特許第6647913号(P6647913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647913
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】目地材取付溝の遮水構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/16 20060101AFI20200203BHJP
   E02D 25/00 20060101ALI20200203BHJP
   E02B 3/12 20060101ALN20200203BHJP
【FI】
   E02B3/16 A
   E02D25/00
   !E02B3/12
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-35481(P2016-35481)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-150269(P2017-150269A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196624
【氏名又は名称】西武ポリマ化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(72)【発明者】
【氏名】和木 多克
(72)【発明者】
【氏名】大橋 亘
(72)【発明者】
【氏名】城戸崎 新
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−196228(JP,U)
【文献】 特開2005−282209(JP,A)
【文献】 実開昭62−196227(JP,U)
【文献】 特開2007−040053(JP,A)
【文献】 特開2008−014004(JP,A)
【文献】 特開2003−055958(JP,A)
【文献】 特開昭61−113912(JP,A)
【文献】 特開2007−211545(JP,A)
【文献】 特開2005−146659(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0077123(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1452176(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/16
E02D 25/00
E02B 3/12
E02D 29/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地部を挟んで配置され構造物に設けられた開口部を有する目地材取付溝に、前記目地部を跨いで目地材の両端部を前記目地材取付溝の前記開口部から挿入固定する目地材取付溝の遮水構造であって、
前記開口部と前記目地材との間に、それぞれ前記開口部と前記目地材とに接して遮水する溝遮水部材を備え
前記目地材取付溝は、溝背面および/または溝側面に、前記目地材の取り付け位置を前方および/または側方にガイドするガイド部材を備える、
ことを特徴とする目地材取付溝の遮水構造。
【請求項2】
目地部を挟んで配置され構造物に設けられた開口部を有する目地材取付溝に、前記目地部を跨いで目地材の両端部を前記目地材取付溝の前記開口部から挿入固定する目地材取付溝の遮水構造であって、
前記開口部と前記目地材との間に、それぞれ前記開口部と前記目地材とに接して遮水する溝遮水部材を備え
前記目地材取付溝は、底部が塞がれて溝底部遮水材が設けられる、
ことを特徴とする目地材取付溝の遮水構造。
【請求項3】
前記目地材取付溝は、底部が塞がれて溝底部遮水材が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の目地材取付溝の遮水構造。
【請求項4】
前記溝遮水部材は、前記開口部の両側にそれぞれ配置される板状溝遮水材で構成される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の目地材取付溝の遮水構造。
【請求項5】
前記溝遮水部材は、前記開口部の両側にそれぞれ配置され中空部を有して中詰材が充填される円筒状溝遮水材で構成される、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の目地材取付溝の遮水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目地材取付溝の遮水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーソンやブロックなどの重力式構造物が管理型廃棄物最終処分場の護岸として用いられていることが多い。この場合、隣接するケーソン間などの構造物間の目地部に、地震などによる地盤変動や不等沈下などにより目地部の間隔が変位しても土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの流出を防止するため、遮水構造が設けられる。
【0003】
構造物間の目地部の遮水構造は、例えば特許文献1に開示されたものがあり、隣接するケーソン間などの目地部の壁面の上下方向に対向して溝を形成し、溝の開口部をスリット状に狭くしておき、目地部の間隔より広い目地材の両端部を対向する溝に挿し込むようにし、間隔をあけて2つ取り付けた2つの目地材間に目地部遮水材としてアスファルトマスチックなどを充填して構成されている。
これにより、目地材と目地材間に充填された目地部遮水材とにより、地震などによる地盤変動や不等沈下などによって目地部の間隔が変位しても土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの流出を防止して遮水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−146659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された遮水構造では、2つの目地材の間に充填した目地部遮水材を目地部に保持することで遮水するようにしているが、目地材を取り付ける溝の遮水性が保たれていないと、溝を回り込んで目地部遮水材が漏洩してしまう恐れがある。
そこで、溝内にも遮水材を充填するようにしているが、近年、目地材を取り付ける溝についての遮水性に対する要望が高まり、一層の遮水性の向上が望まれている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の要望に鑑みてなされたもので、目地材を取り付ける溝の遮水性の一層の向上を図ることができる目地材取付溝の遮水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の目地材取付溝の遮水構造は、
目地部を挟んで配置され構造物に設けられた開口部を有する目地材取付溝に、前記目地部を跨いで目地材の両端部を前記目地材取付溝の前記開口部から挿入固定する目地材取付溝の遮水構造であって、
前記開口部と前記目地材との間に、それぞれ前記開口部と前記目地材とに接して遮水する溝遮水部材を備え
前記目地材取付溝は、溝背面および/または溝側面に、前記目地材の取り付け位置を前方および/または側方にガイドするガイド部材を備える、
ことを特徴とする。
また、本発明の目地材取付溝の遮水構造は、
目地部を挟んで配置され構造物に設けられた開口部を有する目地材取付溝に、前記目地部を跨いで目地材の両端部を前記目地材取付溝の前記開口部から挿入固定する目地材取付溝の遮水構造であって、
前記開口部と前記目地材との間に、それぞれ前記開口部と前記目地材とに接して遮水する溝遮水部材を備え、
前記目地材取付溝は、底部が塞がれて溝底部遮水材が設けられる、
ことを特徴とする。
前記目地材取付溝は、底部が塞がれて溝底部遮水材が設けられることが好ましい。
【0008】
前記溝遮水部材は、前記開口部の両側にそれぞれ配置される板状溝遮水材で構成されることが好ましい。
【0009】
前記溝遮水部材は、前記開口部の両側にそれぞれ配置され中空部を有して中詰材が充填される円筒状溝遮水材で構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、目地材を取り付ける溝の遮水性の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の目地材取付溝の遮水構造の一実施の形態にかかる目地材取付溝の平面図である。
図2】本発明の目地材取付溝の遮水構造の他の一実施の形態にかかる目地材取付溝の平面図である。
図3】本発明の目地材取付溝の遮水構造の一実施の形態にかかる目地材取付溝を拡大したそれぞれ平面図である。
図4】本発明の目地材取付溝の遮水構造の他の一実施の形態にかかる目地材取付溝を拡大したそれぞれ平面図である。
図5】本発明の目地材取付溝の遮水構造のさらに他の一実施の形態にかかる目地材取付溝を拡大したそれぞれ平面図である。
図6】本発明の目地材取付溝の遮水構造の一実施の形態にかかる目地材取付溝を拡大した外観斜視図である。
図7】本発明の目地材取付溝の遮水構造の一実施の形態にかかるガイド部材の施工途中の平面図及びA−A断面図である。
図8】本発明の目地材取付溝の遮水構造の一実施の形態にかかるガイド部材の設置状態の平面図及びB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の目地材取付溝の遮水構造100は、構造物であるケーソン1,1間の目地部2を遮水する目地材10を取り付けるための目地材取付溝3に適用されるものである。
本発明の目地材取付溝の遮水構造100は、目地部2を挟んで配置されケーソン1,1に設けられた開口部3aを有する目地材取付溝3に、目地部2を跨いで目地材10の両端部を目地材取付溝3の開口部3aから挿入固定する目地材取付溝3の遮水構造100であって、開口部3aと目地材10との間に、それぞれ開口部3aと目地材10とに接して遮水する溝遮水部材20を備えて構成される。
なお、ケーソン1,1としては、コンクリート製、鋼製、これらを組み合わせたハイブリッド製などのケーソンに限らず、L型ブロックやセルラーブロックなどであっても良い。
【0015】
目地材10が設置される構造物としてのケーソン1,1には、目地部2を挟んで対向する端面1a、1aに上下方向に沿って目地材取付溝3、3が形成してある。目地材取付溝3、3には、それぞれ狭幅の開口部3a,3aが設けられるとともに、内部に空間3b,3bが形成される。
目地材取付溝3,3は、例えば図1に示すように、ケーソン1の端面1aに横断面が矩形の凹部4として鋼材などで形成される。矩形の凹部4には、その開口を2枚の板材5で塞ぐようにして狭い幅の開口部3aと内部の空間3bが形成されている。さらに、開口部3a,3aには、板材5の開口側端部に図示しない丸棒が溶接などで取り付けられるようにしても良い。これにより、目地材10と円弧面で接触するようにして接触による損傷を防止する。
なお、板材5の開口側端部に丸棒を溶接するのに代えて円弧状に加工(R加工や面取り)するようにしても良い。
【0016】
なお、目地材取付溝3は、開口部3aが狭幅で内部に空間3bが形成されるものであれば、その横断面形状は、矩形に限らず円形など他の形状であっても良い。
また、目地材取付溝3は、施工上、開口部3aを凹部4とは別の板材5で形成するようにすることが好ましいが、板材5を省略して図示した図2図5のように、凹部4に開口部3aを一体に形成しても良い。
また、開口部3aがケーソン1の端面1a上に位置し、空間3bがケーソン1内に配置される場合に限らず、鋼材などで構成した別体の目地材取付溝をケーソン1の端面1aから突き出すように取り付けても良い。
また、ケーソン1,1の対向する目地材取付溝3,3は、完全に直線状に対向させる必要はなく、目地材10の大きさなどによって異なるが、目地材10を挿着できる程度の角度の違いが生じて対向する状態であっても良い。
【0017】
目地材取付溝3は、ケーソン1の端面1aの大きさ(目地部2に沿う長さ)にもよるが、例えば、海側と埋立側との間などの2箇所に間隔をあけて設けられたり、間隔をあけた2箇所だけでなく、さらに2箇所設けて4箇所としても良い。
【0018】
また、目地材取付溝3に取り付ける目地材10は、必ずしも全てが同一仕様のものでなくとも想定される変位を許容できるものであれば良く、少なくとも1つの目地材10以外は、目地材取付溝3を用いて挿入固定しない形式、例えば端面1aにアンカーボルトなどで直接取り付ける目地材を用いるようにしても良い。
【0019】
目地材10は、例えば図1に示すように、対向するケーソン1,1の端面1a,1aの目地材取付溝3,3の間に取り付けられる。目地材10は、ゴムや合成樹脂などの可撓性材料で作られる。目地材10は、その可撓性および形状効果で想定した許容変位に追従できるようにしてある。なお、目地材10は、必要に応じて可撓性材料の内部に補強材が入れられて外部を可撓性材料とした補強構造が採られたものが用いられる。
目地材10は、例えば1次止水材11と2次止水材12とで構成され、両端部に目地材取付溝3に取り付ける取付部11a,11a、12a,12aを備える。目地材10は、取付部11a,11a,12a,12aの中間部に伸縮により変位を許容する余長部12b(1次止水材11の余長部は、図示せず)が連結して設けられる。余長部12bは、目地部2に配置され、目地部2の変位に追従してシール状態を保持する。
【0020】
本実施形態の目地材10は、想定される地震動に対し、1次許容量としてのレベル1地震動の変位量に追随する1次止水材11と、1次許容量の変位を越えるレベル2地震動の変位量に追随する2次止水材12と、で構成される。1次止水材11は、2次止水材12と独立して固定されて構成される。
そして、レベル1地震動までは、図示しない余長部を有する1次止水材11で変位を許容して土砂,廃棄物,保有水,遮水材などの漏洩を防止する。同時に、1次止水材11は、2次止水材12の余長部12bの変位を規制するよう構成してある。
一方、レベル1地震動の変位量を越える変位量に対しては、1次止水材11は破断され、2次止水材12の余長部12bにより変位を許容可能とし、漏洩を防止するよう構成してある。
これにより、レベル1地震動に対して目地材10は、1次止水材11によってケーソン1,1間の目地部2からの廃棄物および保有水などの漏洩を防止する。レベル2地震動に対して目地材10は、2次止水材12によってケーソン1,1などの構造物(護岸)自体は変形しても海面廃棄物処分場内の廃棄物および保有水が目地部2から外部に漏洩(流出あるいは浸出)しないようにする。
本実施形態では、想定される地震動としてレベル1地震動に対しては、例えば、相対変位量を100〜200mmの範囲と想定し、レベル2地震動に対しては、例えば、相対変位量を最大750mmと想定している。
【0021】
目地材10を構成する1次止水材11は、弾性素材によってシート状に形成されており、弾性素材の可撓性および/または図示しない伸縮する余長部などの形状効果によりレベル1地震動の変位量を許容することができるように構成してある。目地材10では、1次止水材11に、必要に応じて弾性素材の内部に補強材が入れられて外部を弾性素材とした補強構造が採られたものが用いられる。
1次止水材11は、例えば、図1に示すように、両端部に目地材取付溝3に取り付ける取付部11a,11aを備える。
取付部11aは、挿し込み固定金具6にボルト・ナット7を介して取り付けるための取付孔が所定の間隔で形成してある。取付部11aは、補強材で補強する。
1次止水材11は、取付部11a,11aの中間部に図示しない伸縮する余長部が一体に連結して設けられる。余長部は、目地部2に配置され、レベル1地震動までの変位量に追随してシール状態を保持する。
なお、1次止水材11の余長部は、レベル1地震動までの変位量に追随できれば良く、その形状は、特に限定するものでなく、蛇腹状や折り返し状などこれまでの目地材に採用されている形状を採用することができる。
【0022】
目地材10では、1次止水材11は、2次止水材12の少なくとも一方側に設けられる。すなわち、2次止水材12を変位させる力が加わる上流側、または上流側および下流側の両側に設けられる。
1次止水材11を2次止水材12の少なくとも一方側を覆って設けることで、想定した1次許容量であるレベル1地震動までの変位量の範囲では、直接変位を生じさせる力が2次止水材12に加わらないようにし、2次止水材12に変位が生じないように規制する。
例えば、ケーソン1,1の海側や埋立側の側面に目地材10を配置する場合には、2次止水材12の外側(変位させる力が加わる上流側)となる海側や埋立側に1次止水材11を配置して2次止水材12を覆うようにする。
一方、目地部2の中間部に目地材10を配置する場合には、図1に示すように、両側から変位を生じさせる力が加わることから2次止水材12の両側に1次止水材11を配置して両側を覆うようにする。
【0023】
2次止水材12は、弾性素材によってシート状に形成されている。2次止水材12は、目地部2を跨いで配置され、両端部が隣接する構造物であるケーソン1,1に、例えば、目地材取付溝3を介して固定される。2次止水材12は、構造物であるケーソン1,1間のレベル2地震動による変位を許容して漏洩を防止する余長部12bを有している。
これにより、構造物であるケーソン1,1が、レベル2地震動によって護岸自体が損傷したとしても、余長部12bによって相対変位量を最大750mm(総変位量は、1500mm)としているので、ケーソン1,1などの護岸の内側の廃棄物および保有水の流出(漏洩)を防止することができる。
【0024】
2次止水材12は、両端部に目地材取付溝3に取り付けるための取付部12a,12aを備え、中間部に余長部12bを備える。
取付部12aには、挿し込み固定金具6にボルト・ナット7を介して取り付けるための取付孔が所定の間隔で形成してある。取付部12aは、補強材で補強してあり、1次止水材11の取付部11aと重ねて挿し込み固定金具6にボルト・ナット7で取り付けられる。
こうすることで、2次止水材12の取付部12aに1次止水材11の取付部11aを介して変位させようとする力が加わることがなく、それぞれを独立して変位させることができる。
【0025】
2次止水材12は、取付部12a,12aの中間部に余長部12bが一体に連結して設けられる。余長部12bは、例えば、目地部2に配置され、想定されるレベル2地震動による変位量に追随してシール状態を保持する。
なお、2次止水材12の余長部12bは、例えば、蛇腹型等としてレベル2地震動の変位量に追随できる長さを備えて構成される。そして、余長部12bを備えた2次止水材12の両端部の取付部12aの間隔が目地材取付溝3,3の間隔に合わせて形成してある。
目地材10は、長手方向には、ケーソン1の高さに応じた必要な長さに形成され、複数枚の可撓性材料のシートを接着などで連結することで製造される。
なお、目地材10は、吊り下げて挿し込むなどの施工の必要に応じ、施工後切断する部分を上端部に設けておく。目地材10は、長手方向に分割しておき、これを連結して取り付けるようにしても良い。
【0026】
目地部2の底部については、1次止水材11や2次止水材12の下端部、少なくとも2次止水材12の下端部に変形に追随する弾性体等の袋状の遮水部を取り付けるようにし、その弾性体の遮水部を目地材10の自重により押し付けるようにして追随させることで遮水する。
また、1次止水材11や2次止水材12の下端部に弾性体やブラシなどを設けることにより、レベル1地震動およびレベル2地震動の目地材10の変位に対しても対応できるようにしても良い。
さらに、ケーソン1,1を深層混合処理工法により改良された地盤上のトレンチ部内に設置する場合には、目地材10の下端部に弾性体やブラシなどを設けることなく、トレンチ部内に遮水材を充填することによって底部を遮水すれば良い。
このような目地材10によって、レベル1地震動による変位量およびレベル2地震動の大きな変位量に対しても目地材10が瞬時に応答して伸長され、遮水性を確保することができる。
一方、これまでの2つの目地材間の目地部に目地部遮水材としてアスファルトマスチックなどを充填して構成した遮水構造では、目地部遮水材の変位に対する追随速度が遅く、瞬時に遮水性を確保することが困難であったが、本願の目地材10によれば、地震などによる地盤変動や不等沈下などによって目地部2の間隔が変位しても応答性がよく瞬時に対応し、土砂、廃棄物、保有水、遮水材などの流出を防止して遮水することができるのである。
【0027】
次に、本発明が適用される目地材取付溝3に取り付ける他の目地材30について説明する。
目地材30は、例えば図2に示すように、両端の取付部31,31の間に伸縮する余長部32がシート状の可撓性材料を環状に接続して構成されている。余長部32は、環状の内部に中空部となる空間が形成される大環状部32aと、この大環状部32aの中央部にシート状の可撓性材料の中央部を重ねて連結するとともに、両端部を重ねて環状とされた小環状部32bとで構成されている。
また、目地材30の小環状部32bの重ね合せ部分が一方の取付部31とされ、大環状部32aの反対側の中央部に可撓性材料のシートを重ねて連結し、その端部が外側に突き出したもう一方の取付部31とされる。そして、目地材30は、長手方向には、ケーソン1の高さに応じた必要な長さに形成され、複数枚の可撓性材料のシートを接着などで連結することで製造される。
これにより、目地材30は、想定される地震動として、例えばレベル2地震動に対する変位を許容する。
なお、目地材30は、施工のため、施工後切断部が設けられる。
【0028】
このように構成した目地材10及び目地材30は、ケーソン1,1間の目地部2に、目地材10,30を目地材取付溝3に挿し込み固定金具6を介して挿し込むようにして設置する。目地材取付溝3の空間3bには、膨張モルタルなどの充填材3cを充填して開口部3aと目地材10との間をシール状態とする。
また、目地材30では、大環状部32a内にアスファルトマスチックなどの中詰材33が充填され、目地部2のケーソン1,1の表面に押し付けてシール状態とされる。
この後、2つの目地材10,10の間や2つの目地材30,30の間の目地部2に、これまでと同様に、目地部遮水材を充填する。
また、目地材10,10や目地材30の底部の遮水性を向上するために、最大の変位が生じても目地材10,30のそれぞれの下端部が流動性遮水材に浸漬した状態となるようにしておく。すなわち、2つの目地材10,10の間や2つの目地材30,30の間の目地部2に底部の遮水性を確保するため、所定の高さまで流動性遮水材を充填しておき、流動性遮水材で遮水することもできる。流動性遮水材は、例えばアスファルト系、土質系、ケミカル系などの流動性のある遮水材が用いられる。具体的な流動性遮水材としては、例えば、アスファルトペーストを挙げることができる。
【0029】
このような目地材10,30を設置した状態で、レベル1地震動を越えるレベル2地震動が発生すると、目地材10では、1次止水材11は破断されるものの2次止水材12は、余長部12bが伸長され、止水性が保持される。
また、目地材30では、余長部32の大環状部32aに小環状部32bが繋がって1つの大きな環状部が形成され、これにより、止水性が確保される。
なお、2つの目地材10,10や目地材30,30の間に流動性遮水材を充填した場合には、目地材10,30のそれぞれの底部では、流動性遮水材がレベル2地震動に追随して流動し、伸長した目地材10,30の下端部を流動性遮水材に浸漬した状態とし、底部の遮水性を確保する。
これにより、想定した地震動、例えばレベル1を越えるレベル2地震動に対して瞬時の遮水性を目地材10,30と流動性遮水材で確保することができる。
【0030】
次に、目地材取付溝3に目地材10,30を取り付けて遮水する本発明の目地材取付溝の遮水構造100について、図3図6により、具体的に説明する。
目地材取付溝の遮水構造100では、図3に示すように、溝遮水部材20として板状溝遮水材21が用いられており、開口部3aと目地材10,30とに両側でそれぞれ接触させて開口部3aを塞いで遮水する。
板状溝遮水材21は、ゴムや織布、不織布等で構成され、目地材取付溝3の高さに対応する長さで、目地材取付溝3の空間3bに充填する膨張モルタルなどの充填材3cの負荷が加わっても開口部3aを塞いだ状態を保持することができる幅とされている。
板状溝遮水材21は、例えば図3(a)に示すように、目地材10,30の取付部11a,12a,31に重ねて挿し込み固定金具6に取り付けられる。また、板状溝遮水材21は、例えば図3(b)に示すように、目地部2内に位置する目地材10,30の余長部12b,32側に接着などで取り付けられている。
これら板状溝遮水材21は、目地材10,30の目地材取付溝3への挿し込みと同時に設置され、板状溝遮水材21が開口部3aの内面に接触することで、開口部3aと目地材10,30とに両側でそれぞれ接触することで、開口部3aを塞いで遮水する。
このような板状溝遮水材21を設けることで、目地材取付溝3の開口部3aは、完全にシールされ、充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。
【0031】
さらに、溝遮水部材20は、図4に示すように、目地材取付溝3に予め取り付けておく板状溝遮水材22で構成することもできる。
この板状溝遮水材22は、板状溝遮水材21と同様に、ゴムや織布、不織布等で構成され、目地材取付溝3の高さに対応する長さで、目地材取付溝3の空間3bに充填する膨張モルタルなどの充填材3cの負荷が加わっても開口部3aを塞いだ状態を保持することができる幅とされている。
板状溝遮水材22は、例えば図4(a)に示すように、目地材取付溝3の開口部3aを挟む空間3bの内側に対向して取り付けられる。したがって、目地材取付溝3の開口部3aを、図1に示した板材5を別体として設けて形成するようにしておき、別体とした2枚の板材5の内側にそれぞれ板状溝遮水材22をシール状態でボルト・ナットや接着剤など取り付けることが、施工上好ましい。
こうして予め目地材取付溝3に板状溝遮水材22を取り付けた状態で、目地材10,30を目地材取付溝3に挿し込んでいき、板状溝遮水材22の先端部が空間3b内で目地材10,30に接触するようにする。
こうすることで、板状溝遮水材22が開口部3aの内側で目地材10,30にそれぞれ接触することで、開口部3aを塞いで遮水する。
このような板状溝遮水材22を設けることで、目地材取付溝3の開口部3aは、完全にシールされ、充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。
【0032】
また、溝遮水部材20は、例えば図5に示すように、円筒状溝遮水材23で構成することができる。
この円筒状溝遮水材23は、ゴムや織布、不織布等で円筒状に構成され、目地材取付溝3の高さに対応する長さとされ、円筒状の中空内部に充填材(中詰材)23aを充填することで膨らみ、目地材取付溝3の空間3bに充填する膨張モルタルなどの充填材3cの負荷が加わっても開口部3aを塞いだ状態を保持することができるように形成されている。
円筒状溝遮水材23は、例えば図5に示すように、目地材取付溝3の開口部3aを挟む空間3bの内側に対向して挿し込み固定金具6や目地材10,30に接着剤などで取り付けられる。
こうして予め挿し込み固定金具6や目地材10,30に円筒状溝遮水材23を取り付けた状態で、目地材取付溝3に挿し込み固定金具6を挿し込んで行き、円筒状溝遮水材23が目地材取付溝3の開口部3aの外側、開口部3aの間、あるいは、開口部3aの内側(目地材取付溝3内)に位置する状態とする。すなわち、円筒状溝遮水材23が開口部3aを中心とする内外に位置するようにしておく。
そして、円筒状溝遮水材23の中空内部に充填材(中詰材)23aを充填して膨らませ、目地材10,30に接触させて開口部3aを塞いでシール状態とする。
こうすることで、円筒状溝遮水材23が開口部3aの外側(図5(a)参照)、開口部3aの間(図5(b)参照)、あるいは、開口部3aの内側(図5(c)参照)のいずれかの状態で、目地材10,30にそれぞれ接触することで、開口部3aを塞いで遮水する。
このような円筒状溝遮水材23を設けて充填材(中詰材)23aを充填することで、目地材取付溝3の開口部3aは、完全にシールされ、充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。
【0033】
次に、本発明の目地材取付溝の遮水構造100が適用される目地材取付溝3には、図6図8に示すように、ガイド部材40が設けられる。
次に、本発明の目地材取付溝の遮水構造100が適用される目地材取付溝3には、図6に示すように、ガイド部材40が設けられる。
ガイド部材40は、目地材取付溝3の溝背面および/または溝側面に、目地材10,30の取り付け位置を前方および/または側方にガイドするためのものである。すなわち、ガイド部材40は、背面ガイド材41と図示しない側面ガイド材とを単独に設けたり、これらを組み合わせて目地材取付溝3の背面と側面とに取り付けて構成される。
ガイド部材40は、図示例のように、目地材取付溝3の背面だけに背面ガイド材41を設けて構成し、挿し込み固定金具6を開口部3a側に寄せるようにして目地材10,30および溝遮水部材20(図6では図示せず(図3〜5参照))を所定の位置に誘導する。
ガイド部材40は、目地材取付溝3の下端部に向かって前方に突き出すような傾斜面を備えて構成される。また、ガイド部材40は、目地材取付溝3の上下方向に1個所だけでなく、複数個所に設置するようにしても良く、この場合も下端部に近いものほど、前方に突き出す高さを高くするようにする。
このようなガイド部材40を背面ガイド材41だけで構成し、目地材取付溝3の背面だけに背面ガイド材41を設置すれば、施工途中においては、図7に示すように、背面ガイド材41によって挿し込み固定金具6をガイドしながら挿入することができる。そして、施工完了状態では、図8に示すように、下端部の背面ガイド材41によって挿し込み固定金具6を開口部3a側に寄せて目地材10,30を設置することができ、溝遮水部材20(図6図8では図示せず(図3〜5参照))の位置が一定となり、開口部3aのシールが安定し、遮水性も一層向上することができる。
また、側面ガイド材を目地材取付溝3の側面の両側に設置すれば、挿し込み固定金具6を開口部3aの中央に目地材10,30を設置することができ、溝遮水部材20の位置が一定となり、開口部3aのシールが安定し、遮水性も一層向上することができる。
さらに、背面ガイド材41と側面ガイド材とを目地材取付溝3の背面と、目地材取付溝3の側面の両側に設置すれば、挿し込み固定金具6を開口部3a側に寄せて目地材10,30を設置することができるとともに、挿し込み固定金具6を開口部3aの中央に位置させて目地材10,30を設置することができ、溝遮水部材の前後及び左右の位置が一定となり、開口部3aのシールが安定し、遮水性も一層向上することができる。
【0034】
さらに、目地材取付溝の遮水構造100では、目地材取付溝3の底部分を塞ぎ、底部分に溝底部遮水材24を設けてある。溝底部遮水材24は、発泡ウレタンや液状ゴムなどが用いられ、目地材取付溝3の製作時に充填敷設される。
こうすることで、目地材取付溝3の底部から、空間3b内に充填した膨張モルタルなどの充填材3cが漏洩することを防止できる。
【0035】
以上、実施の形態とともに、説明したように、本発明の目地材取付溝の遮水構造100によれば、目地部2を挟んで配置され構造物であるケーソン1,1に設けられた開口部3aを有する目地材取付溝3に、目地部2を跨いで目地材10の両端部を目地材取付溝3の開口部3aから挿入固定する目地材取付溝の遮水構造100であって、開口部3aと目地材10との間に、それぞれ開口部3aと目地材10とに接して遮水する溝遮水部材20を備え、目地材取付溝3は、溝背面および/または溝側面に、目地材の取り付け位置を前方および/または側方にガイドするガイド部材を備えているので、溝遮水部材20が開口部3aと目地材10とに両側でそれぞれ接触することで、開口部3aを完全にシールすることができ、目地材取付溝3内に充填された充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。これにより、目地材10が取り付けられる目地材取付溝3を介して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などが回り込んで流出することを防止して確実に遮水することができる。また、目地材取付溝3は、溝背面および/または溝側面に、目地材10,30の取り付け位置を前方および/または側方にガイドするガイド部材40を備えているので、ガイド部材40によって挿し込み固定金具6を開口部3a側に寄せたり、開口部3aの中央に配置することができ、目地材10,30および溝遮水部材20を所定の位置にすることができる。これにより、一層確実に開口部3aをシールして遮水することができる。
本発明の目地材取付溝の遮水構造100によれば、目地部2を挟んで配置され構造物であるケーソン1,1に設けられた開口部3aを有する目地材取付溝3に、目地部2を跨いで目地材10の両端部を目地材取付溝3の開口部3aから挿入固定する目地材取付溝の遮水構造100であって、開口部3aと目地材10との間に、それぞれ開口部3aと目地材10とに接して遮水する溝遮水部材20を備え、目地材取付溝3は、底部が塞がれて溝底部遮水材24が設けられているので、溝遮水部材20が開口部3aと目地材10とに両側でそれぞれ接触することで、開口部3aを完全にシールすることができ、目地材取付溝3内に充填された充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。これにより、目地材10が取り付けられる目地材取付溝3を介して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などが回り込んで流出することを防止して確実に遮水することができる。また、目地材取付溝3は、底部が塞がれて溝底部遮水材24が設けられているので、目地材取付溝3の底部から、空間3b内に充填した膨張モルタルなどの充填材3cが漏洩することを防止できる。これにより、一層確実に目地材取付溝3をシールして遮水することができる。
また、本発明の目地材取付溝の遮水構造100によれば、ガイド部材40に加えて溝底部遮水材24が設けられることで、ガイド部材40によって挿し込み固定金具6を開口部3a側に寄せたり、開口部3aの中央に配置することができ、目地材10,30および溝遮水部材20を所定の位置にすることができる。さらに、溝底部遮水材24によって目地材取付溝3の底部から、空間3b内に充填した膨張モルタルなどの充填材3cが漏洩することを防止できる。これにより、一層確実に目地材取付溝3をシールして遮水することができる。
【0036】
本発明の目地材取付溝の遮水構造100によれば、溝遮水部材20は、開口部3aの両側にそれぞれ配置される板状溝遮水材21で構成されているので、板状溝遮水材21が開口部3aの内側で目地材10,30にそれぞれ接触することで、開口部3aを塞いで遮水することができ、目地材取付溝3の開口部3aは、完全にシールされ、充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。これにより、目地材10、30が取り付けられる目地材取付溝3を介して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などが回り込んで流出することを防止して確実に遮水することができる。
【0037】
本発明の目地材取付溝の遮水構造100によれば、溝遮水部材20は、開口部3aの両側にそれぞれ配置され中空部を有して充填材(中詰材)23aが充填される円筒状溝遮水材23で構成されているので、円筒状溝遮水材23を設けて充填材(中詰材)23aを充填することで、目地材取付溝3の開口部3aは、完全にシールされ、充填材3cの漏洩を防止することができ、遮水することができる。これにより、目地材10、30が取り付けられる目地材取付溝3を介して土砂、廃棄物、保有水、遮水材などが回り込んで流出することを防止して確実に遮水することができる。
【0040】
なお、上記実施の形態では、目地材10と目地材30を例に説明したが、目地材10や目地材30の形状は、上記のものに限らず、両端部に取付部を備え、これらをつないで変位に追従できる余長部、あるいは伸縮部が設けられるものであれば、どのような形状や材料であっても良い。
また、上記実施の形態では、ケーソンで、目地材を取り付ける目地材取付溝の遮水に適用する場合で説明したが、ケーソンに限らず他の構造物の目地材取付溝の遮水にも同様に適用することができる。
【0041】
目地材の下端は、背面ガイド材で目地間側で押し付けられ、上端は挿し込み固定金具と溝部を万力等で押さえつけ、遮水することができる。これらは、図3〜5の方法と組み合わせて実施しても良い。
【符号の説明】
【0042】
100 目地材取付溝の遮水構造
1 ケーソン(構造物)
1a 端面
2 目地部
3,3 目地材取付溝
3a,3a 開口部
3b,3b 空間
3c 充填材
4 凹部
5 板材
6 挿し込み固定金具
7 ボルト・ナット
10 目地材
11 1次止水材
11a 取付部
12 2次止水材
12a 取付部
12b 余長部
20 溝遮水部材
21 板状溝遮水材
22 板状溝遮水材
23 円筒状溝遮水材
23a 充填材(中詰材)
24 溝底部遮水材
30 目地材
31 取付部
32 余長部
32a 大環状部
32b 小環状部
33 中詰材
40 ガイド部材
41 背面ガイド材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8