(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2:1以上の長さ/直径比を有する反応器本体;ヒドロフッ素化触媒を含む撹拌反応区域;HF及びフルオロオレフィンを反応区域に供給するための少なくとも1つの入口、及びフルオロアルカンを回収するための少なくとも1つの出口;反応区域内に配置されており、モータによって駆動することができるシャフトに固定して取り付けられている複数のブレードを含む撹拌機であって、かかるブレードは反応区域の底部周辺から反応区域の頂部周辺までシャフトに沿って配置されており、かかるシャフトは縦軸上で反応器の底部から反応器の頂部まで伸長しており、撹拌機は、1rpm〜200rpmの範囲の回転速度で回転し、複数の軸の方向に沿って偏位している攪拌機ブレードを有する多ブレード攪拌機を含む、撹拌機;を含む反応器の反応区域内において、フルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体HFと反応させてフルオロアルカンを形成することを含むヒドロフッ素化方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、10重量%〜98重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び90重量%〜2重量%の範囲の無水液体HFの濃度(無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体の合計重量の重量%は100%を超えない)で、70℃〜130℃の範囲の温度において反応区域中に充填し、そしてヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを1rpm〜200rpmの範囲の速度で撹拌する、請求項2に記載の方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、40重量%〜80重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び20重量%〜60重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項3に記載の方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、50重量%〜70重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び30重量%〜50重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項4に記載の方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、55重量%〜65重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び45重量%〜35重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項4に記載の方法。
無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して10〜125rpmの範囲である、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して20〜75rpmの範囲である、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して25〜50rpmの範囲である、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
(a)無水液体HF、及び五ハロゲン化アンチモンを含むヒドロフッ素化触媒前駆体を、10重量%〜98重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び90重量%〜2重量%の範囲の無水液体HFの濃度(無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体の合計の重量%は100重量%を超えない)で、70℃〜130℃の範囲の温度において反応器の反応区域内に充填してヒドロフッ素化触媒を形成し;そして(b)次に、反応器の反応区域内において、フルオロオレフィンを、液相中、工程(a)において製造されるヒドロフッ素化触媒の存在下、70℃〜130℃の範囲の温度で無水液体HFと反応させてフルオロアルカンを形成する;ことを含み;反応器は、2:1以上の長さ/直径比を有する反応器本体;ヒドロフッ素化触媒を含む撹拌反応区域;液体状態のフッ化水素及びフルオロオレフィンを反応区域に供給するための少なくとも1つの入口及びフルオロアルカンを回収するための少なくとも1つの出口;反応区域内に配置されており、モータによって駆動することができるシャフトに固定して取り付けられている複数のブレードを含み、かかるブレードは反応区域の底部周辺から反応区域の頂部周辺までシャフトに沿って配置されており、かかるシャフトは縦軸上で反応器の底部から反応器の頂部まで伸長しており、撹拌機は、1rpm〜200rpmの範囲の速度で回転し、複数の軸の方向に沿って偏位している攪拌機ブレードを有する多ブレード攪拌機を含む、ヒドロフッ素化方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、40重量%〜80重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び20重量%〜60重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項18に記載の方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、50重量%〜70重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び30重量%〜50重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項19に記載の方法。
ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、55重量%〜65重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び45重量%〜35重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、請求項20に記載の方法。
工程(c)において、2重量%未満の1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)が244bbと共に更に存在しており、244bbを脱塩化水素化にかける前に、244bbを245cbから分離する、請求項38に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
[0002]本発明は、特に、1234yfとしても知られており、化学式:CF
3−CF=CH
2を有する2,3,3,3−テトラフルオロ−2−プロペンの製造における改良に関する。
【0003】
[0003]この化合物は、ゼロのオゾン層破壊係数及び低い地球温暖化係数を有しているので、134aとしても知られており、化学式:CH
2F−CF
3によっても知られている1,1,1,2−テトラフルオロエタンのようなフルオロカーボンが現在用いられている冷却、フォーム発泡、及び他の用途において用いられている既存の材料に対する代替物として有用で望ましい可能性がある。
【0004】
[0004]1234yfは、非統合三工程経路を用いて、1,1,2,3−テトラクロロプロペン(TCP又はCCl
2=CCl−CH
2Cl)から製造されることが当該技術において公知である(例えば、米国特許8,084,653(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)を参照):
工程(1):TCP+3HF→1233xf+3HCl(ここで1233xfはCH
2=CCl−CF
3である);
工程(2):1233xf+HF→244bb(ここで244bbはCF
3−CFCl−CH
3である);
工程(3):244bb→1234yf+HCl。
【0005】
上記の工程(2)のもののようなヒドロフッ素化反応は、液相中で行うことができる。商業プロセスにおいては、その目標は、約90%より高い転化率及び約90%より高い選択率で1233xfの244bbへの転化を行うことである。これは非混和性の液体及び/又は若干の固体触媒材料を含む不均一反応であるので、1233xfの244bbへの転化率を最大にするために、反応物質及び触媒を均一に混合することが重要である。遭遇する克服すべき問題の1つはチャネリングであり、これは実質的に利用されない空間に加えて潜在的な小渦流を形成し、これらは全て不均一な材料の処理をもたらして、それによって1233xfの転化率及び244bbへの選択率を低下させる可能性がある。
【0006】
[0005]本発明者らは、チャネリング効果を最小にし、フルオロオレフィンのフルオロカーボンへの転化、例えば1233xfからの244bbの形成を促進する傾向がある、液体ヒドロフッ素化反応において用いるための装置を開発した。
【0007】
[0006]しかしながら、フルオロオレフィンの転化率は問題の一側面に過ぎない。同時に、目標は、過フッ素化のようなヒドロフッ素化反応からの副反応を最小にすることによって244bbへの選択率を最大にすることである。例えば、製造するフルオロカーボンがその上に塩素原子のような好適な離脱基を有する場合には、フルオロカーボンは、その後にHFとの置換反応を起こして、離脱基がフッ素原子によって置換される可能性がある。例えば、1233xfをヒドロフッ素化して244bbを形成する際には、下記に示すように、244bbがHFの第2の分子と反応して245cbを形成する反応が副反応である。
【0008】
244bb+HF→HCl+245cb(ここで245cbはCF
3CF
2CH
3である)。
更に、1233xfと2モルのHFが反応して245cbが形成される:
1233xf+2HF→HCl+245cb。
【0009】
[0007]反応条件を適切に制御することができない限りにおいては、フッ化水素との反応からの第2の生成物の形成は、244bbフルオロカーボンの収率を低下させるだけでなく、244bbフルオロカーボンへの選択率も低下させる可能性があり、即ちその代わりに副反応生成物の形成を益々促進させる可能性がある。本発明者らは、ヒドロフッ素化反応のみを起こすことを促進して、副生成物の形成を最小にする方法を見出した。
【0010】
[0008]チャネリング及び副反応の問題に加えて、液体ヒドロフッ素化プロセスにおいて遭遇する他の問題は腐食性材料の使用である。ヒドロフッ素化反応は、例えばフッ化水素及び塩素ガスのような腐食性の化合物(後者はヒドロフッ素化触媒を再生するために用いることができる)を使用し、且つ生成させる。両方とも、インコネル600、NAR25-50MII、ハステロイC、ハステロイG-30、二相ステンレススチール、及びハステロイC-22のような耐腐食性材料で構成される反応器であっても、その中で反応を行う反応容器を腐食させる傾向がある。反応器の腐食は反応器の構造的完全性を損なって、その有用寿命を減少させる。したがって、反応器の腐食を最小にする必要性が存在する。
【0011】
[0009]一般に、回転焼成又は吹きつけライナーのような成形ライナーを有する反応器は、大規模の商業的製造の反応のためには好適ではない。かかるライナーを有する反応器は、高価でしばしば入手できない大型の窯又はオーブン内で焼成しなければならない。実際に、例えば約1,000ガロンより大きな大型の反応器に焼成ライナーを取り付けることは実用的ではない。
【0012】
[0010]成形ライナーは反応器の寸法に対して実施上の制限を与えるだけでなく、更なる構造的制限も取り込まれる。成形ライナーはしばしば透過性である傾向を有し、高圧下及び時間経過と共に、反応物質はライナーを透過して、ライナーと反応器壁の間に圧力を生じさせる傾向があることが分かった。この圧力はライナーのブリスターを引き起こし、最終的にはライナーが緩くなる。ライナーの透過の問題は、成形ライナー反応器内に排出孔が存在しないことによって悪化する。通常は、排出孔によってライナーを透過した反応物質を反応器から排出することができる。しかしながら、成形ライナーは、一般に、排出孔を有する反応器においては用いることができない。成形ライナーを施す場合には、流体のフルオロポリマーを反応器壁に施し、したがって反応器内の孔によって成形ライナー内に孔が形成される。ライナー内の孔は、明らかに反応器の加圧能力を損なう。したがって、回転焼成のフッ素樹脂ライナーによって反応器の腐食を最小にすることはできるが、しかしながら、その構造の制限によって反応器の寸法及び/又は有用寿命が制限される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0021]本明細書において用いる「含む」、「含み」、「包含する」、「包含し」、「有する」、「有し」の用語、又はこれらの任意の他の変形は、非排他的な内包物をカバーするように意図される。例えば、構成要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれらの構成要素のみに限定されず、明確にリストされていないか、或いはかかるプロセス、方法、物品、又は装置に特有の他の構成要素を含んでいてもよい。更に、明確に反対に示されていない限りにおいて、「又は」とは、排他的な「又は」ではなく包含的な「又は」を指す。例えば、条件A又はBは次の任意の1つによって満足される:Aは正しく(又は存在し)Bは虚偽(又は存在しない)である;Aは虚偽(又は存在しない)でBは正しい(又は存在する);並びにA及びBの両方とも正しい(又は存在する)。
【0023】
[0022]他に定義されていない限りにおいて、本明細書において用いる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって通常的に理解されるものと同じ意味を有する。不一致の場合には、定義を含む本明細書が支配する。本明細書に記載するものと同様又は同等の方法及び材料を本発明の幾つかの態様の実施又は試験において用いることができるが、下記においては好適な方法及び材料を記載する。更に、材料、方法、及び例は、例示のみであり、限定することは意図しない。
【0024】
[0023]本明細書において用いる「フルオロオレフィン」という用語は、水素、炭素、フッ素、及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合、並びに場合によっては塩素を含む分子を示す。
【0025】
[0024]本明細書において用いるフルオロアルカンという用語は、水素、フッ素、及び場合によっては塩素を含み、2つの隣接する炭素原子上でフッ素原子及び水素原子が置換されている2以上の炭素原子を有するアルカンを指す。本発明において用いるフルオロアルカンは、フルオロオレフィンのヒドロフッ素化からの生成物である。
【0026】
[0025]本発明において用いるHFは、商業的に入手できる無水の液体フッ化水素である。これは、例えばSolvay S.A.、E.I. du Pont de Nemours and Company、及びHoneywell International, Inc.によって販売されている。
【0027】
[0026]本明細書において用いる「副生成物」という用語は、ヒドロフッ素化反応において所望のフルオロアルカンの反応から形成され、而してフッ化水素の第2の分子と反応して形成される生成物を指す。而して、例えば過フッ素化生成物が副生成物である。
【0028】
[0027]通常は限定薬剤である反応物質に関して本明細書において用いる「転化率」という用語は、反応プロセスにおいて反応するモル数を、プロセス中に当初に存在する反応物質のモル数で割って100をかけたものを指す。
【0029】
[0028]有機反応生成物に関して本明細書において用いる「選択率」という用語は、有機反応生成物の全モル数に対する反応生成物のモル数の比に100をかけたものを指す。
[0029]本発明の一形態は、所望のフルオロカーボンの形成を最大にし、副生成物の形成を最小にしながらフルオロオレフィンをヒドロフッ素化する方法である。このプロセスのための反応混合物は、HF、フルオロオレフィン、及びヒドロフッ素化触媒を含む。液相中で行われるこの反応においては、フルオロオレフィンを、ヒドロフッ素化触媒の存在下でフッ化水素と反応させて、水素原子及びフッ素原子が二重結合を横切って付加されてフルオロアルカンを生成している化合物を生成させる。例は、TCPからの1234yfの形成における工程(2)であり;液相反応器及び液相フッ素化触媒を用いる液相中での2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(244bb)へのヒドロフッ素化は次の通りである。
【0030】
1233xf+HF→244bb
このヒドロフッ素化反応中には塩化水素は存在せず、これは多くのフッ素化反応においては通常的ではない。冷媒を製造するための多くのフッ素化反応においてはHClガスが生成し、in situで気体が形成されることによって、ここに記載するチャネリング効果を阻止するのに必要な液体の撹拌が与えられる。このHCl副生成物の形成が起こらないことは、CFC(例えばCF
2Cl
2)、HCFC(例えばHCFC−22又はHCFC−142b)、及びHFC(例えばHFC−143a又はHFC−245fa)を製造する他の周知の液相フッ素化反応と比べて独特である。
【0031】
[0030]この反応は、フルオロアルカンを形成するフルオロオレフィンのヒドロフッ素化を起こすのに有効な温度で行う。例えば、一態様においては、ヒドロフッ素化反応のための温度は、約70℃〜約130℃、他の態様においては約83℃〜約120℃、他の態様においては約85℃〜約95℃の範囲である。
【0032】
[0031]この反応において用いるヒドロフッ素化触媒は、ヒドロフッ素化反応において通常的に用いられる液体フッ素化触媒である。これらはルイス酸である。用いることができる触媒としては、AlF
3、BF
3、FeCl
3−aF
a(ここでa=0〜3)、炭素上に担持されているFeX’
3(ここで、それぞれのX’は、独立してF又はCl又はBrのようなハロゲン化物であり、一態様においては全てのX’は同一である)、SbCl
3−bF
b(b=0〜3)、AsF
3、MCl
5−cF
c(ここで、c=0〜5、及びM=Sb、Nb、Ta、又はMo)、並びにM’Cl
4−dF
d(ここで、d=0〜4、M’=Sn、Ti、Zr、又はHf)が挙げられる。他の態様においては、液相プロセスのための触媒はMCl
5−eF
e(ここで、e=0〜5、M=Sb、Nb、又はTa)である。
【0033】
[0032]一態様においては、ヒドロフッ素化触媒はin situで生成させる。これらは、FeCl
3、SbCl
3、SbCl
5、MCl
5、及びM’Cl
4Fなどのようなヒドロフッ素化触媒前駆体から、前駆体を過剰のHFと共に有効温度において反応器内にin situで充填することによって生成される。一態様においては、ヒドロフッ素化触媒を製造するための有効温度は、約70℃〜約130℃、他の態様においては約83℃〜約120℃、他の態様においては約85℃〜約95℃の範囲である。in situでのヒドロフッ素化触媒の生成のため及びヒドロフッ素化反応のための温度範囲は重複しているが、これらは同じ温度で行う必要はないことを留意すべきである。しかしながら、一態様においては、in situでのヒドロフッ素化触媒の生成及びヒドロフッ素化反応は同じ温度で行う。
【0034】
[0033]ヒドロフッ素化触媒前駆体からのヒドロフッ素化触媒の生成及びその使用を下記に示し、塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンとHFの反応、及びかくして生成させた触媒のここに記載するヒドロフッ素化反応における使用の代表例をここに記載する。しかしながら、後者のヒドロフッ素化触媒を生成させるための手順は、HF及びFeCl
3からのFeCl
3−aF
a(ここでa=0〜3);HF及びSbCl
3からのSbCl
3−bF
b(ここでb=0〜3);MCl
5−cF
c(ここで、c=0〜5、M=Nb、Ta、又はMo);並びにHF及びM’Cl
4からのM’Cl
4−dF
d(ここで、d=0〜4、M’=Sn、Ti、又はZr);のようなフッ化物と錯化した他のヒドロフッ素化触媒の生成に適用可能であり、これらの触媒の使用は、フッ化水素及びハロゲン化アンチモン、例えば五塩化アンチモンから生成されるヒドロフッ素化触媒の代表例を用いて示す。
【0035】
[0034]活性五ハロゲン化アンチモン触媒としては、式:SbCl
5−xF
x(ここで、x=1、2、3、4、又は5)の化合物が挙げられる。SbCl
3又はSbCl
5は触媒前駆体として通常的に用いられ、活性ハロゲン化アンチモン触媒の出発源物質である。SbCl
5は、HFを付加することによって活性五ハロゲン化アンチモン触媒にすることができる。例えば、代表例として、五ハロゲン化アンチモンヒドロフッ素化触媒は、五塩化アンチモンのような塩化アンチモンを、in situで過剰のHFと反応させることによって生成される。一態様においては、反応器にフルオロオレフィンを加える前に、五塩化アンチモンを過剰のHFと共に充填する。限定なしに、SbCl
3は、Cl
2を加えてそれをSbCl
5に酸化し、次にフッ化水素(HF)を加えることによってフッ素化することによって、活性五ハロゲン化アンチモン種にすることができる。SbCl
3はまた、F
2を加えてそれをSbCl
3F
2に酸化することによって活性五ハロゲン化アンチモン種にすることもできる。SbCl
3のようなSb
+3化合物をSbCl
5−xF
x(ここで、x=1、2、3、4、又は5)のようなSb
+5化合物に転化させるためには、Cl
2、次にHFを加えることが好ましい。
【0036】
[0035]例えば、一態様においては、塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンを、約10重量%〜約98重量%の範囲の塩化アンチモン、及び約90重量%〜約2重量%の範囲のHF(ここで、五塩化アンチモンのような塩化アンチモン及びHFの全重量の合計は100重量%を超えない)の量でHFと共に充填する。他の態様においては、所定濃度の塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンのようなハロゲン化アンチモンを、約40重量%〜約80重量%の範囲の濃度で反応器に充填し、無水液体HFの濃度は約20重量%〜約60重量%の範囲であり;他の態様においては、所定濃度の塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンのようなハロゲン化アンチモンを、約50重量%〜約70重量%の範囲の濃度で反応器に充填し、無水液体HFの濃度は約30重量%〜約50重量%の範囲であり;他の態様においては、所定濃度の塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンのようなハロゲン化アンチモンを、約55重量%〜約65重量%の範囲の濃度で反応器に充填し、無水液体HFの濃度は約45重量%〜約35重量%の範囲であり;更なる態様においては、所定濃度の塩化アンチモン、例えば五塩化アンチモンのようなハロゲン化アンチモンを、約60重量%の濃度で反応器に充填し、無水液体HFの濃度は約40重量%である。
【0037】
[0036]不活性三ハロゲン化アンチモン種も反応混合物の一部として存在する可能性があり、その存在は活性五ハロゲン化アンチモン種の還元による可能性があり、或いはこれは意図的に加えることができる。不活性三ハロゲン化アンチモン種は、Cl
2又はF
2を加えて酸化することによって上述の活性五ハロゲン化アンチモン触媒種の1つに活性化することができる。本発明の一態様においては、その豊富さ及び低いコストのため、並びにそれがより取り扱いやすいので、不活性三ハロゲン化アンチモン種の活性を促進するためにCl
2の添加を用いる。活性五ハロゲン化アンチモン触媒種の還元は、液相フッ素化反応系における触媒失活の主要因である。而して、反応中において、又は液体HFをハロゲン化アンチモンと共に充填する際に、更なる触媒或いは五塩化アンチモン又は三塩化アンチモンのようなアンチモン種を反応混合物に加えることができる。本明細書において用いる「反応混合物」と言う用語は、HF、フルオロオレフィン、及びヒドロフッ素化触媒を含む混合物を示す。
【0038】
[0037]本明細書において用いる濃度は、反対に示さない限りにおいて、重量%又は重量パーセントである。例えば、液体HF中における塩化アンチモンのようなハロゲン化アンチモンの重量%に言及する場合には、「重量%」又は「重量パーセント」は反応器内に存在するハロゲン化アンチモン、例えばSbCl
5の重量%を指し、残りの重量は、HF及び/又はHFと不活性ハロゲン化アンチモン種(即ちSbCl
3)であるとみなされる。例えば、20kgのSbCl
5及び80kgのHFを反応器に加えると20重量%の濃度が示され、一方で、49kgのSbCl
5、41kgのHF、及び10kgのSbCl
3を反応器に充填すると49重量%の濃度が示される。更に他の例は、50kgのSbCl
3前駆体を反応に充填することであり、十分なCl
2を加えて25kgのSbCl
5を生成させた後に、30kgのSbCl
3が残留する。次に27kgのHFを反応器に加えると、30重量%のSbCl
5が示される。
【0039】
[0038]漸増量のSbCl
5を触媒運転中に加えて、ここに記載する所望の最小で90%の転化率及び選択率を維持することができる。或いは、SbCl
3をHF及び前駆体触媒に意図的に加える場合には、或いはヒドロフッ素化反応中において、所定量のCl
2及びHFを加えてSbCl
3の一部をin situでヒドロフッ素化触媒に活性化して、所望の最小で90%の転化率及び選択率を維持することができる。
【0040】
[0039]他の態様においては、反応器中に五塩化アンチモン及びHFの合計重量の約0.5重量%〜約10重量%の範囲の量の五塩化アンチモンを周期的に加えることによって、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンは、当初に存在する2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)の約90%以上の転化率、及び約10%以下の1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンへの選択率の両方で形成される。一態様においては、五塩化アンチモンのようなヒドロフッ素化触媒前駆体の添加はここに記載するように周期的であり、一方、他の態様においては、ヒドロフッ素化触媒前駆体の添加は連続的である。
【0041】
[0040]反応中において、HFは液体又は気体のいずれかで加えることができる。液体の場合には、それは入口を通して反応器中に加えられ;それが気体である場合には、それは噴霧器のような気体注入器を介して入口を通して反応器中にバブリングされる。
【0042】
[0041]反応中のフルオロオレフィンは、液体又は固体又は気体のいずれかであってよい。それが固体である場合には、それは反応器に直接加えることができる。液体の場合には、それは入口を通して反応器中に加えられ;それが気体である場合には、それは噴霧器のような気体注入器を介して入口を通して反応器中にバブリングされる。
【0043】
[0042]HF及びフルオロオレフィンは、単一の共通の入口を通して、又は別の供給材料入口を通して別々に反応器中に供給することができる。
[0043]反応物質を所望の運転温度に維持することを助けるために、熱伝達流体、例えばジャケットに供給される水蒸気のような熱伝達流体を用いて反応器ジャケットを通して与えられる熱と組み合わせて、又はこれに代えて、HF及び/又はフルオロオレフィンを気化させ、及び/又は予備加熱して追加の加熱を加えることができる。
【0044】
[0044]反応器は、撹拌機を装備した反応区域を含む。チャネリングを最小化又は排除するように、ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFの充填物、並びにフルオロオレフィン、フッ化水素、及びヒドロフッ素化触媒を含む反応混合物を、十分な速度で独立して撹拌する。しかしながら、他方においては、ヒドロフッ素化反応中に撹拌が過度に迅速である場合には、過フッ素化が増加して、それによって転化率及び選択率が低下する可能性がある。而して、本発明者らは、一方でチャネリングを回避又は最小にし、他方で過フッ素化を回避又は最小にする、ヒドロフッ素化触媒の生成(in situで生成させる場合)及びヒドロフッ素化の両方における撹拌速度に関する範囲を見出した。一態様においては、撹拌機は、触媒をin situで生成させる場合は液体HF及びヒドロフッ素化前駆体の反応中において、及びヒドロフッ素化反応中において、独立して約1rpm〜約200rpmの範囲の速度で回転させる。而して、一態様においては、撹拌機は、これらの2つのプロセス中において独立して、約200rpm以下の速度、他の態様においては約175rpm以下の速度、他の態様においては約150rpm以下、他の態様においては約125rpm以下、更に他の態様においては約100rpm以下、更なる態様においては約75rpm以下、更に他の態様においては約50rpm以下、更なる態様においては約25rpm以下の速度で回転させる。しかしながら、反応物質は、HF、及び触媒をin situで生成させる場合には触媒前駆体、並びにフルオロオレフィン、及びHFが、チャネリングを最小化及び/又は回避するように撹拌されるように混合することが重要である。例えば、撹拌機は、HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体の反応中、及び活性フッ素化触媒の存在下におけるHF及びフルオロオレフィンの反応中において、独立して、一態様においては例えば約5rpm以上、一方で他の態様においては約10rpm以上、更なる態様においては約15rpm以上、更なる態様においては約20rpm以上、更なる態様においては約25rpm以上、更なる態様においては約30rpm、更なる態様においては約35rpm以上、更なる態様においては約40rpm以上、更なる態様においては約45rpm以上のように約1rpm以上の速度で回転させる。一態様においては、HF、フルオロオレフィン、及び活性ヒドロフッ素化触媒反応混合物、並びに無水液体HF、及び触媒をin situで生成させる場合にはヒドロフッ素化触媒前駆体を、独立して、約1rpm〜約200rpmの範囲の速度で撹拌し、一方、他の態様においては、撹拌は、約5rpm〜約150rpm、他の態様においては約10rpm〜約125rpm、一方、他の態様においては約15〜約100rpm、他の態様においては約20〜約75rpm、一方、他の態様においては約25〜約50rpmの速度で行う。勿論、両方のプロセスに関する撹拌を、約1〜約200rpmの範囲の任意の速度、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、又は200rpmで行うことができる。しかしながら、実際上は、触媒前駆体をin situで生成させる場合には、一態様においては触媒を形成するプロセス及びヒドロフッ素化反応に関するプロセスは同じ速度で撹拌するが、これは必須ではない。
【0045】
[0045]反応器は、フッ素化反応のために好適な材料を含む。反応器区域は、フッ化水素(HF)及び触媒の腐食作用に抵抗性の材料、例えば当該技術において公知のPFA又はPTFEのようなフルオロポリマーでライニングした金属又は金属合金で構成する。
【0046】
[0046]
図1は、概して、本発明の一形態によるヒドロフッ素化反応のための反応器の1つの代表的な態様による円筒形の反応器100を示す。反応器は、反応器中に存在するフッ化水素酸のような液体中に懸濁又は溶解している触媒を含む。ヒドロフッ素化反応を触媒するのに十分な触媒を存在させる。
【0047】
[0047]一態様においては、反応器の形状は円筒形であり、円筒体の真っ直ぐな縁部又は軸は垂直方向に伸びている。本発明において用いるL/Dにおける「L」としての円筒体の長さは、垂直方向において測定される軸に平行な円筒体の真っ直ぐな縁部の長さを指し、L/Dにおける「D」としての円筒体の直径は、半径方向において測定される円筒体の幅を指す。反応器には、場合によっては更に、円筒形の反応器本体の頂部又は底部のいずれか又は両方に、反応器デザインの一部として円形又は皿型のヘッドを与えることができ、これによって反応器の全高が更に増加する。
【0048】
[0048]反応器100は、比較的大きい長さ/直径(L/D)比を有する。一態様においては、それは約2:1以上である。他の態様においては、L/D比は約3:1以上である。更に他の態様においては、それは約4:1以上である。更に他の態様においては、それは約5:1以上であり、一方、更に他の態様においては、それは約6:1以上である。他の態様においては、L/Dは約7:1以上である。更なる態様においては、L/Dは約8:1以上である。更なる態様においては、L/Dは約9:1以上である。更に、他の態様においては、L/Dは約10:1以上である。しかしながら、実際上は、L/D比は約20:1以下でなければならない。而して、一態様においては、L/D比は約2:1〜約20:1の範囲である。他の態様においては、L/D比は約3:1〜約15:1の範囲である。更なる態様においては、L/D比は約4:1〜約10:1の範囲である。
【0049】
[0049]例えば少なくとも2:1、又は3:1、又は4:1、又は5:1、又は6:1、又は7:1、又は8:1、又は9:1、又は10:1、或いはそれ以上の大きいL/D比を用いると、容易な反応器レベルの制御を与えながら、(低いL/D比と比べて)同じ体積の反応混合物に関して反応器内でより多い滞留時間が可能である。一態様においては、反応容器は、通常の既存のフルオロカーボンの商業スケールの反応器以上のL/D比を有する。かかる既存の反応器の通常のデザインの1つが、Honeywell Internationalに譲渡された米国特許7,102,040(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)において開示されている。
【0050】
[0050]反応器は、
図1において図示されているように少なくとも1つの入口122及び少なくとも1つの出口124を有する。入口及び出口は開閉するバルブを有する。入口バルブが開放されている場合には、HF、フルオロオレフィン、又はCl
2のような供給材料を反応器中に導入することができ;閉止されている場合には、供給材料を反応器中に導入することはできない。同様に、出口はバルブを有し、これが開放されている場合には、ヒドロフッ素化反応から形成される生成物、及び過剰のHF、並びに副生成物を反応器から排出することができる。一態様においては、入口及び出口は反応器の異なる領域内に配置され、即ち、少なくとも1つの入口122は反応器の底部に配され、少なくとも1つの入口122は反応器の同じ側又は反対側の頂部に配され、或いは、反応器の同じ側又は反対側において、少なくとも1つの入口は頂部に配され、少なくとも1つの出口は底部に配される。一態様においては、入口は、気体供給材料を反応器中にバブリングするために、浸漬管、噴霧器のような気体注入器などを含む。
図1には示されていないが、一態様においては、反応器は、フルオロオレフィンのための入口、及び消費された触媒を再生するために用いる塩素ガスのための別の入口を有する。
【0051】
[0051]本明細書全体にわたって、縦方向は、実質的に円筒形の反応器の軸に実質的に平行な、反応器の頂部から反応器の底部まで伸長する垂直方向として規定され;半径方向は、縦方向に対して垂直の面内に規定され、面内の中心から伸長している。反応器100は、反応器の中心付近に放射状に配置されている少なくとも1つの撹拌機140を含み、撹拌機140は、反応器の底部付近から反応器の頂部付近まで縦方向で上向きに伸長しているシャフト180を含む。通常は、シャフト180の底部は反応器の底部に接触しておらず;シャフト180は、それが反応器の底部に接触せずにその縦軸を中心に回転することができるように、反応器の底部から十分な距離に配置される。或いは、シャフト180は、反応器100の底部中に取り付けられている軸受又は任意の好適な支持構造体上に載置することができ、これによってシャフトをその軸の周りで自由に回転させることができるが、反応器の側壁により近付くシャフトの能力が減少し、この場合にはシャフトの底端の振動の可能性を阻止することができる。
【0052】
[0052]シャフト180の頂部は反応器から外側に伸長していて、モーター160に接続されている。しかしながら、当業者であれば、シャフト180の頂部を任意の幾つかのシール及びカップリング部材上に載置することができ、これはシャフトを回転させながら反応器の内容物を反応器内に保持するのに役立つ。
【0053】
[0053]
図1に示すように、複数のブレード142をシャフト180に固定して取り付けて、シャフト180の回転をブレード142の回転に変換することができる。例えば、ブレード142は、シャフト180内に形成されているスロット又は空洞部中に固定して挿入することができ、或いはシャフト180と一体成形することができる。他の態様においては、シャフト180は、シャフト180に沿って縦方向に偏位して配置されているブレード142の1以上の群に取り付けることができる。上記に記載したように、本発明の反応器のデザインは、チャネリングを排除する目的で、多ブレード撹拌機、例えば約200rpm未満で回転する偏位している多ブレードの撹拌機を包含する。湿潤する撹拌機部品は、フルオロポリマー耐腐食性材料で形成するか、又はこれでライニングすることができる。
【0054】
[0054]
図1に示すように、反応器の頂部から底部まで4つの群のブレード142を与えることができる。しかしながら、それらが反応容器内のチャネリングを阻止するのに十分に反応器内容物を撹拌するならば、任意の数の群のブレードを用いることができる。例えば、ブレードの第1及び第3の群は同じであってよく、ブレードの第2及び第4の群は同じであってよい。ブレード142は任意の形状であってよいが、本発明の一態様においては、これらは、長方形、台形、円錐形、楕円形、又は球状である。ブレードは、軸方向の混合を促進するために上下に傾斜させることができる。ブレードは、それらが反応器の壁から少なくとも十分な距離に配されて、シャフトが回転する際に、それらが反応器の側面の壁、又は互いと接触しないようになっている限りにおいて任意の直径であってよい。ブレードの長さは、壁の近くのチャネリングを阻止するために、それらが反応容器の内壁から比較的短い距離の範囲内に配されるようなものでなければならない。一態様においては、撹拌機ブレードの寸法は、ブレードの直径(先端から先端)が反応器の内径(D)の25%〜90%の間であるものであり;撹拌機ブレードのブレード高さ(垂直高さ)は、ブレードの直径(先端から先端)の10〜50%の範囲である。
【0055】
[0055]一態様においては、シャフト180が2つの群のブレード142を含む場合には、これらはシャフトの長さの約1/3〜約2/3に配置され;シャフトが複数のブレード142を含む場合には、一態様においては、ブレード142はシャフトの底部から、反応器内の液体のレベルの付近であるシャフト上の領域まで伸長する。ブレード142はほぼ同等の間隔で配することができ、或いは同等でない間隔で配することができる。ブレード間の間隔は、反応器100内の反応物質の分布、及び任意の他の実施上の配慮点によって定めることができる。この態様においては、ブレードは十分に離隔していて、反応器が回転する際に、それらはシャフト又は互いの回転を妨げない。ブレード142は、一態様においては全て同じ形状を有し、同じ寸法のものであるが、他の態様においては、これらは異なる形状を有し、異なる寸法のものであってよい。ブレード142は、その中に同じ群のブレードが配置される水平面に対して0°〜約90°の範囲の角度で配向することができる。更に、ブレード142は、シャフト180から実質的に垂直に伸長するのではなく、シャフト180に対して0°〜約90°の範囲の角度を形成していてよい。しかしながら、ブレードは全て同じ方向に配向又は傾斜していなくてもよい。
【0056】
[0056]
図2に示すように、反応器100は、シャフト180の回転速度を制御するためのモーター160と接続されている制御装置190を更に含む。制御装置190は、任意の形態のコンピューター、プロセッサー、回路などであってよく、これらはデータベースを保持し、所定のアルゴリズムを実施するようにプログラムすることができる。この態様においては、制御装置190は、シャフトの回転速度を制御するようにプログラム又は他の形態で設計される。
【0057】
[0057]他の態様においては、反応器はまた、反応温度を設定された所望の温度に維持し、並びに所望の圧力を維持するように加熱又は冷却することもできる。反応器を加熱又は冷却するために、当業者に公知の装置を用いて反応器内の流体を加熱又は冷却する加熱又は冷却手段を反応器に装備する。例えば、一態様においては、反応器にジャケット(図示せず)を装備する。ジャケットは、それぞれの反応器を部分的又は完全に取り囲む。反応器の十分な量を覆って、反応器の内部の流体を加熱又は冷却することができるようにする。他の態様においては、反応器ジャケットを用いて与えられる熱の代わりか、又はその補助として、HF及びフルオロオレフィン供給材料を反応器に供給する前に加熱又は冷却することができる。
【0058】
[0058]ヒドロフッ素化反応は、本明細書において下記に記載する反応器内において、フロオロオレフィンをヒドロフッ素化するのに有効な条件下で行う。一態様においては、反応は約70℃〜約130℃の範囲の温度において行い、一方、他の態様においては、約83℃〜約120℃の温度において行い、一方、更に他の態様においては、約85℃〜約95℃の温度において行う。
【0059】
[0059]本発明によれば、反応器は触媒を含む。供給材料入口を通してフッ化水素酸を反応器に加える。また、供給材料入口を通してフルオロオレフィンも反応器に導入する。ヒドロフッ素化は、一態様においては少なくとも約90%、一方、他の態様においては少なくとも約93%、更に他の態様においては少なくとも約96%の転化率を与えるのに有効な条件下で行う。HFを反応器に加えながら、又は加える前に、反応器を所望のフッ素化反応温度に予備加熱する。所望の場合には、更なる気化したHFを加えることができる。フルオロオレフィン、特に気化したフルオロオレフィンを、入口を通して反応器中に供給する。形成されるフルオロアルカンが出口を通して反応器から排出される。一態様においては、形成されるフルオロアルカンは気体であり、したがって形成されたら気体として反応器から排出され、そこでこれを回収し、必要な場合には凝縮し、気体を凝縮した後に、蒸留のような当該技術において公知の技術によって精製することができる。
【0060】
[0060]ここに記載する反応は、バッチ、半バッチ、半連続、又は連続モードで運転する液相反応器内で行うことができる。ここに記載する反応は、バッチ、半バッチ、半連続、又は連続モードで運転する液相反応器内で行うことができる。反応は、反応を行っている間は出口及び入口のバルブを閉止してバッチ式で運転することができる。或いは、反応は、入口及び出口のバルブを連続的に開放し、HF及びフルオロオレフィンを反応器に連続的に加え、生成物(フルオロアルカン及び副生成物)を、気体状態で出口バルブを通して反応器から連続的に取り出すか又は排出して連続的に行うことができる。他の態様においては、反応は半連続的に行う。
【0061】
[0061]反応器圧力は、液相プロセスにおいては重要ではなく、バッチ反応においては通常は反応温度における系の自生圧である。連続プロセスにおいては、反応のより低沸点の生成物が場合によっては充填カラム又は凝縮器を通して反応器から放出されるように、反応器の圧力を設定することができる。
【0062】
[0062]転化率及び選択率は、商業的に有用であるためには、触媒運転あたりの反応において十分に高くなければならない。これらは商業プロセスであるので、フルオロオレフィン出発材料の転化率、及び所望のフルオロアルカンへの選択率が、それぞれ、触媒運転あたり少なくとも約500時間、他の態様においては少なくとも約1000時間、更なる態様においては少なくとも約2,000時間の間、触媒を交換する必要なしに少なくとも90%より高いことが必須である。
【0063】
[0063]触媒は、失活してきたら当該技術において公知の任意の手段によって容易に再生することができる。触媒を再生する1つの好適な方法は、入口を通して触媒を含む反応器中に塩素流を流入させることを含む。例えばフッ素化触媒1ポンドあたり約0.001〜約0.2ポンド/時(0.45〜90g/時)の塩素を液相反応に加えることができる。これは、例えば約50℃〜約130℃の温度において、約1〜約2時間又は連続的に行うことができる。
【0064】
[0064]本発明者らは、フルオロオレフィンのヒドロフッ素化反応を液体中及び撹拌の不存在下で行うと、フルオロカーボンへの転化率は当初は高かったが、フルオロカーボンへの転化率は短時間の後に許容できないレベルまで劇的に低下したことを見出した。
【0065】
[0065]更に、本発明者らは、チャネリングはフルオロオレフィンへの転化率に影響を与えることを見出した。チャネリングとは、反応混合物がデッドスペースを含んでいて、これによりフルオロオレフィン及び/又は触媒の分子の一部が互い及びHFと接触しないで、したがって反応することができないことを意味する。反応は加熱下で行われ、したがって熱によって液体の十分な撹拌が引き起こされて、フルオロオレフィン及びHFの分子が触媒と接触することができると考えられていたので、これは驚くべきことであった。成功の反応においては、フルオロカーボンへの転化率は約90%より高くなる。
【0066】
[0066]種々の解決策が考えられた。この問題に対する1つの解決策は、触媒の濃度を増加させることであった。本発明者らは、触媒の濃度を増加させた場合には、ここでも当初はフルオロカーボンへの転化率は満足できるものであったが、短時間の後に満足できないものになり、許容できないレベルまで低下したことを見出した。
【0067】
[0067]本発明者らは、反応混合物を撹拌する必要があったことを見出した。しかしながら、液体の撹拌が不十分であった場合には、フルオロオレフィンからフルオロアルカンへの転化率は、十分な時間の間満足できるレベルに維持されなかった。他方において、撹拌が過度に高すぎた場合には、本発明者らは、転化率(%)及び/又は選択率(%)は過フッ素化が起こるために非常に低かったことを見出した。本発明者らは、シャフト180の回転速度が約200rpm以下である場合;他の態様においては、シャフト180の回転速度が約100rpm以下である場合、更なる態様においては、シャフト180の回転速度が約50rpm以下である場合に、チャネリング効果が回避及び/又は最小化されることを見出した。しかしながら、シャフト180は、約5rpmの最低速度及び200rpmの最高速度で回転させる必要がある。この速度においては、本発明者らは、かかる速度により反応物質、1233xf、及びHFが触媒と相互作用してヒドロフッ素化反応を行わせるのに十分な混合が与えられることを見出した。
【0068】
[0068]反応を上記に記載の反応器内で行う場合には、本発明者らは、満足できる時間の間、例えば触媒を再生又は交換する前に、触媒運転あたり少なくとも約500時間の間、高い転化率及び高い選択率でフルオロオレフィンをヒドロフッ素化してフルオロアルカンを生成させる有効な方法を見出した。
【0069】
[0069]本明細書において用いる「触媒運転」という用語は、ヒドロフッ素化反応によって、約90%より高いフルオロオレフィンの転化率及び約90%より高いフルオロアルカンの選択率でフルオロアルカンを生成させる時間の量を指す。本発明の一態様においては、触媒は、フルオロオレフィン転化率が約90%未満の転化率である時点で再生する。通常は、商業プロセスのためには、ヒドロフッ素化反応は、転化率が90%より低い値に低下する前に500時間以上、他の態様においてはより好ましくは1000時間以上、更に他の態様においては好ましくは約2000時間以上運転される。
【0070】
[0070]本発明者らは、機械的撹拌を高い触媒濃度と組み合わせることによって、触媒が過度に活性であった時間の長さにおいて大きな差が与えられることを見出した。低いL/D比の撹拌している実験用反応器においては、安定な反応器運転を与えるためには高い触媒濃度が必要であるが、これは過剰な245cbの形成を伴う。工程(2)の反応における過剰な245cbの形成の問題は、主として触媒の過度の活性によるものであることは明らかであり、これは、高いL/D比の反応器デザインに固有の十分な滞留時間が与えられるならば、希釈した触媒を用いることによって解決することができる。
【0071】
(1)高いL/D比の反応器を撹拌と組み合わせることによって、同等の触媒反応混合物体積あたりより長い滞留時間が与えられる。
(2)高いL/D比の反応器を撹拌と組み合わせることによって、入熱が促進される。
【0072】
(3)高いL/D比の反応器を撹拌と組み合わせることによって、反応器レベルの制御が容易になる。
[0071]上記に記載したように、通常の商業的な機械的撹拌機に代えて、本発明の反応器デザインは、チャネリングを排除する目的で多ブレード撹拌機、好ましくは約200rpm未満で回転する偏位している多ブレードの撹拌機を含む。湿潤する撹拌機部品は、フルオロポリマー耐腐食性材料で形成するか、またはこれでライニングすることができる。ブレードの長さは、壁に近接するチャネリングを阻止するためにそれらが反応容器の内壁から比較的短い距離の範囲内に配されるようなものでなければならない。本発明者らは、これらの問題は、低撹拌速度、即ち約200rpm以下、他の態様においては100rpm以下、更に他の態様においては約50rpm以下の撹拌を用いることによって軽減することができることを見出した。
【0073】
[0072]本発明方法は、例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)のような化合物を製造するためのより大きなプロセスの一部として用いることができる。例えば、本発明方法は、上記記載の1234yfを製造するための3工程プロセスの第2工程であってよい。この点に関連して好ましい態様においては、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための統合製造プロセスの一工程を構成する。このプロセスのために好ましい出発材料は、式I、II、及び/又はIII:
CX
2=CCl−CH
2X (式I)
CX
3−CCl=CH
2 (式II)
CX
3−CHCl−CH
2X (式III)
(式中、Xは、独立してF、Cl、Br、及びIから選択され、但しXの少なくとも1つはFではない)
にしたがう1種類以上の塩素化化合物である。好ましくは、これらの化合物は少なくとも1つの塩素を含み、より好ましくはXの大部分は塩素であり、更により好ましくは全てのXは塩素である。好ましくは、この方法は、概して少なくとも3つの反応工程を含む。
【0074】
[0073]工程1:
第1工程においては、式(I)、(II)、又は(III)を有する1種類以上の化合物、好ましくは1,1,2,3−テトラクロロプロペン(TCP)、及び/又は2,3,3,3−テトラクロロプロペン、及び/又は1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)を含む出発組成物を、第1の蒸気相反応器(フッ素化反応器)内で無水HFと反応させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)及びHClの混合物を生成させる。好ましくは、この反応はフッ素化酸化クロムのような触媒の存在下で行う。この反応は、第1の蒸気相反応器内において、好ましくは約200〜400℃の反応温度、及び約0〜200psigの反応圧力で行う。蒸気相反応器から排出される流出流は、場合によっては未反応のHF、重質中間体、及びHFC−245cbのような更なる成分を含む可能性がある。
【0075】
[0074]蒸気相プロセスの場合には、反応器に蒸気相フッ素化触媒を充填する。当該技術において公知の任意のフッ素化触媒をこのプロセスにおいて用いることができる。好適な触媒としては、クロム、アルミニウム、コバルト、マンガン、ニッケル、及び鉄の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、その無機塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のために好適な触媒の組合せとしては、非排他的に、Cr
2O
3、FeCl
3/C、Cr
2O
3/Al
2O
3、Cr
2O
3/AlF
3、Cr
2O
3/炭素、CoCl
2/Cr
2O
3/Al
2O
3、NiCl
2/Cr
2O
3/Al
2O
3、CoCl
2/AlF
3、NiCl
2/AlF
3、及これらの混合物が挙げられる。酸化クロム/酸化アルミニウム触媒は、米国特許5,155,082(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。結晶質酸化クロム又はアモルファス酸化クロムのようなクロム(III)酸化物が好ましく、アモルファス酸化クロムが最も好ましい。酸化クロム(Cr
2O
3)は商業的に入手可能な材料であり、種々の粒径で購入することができる。少なくとも98%の純度を有するフッ素化触媒が好ましい。フッ素化触媒は、過剰であるが、少なくとも反応を推進するのに十分な量で存在させる。
【0076】
[0075]一態様においては、工程1において生成する1233xfは、凝縮して液体を回収し、次に蒸留して1233xfを不純物から分離し、生成物の精製1233xfを工程2において用いるために回収する。
【0077】
[0076]工程2:
第2工程においては、ここに記載した本発明の方法を用いて、工程1において生成する1233xfを、入口を通して反応器中に供給し、ここに記載するヒドロフッ素化にかける。工程(2)の反応はHCl副生成物を生成しないので、商業規模の反応器(及び実験室規模においては「バブルカラム」反応器におけるチャネリングに関する)における混合はほぼ確実に不十分であり、その結果、これは反応器デザインをここに記載するように多少の撹拌方法を有するようにすることが必要になる。一態様においては、1233xfは約95%より高い値で244bbに転化し、245cb副生成物は約2重量%未満で生成する。一態様においては、工程3の前に、当該技術において公知の技術によって245cb副生成物を244bbから分離する。
【0078】
[0077]工程3:
第3工程においては、本発明による工程2から生成する244bbを第2の蒸気相反応器(脱塩化水素化反応器)に供給し、脱塩化水素化して所望の生成物の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)を生成させる。この反応器は、244bbを接触脱塩化水素化して1234yfを生成させることができる触媒を含む。
【0079】
ここでの触媒は、バルク若しくは担持形態の金属ハロゲン化物、ハロゲン化金属酸化物、中性(又は0の酸化状態)の金属又は金属合金、或いは活性炭であってよい。金属ハロゲン化物又は金属酸化物触媒を用いる場合には、好ましくは一価、二価、及び三価金属のハロゲン化物、酸化物、並びにこれらの混合物/組み合わせ、より好ましくは一価及び二価金属のハロゲン化物、及びこれらの混合物/組み合わせが挙げられる。構成成分の金属としては、Cr
3+、Fe
3+、Mg
2+、Ca
2+、Ni
2+、Zn
2+、Pd
2+、Li
+、Na
+、K
+、及びCs
+が挙げられるが、これらに限定されない。構成成分のハロゲンとしては、F
−、Cl
−、Br
−、及びI
−が挙げられるが、これらに限定されない。有用な一価又は二価金属のハロゲン化物の例としては、LiF、NaF、KF、CsF、MgF
2、CaF
2、LiCl、NaCl、KCl、及びCsClが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化処理としては、従来技術において公知の任意のもの、特にハロゲン化源物質としてHF、F
2、HCl、Cl
2、HBr、Br
2、HI、及びI
2を用いるものを挙げることができる。
【0080】
[0078]中性、即ち0価の金属、金属合金、及びこれらの混合物を用いる場合には、有用な金属としては、Pd、Pt、Rh、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Cr、Mn、及び合金又は混合物としての上記の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。触媒は担持又は非担持であってよい。金属合金の有用な例としては、SS316、モネル400、インコネル825、インコネル600、及びインコネル625が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
[0079]触媒の例としては、活性炭、ステンレススチール(例えばSS316)、オーステナイトニッケルベースの合金(例えばインコネル625)、ニッケル、フッ素化10%CsCl/MgO、及び10%CsCl/MgF
2が挙げられる。反応温度は好ましくは約300〜550℃であり、反応圧力は好ましくは約0〜150psigである。好ましくは、反応器流出流は苛性スクラバー又は蒸留カラムに供給して、HClの副生成物を除去して酸を含まない有機生成物を生成させ、これは場合によっては更なる精製にかけることができる。
【実施例】
【0082】
[0080]以下の非限定的な実施例によって本発明を更に示す。
[0081]実施例1:
600kgのSbCl
5及び9070kgのHF(15:85のSbCl
5:HFの重量比)を、
図1に示す低速撹拌しているバブルカラム反応器(6:1のL/D)(反応器の長さは約830cmであり、反応器の直径は約140cmである)に充填した。反応器は、形状が長方形である4群の4パドルブレードを有していた。ブレードの直径は126cm(ブレード先端から反対側のブレード先端まで)であり、ブレードの高さは30cmであった。このブレードの群を、ブレードの最も低い群を反応器の底部から約30cmに配して同等の距離離隔させてシャフトに取り付けた。撹拌機のシャフトは、反応器の底部の軸受カップ内に挿入することによって安定化させて揺れを阻止した。撹拌機を50rpmの速度で始動させて、混合物を90℃に加熱した。必要に応じて蒸気空間オフガスライン中のバルブを開閉することによって、反応器内において105psigの圧力を維持した。次に、気体状HCFO−1233xf及び気体状HFを、反応器の底部に取り付けられている噴霧器を通して反応混合物中に直接、連続的に供給した。HCFO−1233xfは1202kg/時の速度で供給し、HFは476kg/時の速度で供給した。最初の50時間の触媒コンディショニング段階の後、主として若干の未反応のHF、並びに約96モル%のHFC−244bb、3モル%の未反応のHCFO−1233xf、及び1モル%の245cbの有機組成物から構成される反応器流出流が、触媒の再生が必要になる前に750時間の間、更なる処理のために反応器から排出された。次に、反応器の底部に接続されている噴霧器によって別のノズルを通して供給されるCl
2を、消費された触媒を再生するために用いた。
【0083】
[0082]実施例2:
低速撹拌バブルカラムデザインを用いた実験室用反応器を構築した。反応器は、水蒸気ジャケット付きの公称直径3.5インチ×長さ35インチのPTFEライニングパイプから構成した。反応器に、可変速度磁気駆動動力源の撹拌機を装備した。撹拌機は、反応器が揺れるのを阻止するために反応器の底部の軸受中に挿入した長尺のPTFE被覆シャフトから構成した。3つのPTFE撹拌装置をシャフトに取り付けた。1番目の撹拌装置は、反応器の底部から約1インチであった。次は1番目の約10インチ上方であり、3番目は2番目の約10インチ上方であった。3つの撹拌装置のそれぞれは4つのブレードを有しており、それぞれの撹拌装置の直径は、ブレードの先端からブレードの先端まで2.5インチであった。3つの撹拌装置のそれぞれに関するそれぞれのブレードは、5/8インチの垂直方向の高さを有する長方形の形状であり、撹拌機シャフトに対して45°の角度を有して、運転中に若干量の下向き流の軸方向の触媒物質流体の運動が与えられるようにした。撹拌装置は、チャネリングを更に阻止するために、それぞれの装置のブレードが他の2つの装置のものから偏位するように取り付けた。
【0084】
[0083]675gのSbCl
5及び5.5ポンドのHFを反応器に加えた。これは、SbCl
5とHFの約20/80重量%の混合物を形成する量であった。撹拌機速度は18rpmにした。反応器の内容物を85〜89℃の温度範囲にして、そこで維持した。反応器圧力は、必要に応じて生成物取り出しライン中のバルブを開閉することによって約100psigにして、その圧力で維持して反応を進めた。次に、それぞれ約0.9及び0.4ポンド/時のHFO−1233xf及びHFの供給速度を設定した(約2.8:1のHF/1233xfのモル比)。
【0085】
[0084]これらの条件において、反応を2300時間にわたって運転した。触媒は、液相フッ素化反応のためにSbCl
5を用いることの知識を有する当業者によって認識することができるように、高い触媒活性を維持するために、運転中において数回、新しい触媒を徐々に加えるか、又はCl
2で再生して「活性化」した。運転の最初の50時間を除いて、この運転に関する1233xfの平均転化率は95.3モル%であった。この運転に関する245cbの平均選択率は1.2モル%であった。この運転に関する目標生成物のHCFC−244bbの平均選択率は98.7モル%であった。
【0086】
[0085]実施例3:
[0086]実施例2において用いたものと同じ低速撹拌バブルカラムデザインの反応器を実施例3のために用いた。反応器は、水蒸気ジャケット付きの公称直径3.5インチ×長さ35インチのPTFEライニングパイプから構成した。反応器に、可変速度磁気駆動動力源の撹拌機を装備した。撹拌機は、反応器が揺れるのを阻止するために反応器の底部の軸受中に挿入した長尺のPTFE被覆シャフトから構成した。3つのPTFE撹拌装置をシャフトに取り付けた。1番目の撹拌装置は、反応器の底部から約1インチであった。次は1番目の約10インチ上方であり、3番目は2番目の約10インチ上方であった。3つの撹拌装置のそれぞれは4つのブレードを有しており、それぞれの撹拌装置の直径は、ブレードの先端からブレードの先端まで2.5インチであった。3つの撹拌装置のそれぞれに関するそれぞれのブレードは、5/8インチの垂直方向の高さを有する長方形の形状であり、撹拌機シャフトに対して45°の角度を有して、運転中に若干量の下向き流の軸方向の触媒物質流体の運動が与えられるようにした。撹拌装置は、チャネリングを更に阻止するために、それぞれの装置のブレードが他の2つの装置のものから偏位するように取り付けた。
【0087】
[0087]3500gのSbCl
5及び4.5ポンドのHFを反応器に加えた。これは、SbCl
5とHFの約63/37重量%の混合物を形成する量であった。撹拌機速度は18rpmにした。反応器の内容物を85〜89℃の温度範囲にして、そこで維持した。反応器圧力は、必要に応じて生成物取り出しライン中のバルブを開閉することによって約100psigにして、その圧力で維持して反応を進めた。次に、それぞれ約0.98及び0.37ポンド/時のHFO−1233xf及びHFの供給速度を設定した(約2.5:1のHF/1233xfのモル比)。
【0088】
[0088]これらの条件において、反応を2500時間にわたって運転した。初めの約900時間の後、触媒は、液相フッ素化反応のためにSbCl
5触媒を用いることの知識を有する当業者によって認識することができるように、高い触媒活性を維持するために、運転中において数回、Cl
2で再生した。運転の最初の100時間を除いて、この運転に関する1233xfの平均転化率は96.4モル%であった。この運転に関する245cbの平均選択率は1.35モル%であった。この運転に関する目標生成物のHCFC−244bbの平均選択率は98.60モル%であった。
【0089】
[0089]比較例1:
[0090]「バブルカラム」反応器として記載されている丈が高く細い非撹拌反応器を用いて連続的な工程(2)の反応を行った。反応器の長さ/直径比(L/D比)は約14:1であった(長さ35インチで直径2.5インチ)。
【0090】
[0091]約650gのSbCl
5及び約7ポンドのHFを最初に反応器に充填して、HF中の触媒の20重量%混合物を得た。反応物質を約90℃にして、そこで維持し、必要に応じて塔頂蒸気取り出しバルブ中のバルブを開閉することによって約100psigの圧力にして、その圧力で維持して反応を進めた。次に、気体状1233xf及び気体状HFの連続供給流を反応器に連続的に供給したところ、反応器中に一定重量の反応混合物を維持することが比較的容易であることが分かった。HCFO−1233xfは約1.02ポンド/時の速度で供給し、HFは約0.65ポンド/時の速度で供給した。245cbの形成量は、約45時間の連続運転時間の後に約2%未満まで減少した。しかしながら、この比較例においては、1233xfの転化率を長時間高く維持することは困難であった。当初は1233xf転化率は約96%であったが、150時間の連続運転時間の後は約90%未満まで減少した。
【0091】
[0092]バブルカラム反応器において1233xfの一貫して高い転化率を達成することができなかったことは、おそらくはチャネリングに起因するものであり、したがって反応容器内部における反応混合物の不十分な混合によるものであった。このチャネリング効果は、1233xfが接触することができる触媒の量を大幅に減少させると考えられ、これによって低い転化率が説明される。
【0092】
[0093]比較例2:
[0094]より高い当初の触媒濃度、即ち約60重量%より高い触媒濃度を用い、残りはHFにして、比較例1を繰り返した。その他の点は比較例1と同じ運転条件で運転した。同様に、反応器中に一定重量の反応混合物を維持することは比較的容易であることが分かった。望ましくない副生成物の245cbの形成は当初は約60%であり、一方、1233xfの転化率は約95%より高かった。245cbの形成は、約60時間の連続反応運転の後に約2%未満まで減少し、運転の残りを通して更に減少した。1233xfの転化率は約280時間の連続運転時間の間、一定(95モル%〜96モル%の間)に維持されたが、その後、24時間かけて約82%まで驚くほど速やかに減少した。ここでも、転化率の損失は反応混合物内の「チャネリング」に起因する可能性がある。
【0093】
[0095]比較例3:
[0096]本実施例は、約1.3:1のL/D比、及び500rpmまでの速度で運転することができるPTFE撹拌機を有するジャケット付きPTFEライニング容器を用いて行った。最初に約1kgのSbCl
5及び約3.6kgのHFを反応器に充填して、これによって上記に記載の比較例1及び2のバブルカラム反応器実験において用いたものよりもアンチモン触媒濃度が僅かに高い(20重量%に対して22重量%)反応混合物を与えた。この実験に関しては、撹拌機は約225rpmで運転した。1233xf及びHFの供給速度に関係なく一定の反応混合物の重量を維持することは、最良でも困難であることが分かった。反応混合物の重量は、反応器ジャケットへの水蒸気流によって与えられる熱の量に対して非常に敏感であり、水蒸気流を増減する時点と反応混合物重量が変化する時間との間には非常に大きな遅延時間があったので、安定な制御は可能でなかったことが分かった。高い撹拌速度は、反応速度及び生成物の混合のそれぞれ並びに反応器への入熱の有効性を、反応混合物の沸騰速度が非常に迅速に変化するので反応器重量及び原材料を適切に制御することができないような程度まで迅速に変化させると思われる。
【0094】
[0097]比較例4:
[0098]本実施例においては、反応器は1.3:1の低いL/D比を有しており、約60重量%の触媒濃度にするために、比較的多い量(4kg)のSbCl
5の新しい充填物、及び過剰のHF(6ポンド)を加えることを含んでいた。運転の開始時においては1233xfは存在させなかった。最初はHF及びSbCl
5のみを反応器に充填した。更に、反応器運転の制御を向上させるために、混合速度を約100rpmに減少させた。
【0095】
[0099]予期したように、245cbの選択率は当初は非常に高かった(モルベースで76%)が、比較例1〜2における「バブルカラム」反応器とは異なり、望ましくない245cbのレベルは、525時間の運転を通して比較的高く維持された(未だモルベースで約2.5%)。比較例2において上記に記載したように、高い触媒濃度を用いた245cbの選択率は当初は高かった(例えば60モル%まで)が、約50〜60時間の反応運転時間の後は2%未満まで減少した。1233xfの転化率は反応を通して一貫して維持された(95モル%〜96モル%)。
【0096】
[0100]本明細書において用いる単数形の「a」、「an」、及び「the」は、記載が他に明確に示していない限りにおいて、複数のものを包含する。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメーターを、範囲、好ましい範囲、又はより高い好ましい値とより低い好ましい値のリストのいずれかとして与える場合には、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意のより高い範囲限界又は好ましい値と、任意のより低い範囲限界又は好ましい値の任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示すると理解すべきである。明細書において数値の範囲が示されている場合には、他に示されていない限りにおいて、この範囲はその端点及びこの範囲内の全ての整数及び小数を含むと意図される。本発明の範囲を、範囲を規定する際に示される具体的な値に限定することは意図しない。本発明の任意の特定の形態及び/又は態様に関して本明細書に記載する任意の特徴を、組合せの適合性を確保するために適当な場合には修正を加えて、本明細書に記載する本発明の任意の他の形態及び/又は態様の1以上の任意の他の特徴と組み合わせることができることは、本発明が関係する技術の当業者によって認識される。かかる組合せは本開示によって意図される本発明の一部であるとみなされる。
【0097】
[0101]上記の一般的な記載及びそれに続く詳細な記載は両方とも例示及び例証のみのものであり、特許請求する発明を限定するものではないことを理解すべきである。他の態様は、明細書及びそこに開示されている発明の実施を考察することによって当業者に明らかになるであろう。
本明細書は以下の発明の開示を包含する:
[1]約2:1以上の長さ/直径比を有する反応器本体;ヒドロフッ素化触媒を含む撹拌反応区域;HF及びフルオロオレフィンを反応区域に供給するための少なくとも1つの入口、及びフルオロアルカンを回収するための少なくとも1つの出口;反応区域内に配置されており、モータによって駆動することができるシャフトに固定して取り付けられている複数のブレードを含み、かかるブレードは反応区域の底部周辺から反応区域の頂部周辺まで伸長しており、かかるシャフトは縦軸上で反応器の底部から反応器の頂部まで伸長しており、撹拌機は、ヒドロフッ素化触媒を形成し、チャネリングを最小にし、液体の旋回流を促進して触媒及びフルオロオレフィンとHFの混合を行って、触媒の運転あたり約90%以上の転化率及び約90%以上の選択率でヒドロフッ素化反応を起こし、過フッ素化を回避するのに十分な速度で回転し、撹拌機は、約1rpm〜約200rpmの範囲の回転速度で回転する撹拌機;を含む反応器の反応区域内において、フルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体HFと反応させてフルオロアルカンを形成することを含むヒドロフッ素化方法。
[2]ヒドロフッ素化触媒を、反応器の反応区域内においてin situでヒドロフッ素化触媒前駆体から生成させる、[1]に記載の方法。
[3]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約10重量%〜約98重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約90重量%〜約2重量%の範囲の無水液体HFの濃度(無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体の合計重量の重量%は100%を超えない)で、約70℃〜約130℃の範囲の温度において反応区域中に充填し、そしてヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを約1rpm〜約200rpmの範囲の速度で撹拌する、[2]に記載の方法。
[4]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約40重量%〜約80重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約20重量%〜約60重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[3]に記載の方法。
[5]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約50重量%〜約70重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約30重量%〜約50重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[4]に記載の方法。
[6]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約55重量%〜約65重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約45重量%〜約35重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[4]に記載の方法。
[7]反応器の長さ/直径比が約4:1以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]反応器の長さ/直径比が約6:1以上である、[7]に記載の方法。
[9]反応器の長さ/直径比が約10:1以上である、[7]に記載の方法。
[10]撹拌機の回転速度が約10〜約125rpmの範囲である、[1]に記載の方法。
[11]撹拌機の回転速度が約20rpm〜約75rpmの範囲である、[1]に記載の方法。
[12]撹拌機の回転速度が約25rpm〜約50rpmの範囲である、[1]に記載の方法。
[13]無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して約10〜約125rpmの範囲である、[3]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[14]無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して約20〜約75rpmの範囲である、[3]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[15]無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体を反応器中に充填する際、及びフルオロオレフィンを、液相中、ヒドロフッ素化触媒の存在下で無水液体フッ化水素と反応させてフルオロアルカンを形成する際の撹拌機の回転速度が、独立して約25〜約50rpmの範囲である、[3]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[16]ヒドロフッ素化反応を約70℃〜約130℃の範囲の温度で行う、[1]又は[2]に記載の方法。
[17]ヒドロフッ素化反応を約70℃〜約130℃の範囲の温度で行う、[3]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[18](a)無水液体HF、及び五ハロゲン化アンチモンを含むヒドロフッ素化触媒前駆体を、約10重量%〜約98重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約90重量%〜約2重量%の範囲の無水液体HFの濃度(無水液体HF及びヒドロフッ素化触媒前駆体の合計の重量%は100%を超えない)で、約70℃〜約130℃の範囲の温度において反応器の反応区域内に充填してヒドロフッ素化触媒を形成し;そして(b)次に、反応器の反応区域内において、フルオロオレフィンを、液相中、工程(a)において製造されるヒドロフッ素化触媒の存在下、約70℃〜約130℃の範囲の温度で無水液体HFと反応させてフルオロアルカンを形成する;ことを含み;反応器は、約2:1以上の長さ/直径比を有する反応器本体;ヒドロフッ素化触媒を含む撹拌反応区域;液体状態のフッ化水素及びフルオロオレフィンを反応区域に供給するための少なくとも1つの入口及びフルオロアルカンを回収するための少なくとも1つの出口;反応区域内に配置されており、モータによって駆動することができるシャフトに固定して取り付けられている複数のブレードを含み、かかるブレードは反応区域の底部周辺から反応区域の頂部周辺まで伸長しており、かかるシャフトは縦軸上で反応器の底部から反応器の頂部まで伸長しており、撹拌機は、ヒドロフッ素化触媒を形成し、チャネリングを最小にし、液体の旋回流を促進して触媒及びフルオロオレフィンとフッ化水素の混合を行って、触媒の運転あたり約90%以上の転化率及び約90%以上の選択率でヒドロフッ素化反応を起こし、過フッ素化を回避するのに十分な回転速度で回転し、撹拌機は、約1rpm〜約200rpmの範囲の速度で回転する撹拌機;を含むヒドロフッ素化方法。
[19]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約40重量%〜約80重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約20重量%〜約60重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[18]に記載の方法。
[20]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約50重量%〜約70重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約30重量%〜約50重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[19]に記載の方法。
[21]ヒドロフッ素化触媒前駆体及び無水液体HFを、約55重量%〜約65重量%の範囲のヒドロフッ素化触媒前駆体の濃度及び約45重量%〜約35重量%の範囲の無水液体HFの濃度で反応区域中に充填する、[20]に記載の方法。
[22]反応器の長さ/直径比が約4:1以上である、[18]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[23]反応器の長さ/直径比が約6:1以上である、[22]に記載の方法。
[24]反応器の長さ/直径比が約10:1以上である、[22]に記載の方法。
[25]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約10〜約125rpmの範囲である、[18]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[26]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約20〜約75rpmの範囲である、[18]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[27]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約25〜約50rpmの範囲である、[18]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[28]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約10〜約125rpmの範囲である、[22]に記載の方法。
[29]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約20〜約75rpmの範囲である、[22]に記載の方法。
[30]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約25〜約50rpmの範囲である、[22]に記載の方法。
[31]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約10〜約125rpmの範囲である、[23]に記載の方法。
[32]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約20〜約75rpmの範囲である、[23]に記載の方法。
[33]工程(a)及び工程(b)における撹拌機の回転速度が独立して約25〜約50rpmの範囲である、[22]に記載の方法。
[34]フルオロオレフィンが1233xfであり、フルオロアルカンが244bbである、[1]又は[18]に記載の方法。
[35]反応器本体がフルオロポリマーでライニングされている内部を有する、[1]又は[18]に記載の方法。
[36]フルオロポリマーライニングが交換可能な緩いライニングである、[35]に記載の方法。
[37]反応器がモーターと接続されている制御装置を更に含み、制御装置は、液体の旋回流を促進して、触媒及びフルオロオレフィンとフッ化水素の混合を行ってヒドロフッ素化反応を起こして、触媒の運転あたり約90%より高い転化率及び約90%より高い選択率で維持し、チャネリングを最小にするのに十分な速度で撹拌装置を回転させるように構成されている、[1]又は[18]に記載の方法。
[38](a)式I、II、及びIII:
CX
2=CCl−CH
2X (式I);
CX
3−CCl=CH
2 (式II);
CX
3−CHCl−CH
2X (式III);
(式中、Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIから選択され、但し少なくとも1つのXはFではない)から選択される構造を有する少なくとも1種類の化合物を含む出発組成物を与え;
(b)かかる出発組成物を、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を含む第1の中間体組成物を生成させるのに有効な条件下でHFと接触させ;
(c)1233xfを含む第1の中間体組成物を、[1]又は[18]に記載の方法にしたがってヒドロフッ素化触媒の存在下でHFによってヒドロフッ素化して244bbを生成させ;そして
(d)244bbの少なくとも一部を脱塩化水素化して、1234yfを含む反応生成物を生成させる;ことを含む、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)の製造方法。
[39]工程(c)において、約2重量%未満の1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)が244bbと共に更に存在しており、244bbを脱塩化水素化にかける前に、244bbを245cbから分離する、[38]に記載の方法。