(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のセンサアセンブリが角度分解能を有しており、それにより、第2のセンサアセンブリにより測定される回転数によって、シャフトの回転数の全体にわたって角度分解能が実質的に維持される、請求項1に記載のデバイス。
前記シャフトと前記磁石との間の実質的にゼロの機械的バックラッシュが得られるように、前記磁石が前記シャフトに直接的に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
前記シャフトに対する磁石の直接的な結合は、第1の側部および第2の側部を有する磁石取付構造を含んでおり、前記第1の側部は前記シャフトの端部に取り付けられ、前記第2の側部は前記磁石に取り付けられている、請求項4に記載のデバイス。
前記磁石は、磁気センサに対して可変の直交および平行な磁束を生じさせるように、バイポーラで直径方向に磁化されるように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
磁気センサは、複数のホール効果センサ、複数の正弦余弦磁気抵抗(MR)センサ、複数の大磁気抵抗(GMR)センサ、または統合垂直ホールセンサを含んでいる、請求項6に記載のデバイス。
前記直交位相ホール効果センサアセンブリは、アークタンジェント(tan(a))の量で磁石の角度変位を近似することにより磁石の角度位置を計算するように構成されており、ここで、αは直交位相で近似されたサインおよびコサインの位相である、請求項9に記載のデバイス。
サイン(α)とコサイン(α)の比によって近似された角度変位により、測定される磁束の振幅の変化に対しても安定した角度変位の測定が可能となっている、請求項10に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で提供される見出しは便宜上のものであり必ずしも本発明の範囲または意味に影響を与えるものではない。
【0021】
本明細書の開示は、一例として、高分解能の位置検出に関連するデバイスおよび方法に関連する。本明細書に記載されるように、そのような検出デバイスは、低減したヒステリシスのような望ましい機能を持った多回転検出デバイスとして設計され実現されていてもよい。幾つかの実施形態では、そのような低いヒステリシスは、例えば、位置検出デバイスの1つまたは複数の構成要素に関連する機械的バックラッシュの影響を低減することで実現され得る。
【0022】
図1は、幾つかの実装形態における、位置検出デバイス100を模式的に示しており、このデバイスは角度位置センサ部品102と、回転センサ部品104を有し得る。
図2、
図3は、そのようなセンサ部品が、回転の範囲(多回転を含み得る)にわたって高分解能をもたらすためにどのように組合せ可能であるかの一例を示している。
図4、
図5は、角度位置センサ102がどのように実現可能である一例を示している。
図6A〜
図6Cは、回転センサ104がどのように実現可能であるかの一例を示している。
図7は、本明細書に記載される1つまたは複数の特徴を備えた検出デバイス100から得ることができる出力の例を示している。
【0023】
図2は、位置検出デバイス100の一例であり、このデバイスは第1のセンサ102(センサ1とも呼ぶ)および第2のセンサ104(センサ2とも呼ぶ)を有している。第1のセンサは、
図1の角度位置センサ102であってもよい。幾つかの実施形態では、第1のセンサ102は、所定の回転で、回転シャフト116の角度位置を得るように構成されていてもよい。第2のセンサ104は、
図1の回転センサ104であってもよい。幾つかの実施形態では、第2のセンサ104は、回転シャフト116による回転の数を得るように構成されていてもよい。2つの測定は互いに独立であってもよいので、そのような計測の組合せは、広範囲の多回転にわたって、第1のセンサに関する高分解能の恩恵を受けることができる。また、本明細書に記載のように、多回転にわたるそのような高分解能性能は、低減したまたはごく僅かなヒステリシス効果で実現することができる。
【0024】
図2に示すように、位置検出デバイス100は、第1および第2のセンサ102、104の両方を収容するように構成されたハウジングを含んでいてもよい。ハウジング110は、第1および第2のセンサ102、104、回転シャフト116、および/または他の関連する部品を保持する1つまたはそれ以上の構造を有していてもよい。
【0025】
図2は、ハウジング110が、異なる取付けの選択を容易にできるように寸法決めされた取付構造に結合されてもよいことを示している。例えば、フランジ114が、位置検出デバイス100のパネルの取付けを可能にするように寸法決めされていてもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、第1のセンサ102は、非接触磁気センサであってもよい。このようなセンサに関連する例は
図4および
図5を参照してより詳細に説明する。
図2に示すように、そのような非接触の磁気センサは、入力電力を与えるためおよびシャフト116の角度位置を表す信号を出力するために端子120、122および124を含んでいてもよい。端子120は、供給電圧(例えば5V、DC)を受けるための電源供給端子であってもよく、端子124は接地端子であってもよい。端子122はシャフトの角度位置を表す信号を出力するための出力端子であってもよい。そのような出力信号の詳細は本明細書でより詳しく説明する。
【0027】
幾つかの実施形態では、第2のセンサ104は、市販のデバイス(例えば、ボーンズ3541Hまたは3549H)のような設計を有する精密ポテンショメータデバイスであってもよい。幾つかの実施形態では、このようなポテンショメータデバイスは、例えば、導電性プラスチックコーティングを有するハイブリッド抵抗巻線型素子を含む有利な特徴を有するものであってもよい。このような抵抗素子は、導電性プラスチック素子の長い動作寿命で、巻線型素子の安定した特性を示す。有利な特徴は、また、優れたバックラッシュ性能を含んでいてもよい。例えば、1°以下の機械的なバックラッシュが期待できる。幾つかの実施形態では、このような特徴は、シャフトに直接結合された摺動子素子によって促進されてもよい。このような結合に関する実施例は、
図3を参照してより詳細に説明する。
【0028】
図2では、幾つかの実施形態で、第2センサ104のポテンショメータに関連付けられた電気端子がハウジング110の円筒壁に沿って設けられてもよいことが示されていている。例えば、抵抗素子の両端(
図2では不図示)が第1および第2の端子130、132に電気的に接続され、また、摺動子(
図2では不図示)がコレクタ端子134に電気的に接続されていてもよい。そのような端子の例はより詳細に本明細書中で説明する。
【0029】
図3は、
図2の位置検出デバイス100の例の切断図である。具体的には、第1および第2のセンサ102、104がどのように構成され、また、シャフト116に対して配置可能であるかが示されている。
【0030】
シャフト116は、第1および第2のブッシング176、178によって回転可能にハウジングに固定されるように示されている。各ブッシングは、異なる負荷(例えば、側面荷重)のもと改善された摩耗特性のための軸受面(例えば、真鍮や青銅)を含んでいてもよい。
図3に示す構成例では、第1のブッシング176は、第1および第2のセンサ102、104を分離する隔壁142に設けられるように示されている。第2のブッシング178は、前方の蓋構造174に設けられるように示されている。このようなブッシング構造は、改善された製造プロセスに加え、改善された機械的安定性などの有利な特徴を提供することができる。
【0031】
ブッシング176、178によって支持されたシャフト116は、その端部が磁石取付構造150に結合されているように示されている。磁石取付構造150は、磁石152が取り付けられるように寸法決めされているように示されている。幾つかの実施形態では、そのような結合構造は、磁石152とシャフト116の実質的に直接的な機械的結合をもたらすことができる。このような直接結合の構造によれば、シャフト116の回転は、磁石152に実質的に直接伝達可能となり、第1のセンサ102に関する機械的なバックラッシュを軽減または排除することが可能となる。
【0032】
図3の例では、磁石152と検出アセンブリ162は、第1のセンサ102の一部となっている。検出アセンブリ162を使って磁石152の回転(したがってシャフトの回転)をどのように検出できるかの例については、
図4、
図5を参照してより詳細に本明細書中で説明する。
【0033】
検出アセンブリ162は、ハウジング110のエンドキャップ118の内側に取り付けられるように示されている。第1のセンサ102のための集積回路(IC)センサ160は、検出アセンブリ162の一部として示されており、エンドキャップ118は、ICセンサ160を収容するように適切に寸法決めされていてもよい。エンドキャップ118は、また、第1のセンサ102に関連付けられた電気端子120(
図2参照)、122、124を支持することが示されている。
【0034】
図3の例では、エンドキャップ118、隔壁142、およびその間の円筒壁140が、第1のセンサ102の様々な部品を収容するように寸法決めされた第1の空間144を画定するように示されている。本明細書で説明するように、隔壁142は、ブッシング176を支持するように設けられていてもよい。
【0035】
さらに
図3に示すように、第2のセンサ104に関連する様々な部品が、隔壁142と前方の蓋構造174との間に配置されていてもよい。この例では、隔壁142と前方の蓋構造174との間の円筒状の壁170が凹状構造200を確定するように示されており、凹状構造は、巻線型素子190の外側部分を受け入れ、支持するように寸法決めされている。したがって、凹状構造200は巻線型素子190の支持構造として機能することができる。幾つかの実施形態では、そのような支持構造は、位置分解能を向上させるために、より均一な間隔を提供するように寸法決めされていてもよい。幾つかの実施形態では、巻線型素子190のための支持構造200は、巻線型素子190がそこに結合され、それにより例えば確実な方法で前述の均一な空間を促すように構成されていてもよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、円筒壁170は、プラスチック等の材料で作られ、内面に設けられた支持構造200(巻線型素子190のための)と一緒に単一の部品として実現されていてもよい。円筒壁170および/または支持構造200の他の構成も実現可能である。
【0037】
巻線型素子190の構成例については、前方の蓋構造174側の第1の端部193が、第1の端子130に電気的に接続されるように示されている。同様に、隔壁142側の、巻線型素子190の第2の端部194が第2の端子132に電気的に接続されるように示されている。
【0038】
幾つかの実施形態では、第1および第2の端子130、132のそれぞれの電気的接続は、例えば、モールド構造136に保持された金属線を含んでいてもよい。モールド構造136は、適切な取付機構によって、円筒壁170に固定されるように示されている。
【0039】
図3では、第2の端子132のための電気的な接続は、第2の端部194においてまたはその近傍で巻線型素子190に係合するコンタクト機構192を含むことが示されている。第2の端子132を対応のコンタクト機構192に電気的に接続する接続部は、第2の端子132の所望の位置を形成するように設けられる(例えば2つの90°曲げ)ことが示され、および/または、モールド構造136によって十分な封止を提供することが示されている。第1の端子130のための電気的接続は、巻線型素子190の第1の端部193に対して同様の方法で構成されていてもよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、巻線型素子190は、摺動子の回転運動を軸方向の変位に変換するためのネジ山として機能するように構成されていてもよい。このような構成により、摺動子が巻線型素子190の複数の回転をカバーすることが可能となる。
【0041】
図3に示す例では、摺動子アセンブリ180は、巻線型素子190の複数の回転(例えば多回転)にわたって上記の機能を提供するように構成されていてもよい。摺動子アセンブリ180は、係合機構186が備わったリング状のオブジェクトであってもよく、その係合機構186は、摺動子アセンブリ180と巻線型素子190との間のスレッド・トゥ・スレッドの係合をなすように、放射状に延び、巻線型素子190と係合するようになっている。幾つかの実施形態では、摺動子アセンブリ180は電気絶縁材料で形成されていてもよく、また、本明細書に記載のように、種々の電気接点機構がそこに形成されてもよい。
【0042】
幾つかの実施形態では、摺動子アセンブリ180は、巻線型素子190の局所的部分との摺動電気接触を形成するように構成されていてもよい。例えば、摺動電気接触の機構は、接触機構が巻線型素子190の対応する局所的部分と電気的に接触できることを可能にするように、係合機構186の一方側(例えば軸方向に沿って)に形成されていてもよい。
【0043】
接触機構187は、摺動子アセンブリ180の内側に設けられていてもよく、そして、接触機構187はコレクタ接点196に係合するように構成されていてもよい。係合機構186の摺動接触部と接触機構187との間の電気的接続は、係合機構186の摺動接触部をコレクタ接点196に電気的に接続するように設けられていてもよい。コレクタ接点196は、係合機構186の摺動接触部が(巻線型素子190の沿う様々な位置で)コレクタ端子134と電気的接続されるように、コレクタ端子134に電気的に接続されるように示されている。
【0044】
図3の構成例では、シャフト116の回転運動は下記のように摺動子アセンブリ180に伝達することができる。内側スリーブ188は、それがシャフト116と一緒に回転するように、隔壁142と前方の蓋構造174との間のシャフト116の一部の周りに設けられていることが示されている。外側スリーブ189は、それが内側スリーブ188と一緒(したがってシャフト116と一緒)に回転するように、内側スリーブ188の周りに設けられていることが示されている。シャフト116と内側スリーブ188との間の、および、内側スリーブ188と外側スリーブ189との間の接続は、例えば圧入、接着といった種々の方法で実施可能である。また、2つの例示的なスリーブの文脈で説明したが、シャフト116とコレクタ接点196との間の領域は、構造体のより少ないまたはより多い数で形成されていてもよいことが理解されるであろう。また、幾つかの実施形態では、スリーブ(単数または複数)に関連するスペーシング機能およびガイド機能の一部のまたは全てを提供するように、シャフト自体が適切に寸法決めされていてもよいことが理解されるであろう。
【0045】
図3に示す例では、外側スリーブ189は、そこにコレクタ接点196を装着または形成可能な外面を含んでいてもよい。外側スリーブ189は、さらに、外側スリーブ189の外側部に沿って軸方向に延びるガイド溝183を含んでいてもよい。このガイド溝183は、摺動子アセンブリ180の内側に形成された対応するガイドタブ181を受け入れるように寸法決めされていてもよい。
【0046】
ガイドタブ181は、ガイド溝183内に捕捉されており、その結果、シャフト116と共に回転する摺動子アセンブリ180となっている。本明細書に記載のように、そのような摺動子アセンブリ180の回転は、巻線型素子190のスレッド・トゥ・スレッド相互作用(一例)によって、結果として、摺動子アセンブリ180の軸方向移動となる。幾つかの実施形態では、ガイドタブ181とガイド溝183の嵌合が、機械的なバックラッシュの影響を低減しつつ、シャフト116が回転する際の溝183内におけるガイドタブ181の望ましい摺動を提供するように構成されていてもよい。
【0047】
上記の例のように摺動子アセンブリ180が軸方向に動く際、接触機構187はコレクタ接点196に電気的に接続されたままである。幾つかの実施形態では、コレクタ接点196はシャフト116と一緒に回転するように構成され、これにより、接触機構187との電気的摺動接続が可能となっていてもよい。コレクタ接点196は、さらに、コンタクト機構197を含むように示されており、そのコンタクト機構197は、コレクタ接点196がシャフト116と一緒に回転する際、コンタクトリング198に係合して電気的接続を提供する。コンタクトリング198はコレクタ端子134に電気的に接続されていてもよく、それによって、巻線型素子190の所定の場所に沿う係合機構186の摺接部と、コレクタ端子134との間の電気的接続が形成される。
【0048】
図4A、
図4Bは、模式的に
図3を参照して本明細書に記載される磁石152の構成例の分離された側面および軸方向の図、ならびに、磁気センサ160に対する非接触位置(検出アセンブリ162の一部、
図3も参照)を模式的に示している。磁石152は、磁石取付構造150を介してシャフト116に取り付けられるように示されている。
【0049】
幾つかの実施形態では、磁石152は、磁気センサ160に直交および並行な可変の磁束が得られるように、バイポーラで直径方向に磁化された構成であってもよい。幾つかの実施形態では、そのような磁石は、磁気センサから分離されていてもよく(例えば、約1mm±0.5mmの作動距離)、磁気センサ160は、例えば10ビットから16ビットの分解能を含むさまざまな分解能を変化させる磁石152の角度位置を読むように構成されていてもよい。他の分離距離および/または他の分解能を利用することもできる。
【0050】
図5A〜
図5Dは、
図4A、
図4Bの磁石152(したがってシャフト116)の磁気センサ160に対する角度位置を判定するためにそのような磁束がどのように検出可能であるかを示している。幾つかの実施態様では、磁気センサ160は、H1〜H4として示さホール効果センサを含む直交位相ホール効果センサアセンブリ352有していてもよい。このようなホール効果センサは、統合されたセンサとして設けられたものであってもそうでなくてもよい。磁気センサ160は、ホール効果センサの文脈で説明されているが、他のタイプのセンサも使用可能であることが理解されよう。例えば、正弦余弦磁気抵抗(MR)センサ、大磁気抵抗(GMR)センサ、または統合垂直方向ホールセンサ(例えばブリッジ構成)を利用することができる。
【0051】
図5Aは、幾つかの実装では、磁気センサアセンブリ352は、正弦余弦センサとして動作するように構成できることを示しており、ここで、磁気センサアセンブリ352の直交および並行な磁束の変化(例えば
図5B、360)は、直交位相のsinおよびcosに近似することができる。ホール効果センサのような出力は、幾つかの実施形態において、アナログインターフェース350によって処理することができ、このアナログインターフェースは、1つまたはそれ以上の出力358を生成するように、増幅、調整354、およびデジタルデータ356への変換など機能を提供するように構成されている。幾つかの実施形態では、上述の読出装置の後端部は、A/D、D/A、およびシリアル通信機能とのプログラム可能なインタフェースを提供するように構成されていてもよい。
【0052】
図5A、
図5Bに示す例では、ホール効果センサH1〜H4はそれぞれ、出力+sin、+cos、−sin、−cos信号として示されている。このような信号は、磁場(B)と電流(I)との相互作用から生じるホール電圧(V
H)に基づくものであってもよい。したがって、このような信号の検出により、以下のように表すことができる磁束値H1〜H4を得ることができる:
【0054】
差動読出し時には、信号は、sin信号およびcos信号のように近似することができる。このような信号は、磁気センサに対する磁石の角度変位(A)を計算するのに使用することができる。例えば、次のように量Aを推定することができる:
【0056】
こうして、
図5に示すように、直角位相のsin信号およびcos信号(384、380)の読出しによって、位相角αでリニアと推定可能な磁石の角度変位(A)を得ることができる。このような線形推定は、傾斜ライン382、386および388で示されている。
【0057】
幾つかの状況では、ホールセンサの振幅は、機械的位置ずれ、内部磁場の変化、温度変化、および/または外部磁界といった要因のために、変更されてもよい。しかし、
図5Dに示すように、このような要因は、sin/cos比ではなく信号の振幅に影響を与える可能性がある。したがって、sin/cos比または位相角αによる角度変位の推定の上記例によれば、安定したセンサを得ることができるものとなる。
【0058】
図6A〜
図6Cは、本明細書で説明するように、第2のセンサ104のために実施することができる幾つかの追加機能を示している。
図6Aおよび
図6Cは、ポテンショメータの機能が第2のセンサ104でどのように得ることができるかの例を示している。ここで説明するように、導電性プラスチックコーティングのハイブリッド抵抗巻線型素子のような巻線型素子が、端子「1」、「3」(それぞれ132および130)の間の抵抗素子400として表わされていてもよい。「2」の端子(134)に接続されている摺動接点(スライディング接点)402(
図3の186)は、抵抗素子400に沿って電気的に接触していてもよい。上記のような方式で構成され、端子132と端子134との間の抵抗134はR1のように表すことができ、端子134と端子130との間の抵抗はR2のように表すことができる。R1とR2の値は、摺動接点402がどこに位置しているかに応じて、かつ、R1とR2の和が端子130、132間の抵抗素子400のほぼ総抵抗となるように、反比例の方式で変化することができる。端子134は、コレクタ端子として機能することができ、そして得られたポテンショメータ回路は、例えば分圧器としてのような、多くの方法で利用することができる。このような分圧回路に関連した電圧により、シャフト116が時計回りまたは反時計回りどの程度回転したかの判定が可能となる。そのような情報に基づき、回転数の情報を得ることができる。そのような例はより詳細に本明細書中に記載される。
【0059】
図6Aおよび6Bは、様々な用途に対応するために第2のセンサ104が幾つかの方法で設定することができることを示している。例えば、シャフト116の寸法(一例で直径d1)は選択可能である。別の例では、パネルの取付け(フランジ114で)のような取付けのオプションを実施してもよい。さらに別の例では、ハウジングの直径(d4)、端子取付構造の寸法(d2、d3)、および、端子の向きやサイズ(410、コレクタとエンド端子との間の角度オフセットθ)といった種々の寸法が適宜選択されてもよい。第1のセンサ102(
図6Aおよび6Bに示されていない)がシャフト116の後ろ側に配置されている場合、第2のセンサ104の上記例の構成をほぼ変更しないままとすることもできることに留意されたい。
【0060】
図7は、本明細書に記載する位置検出デバイス100から得ることができる出力信号の一例を示している。信号線500は、第1のセンサ102からの周期的な出力を示し、信号線504は、第2のセンサ104からの出力を表している。いずれも5Vの動作範囲の例で示されているが、他の出力電圧範囲であってもよいことは理解されよう。また、第1のセンサ102および第2センサ104の出力電圧範囲が、同じであってもなくてもよいことも理解されよう。また、10回転(3600°)の例で説明している第2のセンサの動作範囲であるが、他の回転範囲でも実施可能であることは理解されよう。
【0061】
本明細書に記載し、さらに、
図7に示すように、第1センサ102は、所定の回転のための角度位置センサとして構成されたものであってもよい。したがって、そのような10の角度位置の線が10回転に対応し、示されている。6回転(502で示す)のような所定の回転のために、第1のセンサの出力電圧は、回転の360°にわたって0Vから5Vまでほぼ直線的に変化するようになっていてもよい。
【0062】
また、本明細書に記載し、さらに、
図7に示すように、第2センサ104は、その移動範囲内で回転数を判定するための回転センサ104として構成されていてもよい。信号線504は例えばシャフトの回転位置を表すものであってもよく、その回転位置は、一例で、反時計回りの完全位置(例えば0V出力)と、時計回りに完全に10回転(例えば5V出力)した後の位置との間である。本明細書に記載の第2のセンサ104の構成例であるので、出力電圧(ポテンショメータ回路から生じる)とシャフトの回転位置はほぼ線形となり得る。
【0063】
2つの独立したセンサ(102、104)が利用されているので、たとえ2つのセンサのいずれかまたは両方の分解能がそれほど高くなくても、シャフトの絶対位置を非常に高い分解能で測定できることに留意されたい。例えば、角度位置センサ102が、上記のように360°の範囲内で角度の変位値Aをもたらしたと仮定する。さらに、このような角度変位値Aは、例えば14ビットの分解能で測定できると仮定する。このような構成により、任意の回転で、角度位置センサ102により緻密な分解能が提供可能となり、また、回転センサ104は、単にシャフトの回転数を判定するために、比較的低い分解能(例えば4ビット)で構成することができる。
【0064】
上記の例では、角度位置センサ102によって提供される角度当りの分解能は、回転動作の範囲の全範囲(幾つかの状況においては、シャフトの多回転を含み得る)で維持される。したがって、回転カウンタとして動作する回転センサ104が、角度位置センサ102の高分解能との組合せで、回転動作の広い範囲にわたって、高分解能の位置検出デバイスをもたらすことができる。
【0065】
上記の例では、角度位置センサ102は、所定の回転のために14ビットの分解能有するものであってもよく、回転センサ104は、0〜15の回転数を判定するのに十分な4ビットの分解能を有するものであってもよい。各回転の中で、角度位置センサ102は、約0.02°の角度分解能を提供することができる(360/(2
14))。回転センサ104が回転数の情報を提供するので、0〜15の範囲内の任意の回転の角度位置は0.02°の分解能の恩恵を受けることができる。したがって、動きの全範囲のための角度分解能は約0.02のままとなり、0〜15の回転の範囲にわたって包括的に18ビットの角度分解能を効果的にもたらす。
図7の10回転の例の文脈では0.02°の分解能の10回転が、本質的に、約17.5ビットの分解能に相当する180000マイクロステップ(3600/0.02)をもたらす。
【0066】
別の例では、角度位置センサ102が12ビットの分解能を持っていると仮定し、回転センサ104は10回転の範囲で3.25ビットの分解能を有すると仮定する。そして、動きの全範囲のための角度分解能は約0.0879(360/2
12)に維持され、それは、約15.25ビットの分解能に相当する40960マイクロステップをもたらす。
【0067】
上記の高分解能性能とは別に、機能性(回転センサ104による)独立した回転数判定機能(回転センサ104による)によって実現される他の有利な特徴が幾つかある。例えば、たとえ回転センサが高いリニア性(例えば0.25%)を有するものであっても、回転カウンタとしての役割によりリニア性に対する寄与を削除することができる。したがって、もし角度位置センサ102が例えば所定の回転のために0.5%のリニア性を有している場合、10回転(一例)にわたる全体的なリニア性は、0.5%/10、すなわち0.05%と推定することができる。
【0068】
別の例では、位置検出デバイス100の全体的なヒステリシス性能も、独立した回転数判定機能(回転センサ104による)の恩恵を受けることができる。ここでは、機械的バックラッシュの性能が1°以下回転センサ(例えば、ボーンズ3541Hまたは3549H)の例を示しているが、回転センサ104が低分解能の回転数計として利用される場合には、そのようなバックラッシュは必ずしも示されない。したがって、位置検出デバイスのための任意のヒステリシスが、角度位置センサ102によって通常与えられる。幾つかの実施形態では、シャフト116に直接結合された磁石(
図3、
図4の例えば152)により、多くの用途において無視できる程度といえる約0.2°に相当するヒステリシスの角度位置センサ102をもたらすことができる。
【0069】
さらに別の例では、位置検出デバイス100の寿命もまた、独立した回転数判定機能(回転センサ104による)の恩恵を受けることができる。例えば、2000万回転の軸の寿命(高分解能の用途に使用される回転センサの約4倍の寿命である)が実現でき、これは、幾つかの多回転用途での低い分解能のため、出力低下がそれほど重要でないからである。
【0070】
なお、
図2、
図3および
図6A〜6Cを参照して説明した様々な例は、
図1の例の回転センサ104に関連していることに留意されたい。
図8Aに示されるように、より具体的には、そうした回転センサは、一例で、抵抗に関連する測定値に基づく電子回転センサである。
【0071】
また、
図1の回転センサ104は、測定の他のタイプに基づいて行うことができることに留意されたい。
図8Bおよび
図8Cは、幾つかの実施形態において、
図1の回転センサ104は、磁気回転センサ(
図8Bの104)または電磁回転センサ(
図8Cの104)であってもよいことを示している。磁気回転センサ、電磁回転センサの例は、より詳細に本明細書中に記載されている。
図8Bおよび
図8Cの位置検出デバイス100のそれぞれにおいて、角度位置センサ102は、
図2〜
図5および
図7を参照して本明細書に記載の実施例と同様のものであってもよい。したがって、
図8A〜
図8Cの位置検出デバイスは、本明細書に記載されるような望ましい種々の機能を提供することができる。
【0072】
本明細書に記載の目的のために、電磁回転センサは、永久磁石を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
図10〜
図12に関連して本明細書に記載される様々な実施例では、電磁回転センサは、永久磁石を含んでいない。本明細書に記載されるように、このような電磁回転センサは誘導センサとして構成することもできる。
【0073】
図9は、角度位置センサ102および磁気回転センサ104を有する位置検出デバイス10の例を示している。
図9の例では、角度位置センサ102は、
図2〜
図5および
図7を参照して説明した例と同様のものであってもよい。
【0074】
図9の例では、回転シャフト600は、第1の部位602を含むように示されており、その部位602は、取付キャップアセンブリ610内に設けられたブッシング608によって支持されている。回転シャフト600は、第1の部位602から角度位置センサ102の磁石取付構造150に延在する第2の部位606をさらに含むように示されている。磁石取付構造150は、本明細書に記載のように、磁石152を保持するように構成されていてもよい。
【0075】
回転シャフト600の第2の部位606は、磁石ホルダ620に結合され、これにより、同磁石ホルダ620が第2の部位606と一緒に回転することとなり、そして、磁石ホルダ620が第2の部位606に沿って軸方向(長手方向)にスライドするようになっていてもよい。磁石ホルダ620は、さらに、その外周にネジ構造616を含むように示されており、そして、そのようなネジ構造は、ハウジング612の内面に形成された螺旋溝614に噛み合うように寸法決めされ、これにより、磁石ホルダ620と螺旋溝614とのネジ噛合が形成されるようになっていてもよい。したがって、回転シャフト600の回転は、螺旋溝614に磁石ホルダ620のネジ構造616が噛み合うことをもたらし、それにより、磁石ホルダ620が第2の部位606に沿って軸方向(長手方向)にスライドすることとなる。
【0076】
磁石ホルダ620は、さらに、磁石622を保持するような寸法にされることが示されている。このような磁石は、回転シャフト600の回転の軸周りに円筒対称性を有していてもよく、また、長手方向の軸に沿って極を有していてもよい。したがって、リング磁石622は、回転シャフト600の回転に伴って、第2の部位606に対して長手方向に移動することができる。
【0077】
図9の例では、回転シャフト600の第2の部位606は、第1の部位602よりも小さい横方向寸法を有するものであってもよい。横方向の寸法におけるそのような変化により、テーパ部604がもたらされ、そのようなテーパ部の位置は、磁石ホルダ620の移動を制限するように選択されてもよい。
【0078】
図9の例では、磁気センサ626は、磁石622によって生じる1つまたは複数の磁界の要素を検出するように、ハウジング612の一部に設けられることが示されている。磁界626は、長手方向の軸に沿ってまたはその近くに配置されていてもよく、例えば、磁石622の可動範囲の長手方向の中間地点に配置されてもよい。磁気センサ626へのおよび磁気センサ626からの電気的接続は、角度位置センサ102のエンドキャップに設けられた複数の端子628によって促進されていてもよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、磁気センサ626は、磁石622の長手方向の位置を測定することによって回転可能シャフト600の回転数を判定するように構成されていてもよい。そのような判定は、例えば、磁気センサ626の応答と回転数とを測定することで実現されてもよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように、例えば、回転数を判定するために利用されている場合、磁気センサ626によって提供される測定値は高分解能を有する必要はない。幾つかの実施形態では、このような回転数は、回転シャフト600の多回転を含むことができる。
【0080】
幾つかの実施形態では、隔壁624は、角度位置センサ102と磁気回転センサ104とを分割するために設けられていてもよい。そのような隔壁は、2つのセンサ102、104に関する磁界の間の動作において干渉を防止するまたは軽減するための磁気シールド材料を含んでいてもよい。
【0081】
図10は、角度位置センサ102と電磁回転センサ104とを有する位置検出デバイス100の例を示している。
図10の例において、角度位置センサ102は、
図2〜
図5および
図7を参照して説明したものと同様であってもよい。
【0082】
図10の例では、回転シャフト650は、キャップ取付アセンブリ656によって支持される第1の部位652を含むことが示されている。回転シャフト650は、また、第1の部位652から角度位置センサ102の磁石取付構造150に延びる第2の部位654を含むことが示されている。磁石取付構造150は、本明細書で説明するように磁石152を保持するように構成されていてもよい。
【0083】
回転シャフト650の第2部位654は、シャフト650の回転時に、ターゲットホルダ664が軸方向に移動できるように、ターゲットホルダと664にネジ結合するようになっていてもよい。ターゲットホルダ664は、
図10の例では、ワッシャ状の構造を有し、金属ターゲット666を保持するように寸法決めされていてもよい。これにより、金属ターゲット666は、シャフト650の回転時に、軸方向に移動することができる。
【0084】
図10の例では、コイルアセンブリ668が、回転シャフト650の第2の部位654の軸方向の一端またはその付近に設けられていることが示されている。このようなコイルアセンブリは、例えば、基板層上の金属線の巻線を含んでいてもよい。巻線は、インダクタとして機能するように端子を含んでいてもよい。本明細書に記載されるように、このようなインダクタに提供されるAC信号によって、金属ターゲット666上で生じる渦電流との誘導結合によるインピーダンスの検出可能な変化がもたらされることとなる。インピーダンスのこのような変化は、金属ターゲット666と金属線の巻線との間の距離に依存する。従って、金属ターゲット666の軸方向の位置を測定することができる。また、回転シャフト650の回転数は、そのような測定値の計測に基づいて取得することができる。
【0085】
図10の例では、回路アセンブリ670が、ハウジング壁660の内部に設けられていることが示されている。そのような回路アセンブリは、例えば上記した巻線のインピーダンス変化の測定に基づく回転数検出を行う集積回路672を含んでいてもよい。回路アセンブリは、また、巻線にAC信号を与えるように構成されていてもよい。回路アセンブリ670からのおよび同アセンブリへの電気接続は、角度位置センサ102のエンドキャップに設けられた複数の端子674によって促進されてもよい。
【0086】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように回転数の判定のために利用される場合、
図10の上述の誘導センサにより与えられる測定値は、高分解能を有する必要はない。幾つかの実施形態では、そのような回転数は、回転シャフト650の多回転を含むものであってもよい。
【0087】
図11は、角度位置センサ102と電磁回転センサ104を有する位置検出デバイス100の例を示している。
図10の例では、角度位置センサ102は、
図2〜
図5および
図7を参照して説明したものと同様であってもよい。電磁回転センサ104は、
図10の例と同様に誘導結合に基づくものであってもよいが、しかし、回転シャフトの機構上の態様と回転伝達が異なっている。
【0088】
より具体的には、
図11の例では、回転可能シャフト700は、クラッチ機能を提供するように設けられていてもよい。回転シャフト700は、取付キャップアセンブリ736によって支持される第1の部位702を含むように示されている。回転シャフト700は、結合部材708を介して第2の部位712に結合されるように示されており、この結合部材708は、第1の部位702を受けるように寸法決めされた第1の開口部706を含んでいてもよい。結合部材708は、さらに、第2の部位712の一端を受けるように寸法決めされた第2の開口部710を含んでいてもよい。第2の部位712の他端は、角度位置センサ102の磁石取付構造150へと延びるように示されている。磁石取付構造150は、本明細書で説明するように磁石152を保持するように構成することができる。
【0089】
図11の例では、第1の開口部706の内部に入る第1の部位702の一部は、第1の部位702が結合部材708の第1の開口部内で確実に保持されるように、対応するOリング(複数可)のための1つまたはそれ以上の溝を含んでいてもよい。第2の開口部710の内部に入る第2の部位712は、例えば、第2の部位712と第2の開口部710の摩擦嵌めが可能となるような、寸法を有していてもよい。そのような摩擦嵌めは、所定の状況下で、一方が他方にスリップして回転することを可能にする。例えば、回転シャフト700が軸方向の移動位置(例えばターゲットホルダー726)の動作範囲を超えて回転しようとした場合、そうした動きを抑制するためクラッチ方式でスリップが起こることができる。
【0090】
図11の例では、結合部材708は、ターゲットホルダ724が結合部材708と一緒に回ることとなり同ホルダが結合部材に沿って軸方向にスライドするように、ターゲットホルダ724に結合されていてもよい。ターゲットホルダ724は、その外周にネジ機構722を含むように示されており、そのネジ機構は、ハウジング718の内面に画定された螺旋溝720と噛み合い、ターゲットホルダ724と螺旋溝720との間のネジ係合が形成されるように、寸法決めされていてもよい。こうして、回転シャフト700の回転により、ターゲットホルダ724のネジ機構722が螺旋溝720に噛み合うこととなり、そして、ターゲットホルダ724が結合部材708に沿って軸方向にスライドすることが引き起こされる。
【0091】
ターゲットホルダ724は、
図11の例では、金属ターゲット726を保持するように寸法決めされていてもよく、金属ターゲット726は、結合部材708の周りに嵌まるような寸法のワッシャ状構造を有するものであってもよい。したがって、シャフト700の回転時、金属ターゲット726がターゲットホルダ724と一緒に軸方向に移動できるものとなる。
【0092】
図11の例では、コイルアセンブリ728は、角度位置センサ102と電磁回転センサ104とを略仕切る隔壁714に設けられていることが示されている。そのようなコイルアセンブリは、例えば、基板層上の金属線の巻線を含んでいてもよい。巻線は、インダクタとして機能するように端子を含んでいてもよい。本明細書に記載されるように、そのようなインダクタに与えられるAC信号により、金属ターゲット726に生じる渦電流への誘導結合によるインピーダンスの検出可能な変化を引き起こすことができる。インピーダンスのそのような変化は、金属ターゲット726と金属線の巻線との間の距離に依存する。したがって、金属ターゲット726の軸方向の位置を測定することができる。また、回転シャフト700の回転数はそのような測定値の計測に基づいて取得することができる。
【0093】
図11の例において、上記の誘導測定動作のための回路アセンブリは、位置検出デバイス100内に設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、導体によって巻線と複数の端子732との間の電気的接続が提供されてもよく、また、計測処理が、位置検出デバイス100の外部で行われてもよい。他の例では、そのような計測処理を行う回路がエンドキャップ730に設けられていてもよい。そのような回路は、例えば、測定された巻線のインピーダンス変化に基いて回転数の上記判定を行うように構成されていてもよい。
【0094】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるように、例えば、回転数を判定するために利用される場合、
図11の誘導センサによって提供される測定値は高い分解能を有する必要はない。幾つかの実施形態では、このような回転数は、回転シャフト700の多回転を含むことができる。
【0095】
図12Aは、
図10、
図11の例で利用することができる誘導センシング構造の分離図である。本明細書に記載されるように、そのようなセンシング構造は、金属ターゲット750(
図10の666、
図11の726)およびコイル752(
図10の668、
図11の728)を含んでいてもよい。
図12Aの側面図に示すように、金属ターゲット750とコイル752とは距離dだけ離れていてもよい。本明細書に記載されるように、そのような分離距離は、シャフト(
図12Aには示されていない)の回転によって長手方向に変化させることができる。
【0096】
距離dで、金属ターゲット750とコイル752の間の誘導結合の量を判定することができる。そのような誘導結合は、
図12Bの回路として表すことができる。より具体的には、金属ターゲット750に表されるLR回路762のノード764、766の間にAC信号が与えられると、金属ターゲット750に表されるLRループ760に渦電流が生じることとなる。したがって、LRループ760とLR回路762の誘電結合分は、距離dで変化するインピーダンスRをもたらすトランスとしてモデル化することができる。Rにおけるそのような変化は、例えば、コイルのLC回路を形成する、および、回転センサ104の消費電力を低減するために共振インピーダンスを測定するといった幾つかの方法で測定することができる。
【0097】
本開示は、様々な特徴について説明しており、それらの1つが単独で重要であるというものではない。当業者には明らかであるように、本明細書で説明する様々な機能は、組み合わされ、変更、または省略されてもよいことが理解されるであろう。本明細書に具体的に記載されたもの以外の組合せおよびサブコンビネーションも当業者には明らかであり、この開示の一部を形成することを意図している。種々のフローチャートのステップおよび/またはフェーズと関連付けて色々な方法について本明細書で説明している。多くの場合、特定のステップおよび/またはフェーズは、フローチャートの複数のステップおよび/またはフェーズが単一のステップおよび/またはフェーズで実行されるように、組み合されてもよいことが理解されよう。また、特定のステップおよび/またはフェーズを別々に実行される追加のサブ部品に分割することができる。幾つかの例では、ステップおよび/またはフェーズの順序を再配列することができ、また、特定のステップおよび/またはフェーズが完全に省略されてもよい。また、本明細書に記載した方法は、本明細書に示され記載されたものに追加のステップおよび/またはフェーズも行うことができるように、オープンエンドのものであると理解されるべきである。
【0098】
本明細書で説明されるシステムおよび方法の幾つかの態様は、有利には、例えば、コンピュータソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはコンピュータソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアの任意の組合せを用いて実現できる。コンピュータソフトウェアは、実行時に本明細書に記載の機能を行う、コンピュータ実行可能コード、コンピュータ可読媒体(例えば非一時的なコンピュータ可読媒体)に格納されたもの、を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、コンピュータ実行可能コードは、1つまたは複数の汎用コンピュータプロセッサによって実行される。当業者であれば本開示に照らして次のことを理解するであろう:汎用コンピュータ上で実行されるソフトウェアを用いて実施することができる任意の特徴または機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの様々な組合せを使用して実施できるということ。例えば、そのようなモジュールは、集積回路の組合せを使用するハードウェアに完全に実装されたものであってもよい。代替的にまたは追加的に、このような特徴や機能ではなく、汎用コンピュータによって本明細書に記載の特定の機能を実行するように設計された特殊なコンピュータを使用して、完全にまたは部分的に実施することができる。
【0099】
複数の分散コンピューティングデバイスが、本明細書に記載のいずれかのコンピューティングデバイスの代わりに使用されてもよい。このような分散型の実施形態において、1つのコンピューティングデバイスの機能が、分散コンピューティングデバイスの各々でそれぞれの機能が実施されるように、(例えば、ネットワークを介して)分散される。
【0100】
幾つかの実施形態は、式、アルゴリズム、および/またはフローチャート図を参照して説明することができる。これらの方法は、1つまたは複数のコンピュータ上で実行可能なコンピュータプログラム命令を使用して実施することができる。これらの方法は、別々の、または、装置やシステムの構成要素のようなコンピュータプログラム製品として実装されてもよい。この点、各式、アルゴリズム、ブロック、フローチャートのステップ、およびこれらの組合せは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはコンピュータ可読プログラムコードロジックに実装された1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアによって実現され得る。理解されるように、そのようなコンピュータプログラム命令は、コンピュータプログラム命令によりそうしたコンピュータやプログラム可能な処理装置が上記式、アルゴリズム、および/またはフローチャートに指定された機能を実現するように、汎用コンピュータまたは専用コンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置を含むがこれに限定されない1つまたは複数のコンピュータにロードされてもよい。また、フローチャート図に示される各式、アルゴリズム、および/またはブロック、さらにそれらの組合せが、特殊目的のハードウェアベースコンピュータシステム(特殊な機能またはステップを行う)、または、特殊目的のハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードロジック手段との組合せで実施されてもよい。
【0101】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードロジックに実装されたもののようなコンピュータプログラムの命令が、コンピュータ可読メモリ(例えば非一時的なコンピュータ可読媒体)に格納されてもよく、このコンピュータ可読メモリは、1つまたは複数のコンピュータ、または、他のコンピュータプログラム可能な処理装置に、コンピュータ可読媒体に格納された指示がフローチャートのブロックで具体化される機能を実施できるように、特定の方法で、機能を指示するものであってもよい。コンピュータプログラム命令はまた1つもしくは複数のコンピュータまたは他のプログラム可能なコンピューティングデバイスにロードされ、その1つまたは複数のコンピュータまたは他のプログラム可能なコンピューティングデバイスで実施される一連の動作ステップを生じさせ、そして、コンピュータで実施されるプロセスが作成るようになっていてもよく、これにより、コンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置で実行される命令が、上記式、アルゴリズム、および/またはフローチャートのブロックで特定される機能を実行するためのステップを提供することとなる。
【0102】
本明細書に記載する方法およびタスクの一部または全部は、コンピュータシステムによって完全に自動化することができる。コンピュータシステムは、幾つかのケースでは、複数の異なるコンピュータまたはコンピューティングデバイス(例えば、物理的なサーバ、ワークステーション、ストレージアレイ等。説明した機能を実行するために通信しネットワーク上で相互運用する)を含むことができる。そのようなコンピューティングデバイスは、典型的には、メモリまたは他の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体または装置に格納されたプログラム命令またはモジュールを実行するプロセッサ(または複数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示される種々の機能はプログラム命令で実施することができるが、開示された機能の一部または全ては、代替的に、コンピュータシステムのアプリケーション特有の回路(例えば、ASICのかのFPGA)で実装することができる。コンピュータシステムが複数のコンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは、必須ではないが、同じ場所に配置されていてもよい。開示された方法およびタスクの結果は、固体メモリチップおよび/または磁気ディスクのような物理的な記憶装置を異なる状態に形質転換することによって、持続的に格納されてもよい。
【0103】
文脈で明確に必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、単語「備える」「備えている」などは、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきである、すなわち「含む」という意味であるが、それに限定されない。一般的に本明細書で使用される、「結合」という用語は、2つ以上の要素が直接接続される、または、1つ以上の中間要素を介して接続されることを意味する。また、単語「ここで」、「上記の」、「下記の」、および類似の語句は、本出願において使用される場合、全体と、本出願の任意の特定の部分ではなく全体を指す。ここで、文脈が許すところで、単数形または複数形による明細書の単語は、それぞれ、複数または単数を含むことができる。2つまたはそれ以上の項目のリストを参照する単語「または」は以下の解釈のすべてを包含する:リスト内の項目のいずれかを含む、リスト内のすべての項目を含む、および任意の組合せを含む。「例示的」という語は、「例、事例、または例示として役立つもの」の意味で排他的に使用される。本明細書中で使用される「例示的」として記載の任意の実用は、必ずしも、好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0104】
本開示は、本明細書に示す実装形態に限定されるものではない。本開示に記載の実施形態に対する様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書中で定義された一般的な原理は、本開示の意義または範囲から逸脱することなく、他にも適用することができる。本明細書で提供される本発明の教示は、上記の方法およびシステムに限定されるものではなく、他の方法およびシステムに適用可能であり、上述の様々な実施形態の要素およびステップはさらなる実施形態を提供するために組み合わせることができることができる。したがって、本明細書に記載の新規な方法およびシステムは、他の様々な形で実施することができる。さらに、種々の省略、置換、および本明細書に記載の方法およびシステムの形態の変化は、本発明の意義から逸脱することなく、行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の意義の範囲内に入るであろう形態または修正を含むことを意図している。