(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のルール金型において、前記少なくとも一の細長ルールの全長にわたって、直径0.4mm以上のバブルのバブルコンテンツが、1メートルあたり最大2バブルあることを特徴とするルール金型。
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のルール金型において、前記ベース表面が、前記第1の幅を少なくとも0.1mm超える第2の幅を有することを特徴とするルール金型。
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のルール金型において、前記金型ベースの表面が、フィルムの広い表面であって、当該フィルムが25ないし500マイクロメートルの厚さであることを特徴とするルール金型。
【発明の概要】
【0004】
本発明の教示によれば、カードボードワークピース面の圧力接触用ルール金型が提供されており、この金型は:(a)金型本体と;(b)少なくとも一の細長ポリマールールであって、(i)金型本体の表面に接着剤で取り付けた第1の細長ベース面と;(ii)細長突出部であって、金型本体から遠位側に突出する細長突出部を具え、この細長突出部が細長金型面を有しており、この細長金型面が、ポリマー材料を含み、細長金型表面がワークピース面に接触するように構成された接触面を具え;接触面は少なくとも長さ5mm、第1の幅(W)が0.4ないし1.0mmであり、ルールは高さ(H)が約1.0ないし4.5mmであり;接触面の全長にわたり、接触面が1メートル当たり最大5個の面小孔を有し、これらの小孔の径が約0.1mmである。
【0005】
本発明の別の態様によれば、圧力接触カードボードワークピース面用のルール金型が提供されており、このルール金型は:(a)金型ベースと;(b)少なくとも一の細長ルールを具えており、各ルールが:(i)金型ベースの表面に接着剤で取り付けた第1の細長ベース面と;(ii)金型ベースから遠位側に突出する細長突出部を具え、この細長突出部が細長金型表面を有しており、細長金型表面がポリマー材料を含んでいる。細長金型面は、ワークピース面に接触するように構成した接触面を具え、接触面は長さ約5mmで、ルールは以下の寸法のうちの少なくとも一つを有する。(1)第1の幅Wが、0.4ないし0.65mmの範囲であって、ルールの高さHが1.0ないし4.5mmの範囲にある;(2)第1の幅Wが0.4ないし0.65mmの範囲であって、高さHが、H対Wの比が0.2ないし0.8の範囲にある;(3)25℃における歪−応力(ε−σ)特性が以下の内の少なくとも一つである:降伏点応力が1.4ないし5.1MPaの範囲にある;降伏点歪が0.18ないし1.65%の範囲にある;ヤング率が290ないし710MPaの範囲にある;最大負荷応力が2.8ないし26MPaの範囲にある;破断点歪が約2.8ないし52%の範囲にある;および破断点への累積エネルギィが0.14ないし1.6Jの範囲にある;(4)標準的な変形手順にしたがって、ルール金型によって生じる標準的クリースが、最大0.65の平均折りたたみ力比を示す;及び(5)標準的な変形手順に従って、細長ルールが最大0.6の変形非対称性を示す。
【0006】
本発明の更なる態様によれば、前ポリマーフォーミュレーションが提供されており、これは:(a)少なくとも一の前ポリマーと;(b)この前ポリマーをポリマー化するように選択されたアクティベータであって、前ポリマーと混合されるアクティベータを具える。
【0007】
本発明の更なる態様によれば、基板上に前ポリマーフォーミュレーションを書き込んでポリマールール金型を製造する方法が提供されており、この方法は:(a)キャニスタ内に前ポリマーフォーミュレーションを提供するステップであって、このフォーミュレーションが(i)少なくとも一の前ポリマーと;(ii)この前ポリマーをポリマー化するよう選択された光開始剤と;(iii)増粘剤と;を具えるステップと;(b)キャニスタから基体へフォーミュレーションを押し出して、少なくとも一の未硬化細長ルールを形成するステップと;(c)基体上の未硬化細長ルールを硬化させてポリマールール金型を形成するステップであって、ルール金型が長さ5mmの少なくとも一の硬化細長金型を具え、キャニスタ内の前ポリマーフォーミュレーションのガス濃度が十分に低く、以下の構造特徴の少なくとも一つが達成されるステップ:(1)硬化細長ルールの接触面の全長にわたり接触面が1m当たり最大5つの表面ポックを有し、この表面ポックが直径0.1mm以上である;及び(2)硬化細長ルールの全長にわたって、直径0.4mm以上のバブルのバブルコンテントが1m当たり最大2バブルである;とを具える。
【0008】
好ましい実施例における更なる特徴によれば、このフォーミュレーションは25℃で、以下の流動学的特性を有する:
(i) G’
rest>3000Pascal(Pa)
(ii)G’は、300Paの応力振動に20秒間さらしたのち、少なくとも2,500Paの値を示し、7秒以内のこの応力の急激な緩和では、G’はフォーミュレーションの貯蔵率である。G’
restは、静止時、40Paの圧力における、フォーミュレーションの貯蔵率である。
【0009】
本発明の更なる態様によれば、ルール金型を製造する前ポリマーフォーミュレーションが提供されており、このフォーミュレーションは:(a)少なくとも一の前ポリマーと;(b)この前ポリマーをポリマー化するよう選択された光開始剤と;(c)増粘剤と;を含み、光開始剤と増粘剤は前ポリマーと混合されて、フォーミュレーションは、25℃で、以下の流動学的特性を有する。
(i) G’
rest>3000Pascal(Pa)
(ii)G’は、300Paの応力振動に20秒間さらしたのち、少なくとも2,500Paの値を示し、7秒以内のこの応力の急激な緩和では、G’はフォーミュレーションの貯蔵率である。G’
restは、静止時、40Paの圧力における、フォーミュレーションの貯蔵率である;
フォーミュレーションは、以下の構造的特性の少なくとも一つを満足している。
(1)フォーミュレーションの標準的硬化の後、及び標準的変形プロセスの後、ルール金型が最大で0.6の変形非対称性を示す;
(2)フォーミュレーションの標準的硬化の後、及び標準的変形プロセスの後、ルール金型によって生じる標準的なクリースが、最大0.65、最大0.62、最大0.60、最大0.59、最大0.58、最大0.57、あるいは最大0.56の折りたたみ力比を示す。
(3)フォーミュレーションは、ベースライン密度ρ
baselineと、バルク密度ρ
bulkと、微分密度Δρを有し、この微分密度は:
Δρ =ρ
baseline −ρ
bulk
で定義される:
差動密度は少なくとも0.01である;
(4)硬化したフォーミュレーションは、フォーミュレーションの標準的硬化によって得られ、硬化したフォーミュレーションは25℃で、以下の歪−応力(ε−σ)特性の少なくとも一つを有する:
(i) 1.4から5.1MPaの範囲の降伏点応力
(ii)0.18から1.65%の範囲の降伏点歪
(iii)290から710MPaの範囲のヤング率
(iv)2.8から26MPaの範囲の最大負荷における応力
(v) 2.8から52%の範囲の破断点歪
(vi)0.14から1.6Jの範囲の破断点までの累積エネルギィ
(5)三次元ネットワークフォーマを含む増粘剤。
【0010】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、各ルールが押し出し成型品である。
【0011】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、ベース表面が第1の幅を少なくとも0.1mm超える第2の幅を有する。
【0012】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の細長ルールが複数の細長ルールを具える。
【0013】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、細長ルールの全長にわたり、直径約0.4mmのバブル容量のバルブが、1メートルあたり最大2バブル、1メートルあたり最大1.5バブル、1メートルあたり最大1バブル、1メートルあたり最大0.7バブル、1メートルあたり最大0.5バブル、1メートルあたり最大0.4バブル、あるいは、1メートルあたり最大0.3バブル、ある。
【0014】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、標準変形手順に続いて、細長ルールは、最大0.55、最大0.4、最大0.3、最大0.25、最大0.2、最大0.15、最大0.10、あるいは、最大0.05の変形非対称性を示す。
【0015】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、ルール金型に実行した標準変形手順に続いて、ルール金型で作られるクリースは、最大0.64、最大0.62、最大0.60、最大0.59、最大0.58、最大0.57、最大0.56、及び典型的には、少なくとも0.40、少なくとも0.42、少なくとも0.44、少なくとも0.46、少なくとも0.48、あるいは少なくとも0.50の平均折りたたみ力比を示す。
【0016】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、標準変形手順に続いて、ルール金型によってできた標準クリースが、0.40ないし0.64、0.40ないし0.62、0.40ないし0.60、あるいは0.40ないし0.58の範囲内で平均折りたたみ力比を示す。
【0017】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、接触面の全長にわたり、接触面は1メートル当たり最大4.5ポック、1メートル当たり最大4ポック、1メートル当たり最大3ポック、1メートル当たり最大2ポック、1メートル当たり最大1.5ポック、あるいは、1メートル当たり最大1ポック、1メートル当たり最大0.8ポック、1メートル当たり最大0.6ポック、1メートル当たり最大0.4ポック、1メートル当たり最大0.3ポック、を有し、このポックは直径0.1mm以上である。
【0018】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、細長ルール又は、このフォーミュレーションの標準的硬化によって得られた硬化フォーミュレーションは、25℃において以下の歪−応力(ε−σ)特性の少なくとも一つを有する:(i)1.4ないし5.1MPaの範囲の降伏点応力;(ii)0.18ないし1.65%の範囲の降伏点歪;(iii)290ないし710Mpaの範囲のヤング率;(iv)2.8ないし26MPaの範囲の最大負荷における応力;(v)2.8ないし52%の範囲の破断点歪;及び(vi)0.14ないし1.6Jの範囲の破断までの累積エネルギィ。
【0019】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、ヤング率が290ないし710Paの範囲にあり、破断点歪が、2.8ないし52%の範囲にある;より好ましくは破断点歪が13ないし30%の範囲にある;さらに好ましくは、ヤング率が290ないし600MPあの範囲にあり、破断点歪が16ないし26%の範囲にある。
【0020】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、接触表面は、少なくとも長さ5mm、第1の幅Wが0.4ないし0.65mmの範囲であり、ベース表面は、第1の幅を少なくとも0.1mm超える第2の幅を有し、ルールが1.0ないし4.5mmの範囲の高さHを有する。
【0021】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、第1の幅の範囲は0.4ないし0.62mm、0.4ないし0.60mm、0.4ないし0.58mm、0.4ないし0.56mm、0.4ないし0.54mm、0.4ないし0.52mm、0.4ないし0.50mm、0.4ないし0.48mm、または、0.4ないし0.46mmである。
【0022】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、高さの範囲は、1.2ないし4.5mm、1.4ないし4.5mm、1.6ないし4.5mm、1.7ないし4.5mm、1.8ないし4.5mm、1.2ないし4mm、1.2ないし3.5mm、1.2ないし3mm、1.2ないし2.5mm、1.2ないし2mm、1.2ないし1.8mm、又は1.2ないし1.6mmである。
【0023】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、W対Hの比は、0.2乃至0.75、0.2ないし0.7、0.2ないし0.65、0.2ないし0.6、0.2ないし0.55、0.2ないし0.5、0.2ないし0.45、0.25ないし0.6、0.3ないし0.6、0.3ないし0.55、又は0.3ないし0.5である。
【0024】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、ルール金型は、少なくとも55、少なくとも57、少なくとも60、少なくとも62、少なくとも64、少なくとも66、少なくとも68、少なくとも70、少なくとも72、少なくとも74、あるいは少なくとも76、また典型的には、最大90、最大88、最大86、あるいは最大84のショアD硬度を示す。
【0025】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、金型ベースの表面は、フィルムの広い面を具え、このフィルムは厚さが25ないし500マイクロメートルである。
【0026】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フィルムの厚さが、少なくとも40マイクロメートル、少なくとも60マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも150マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも250マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも350マイクロメートル、あるいは少なくとも400マイクロメートルである。
【0027】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フィルムの厚さが、最大450マイクロメートル、最大400マイクロメートル、最大350マイクロメートル、あるいは最大300マイクロメートルである。
【0028】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フィルムがポリマーフィルムあるいは金属フィルムである。
【0029】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーション内の三次元ネットワークフォーマの濃度が、5ないし30重量%、7ないし30重量%、8ないし30重量%、8ないし25重量%、又は8ないし22重量%である。
【0030】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、密度差が少なくとも0.015、少なくとも0.02、少なくとも0.025、少なくとも0.03、少なくとも0.04又は少なくとも0.05である。
【0031】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、チキソトロピック剤を含む、主に含む、又はチキソトロピック剤からなる。
【0032】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、前ポリマーと増粘剤が、G’が、緩和の5秒以内に、4秒以内に、3秒以内に、2秒以内に、1秒以内に、0.5秒以内に、0.3秒以内に、0.1秒以内に、0.02秒以内に、又は0.005秒以内に、25℃で少なくとも2,500Paの値に到達する。
【0033】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーションが、動きが小さくなる緩和の後、G’の値が、緩和の5秒以内に、4秒以内に、3秒以内に、2秒以内に、又は1秒以内に、25℃で少なくとも2,500Paの値に増える構造特性を有するチキソトロピックフォーミュレーションである。
【0034】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、この値が、25℃で、少なくとも2,750Pa、少なくとも3,000Pa、少なくとも3,250Pa、少なくとも3,500Pa、少なくとも3,750Pa、少なくとも4,000Pa、少なくとも4,250Pa、少なくとも4,500Pa、少なくとも4,750Pa、少なくとも5,000Pa、少なくとも5,500Pa、少なくとも6,000Pa、少なくとも7,000Pa、少なくとも8,000Pa、少なくとも9,000Pa、少なくとも10,000Pa、少なくとも11,000Pa、又は少なくとも12,000Paである。
【0035】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、G’restが、応力振動の間に、G’を、少なくとも100Pa、少なくとも200Pa、少なくとも300Pa、少なくとも500Pa、少なくとも1,000Pa、少なくとも1,500Pa、少なくとも2,000Pa、少なくとも3,000Pa、少なくとも5,000Pa、少なくとも7,000Pa、少なくとも10,000Pa、少なくとも20,000Pa、又は少なくとも50,000Pa超える。
【0036】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、前ポリマーが熱硬化性前ポリマーである。
【0037】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の前ポリマーが、アクリル、ビニル、チオール、及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも一の官能基を有するモノマー又はオリゴマーを含む。
【0038】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーションが少なくとも一の重合防止剤を含む。
【0039】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、この防止剤がグリセロールを含む。
【0040】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、この防止剤がプロポキシル化グリセロールを含む。
【0041】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、この防止剤がベンゾフェノンを含む。
【0042】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、アモルファスシリカを含む、主に含む、又はアモルファスシリカからなる。
【0043】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、ヒュームドアモルファスシリカを含む、主に含む、又はヒュームドアモルファスシリカからなる。
【0044】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、5ないし30%、6ないし30%、7ないし30%、8ないし30%、8ないし25%、又は8ないし22%の三次元ネットワークフォーマーを含む。
【0045】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、5ないし30%、6ないし30%、7ないし30%、8ないし30%、8ないし25%、8ないし22%、9ないし25%、9ないし22%、9ないし20%、9ないし18%、9ないし16%、10ないし16%、又は11ないし16%のアモルファスシリカを含む。
【0046】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の前ポリマーが少なくとも一のアクリル酸を含んでおり、フォーミュレーションがその27ないし86%、31ないし84%、34ないし81%、37ないし79%、41ないし76%、45ないし79%、48ないし79%、52ないし79%、56ないし79%、59ないし79%、又は62ないし79%をふくんでいる。
【0047】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一のアクリル酸が、アクリル酸イソボリニルと、脂肪族メタクリル酸ウレタンを含む。
【0048】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーションがさらに、アクリル酸オリゴアミン樹脂を含む。
【0049】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、アクリル酸オリゴアミン樹脂の濃度が、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも8%、又は少なくとも9%である。
【0050】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、アクリル酸オリゴアミン樹脂の濃度が、最大25%、最大21%、最大18%、最大16%、又は最大14%である。
【0051】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーションの標準的な硬化によって製造したルール金型が、少なくとも55、少なくとも57、少なくとも60、少なくとも62、少なくとも64、少なくとも66、少なくとも68、少なくとも70、少なくとも72、少なくとも74、少なくとも76、及び、典型的には、最大90、最大88、最大86、最大84又は最大82のショアD硬度を示す。
【0052】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、フォーミュレーションを標準的な硬化によって製造したルール金型によって製造した標準クリースが、最大0.65、最大0.62、最大0.60、最大0.59、最大0.58、最大0.57、最大0.56、及び典型的には、少なくとも0.40、少なくとも0.42、少なくとも0.44、少なくとも0.46、少なくとも0.48又は少なくとも0.50の平均折りたたみ力比を示す。
【0053】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の前ポリマーが、少なくとも一のオリゴマーを含む。
【0054】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の前ポリマーが少なくとも一のモノマーを含む。
【0055】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、少なくとも一の前ポリマーが少なくとも第2のオリゴマーを含む。
【0056】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、硬化フォーミュレーションを標準硬化させてフォーミュレーションを製造した後の、硬化フォーミュレーションのガラス転移温度が、30−80℃、40−70℃、50−65℃、又は50−60℃の範囲内にある。
【0057】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、増粘剤が、三次元ネットワークフォーマーを含む、主に含む、又は三次元ネットワークフォーマーからなる。
【0058】
好ましい実施例の更なる特徴によれば、ネットワークフォーマーが、シリカを含む、主に含む、又はシリカからなる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明によるポリマールール金型技術の原理と作用は、添付の図面と説明を参照してより理解できる。
【0062】
本発明は、図面を参照して例示によってのみ記載されている。図面を詳細に参照して、図に示す詳細が例示であり、本発明の好ましい実施例を説明するためのものであるとともに、発明の原理及び概念的態様の記載を容易に理解するのに最も有益であると考えられるものを提供するように記載されていることを強調する。この点において、発明の基本的な理解に必要である以上により詳細に発明の構造的細部を示すことは意図しておらず、図面を伴う記載は、本発明のいくつかの形状をどのようにして実際に実施できるかを当業者に明らかにするものである。図面を通じて、同様の符号が同様の要素を示すのに使用されている。
【0063】
本発明の少なくとも一の実施例を詳細に説明する前に、本発明の適用範囲が以下の記載にある、又は図面に記載した構成要素の構造の詳細及び配置に限定されていないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施例が可能であり、あるいは、様々な方法で実行することができる。また、本明細書で使用したフレーズや用語は、説明のためのものであり、限定するものではないことを理解するべきである。
【0064】
図面を参照すると、
図1は、金型ベース120の広い表面122に接着剤で取り付けた細長い表面112を有する少なくとも一の細長ルール110を有するルール金型100の断面図である。細長ルール110は、金型ベース120から遠位方向に突出した細長突出部114を有しており、この細長突出部114は細長金型表面116を有する。通常、細長ルール110、特に、細長金型表面116は、主に、少なくとも一のポリマー材料を含んでいる。
【0065】
細長突出部114は、金型ベース120に直接接着してもよい。いくつかの実施例では、細長表面112が細長金型表面116よりかなり広く、細長ルール金型ベース118の一部を形成している。細長ルール110は、細長突出部114と細長ルール金型118の間をつなぐテーパ形状部分119を有する。いくつかの実施例では、テーパ形状部分119が非常に小さいか、存在せず、細長突出部114と細長ルールベース118が、90°、±15°、±10°、±7°、±5°又は±3°の角度αで接触している。通常この角度は少なくとも90°である。
【0066】
図1Aに提供されているルール金型100の横方向断面から、細長ルール110の金型表面116の長さ(Lr)がルールの高さ、Hrよりかなり高いことがわかる。
【0067】
図1を参照すると、ルールの幅(Wr)は、このコンタクトあるいは金型表面116に接近しており(ルール「先端」に向けて)、Hrの一部であってもよい。いくつかの実施例では、WrとHrの比が0.2ないし0.8、0.2ないし0.75、0.2ないし0.7、0.2ないし0.6、0.2ないし0.5、0.2ないし0.45、0.2ないし0.35,0.2ないし0.32、0.2ないし0.3、0.25ないし0.38、0.25ないし0.36、あるいは0.28ないし0.38の範囲内にある。
【0068】
いくつかの実施例では、金型表面116の長さLrが、少なくとも5mm、少なくとも7mm、あるいは少なくとも10mmである。
【0069】
いくつかの実施例では、幅(Wr)が最大0.65mmであり、通常、0.35ないし0.65mm、0.4ないし0.65mm、0.42ないし0.65mmあるいは0.45ないし0.65mmの範囲内にある。
【0070】
いくつかの実施例では、細長表面112が、ベース幅Wbが、Wrを、少なくとも0.1mm以上であり、より典型的には、少なくとも0.20mm、少なくとも0.25mm、あるいは少なくとも0.5mm以上であり、通常は、最大2mm、最大1.8mm、最大1.6mm、最大1.5mmあるいは最大1.4mmである。
【0071】
いくつかの実施例では、WbとWrの比が、最大3.5、最大3.2最大3.0、最大2.8、あるいは最大2.6である。
【0072】
いくつかの実施例では、Hrが1ないし4.5mm、1.7ないし4.5mm、1.8ないし4.5mm、1.9ないし4.5mm、2ないし4.5mm、2.2ないし4.5mm、あるいは3ないし4.5mmの範囲内にある。
【0073】
いくつかの実施例では、細長突出部114の高さHpが、0.8ないし4.5mm、1.0ないし4.5mm、1.4ないし4.5mm、1.6ないし4.5mm、1.8ないし4.5mm、1.9ないし4.5mm、2ないし4.5mm、2.2ないし4.5mm、2.5ないし4.5mm、あるいは3ないし4.5mmの範囲内にある。
【0074】
発明者らは、接触面の幅(Wr)が0.7mm以下であるものは知られていないと考えている。同様に、WbとHrの低比も知られていない。本明細書及び特許請求の範囲で使用しているとおり、用語「接触面の幅」、「コンタクトあるいは金型表面116に接近するルールの幅」、「Wr」およびこのようなものは、0.3mmのルール先端のルールの最大幅を意味する。
【0075】
理論にとらわれることなく、発明者らは、回転力と共にルールが接触面に送達される高圧に、多くの場合、多くのその他の制約と共に、耐える必要が、このような寸法のルールの出現を除外する多くのその他の制約(この多くが後述される)と組み合わされると、考える。
【0076】
図2は、
図1に示すルール金型100と機能的に同様である、あるいは同一のルール金型205を具える、例示的な表面装着ルール金型システム200を示す部分断面図である。一般的にルール金型205の反対側で、細長金型表面216の反対側に配置されているのは、カウンター金型240であり、これは、細長金型表面216に対向する広いカウンター金型表面242を有する。
【0077】
カウンター金型240は、多層であってもよい。
図2に提供されている例示的実施例では、カウンター金型240は、回転ドラムなどのカウンター金型ベース242と、ベース242に取り付けられたあるいは固定されたカウンター金型接触パッド、シート、あるいは層244とを具え、ベース242の遠位側に、シート又は裏打ちシート244である、広いカウンター金型表面246を具える。いくつかの実施例では、カウンター金型接触パッド244は、ベース242に直接取り付けられているあるいは固定されている。しかしながら、図に示すように、カウンター金型接触パッド244は、パッド244とカウンター金型ベース242に対して中間に介在するように配置したカウンター金型シート248に取り付けられている。
【0078】
カードボードシート260などのワークピースシートが、金型表面216と広いカウンター金型表面246との中間に配置されている。
【0079】
ルール金型システム200は、金型表面216によって、カードボードシート260の上面または近位面262(例えば、対向する金型表面216)に対してかけられる圧力が、表面262に細長変形を形成している。圧力は、機械加工された加圧又は加圧システム270などの様々なシステムによってかけることができ、当業者には自明であるとともに、図に示されている。
【0080】
図3は、カードボードシートをクリースしているときの、このようなルール金型システムの部分的側面図を提供している。ルール金型は、弾性カウンター金型に対向して配置されており、その間に配置したシート又は基板内に金型表面が突出しており、カウンター金型表面を押圧してシートにクリースを形成している。
【0081】
図4は、ロータリィシステム400などのルール書き込みシステムの一部の関連する要素を示す。ロータリィシステム400は、複数のルール460−463を金型ベース又は基台420の表面に書き入れるのに使用することができる。ルール460−463は、ベースの表面420から突出しており、異なる形状とサイズを有する。ルール460−463は、カードボードシートの表面にクリースを行うよう構成することができる。
【0082】
ロータリィシステム400は、その上にベース420を配置するドラム410を具えていてもよい。ベース420は、接着剤あるいはグリップによってドラム410に取り付けるあるいは連結できる。
【0083】
いくつかの実施例では、ベース420はルール460−463を製造したのち、ドラム410から取り外すことができる。その他の実施例では、金型のベース420は、ドラム410に残して、ロータリィクリースシステムでカードボードシートをクリースするのに使用できる。いくつかの実施例では、ロータリィシステム400は、少なくとも一の追加のドラム(図示せず)を具えていてもよく、これは、カウンター金型として作用するように構成され、配置される。
【0084】
いくつかの実施例では、カウンター金型接触面または層及び/又はベース420は、フレキシブルフィルムでできていてもよい。このフィレキシブルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの少なくとも一のタイプのポリマーを含む。例示的なポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、及びポリカーボネートがある。アルミニウム箔又は銅箔などの金属フィルム又はフォイルも適している。
【0085】
カウンター金型のフィレキシブルフィルムは、カードボードワークピースをクリースする間の一またはそれ以上の方向に数トンの押圧力である圧力と強い動作に耐える、十分に強い持続可能性、固さ、密着性、ロバスト性を有する。
【0086】
ロータリィシステム400は、さらに、一またはそれ以上のルールドロワーを具えていてもよい。ルールドロワーは、ドローイングヘッド435、コントローラ470、及び一又はそれ以上のレール430を具える。ドローイングヘッド435は、ノズル構造440と、ノズル構造440に流体連通する少なくとも一のキャニスタ445を具える。構造440は、レール430と連結していてもよい。いくつかの実施例では、構造440は、レール430に沿って摺動する。いくつかの実施例では、キャニスタ445が、レール430と連結している。いくつかの実施例では、キャニスタ445がレール430から独立している。キャニスタ445は、構造440による圧力下で放出するルール形成フォーミュレーションを含んでおり、ルール460−463を描く。いくつかの実施例では、このような圧力が、空気圧システムによって、あるいは容積システムによってかけられる、あるいは送達される。
【0087】
いくつかの実施例では、キャニスタ445及び構造440が、キャニスタ445及び/又は構造440を、矢印450で示す方向にレール430上を前後に移動させるモータに連結されている、あるいはこれによって制御されている。さらに、構造440は、矢印452によって表示される方向に回転するように構成してもよい。構造440は、矢印454によってあらわされる方向に上下に移動するようにしてもよい。いくつかの実施例では、ドローイングヘッド435が単一ユニットを形成しており、一方別の実施例では、ノズル構造440とキャニスタ445が互いから独立して移動できる。
【0088】
ドラム410は、矢印455で示すように、反時計回りに回転するように構成されている。選択的に、ドラム410は、矢印455で示す方向と反対方向(時計回り方向)に回転してもよく、あるいは、両方向に回転してもよい。ドラム410は、レールに関連して横方向に動くように構成することもできる。コントローラ470は、異なるモジュール又は要素の動きと動作、並びにロータリィシステム400の動作を制御し、連動させる。コントローラ470は、ドラム410の回転を制御し、ノズル440とキャニスタ445の動きを制御する。コントローラ470は、また、構成440とキャニスタ445に指令を出して制御し、金型ベース420に樹脂を置いて、所望のあるいはあらかじめ決められたルール460−463のレイアウトあるいはパターンを作る。
【0089】
構成440によって出力する樹脂は、ドローイングが行われたのち及び/又は行われている間に硬化する。この硬化は、硬化ランプ480などの硬化装置によって行われる。
【0090】
硬化ランプ480は、ドローイング下樹脂を固める及び/又は接着するエネルギィを放出する。放出されたエネルギィは、紫外線(UV光)、可視光、熱、その他を含む。
【0091】
硬化ランプ480によって照射されるエネルギィのタイプは、一般的に、樹脂のタイプと、その材料の硬化特性によって決まる。例えば、樹脂が熱硬化性材料であれば、硬化ランプ480によって熱が適用される。樹脂が熱硬化性材料であれば、硬化ランプ480は材料を冷却して硬化させることができる。樹脂が、光開始剤を含む場合は、硬化ランプ480はUV照明を提供して、樹脂を硬化させる。
【0092】
硬化ランプ480は、ノズル440の近くに配置して、樹脂がドローイングされた後すぐに固まるようにできる。その他の例示的実施例では、硬化ランプ480をノズル440から離して配置してもよい。
【0093】
図5は、デカルト座標系500などのフラットシステムの関連要素を伴う例示的部分を示す。座標系500は、平面基体510上に配置した金型ベース520の表面にルール560を描くのに使用される。座標系500は、少なくとも一のルールドローワを具えている。いくつかの実施例では、ルールドローワがドローイングヘッド535、コントローラ570、及び一またはそれ以上のレール530を具える。ドローイングヘッド535は、ノズル構造540と、構造540に取り付けたあるいは流体連結した少なくとも一のキャニスタ545を具えていてもよい。
【0094】
ルール560は、ノズル540で書くことができる。構造540は、構造540に電力を供給するモータが取り付けられており、例えば、矢印550の方向にレール530に沿って横方向に移動する。構造540は、矢印552及び/又は554で示す方向に回転するように構成してもよい。レール530は、日本のレール535の間に、レール530にほぼ直交して位置しており、例えば、矢印555の方向に移動するように構成できる。
【0095】
コントローラ570は、座標系500の様々なモジュールの動きを制御するように構成されている。例えば、コントローラ570は、構造540、レール530、及びキャニスタ545を制御できる。いくつかの実施例では、システム500はさらに、UVランプ580などのランプを具えており、これは、ルール560がベース520の表面にしっかり接着するようにルール560を硬化するよう構成されている。
【0096】
図6は、ドローイングヘッド600の例示的実施例を提供する。ドローイングヘッド600は、連続長さ(ビーズ)の樹脂を蓄えるノズル構造640を具える。構造640は、キャニスタ645に取り付けられているあるいは流体連結している。
【0097】
図7aは、例示的なノズル構造700aの斜視図である。構造700aは、ルール金型のベース740にほぼ直交する第1チューブ742を具える。第2チューブ744は、第1チューブ742にほぼ直交し、ベース740に平行な方向を向いている。チューブ744は、その端部にオリフィス746を有しており、このオリフィスを通って樹脂がベース740に向けて出力される。
【0098】
図7bは、別のノズル構造700bを示す斜視図である。構造700bは、金型ベース750にほぼ直交する方向にあるチューブ752を具える。チューブ752は、オリフィス756を具えており、これを通って樹脂がベース750の方向に出力される。選択的に、チューブ752は遠位端758で閉じることができ、材料が、金型ベース750にほぼ平行に、開口756を通って放出される。代替的に、遠位端758が開いて樹脂が、遠位端758並びにオリフィス756を通ってほぼ垂直に出力されるようにしてもよい。
【0099】
ほぼ台形をしたオリフィスジオメトリを有するキャニスタの斜視図が
図9に示されている。
【0100】
図8aは、圧力アクチュエータ800を示す。圧力アクチュエータ800aは、樹脂814を含むように構成したキャニスタ810を有するエアポンプアクチュエータである。キャニスタ810は出力816を有しており、これがキャニスタ810をノズルに流体連結している。キャニスタは、入力812を具えており、これを介して空気が圧縮され、出力816を通って、ノズル(図示せず)を介して樹脂を空気圧で駆動排出し、ルールを描く。空気は、コントローラによって制御できるピストン808によって圧縮される。
【0101】
図10a−dは、例示的なルールドローイングまたは書き込み方法1000の関連する工程又は動作を示すフローチャートである。図に示すルールドローイング方法1000は、コントローラ470(
図4)又は570(
図5)などの処理デバイスによって実行できる。方法1000は、コントローラに電力が供給されると、あるいはその他の処理、システム、事象、ユーザの動作、その他によって開始される(1002)。開始1002の間に、コントローラはが作動して、システムの様々なモジュールを検出し、あるいはこの様々なモジュール又はその他のプロセッサが、コントローラに情報を提供して、様々なモジュールを認識する。例示的モジュールは、限定するものではないが:ドローイングヘッドモジュール、様々なレジスタ、様々なタイマ、その他を具えていてもよい。起動後は、工程が働いて、様々なリソース、レジスタ、変数、メモリ部品、その他の状態をリセット、開始、あるいは決定する(1004)。この様々なリソースは、タイマ(t)、カウンタ(R)、及び距離測定ユニット(D)を具える。
【0102】
システムリソースが開始した(1004)後、ルールドローイング方法1000が、開始コマンドの受領を待つディレイループを入力する(1006)。開始コマンドは、ルールドローイング方法を開始して(1000)、ルール金型の製造を開始する。開始要求が受信されると(1006)、ルール金型の製造に使用される様々な入力あるいはパラメータのエントリィを受信あるいは取得することによって、方法1000が動作1008を処理することができる。入力は受信され、取得され、あるいはユーザによって入力され、プロセッサあるいはその他のエンティティによって提供され、又は電子ファイルから読み取られる。例示的入力は、限定するものではないが、ルール金型を使用する間あらかじめ処理されるであろうカードボードの深さ又は高さ、所望されるであろうルールのタイプ、所望のレイアウトその他を含む。方法1000は、所望のジョブ記述に関する情報についてのルックアップテーブルをチェックする(1010)。例示的情報は、各ルールについてのフロー指数の定義、各ルールについてのプロファイルの定義、共通レイヤについてのレイヤの定義、ルール製造のタイプ、その他を含む。
【0103】
情報が受信されると、この方法がルックアップテーブル内の追加情報が見つかったかどうか、あるいは入手可能であるかどうかを決定する(1012)。追加情報が見つからなかった場合(1012)、方法1000がユーザ又はその他の情報プロバイダに情報を入力または提供するように促し(1014)、ステップ1008に戻る処理をして、この情報をチェックする。この方法が、ルックアップテーブル内のまたはその他の情報を取得したら(1012)、方法1000はステップ1018に進む。方法1000は、次いで、ブロック1018なら1046に挙げられているステップを含むルールドローイングループを実行するよう処理する(
図10d)。ルールドローイングループの第1ステップは、カウンタRを一つ増やすステップ(インクリメントR)(1018)が含まれ、方法1000は、ステップ101で受信した情報とレイアウト条件に応じてルールを描き始めることができる。
【0104】
カウンタが増えると、方法は、ノズルtの高さと角度の調整又は設定(1020)を続ける。さらに、ドローイングヘッドモジュールの速度を加速して(1020)、例えば加速レートa1で所望の速度V1にする。一またはそれ以上の圧力アクチュエータによって印加される圧力は、所望の圧力P1に上昇する(1020)。例えば、スクリューポンプを使用しているいくつかの実施例では、圧力P1を上昇させる代わりに、スクリューの速度を上げる。次いで、方法1000は、
図10bのステップ1022に進む。
【0105】
ノズルと、速度、及び圧力を調節あるいは設定した後、この方法は、時間tの値がt1と等しくなるまで遅延ループの入力を続ける(1022)。t1の値は、ドローイングヘッドの機械的機能と、レイアウトに応じたルール又はルールセグメントに必要な長さによって計算できる。タイマtの値がt1の値に等しくなると、ドローイングヘッドモジュールの速度の加速レートa1が停止し(1024)、圧力アクチュエータの圧力の上昇も停止する(1024)。したがって、ドローイングヘッドモジュールは、速度V1でドローイングを続け、圧力アクチュエータは圧力P1で押圧を続ける。代替の実施例では、タイマを使用する代わりに、距離測定Dを用いる。距離測定Dは、ステップモータに与えられるステップの数によって、あるいは、ドローイングヘッドに接続したステップ測定エンコーダから受けとったフィードバックによってあらわすことができる。
【0106】
ドローイングが続く間、方法1000はカウンタtの値がt2に等しくなるまで遅延ループに入力することができる(1026)。ここで、t2は、ルールのドローンパターンの入力と、t1に達した速度から計算できる。タイマtの値がt2に等しくなると(1026)、ドローイングヘッドモジュールの速度が、原則レートa2でV2まで減速され(1028)、圧力アクチュエータによる圧力がP2へ減圧される。例示的実施例では、ノズルがXmm高くなり(1030)、レイアウトの条件に応じて角度Oへ回る。次いで、ノズルがZmm下がる(1030)。ここで、ZはXに等しい。
【0107】
方法1000は、ドローイングヘッドモジュールの加速を、加速レートa1で速度v1まで続け、圧力アクチュエータの圧力がp1まであがる(1032)。ドローイングヘッドモジュールは、レイアウトに応じてルールを描き続ける(1032)。方法1000は、次いで、
図10Cのステップ1034に進む。
【0108】
方法1000は、
図10cのステップ1034でタイマtの値がt3に等しくなるまで遅延ループに入力を続ける(1034)。タイマtの値がt3に等しくなると(1034)、ドローイングヘッドモジュールの速度の加速と圧力アクチュエータの圧力の上昇が停止する(1036)。ドローイングヘッドモジュールは、速度V1でドローイングを続け、圧力アクチュエータは、圧力P1を維持する(1036)。次いで、方法1000は、タイマtの値がt4に等しくなるまで遅延ループに入力する(1038)。タイマtの値がt4に等しくなると(1038)、圧力アクチュエータによってかけられた圧力が停止し(1040)、ドローイングヘッドモジュールの動きも止まる(1040)。ノズルはYmm上昇することで所望のレベルに上がり、例えば、中心の周りを特定の角度(例えば180−360°)で鋭くスピンするように制御される(1042)。このノズルのスピンは、柔軟材料をノズルから切り取る役割をする。当業者には、エアパルス、シャッタ、ブレード、あるいはエアナイフを同様に用いて、柔軟材料をノズルから切り離すことは自明である。方法1000は、次いで、
図10dのステップ1044に進む。
【0109】
この工程のこの時点において、方法1000はルールを描き終えたとの表示を提供する(1044)。次いで、方法1000は、すべてのルールが書き終わりジョブが終了したかどうかを決定する(1046)。ジョブが終了すると(1046)、方法1000は適宜の表示を提供する(1048)。ジョブが終了していなければ、方法1000は
図10aのステップ1018に戻り、ルールのドローイングを開始する。
【0110】
ここで、ルールを作成するのに使用するフォーミュレーションについて述べると、ルールフォーミュレーションは、以下の手順に従って作成される。
【0111】
300mlの混合容器に、最大で重量約150gのフォーミュレーション成分を加える。混合容器を遊星遠心分離真空ミキサーに導入し、以下の混合シーケンスを行う:1000rpmで1分間、強真空を適用して、フォーミュレーションの脱ガスを行う;真空(10KPa)下2000rpmで3分間続け;徐々に圧力を10KPaから大気圧に挙げて、エアバブルがフォーミュレーションに入らないようにし:真空(30KPa)下1000rpmで2分間続け、真空(60KPa)下2000rpmで1分間続ける。
【0112】
このようにして得た混合物に、残りの増粘剤を加え、以下のように混合を続ける:2000rpmで1分間、強真空にしてフォーミュレーションを脱ガスする。真空(10Kpa)下1000rpmで3分間;真空(10KPa)下1000rpmで3分間;真空(10KPa)下2000rpmで5分間;10KPaから大気圧へ徐々に圧力を下げ、エアバブルがフォーミュレーションに入らないようにする;真空(30KPa)下1000rpmで2分間;真空(60KPa)下2000rpmで1分間。
【0113】
フォーミュレーションをさらに脱ガスするために、取得した樹脂を600mlの遠心分離揺動バケツロータ(H−6000)に移す。この樹脂は、Sorvall RC 3C遠心分離機あるいは同等のものを使用して、4800RPMで30分間遠心分離する。
【0114】
このようにして得られた脱ガスした樹脂を圧力下でキャニスタに導入する。フォーミュレーションをさらに脱ガスすることは有利になる。キャニスタを、70℃で10分間オーブンに入れる。次いで、H−6000アダプタを用いて、キャニスタ対をロータに装着する。樹脂を入れたキャニスタを次いで、4800RPMで約30分間遠心分離にかける。
【0116】
実施例
以下の実施例を明細書の説明と共に参照して、本発明の非限定的に説明する。
【0117】
上述の手順に従って、ルールフォーミュレーション(実施例1−10)を作成した。このフォーミュレーション組成物は、以下に重量パーセントで示す。
【0119】
実施例11
実施例11は、実施例4と同じ組成物を使って、脱気を行うことなく作成した。
【0120】
実施例12
実施例12は、実施例9と同じ組成物の割合を使って、19%(13%に代えて)のAEROSIL812を用いて作成した。
【0121】
実施例13
様々な機械的特性を評価するために、描いたルールを以下の標準的硬化手順に従って硬化させた。
【0122】
使用した紫外線(UV)硬化システムは、Fusion UV Systems,Inc.(Maryland,US)社製のLC6B Benchtop Conveyorである。効果は、室温で、1インチ当たり300ワットのUVパワーで、2.4m/分のベルト速度で3回通過させて行った。
【0123】
機械試験を行った硬化したフォーミュレーションのいくつかは、ASTM638−03、タイプI(テーブル)にしたがって処理して、機械的試験用に必要なサイズと形状を得た。
【0124】
実施例14
クリースに伴う機械的特性を評価するために、描いたルールを以下の手順に従って硬化させた。
【0125】
使用した紫外線(UV)硬化システムはUVランプを具える。効果は室温で、1cm当たり80ワットのUVパワーで行った。各サンプルについて、19.3mm/秒のドラムジョギング速度で、ドラムを3回回転させた。UVランプは、ルール基体として作用するPETフィルムから3mm離れたところに固定した。
【0126】
ルール書き込み
フォーミュレーションが、例えば空気力あるいは正の変位による圧力下でキャニスタからオリフィスを通って放出される。様々なオリフィス形状を使用することができるが、本明細書に記載のすべての実験では、オリフィスの形状は実質的に
図7Bに示す。
【0127】
本発明者らは、第1の適宜の特性セットの書き込み、及び続く硬化、第2の適宜の特性セットを成功させるためには、フォーミュレーションがいっぱいになるいくらか厳密な様々な条件があることを発見した。
【0128】
いくつかの実施例について、本発明者らは、ルールフォーミュレーション内のガス(空気又は窒素など)の存在が、少量であっても、ルールパフォーマンスに非常に有害であることを発見した。未硬化フォーミュレーション中のガスバブルは、キャニスタ内の圧力下で、あるいはルール書き込み中にフォーミュレーションの流動学的特性に影響する。硬化したルールのガスバブルの大半のガスバブルは、様々な必要な機械的特性を損ない、ルールの寿命をかなり短くする(例えば、故障の前に、あるいは、標準外クリースを生じる前に達成されるクリースの数)。さらに、ルールの接触面にあるいはその近傍にあるガスバブルは、接触面に小さな穴(ポック)をあけ、これは、クリース品質と相反するあるいは実質的にこの品質を壊す。
【0129】
図11は、ガスバブルの開放から生じるポックマークがあるルールの断面図である。
【0130】
上述したとおり、本発明者らは、本発明の粘度が高いフォーミュレーションを脱ガスして、作成工程中に発生したあるいは放出されたあらゆるガスを除去すると共に、充填工程中にキャニスタに導入される追加のガスを除去する工程を開発した。
【0131】
さらに、本発明者らは、以下に述べるように、樹脂ビーズの比重あるいは密度を測定することによって、十分に脱ガスしたバッチと脱ガスが不十分なバッチとを定量的に区別する手順を開発した。
【0132】
実施例4のフォーミュレーションの二つのバッチを準備して、第1のバッチは真空にして、上述の脱ガス手順を行い、第2のバッチも同様に準備したが、真空と脱ガス手順を行わなかった(実施例11)。筒状の樹脂ビーズを、直径12mmのオリフィスを有するキャニスタから樹脂を押し出して製造した。このビーズは、フォーミュレーションの各バッチように長さ120mmであった。両樹脂ビーズとも、PETフィルムの上に配置した。
【0133】
図12Aは、脱ガスを行わなかったフォーミュレーションに対応するビーズの写真であり、
図12Bは本発明による脱ガスを行ったフォーミュレーションに対応するビーズの写真である。
図12Aからわかるように、脱ガスを行わなかったフォーミュレーションに対応するビーズは、表面に穴があり(ポック)、またビーズ内にバブルがある。このバブルは、ビーズ内に観察される光屈折に寄与する。これと非常に対照的に、脱ガスを行ったフォーミュレーションに対応するビーズは、バブルや表面ポックがほとんどなく、ルール金型の機械的強度、機械的特性の均一性、及びルール金型接触面の平滑性に寄与している。
【0134】
未硬化状態のビーズの密度は、例えば、ビーズを液体(体積と重量が既知)に漬けることで測定して体積と重量の値の差を得ることができるが、本発明者らは、少なくとも部分的にビーズを硬化させることが良いことを発見した。硬化させた基準は、ビーズ材料が、ビーズ材料を部分的に水を入れたガラスチューブに入れたときに、ビーズ材料がこのチューブの側壁につかないという十分なポリマー化の効果である。
【0135】
このために、樹脂ビーズを載せたPETフォイルをUV−LC6B Benchtop Cponveyor機械(ベルト速度:2m/分)に単回導入する。その他の組成物の樹脂は、付着が観察されるなら、更なる硬化が必要となる。
【0136】
ガラスチューブはあらかじめ重量を測定しておき、60mlの水を部分的に入れたのち、再度重量を測定する。次いで、樹脂ビーズを沈めて、その体積(メニスカスを用いて)と新たなガラスチューブの重量を測定する。
【0137】
再現を確実にするために、同じビーズ材料を用いて、各測定を5回行い、変動性を測定するために、異なるビーズ材料を用いて5回行う。
【0138】
再現性に関しては、脱ガス下フォーミュレーションで作った5つのビーズが、約±0.001g/cm
3のばらつきのある密度であった;脱ガスを行わなかったフォーミュレーションで作ったビーズは、約±0.003g/cm
3のばらつきのある密度であった。変動性については、脱ガスを行わなかったフォーミュレーションで作った5つのビーズの平均密度が、約1.22g/cm
3±0.001であり、脱ガスを行わなかったフォーミュレーションで作ったビーズの平均密度は1.14g/cm
3より低かった。
【0139】
本明細書及び特許請求の範囲で使用しているように、用語「ベースライン密度」又は「ρ
baseline」は、上述した手順に従って準備して、実施例1−10を作成するのに使用した樹脂フォーミュレーションによって達成した密度を指している。
【0140】
本明細書及び特許請求の範囲で使用しているように、用語「バルク密度」又は「ρ
bulk」は、上述した手順に従って準備したが、実施例11を作成するのに使用したように、脱ガス手順を行うことなく作成した樹脂フォーミュレーションによって達成した密度を指している。
【0141】
上述した通り、「ρ
baseline」と「ρ
bulk」は、未硬化状態で測定されるか、少なくとも部分的に硬化した状態で測定されるので、用語「ベースライン密度」と「バルク密度」はこれらの状態を意味している。もちろん、Δρ=ρ
baseline−ρ
bulkで規定される差は、両方とも未硬化の、あるいは、同じ効果手順を行ったフォーミュレーションについて評価するべきである。
【0142】
いずれにせよ、本発明のいくつかの実施例では、密度差Δρ=ρ
baseline−ρ
bulkが少なくとも0.01、あるいは少なくとも0.015、及びより典型的には、少なくとも0.02、少なくとも0.025、少なくとも0.03、少なくとも0.04、少なくとも0.05、あるいは少なくとも0.06、また、いくつかの場合は、少なくとも0.07である。
【0143】
時には、ルール(硬化及び未硬化の両方とも)内のガスバブルは目視で観察できる。本発明のルールでは、ルールの全長にわたって、直径約0.4mm(細長バブルでは短寸法)の目視観察できるバブルの容量は、最大2バブル/メートルであり、より典型的には、最大1.5バブル/メートル、最大0.7バブル/メートル、最大0.5バブル/メートル、最大0.4バブル/メートル、又は最大0.3バブル/メートルである。例示として、全長0.75メートルのポリマールールを有する単一金型があれば、1回の目視観察できるバブルが観察され、このバブル容積は、約1.33バブル/メートルである。これは、最大1.5バブル/メートルの基準を満たすが、最大1バブル/メートルの基準は満たしていない。
【0144】
いくつかの実施例では、金型の全長あるいは本発明のフォーミュレーションの接触面、ルールあるいはルール金型、視覚的に観察可能な表面ポックの存在、へこみ、又はクレータ、又は表面クレータ、へこみ、あるいは直径0.1mm以上のクレータは、1メートル当たり最大5ポック、1メートル当たり最大4ポック、1メートル当たり最大3ポック、1メートル当たり最大2ポック、1メートル当たり最大1ポック、1メートル当たり最大0.8ポック、1メートル当たり最大0.6ポック、1メートル当たり最大0.4ポック、又は1メートル当たり最大0.3ポックである。
【0145】
フォーミュレーションを完全に脱ガスしたのちでも、本発明者らは、金型基体又はフィルム上に様々なフォーミュレーションを成功裏に書くことができるが、結果物であるルールが満足のゆく状態を実現できない様々な理由があることを発見した。
【0146】
実施例10に記載されているフォーミュレーションは、増粘剤(を欠く、高粘土ポリマーフォーミュレーションである(例えば、シリカなどの三次元ネットワークフォーマ)。粘度の明らかな適合性にもかかわらず、発明者らは標準的な書き込み条件下での書き込み又は描き込みに成功しなかった。
【0147】
図13A及び13Bは、不利な特徴を有する書き込みルールの写真である。
図13Aに示すルールは、ルールの主な縦方向部分に沿って比較的平坦な上面(ダイ面又は接触面)を有しており有利であるにもかかわらず、ルール端部がスパイクされており、これがクリースの品質に悪影響を与える。
図13Bに示すルールもルールの主な縦方向部分に沿って比較的平坦な上面を有する。しかしながら、ルールの端部に向けて上方向及び側部方向に延在する膨らみがあり、これもクリースの品質に悪影響を与える。
【0148】
実施例1に記載のフォーミュレーションは、連続するルールを作るが、形状復元(矩形オリフィスジオメトリに対して)と、形状保持(書き込み後、硬化が生じるまで)の両方とも、不満足な状態である。
図13Cは、実施例1のフォーミュレーションを用いて書いたルールの写真である。
【0149】
実施例2に記載のフォーミュレーションは、連続ルールを作る。しかしながら、
図18に示す実施例2の断面図から、硬化ルールの形状が、書き込み用オリフィスの矩形ジオメトリにあまり似ていないことが明らかである。
【0150】
ルール書き込みに関して、実施例3、4、5、6、7、8、9及び12に記載のフォーミュレーションは、PET基体上に、通常の良好な形で連続するルールを作る。
【0151】
実施例8に記載のフォーミュレーションは、ガラス転移温度が高く、硬化持に良好な硬度を達成した。しかしながら、硬化プロセス中に、ルールが相当収縮し、PET基体からはがれてしまった。
【0152】
発明者らは、フォーミュレーションの様々な流動学的特性が、ルール書き込みに適したフォーミュレーションの調整に有益であることを発見した。これらの特性は、また、これらのフォーミュレーションの材料を選択するうえで有意なガイダンスを提供する。
【0153】
一つの重要な流動学的パラメータは、貯蔵率、G’であり、これは、せん断プロセス中にサンプルによって貯蔵された変形エネルギィを特徴づけるものである。負荷が取り払われたのち、このエネルギィが完全に入手可能であり、その前に取得した構造上の変形を部分的あるいは完全に補償する、改良プロセス用の駆動力として作用することができる。変形エネルギィ全体を保存した材料は、可逆的に変形可能であるか、弾性であると考えられる。
【0154】
損失率、G”は、せん断プロセス中にサンプルによって消費された変形エネルギィを特徴づける。換言すると、G”は、材料の粘性挙動を表す。
【0155】
流動学的試験手順を以下の通り実行した。
【0156】
試験の信頼性を確実なものにするために、エアバブルについて材料サンプルを確認した。4cmのステンレスコーン(3.58度)のAR2000流量計を使用した。キャリブレーションに続いて、コーンプレートの距離は、標準的装置パラメータである、104μmのギャップに届いた。過剰な樹脂をサンプルプレートから除去し、装置のカバーで覆って、温度を25℃に維持した。
【0157】
時間掃引試験を以下の条件の下で行った。
・ステップ1: 平衡 = 5分; 振動応力 = 40Pa,1分間
・ステップ2: 平衡 = 0分; 振動応力 = 300Pa,20秒間
・ステップ3: 平衡 = 0分; 振動応力 = 40Pa,2分間
時間関数としてG’のプロットを作成した。
【0158】
図14ないし17は、実施例2−9及び12のフォーミュレーションについての時間関数としての比較G’のプロットを提供している。
【0159】
発明者らは、ステップ1における比較的低いG’を有するフォーミュレーションが書き込み手順にあまり適さないことを観察した。実験的には、実施例2及び実施例10のフォーミュレーションが、その他の例示的フォーミュレーションより書き込みが解明されていないことが分かった。
図15に示す実施例2及び10のプロットは、ステップ1のG’が実施例2についての2500Paより低く、実施例10についての約2000Paより低いことを示している。
【0160】
さらに、多くのフォーミュレーションが揺変性挙動を示した。これは、ステップ3における回復時間に、ステップ2における300Paの強い振動応力に続いて、ステップ1におけるG’の初期値に復帰することが明らかであった。多くのフォーミュレーション(例えば、実施例3、実施例7)が、ステップ3の時間フレーム内にG’の初期値に復帰することがなかった。
【0161】
発明者らは、最小G’スレッシュホールドに復帰する時間のずれが、本発明にあまり適切でないフォーミュレーションをスクリーニングするのに重要であると考える。この最小スレッシュホールドは、時間スイープ試験の上述の条件下では、ステップ2の最後における7秒間の急速緩和時間内に、少なくとも2,500Paであってもよい。理論にとらわれることなく、発明者らは、このような最小G’回復スレッシュホールド以下では、結果物であるルールプロファイルが丸く(貧弱な形状のレプリカ及び/又は形状保持)なり、この形状は実際には、硬化開始前の時間より良くない。このスレッシュホールドを超えると揺変のずれは、悪化しない。実施例4、6、7および9で製造したルールは、ステップ3の明らかな揺変性挙動を除いてすべて妥当なルールプロファイルを示した。同様に、実施例3は、ステップ3の明らかな揺変性挙動を除いて受け入れ可能なルールプロファイルを製造した。これらの5つのフォーミュレーションにおいて、ステップ3への7秒後に記録した最小G’の値は10,000Paを超えた。
【0162】
本発明のフォーミュレーションとルール金型のその他の特徴は、様々な特性を用いて示すことができる。このような特徴の一つは、「標準変形手順」である。
【0163】
ルールの書き込みは、各フォーミュレーションを満たしたキャニスタのノズル又はオリフィスを介して行った。正の変位(空気式機構を使用してもよい)、とりわけ、フォーミュレーションの流動学的特性の関数である絶対圧力によって圧力をかけた。ノズルは、幅0.7mm、高さ1.5mmの矩形プロファイルを有する。基体フィルム(PET)からノズルまでの距離は約200マイクロメートルであった。
【0164】
硬化は、実施例14に示す手順に従って行った。
【0165】
次いで、硬化させた各ルールを1.45mm*0.65mm(Hp*Wr)の矩形プロファイルにカットして、矩形プリズムを作成した。
【0166】
300gsmのカードボードシートは、American Bristolカテゴリィのものであり、1060mm*720mmの寸法であった。移動または送り出し速度は400pph(1時間あたりの紙数)であった。この種の様々なロータリィ機械が市場で入手可能であることは当業者には自明である。
【0167】
下側ドラムは、厚さ2mmのポリウレタン製カウンター金型を有している。クリース圧力深さは、1mmであった。
【0168】
試験を行った各ルールについて、長さ100mmの三本のラインをクロス機械方向に描きこんだ。30枚のシート稼働が終了したのち、長さ100mmの3本のラインを、同じPETシート(基準用)を用いてクロス機械方向に再び描きこんだ。次いで、部分的にクリースしたカードボード基体を取り除いた。30枚のカードボードシートを、試験を行った各ルールについてこの方法で処理した。次いで、代表的なルール断面の写真を、OGP、“Starlite”ツール、モデル:QVL Starlite250を用いて撮影した。
【0169】
本明細書及び特許請求の範囲で使用しているとおり、この手順は、「標準変形手順」の用語で表されてる。
【0170】
ルールのいくらかの変形が、この加速試験の後に観察された。通常、横方向の変形が、重要な変形成分である。
図18は、変形手順を行う前及び行った後の実施例1、9、7、4、2及び6のフォーミュレーションで作成したルールの画像を提供している。この手順は、ルールを1.45mm*0.65mmの標準矩形プロファイルにトリミングしていない点において、完全な「標準変形手順」ではない。
【0171】
フォーミュレーション2から作成したルールは、全体の形が不十分なレプリカ/保持力であり、ルールの高さは必要とされる1.45mmよりかなり低かった。
図18で測定した高さは、Hrであり、Hpではないことを強調する。
【0172】
フォーミュレーション1及び9から作成したルールは、かなりの横方向変形を示した。対照的に、フォーミュレーション4、6及び7から作成したルールの横方向変形は、無視できるものである、あるいはまったくなかった。
【0173】
この変形は、当業者には自明である多くの方法で定量化できる。一つの実用的な定量化方法を以下に示す。
【0174】
標準的変形手順に続いて、代表的なルール断面の写真を「Photoshop」に持ち込む。ルール断面を、左側部分と右側部分に分ける。変形は、ルールの上側から大きく生じるので、この分割は縦方向ライン(ほぼ無限大に小さな幅のライン)を用いて行い、断面の底側中心から書き上げる(例えば、細長ルールベースに接続されている)。
【0175】
図19Aは、標準的変形手順に従って、矩形プロファイルに切断したのちのルール断面を示す図であり、
図19Bは、この手順の書き込み部分を終了した後のこのルール断面を示す図である。
【0176】
Photoshopからのデータは、エクセルなどに移すことができる。定量化手順において、縦方向分割ラインの各側部における暗ピクセルの数をカウントする。グレイスケールでは、「0」が黒、「256」が白である。値100を超えるすべてのピクセルは白と考えられた。この手順は、各ルールについて繰り返される。
【0177】
図19A及び19Bを参照すると、左側(分割ラインの左)のルールは、ルールで満たされたオリジナル領域の約55%を満たしているだけであり(
図19Aに示す)、右側のルールは、ルールで満たされたオリジナル領域の約145%を満たしている。より大きな値(VL)をより小さな値(VS)で除すると、変形係数CDが得られる。
CD=VL/VS=145%/55%=2.64
【0178】
本発明では、変形係数(CD)は最大1.8、最大1.6、最大1.4、最大1.3、最大1.2、最大1.15、最大1.1、最大1.08、最大1.06、最大1.04、又は最大1.02である。
【0179】
ルールの品質を特徴づける別の方法は、標準変形手順に続いてルールのクリース品質を評価することである。このクリース品質は、商業的に入手可能なフォールディング力測定装置を用いて評価することができる。以下に示す手順と評価において、クリース品質は、Thwing Albert 装置(Model:1270−2000 PCA Score Bend/Opening Force Tester)を用いて、309mm/分の折り曲げ速度で評価した。この装置は、折り曲げ角度が90度に達するまで、1度の折り曲げごとの折りたたみ力を測定する。この標準試験では、印加された最大の力が、測定した折りたたみ力である。試験を行った各ルールによって生じた2つの標準クリース(および、より好ましくは5つのクリース)について、統計目的で実験を繰り返した。取得した値は、同じカードボードでクリースの内シートに必要な平均折りたたみ力によって除することで標準化して、これをパーセンテージの形に変換し、平均折りたたみ力比を取得する。
【0180】
本明細書及び特許請求の範囲で用いているように、用語「標準クリース」は、ルールが標準変形手順を完了した後に、この手順で書かれたクリースパラメータにしたがったルールによって作成したクリースを意味する。
【0181】
実施例1、9、7、4、2及び6のフォーミュレーションから作成したルール(
図18に示す)についての結果を以下の表に示し、
図20にグラフで示す。
【0183】
本発明のルールは、最大65%、最大63%、最大61%、最大60%、最大59%、最大58%、最大57%、最大56%、最大55%、又は最大54%の平均折りたたみ力比を有する。典型的には、このフォールディング力率は、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも48%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、あるいは少なくとも53%である。
【0184】
図21は、実施例13の標準硬化手順によって硬化させて、必要な(ASTM638−03)形状と寸法を有する硬化(ルール)材料を作るための様々なフォーミュレーション(実施例1、2、4、6、8、及び9)についての応力−歪プロットである。これらの材料に、Instron 4481引張機を用いて、応力−歪試験を行った。クロスヘッド速度は、1.0mm/分であり、第2のクロスヘッド速度は10mm/分であり、フルスケール負荷レンジは5kNであった。
【0185】
降伏点応力、降伏点歪、最大負荷応力、破壊点歪、ヤング率、破壊点へのエネルギィを以下の表に示す。
【0187】
このデータから、本発明にかかるフォーミュレーションは、標準硬化手順に従って硬化させ、実施例13に示す手順に従って作成され、上述の「標準引張試験」にしたがって試験した場合、少なくとも1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、又は2.5MPaの応力を示す。
【0188】
降伏点応力は、最大で、5、4.5、4、3.5、又は3.3MPaである。
【0189】
同様に、本発明に係るフォーミュレーションは、標準硬化手順に基づいて硬化させ、実施例13に提供されている手順に基づいて作成した時に、少なくとも0.2、少なくとも0.5、あるいは少なくとも0.6%の降伏点歪を示す。
【0190】
この降伏点歪は、最大1.6、最大1.5、最大1.4、最大1.3、最大1.2、最大1.1、又は最大1.0%である。
【0191】
標準硬化手順に基づいて硬化させ、実施例13に提供されている手順に基づいて作成した本発明に係るフォーミュレーションのヤング率は、少なくとも300、少なくとも325、少なくとも350、少なくとも375、少なくとも400、又は少なくとも425MPaである。
【0192】
このヤング率は、最大700、最大650、最大600、最大575、又はさいだい550MPaである。
【0193】
標準硬化手順に基づいて硬化させ、実施例13に提供されている手順に基づいて作成した本発明に係るフォーミュレーションの最大負荷における応力は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも7、又は少なくとも8MPaである。
【0194】
この最大負荷における応力は、最大25、最大20、最大16、最大14、又は最大12MPaである。
【0195】
破壊点に関して、標準硬化手順に基づいて硬化させ、実施例13に提供されている手順に基づいて作成した本発明に係るフォーミュレーションの破壊点における歪は、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、又は少なくとも8%である。
【0196】
この破壊点における歪は、最大50、最大40、最大35、最大30、最大25、最大20、最大15、最大12、又は最大10%である。
【0197】
この破壊点への頂点エネルギィは、少なくとも0.15、少なくとも0.2、又は少なくとも0.25Jである。この頂点エネルギィは、最大1.5、最大1.3、最大1.2、最大1.1、最大1.0、最大0.9、最大0.8、最大0.7、最大0.6、最大0.5、又は最大0.4Jである。
【0198】
ルール硬度に関して、各ルールの硬度を以下の手順に従って評価した。
【0199】
実施例13に記載の手順に従って、ルールを硬化させ、サンプルの寸法を測った。サンプルのサイズは、180*30*2mm
3であった。
【0200】
硬度測定装置(Bareiss Germany,HP)の針をサンプルの上側と下側に、任意に三か所さして、平均ショアD硬度を測定した。結果を以下の表に示すとともに、
図22にプロットする。
【0201】
本明細書と特許請求の範囲に記載したように、ルールの幅に関する用語「金型表面近傍」およびこのようなものは、金型ベースの遠位における、2mmのルール先端内のルールの最大幅を意味する。
【0202】
本明細書と特許請求の範囲に記載したように、用語「パーセント」又は「%」は、特に表示がない限り、重量%を意味する。
【0203】
本明細書と特許請求の範囲に記載したように、用語「アクリレート」は、特に、アクリレート族のサブスピーシーズを含み、メタアクリレート、単一又はそれ以上のアクリレート部分を有するアクリレート類が含まれる。
【0205】
用語「アクリル」は、部分に対して、特に、メタクリル部分を含むアクリル部分の様々なサブスピーシーズを含むことを意味する。
【0206】
本明細書と特許請求の範囲で使用されているように、用語「標準硬化手順」、およびこのような用語は、実施例13に詳細に説明したフォーミュレーション硬化手順を意味する。
【0207】
本明細書と特許請求の範囲で使用されているように、用語「標準引張試験」は、ASTM638−03に基づいて作成したサンプルに、Instron 4481(又は同様の)引張機を用いて、以下の条件下で行った応力―歪試験を意味する。10mm/分、第2のクロスヘッド速度:1.0mm/分、フルスケール負荷レンジ5kN。当業者は、異なる機械過程を有するサンプルには、異なる運用条件が適切となることを理解するであろう。
【0208】
本明細書と特許請求の範囲で使用されているように、用語「歪−応力特性」は、「標準引張試験」を用いて特徴づけた歪−応力特性を意味する。
【0209】
様々な実施例のコンテキストに記載されている本発明の所定の特徴は、明確化のために単一の実施例の組み合わせにも用いることができる。逆に、単一の実施例のコンテキストに記載されている本発明の様々な特徴は、簡潔化のために個別に、あるいは適宜のサブコンビネーションで用いることができる。
【0210】
本発明は、特定の実施例と関連させて説明したが、多くの代替、変更、及び変形が当業者に自明であることは明らかである。したがって、特許請求の範囲の精神及び広い範囲内にあるこのような代替、変更、及び変形はすべて含まれることを意図している。米国特許第3,470,773号、第7,670,275号、及び米国特許公開第20120129672号を含めて、本明細書に記載されたすべての公報、特許、及び特許出願は、引用によりすべて本明細書に組み込まれている。同様に、個々の公報、特許又は特許出願は、特に及び個別に引用により組み込まれている。さらに、この出願における引例の引用又は同定は、本発明の従来技術として入手可能であると解釈すべきではない。