(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部や図示を省略している箇所がある。以下の実施形態では、照明器具を設置対象に設置した
図1に示す状態を基準として、上下、左右、前後方向等を原則的に説明する。
図5(a)、
図6(a)、
図7(a)に示す模式的断面図はいずれも
図1におけるX−X線矢視断面図を示しているが、説明をわかりやすくするため、図示を省略している箇所がある。また
図5(a)、
図6(b)、
図7(b)、
図12(b)、
図12(c)、
図16(b)、
図17(b)、
図18(a)〜(c)に示す模式的平面図は、取付爪等の状態を説明するため、カバー部の図示を省略している。
【0010】
<第1実施形態>
図1〜
図7を参照しながら、第1実施形態に係る照明装置の一例について説明する。
<照明器具の構成>
図1に示すように本実施形態に示す照明器具1は、スポットライトであって、片手でもダクトレール2に着脱自在に取り付けられ、ダクトレール2に沿ってスライド移動ができるようになっている。照明器具1は、電源ケース10と、アーム部31と、ランプ部30とを備えている。電源ケース10は、照明器具1のプラグとして機能し、ダクトレール2に取り付けられ、ダクトレール2を通じて電源ケース10に電力が供給される。アーム部31は、電源ケース10に結合されるともに、ランプ部30の両側面にも結合しており、ランプ部30を回動自在に支持している。これにより、ランプ部30は照射方向を調整することができる。ランプ部30は、発光ダイオード等の光源と、反射鏡やレンズ等の光学部品と、制御部等を有し、不図示のリード線を通じて、電源ケース10から電力が供給される。
【0011】
<ダクトレール>
図1及び
図5(a)等に示すように、ダクトレール2は、天井面等に設置され、断面視において略矩形状の細長い筒状成形物で構成されている。ダクトレール2は、開口部21と、係止部22と、給電部23とを備えている。天面2aは、ダクトレール2の天面であり、ダクトレール2が天井面に設置される際に、天井面に接して配設される。また上面22aは係止部22の上面であり、縁部22bは係止部22の縁部である。なお、ダクトレール2のアースの図示は省略している。
【0012】
開口部21は、ダクトレール2の長手方向に沿って下方側が開口した状態に形成されている。開口部21は、ダクトレール2の幅方向(短手方向)の中間位置で且つ下向き凹状に形成されている。係止部22は、開口部21を挟んで両側に一対設けられており、この係止部22の上面22aに後記する取付爪13が係止される(
図7(a)参照)。一対の係止部22,22は、開口部21を挟んで互いに向かい合うように形成されている。
【0013】
給電部23は、後記する回転電極17が接する位置に設けられ(
図7(a)参照)、照明器具1がダクトレール2に沿ってスライドしても電源ケース10を介して照明器具1に給電されるように長手方向に沿って配されている。
図1及び
図5(a)等に示すように、給電部23は、ダクトレール2の天面2aと係止部22の中間位置に設けられ、断面略横向きの凹状で且つ回転電極17が接触する側が開口した給電凹所24に配設されている。この給電凹所24に設けられた給電部23は、向かい合うように一対に設けられた端子対であり、銅等の導電性材料からなる。
【0014】
<電源ケース>
図2〜
図4に示すように電源ケース10は、金属もしくは各種樹脂等からなり、ケース本体10aと、板体10bと、堰部10cと、規制部10dとを有している。ケース本体10aは、上面が開口し略長方体形状の箱型に構成されている。ケース本体10a内には、ランプ部30を点灯・消灯させる安定器等が収容されている。板体10bは、ケース本体10aの開口した上面を塞ぐ板状体である。堰部10cは、カバー部12の一端を当接し、カバー部12の設置位置の位置決め及びズレ防止機能を有している。規制部10dは操作部15の操作レバー15aの回動方向を規制するよう立設されている。ケース本体10aの長手方向の一方端には、操作部15が設けられており、操作部15が設けられた側のケース本体10aの端面は、操作部15の操作レバー15aを回動させやすいよう湾曲した形状となっている。電源ケース10の板体10bの上面には、操作部15の他、一対の取付爪13,13と、弾性部材14と、ロック棒18と、ロックばね18cとを設けられ、その上方からカバー部12が設置される。弾性部材14及びロックばね18cは、押圧が加わると縮む弾性材料が用いられ、図ではコイルばねを用いた例を示している。
【0015】
<取付爪>
取付爪13は、鉤状の爪部材で各種樹脂等からなり、
図2の拡大断面図に示すように脚部13aと、起立部13bと、傾斜部13cと、穴部13dと、筒体部13eとを有している。脚部13aは、板体10bの上面に載置され、脚部13aと起立部13bとで断面略L字状をなす。当接面13baはロック棒18の突起部18dが当接する当接面であり、起立部13bの背面に相当する。この当接面13baには弾性部材14を保持する筒体部13eが突出して形成されている。図例の筒体部13eは、中実円筒状のものを示しているが、これに限定されず、例えば角柱状であってもよい。また当接面13baには、ロック棒18に形成された突起部18dと嵌合する大きさに形成された穴部13dが設けられている。穴部13dと筒体部13eとは、当接面13baに上下に並列して左右に2つずつ形成されている。傾斜部13cは、側面視において上から下へ漸次外向きに拡幅する三角形状をなす。傾斜部13cは、起立部13bの脚部13aとは反対側の端部に形成されている。傾斜部13cは、係止部22に係止され、その傾斜角度は略45度をなす。被係止面13caは係止部22に係止されたときに係止部22の上面22aに当接する被係止面である。
【0016】
取付爪13は、
図3に示すように当接面13ba(背面)同士が互いに向き合うように板体10b上に一対に設置される。一対の取付爪13,13の間には、筒体部13eで保持されている弾性部材14が配されており、開口部21(電源ケース10)の幅方向に接近もしくは離隔(接離自在)するように設けられている。具体的には、一対の取付爪13,13の傾斜部13cに押圧されると弾性部材14が圧縮され、一対の取付爪13,13の間隔が縮まって接近するように構成されている(
図6(a)の状態)。また傾斜部13cへの押圧が解除されると弾性部材14が復元して一対の取付爪13,13同士を離隔する方向へ付勢するように構成されている。(
図5(a)もしくは
図7(a)参照)。一対の取付爪13,13は、当接面13ba同士が互いに向かい合い、弾性部材14を介在させて設置されており、一対の取付爪13,13の当接面13ba間は、開口部21の開口幅の寸法に合わせて設定される。具体的には、
図5(a)に示すように後記する非係止状態において、取付爪13の傾斜部13cの中間位置が係止部22の縁部22bに当接し、この縁部22bを乗り越えて、取付爪13の被係止面13caが係止部22の上面22aに到達して係止されるように設定される。
なお、本明細書で説明する一対の取付爪13,13は、完全に同じ形状の取付爪13同士を一対というものに限定されず、例えば一方の取付爪13の起立部13bにのみ切欠き形状の部位があるような場合も含む。要は一対の係止部22,22に一対の取付爪13,13のそれぞれが係止されるものであればよい。
【0017】
<ロック棒>
ロック棒18は、棒状体であり、各種樹脂等からなり、棒本体18aと、当接部18bと、突起部18dと、バネ保持部18eとを有している。図例のロック棒18は角柱状のものを示しているが、これに限定されるものではない。ロック棒18は、
図2、
図3に示すように一対の取付爪13,13の間に介在する弾性部材14の上方位置に且つ弾性部材14と直交するように設置される。棒本体18aは、操作部15の操作に連動して
図3に示すように矢印B方向、すなわち電源ケース10の長手方向にスライドするように構成されている。棒本体18aは、棒部18aaと段差状棒部18abとを有し、棒部18aaと段差状棒部18abとは、段差状に屈曲した境を有している。棒部18aaは、板体10bの表面に沿って移動し、段差状棒部18abは、板体1bから上方に離隔した位置で移動する。棒本体18aの一端部、すなわち操作部15側に配置される一端部には、後記する操作部15の凸部15bもしくは回転板15cと当接する当接部18bが設けられている。棒本体18aの他端部、すわなち、堰部10c側に配置される他端部には、ロックばね18cを保持する円筒状のバネ保持部18eが形成されている。ロックばね18cの一端側18caは、バネ保持部18eに挿通され、ロックばね18cの他端側18cbは、カバー部12のロックばね覆い部12aの内壁12cに当接もしくは近接するように配されている。よって、ロック棒18の当接部18bが操作部15の凸部15bに当接すると、ロック棒18は、矢印B1方向(
図3、
図7(b)参照)に移動し、ロックばね18cは内壁12cに当接して矢印B1方向に圧縮される。またロック棒18の当接部18bが回転板15cに当接すると、ロックばね18cの圧縮状態が解除されるので、復元する方向に付勢力が作用し、ロック棒18は矢印B2方向(
図5(b)、
図6(b)参照)に移動する。
【0018】
段差状棒部18abの側面には取付爪13の設置方向に向けて突出した突起部18dが複数形成されている。この突起部18dは、取付爪13の当接面13baに当接しているとき(
図7(b)参照)、取付爪13は係止部22に係止された状態(
図7(a)参照)とされる。また突起部18dが取付爪13の穴部13dに嵌合する位置にあるとき(
図5(b)及び
図6(b)参照)、取付爪13は一対の取付爪13,13同士の間隔が接離自在な非係止状態(
図5(a)及び
図6(a)参照)とされる。
なお、回転板15cに設けられる凸部の突出寸法を調整することで、突起部18dの当接面13baへの当接位置を調整することができる。
【0019】
<カバー部>
カバー部12は、金属もしくは各種樹脂等からなり、電源ケース10の板体10b上に設けられた各種構成部材(ロック棒18、取付爪13、ロックばね18c等)に覆い被さるように設けられる。カバー部12はビス12eで板体10bの上面に固定される。カバー部12は、ロックばね覆い部12aと、開口部12b、ロック棒覆い部12dとを有している。ロックばね覆い部12aは、上述したようにロックばね18cを覆うように形成され、開口部21内に収まる寸法とされている。またロック棒覆い部12dは棒本体18aが所定に位置に設置され且つ、矢印B方向の動きを邪魔しないように形成されている。ロックばね覆い部12a及びロック棒覆い部12dは、電源ケース10の長手方向に沿って突条に形成され、電源ケース10をダクトレール2に取付ける際には、開口部21内の正しい位置に取り付けられるように誘導する位置決め機能も果たすように形状・寸法等が設定されている。開口部12bは、カバー部12を取り付けた際に、一対の取付爪13,13の脚部13a,13aは収容され、傾斜部13cの全体が突出する大きさに形成されている。具体的には、この開口部12bの開口幅は、一対の取付爪13,13同士の間隔が最も離隔した際に、傾斜部13c,13cが開口部21の幅方向の寸法より突出した位置になるように考慮して寸法設定がされており、一対の取付爪13,13の接離の動きを規制する機能も有している。
【0020】
<操作部>
操作部15は、操作レバー15aと、凸部15bと、回転板15cと、軸頭部15dと、回転補助爪16と、回転電極17とを有している。操作部15は、ダクトレール2に設けられた給電部23と電気的に接続するための電源レバーを兼ねている。操作レバー15aは、水平方向に90度の範囲内で操作されるように構成されており、逆方向に回動されないよう電源ケース10に設けられた規制部10dによって回動方向が規制されている。操作レバー15aは、操作レバー15aを操作することで、電源レバーとして通電状態と非通電状態(電気的なオンオフ)の切替えと、後述するロック機構を作用させて係止状態と非係止状態の切替えと連動するよう構成されている。このように構成することで、操作部15の単一化が図られ、取扱いが容易になるとともに部品点数を減らすことができる。
【0021】
操作レバー15aと、凸部15bと、回転板15cとは、平板体からなる同一部材で構成されており、平面視において略円形状の回転板15cの中央部位が軸支され、回転自在に構成されている。操作レバー15a及び凸部15bは、この回転板15cから突出して形成されており、操作レバー15aを90度回動させると自ずと凸部15bも90度移動することになる。軸頭部15dは操作レバー15aを軸支する軸部(不図示)の軸頭部である。軸頭部15dは平面視において円形状とされ、その直径は、取付時に邪魔にならないようダクトレール2の開口部21の幅寸法よりも小さい寸法とされる。回転補助爪16と、回転電極17とはいずれも、操作レバー15aを回動自在に軸支する軸部(不図示)に固定状態で設けられ、軸部から両側に2翼構成で突出して設けられている。回転補助爪16と、回転電極17とは、いずれも、操作レバー15aの回動とともに略水平回転する。
【0022】
回転補助爪16は、操作レバー15aの操作により、係止状態とした場合に一対の取付爪13,13同士の間隔が離隔する方向と略平行な向き(弾性部材14と略平行)になるよう構成される(
図6(a)参照)。
また回転電極17も同様に、操作レバー15aの操作により、係止状態とした場合に一対の取付爪13,13同士の間隔が離隔する方向と略平行な向き(弾性部材14と略平行)になるよう構成され、給電部23と接触することで、電気的に接続され、電源ケース10に電力が供給される。
【0023】
次に
図5〜
図7を参照しながら、本実施形態におけるロック機構そして、非係止状態及び係止状態について説明する。ここでロック機構とは、弾性部材14によって一対の取付爪13,13同士を離隔する方向へ付勢し取付爪13の係止部22への係止状態を保持する機構をいい、このロック機構は、操作部15の操作によって係止状態から非係止状態に切り替え可能としている。
<非係止状態(オフ状態)>
照明器具1をダクトレール2に取り付ける際には、電源ケース10に設けられた操作部15を操作して、非係止状態にする必要がある。ここで非係止状態とは、一対の取付爪13,13同士の間隔を接離自在とする状態をいい、取付爪13の動きが規制されていないフリーの状態をさす(
図5(a)及び
図5(b)の矢印A方向参照)。よってこの状態で例えば指で一対の取付爪13,13を上方からつまむと弾性部材14が圧縮されて、一対の取付爪13,13の間隔は接近する方向に移動する。
【0024】
非係止状態にするには、操作レバー15aを
図5(b)、
図6(b)に示すようにロック棒18に対して90度の位置になるように操作すればよい。すると、ロック棒18は回転板15cに当接した状態となり、電気的に接続していない状態(オフ)となる。このとき、ロック棒18を付勢するロックばね18cは非圧縮状態となるので、矢印B2方向へ付勢力が作用しロック棒18が移動する。そして、ロック棒18の突起部18dは取付爪13の穴部13dに嵌合する位置になる。これにより、一対の取付爪13,13同士の間隔が最も離れているときは、突起部18dは穴部13dに嵌合しない位置とすることができる(
図5(a)及び
図5(b)参照)。このとき、一対の取付爪13,13の間に介在する弾性部材14は圧縮を受けず、フリーな状態にある。またこれにより、一対の取付爪13,13同士の間隔が最も接近したときは、突起部18dは穴部13dに嵌合することになる(
図6(a)及び
図6(b)参照)。このとき、一対の取付爪13,13の間に介在する弾性部材14は圧縮された状態となる。またこの非係止状態では、回転補助爪16及び回転電極17はロック棒18の直線上に配置されているので、開口部21内に取付ける際に邪魔になることはない。
<係止状態(オン状態)>
照明器具1をダクトレール2に取り付けた後は、電源ケース10に設けられた操作部15を操作して、係止状態とする。ここで係止状態とは、弾性部材14によって一対の取付爪13,13同士を離隔する方向へ付勢し取付爪13が係止部22へ保持された状態をいい、ロック機構が作用している状態をさす。この状態で例えば指で一対の取付爪13,13を上方からつまんでも、一対の取付爪13,13は互いに接近する方向へは動かない。
【0025】
係止状態にするには、操作レバー15aを
図7(b)に示すようにロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作すればよい。すると、ロック棒18は凸部15bに当接した状態となり、ロック棒18を付勢するロックばね18cが圧縮状態となり、矢印B1方向へ圧縮力が作用しロック棒18が移動する。このとき、ロック棒18の突起部18dは取付爪13の穴部13dに嵌合しない位置、すなわち、取付爪13の当接面13baに当接した状態になる。すると一対の取付爪13,13は係止部22,22に係止され、ダクトレール2から脱落するおそれがない状態にすることができる。またこの係止状態では、回転補助爪16及び回転電極17はロック棒18に対して直交する方向に配置されているので、開口部21内に取付けられた際に回転補助爪16は、係止部22と給電凹所24の間の空間に設置され、回転電極17は給電部23に接触し、電気的に接続した状態(オン)になるのである。
【0026】
<ダクトレールへの取り付け及び取り外し要領>
続いて
図5〜
図7を参照しながら、照明器具1をダクトレール2に取り付ける取付要領について説明する。
まず照明器具1をダクトレール2に取り付ける前に、電源ケース10に設けられた操作部15を操作して、非係止状態にする(
図5(b)の状態)。この状態で電源ケース10を持ち、ダクトレール2の開口部27に近づけていく。このまま電源ケース10を持ち上げて取付爪13を係止部22に押し付け、取付爪13の傾斜部13cに係止部22の縁部22bを当接させる。このとき、傾斜部13cに縁部22bが押圧されることで、上から下へ漸次外向きに傾斜した傾斜部13cに上から下に向かって力がかかる。これが略水平方向へ向かう力に変換され、取付爪13,13同士は近接する方向に力が作用して移動する(
図6(a)及び
図6(b)の矢印C方向参照)。傾斜部13cは上方に向けて漸次取付爪13の出幅が狭まっていくように傾斜しているので、無理な力をかけなくても、上方向(天面2aに向けて)持ち上げていけば、取付爪13,13同士は接近していき、スムーズに開口部21内に取付爪13,13が誘導される。そして、
図7(a)に示すように取付爪13の傾斜部13cの被係止面13caが係止部22の上面22aに載置されると、照明器具1をダクトレール2に取り付けた状態となる。このとき、取付爪13が動いてダクトレール2に係止される音(カチャッというような)がする。
この状態でも照明器具1や電源ケース10に無理な力をかけなければ、ダクトレール2に保持され、ダクトレール2から照明器具1が脱落するおそれはない
【0027】
そして、照明器具1のダクトレール2への取付け状態をしっかりと強固に保持したい場合は、ロック機構を作用させる。これは操作部15を操作して係止状態にすればよい(
図7(b)の状態)。すると、上述したように一対の取付爪13,13は互いに接近する方向へは動かない状態となり、回転電極17は給電部23と接触した状態となる。よって、通電がオンになれば、ランプ部30に給電される状態となる。
【0028】
以上のように本実施形態に係る照明器具1によれば、ダクトレール2に対して片手でもワンタッチで容易に取り付けが可能であり、取り付け作業が非常に容易である。よってダクトレール2が天井面に設置され、高所作業となっても作業がしやすい。また、ロック機構を備えているので、操作部15を操作すれば容易に係止状態を保持することができる。
【0029】
続いて、照明器具1をダクトレール2から取り外す取り外し要領について説明する。
照明器具1を取り外すときは、操作部15を操作して、係止状態から非係止状態とし、その状態で例えば電源ケース10自体を少し斜め上に持ち上げる等すれば、取付爪13は接離自在な状態に弾性部材14で付勢されているので、容易に取り外すことができる。
【0030】
<変形例>
図8は上述の第1実施形態に係る照明器具1の変形例を示している。
上述の例と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この例は上述の実施形態に爪押圧部19を設けた点が相違するだけで他の構成は同様である。
【0031】
<爪押圧部>
爪押圧部19は、平板状部材で各種樹脂等からなり、操作端19aと、作用端19bとを有している。爪押圧部19は、ダクトレール2から照明器具1を取り外す際に使用されるいわば解除レバーである。ダクトレール2に電源ケース10が取り付けられた状態で、ダクトレール2と電源ケース10との間の隙間から操作端19aの位置がわかるように設けられることが望ましい。爪押圧部19は、取付爪13を、
図8(a)に示す矢印D方向へスライドするように構成され、一方端が操作端19a、他方端を作用端19bとしている。
図8(a)に示すように、一対の取付爪13,13の脚部13aに作用端19bを当接させ、指で操作端19aを横方向(矢印D方向参照)に押圧する。これにより、一対の取付爪13,13の間に介在する弾性部材14が圧縮され、一対の取付爪13,13を強制的に接近する方向に移動させることができる。
【0032】
<照明器具の取り外し要領>
次に
図8を参照しながら、照明器具1をダクトレール2から取り外す要領について説明する。
照明器具1をダクトレール2から取り外すときは、まず操作部15を操作して、係止状態から非係止状態とする。そして操作端19aを矢印D方向に押圧すればよい。すると
図8(b)に示すように一対の取付爪13,13を強制的に接近する方向に移動し、開口部21の係止部22から被係止面13caの係止が解除され、スムーズにダクトレール2から取り外すことができる(
図8(c)参照)。
【0033】
<その他の実施形態>
上述した第1実施形態に示す照明器具1は、一例であって、以下、第1実施形態とは種々異なる実施形態の照明器具について説明する。なお、以下では主に第1実施形態と異なる部分について説明し、上述の第1実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
【0034】
<第2実施形態>(取付爪のバリエーション)
取付爪の形状、構成は第1実施形態の例に限定されるものではない。
図9には、第1実施形態とは、取付爪13及びカバー部12が異なる第2実施形態に係る照明器具1の電源ケース10Aを示している。
第2実施形態の取付爪13Aは、第1実施形態の取付爪13を半分に分割したような例であり、当接面13ba(背面)同士が互いに向き合うように配置されるのではなく、ひとつひとつの取付爪13A,13Aが互い違いになるように配置される。カバー部12には、このように配置される取付爪13Aに応じて、略方形状の開口部12fが2つ形成され、それぞれの開口部12f,12fが互い違いに形成される。よって、それぞれの開口部12f,12fから、一対の取付爪13A,13Aのそれぞれの傾斜部13c,13cが接離可能に突出して配置される。
【0035】
一対の取付爪13A,13Aの傾斜部13c,13cの傾斜方向の向きが、それぞれ異なる向きになる点は第1実施形態と同様であり、それぞれが同形状からなる点も同様である。またロック棒18の突起部18dが嵌合する穴部13dが当接面13baに形成されている点も第1実施形態と共通するが、一対の取付爪13A,13A同士を離隔する方向へ付勢する弾性部材14を保持する筒体部13eの形成位置が脚部13aに形成されている点は異なる。そして筒体部13eに保持される弾性部材14の一端部14aは、カバー部12に形成された段部12hに突き当たるように配される点も異なる。
以上の取付爪13Aとした場合でも、第1実施形態に示す取付爪13同様にダクトレール2の係止部22に係止され、片手でも容易に取り付けられ、取り付けた後もダクトレールにしっかり保持できる照明器具1とすることができる。
【0036】
<第3実施形態>(ロック機構のバリエーション)
ロック機構の構成は、第1実施形態の例に限定されるものではない。
図10には、第3実施形態に係る照明器具1の電源ケース10Bを示しており、第1実施形態に示すロック機構とは、オンオフ操作時のロック棒18のスライド方向が逆とした例を示している。操作レバー15aによるオンオフ操作自体の構成は第1実施形態と同様であり、例えば電気的にオンにするには、操作レバー15aを
図10に示すようにロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作すればよい。
【0037】
第3実施形態の棒本体18aの一端部、すなわち操作部15側に配置される棒本体18aの一端部には、回転板15cに形成された凹部15eと当接する嵌合当接部18fが設けられている。よって、
図10に示すように操作レバー15aがロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作されると、ロック棒18を付勢するロックばね18cが伸長し、矢印B2方向へ付勢力が作用しロック棒18が移動する。ロック棒18の嵌合当接部18fは、凹部15eに嵌まり込んで当接した状態となる。このとき、ロック棒18の突起部18dは取付爪13の穴部13dに嵌合しない位置、すなわち、取付爪13の当接面13baに当接した状態になる。すると一対の取付爪13,13は係止部22,22に係止され、ダクトレール2から脱落するおそれがない状態にすることができる。またこの係止状態では、回転補助爪16及び回転電極17は、ロック棒18に対して直交する方向に配置されている。よって、回転補助爪16は、開口部21内に取付けられた際に、係止部22と給電凹所24の間の空間に設置され、回転電極17は、給電部23に接触し、電気的にオンにできる状態になるのである。
【0038】
なお、突起部18dの当接面13baの当接位置は第1実施形態の当接位置とは異なり、ロック棒18が操作部15側(矢印B2方向)に移動するので、第1実施形態の当接位置より操作部15側に当接する。このように回転板15cに設けられる凹部15eの凹み寸法の設定により、突起部18dの当接面13baへの当接位置を調整することができる。
【0039】
第3実施形態においても、照明器具1をダクトレール2に取り付ける際には、電源ケース10に設けられた操作部15を操作して、非係止状態にする必要がある点は第1実施形態と同様である。非係止状態にするには、操作レバー15aを
図10の状態からロック棒18に対して90度の位置になるように操作すればよい。すると、ロック棒18は回転板15cに当接した状態となり、ロック棒18を付勢するロックばね18cが圧縮状態となる。すると、ロック棒18が堰部10c側(矢印B1方向)へ移動する。このとき、ロック棒18の突起部18dは取付爪13の穴部13dに嵌合する位置になる。よって、一対の取付爪13,13の間に介在する弾性部材14は圧縮を受けないフリーな状態となり、一対の取付爪13,13同士の間隔が最も接近したときは、突起部18dは穴部13dに嵌合することになる。またこの非係止状態では、回転補助爪16及び回転電極17はロック棒18の直線上に配置されているので、開口部21内に取付ける際に邪魔になることはない。
【0040】
<第4実施形態>(ロック機構による係止状態のバリエーション)
ロック機構による係止状態の構成は第1実施形態の例に限定されるものではない。
図11、
図12には、第1実施形態とは異なる第4実施形態に係る照明器具1の電源ケース10C,10D,10Eを示している。
【0041】
第1実施形態ではロック棒18に設けられた突起部18dが、取付爪13の当接面13baに当接した状態とすることで、ストッパーとなり係止状態を保持する例を説明した。
図11(a)〜
図11(d)に示す例は、突起部の作用により、取付爪13の係止部11への係止状態をする点は共通するが、突起部18dが棒本体18aに形成されているのではなく、操作部15の操作に連動して出没する突起部18d’,18d’’を有している点で相違する。
【0042】
図11(a)及び
図11(b)には、第4実施形態の電源ケース10Cとして、一対の取付爪13,13の間に、操作部15の操作に連動して出没する突起部18d’を設けた例を示している。
図11(a)は、ロック機構が解除された非係止状態(オフ状態)を示している。このとき、操作レバー15aはロック棒18に対して90度の位置にある。照明器具1をダクトレール2に取付ける際には、突起部18d’はケース本体10a内に没した状態(
図11(a)参照)とする。取付爪13の動きは規制されていないフリーの状態である。
図11(b)は、ロック機構が作用している係止状態(オン状態)を示している。一対の取付爪13,13が係止部22に係止させた後、操作レバー15aをロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作すると、これに連動して突起部18d’が突出する。一対の取付爪13,13の間に突起部18d’が介在するので、一対の取付爪13,13同士は互いに接近する方向へ動かすことができない状態とすることができる。
【0043】
図11(c)及び
図11(d)は、
図11(a)及び
図11(b)に示す例の変形例に係る電源ケース10Dを示している。ここに示す突起部18d’’は、一対の取付爪13,13の脚部13aに形成された孔部13f内で、操作部15の操作に連動して出没する点で、上述の例と異なる。突起部18d’’は、操作部15の操作に連動して突出し、孔部13f内に収まっている場合は、取付爪13は動きが規制された状態となる。一方、突起部18d’’が操作部15の操作に連動して没し、孔部13f内にない場合は、取付爪13の動きは規制されていないフリーの状態となる。
【0044】
図11(c)は、ロック機構が解除された非係止状態(オフ状態)を示している。操作レバー15aはロック棒18に対して90度の位置にある。このとき、取付爪13は動きを規制されていないフリーの状態である。
図11(d)は、ロック機構が作用している係止状態(オン状態)を示している。一対の取付爪13,13をダクトレール2の係止部22に係止させた後、操作レバー15aをロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作すると、これに連動して突起部18d’’が突出する。そして一対の取付爪13,13の孔部13f間に突起部18d’’が挿通されているので、一対の取付爪13,13同士は互いに接近する方向へ動かすことができない状態とすることができる。
【0045】
図12(a)〜
図12(c)に示す例は、第4実施形態の更なる変形例に係る電源ケース10Eを示している。ここに示す例は取付爪13の横方向から串刺ししたようなロック部材20によって取付爪13を係止状態とする例である。
ロック機構を構成するロック部材20は、平面視において一対の取付爪13,13の周囲を取り囲むように配されており、規制棒20aと、受け部材20bと、可動部20cとを有している。棒部18aaの内壁12c側の端部は、平面視において二股に分かれた分岐状棒部18acとなってる。
図12(a)に示すように一対の取付爪13,13の脚部13a,13aには、貫通溝13aaが形成されている。貫通溝13aaは、脚部13aの板体10bと接する面に凹状に形成されている。貫通溝13aaには、分岐状棒部18acの端部が嵌合するとともに(
図12(c)参照)、スライドする規制棒20aが挿通されている。規制棒20aは、鍔部20aaと、規制棒本体20abとを有している。鍔部20aaは、規制棒本体20abより若干大きく鍔状に形成されている。これにより規制棒20aが貫通溝13aaに落ち込んでしまうことなく、矢印B1方向もしくは矢印B2方向にスライド可能となる。ロックばね18cと一対の取付爪13,13との間には、板体10bの上に固定して配置される受け部材20bと可動部20cが設けられている。受け部材20bには、規制棒20aの鍔部20aaと可動部20cの突出部20cbが嵌合する段差状の嵌合孔20baが形成されている。可動部20cは、ロックばね18cを押圧する押圧部20caと、嵌合孔20baに嵌合する突出部20cbとを有している。
【0046】
図12(b)は、ロック機構が解除された非係止状態(オフ状態)を示している。このとき、操作レバー15aはロック棒18に対して90度の位置にある。照明器具1をダクトレール2に取付ける際には、規制棒20aが取付爪13の貫通溝13aaに収まっており、取付爪13は、矢印A方向への動きが規制されていないフリーの状態である。
図12(c)は、ロック機構が作用している係止状態(オン状態)を示している。一対の取付爪13,13をダクトレール2の係止部22に係止させた後、操作レバー15aをロック棒18に対して一直線上の位置になるように操作すると、これに連動して棒部18aaが矢印B1方向へスライド移動する。すると、分岐状棒部18acが貫通溝13aaに嵌合し、これに押されて規制棒20aが移動し、鍔部20aaが嵌合孔20baに嵌合する。これに伴い、受け部材20bの嵌合孔20baに収まっていた突出部20cbが押圧を受け、矢印B1方向に動く。これにより、可動部20cが、矢印B1方向に動き、ロックばね18cが押圧部20caによって押圧され縮む。こうなると一対の取付爪13,13の脚部13aがロックされた状態となるので、一対の取付爪13,13同士は互いに接近する方向へ動かすことができない状態となる。取付爪13は、長手方向両端部においてロックされているので、長手方向一端部のみでロックされる構成に比べて、強固にロックされる。
なお、以上では、規制棒20aが貫通溝13aaに収容された例を説明したが、規制棒20aの構成はこれに限定されるものではない。
【0047】
<第5実施形態>(爪押圧部のバリエーション)
第1実施形態の変形例として説明した爪押圧部19の構成も、
図8に示す例に限定されるものではない。
図13〜
図17には、爪押圧部が異なる第5実施形態に係る照明器具1の電源ケース10Fを示している。なお、この第5実施形態では、第3実施形態と同様のロック機構の例を示しているが、第1実施形態と同じロック機構にも適用可能である。
【0048】
第5実施形態に係る爪押圧部19Aは、ダクトレール2から照明器具1を取り外す際に使用されるいわば解除レバーである。電源ケース10Fは、
図8に示す例とは、異なる構成の爪押圧部19Aを備え、これに伴い取付爪13の脚部13aには切欠係合部13abが設けられている。
【0049】
爪押圧部19Aは、平板状部材で各種樹脂等からなり、押圧操作部19cと、スライド孔19dと、バネ保持壁部19eと、爪囲み凹部19fと、係合部19gとを有している。脚部13aに形成された切欠係合部13abは、図例のものは平面視において略V字状に切欠き形成されている。この切欠係合部13abの形状は図例に限定されず、例えば円弧状に切り欠いたものであってもよい。板体10bの上には、スライド孔19dが挿通され、カバー部12を固定するビス12gがねじ込まれる筒状部10eが設けられている。押圧操作部19cは、ダクトレール2から照明器具1を取り外す際に、一対の取付爪13,13を強制的に接近させる方向に移動させる操作端である。押圧操作部19cは、
図15に示す矢印E方向に指で押圧すると、爪押圧部19Aがスライドし、一対の取付爪13,13を強制的に接近する方向に移動させるように構成されている。この押圧操作部19cは、照明器具1をダクトレール2に取り付けた状態で操作できるように電源ケース10Fのケース本体10aから若干突出して配されており、操作しやすいように構成されている。
【0050】
スライド孔19dは、矢印E方向に長い長円形状に刳り貫かれて形成されている。スライド孔19dの形状は図例に限定されず、略長方形状であってもよい。スライド孔19dのすぐ傍には、バネ保持壁部19eが爪押圧部19Aの上面に起立して設けられている。バネ保持壁部19eには、ロックばね18cを保持する突起部19eaが矢印E方向に突出して形成されている。
【0051】
爪囲み凹部19fは、
図14〜
図17に示すように、一対の取付爪13,13の脚部13a,13aを側部から囲むように平面視において凹状に形成されており、凹状の縁部19faは、脚部13aの大きさ、形状に応じて形成されている。縁部19faの開口端部には、脚部13aの切欠係合部13abの形状に応じて略V字形状に形成された係合部19gが設けられている。
【0052】
図14及び
図16には爪押圧部19Aが作用していない状態を示している。爪押圧部19Aが作用していない状態においては、係合部19gが切欠係合部13abに嵌まり込んだ状態になっている。このとき、取付爪13は爪押圧部19Aによる力を受けない。
一方、
図15及び
図17には爪押圧部19Aが作用している状態、すなわち一対の取付爪13,13が爪押圧部19Aによって押圧されることで強制的に接近し、弾性部材14が圧縮されている状態を示している。このとき、爪押圧部19Aの係合部19gは矢印E方向にスライドし、切欠係合部13abから外れて脚部13aの端部に当接した状態となる。すると、一対の取付爪13,13の脚部13a,13aが係合部19gによって押圧され、弾性部材14を圧縮し、一対の取付爪13,13が強制的に接近する方向に移動するのである。
【0053】
<照明器具の取り外し要領>
照明器具1をダクトレール2から取り外す際は、操作部15の操作レバー15aを操作して、係止状態(
図14の状態)から非係止状態(
図15の状態)とする。そして押圧操作部19cを矢印E方向に押圧する。そうすると上述したように一対の取付爪13,13を強制的に接近する方向に移動し、係止部22への係止が解除され、スムーズにダクトレール2から取り外すことができる。
【0054】
<第6実施形態>(爪押圧部の更なるバリエーション)
図18には、爪押圧部の更なるバリエーションとして、第6実施形態に係る照明器具1の電源ケース10Gを示している。第6実施形態に係る電源ケース10Gは、操作部15、爪押圧部19Bの構成が相違する。なお、
図18ではロック機構の図示を省略しているが、上述のロック機構を適用することができる。
【0055】
操作部15は、操作レバー15aと、回転板15cと、軸頭部15dと、回転補助爪16と、回転電極17とを有している点で第1実施形態と共通し、従動回転板15fと、連動突起15hとを有している点で相違する。従動回転板15fは、回転板15cと同軸に軸支されている。従動回転板15fは、操作レバー15aの操作によって90度の遊びをもって回転するよう溝15gが形成されている。連動突起15hは、溝15g内に収容されている。連動突起15hは、操作レバー15aが回動操作されると、溝15g内を移動し、連動突起15hが溝15gのいずれか一方の端部に当接した場合は、突き当たった後、従動回転板15fに作用して従動回転板15fを回転させる。例えば
図18(a)の状態から、
図18(b)に示す状態に操作レバー15aを回動する操作をした場合は、連動突起15hは溝15g内を移動するだけで、従動回転板15fは回転しない。
図18(b)の状態から、
図18(c)に示す状態に操作レバー15aを回動させた場合、連動突起15hによって従動回転板15fが押圧され、従動回転板15fは、90度回転する。
【0056】
取付爪13の脚部13aには、取付爪13の移動を規制する規制突起13gが設けられている。
爪押圧部19Bは、爪押圧本体部19hと、リンク棒19iとを備えている。爪押圧本体部19hの略中央部位には、台形状のカム穴19haが形成されている。カム穴19ha内の入隅には、規制突起13gが配されている。従動回転板15fと、爪押圧本体部19hとは、リンク棒19iによって連結されている。
【0057】
<照明器具の取り外し要領>
照明器具1をダクトレール2から取り外す際は、操作部15の操作レバー15aを操作して、係止状態(
図18(b)の状態)から取外し位置(
図18(c)の状態)へ回動させる。すると連動突起15hが作用して従動回転板15fを回転させながら、移動する。従動回転板15fに連結されたリンク棒19iが従動回転板15fの回転に伴い、移動し、これに連結された爪押圧本体部19hも操作部15側へ移動する。このとき、カム穴19haの操作部15側の入隅に配された規制突起13gが操作部15とは反対側に移動する。この移動に伴って、一対の取付爪13,13を強制的に接近する方向に移動する。そうすると取付爪13の係止部22への係止が解除され、スムーズにダクトレール2から照明器具1を取り外すことができる。
【0058】
なお、上記実施形態は一例であって、各構成要素(電源ケース10,10A〜10G、カバー部12、操作部15、ロック棒18、取付爪13,13A、突起部18d,18d’、18d’’、ロック部材20、爪押圧部19,19A,19B等)の形状、配置位置、個数等は図例に限定されるものではない。例えば取付爪13の大きさ等は取り付けるランプ部30の重量等によって設定される。ランプ部30は、スポットライトに限定されず、ダウンライト、間接照明用ライト等であってもよい。電源ケース10にランプ部30を組み込んだ構成や、電源ケース10から吊り紐等によってランプ部が吊り下げられる構成にも適用できる。ランプ部30の形状も図例に限定されず、光源としては、上述の他、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等であってもよい。アーム部31の形状も図例に限定されず、アーム部31の内部にリード線が挿通される挿通孔が形成されたものであってもよい。さらにダクトレール2の構成も図例に限定されず、プラグ式のものであってもよい。また操作部15による係止状態及び非係止状態の切り替え操作も上述の構成に限定されるものではない。そして爪押圧部19,19A,19Bによるダクトレール2からの取り外し機構も上述の例に限定されるものではない。