとは、互いに当接している。そして、補強部材22の両端部22b、22bと一対の上部支持体14、14の接続部16、16とは、それぞれボルト16cにより固定されている。
【0044】
本実施形態では、補強部材22は、天板21の下面21uに沿って前後方向に並列に二つ設けられている。各上部支持体14の接続部16は、二つの補強部材22、22の端部22b、22bを上下方向から見て覆うように設けられており、二つの補強部材22、22のそれぞれと固定されている。
【0045】
また、補強部材22の前壁部22dおよび後壁部22eの各側面22sには、配線収容部材18の係合爪部18gに対応するように、矩形状の係合孔22hが複数形成されている。本実施形態では、前側に配置された補強部材22の前壁部22dの側面22sに形成された係合孔22hに、配線収容部材18の係合爪部18gが係合している。これにより、上述したように、配線収容部材18を上部構造体20から吊り下げた状態にすることができる。
【0046】
本実施形態に係る天板昇降式什器1は、天板21と、天板21の下面21uに幅方向に延びて設けられた補強部材22と、を有する上部構造体20と、床面F上に設置され、上部構造体20を支持する下部構造体10と、を備える。下部構造体10は、床面F上に幅方向に間隔を空けて配置された一対の昇降ユニット13と、一対の昇降ユニット13の上端部13tにそれぞれ設けられ、上部構造体20を支持する一対の上部支持体14と、を有する。一対の上部支持体14はそれぞれ、幅方向に張り出して形成された接続部16を有する。補強部材22の幅方向の両端部22bと一対の上部支持体14の接続部16とは、それぞれ固定されている。
【0047】
上述した構成によれば、天板21の下面21uに幅方向に延びて設けられた補強部材22の両端部22bにおいて、幅方向に張り出して形成された一対の上部支持体14の接続部16がそれぞれ固定されている。これにより、幅方向のぐらつきなどに対して天板昇降式什器1の強度を高めることができる。また、接続部16は、一対の昇降ユニット13間を連結する連結杆よりも短い寸法で構成できるので、製造コストを抑えることができる。加えて、天板の下面から下方に突出するように設けられる連結杆を無くすことにより、天板昇降式什器1のデザインの自由度を高めることができる。
【0048】
また、補強部材22は、天板21の下面21uに沿って並列に複数設けられている。一対の上部支持体14の接続部16は、複数の補強部材22のそれぞれと固定されている。
【0049】
上述した構成によれば、補強部材22が天板21の下面21uに複数設けられているので、天板21の強度をより高めることができる。同時に、上部支持体14の接続部16は、並列に設けられた複数の補強部材22のそれぞれと固定されているので、天板昇降式什器1の強度をより高めることができる。
【0050】
また、補強部材22は、幅方向から見て平らな下面22uを有する略U字状の断面形状を有する。接続部16は、幅方向から見て平らな上面16aを有する略逆U字状の断面形状を有する。補強部材22の下面22uと接続部16の上面16aとは、互いに当接して固定されている。
【0051】
上述した構成によれば、補強部材22の下面22uと接続部16の上面16aとが面接触した状態で固定されているので、天板昇降式什器1の強度をより高めることができる。加えて、補強部材22と接続部16とをボルト16cで固定する作業を容易に行うことができる。
【0052】
また、天板昇降式什器1には、上部構造体20を昇降させるために伸縮可能な昇降ユニット13が設けられている。
【0053】
上述した構成によれば、上部構造体20の天板21を昇降可能とすることができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、什器として天板昇降式什器の例を説明したが、これに限られず、昇降ユニット13の代わりに伸縮機能を有しない支持脚を備える什器であってもよい。
【0055】
また、本実施形態では、二つの補強部材22、22の下側に接続部16を配置していたが、二つの補強部材22、22に代えて、二つの補強部材22、22の前後方向の寸法に対応するように前後方向の寸法を大きくした下壁部22cを有する一つの補強部材を設けてもよい。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 天板昇降式什器(什器)
10 下部構造体
13 昇降ユニット(脚体)
14 上部支持体
16 接続部
16a 上面
20 上部構造体
21 天板
21u 下面
22 補強部材
22b 端部
22u 下面
F 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8