特許第6648044号(P6648044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デピュイ・シンセス・プロダクツ・エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000002
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000003
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000004
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000005
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000006
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000007
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000008
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000009
  • 特許6648044-係止式ウェブプレート 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648044
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】係止式ウェブプレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-575931(P2016-575931)
(86)(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公表番号】特表2017-519588(P2017-519588A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】US2015036323
(87)【国際公開番号】WO2016003658
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年6月11日
(31)【優先権主張番号】14/320,511
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハシュミ・アダム
(72)【発明者】
【氏名】ロッチ・ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・リン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー・ファビエンヌ
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0107798(US,A1)
【文献】 特表2013−525026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指骨に固定するようにサイズ決めされ成形された骨固定プレートであって、
第1端から第2端まで延在するヘッドであって、第1及び第2の固定要素穴軸に沿って前記ヘッドを貫通して延在する第1及び第2の固定要素穴を有する、ヘッドと、
前記ヘッドの前記第2端から第3端まで中心縦軸に沿って延在し、前記中心縦軸に平行な方向に細長い長円形穴と、前記長円形穴の側方に配置された少なくとも1つの接続部分固定要素穴とを有する接続部分と、
前記接続部分の前記第3端から第4端まで前記中心縦軸に沿って延在するシャフトと、を有し、前記シャフトが、前記中心縦軸に沿って延在する第3及び第4の固定要素穴を有し、前記シャフトが、第1の外側壁に沿って延在する複数の第1の突出部と、第2の外側壁に沿って延在する複数の第2の突出部とを有し、前記第1及び第2の突出部が、それらを貫通して延在する対応する突出部固定要素穴を有し、小径の延長部によって前記シャフトに接続され、前記第1及び第2の突出部が、前記シャフト上に交互に提供されている、骨固定プレート。
【請求項2】
前記長円形穴の断面が、8の字形である、請求項1に記載の骨固定プレート。
【請求項3】
前記骨固定プレートの外周が、前記骨固定プレートの外壁上のくぼみとして形成された複数の切欠きを有する、請求項1に記載の骨固定プレート。
【請求項4】
前記切欠きが、前記第1、第2、及び第3の固定要素穴のうちの隣接した固定要素穴の間に位置決めされている、請求項3に記載の骨固定プレート。
【請求項5】
前記切欠きが、複数のシャフト固定要素穴のうちの隣接したシャフト固定要素穴の間に位置決めされている、請求項4に記載の骨固定プレート。
【請求項6】
前記第1、第2、及び第3の固定要素穴及びシャフト固定要素穴が、可変角度の穴である、請求項4に記載の骨固定プレート。
【請求項7】
前記第1、第2、及び第3の固定要素穴及びシャフト固定要素穴が、ねじ式止め穴である、請求項4に記載の骨固定プレート。
【請求項8】
前記ヘッドが、中手骨の骨幹端の湾曲に一致する第1の輪郭で形成され、前記シャフトが、前記中手骨の骨幹の輪郭に一致する第2の輪郭で形成され、前記第1の輪郭が、前記第2の輪郭とは異なる、請求項1に記載の骨固定プレート。
【請求項9】
前記第1および第2の輪郭が、円筒の円弧の一部を形成する、請求項に記載の骨固定プレート。
【請求項10】
前記ヘッドの輪郭が、前記中心縦軸と平行に延在する軸に沿って集束する2つの平坦壁を有する、請求項6に記載の骨固定プレート。
【請求項11】
前記ヘッドの幅が、前記接続部分及び前記シャフトの幅より大きい、請求項1に記載の骨固定プレート。
【請求項12】
前記第1の突出部が、前記第1端の方に傾けられ、前記第2の突出部が、前記第2端の方に傾けられている、請求項1に記載の骨固定プレート。
【請求項13】
前記第1の突出部の縦軸が、前記中心縦軸と第1の角度をなし、前記第2の突出部の縦軸が、前記中心縦軸と第2の角度をなす、請求項12に記載の骨固定プレート。
【請求項14】
前記第1の角度が、前記第2の角度と同じである、請求項13に記載の骨固定プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、手の骨折を固定するためのプレート、及びそのようなプレートを骨に埋め込むための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の骨折を固定するための現在のシステム及び方法は、骨の湾曲に一致するように外科医が輪郭形成しなければならない骨プレートを含む。外科医は、ピンセット又は別の道具を使って骨プレートを掴み、骨プレートを手で操作して骨の湾曲に近い湾曲を得る。そのような骨プレートの剛性は、所望通りの湾曲となるように処理するのを困難にし、多くの従来の骨プレートの構造では、多くの面の湾曲を標的骨の複雑な湾曲とぴったり一致させることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、指骨に固定するようにサイズ決めされ成形された骨プレートを目的とし、骨プレートは、第1端から第2端まで延在するヘッドであって、第1及び第2の固定要素穴軸に沿ってヘッドを貫通して延在する第1及び第2の固定要素穴を有するヘッドを有する。骨プレートは、また、ヘッドの第2端から第3端まで中心縦軸に沿って延在する接続部分を有し、接続部分は、中心縦軸に平行な方向に細長い長円形穴を有する。骨プレートは、また、接続部分の第3端から第4端まで中心縦軸に沿って延在するシャフトを有し、シャフトは、中心縦軸に沿って延在する第3及び第4の固定要素穴を有し、シャフトは、第1の外側壁に沿って延在する複数の第1の突出部と、第2の外側壁に沿って延在する複数の第2の突出部とを有し、第1及び第2の突出部は、それらを貫通して延在する対応する突出部固定要素穴を有し、小径の延長部によってシャフトに接続され、第1及び第2の突出部は、シャフト上に交互に提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
具体例を挙げ添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について以下で述べる。
図1】本発明の第1の例示的実施形態による骨プレートの斜視図である。
図2図1の骨プレートの上面図である。
図3】線A−Aに沿った図1の骨プレートの断面図である。
図4】線B−Bに沿った図1の骨プレートの断面図である。
図5】線C−Cに沿った図1の骨プレートの断面図である。
図6図1の骨プレートの側面図である。
図7】本発明の第2の例示的実施形態による骨プレートの斜視図である。
図8図7の骨プレートの上面図である。
図9】線D−Dに沿った図7の骨プレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明を、以下の説明及び添付の図面を参照して更に理解することができ、添付の図面において、類似の構成要素は同じ参照番号で指し示されている。本発明は、骨折を治療するための装置及び方法に関し、詳細には、中手骨の骨折を固定するための装置に関する。より具体的には、本発明による例示的な骨固定プレートは、骨の頭部内で破片を捕捉するために骨の骨幹端部の上に配置されうる。本発明の例示的な実施形態は、ヘッドと細長いシャフトとを有する骨固定プレートについて述べ、プレートは、骨折ないしは別の方法で破損した骨の外側面に対して位置決めされるように構成される。骨プレートの、骨プレートを貫通して延在する複数の穴を取り囲む部分は、穴より幅が小さく穴の間に切欠きを形成するウェブによって互いに接続される。後でより詳細に述べるように、例示的な骨プレートの切欠きが形成された外形は、プレートの構造的完全性を損なうことなく骨プレートを曲げるのに必要な力を小さくする。骨プレートは、更に、ヘッドとその細長いシャフトとの間に延在する接続領域を有する。接続領域は、1つ又は2つ以上のプレート穴と、骨プレートの縦軸に対して実質的に平行に延在する縦軸を有する長円形の貫通開口部とを有する。例示的な実施形態では、長円形開口部は、8の字形と似た丸まった端部と狭い中間部分とを有する。後でより詳細に述べるように、この貫通開口部は、骨プレートを骨の輪郭と一致するように成形するのに役立つように位置決めされ、配向される。細長いシャフトは、骨プレートの縦軸に対して平行に延在し、かつ骨プレートを貫通して延在する複数のプレート穴を含む第1の本体部分を有する。シャフトは、更に、骨プレートの縦軸から角度がずれた第2の本体部分軸に沿って、シャフトの第1及び第2の外側壁から延出している第2の本体部分を有する。第2の本体部分は、第2の本体部分を貫通して延在するプレート穴を有し、このプレート穴は、第2の本体部分のプレート穴が、第1の本体部分のプレート穴から軸方向にずらされるように位置決めされる。例示的な骨プレートは、標的骨のプレートが取り付けられる部分の輪郭と実質的に一致する輪郭であらかじめ形成される。例示的なシステム及び方法は中手骨の骨折の固定を対象としているが、例示的な骨固定システムは、本発明の範囲から逸脱することなく他の骨に使用されうることに注意されたい。例えば、プレートは、指骨や中手骨などの足の骨の固定に使用されてもよい。
【0006】
図1図6に示されるように、本発明による骨プレート100は、ヘッド104を含む第1端102からシャフト108を含む第2端106まで中心縦軸110に沿って延在する。骨プレート100は、シャフト108の幅より大きい幅を有するヘッド104を有する。3つの可変角度の穴112、114、116が、ヘッド104を貫通して延在し、中心縦軸110に対して直角に延在する軸120に沿って互いに位置合わせされる。例示的な実施形態では、ヘッド104は、図3に示されるように、ヘッド104が乗る骨の部分の湾曲に対応するように選択された第1の湾曲を有する(この湾曲は、プレート100を処置している骨の特定の解剖学的構造に合わせるために、外科医が必要に応じて修正してもよい)。この例示的な実施形態におけるヘッド104の湾曲は、プレート穴112、116のそれぞれのプレート穴軸113、117が、46°の角度αで交差するように選択される。プレート穴112、116は、後でより詳細に述べるように、プレートの湾曲を考慮して、プレートの平面に対して垂直又は実質的に垂直に延在するように向けられている。また、この構成は、プレート穴112、116のねじ山の数を減らさないように選択される。更に、この構成は、プレート穴112、14、116に挿入された骨ねじの先端が骨内で互いにぶつからないことを保証する。いくつかの実施形態では、角度αは、46°未満でもよく、0°ほどの小ささでもよい。この実施形態でのプレート穴114のプレート穴軸115は、骨プレート100の上面に対して直角に延在して、軸113及び117の交点にできる角度を二分する。例示的な実施形態では、骨プレート100のあらかじめ成形された湾曲は、中心縦軸110に対して実質的に均一かつ対称である。別の実施形態では、骨プレート100は、軸110に対して非対称の湾曲を有してもよい。代替実施形態では、ヘッド104の半径は、ヘッド104の長さに沿って変化する曲率半径を有してもよい。ヘッド104の穴112を取り囲む部分と、ヘッド104の穴114を取り囲む部分との間に、第1のウェブ122が延在する。第2のウェブ122は、ヘッド104の穴114を取り囲む部分と、ヘッド104の穴116を取り囲む部分との間に延在する。ウェブ122は、ヘッド104の、穴112、114及び116を取り囲む大きい直径の部分の間に、骨プレート100の構造的完全性を維持しながらヘッド104の外形を小さくする切欠き124を形成する。例示的な実施形態では、切欠き124は、ヘッド104の外周に沿って実質的に凹状の切り取り部分を形成する。ウェブ122の幅は、好ましくは少なくとも2.4mm±0.5mmである。この実施形態では、プレート穴112、114、116は、ウェブ122の各側面の部分126が、ウェブ122の最小幅において実質的に真っ直ぐに延在することを可能にする距離だけ互いから離される。平坦部分126の長さが、プレート穴112、114、116の間を所望の間隔にするか、ヘッド104の幅の増大を最小にしながらより多数のプレート穴に対応するように変更されてもよいことに注意されたい。
【0007】
接続領域128は、シャフト108とヘッド104の間に延在し、ヘッド104の幅より小さいがシャフト108の幅より大きい幅で形成される。シャフト108は、貫通して延在する1対の可変角度の穴130、132を有する接続領域128を有する。図4に示されるように、この実施形態による接続領域128の湾曲は、穴130、132のプレート穴軸131、133が23°の角度βで交差するように選択される。角度αと同様に、角度βは、後でより詳細に述べるように、プレート穴130、132が、プレートの湾曲を考慮してプレートの面に対して垂直又は実質的に垂直に延在するように選択されてもよい。更に、この構成は、プレート穴130、132に挿入された骨ねじの先端が骨内で互いにぶつからないことを保証する。いくつかの実施形態では、角度βは、23°未満でもよく、0°ほどの小ささでもよい。長円形穴134は、その縦軸が中心縦軸110と位置合わせされて、接続領域128を貫通して延在する。穴134は、その中央領域より幅広の丸い端部を有し、したがって穴134は8の字形と似ている。すなわち、図2に示されるように、穴134は、2つの実質的に円形の開口部136、138を有し、開口部136、138はそれぞれ、開口部136、138の直径より大きい距離だけ縦軸に沿って互いから離され、円形開口部136、138の直径より小さい幅を有する中央領域140を介して互いに対して開いている。この例示的な構成は、ヘッド104とシャフト108が、標的骨の標的部分の湾曲とよりぴったりと適合するように、穴134の中央領域140を中心に所望通りに曲がるのを容易にする。
【0008】
シャフト108は、接続領域128から離れる方向に、中心縦軸110に沿って延在する。シャフト108には、中心縦軸110に沿って複数の可変角度のプレート穴142が形成される。この実施形態におけるプレート穴142のプレート穴軸143は、骨プレート100の上面に実質的に垂直である。しかしながら、当業者が理解するように、各プレート穴軸143は、対応する可変角度の穴142によって可能な角度範囲がその穴142に望ましい角度範囲を提供するような、任意の所望の角度であってよい。複数の第1の突出部144が、シャフト108の第1の外側壁146から横方向外方に突出し、複数の第2の突出部148が、第2の外側壁147から横方向外方に突出する。第1及び第2の突出部144、148はそれぞれ、貫通して延在する可変角度のプレート穴150を有する。図5により明確に示されるように、プレート100は、第1の突出部144の領域内で湾曲され、それにより、プレート穴150のプレート穴軸151が、骨プレート100を貫通してプレート100の表面に垂直な中心縦軸110と交差する軸152と角度γをなす。例示的な実施形態では、シャフト108の湾曲は、図5に示されるように、骨の解剖学的構造と一致するようにヘッド104の湾曲とは異なる。シャフト108の長さに沿ったプレート100の湾曲は、一定のままでもよく、又はプレート100が取り付けられる骨の部分の形状に一致するように必要に応じて変化してもよいことを当業者は理解するであろう。図1に示されるように、第1の突出部144は、中心縦軸110から離れる方向に、第2端106に向けて角度を付けられて延出している。好ましい実施形態では、第1の突出部144の縦軸154は、中心縦軸と約22°の角度をなす。この角度は、プレート穴150に差し込まれたねじが、骨内に確実に位置決めされることができるように選択され、プレートの穴150の位置に応じて(例えば、軸110と軸プレート穴150との間の距離に応じて)10〜90°の範囲とすることができる。第2の突出部148は、第1の突出部144に実質的に類似しており、貫通して延在するプレート穴150を有している。しかしながら、第1の突出部144と違って、第2の突出部148は、シャフト108から離れる方向に第1端102に向かって延出している。第2の突出部148の縦軸によって囲まれた角度は、第1の突出部144の角度と同じである。代替実施形態では、第1の突出部144によって囲まれた角度は、第2の突出部148によって囲まれた角度と同じではない。例示的な実施形態では、シャフト108は、交互になった第1及び第2の突出部144、148を有し、第1及び第2の突出部144、148に差し込まれたねじのねじ衝突を防ぐために、第1の突出部144で始まっている。また、第1及び第2の突出部144、148の例示的な配置は、骨と骨プレート100全体にわたって応力を分散させるのに役立ち、通常は標準の固定プレートによってアクセスできない骨の選択部分上の骨ねじの骨パーチェスを高める。例示的な実施形態は、4つの突出部を有するように示されているが、特定の処置の要件に適合するように任意の数と配置が使用されうることに注意されたい。更に、シャフト108は、プレート100のプレート穴142を取り囲む部分と、突出部144、148をシャフト108に接続するプレート100の部分とを接続する複数のウェブ122を有する。より詳細に後で述べるように、ウェブ122は、骨プレートの強度を維持しながら骨プレート100の外形を最小にするようにサイズ決めされる。図1に示したように、この実施形態による骨プレート100の外周は、外形を更に小さくするために丸みのあるテーパを有する。
【0009】
本発明による例示的な方法によれば、当業者が理解するように、ヘッド104は、シャフト108が骨の骨幹の方に延在する状態で標的骨の骨幹端部の上に位置決めされる。骨プレート100のヘッド104は、骨幹端部の一部分のまわりに延在して骨折破片を捕捉する。必要に応じて、外科医又は他のユーザは、道具(例えば、プライヤ、ピンセットなど)を使用して、ヘッド104、シャフト108、並びに第1及び第2の突出部144、148のいずれか又は全ての湾曲を、骨プレート100を骨の上に面一で取り付けるように適応させてもよい。後でより詳細に述べるように、骨プレート100の例示的な構造は、複数の平面内の個別の部分の曲げを可能にし、更に、骨プレート100の隣接部分の湾曲に影響を及ぼすことなく、骨プレートの特定部分(例えば、第1及び第2の突出部144、148)の曲げを可能にする。これと対照的に、従来技術のシステムは、その剛性特性によって、曲げにくいだけでなく、骨プレートの選択部分の独立した湾曲を妨げる。したがって、本発明の例示的な実施形態は、骨プレートを、骨の湾曲に一致するように選択的に曲げるのを可能にする。更に、長円形穴134は、中心縦軸に沿ってヘッド104をシャフト108に対して曲げるのを可能にする。骨プレート100が所望の湾曲に曲げられたら、骨プレートを骨の上に位置決めし、所望の位置のいずれかにおいて、骨折の特性に基づいて外科医によって決定された順序で、プレート穴112、114、116、142、130、132及び150に差し込まれた骨ねじ(例えば、可変角度の止めねじ、図示せず)を使用して、骨プレートを骨に固定する。当業者が理解するように、この実施形態による骨プレート100のプレート穴112、114、116、130、132、142及び150は全て、1.5mmの皮質骨ねじ又は1.5mmの止めねじを受容するように形成された、1.5mmの固定圧縮プレートねじ穴である。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することになく、任意の他のサイズのプレート穴を、そのような穴のいずれか又は全ての代わりとすることができることに注意されたい。そのような代替サイズについては、図7図8に関して後述される。
【0010】
図7図9は、本発明の別の実施形態による骨プレート200を示す。骨プレート200は、後述の場合を除き、骨プレート100と実質的に同じように形成される。骨プレート200は、骨プレート100のプレート穴112、114、116、130、132、142、150に対応するプレート穴212、214、216、230、232、242、250を有する。しかしながら、プレート穴212、214、216、230、232、242、250は、1.3mmのプレート穴である。更に、骨プレート100は、実質的に丸い湾曲を有するように形成されているが、より詳細に後述されるように、骨プレート200は、平面屈曲と湾曲の組み合わせで予備成形される。
【0011】
図9に示すように、プレート穴212、216のプレート穴軸213、217は、20°の角度δで交差する。この角度が単に例示であり、例えば、骨プレート100に関して前述した角度のような、本発明の範囲から逸脱しない他の角度が使用されうることに注意されたい。骨プレート200の骨接触面201は、尖っているか又は実質的に丸い継目207で交わる第1及び第2の平坦壁203、205を規定する屈曲を有するようにあらかじめ輪郭形成される。例示的な実施形態では、平坦壁203、205は、骨プレート200の平坦で曲がりのない構成に対応する軸209に対して約10度曲げられている。例示的な平坦壁203、205は、指骨の骨幹端により良好に適合する外形を提供し、更に製造方法を容易にする。1.5mmの穴を使用すると、平坦壁203、205は、中手骨幹端の外形にほぼ合致することができる。骨プレート200の接続領域228は、ヘッド204と同じように曲げられてもよい。骨プレート200のシャフト108は、骨プレート100に関して上で開示されたのと同じように湾曲していてもよい。
【0012】
更に、図7に示されるように、骨プレート200は、可変角度の穴の代わりに円錐形のねじ式止め穴を有してもよく、この止め穴は、骨ねじ(図示せず)の半円形ヘッド(図示せず)を取り付ける湾曲壁252を有する非ねじ式凹部と、骨ねじのシャフトとねじ式に係合するように形成されたねじ山を有するねじ式シャフト部分254とを有する。
【0013】
当業者であれば、添付の特許請求の広義の範囲から逸脱することなく、本発明に種々の改変及び修正を行うことができることを理解するであろう。これらのうちのいくつかは上記で検討されており、その他は、当業者には明らかであろう。
【0014】
〔実施の態様〕
(1) 指骨に固定するようにサイズ決めされ成形された骨固定プレートであって、
第1端から第2端まで延在するヘッドであって、第1及び第2の固定要素穴軸に沿って前記ヘッドを貫通して延在する第1及び第2の固定要素穴を有する、ヘッドと、
前記ヘッドの前記第2端から第3端まで中心縦軸に沿って延在し、前記中心縦軸に平行な方向に細長い長円形穴を有する接続部分と、
前記接続部分の前記第3端から第4端まで前記中心縦軸に沿って延在するシャフトと、を有し、前記シャフトが、前記中心縦軸に沿って延在する第3及び第4の固定要素穴を有し、前記シャフトが、第1の外側壁に沿って延在する複数の第1の突出部と、第2の外側壁に沿って延在する複数の第2の突出部とを有し、前記第1及び第2の突出部が、それらを貫通して延在する対応する突出部固定要素穴を有し、小径の延長部によって前記シャフトに接続され、前記第1及び第2の突出部が、前記シャフト上に交互に提供されている、骨固定プレート。
(2) 前記長円形穴の断面が、8の字形である、実施態様1に記載の骨固定プレート。
(3) 前記骨プレートの外周が、前記骨プレートの外壁上のくぼみとして形成された複数の切欠きを有する、実施態様1に記載の骨固定プレート。
(4) 前記切欠きが、前記第1、第2、及び第3の固定要素穴のうちの隣接した固定要素穴の間に位置決めされている、実施態様3に記載の骨固定プレート。
(5) 前記切欠きが、前記複数のシャフト固定要素穴のうちの隣接したシャフト固定要素穴の間に位置決めされている、実施態様4に記載の骨固定プレート。
【0015】
(6) 前記第1、第2、及び第3の固定要素穴及び前記シャフト固定要素穴が、可変角度の穴である、実施態様4に記載の骨固定プレート。
(7) 前記第1、第2、及び第3の固定要素穴及び前記シャフト固定要素穴が、ねじ式止め穴である、実施態様4に記載の骨固定プレート。
(8) 前記ヘッドが、中手骨の骨幹端の湾曲に一致する第1の輪郭で形成され、前記シャフトが、前記中手骨の骨幹の輪郭に一致する第2の輪郭で形成され、前記第1の輪郭が、前記第2の輪郭とは異なる、実施態様1に記載の骨固定プレート。
(9) 前記輪郭が、円筒の円弧の一部を形成する、実施態様6に記載の骨固定プレート。
(10) 前記ヘッドの輪郭が、前記中心縦軸と平行に延在する軸に沿って集束する2つの平坦壁を有する、実施態様6に記載の骨固定プレート。
【0016】
(11) 前記ヘッドの幅が、前記接続部分及び前記シャフトの幅より大きい、実施態様1に記載の骨固定プレート。
(12) 前記第1の突出部が、前記第1端の方に傾けられ、前記第2の突出部が、前記第2端の方に傾けられている、実施態様1に記載の骨固定プレート。
(13) 前記第1の突出部の縦軸が、前記中心縦軸と第1の角度をなし、前記第2の突出部の縦軸が、前記中心縦軸と第2の角度をなす、実施態様12に記載の骨固定プレート。
(14) 前記第1の角度が、前記第2の角度と同じである、実施態様13に記載の骨固定プレート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9