特許第6647933号(P6647933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6647933
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】溝路用支持装置
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   E03F5/04 E
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-58175(P2016-58175)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-172164(P2017-172164A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】592094243
【氏名又は名称】カネソウ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健治
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−286358(JP,A)
【文献】 特開2003−003558(JP,A)
【文献】 特開2011−132747(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0008104(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝路を構成する左右の側壁に夫々乗載される水平片部と各水平片部の一側端に連成された立ち上がり片部とを備え、該溝路の上部で所定間隔をおいて対向状に配置された両立ち上がり片部の間に通水部を形成する一対の支持枠と、
該支持枠の長手方向に所定間隔で配設され、両支持枠を連結する複数の連結梁と、
両支持枠に夫々連結される一対の垂下固定片部と各垂下固定片部に夫々螺合される螺子杆とを備え、両垂下固定片部を左右の側壁の外側に位置させて、垂下固定片部対の各螺子杆によって両側壁を挟持することにより、両支持枠を溝路の側壁に固定する枠固定手段と
を備えた溝路用支持装置において、
少なくとも一方の垂下固定片部は、前記支持枠の立ち上がり片部の外側面よりも内側方に設けられ、
当該立ち上がり片部の外側面と当該垂下固定片部との内外方向の間隔を、当該垂下固定片部に螺合された螺子杆が当該立ち上がり片部の外側面よりも外側方に突出しないように、当該螺子杆の少なくとも外端部を収容する収容間隔としたことを特徴とする溝路用支持装置。
【請求項2】
支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、当該支持枠の水平片部の下面に接合された連結片の、該水平片部から下方へ垂下された部位により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溝路用支持装置。
【請求項3】
支持枠の水平片部に形成され、下方に開口する嵌入孔と、
該嵌入孔に嵌め合わされて当該支持枠に連結される連結片と
を備え、
支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、該嵌入孔に嵌め合わされた連結片の、当該水平片部から下方に垂下される部位により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溝路用支持装置。
【請求項4】
支持枠の立ち上がり片部の下部に形成され、外側方および下方に開口する嵌入孔と、
該嵌入孔に嵌め合わされる嵌合部と該嵌合部の下端から内方へ延成される部位を介して下方に延成される垂下部とからなる連結片と
を備え、
支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、該嵌入孔に嵌め合わされた連結片の垂下部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溝路用支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝等の溝路に配設され、グレーチング蓋等の通水被覆部材を支持する溝路用支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
U字溝等の上部が大きく開放された溝路部材により構築される溝路には、一般的に、該溝路を構成する左右の側壁上に、グレーチング蓋等からなる通水被覆部材を支持する左右の支持枠が配設され、該支持枠で支持される該通水被覆部材によって該溝路の上部開口が遮蔽される。こうした支持枠を備えた構成として、例えば、特許文献1の構成が提案されている。ところで、溝路は、敷地境界に沿って配設される場合も多く、前記特許文献1の構成を、該敷地境界に沿った溝路に配設する場合には、通常、該敷地境界と支持枠との間に目地が設けられる。
【0003】
具体例を、図10に示す。これは、左右の支持枠112a,112bにより、溝路101上の敷地境界t側寄りに、該溝路101よりも幅の狭い通水部109を形成するものである。ここで、溝路101の、敷地境界t側の側壁104上に配置される一方の支持枠112aは、当該側壁104に乗載される幅狭の水平片部114aと、該水平片部114aの外側端から連成された立ち上がり片部113aとを備える。他方の支持枠112bは、幅広の水平片部114bと、該水平片部114bの内側端から連成された立ち上がり片部113bとを備え、該水平片部114bの外側端部が、敷地境界tと反対側の側壁104に乗載される。そして、左右の支持枠112a,112bは、該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の連結梁118によって連結されている。各連結梁118は、左右の支持枠112a,112bの水平片部114a,114bの上面に載置され、立ち上がり片部113a,113bに形成された挿通孔115,115に挿通した状態で、水平片部114a,114bに溶接によって接合されている。各連結梁118の両端には、下方に垂下される垂下部119,119が溶接によって接合されており、両垂下部119,119が、溝路101の両側壁104,104の外側に位置するように夫々設けられる。そして、各垂下部119,119には、側壁104の外壁面に圧設可能な螺子杆120,120が螺合されており、両側の螺子杆120,120を螺回操作して両側壁104,104に圧設させることにより、連結梁118で連結された左右の支持枠112a,112bを溝路101の側壁104,104に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−154555号公報(図8,10参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した図10の従来構成は、支持枠112aの立ち上がり片部113aよりも外側に垂下部119が配され、該垂下部119に螺子杆120が螺合されていることから、敷地境界tと、該敷地境界t側に配される支持枠112aの立ち上がり片部113aとの間に目地sを設ける必要があった。しかし、この目地sは、支持枠112a,112bを溝路101に配設した後に、コンクリートやモルタル等を埋め込むことにより形成されるものであることから、敷地境界tとの間に該目地sを設けないようにすれば、該敷地境界tにおける美観を向上することができる。さらに、目地sを設けなければ、前記のようにコンクリートやモルタル等の埋め込み作業を要するコストと時間とを削減できる。こうしたことから、支持枠を敷地境界tと隙間無く配設することができる構成が求められていた。
【0006】
さらに、上述した敷地境界に沿って設けられる溝路は、例えば、該敷地境界に沿って地盤を掘削してU字溝を埋設することにより形成される。この施工の際に、敷地境界の直下まで掘削すると、縁石等が沈下する虞があることから、通常、敷地境界から少し離れた位置まで地盤を掘削して、該敷地境界から少し離間させてU字溝を埋設する。さらに、地盤の掘削は、敷地境界の外側方から所定の掘削機械を用いて行うことから、敷地境界と溝路(U字溝)との離間距離が施工現場により異なっていた。このように敷地境界から離間させて溝路が埋設されると、支持枠を該敷地境界と隙間無く配置することが難しく、上記した目地を設けねばならなくなっていた。そのため、こうした各施工現場によって異なる離間距離があっても、上述のように敷地境界と隙間無く支持枠を配設できる構成が求められていた。
【0007】
本発明は、上述したように、支持枠を敷地境界に隙間無く配設し得る溝路支持装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、溝路を構成する左右の側壁に夫々乗載される水平片部と各水平片部の一側端に連成された立ち上がり片部とを備え、該溝路の上部で所定間隔をおいて対向状に配置された両立ち上がり片部の間に通水部を形成する一対の支持枠と、該支持枠の長手方向に所定間隔で配設され、両支持枠を連結する複数の連結梁と、両支持枠に夫々連結される一対の垂下固定片部と各垂下固定片部に夫々螺合される螺子杆とを備え、両垂下固定片部を左右の側壁の外側に位置させて、垂下固定片部対の各螺子杆によって両側壁を挟持することにより、両支持枠を溝路の側壁に固定する枠固定手段とを備えた溝路用支持装置において、少なくとも一方の垂下固定片部は、前記支持枠の立ち上がり片部の外側面よりも内側方に設けられ、当該立ち上がり片部の外側面と当該垂下固定片部との内外方向の間隔を、当該垂下固定片部に螺合された螺子杆が当該立ち上がり片部の外側面よりも外側方に突出しないように、当該螺子杆の少なくとも外端部を収容する収容間隔としたことを特徴とする溝路用支持装置である。
【0009】
かかる構成にあっては、垂下固定片部が、支持枠の立ち上がり片部の外側面よりも内側方に設けられると共に、該垂下固定片部に螺合される螺子杆が、該立ち上がり片部の外側面よりも外側方に突出しないことから、該立ち上がり片部を、敷地境界に隙間無く配設することができる。また、垂下固定片部に螺合された螺子杆は、螺回操作により該垂下固定片部に対して内外方向に移動し、その位置を変えることで、側壁に接する。本構成は、このように内外方向位置を変える螺子杆の外端部を、収容間隔内で収容するものであるから、該螺子杆を該収容間隔よりも外側方に突出させること無く、溝路の側壁に支持枠を適宜位置決めして固定することができる。これにより、上述のように敷地境界から離間距離をおいて設けられた溝路に対しても、支持枠の立ち上がり片部を該敷地境界に隙間無く配置するようにして、該支持枠を位置決めして固定することが可能である。
【0010】
さらに、溝路は、敷地境界に沿って比較的長く設けられることから、長手方向で敷地境界との離間距離に差が生じ易い。このように離間距離に差があっても、本構成によれば、垂下固定片部に対する螺子杆の内外方向位置を適宜調整することによって、立ち上がり片部を、長手方向に亘って敷地境界と隙間無く配置することが可能である。このように、本構成によれば、施工現場で、敷地境界と溝路との離間距離に合わせて螺子杆を位置決めすることで、支持枠を、敷地境界と隙間無い位置に容易かつ正確に配置できる。
【0011】
上述した本発明の溝路用支持装置にあって、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、当該支持枠の水平片部の下面に接合された連結片の、該水平片部から下方へ垂下された部位により構成されているものが提案される。
【0012】
かかる構成にあっては、垂下固定片部を、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいた位置に容易に設けることができる。
【0013】
上述した本発明の溝路用支持装置にあって、支持枠の水平片部に形成され、下方に開口する嵌入孔と、該嵌入孔に嵌め合わされて当該支持枠に連結される連結片とを備え、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、該嵌入孔に嵌め合わされた連結片の、当該水平片部から下方に垂下される部位により構成されているものが提案される。
【0014】
かかる構成にあっては、連結片を嵌入孔に嵌め合わせることによって、垂下固定片部を、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいた位置に容易かつ正確に設けることができる。そして、嵌入孔は、垂下固定片部の長手方向位置も定めるものであることから、該嵌入孔に連結片が嵌め合わされることで、左右の垂下固定片部が対となるように、左右の支持枠に容易かつ正確に設けることができる。このように垂下固定片部を支持枠に設ける際に、該垂下固定片部の位置決め作業を行う必要が無く、該作業に要するコストと時間とを削減できる。
【0015】
上述した本発明の溝路用支持装置にあって、支持枠の立ち上がり片部の下部に形成され、外側方および下方に開口する嵌入孔と、該嵌入孔に嵌め合わされる嵌合部と該嵌合部の下端から内方へ延成される部位を介して下方に延成される垂下部とからなる連結片とを備え、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいて設けられた垂下固定片部は、該嵌入孔に嵌め合わされた連結片の垂下部により構成されているものが提案される。
【0016】
かかる構成にあっては、連結片を嵌入孔に嵌め合わせることによって、垂下固定片部を、支持枠の立ち上がり片部の外側面から収容間隔をおいた位置に容易かつ正確に設けることができる。そして、本構成にあっても、上述したように、嵌入孔に連結片が嵌め合わされることで、左右の垂下固定片が対となるように、容易かつ正確に設けることができる。そのため、垂下固定片部の位置決め作業を要せず、そのコストと時間とを削減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の溝路用支持装置によれば、垂下固定片部の螺子杆によって、溝路の側壁に対して支持枠を位置決めしつつ、該垂下固定片部の外側方に設けた収容間隔によって該螺子杆の外端部を収容することから、該支持枠の立ち上がり片部を、敷地境界に隙間無く配置することができる。そして、施工現場で夫々異なる離間距離をおいて設けられた溝路に対しても、螺子杆の外端部を収容間隔に収容しつつ、該離間距離に応じて該螺子杆を位置決めできることから、支持枠の立ち上がり片部を該敷地境界に隙間無く配置できる。さらに、溝路の長手方向で前記離間距離に差が生じていても、夫々に応じて螺子杆を位置決め調整することにより、支持枠を、長手方向に亘って敷地境界と隙間無く配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1の溝路用支持装置11Aの施工状態を示す縦断面図である。
図2】同上の溝路用支持装置11Aの外観斜視図である。
図3】敷地境界tとの離間距離Rが異なる位置に埋設された溝路1に、同上の溝路用支持装置11Aを施工した状態を示す縦断面図である。
図4】実施例2の溝路用支持装置11Bの施工状態を示す縦断面図である。
図5】実施例2の、支持枠12aと連結片45とを分解して示す部分拡大斜視図である。
図6】実施例3の溝路用支持装置11Cの施工状態を示す縦断面図である。
図7】同上の溝路用支持装置11Cの外観斜視図である。
図8】実施例3の、支持枠12aと連結片55とを分解して示す部分拡大斜視図である。
図9】実施例4の溝路用支持装置11Dの施工状態を示す縦断面図である。
図10】従来構成の支持枠112a,112bの施工状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる実施例1〜4を、添付図面を用いて以下に説明する。
【実施例1】
【0020】
溝路1は、図1に示すように、縁石92等が敷設された敷地91との敷地境界tに近接するように設けられる。そして、溝路1は、図2に示すように、底壁3と左右の側壁4a,4bとからなる断面略U字形に形成されたU字溝からなる複数の溝路部材2を、地盤の所定深さに一列状に埋設して構築される。ここで、溝路部材2は、敷地境界tから少し離れた位置に埋設される。これは、上述したように、敷地境界tの直下まで地盤を掘削すると、縁石92等が沈下する虞があること、および掘削機械で敷地境界tぎりぎりまで精度良く掘削することが難しいこと等による。本実施例では、敷地境界tと溝路部材2(溝路1)との距離を離間距離Rとして表している。尚、この離間距離Rは、施工現場によって夫々異なる。
【0021】
本発明にかかる実施例1の溝路用支持装置11Aは、図1,2に示すように、溝路1の上部開口を通水可能に覆うものであり、左右の支持枠12a,12bを備えている。ここで、敷地境界t側の側壁4a上に配置される一方の支持枠12aは、該側壁4aに乗載される水平片部14aと、該水平片部14aの外側端から垂直状に起立する立ち上がり片部13aとから形成されており、水平片部14aは、側壁4aの上面幅よりも広い所定幅に形成されている。この支持枠12aは、後述するように、立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置されるように位置決めされて、溝路1の側壁4a上に乗載され、この状態で、該立ち上がり片部13aの外側面が側壁4aの外壁面5aよりも外側方に位置している。一方、他方の支持枠12bは、外側端部が側壁4bに乗載される幅広の水平片部14bと、該水平片部14bの内側端から垂直状に起立する立ち上がり片部13bとから形成されており、該立ち上がり片部13bが両側壁4a,4b間に配置される。他方の支持枠12bの立ち上がり片部13bは、前記一方の支持枠12aの立ち上がり片部13aと所定間隔をおいて対向配置され、両側壁4a,4b間の敷地境界t寄りに位置する。こうして配置された両立ち上がり片部13a,13bの間に通水部9が形成され、該通水部9を除く溝路1の上部開口が、他方の支持枠12bの水平片部14bにより遮蔽されている。
【0022】
こうした両支持枠12a,12bは、鉄鋼又はステンレス鋼からなる板状の金属材を素材にして形成されており、その長さは、図2に示すように、一列状をなす複数の溝路部材2の長手方向に亘る所定の長さとなっている。尚、各支持枠12a,12bの立ち上がり片部13a,13bと水平片部14a,14bは、一枚の金属板を断面L形に屈曲させて形成されたものでもよいし、二枚の金属板を溶接によって断面L形となるように接合されたものであってもよい。
【0023】
左右の支持枠12a,12bは、該支持枠12a,12bの長手方向に所定間隔で配設された複数の連結梁15によって連結される。各連結梁15は、強度に優れた金属製の角パイプからなり、溝路1を構成する左右の側壁4a,4bの外壁面5a,5b間の幅よりも若干長い(又は略同じ)所定長で形成されている。各連結梁15は、支持枠12a,12bの水平片部14a,14bの上面に当接して配設され、他方の支持枠12bの立ち上がり片部13bに形成された貫通孔16を貫通した状態で、水平片部14a,14bに溶接によって夫々接合されている。そして、このように左右の支持枠12a,12bを移動不能に連結した各連結梁15は、その左右両端部が、溝路1の側壁4a,4b上に、両支持枠12a,12bの水平片部14a,14bを介して乗載されている。
【0024】
また、本実施例1にあって、両支持枠12a,12bの立ち上がり片部13a,13bの上端寄りの部位には、該両立ち上がり片部13a,13b間に差し渡された支持杆19が、該支持枠12a,12bの長手方向に所定間隔をおいて複数配設されている。各支持杆19は、金属製の角パイプからなり、その両端部が両立ち上がり片部13a,13bに溶接されている。
【0025】
また、両立ち上がり片部13a,13b間に形成された通水部9には、図1に示すように、金属製通水被覆部材20が配設されている。該金属製通水被覆部材20は、鉄鋼製、ステンレス鋼製または鋳鉄製のグレーチング蓋からなり、両立ち上がり片部13a,13b間に横架された各支持杆19の上面に着脱可能に乗載されて、通水部9を遮蔽するように設置される。
【0026】
次に、本発明の要部について説明する。
上記した連結梁15にあって、支持枠12a,12bの長手方向両端部に配設された二個の連結梁15,15には、図1,2に示すように、敷地境界tと反対側の端部に、矩形平板状の連結片部21が溶接されており、該連結片部21の下部が、敷地境界tと反対側の側壁4bの外側方で、該側壁4bの外壁面5bに沿うようにして垂下される。この連結片部21の下部が、本発明にかかる垂下固定片部22である。連結片部21の垂下固定片部22には、先端が側壁4bの外壁面5bに圧接可能な螺子杆27が外側方から螺合されている。この螺子杆27は、螺子本体と螺子頭27aとからなる所謂ボルトタイプのものである。
【0027】
一方、敷地境界t側の側壁4aの上面に載置される支持枠12aには、その水平片部14aの下面に、断面伏L形の連結片35が溶接によって接合されている。連結片35は、水平片部14aに接合される矩形状の接合部35bと、該接合部35bの内側端から下方へ連成された矩形状の垂下固定片部35aとからなる。尚、連結片35は、鋼材等の金属製の平板が屈曲されることで形成されるものや、二枚の金属製平板が溶接により断面L形となるように接合されて形成されるものが適用できる。
【0028】
連結片35は、垂下固定片部35aの外側面が、支持枠12aの立ち上がり片部13aの外側面から内側方へ所定間隔をおいた位置となるように、該支持枠12aに接合される。そして、この連結片35の垂下固定片部35aには、上記の連結片部21と同様の螺子杆27が螺合されており、該螺子杆27の先端を側壁4aの外壁面5aに圧接可能となっている。こうした連結片35は、支持枠12aの長手方向両端部に夫々設けられ、夫々の長手方向配設位置は、該支持枠12aの長手方向両端に夫々配設された二個の連結梁15,15と夫々同じ位置としている。すなわち、連結片35の垂下固定片部35aと、連結梁15の連結片部21の垂下固定片部22とは、長手方向で同じ位置に配設され、互いに対向する。このように対向する両側の垂下固定片部35a,22に螺合された各螺子杆27,27の夫々の先端を、側壁4a,4bの外壁面5a,5bに圧接することで、側壁4a,4bを挟持できる。尚、螺子杆27の螺子頭27aが、本発明にかかる螺子杆の外端部である。
【0029】
ここで、連結片35の垂下固定片部35aの外側面と、支持枠12aの立ち上がり片部13aの外側面との内外方向の間隔が、本発明にかかる収容間隔Wである。この収容間隔Wは、上記のように、垂下固定片部35aに螺合された螺子杆27の先端を側壁4aの外壁面5aに圧接させた状態で、当該螺子杆27の螺子頭27aが立ち上がり片部13aの外側面よりも外側方へ突出しないように定められた間隔であり、換言すれば、該螺子頭27aを収容する間隔である。さらに詳述すると、螺子杆27は、螺回操作されることにより、垂下固定片部35aに対して内外方向に進退移動し、垂下固定片部35aと側壁4aの外壁面5aとの間隔に応じて、該外壁面5aに圧接される内外方向位置が異なる。すなわち、側壁4aに対する支持枠12aの配設位置に応じて、該側壁4aに圧接される螺子杆27の内外方向位置が異なる。このように側壁4aに圧接される内外方向位置を変える螺子杆27の、垂下固定片部35aよりも外側方に位置する螺子頭27aを、前記収容間隔W内で収容するように、該収容間隔Wが設定される。具体的には、上述したように溝路1(U字溝からなる溝路部材2)が敷地境界tから若干離れて埋設されることから、該敷地境界tと溝路1の側壁4aとに生ずる離間距離Rの経験値に基づいて、支持枠12aの立ち上がり片部13aを敷地境界tに隙間無く配置しても、螺子杆27の螺子頭27aが収容されるように、前記収容間隔Wを設定した。これにより、例えば図3に示すように、敷地境界tと溝路1との離間距離Rが比較的短い場合にあっても、該離間距離Rに合わせて、該敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を位置決めすることにより、当該螺子杆27の螺子頭27aを収容間隔W内に収容して、支持枠12aの立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置できる。したがって、敷地境界tと溝路1との離間距離Rが夫々異なる各施工現場において、螺子頭27aが立ち上がり片部13aの外側面よりも外側方に突出すること無く、螺子杆27を溝路1の側壁4aに圧接させて、該立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置できる。
【0030】
上述した本実施例1の溝路用支持装置11Aは、敷地境界tから少しの離れて埋設された溝路1への施工に際して、複数の連結梁15により連結された左右の支持枠12a,12bを、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置されるように、溝路1の側壁4a,4b上に載置する。このとき、敷地境界t側の支持枠12aの垂下固定片部35aに螺合された螺子杆27の先端が側壁4aの外壁面5aに当接された状態で、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tと隙間無く配置されるように、当該螺子杆27の、該垂下固定片部35aに対する内外方向位置を位置決めする。これにより、支持枠12aの螺子杆27の先端を側壁4aの外壁面に当接させて、該支持枠12aを該側壁4a上に載置することにより、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置される。ここで、位置決めされた螺子杆27の螺子頭27aは、支持枠12aの収容間隔W内に位置し、立ち上がり片部13aの外側面よりも外側方に突出しない。尚、螺子杆27の位置決めは、施工現場で、敷地境界tと溝路1の側壁4aとの離間距離Rに合わせて行われる。
【0031】
こうして支持枠12a,12bを側壁4a,4b上に載置した後に、連結梁15の端部に溶接された連結片部21の垂下固定片部22に螺合された螺子杆27を、締付方向に螺回操作して、その先端を側壁4bの外壁面5bに圧接させることにより、敷地境界tと反対側の該螺子杆27と、該敷地境界t側の上記螺子杆27との緊締作用を介して、支持枠12a,12bが溝路1の側壁4a,4bに固定される。そして、この固定状態において、支持枠12bの水平片部14b上に、コンクリート96および化粧タイル97からなる舗装材95が連続状に敷設される。尚ここで、本実施例1にあって、連結片35(垂下固定片部35a)、連結片部21(垂下固定片部22)、両側の螺子杆27,27によって、本発明にかかる枠固定手段が構成されている。
【0032】
かかる本実施例1の構成にあっては、敷地境界t側に配設される支持枠12aに、立ち上がり片部13aの外側面よりも内側方に収容間隔Wをおいて垂下固定片部35aを設け、該収容間隔W内で螺子杆27の螺子頭27aを収容するようにしたものであるから、該立ち上がり片部13aの外側面が敷地境界t側で最も外側に位置する。そして、施工現場によって敷地境界tとの間に夫々異なる離間距離Rをおいて設置された溝路1に対しても、該離間距離Rに応じて、敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を位置決めすることにより、支持枠12aの立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置できる(図1,3参照)。このように敷地境界tに隙間無く配置することにより、上述した従来構成(図10参照)のように敷地境界tとの間に目地sを設ける必要がなく、該目地sを形成するコストや時間を削減できる。さらに、施工後の敷地境界における美観が向上する。
【0033】
さらに、溝路1は、敷地境界tに沿って比較的長く配設される場合が多く、その長手方向で、該敷地境界tとの離間距離Rに差が生じ易い。こうした溝路1に対しても、長手方向で変わる離間距離Rに合わせて、敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を調整することにより、支持枠12aの立ち上がり片部13aを、溝路1の長手方向に亘って容易かつ正確に敷地境界tと隙間無く配置できる。これは、螺子杆27の内外方向位置を夫々変えても、該螺子杆27の螺子頭27aが収容間隔Wに収容されることに因る。このように本実施例1の構成は、溝路1に対して支持枠12aの内外方向位置を調整する調整機能も有している。
【0034】
また、本実施例1にあっては、複数の連結梁15の左右両端部が、溝路1の左右の側壁4a,4bの上面に、支持枠12a,12bの水平片部14a,14bを介して乗載されていることから、自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路1の左右の側壁4a,4b上に差し渡された連結梁15によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。
【実施例2】
【0035】
実施例2の溝路用支持装置11Bは、図4,5に示すように、敷地境界t側に配設される支持枠12aの水平片部14aに嵌入孔41が形成され、該嵌入孔41に矩形平板状の連結片45を嵌め合わせて垂設したものである。尚、こうした嵌入孔41および連結片45の他の構成は、上述した実施例1と同じであることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、重複する説明を省略した。
【0036】
嵌入孔41は、連結片45を嵌め合わせることができる矩形状をなし、支持枠12aの水平片部14aを上下方向に貫通している。この嵌入孔41は、支持枠12aの長手方向両端部に夫々形成されており、夫々の長手方向位置は、該支持枠12aの長手方向両端部に夫々配設された二個の連結梁15,15と夫々同じ位置である。換言すれば、支持枠12aの嵌入孔41と、支持枠12bの長手方向両端部の貫通孔16とは、長手方向で同じ位置にある。さらに、この嵌入孔41は、支持枠12aの立ち上がり片部13aの外側面から内側方に所定間隔をおいた位置に形成されており、この所定間隔が、上述した実施例1と同様の収容間隔Wに設定されている。
【0037】
連結片45は、鋼材等の金属製の矩形状平板からなり、その上端部が嵌入孔41に嵌め合わされて、溶接によって水平片部14aに接合される。こうして、連結片45は水平片部14aに垂設され、該水平片部14aから下方に垂下された部位により、本発明にかかる垂下固定片部45aが構成される。この垂下固定片部45aは、溝路1の側壁4aの外側方で該側壁4aの外壁面5aに沿うように支持枠12aから垂下されると共に、該支持枠12aの立ち上がり片部13aの外側面から内側方に収容間隔Wをおいた位置に設けられる。そして、支持枠12aの長手方向両端部に形成された嵌入孔41に夫々嵌め合わされた連結片45の垂下固定片部45aは、該支持枠12aの長手方向両端部に連結された連結梁15の連結片部21の垂下固定片部22と、互いに対向する。
【0038】
こうした連結片45の垂下固定片部45aには、上述した実施例1と同様に、螺子杆27が螺合されており、該螺子杆27の螺子頭27aが収容間隔W内に収容される。
【0039】
本実施例2の溝路用支持装置11Bは、施工に際して、上述した実施例1と同様に、左右の支持枠12a,12bを、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置されるように、溝路1の側壁4a,4b上に載置した後に、該敷地境界tと反対側の螺子杆27を螺回操作することにより、該支持枠12a,12bが側壁4a,4bに固定される。かかる構成にあっても、実施例1と同様に、敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を、該敷地境界tと溝路1との離間距離Rに合わせて位置決めすることにより、当該螺子杆27の螺子頭27aを収容間隔Wに収容して、支持枠12aの立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置することができる。これにより、敷地境界tに目地sを設ける必要が無く、該目地sを形成するためのコストや時間を削減できると共に、施工後の敷地境界における美観が向上する。さらに、本実施例2にあっても、溝路1に対して支持枠12aの内外方向位置を調整できることから、溝路1の長手方向に亘って容易かつ正確に敷地境界tと隙間無く配置できる。
【0040】
また、本実施例2の構成は、連結片45の上端部を水平片部14aの嵌入孔41に嵌め合わせて接合するものであるから、該連結片45の垂下固定片部45aが支持枠12aにしっかりと固定される。さらに、連結片45を嵌入孔41に嵌め合わせることで、垂下固定片部45aを所定位置に容易且つ正確に位置決めできる。そして、垂下固定片部45aの位置決め作業を要せず、該作業にかかるコストと時間を削減できる。
【実施例3】
【0041】
実施例3の溝路用支持装置11Cは、図6〜8に示すように、支持枠12aの長手方向両端部に夫々配設される連結梁15の、敷地境界t側の端部に、該支持枠12aに形成された嵌入孔51に嵌め合わされる連結片55が接合され、該連結片55の下部が該支持枠12aの下方に垂下されてなるものである。尚、こうした連結片55および嵌入孔51の他の構成は、上述した実施例1と同じであることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、重複する説明を省略した。
【0042】
支持枠12aの嵌入孔51は、立ち上がり片部13aの下部に、略矩形状で外側方および下方に開口形成されてなり、該支持枠12aの長手方向両端部に夫々設けられている。各嵌入孔51は、支持枠12bの立ち上がり片部13bに設けられた長手方向両端部の各貫通孔16と夫々対向する位置に、設けられている。
【0043】
上記の嵌入孔51に嵌め合わされる連結片55は、該嵌入孔51に嵌入される嵌合部55bと、該嵌合部55bの下端から内方へ連成された連成部55cと、該連成部55cの内側端から下方へ連成された垂下部55aとからなる。ここで、連結片55の嵌合部55bは、支持枠12aの嵌入孔51に嵌め合わされる略矩形状をなし、該嵌合部55bの外側面が立ち上がり片部13aの外側面と略面一となるように、該嵌入孔51に嵌め合わされる。また、連成部55cは、嵌合部55bから内方へ向かって設けられており、垂下部55aは、立ち上がり片部13aの外側面から内側方に所定間隔をおいた位置で垂下する。ここで、この所定間隔が、上述した実施例1と同様の収容間隔Wとなるように、連成部55cの内外方向幅が設定されている。これにより、垂下部55aは、立ち上がり片部13aの外側面から内側方に収容間隔Wをおいた位置で、溝路1の側壁4aの外壁面5aに沿って垂下される。この垂下部55aが、本発明にかかる垂下固定片部55aである。尚、本実施例3にあって、連結片55は、鋼材等の金属製の平板を屈曲させて形成されるものや、三枚の平板を夫々接合させて形成されるもの等が適用できる。
【0044】
各連結片55は、嵌合部55bの内側面に、支持枠12aの長手方向両側部に夫々配設される連結梁15の端部が溶接によって接合される。これにより、連結梁15は、敷地境界t側の端部に連結片55が設けられ、且つ他側の端部に連結片部21が設けられてなり、連結片55の垂下固定片部55aと連結片部21の垂下固定片部22とが互いに対向する。
【0045】
さらに、連結片55の垂下固定片部55aには、上述した実施例1と同様に、螺子杆27が螺合されており、該螺子杆27の螺子頭27aが収容間隔W内に収容される。
【0046】
本実施例3の溝路用支持装置11Cは、施工に際して、上述した実施例1と同様に、左右の支持枠12a,12bを、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置されるように、溝路1の側壁4a,4b上に載置した後に、該敷地境界tと反対側の螺子杆27を螺回操作することにより、該支持枠12a,12bが側壁4a,4bに固定される。かかる構成にあっても、実施例1と同様に、敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を、該敷地境界tと溝路1との離間距離Rに合わせて位置決めすることにより、当該螺子杆27の螺子頭27aを収容間隔Wに収容して、支持枠12aの立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置することができる。これにより、敷地境界tに目地sを設ける必要が無く、該目地sを形成するためのコストや時間を削減できると共に、施工後の敷地境界における美観が向上する。さらに、本実施例3にあっても、溝路1に対して支持枠12aの内外方向位置を調整できることから、溝路1の長手方向に亘って容易かつ正確に敷地境界tと隙間無く配置できる。
【0047】
また、本実施例3の構成は、連結片55が連結梁15の端部に接合されたものであることから、該連結片55の垂下固定片部55aが該連結梁15を介して支持枠12aにしっかりと固定される。さらに、連結片55は、支持枠12aの嵌入孔51に嵌め合わせることで、垂下固定片部55aを所定位置に正確かつ容易に位置決めできる。
【実施例4】
【0048】
実施例4の溝路用支持装置11Dは、図9に示すように、支持枠12aの長手方向両端部に夫々配設される連結梁15の、敷地境界t側の端部に、矩形平板状の連結片65が接合され、さらに、該連結片65の下部が、該支持枠12aの水平片部14aに下方開口された嵌入孔41を介して下方に垂下されてなるものである。尚、こうした連結片65の他の構成は、上述した実施例2と同じであることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、重複する説明を省略した。
【0049】
支持枠12aの水平片部14aに設けられた嵌入孔41は、実施例2と同様に、対向する支持枠12bの長手方向両端部の貫通孔16と、長手方向で同位置に夫々形成される。そして、嵌入孔41は、連結片55を嵌め合わせることができる矩形状で、上下方向に貫通形成されてなる。さらに、嵌入孔41と、支持枠12aの立ち上がり片部13aの外側面との内外方向の間隔が、上述した実施例2と同様の収容間隔Wに設定されている。
【0050】
連結片65は、連結梁15に接合される接合上部65bと、該接合上部から下方に連成された垂下固定片部65aとからなり、該接合上部65bの内側面に、該連結梁15の敷地境界t側の端部が溶接によって接合されて、該垂下固定片部65aが該連結梁15の当該端部から下方に垂下されている。これにより、連結梁15は、敷地境界t側の端部に連結片65が設けられ、且つ他方の端部に連結片部21が設けられてなり、連結片65の垂下固定片部65aと連結片部21の垂下固定片部22とが互いに対向する。
【0051】
連結片65が接合された連結梁15は、該連結片65を、支持枠12aの水平片部14aの嵌入孔41に上方から挿通させて、該水平片部14aの上面に載置される。そして、連結梁15が水平片部14aに溶接によって接合される。これにより、連結片65が嵌入孔41に嵌め合わされて、垂下固定片部65aが、該嵌入孔41を介して水平片部14aの下方に垂下される。さらに、連結片65の垂下固定片部65aには、上述した実施例1と同様に、螺子杆27が螺合されており、該螺子杆27の螺子頭27aが収容間隔W内に収容される。
【0052】
本実施例4の溝路用支持装置11Dは、施工に際して、上述した実施例1と同様に、左右の支持枠12a,12bを、該支持枠12aの立ち上がり片部13aが敷地境界tに隙間無く配置されるように、溝路1の側壁4a,4b上に載置した後に、該敷地境界tと反対側の螺子杆27を螺回操作することにより、該支持枠12a,12bが側壁4a,4bに固定される。かかる構成にあっても、実施例1と同様に、敷地境界t側の螺子杆27の内外方向位置を、該敷地境界tと溝路1との離間距離Rに合わせて位置決めすることにより、当該螺子杆27の螺子頭27aを収容間隔Wに収容して、支持枠12aの立ち上がり片部13aを該敷地境界tに隙間無く配置することができる。これにより、敷地境界tに目地sを設ける必要が無く、該目地sを形成するためのコストや時間を削減できると共に、施工後の敷地境界における美観が向上する。さらに、本実施例4にあっても、溝路1に対して支持枠12aの内外方向位置を調整できることから、溝路1の長手方向に亘って容易かつ正確に敷地境界tと隙間無く配置できる。
【0053】
さらに、本実施例4の構成は、連結片65が連結梁15の端部に接合されたものであることから、該連結片65の垂下固定片部65aが該連結梁15を介して支持枠12aにしっかりと固定される。さらに、連結片65は、支持枠12aの嵌入孔41に嵌め合わせることで、垂下固定片部65aを所定位置に正確かつ容易に位置決めできる。
【0054】
本発明にあっては、上述した実施例1〜4に限定されるものではなく、上述した実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、実施例1の別例として、断面伏L形の連結片に代えて、実施例2と同様の矩形平板状の連結片を支持枠12aの水平片部14aの下面に接合した構成としても良い。また、実施例3の別例として、連結片と連結梁の端部とを接合しない構成としても良い。また、実施例2の別例として、平板の連結片に代えて、断面伏L形の連結片を、支持枠12aの水平片部14aの嵌入孔41に上方から嵌め合わせる構成としても良い。この構成では、断面伏L形の連結片が、水平片部14aの上面に載置される乗載部と、該乗載部の一側端から下方に連成された垂下部とから構成されてなり、垂下部の、嵌入孔41を介して下方に垂下する部位によって、垂下固定片部が構成される。そして、この構成では、嵌入孔41が、水平片部14a上に配される連結梁15と長手方向で隣接する位置に形成される。
【0055】
また、上述した実施例1〜4にあっては、敷地境界t側の垂下固定片部に、螺子頭27aを有する螺子杆27を螺合した構成であるが、これに限らず、全螺子タイプの螺子杆を螺合するようにしても良い。この全螺子タイプの螺子杆を用いる場合にあっても、該螺子杆の外端部を収容する収容間隔Wが設定される。
【0056】
また、上述した実施例1〜4にあっては、支持枠12aの長手方向両端部に連結片を設けた構成であるが、これに限らず、連結片の配設個数は適宜設定できる。例えば、支持枠を連結する全ての連結梁に連結片部を設け、全ての連結片部に夫々対向するように連結片を配設する構成としても良い。
【0057】
また、上述した実施例1〜4は、左右の支持枠12a,12bの両立ち上がり片部13a,13b間に形成される通水部9を、溝路1の幅よりも狭く且つ敷地境界t寄りに設ける構成としたが、これに限らず、通水部を溝路1の幅と略同じとするように形成した構成とすることもできる。この場合には、敷地境界t側の側壁4aに載置される支持枠12aと、同じ断面略L形の支持枠を他方の側壁4bに載置する。さらに、こうした他方の側壁4bに載置する支持枠は、実施例1〜4の支持枠12aと同様に連結片が配設された構成とすることも可能である。
【0058】
一方、実施例1〜4(および別例)で例示した本発明の溝路支持装置は、上述したように、支持枠の立ち上がり片部を敷地境界に隙間無く配置できるものであるが、当然ながら、該敷地境界との間に隙間を設けて配置することも可能である。例えば、施工の際に、敷地境界にできるだけ近接するように掘削すると、誤って越境してしまうリスクがあることから、こうした越境のリスクを避けて、敷地境界との間に十分な間隔を有して掘削する場合もある。この場合には、本発明の溝路用支持装置を、敷地境界との間に隙間をおいて配設することもあり得るため、該隙間に目地を設けることになってしまう。しかしながら、上述した従来構成では、目地の幅(敷地境界との間隔)をある程度広く設ける必要があったが、本発明の構成によれば、目地の幅を可及的に狭くすることができる。具体的には、図10の従来構成では、支持枠112aの立ち上がり片部113aよりも外側に垂下部119と螺子杆120の螺子頭とが位置するため、目地の幅が少なくとも15〜30mm程度必要であったが、本発明の構成では、上述したように支持枠12aの立ち上がり片部13aが最も外側に位置することから、目地の幅を10mm以下にすることができる。さらにまた、こうした目地を設ける場合にあっても、本発明の構成によれば、上述したように内外方向位置の調整機能を有していることから、溝路の長手方向に亘って、敷地境界との間隔(目地の幅)を略一定に保つことが可能である。このように、本発明の溝路支持装置によれば、施工現場によって目地を設けることとなった場合でも、該目地の幅を可及的に狭くでき且つ該目地の幅を略一定にできることから、従来構成に比して外観を良くできる。
【符号の説明】
【0059】
1 溝路
4a,4b 側壁
9 通水部
11A,11B,11C,11D 溝路用支持装置
12a,12b 支持枠
13a,13b 立ち上がり片部
14a,14b 水平片部
15 連結梁
22 垂下固定片部
27 螺子杆
27a 螺子頭(螺子杆の外端部)
41,51 嵌入孔
35,45,55,65 連結片
35a,45a,55a,65a 垂下固定片部
55b 嵌合部
t 敷地境界
W 収容間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10